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発明の名称 コンバインの刈取装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−14269(P2007−14269A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−199253(P2005−199253)
出願日 平成17年7月7日(2005.7.7)
代理人 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
発明者 嶋田 耕治郎 / 新福 勇一 / 林 順二 / 中原 剛 / 津島 茂
要約 課題
従来のコンバインでは、縦搬送装置及び上部搬送タインと、左上部搬送装置とが別々の駆動経路によって駆動されていた。

解決手段
前記縦搬送装置34の前部に配置する従動スプロケット軸56によって駆動される動力伝達手段58と、該動力伝達手段58の他側に配置される従動軸64に固設される駆動スターホイル53と、前記左上部搬送装置32を駆動する左上部搬送駆動プーリ88と、左上部搬送駆動プーリ軸87に固設される従動スターホイル57とを具備し、前記駆動スターホイル53より従動スターホイル57へと動力を伝達する構成とした。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数条の穀稈を分草・引起し後に刈り取って、左右下部搬送装置、左右上部搬送装置、縦搬送装置を介して脱穀部へ搬送するコンバインの刈取装置において、
前記縦搬送装置の前部に配置する従動スプロケット軸によって駆動される動力伝達手段と、
該動力伝達手段の他側に配置される従動軸に固設される駆動スターホイルと、
前記左上部搬送装置を駆動する左上部搬送駆動プーリと、
左上部搬送駆動プーリ軸に固設される従動スターホイルとを具備し、
前記駆動スターホイルより前記従動スターホイルへと動力を伝達する構成としたことを特徴とするコンバインの刈取装置。
【請求項2】
前記駆動チェンを前記縦搬送装置より上方に配設し、
前記駆動スターホイルを前記駆動チェンより上方に配設し、
前記左上部搬送装置を前記駆動スターホイルより上方に配設したことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの刈取装置。
【請求項3】
左上部搬送装置によって左1条の穀稈を搬送し、
右上部搬送装置によって右2条の穀稈を搬送することを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のコンバインの刈取装置。
【請求項4】
前記上部搬送装置を支持する支持フレームを介して、
左上部搬送装置に対向する第一のガイド棒と、
右上部搬送装置に対向する第二のガイド棒とを支持したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のコンバインの刈取装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の穀稈を刈取装置で刈り取り、刈取穀稈を脱穀部に搬送して脱穀するコンバインの刈取装置の技術に関し、より詳しくは穂先側搬送機構の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンバインの刈取装置には、機台前部に上下回動自在に取り付けられた刈取フレームに、刈取条数に応じた分草引起装置や掻込装置、刈刃装置、搬送機構等が取り付けられており、圃場の未刈穀稈を分草後に引き起しながら掻込み、その掻込時に未刈穀稈の稈元を刈刃で切断し、圃場の未刈穀稈を刈り取る構成となっている。刈り取られた穀稈は、稈元側を下部搬送チェンや突起付ベルトやガイド体等によって挟持されながら、穂先側を上部搬送タインや左上部搬送装置や穂先搬送タインによって挟持されながら、刈取装置後部の縦搬送装置へと送られる構成となっていた。
【0003】
そして、エンジンからの駆動力を機台前方へ出力するPTO軸に連動連結される刈取入力軸や、前記刈取入力軸に連動連結される縦伝動軸や、前記縦伝動軸に連動連結される横伝動軸等を介して、エンジンからの動力が前記下部搬送チェンや突起付ベルトや左上部搬送装置や穂先搬送タインへと伝達される構成となっている。詳しくは、ベベルギヤを介して前記横伝動軸から引起装置へと動力を伝達する引起伝動軸に、動力を下向きに取出す下搬送駆動軸と、動力を上向きに取出す上搬送駆動軸とを連動連結して、前記下搬送駆動軸や駆動スプロケット等を介して下部搬送チェンを駆動し、前記上搬送駆動軸や駆動スプロケット等を介して左上部搬送装置を駆動させていた。(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、2条刈コンバインにおいては、刈取穀稈を掻き込む回転パッカーと掻き込んだ刈取穀稈の穂先側を後方へ搬送する上部搬送装置を一体揺動させることにより、扱ぎ深さ調節可能としていた(例えば、特許文献2参照。)。
また、合流搬送装置と挟持搬送装置によって刈取穀稈を後方へ搬送するものであって、稈元側を搬送する該挟持搬送装置に連動したスターホイルによって該合流搬送装置の駆動スターホイルを駆動する技術も公知となっている(例えば、特許文献3)。
【特許文献1】特開2004−8153号公報
【特許文献2】実開昭62−53640号公報
【特許文献3】実開昭64−13929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示す従来のコンバインでは、縦搬送装置及び上部搬送タインの駆動力と、左上部搬送装置の駆動力は、別々の伝達経路を介して伝達されていた。
詳しくは、前記縦搬送装置及び上部搬送タインは縦伝動軸や横伝動軸を介さずに、前記刈取入力軸から縦搬送駆動ケース等を介して駆動力を得ており、前記左上部搬送装置は縦伝動軸や横伝動軸や引起伝動軸や上搬送駆動軸等を介して駆動力を得ており、駆動力伝達機構が複雑なものとなっていた。
また、特許文献2及び特許文献3に示す従来のコンバインでは、搬送経路の幅が複数条の刈取穀稈が合流する箇所で急激に狭まっており、刈取穀稈の搬送がスムーズに行なえなかった。
本発明は、縦搬送装置及び上部搬送タインへの駆動力伝達経路を、左上部搬送装置の駆動にも利用することにより、刈取装置の駆動力伝達機構をシンプルなものとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、複数条の穀稈を分草・引起し後に刈り取って、左右下部搬送装置、左右上部搬送装置、縦搬送装置を介して脱穀部へ搬送するコンバインの刈取装置において、
前記縦搬送装置の前部に配置する従動スプロケット軸によって駆動される動力伝達手段と、
該動力伝達手段の他側に配置される従動軸に固設される駆動スターホイルと、
前記左上部搬送装置を駆動する左上部搬送駆動プーリと、
左上部搬送駆動プーリ軸に固設される従動スターホイルとを具備し、
前記駆動スターホイルより従動スターホイルへと動力を伝達する構成としたものである。
【0008】
請求項2においては、前記駆動チェンを前記縦搬送装置より上方に配設し、
前記駆動スターホイルを前記駆動チェンより上方に配設し、
前記左上部搬送装置を前記駆動スターホイルより上方に配設したものである。
【0009】
請求項3においては、左上部搬送装置によって左1条の穀稈を搬送し、
右上部搬送装置によって右2条の穀稈を搬送するものである。
【0010】
請求項4においては、上部搬送装置を支持する支持フレームを介して、
左上部搬送装置に対向する第一のガイド棒と、
右上部搬送装置に対向する第二のガイド棒とを支持したものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、縦搬送装置や駆動チェンやスターホイルを介して、左上部搬送装置の駆動力が得られるため、左上部搬送装置を駆動するための駆動力伝達機構が従来よりも簡単な構成となり、部品点数を減らすことができる。また、スターホイルの組み合わせによって左上部搬送装置の位置を自由に決めることが可能となり、スターホイルの歯数の組み合わせによって左上部搬送装置の搬送速度を調節できる。
そして、縦搬送装置に穀稈が挟扼されている位置で、スターホイル同士が噛み合うため、スターホイルの周速を縦搬送装置の周速に合わせる必要がなく、スターホイルの歯数の自由度が大きくなる。
【0013】
請求項2においては、スターホイルによって、穀稈の穂先から稈元の間を挟持することができ、穂先を傷めることなく、穀稈の搬送をスムーズに行なうことができる。
【0014】
請求項3においては、刈取穀稈の搬送経路の幅を段階的に狭くすることにより、刈取穀稈の搬送をよりスムーズに行なうことができる。
【0015】
請求項4においては、ガイド棒によって、刈取穀稈をより正確に搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るコンバイン100の全体的な構成を示す側面図、図2は本発明の刈取装置8を示す平面模式図、図3は刈取装置8を示す側面図、図4は上搬送機構10を示す前上方斜視図、図5はカバー63を取り除いた上搬送機構10を示す平面図、図6は同じく側面図、図7は刈取装置8の駆動力伝達を示すスケルトン図である。
【0017】
まず、本発明に係るコンバイン100の全体構成について説明する。
図1において、1は左右走行クローラ2を装設するトラックフレーム、3はトラックフレーム1上に架設する機台、4はフィードチェン5を左側に張架し扱胴6や図示しない処理胴を内蔵している脱穀部、8は脱穀部4の前方に装備する3条用の刈取装置、9は図示しない排藁チェンの終端を臨ませる排藁処理部、11は脱穀部4からの穀粒を揚穀筒20を介して搬入する穀粒タンク、13は穀粒タンク11の穀粒を搬出する排出オーガ、14は運転席15の前側にステアリングコラム16を介して丸形の操向ハンドル17を装備すると共に運転席15の左側のサイドコラム18に主変速レバー19及び図示しない副変速レバー及び脱穀クラッチレバ−及び刈取クラッチレバ−等を配設する運転操作部、23は運転席15の下側に配設するエンジンである。このように、コンバイン100は、前記刈取装置8で圃場の未刈穀稈を分草後に引き起しながら掻込み、後述する刈刃29によって前記穀稈の稈元を切断し、前記刈り取った穀稈を前記脱穀部4へ搬送して脱穀するように構成されている。
【0018】
次に刈取装置8の構成について説明する。
図1、図2に示すように、刈取装置8は複数条を刈り取る構成としており、本実施例では3条用の刈取装置8について説明する。刈取装置8は、機台3前方に刈取フレーム43を上下回動可能に支持し、前記刈取フレーム43の前端に4つの分草板24・24・24・24を突出し、前記刈取フレーム43の前部に3条分の未刈穀稈を引起すための3つの引起ケース25L・25R・25Cが後傾姿勢で左右方向に並べて立設されている。そして、進行方向に向かって左側の左引起ケース25Lと中央引起ケース25Cの間に左側1条分の未刈穀稈を取入れ、左引起ケース25Lから右向きに突出して下から上に移動する図示しない引起タインによって、左側1条分の未刈穀稈の引起しを行う。また、右引起ケース25Rと中央引起ケース25Cの間に残りの右側2条分の未刈穀稈を取入れ、右引起ケース25Rから左向きに突出して下から上に移動する引起タインと中央引起ケース25Cから左向きに突出して下から上に移動する引起タインによって、前記右側2条分の未刈穀稈の引起しを行う。
【0019】
左引起ケース25Lの下部後方には左スターホイル27L及び左掻込み用の左突起付ベルト28Lを配設し、前記左スターホイル27L及び左突起付ベルト28Lによって、前記のように引起こされた左側1条分の未刈穀稈の稈元側を右斜め後方に掻込んでいる。また、右引起ケース25Rの下部後方に右スターホイル27R及び右掻込み用の右突起付ベルト28Rを配設し、前記右スターホイル27R及び右突起付ベルト28Rによって、前記のように引起こされた右側1条分の未刈穀稈の稈元側を左斜め後方に掻込む。また、中央引起ケース25Cの下部後方に中央スターホイル27C及び中央掻込み用の中央突起付ベルト28Cを配設し、前記中央スターホイル27C及び中央突起付ベルト28Cによって、前記のように引起こされた中央1条分の未刈穀稈の稈元側を右斜め後方に掻込む。こうして掻込装置を構成し、前記掻込装置によって、未刈穀稈を掻き込んでその下方の稈元側を刈刃29で切断する。
【0020】
そして、右側2条分の刈稈の稈元側を右前方から左後方に搬送する右下部搬送装置30と、左側1条分の刈稈の稈元側を右斜め後方に搬送して前記右下部搬送装置30の送り終端部近傍において右2条分と合流させる左下部搬送装置31とが、後述する刈取フレーム43に支持されている。
そして、後述するように、左側1条分の刈稈の穂先側を右斜め後方へ搬送する左上部搬送装置32と、右下部搬送装置30の送り終端部近傍にて合流した3条分の刈稈の稈元側及び穂先側を脱穀部4のフィードチェン5の送り始端に受継ぎ搬送させる縦搬送装置34と、右上部搬送装置35とが、ステー6・7や支持フレーム12・12b等を介して縦搬送駆動ケース77に支持されている。
【0021】
右下部搬送装置30と縦搬送装置34の搬送面は、平面視において、略一直線状に設けられて、右引起ケース25Rの下部後方からフィードチェン5の送り始端部に略一直線状の下部搬送経路を形成している。一方、右上部搬送装置35を右引起ケース25Rの後方にまで延ばし、右引起ケース25Rの後方からフィードチェン5の送り始端部に上部搬送経路を形成し、これらの上下搬送経路の途中に、左下部搬送装置31及び左上部搬送装置32によって形成されて左引起ケース25Lの後方から右斜め後方に延ばす左側の上下搬送経路の終端部を臨ませて、平面視において小文字「y」字状となるような穀稈搬送経路によって、前記3条分の刈稈を刈取装置8から脱穀部4のフィードチェン5に搬送させて脱穀処理させるように構成している。なお、本実施例では左右の下部搬送装置30・31と縦搬送装置34はチェンと挟扼杆21による挟扼搬送とし、左右の上部搬送装置32・35は突起付ベルトとガイド棒61・62・66による挟持搬送としている。
【0022】
図1乃至図3に示すように、脱穀部4の前方からは、前方斜め下方に向って、刈取主フレームである縦伝動ケース37を突出させており、前記縦伝動ケース37の上端部にベベルギヤケースを設け、前記ベベルギヤケースの側面から機体左右方向に水平に刈取装置8の上下回動支点である左右刈取入力ケース40L・40Rを同一軸芯上で突出固定して、前記刈取入力ケース40L・40Rを機台3の前端に立設固定する左右軸受け台41L・41Rに回動自在に支持させる。前記刈取入力ケース40L・40R内には、刈取入力軸55を支持し、前記刈取入力軸55の一端に入力プーリ70を固設して、エンジンから図示しない伝動系を介して動力を伝達するように構成している。
【0023】
前記縦伝動ケース37の下端には、刈取装置8の底部で機体左右方向に水平に横架させる横伝動ケース42の中間部が一体連結されている。前記横伝動ケース42と平行にその前部に支持体45が横設される。
前記横伝動ケース42と支持体45から前方に4本の刈取フレーム43・43・43・43を平行に機体前方に向けて一体的に延出している。前記各刈取フレーム43の前端に前記分草板24を取り付けている。
【0024】
そして、前記横伝動ケース42から前上方に引起し伝動ケース47L・47C・47Rを立設し、ベベルギヤケース49L・49C・49R内のベベルギヤを介して引起ケース25L・25C・25R内の引起タイン駆動軸に動力を伝達し、引起タインを駆動する構成としている。
また、前記縦伝動ケース37の略中央部と機台3前部との間に図示しない刈取昇降シリンダを介装している。このように構成することによって、刈取昇降シリンダを伸縮させることにより、縦搬送装置34や右上部搬送装置35や左上部搬送装置32や引起ケース25L・25C・25Rや刈刃29等、刈取装置8全体を左右刈取入力ケース40L・40Rを支点として昇降可能に構成している。
【0025】
図3及び図5に示すように、前記刈取入力ケース40L・40Rの左右中央部にチェンケース39を設けて前方に突設し、前記チェンケース39の前部に筒軸76を横架し、前記筒軸76に縦搬送装置34及び右上部搬送装置35の後部を連結している。更に、縦搬送装置34に左上部搬送装置32を連結している。こうして、前記縦搬送装置34と右上部搬送装置35と左上部搬送装置32とを、筒軸76を支点に上下に揺動させて、扱深調節を可能としている。63は右上部搬送装置35のカバーであり、平面視においてカバー63からは右上部搬送装置35の突起35b・35b・・・のみが突出しているように構成されている。以下では、縦搬送装置34と右上部搬送装置35と左上部搬送装置32等を合わせて、上搬送機構10とする。
【0026】
次に前記上搬送機構10の構成について説明する。
図3乃至図6に示すように、前記筒軸76端部には縦搬送駆動ケース77が回動自在に嵌合され、該縦搬送駆動ケース77は図示しないアクチュエータと連動連結されて、該アクチュエータの伸縮により昇降回動可能に構成して、穀稈の長さに応じて回動するように構成している。前記縦搬送駆動ケース77からステー6、支持フレーム12、ステー7等を介して上部搬送装置32・35や縦搬送装置34や挟扼杆21が支持され、更に前記支持フレーム12から前方にフレーム12bが分岐して突出され、前記フレーム12bの前端に合流部のガイド棒62が支持されている。前記支持フレーム12は側面視において逆V字状に形成されて、前記カバー63の上方を跨ぐように配設されて搬送する穀稈の穂先側が通過できるようにしている
【0027】
図3乃至図6に示すように、上搬送機構10は、突起付ベルトで構成された左上部搬送装置32や、同じく突起付ベルトで構成された右上部搬送装置35等から構成されている。上搬送機構10には、前記左上部搬送装置32の搬送面のベルト基部側から、前記右上部搬送装置35の搬送面中途部のベルト先端側へ延設される第一のガイド棒61が支持されている。また、上搬送機構10には、左上部搬送装置32の搬送面側のベルト先端軌跡から、後述するスターホイル53・57の噛み合い部の上方を通って略V字状に折れ曲がり、右上部搬送装置35の前部搬送面のベルト先端軌跡の前方へと延設される第二のガイド棒62が支持されている。また、上搬送機構10には、右上部搬送装置35の搬送面中途部のベルト先端側近傍の左上部搬送装置32上面から、前記右上部搬送装置35の搬送面中途部ベルト基部側で折り曲がり、前記右上部搬送装置35の後端部へと延設される第三のガイド棒66が支持されている。
【0028】
前記ガイド棒61・62・66はステー等を介して前記支持フレーム12・12bによって支持され、右上部搬送装置35と左上部搬送装置32のベルトの上下に配置されている。
こうして、左引起ケース25Lと中央引起ケース25Cの間を通った1条分の穀稈の穂先側が前記ガイド棒61・62間を通過し、前記中央引起ケース25Cと右引起ケース25Rの間を通った2条分の穀稈の穂先側が前記ガイド棒62と右上部搬送装置35の間を通過して、縦搬送装置34へと搬送されるように構成されている。
【0029】
図3乃至図6に示すように、縦搬送駆動ケース77には、前記筒軸76内を回動する横伝動軸78にベベルギヤを介して連動連結された駆動軸85が挿入されており、前記駆動軸85は上部と下部が前記縦搬送駆動ケース77から突出している。そして、前記駆動軸85の下端には第一駆動スプロケット51が固設されており、前記第一駆動スプロケット51に縦搬送装置34の後部が巻回される。縦搬送装置34の前端部は従動スプロケット52に巻回されている。
【0030】
前記従動スプロケット52を固設する従動スプロケット軸56の上端から動力伝達手段58を介して駆動スターホイル53に動力が伝達される。本実施例では、動力伝達手段58はチェーン伝動式に構成され(以下、駆動チェン58とする。)、該従動スプロケット52は、上搬送機構10に枢支された従動スプロケット軸56の下部に固設されており、前記従動スプロケット軸56の上部には、第二駆動スプロケット59が固設されている。前記第二駆動スプロケット59には、前記縦搬送装置34の上方に配設される駆動チェン58の前端が巻回されており、前記駆動チェン58の後端部は後従動スプロケット60に巻回されている。前記後従動スプロケット60が固設される後従動スプロケット軸64の上端には、駆動スターホイル53が固設されている。
【0031】
前記従動スプロケット軸56・64は支持部材65の両側に回動自在に支持され、該支持部材65は上搬送機構10の搬送フレーム66に長孔とボルト等を介して位置調整可能に固定され、駆動スターホイル53と後述する従動スターホイル57の噛合位置を調整できるようにしている。そして、支持部材65は前端を従動スプロケット52近傍に配置し、縦搬送装置34に沿って後方へ延出し、後端を縦搬送装置34の前後中途部に位置させている。このように構成したので、後述するように、第一駆動スプロケット51によって縦搬送装置34が駆動されると、従動スプロケット52が回動し、前記従動スプロケット52上方の第二駆動スプロケット59によって駆動チェン58が駆動して、後従動スプロケット60上方の駆動スターホイル53が回動する。
【0032】
一方、図5及び図6に示すように、左上部搬送装置32は、詳しくは、左上部搬送駆動プーリ88と、従動プーリ89と、両プーリ間に巻回する突起付ベルト32aと、左上部搬送駆動プーリ軸87と、従動プーリ軸と、これらを支持する搬送フレーム等より構成し、前記左上部搬送駆動プーリ88は左上部搬送駆動プーリ軸87の上端に固定され、該左上部搬送駆動プーリ軸87の下部には従動スターホイル57が固設されている。搬送フレームは前記支持フレーム12にステー7等を介して固定されている。そして、前記駆動スターホイル53と従動スターホイル57は噛合して、縦搬送装置34や駆動チェン58から左上部搬送装置32へと動力を伝達可能としている。
【0033】
つまり、前記駆動チェン58は前記縦搬送装置34より上方に位置し、前記駆動スターホイル53及び従動スターホイル57は前記駆動チェン58より上方に位置し、前記左上部搬送装置32は前記スターホイル53・57より上方に位置している。言い換えれば、スターホイル53・57は上下方向において、左上部搬送装置32と縦搬送装置34の間に位置して、従動スターホイル57は合流部に位置して、穀稈を確実に後方へ送るようにしている。駆動スターホイル53は従動スターホイル57よりも後方に配置して、両者の接触部も後側に位置し、該駆動スターホイル53の突起は縦搬送装置34の搬送面よりも一部突出する程度に配置して、該駆動スターホイル53の突起が掻き込み(搬送)の邪魔にならないようにしている。
【0034】
次に刈取装置8の動力伝達機構について図7より説明する。
刈取入力ケース40L内の刈取入力軸55からベベルギヤを介して縦伝動ケース37内の第一軸81に動力が伝達され、前記第一軸81からベベルギヤを介して横伝動ケース42内の第二軸82に動力が伝達され、前記第二軸82より引起し伝動ケース47L・47C・47R内の引起し軸83L・83C・83Rを介して引起ケース25L・25R・25Cのチェンを駆動する。また、引起し軸83L・83Rの中途部よりギヤ等を介して左右の左下部搬送装置31と右下部搬送装置30を駆動する。
【0035】
また、前記刈取入力軸55からチェンケース39内のスプロケット、チェンを介して横伝動軸78に動力を伝達する。横伝動軸78からベベルギヤを介して縦搬送駆動ケース77に支持した縦搬送入力軸85に動力を伝達し、前記縦搬送入力軸85の上部より右上部搬送装置35を駆動し、縦搬送入力軸85の下部に固設されている第一駆動スプロケット51によって縦搬送装置34を駆動する。
【0036】
そして前述したように、前記縦搬送装置34の前端部には従動スプロケット軸56が回転自在に支持されており、前記従動スプロケット軸56の下部に従動スプロケット52が固設されている。
前記従動スプロケット軸56の上端に固設されている前記第二駆動スプロケット59によって駆動チェン58が駆動され、駆動チェン58の後端部に巻回される後従動スプロケット60が駆動される。駆動チェン58が駆動されると前記後従動スプロケット軸64の上部に固設されている前記駆動スターホイル53が回動するようになっている。
【0037】
前記駆動スターホイル53が回動すると、前記駆動スターホイル53と噛合している従動スターホイル57が回動し、前記左上部搬送駆動プーリ軸87の上端部に固設されている左上部搬送駆動プーリ88が左上部搬送装置32のベルトを駆動する。
【0038】
このようにして、刈取入力軸55から縦搬送装置34に伝えられた動力は、前記縦搬送装置34の前部に配置した従動スプロケット52を回動し、従動スプロケット軸56に固設されている第二駆動スプロケット59が回動されて駆動チェン58が駆動され、後従動スプロケット軸64に固設されている駆動スターホイル53が回動される。そして、前記駆動スターホイル53に噛合する従動スターホイル57が回動し、前記従動スターホイル57の回動により左上部搬送装置32が駆動されるようになっている。
【0039】
つまり、縦搬送装置34から、駆動チェン58及びスターホイル53・57を介して、左上部搬送装置32の左上部搬送駆動プーリ軸87へと駆動力が伝達される構成となっている。
本実施例では、従動スプロケット軸56から後従動スプロケット軸64への動力伝達手段として駆動チェン58を用いているが、ベルトや駆動軸等によって構成される伝達手段であっても良く、限定するものではない。
【0040】
このように、複数条の穀稈を分草・引起し後に刈り取って、左右下部搬送装置30・31、左右上部搬送装置32・35、縦搬送装置34を介して脱穀部4へ搬送するコンバイン100の刈取装置8において、
前記縦搬送装置34の前部に配置する従動スプロケット軸56によって駆動される動力伝達手段58と、
該動力伝達手段58の他側に配置される従動軸64に固設される駆動スターホイル53と、
前記左上部搬送装置32を駆動する左上部搬送駆動プーリ88と、
左上部搬送駆動プーリ軸87に固設される従動スターホイル57とを具備し、
前記駆動スターホイル53より従動スターホイル57へと動力を伝達する構成としたので、
縦搬送装置34や駆動チェン58やスターホイル53・57を介して、左上部搬送装置32の駆動力が得られるため、左上部搬送装置32を駆動するための駆動力伝達機構が従来よりも簡単な構成となり、部品点数を減らすことができる。また、スターホイル53・57の組み合わせによって左上部搬送装置32の位置を自由に決めることが可能となり、スターホイル53・57の歯数の組み合わせによって左上部搬送装置の搬送速度を調節できる。
そして、縦搬送装置34に穀稈が挟扼されている位置で、スターホイル53・57同士が噛み合うため、スターホイル53・57の周速を縦搬送装置34の周速に合わせる必要がなく、スターホイル53・57の歯数の自由度が大きくなる。
【0041】
また、前記駆動チェン58を前記縦搬送装置34より上方に配設し、
前記駆動スターホイル53を前記駆動チェン58より上方に配設し、
前記左上部搬送装置32を前記駆動スターホイル53より上方に配設したので、
スターホイル53・57によって、穀稈の穂先から稈元の間を挟持することができ、穂先を傷めることなく、穀稈の搬送をスムーズに行なうことができる。また、駆動チェン58が縦搬送装置34より上方にあるので、稈屑等が付着しにくく、上部搬送装置32・35や縦搬送装置34をカバーで被っていても、カバー内側で穀稈が巻きつきにくい。
【0042】
また、左上部搬送装置32によって左1条の穀稈を搬送し、
右上部搬送装置35によって右2条の穀稈を搬送するので、
刈取穀稈の搬送経路の幅を段階的に狭くすることにより、刈取穀稈の搬送をよりスムーズに行なうことができる。
【0043】
また、上部搬送装置32・35を支持する支持フレーム12を介して、
左上部搬送装置32に対向する第一のガイド棒61と、
右上部搬送装置35に対向する第二のガイド棒62とを支持したので、
ガイド棒61・62によって、刈取穀稈をより正確に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例に係るコンバイン100の全体的な構成を示す側面図。
【図2】本発明の刈取装置8を示す平面模式図。
【図3】刈取装置8を示す側面図。
【図4】上搬送機構10を示す前上方斜視図。
【図5】カバー63を取り除いた上搬送機構10を示す平面図。
【図6】同じく平面図。
【図7】刈取装置8の駆動力伝達を示すスケルトン図。
【符号の説明】
【0045】
8 刈取装置
12・12b 支持フレーム
32 左上部搬送装置
34 縦搬送装置
51 第一駆動スプロケット
52 従動スプロケット
53 駆動スターホイル
57 従動スターホイル
58 駆動チェン
59 第二駆動スプロケット
60 後従動スプロケット
61 第一のガイド棒
62 第二のガイド棒
64 後従動スプロケット軸
87 左上部搬送駆動プーリ軸
100 コンバイン




 

 


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