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発明の名称 農作業機械
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20491(P2007−20491A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−208700(P2005−208700)
出願日 平成17年7月19日(2005.7.19)
代理人 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫
発明者 三輪 敏之 / 山口 雄司 / 丹生 秀和
要約 課題
ロータリ耕耘機付きのトラクタにおいて、耕耘後の地面に轍を残すことなく耕耘深さ自動制御を実行できるようにする。

解決手段
ロータリ耕耘機には、走行機体の各後車輪とロータリ耕耘機との間にある轍の底部に当接して、轍深さ値WDを検出する左右一対の接地センサ130,130を設ける。耕耘制御コントローラ110は、超音波センサ121とリフト角センサ129と左右の接地センサ130との検出値から轍深さ値WDを演算し、耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さ値RD0を轍深さ値WD以上となるように補正する。
特許請求の範囲
【請求項1】
左右一対の走行部にて支持され且つエンジンを搭載した走行機体の後部に、ロータリ耕耘機が昇降制御アクチュエータにて昇降調節可能に装着され、前記走行機体には、前記ロータリ耕耘機の目標耕耘深さ値を予め設定するための耕深設定器が設けられ、前記ロータリ耕耘機には、その耕耘深さ値を検出する耕深検出手段が設けられ、前記耕耘深さ値が前記目標耕耘深さ値となるように前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御する制御手段が備えられた農作業機械であって、
前記走行機体の前記各走行部と前記ロータリ耕耘機との間には、前記各走行部に対応する轍深さ値を検出する接地式検出手段が配置され、
前記制御手段は、前記目標耕耘深さ値を、前記左右の接地式検出手段にて検出された前記轍深さ値以上となるように補正することを特徴とする農作業機械。
【請求項2】
左右一対の走行部にて支持され且つエンジンを搭載した走行機体の後部に、ロータリ耕耘機が、昇降制御アクチュエータにて昇降調節可能で且つ傾斜制御アクチュエータにて左右傾動可能に装着され、前記走行機体には、前記ロータリ耕耘機の目標耕耘深さ値を予め設定するための耕深設定器と、前記ロータリ耕耘機の目標左右傾斜角度を予め設定するための傾斜設定器とが設けられ、前記ロータリ耕耘機には、その耕耘深さ値を検出する耕深検出手段と、前記ロータリ耕耘機の左右傾斜角度を検出する傾斜角検出手段とが設けられ、前記耕耘深さ値が前記目標耕耘深さ値となるように前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御すると共に、前記左右傾斜角度が前記目標左右傾斜角度となるように前記傾斜制御アクチュエータの駆動を制御する制御手段が備えられた農作業機械であって、
前記走行機体の前記各走行部と前記ロータリ耕耘機との間には、前記各走行部に対応する轍深さ値を検出する接地式検出手段が配置され、
前記制御手段は、前記左右一方の接地式検出手段にて検出された前記轍深さ値のみが前記目標耕耘深さ値より深いとき、前記ロータリ耕耘機における前記左右一方の接地式検出手段に対応する側の深さ位置が前記轍深さ値より深くなるように、前記目標左右傾斜角度を補正することを特徴とする農作業機械。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の走行機体にリンク機構を介して昇降調節可能に装着されたロータリ耕耘機にて耕耘作業を実行する農作業機械に係り、より詳しくは、前記ロータリ耕耘機の耕耘深さを略一定に保持する耕耘深さ自動制御のための構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、耕耘作業を実行するトラクタは、前後四輪にて支持され且つエンジンを搭載した走行機体の後部にリンク機構を介して昇降調節可能に装着されたロータリ耕耘機と、該ロータリ耕耘機を昇降動させる昇降制御油圧シリンダと、この昇降制御油圧シリンダの駆動を制御する制御手段とを備えている。
【0003】
この種のトラクタでは、耕耘作業をするに当たって、ロータリ耕耘機に上下回動(揺動)可能に設けられたリヤカバー体を所定圧力にて接地させ、リヤカバー体の上下回動角度を検出するリヤカバーセンサの検出情報から、ロータリ耕耘機における現在の耕耘深さ値を算出し、この算出された耕耘深さ値が耕深設定器にて予め設定された目標耕耘深さ値となるように昇降制御油圧シリンダを駆動させることにより、耕耘深さ自動制御が実行される(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平4−79802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、耕耘作業が行われる圃場が軟らかい場合は、走行機体の自重により車輪(主として左右の後輪)が地面に深く沈み込むため、走行機体が通過した後は圃場に轍(車輪跡)が形成される。かかる轍は、通常、走行機体の後部に位置するロータリ耕耘機にて耕されたのちリヤカバー体の接地力にて均される。
【0005】
耕耘後の圃場に轍を残さないようにするためには、オペレータは、地面への車輪の沈下量(轍の深さ)を考慮した上で、ロータリ耕耘機の目標耕耘深さ値を耕深設定器にて設定する必要がある。
【0006】
しかし、前記従来のトラクタの構成では、圃場が軟らかくて車輪の沈み込みがあるにも拘らず、オペレータが誤って目標耕耘深さ値を前記沈下量より浅い深さに設定してしまうと、ロータリ耕耘機における現実の耕耘深さが轍の深さより浅くなって、耕耘後の地面に轍の底部が均されずに(未耕耘状態で)残るという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、耕耘後の地面に轍を残すことなく、耕耘深さ自動制御を実行できるようにした農作業機械を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この技術的課題を達成するため、請求項1の発明は、左右一対の走行部にて支持され且つエンジンを搭載した走行機体の後部に、ロータリ耕耘機が昇降制御アクチュエータにて昇降調節可能に装着され、前記走行機体には、前記ロータリ耕耘機の目標耕耘深さ値を予め設定するための耕深設定器が設けられ、前記ロータリ耕耘機には、その耕耘深さ値を検出する耕深検出手段が設けられ、前記耕耘深さ値が前記目標耕耘深さ値となるように前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御する制御手段が備えられた農作業機械であって、前記走行機体の前記各走行部と前記ロータリ耕耘機との間には、前記各走行部にて圃場に形成された轍の地面からの深さ値を検出する接地式検出手段が配置され、前記制御手段は、前記目標耕耘深さ値を、前記左右の接地式検出手段にて検出された前記轍深さ値以上となるように補正するというものである。
【0009】
請求項2の発明は、左右一対の走行部にて支持され且つエンジンを搭載した走行機体の後部に、ロータリ耕耘機が、昇降制御アクチュエータにて昇降調節可能で且つ傾斜制御アクチュエータにて左右傾動可能に装着され、前記走行機体には、前記ロータリ耕耘機の目標耕耘深さ値を予め設定するための耕深設定器と、前記ロータリ耕耘機の目標左右傾斜角度を予め設定するための傾斜設定器とが設けられ、前記ロータリ耕耘機には、その耕耘深さ値を検出する耕深検出手段と、前記ロータリ耕耘機の左右傾斜角度を検出する傾斜角検出手段とが設けられ、前記耕耘深さ値が前記目標耕耘深さ値となるように前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御すると共に、前記左右傾斜角度が前記目標左右傾斜角度となるように前記傾斜制御アクチュエータの駆動を制御する制御手段が備えられた農作業機械であって、前記走行機体の前記各走行部と前記ロータリ耕耘機との間には、前記各走行部に対応する轍深さ値を検出する接地式検出手段が配置され、前記制御手段は、前記左右一方の接地式検出手段にて検出された前記轍深さ値のみが前記目標耕耘深さ値より深いとき、前記ロータリ耕耘機における前記左右一方の接地式検出手段に対応する側の深さ位置が前記轍深さ値より深くなるように、前記目標左右傾斜角度を補正するというものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によると、走行機体の各走行部とロータリ耕耘機との間に、前記各走行部に対応する轍深さ値を検出する接地式検出手段を配置し、制御手段は、耕深設定器にて設定された目標耕耘深さ値を前記左右の接地式検出手段にて検出された前記轍深さ値以上となるように補正するので、圃場が軟らかくて前記各走行部の沈み込みがある場合において、オペレータが誤って前記目標耕耘深さ値を前記轍深さ値より浅く設定したとしても、前記ロータリ耕耘機の耕耘深さ値が前記轍深さ値より浅くなるのを確実に回避できる。
【0011】
また、請求項2の発明によると、走行機体の各走行部とロータリ耕耘機との間に、前記各走行部に対応する轍深さ値を検出する接地式検出手段を配置し、制御手段は、前記左右一方の接地式検出手段にて検出された前記轍深さ値のみが予め設定された目標耕耘深さ値より深いとき、前記ロータリ耕耘機における前記左右一方の接地式検出手段に対応する側の深さ位置が前記轍深さ値より深くなるように、傾斜設定器にて設定された前記ロータリ耕耘機の目標左右傾斜角度を補正するので、前記ロータリ耕耘機の左右傾斜角度が前記補正後の目標左右傾斜角度となるように傾斜制御アクチュエータを駆動させることにより、地面に対する前記ロータリ耕耘機の左右の深さ位置がそれぞれに対応する前記轍深さ値より浅くなるのを回避できる。
【0012】
従って、本発明の構成によると、耕耘後の地面に轍を残すことがなくなるから、土質や硬軟度等の圃場状況に左右されることなく耕耘深さ自動制御を実行でき、圃場を均平に仕上げることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図14)に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図10は、農作業用トラクタに本発明を適用した第1実施形態を示している。図1はトラクタの側面図、図2はトラクタの平面図、図3は作業機用昇降機構の概略側面図、図4は作業機用昇降機構の概略平面図、図5は図2のV−V視側断面図、図6はロータリ耕耘機の概略背面図、図7はトラクタの油圧回路図、図8は制御手段の機能ブロック図、図9は耕耘深さ自動制御のフローチャート、図10は耕耘深さ自動制御におけるローリング姿勢制御の説明図である。
【0015】
図1乃至図4に示すように、第1実施形態におけるトラクタ1の走行機体2は、左右一対の前車輪3,3と同じく左右一対の後車輪4,4とで支持されている。走行機体2の前部に搭載したエンジン5にて後車輪4,4及び前車輪3,3を駆動することにより、トラクタ1は前後進走行するように構成される。前後四車輪3,3,4,4は特許請求の範囲に記載した走行部に相当する。この場合、走行機体2の進行方向左側に位置する前後車輪3,4の組と進行方向右側に位置する前後車輪3,4の組とにより、左右一対の走行部が構成されている。
【0016】
エンジン5はボンネット6にて覆われている。また、走行機体2の上面にはキャビン7が設置され、該キャビン7の内部には、操縦座席8と、かじ取りすることによって前車輪3の操向方向を左右に動かすようにした操縦ハンドル(丸ハンドル)9とが設置されている。キャビン7の外側部には、オペレータが乗降するステップ10が設けられ、該ステップ10より内側で且つキャビン7の底部より下側には、エンジン5に燃料を供給する燃料タンク11が設けられている。
【0017】
また、図1乃至図4に示すように、走行機体2は、前バンパ12及び前車軸ケース13を有するエンジンフレーム14と、エンジンフレーム14の後部にボルトにて着脱自在に固定する左右の機体フレーム16とにより構成される。機体フレーム16の後部には、エンジン5からの回転動力を適宜変速して前後四車輪3,3,4,4に伝達するための走行変速機構19を有するミッションケース17が搭載されている。後車輪4は、ミッションケース17の外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース18を介して取り付けられている。
【0018】
ミッションケース17には、エンジン5からの回転動力の一部を後述するPTO軸23に伝達するためのPTO変速機構70も内蔵されている(図3参照)。PTO変速機構70は、ロータリ耕耘機24の回転伝動系への入口において、回転動力の大きさを無段階又は段階的に調節する(適宜変速させる)ためのものである。
【0019】
図3及び図4に示すように、前記ミッションケース17の後部上面には、作業機としてのロータリ耕耘機24を昇降動するための油圧式の作業機用昇降機構20が着脱可能に取り付けられている。ロータリ耕耘機24は、ミッションケース17の後部に、一対の左右ロワーリンク21及びトップリンク22からなる3点リンク機構を介して連結される。左右ロワーリンク21の前端側は、ミッションケース17の後部の左右側面にロワーリンクピン25を介して回動可能に連結されている。トップリンク22の前端側は、作業機用昇降機構20の後部のトップリンクヒッチ26にトップリンクピン27を介して連結されている。さらに、ミッションケース17の後側面には、ロータリ耕耘機24にPTO駆動力を伝達するためのPTO軸23が後向きに突出するように設けられている。
【0020】
図3、図4及び図7に示すように、油圧式の作業機用昇降機構20には、後述する単動形の昇降制御油圧シリンダ28にて回動させるための一対の左右リフトアーム29が設置されている。進行方向に向かって左側のロワーリンク21とリフトアーム29とは、左リフトロッド30を介して連結されている。進行方向に向かって右側のロワーリンク21とリフトアーム29とは、右リフトロッド31、及び該ロッド31の一部を形成する複動形の傾斜制御油圧シリンダ32、及び該シリンダ32のピストンロッド33とを介して連結されている。
【0021】
図1に示すように、ロータリ耕耘機24における下リンクフレーム34の前端と左右一対のロワーリンク21とは、下ヒッチピン35aを介して連結されている。トップリンク22の各後端側と上リンクフレーム34の前端側とは、上ヒッチピン34aを介して連結されている。
【0022】
図1、図2、図5及び図6に示すように、ロータリ耕耘機24は、横長筒状のメインビーム36と、メインビーム36の左右側端部にそれぞれ上端側が連結されたチェンケース37及び軸受板38と、チェンケース37及び軸受板38の下端側に左右両端部が回転自在に軸支された耕耘爪軸39と、耕耘爪軸39に放射状にて着脱可能に取り付けられた複数の耕耘爪40と、耕耘爪40の回転軌跡の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー41と、耕耘爪40の回転軌跡の左右側方を覆うように配置された左右耕耘サイドカバー42と、耕耘爪40の回転軌跡の後方を覆うように配置された耕耘リヤカバー43と、メインビーム36に前端側が取り付けられて後方に長く伸びる耕深調節フレーム44と、上リンクフレーム34の後端側と耕深調節フレーム44の前後方向の中間部とをつなぐ伸縮調節可能な耕深調節軸45等を備えている。
【0023】
下リンクフレーム35はメインビーム36に一体的に連結されている(図2及び図6参照)。トップリンク22は、ターンバックル22aの回転にて伸縮させて、該トップリンク22の長さを変更調節可能となるように構成されている(図3及び図4参照)。上リンクフレーム34の前後方向の中間部は、耕深調節支点軸34bを介してメインビーム36に回動可能に連結されている(図1参照)。耕深調節フレーム44の前端側はメインビーム36に一体的に連結されている。耕深調節ハンドル45a(図1参照)の回転操作にて耕深調節軸45を伸縮させたときには、一対の左右ロワーリンク21及びトップリンク22にて支持されるロータリ耕耘機24が前傾又は後傾姿勢に変化して、耕耘爪40による耕耘深さ値RD(図1、図5及び図6参照)が変更可能に構成されている。
【0024】
図1、図5及び図6に示すように、メインビーム36の左右中央部には、PTO軸23からの駆動力を入力するためのギヤケース46が配置されている。PTO軸23とギヤケース46の前面側のPTO入力軸46aとは、両端に自在継手が備えられた伸縮自在な伝動軸46bを介して連結されている。PTO軸23からの動力は、ギヤケース46に内蔵されたベベルギヤ(図示せず)、メインビーム36に内蔵された回転軸(図示せず)、チェンケース37に内蔵されたたスプロケット及びチェン(図示せず)等を介して耕耘爪軸39に伝達され、耕耘爪40を図1及び図5において反時計方向に回転させる。
【0025】
図5及び図6に示すように、走行機体2の左右幅方向に長い耕耘上面カバー41の後端部には、枢着軸47を介して耕耘リヤカバー43の前端側が連結されている。耕耘上面カバー41の上面後部には、後傾姿勢の一対の左右ハンガーフレーム48が立設されている。耕耘リヤカバー43の上面の後端側と左右ハンガーフレーム48とは1対の左右ハンガー機構49を介して上下動可能に連結されている。各ハンガーフレーム48の上端部には、受圧軸体48aが水平軸線(中心線)回りに回動可能に配置されている。
【0026】
各ハンガー機構49における細長い丸棒形のハンガーロッド50は、受圧軸体48aに水平軸線(中心線)と直交する方向に摺動可能に貫通している。ハンガーロッド50の下端部は、支軸53を介して、耕耘リヤカバー43の後部上面に設けられたブラケット54に回動自在に連結されている(図5参照)。ハンガーロッド50の上端側には下降規制ピン51が設けられている。受圧軸体48aと下降規制ピン51の間のハンガーロッド50には、ドーナツ形の下降規制板52がハンガーロッド50の軸線方向に摺動可能に被嵌されている。また、ハンガーロッド50の下部側(支軸53より上側)には、上昇規制ピン55が配置されている。受圧軸体48aと上昇規制ピン55との間のハンガーロッド50には、ドーナツ形の上下座板56,57を介して、耕耘リヤカバー43に鎮圧力を付与するための鎮圧用圧縮バネ58が被嵌されている。
【0027】
ロータリ耕耘機24が地面Gから離れた高さに持ち上げられたときには、耕耘リヤカバー43の後端側が枢着軸47の回りに下方側に回動する。すると、下降規制ピン51が下降規制板52に当接して、下降規制板52が受圧軸体48aに当接する。その結果、耕耘リヤカバー43はその後端側を最下降させた姿勢に維持されることになる。
【0028】
一方、ロータリ耕耘機24を地面Gに降ろして耕耘爪40を着地させたときや耕耘作業中においては、耕耘リヤカバー43の後端側が、耕耘された耕土との接地圧にて枢着軸47回りに上方に回動することになる。また、耕耘リヤカバー43の後端側が枢着軸47回りに上方に回動したときには、上昇規制ピン55及び下座板57を介して鎮圧用圧縮バネ58が圧縮されて、耕耘リヤカバー43の後端側の上向き回動が鎮圧用圧縮バネ58の付勢力にて規制されることになる。これにより、耕耘爪40から耕耘リヤカバー43の後方に排出される耕土量が制限されたり、地面が耕耘リヤカバー43の移動にて均平に均されたりすることになる。
【0029】
次に、図7を参照しながら、トラクタ1の油圧回路100の構成について説明する。油圧回路100には、エンジン5の回転力により作動する作業機用油圧ポンプ101を備える。作業機用油圧ポンプ101は、作業機用昇降機構20における昇降制御油圧シリンダ28に作動油を供給制御するための上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103と、傾斜制御油圧シリンダ32に作動油を供給制御するための傾斜制御電磁弁104とに、分流弁105を介して接続されている。また、第1実施形態の油圧回路100は、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等も備えている。
【0030】
次に、キャビン7内に配置された各種操作手段の構成について説明する。図1及び図2に示すように、キャビン7内にある丸ハンドル型の操縦ハンドル9は、操縦座席8の前方に位置する操縦コラム60上に設けられている。操縦コラム60の右方には、エンジン5の回転数(出力)を調節するためのスロットルレバー117と、走行機体2を制動操作するための左右ブレーキペダル61とが設けられている。操縦コラム60の左方にはクラッチペダル62が配置されている。
【0031】
操縦座席8の右側コラム上には、ロータリ耕耘機24の高さ位置を手動で変更調節するための作業機昇降レバー63、作業状態に応じてPTO変速機構70の変速段を無段階又は段階的に変速操作するためのPTO変速レバー64、走行機体2に対するロータリ耕耘機24の相対的な目標左右傾斜角度ΦSを予め設定するための可変抵抗器等からなる傾斜設定器123、及びロータリ耕耘機24の目標耕耘深さ値RD0を予め設定するための可変抵抗器等からなる耕深設定器126等が配置されている。操縦座席8の左側コラム上には、走行変速レバー65が配置されている。操縦座席8の左側コラムの前方には、デフロックペダル66が配置されている。
【0032】
次に、図8を参照しながら、ロータリ耕耘機24の耕耘制御(耕耘深さ自動制御及びローリング自動制御)のための構成について説明する。ここで、耕耘深さ自動制御とは、ロータリ耕耘機24の耕耘深さ値RDを略一定に保持する制御のことをいい、ローリング自動制御とは、ロータリ耕耘機24の左右方向の姿勢を略一定に保持する制御のことをいう。
【0033】
制御プログラムを記憶したROMと各種データを記憶可能なRAMとを備えた制御手段としての耕耘制御コントローラ110は、電源印加用のキースイッチ111を介してバッテリ112に接続されている。キースイッチ111は、エンジン5を始動するためのスタータ113にも接続可能に構成されている。
【0034】
耕耘制御コントローラ110には、エンジン5の回転を制御する電子ガバナコントローラ114が接続されている。電子ガバナコントローラ114には、エンジン5の燃料を調節するガバナ115と、エンジン5の回転数を検出するエンジン回転センサ116と、スロットルレバー117の操作位置を検出するスロットルポテンショメータ118と、ガバナ115における燃料調節ラック(図示せず)の位置を調節するためのスロットルソレノイド119とが接続されている。
【0035】
オペレータがスロットルレバー117を手動操作すると、電子ガバナコントローラ114は、スロットルポテンショメータ118の検出値(スロットルレバー117での設定回転数)とエンジン回転数とが一致するように、スロットルソレノイド119にて燃料調節ラックの位置を自動的に調節する制御を実行する。これにより、エンジン回転数は、負荷の変動に拘らず、スロットルレバー117の位置に応じた回転数に保持される。
【0036】
また、耕耘制御コントローラ110には、入力系の各種スイッチ及びセンサ類、例えば前述した傾斜設定器123や耕深設定器126のほか、前後四輪3,3,4,4の回転速度(走行速度)を検出する車速センサ127、地面Gに対する走行機体2の対地高さ値を検出する対地高さ検出手段としての超音波センサ121、走行機体2の左右傾斜角度を検出する振子式の機体ローリングセンサ120、走行機体2に対するロータリ耕耘機24の相対的な左右傾斜角度を検出する傾斜角検出手段としての作業機ローリングセンサ122、リフトアーム29の上下回動角度を検出する対機体高さ検出手段としてのリフト角センサ129、耕耘リヤカバー43の上下回動角度を検出する耕深検出手段としてのポテンショメータ型のリヤカバーセンサ124、及び車輪(主に左右の後車輪4)にて圃場に形成された轍Wの底面から地面Gまでの深さ値WDを検出する接地式検出手段としての一対の接地センサ130,130等が接続されている。
【0037】
対地高さ検出手段としての超音波センサ121は、ミッションケース17の下面に、線対称な配置関係にある前車輪3,3(及び後車輪4,4)の対称軸SY(図2の一点鎖線参照)と平面視で重なり且つ走行機体2の前後車軸73,74(図1及び図2参照)の間に位置するように設けられている。詳細は図示していないが、超音波センサ121における発信器の発信部と受信器の受信部とは地面Gに臨ませている。
【0038】
超音波センサ121の発信器は、耕耘制御コントローラ110からの指令にて発信駆動回路を介して適宜時間間隔で超音波を発信する。地面G等にて反射された反射波は受信器にて受信される。受信器の検出情報は、受信増幅回路を介して耕耘制御コントローラ110に入力される。
【0039】
機体ローリングセンサ120は、作業機用昇降機構20の上面で且つ操縦座席8の後方の箇所に配置されている(図1〜図4参照)。また、詳細は図示していないが、作業機ローリングセンサ122は、耕耘上面カバー41の上方に位置するメインビーム36の左右中央箇所に配置されている。
【0040】
対機体高さ検出手段としてのリフト角センサ129は、作業機用昇降機構20と左リフトアーム29との連結箇所に配置されている(図3及び図4参照)。リフト角センサ129の検出値(リフトアーム29の回動角度)からは、走行機体2に対するロータリ耕耘機24の相対的な対機体高さ値が求められる。
【0041】
耕深検出手段としてのリヤカバーセンサ124は、耕耘上面カバー41の後部上面に配置されている(図2、図5及び図6参照)。リヤカバーセンサ124と耕耘リヤカバー43とは、センサアーム67及びセンサリンク68等を介して連結されている。リヤカバーセンサ124は、例えば低域フィルタ(ローパスフィルタ)等からなるフィルタ部125を介して耕耘制御コントローラ110に接続されている。リヤカバーセンサ124の検出値(耕耘リヤカバー43の上下回動角度)からは、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さ値RD(図1、図5及び図6参照)が求められる。
【0042】
図1及び図2に示すように、接地式検出手段としての接地センサ130は、走行機体2の各後車輪4とロータリ耕耘機24との間に1つずつ配置されている(計左右2つ)。これら各接地センサ130は、ロータリ耕耘機24のメインビーム36から前向き突出するステー部材131の先端部に上下回動(揺動)可能に設けられた橇状の感知体133と、該感知体133の基端部(上端部)を枢支する回動支軸132の箇所に設けられた回動ポテンショメータ134とを備えている(図5参照)。
【0043】
感知体133の先端部(下側の自由端部)は轍Wの底部に接触(当接)するように構成されている。詳細は図示していないが、感知体133は、ばね等の付勢手段により轍Wの底部に接触する方向(下向き回動する方向)に常時押圧付勢されている。感知体133が回動支軸132回りに上下回動(揺動)すると、回動ポテンショメータ134が感知体133の上下回動角度を計測する。回動ポテンショメータ134の計測値は耕耘制御コントローラ110に入力される。
【0044】
回動ポテンショメータ134の計測値からは、基準位置Pから轍Wの底面までの上下高さWH(以下、対轍距離という、図5参照)が求められる。第1実施形態では、ステー部材131の先端部に設けられた回動支軸132の軸心が基準位置Pとなっている。従って、回動支軸132の軸心Pから轍Wの底面までの上下高さが対轍距離WHということになる。
【0045】
そして、この対轍距離WHと、超音波センサ121の検出値(走行機体2の対地高さ値)と、リフト角センサ129の検出値(ロータリ耕耘機24の対機体高さ値)とから、地面G(車輪跡のない表面部分)から轍Wの底面までの深さ値WD(以下、轍深さ値という、図5及び図6参照)が求められる。この轍深さ値WDは、地面Gに対する車輪3,4の沈み込み量と一致する値である。
【0046】
一方、耕耘制御コントローラ110には、出力系の各種電磁弁、すなわち上昇制御電磁弁102、下降制御電磁弁103、及び傾斜制御電磁弁104が接続されている。
【0047】
耕耘制御コントローラ110は、予め設定された目標耕耘深さ値RD0を、左右の接地センサ130にて検出された轍深さ値WD以上となるように補正し、該補正後の目標耕耘深さ値RD1とリヤカバーセンサ124にて検出された現在の耕耘深さ値RDとが一致するように、上昇制御電磁弁102又は下降制御電磁弁103を切り換えて昇降制御油圧シリンダ28を伸縮駆動させる耕耘深さ自動制御を実行する。
【0048】
また、耕耘制御コントローラ110は、予め設定された目標左右傾斜角度ΦS又は補正後の目標左右傾斜角度ΦS1(詳細は後述する)と、作業機ローリングセンサ122にて検出されたロータリ耕耘機24の左右傾斜角度Φとが一致するように、傾斜制御電磁弁104を切り換えて傾斜制御油圧シリンダ32を伸縮駆動させるローリング自動制御も実行する。
【0049】
次に、図9に示すフローチャートを参照しながら、第1実施形態におけるロータリ耕耘機24の耕耘制御の一例について説明する。ここで、一方の轍深さ値WDl(WDr)のみが目標耕耘深さ値RD0より深いことを示す傾動フラグFK(詳細は後述する)は、予めリセット状態(FK=0)に設定しておく。
【0050】
耕耘深さ自動制御のスタートに続き、オペレータは耕深設定器126を操作して、ロータリ耕耘機24の目標耕耘深さ値RD0を設定すると共に、傾斜設定器123を操作して、走行機体2に対するロータリ耕耘機24の相対的な目標左右傾斜角度ΦSを設定する。そして、目標耕耘深さ値RD0及び目標左右傾斜角度ΦSを耕耘制御コントローラ110のRAMに記憶させる(ステップS1)。
【0051】
次いで、耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さ値RD0と、傾斜設定器123にて設定された目標左右傾斜角度ΦSと、超音波センサ121の検出値(走行機体2の対地高さ値)と、リフト角センサ129の検出値(ロータリ耕耘機24の対機体高さ値)と、リヤカバーセンサ124の検出値と、左右両接地センサ130,130の検出値(対轍距離WH)とを読み込む(ステップS2)。ここで、左側の接地センサ130に対応する対轍距離WHには符号lを、右側の接地センサ130に対応する対轍距離WHには符号rを添えて示している。
【0052】
次いで、超音波センサ121とリフト角センサ129と左右の接地センサ130との検出値から、2つの轍深さ値WDl,WDr(地面Gに対する車輪3,4の沈み込み量)を演算する(ステップS3)。
【0053】
それから、ステップS3で求めた2つの轍深さ値WDl,WDrと、耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さ値RD0との大小関係を比較判別する(ステップS4)。
【0054】
ステップS4において、両轍深さ値WDl,WDrが目標耕耘深さ値RD0以下のときは(S4:WDl,WDr≦RD0)、目標耕耘深さ値RD0がこのときの両轍深さ値WDl,WDrより深いことを意味しているから、このままでも耕耘後の地面Gに轍Wが残ることはない。そこで、ステップS5へ移行して、耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さ値RD0をそのまま補正後目標耕耘深さ値RD1に置き換えたのち、次のステップS10へ移行する。
【0055】
ステップS4において、両轍深さ値WDl,WDrが目標耕耘深さ値RD0以上のときは(S4:WDl,WDr≧RD0)、目標耕耘深さ値RD0がこのときの両轍深さ値WDl,WDrより浅いことを意味しているから、このままでは耕耘後の地面Gに2本の轍Wの底部が均されずに残ることになる。そこで、ステップS6に移行し、補正後目標耕耘深さ値RD1として、耕深設定器126にて設定された値RD0ではなく轍深さ値WD(又はWD+α)を採用する(RD1=WD又はWD+α)。この場合、轍深さ値WDのデータとしてはWDl,WDrの2つがあるが、耕耘後の地面Gに轍Wが残るのを確実に防ぐため、WDl,WDrのうち値の大きい方(轍Wが深い方)を採用する。その後、次のステップS10へ移行する。
【0056】
ステップS4において、目標耕耘深さ値RD0が一方の轍深さ値WDl(WDr)より大きく他方の轍深さ値WDr(WDl)より小さいときは(S4:WDl(WDr)>RD0>WDr(WDl))、一方の轍深さ値WDl(WDr)のみが目標耕耘深さ値RD0より深いことを意味しているから、このままでは耕耘後の地面Gに1本の轍Wの底部が均されずに残ることになる。
【0057】
そこで、ステップS7に移行して、傾動フラグFKをセット状態(FK=1)としたのち、深い方の轍深さ値WDl(WDr)と目標耕耘深さ値RD0との差、及び左右両接地センサ130,130間の距離から、ロータリ耕耘機24の補正角度θ(図10参照)を演算する(ステップS8)。いうまでもないが、この補正角度θからは、例えばその値が正か負かにより、左下がり傾斜か右下がり傾斜かを判別できる。なお、両接地センサ130,130間の左右距離は予め分かっている規定値である。
【0058】
補正角度θを求めた後は、傾斜設定器123にて設定された値ΦSに補正角度θを加えることにより、補正後目標左右傾斜角度ΦS1(=ΦS+θ)を求める(ステップS9)。この補正後目標左右傾斜角度ΦS1は、予め設定された値ΦSに補正角度θを加えることで、ロータリ耕耘機24における左右一方の接地センサ130に対応する側(図10では左側)の深さ位置を轍深さ値WDより深くするような角度になっている。
【0059】
その後、耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さ値RD0をそのまま補正後目標耕耘深さ値RD1に置き換えるために、前述のステップS5を経てステップS10へ移行する。
【0060】
ステップS10では、先のステップS2で読み込まれたリヤカバーセンサ124の検出値から、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さ値RD(図1、図5及び図6参照)を演算する。
【0061】
次いで、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さ値RDが補正後目標耕耘深さ値RD1と一致するか否かを判別する(ステップS11)。現在の耕耘深さ値RDが補正後目標耕耘深さ値RD1と一致していないと判断されたときは(S11:NO)、上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103のうちいずれか一方の駆動にて昇降制御油圧シリンダ28を伸縮駆動させることにより、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さ値RDを、補正後目標耕耘深さ値RD1と一致するように調節・修正し(ステップS12)、次のステップS14へ移行する。
【0062】
ステップS11において、現在の耕耘深さ値RDが補正後目標耕耘深さ値RD1と一致していると判断されたときは(S11:YES)、上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103を中立位置に復帰・維持して、昇降制御油圧シリンダ28を停止させ(ステップS13)、次のステップS14へ移行する。
【0063】
ステップS14では、傾動フラグFKがセット状態(FK=1)であるか否かを判別する。傾動フラグFKがリセット状態(FK=0)のときは(S14:NO)、補正後目標左右傾斜角度ΦS1(=ΦS+θ)を算出するステップを経由していないから、そのままリターンする。
【0064】
傾動フラグFKがセット状態(FK=1)のときは(S14:YES)、目標耕耘深さ値RD0が一方の轍深さ値WDl(WDr)より大きく他方の轍深さ値WDr(WDl)より小さいときであるから、次いで、現時点の作業機ローリングセンサ122の検出値Φを読み込み(ステップS15)、この作業機ローリングセンサ122の検出値Φ、すなわちロータリ耕耘機24の左右傾斜角度Φが補正後目標左右傾斜角度ΦS1と一致するか否かを判別する(ステップS16)。
【0065】
ロータリ耕耘機24の左右傾斜角度Φが補正後目標左右傾斜角度ΦSと一致していないと判断されたときは(S16:NO)、傾斜制御電磁弁104の駆動にて傾斜制御油圧シリンダ32を伸縮駆動させることにより、ロータリ耕耘機24の左右傾斜角度Φを補正後目標左右傾斜角度ΦS1と一致するように調節・修正したのち(ステップS17)、リターンする。
【0066】
一方、ステップS16において、ロータリ耕耘機24の左右傾斜角度Φが補正後目標左右傾斜角度ΦS1と一致していると判断されたときは(S16:YES)、傾斜制御電磁弁104を中立位置に復帰・維持して、傾斜制御油圧シリンダ32を停止させ(ステップS18)、その後リターンするのである。
【0067】
以上の制御によると、耕耘制御コントローラ110は、ロータリ耕耘機24側の左右接地センサ130にて検出された轍深さ値WDと耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さ値RD0との大小関係に応じて、目標耕耘深さ値RD0を轍深さ値WD以上となるように補正するので、圃場が軟らかくて車輪3,3,4,4の沈み込みがある場合において、オペレータが誤って目標耕耘深さ値RD0を轍深さ値WDより浅く設定したりしても、ロータリ耕耘機24における現実の耕耘深さ値RDが轍深さ値WDより浅くなるのを確実に回避できる(図6参照)。
【0068】
また、一方の轍深さ値WDl(WDr)のみが目標耕耘深さ値RD0より深いときは、ロータリ耕耘機24における左右一方の接地センサ130に対応する側の深さ位置が轍深さ値WDより深くなるように、目標左右傾斜角度ΦSを補正するので、ロータリ耕耘機24の左右傾斜角度Φが補正後目標左右傾斜角度ΦS1となるように傾斜制御油圧シリンダ32を駆動させることにより、この場合も、地面Gに対するロータリ耕耘機24の左右の深さ位置がそれぞれに対応する轍深さ値WDl,WDrより浅くなるのを回避できる(図10参照)。
【0069】
従って、耕耘後の地面Gに轍Wを残すことがなくなるから、土質や硬軟度等の圃場状況に左右されることなく耕耘深さ自動制御を実行でき、圃場を均平に仕上げることができるのである。
【0070】
次に、図11〜図14を参照しながら、左右一対の接地センサを走行機体に取り付けた第2実施形態について説明する。図11は第2実施形態におけるトラクタの平面図、図12はロータリ耕耘機の側断面図、図13は制御手段の機能ブロック図、図14は耕耘制御のフローチャートである。
【0071】
第2実施形態では、左右一対の接地センサ130′,130′を走行機体2側に取り付けた点において、第1実施形態と相違している。その他の構成は第1実施形態と同じである。
【0072】
図11及び図12に示すように、接地式検出手段としての各接地センサ130′は、ミッションケース17から後方に延びる平面視略L字状のステー部材131′の先端部に上下回動(揺動)可能に設けられた橇状の感知体133′と、該感知体133′の基端部(上端部)を枢支する回動支軸132′の箇所に設けられた回動ポテンショメータ134′とを備えている。第2実施形態における感知体133′及び回動ポテンショメータ134′の機能は、第1実施形態のもの133,134と同じである。
【0073】
回動ポテンショメータ134′の計測値からは、基準位置P′から轍Wの底部までの上下高さWH′(対轍距離、図12参照)が求められる。第2実施形態では、ステー部材131′の先端部に設けられた回動支軸132′の軸心が基準位置P′となっている。従って、回動支軸132′の軸心P′から轍Wの底面までの上下高さが対轍距離WH′ということになる。
【0074】
そして、この対轍距離WH′と、超音波センサ121の検出値(走行機体2の対地高さ値)とにより、地面Gから轍Wの底面までの轍深さ値WD′が求められる。
【0075】
第2実施形態におけるロータリ耕耘機24の耕耘深さ自動制御においては、第1実施形態の場合(図9参照)と比較して、ステップT3とS3との制御態様が若干異なるだけであり、その他は同様にして実行される。すなわちステップT3において、超音波センサ121と左右の接地センサ130との検出値WHl′,WHr′から、轍深さ値WDl′,WDr′を演算する点が第1実施形態と相違しているだけである。そこで、その詳細な説明は省略する。かかる制御を実行した場合も、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができるのである。
【0076】
本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化することができる。例えば接地式検出手段は、前述の実施形態のような橇状の感知体133,133′と回動ポテンショメータ134,134′との組合せに限らず、轍Wの底部に接触する上下動可能な接地ローラと該接地ローラの高さ位置を検出するリミットスイッチの組合せ等、地面Gから轍Wの底面までの轍深さ値を計測するものであれば、様々なタイプのものを採用できる。
また、前述の実施形態では、対地高さ検出手段として超音波センサを採用したが、これに限らず、レーザー光等を用いる非接触式の対地高さセンサを採用してもよいし、車輪跡のない地表面に接触する接地式の対地高さセンサ(リミットスイッチ)を採用してもよい。対地高さ検出手段として前述の接地式検出手段と同様の構成のものを採用しても差し支えない。
【0077】
その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1実施形態におけるトラクタの側面図である。
【図2】トラクタの平面図である。
【図3】作業機用昇降機構の概略側面図である。
【図4】作業機用昇降機構の概略平面図である。
【図5】図2のV−V視側断面図である。
【図6】ロータリ耕耘機の概略背面図である。
【図7】トラクタの油圧回路図である。
【図8】制御手段の機能ブロック図である。
【図9】耕耘制御のフローチャートである。
【図10】耕耘深さ自動制御におけるローリング姿勢制御の説明図である。
【図11】第2実施形態におけるトラクタの平面図である。
【図12】ロータリ耕耘機の側断面図である。
【図13】制御手段の機能ブロック図である。
【図14】耕耘制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
G 地面
RD 現在の耕耘深さ値
RD0 目標耕耘深さ値
RD1 補正後目標耕耘深さ値
W 轍
WD,WD′ 轍深さ値
Φ ロータリ耕耘機の左右傾斜角度
ΦS ロータリ耕耘機の目標左右傾斜角度
ΦS1 補正後目標左右傾斜角度
1 トラクタ
2 走行機体
3 前車輪
4 後車輪
5 エンジン
21 ロワーリンク
22 トップリンク
24 ロータリ耕耘機
28 昇降制御アクチュエータとしての昇降制御油圧シリンダ
32 傾斜制御アクチュエータとしての傾斜制御油圧シリンダ
110 制御手段としての耕耘制御コントローラ
121 対地高さ検出手段としての超音波センサ
123 傾斜設定器
124 耕深検出手段としてのリヤカバーセンサ
126 耕深設定器
129 対機体高さ検出手段としてのリフト角センサ
130,130′ 接地式検出手段としての接地センサ




 

 


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