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発明の名称 農作業機械
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−88(P2007−88A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−184537(P2005−184537)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫
発明者 三輪 敏之 / 山口 雄司 / 丹生 秀和
要約 課題
ロータリ耕耘機付きのトラクタにおいて、ロータリ耕耘機の耕耘深さの深浅に左右されることなく、耕耘深さ自動制御を実行できるようにする。

解決手段
ロータリ耕耘機には、その耕耘深さを検出するリヤカバーセンサを設ける。走行機体には、ロータリ耕耘機の目標耕耘深さRD0を予め設定する耕深設定器を設ける。耕耘制御コントローラには制御ゲインGaを予め記憶させたROMを備える。耕耘制御コントローラは、目標耕耘深さRD0に対応する制御情報に応じて制御ゲインGaを変更し、該制御ゲインGaとリヤカバーセンサの検出値θとからロータリ耕耘機の耕耘深さRDを算出し、この耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0となるように昇降制御油圧シリンダの駆動を制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】
前車輪及び後車輪を有し且つエンジンを搭載した走行機体の後部に、リンク機構を介して昇降調節可能に装着されたロータリ耕耘機と、当該ロータリ耕耘機を昇降動させる昇降制御アクチュエータの駆動を制御することにより耕耘深さ自動制御を実行する制御手段とが備えられた農作業機械であって、
前記ロータリ耕耘機には、地面に接地し得るリヤカバー体が上下回動可能に設けられていると共に、前記リヤカバー体の上下回動角度を検出する耕深検出手段が備えられ、
前記走行機体には、前記ロータリ耕耘機の目標耕耘深さを予め設定するための耕深設定器が備えられ、
前記制御手段には、制御ゲインを予め記憶させた記憶手段が備えられ、
前記制御手段は、前記耕深設定器にて設定された前記目標耕耘深さに対応する制御情報に応じて前記制御ゲインを変更し、前記耕深検出手段の検出情報から得られる前記ロータリ耕耘機の耕耘深さが前記目標耕耘深さとなるように、前記変更された制御ゲインにより前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御することを特徴とする農作業機械。
【請求項2】
前車輪及び後車輪を有し且つエンジンを搭載した走行機体の後部に、リンク機構を介して昇降調節可能に装着されたロータリ耕耘機と、当該ロータリ耕耘機を昇降動させる昇降制御アクチュエータの駆動を制御することにより耕耘深さ自動制御を実行する制御手段とが備えられた農作業機械であって、
前記ロータリ耕耘機には、地面に接地し得るリヤカバー体が上下回動可能に設けられていると共に、前記リヤカバー体の上下回動角度を検出する耕深検出手段が備えられ、
前記走行機体には、前記ロータリ耕耘機の目標耕耘深さを予め設定するための耕深設定器が備えられ、
前記制御手段には、前記耕耘深さ自動制御のための不感帯を予め記憶させた記憶手段が備えられ、
前記制御手段は、前記耕深設定器にて設定された前記目標耕耘深さに対応する制御情報に応じて前記不感帯を変更し、前記耕深検出手段の検出情報が前記変更された不感帯の範囲内にあるときは前記昇降制御アクチュエータの駆動制御を実行しないことを特徴とする農作業機械。
【請求項3】
前車輪及び後車輪を有し且つエンジンを搭載した走行機体の後部に、リンク機構を介して昇降調節可能に装着されたロータリ耕耘機と、当該ロータリ耕耘機を昇降動させる昇降制御アクチュエータの駆動を制御することにより耕耘深さ自動制御を実行する制御手段とが備えられた農作業機械であって、
前記ロータリ耕耘機には、地面に接地し得るリヤカバー体が上下回動可能に設けられていると共に、前記リヤカバー体の上下回動角度を検出する耕深検出手段が備えられ、
前記走行機体には、前記ロータリ耕耘機の目標耕耘深さを予め設定するための耕深設定器が備えられ、
前記制御手段には、前記耕深検出手段がフィルタ部を介して接続され、
前記制御手段は、前記目標耕耘深さに対応する制御情報に応じて前記フィルタ部の遮断周波数又は中心周波数を変更し、前記耕深検出手段から前記フィルタ部を経由した出力情報に基づいて、前記ロータリ耕耘機の耕耘深さが前記目標耕耘深さとなるように前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御することを特徴とする農作業機械。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の走行機体にリンク機構を介して昇降調節可能に装着されたロータリ耕耘機にて耕耘作業を実行する農作業機械に係り、より詳しくは、前記ロータリ耕耘機の耕耘深さを略一定に保持する耕耘深さ自動制御のための構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、耕耘作業を実行するトラクタは、前車輪及び後車輪を有し且つエンジンを搭載した走行機体の後部に、リンク機構を介して昇降調節可能に装着されたロータリ耕耘機と、当該ロータリ耕耘機を昇降動させる昇降制御油圧シリンダの駆動を制御することにより耕耘深さ自動制御を実行する制御手段とを備えている。
【0003】
この種のトラクタの一例が特許文献1に開示されている。図17は特許文献1のトラクタでの耕耘態様の概略図であり、図17(a)は耕耘深さが浅い場合、図17(b)は耕耘深さが深い場合を示している。
【0004】
特許文献1のトラクタでは、ロータリ耕耘機504は、走行機体501の後部にリンク機構503を介して昇降調節可能に連結されている。走行機体501には、ロータリ耕耘機504の目標耕耘深さを予め設定するための耕深設定器(図示せず)が設けられている。ロータリ耕耘機504における耕耘爪の回転軌跡505の上側は耕耘カバー体506にて覆われている。耕耘カバー体506の後端部には、所定圧力にて地面に接地し得るリヤカバー体507が上下方向に揺動回動可能に連結されている。耕耘カバー体506とリヤカバー体507との間には、リヤカバー体507の上下回動角度γを検出する耕深検出手段としてのリヤカバーセンサ509が設けられている。
【0005】
耕耘作業時には、リヤカバー体507を所定圧力にて接地させ、リヤカバーセンサ509の検出回動角度γから求められる耕耘深さrdが耕深設定器にて設定された目標耕耘深さとなるように、予め設定された一定の制御ゲイン(耕耘深さを検出する機構や電気回路等の特性で決まる値)により昇降制御油圧シリンダ(図示せず)を駆動させることで、耕耘深さ自動制御が実行される。換言すると、リヤカバーセンサ509の検出回動角度γと前記一定の制御ゲインとからロータリ耕耘機504の耕耘深さrdを算出し、この算出された耕耘深さrdが目標耕耘深さとなるように昇降制御油圧シリンダを駆動させることで、耕耘深さ自動制御が実行される。
【0006】
なお、図17では、(a)に示す耕耘深さrd及び上下回動角度γに符号aを、(b)に示す耕耘深さrd及び上下回動角度γに符号bを添えている。
【特許文献1】特開2000−41415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ロータリ耕耘機504を上昇動させて耕耘深さrdを浅くすれば、耕耘カバー506とリヤカバー507とを連結する支軸508は地面Gから離れた高い位置に移動する(図17(a)参照)。ロータリ耕耘機504を下降動させて耕耘深さrdを深くすれば、支軸508の位置は地面Gに近い低い位置に移動する(図17(b)参照)。
【0008】
このように、ロータリ耕耘機504に対するリヤカバー体507の回動中心位置(支軸508の位置)が上下方向に変位すると、該回動中心位置の変位に連動して、ロータリ耕耘機504の耕耘深さrdの変化量に対するリヤカバー体507の上下回動角度γの変化
量も変わる。
【0009】
例えば支軸508が地面Gから離れた高い位置にあるほど、リヤカバー体507は、地面Gに対して鉛直な姿勢に近付いて、耕耘カバー体506の後端部に吊り下げられた状態になるので、ロータリ耕耘機504における耕耘深さrdの小さな変化に対して、リヤカバー体507における上下回動角度γの変化量が大きくなる。従って、リヤカバーセンサ509の検出感度が地面Gの凹凸変化に対して敏感になる。
【0010】
逆に、支軸508が地面Gに近い低い位置に来るに従って、リヤカバー体507は、地面Gに対して水平な姿勢に近付いて、その自重等により地面Gを上から押さえ付ける状態になるので、ロータリ耕耘機504における耕耘深さrdの大きな変化に対して、リヤカバー体507における上下回動角度γの変化量が小さくなる。従って、リヤカバーセンサ509の検出感度が地面Gの凹凸変化に対して鈍感になるのである。
【0011】
しかし、前記特許文献1の農作業機械では、ロータリ耕耘機504の耕耘深さrdを算出するときの制御ゲインが、耕耘深さrdの深浅に関係なく常に一定であったから、該一定の制御ゲインが浅い耕耘深さrdのときに適したものであれば、ロータリ耕耘機504を下降動させて耕耘深さrdを深くしたときは、リヤカバーセンサ509の検出感度が鈍感過ぎて、耕深深さ自動制御の精度が低下するという問題があった。
【0012】
また、前記一定の制御ゲインが深い耕耘深さrdのときに適したものであれば、ロータリ耕耘機504を下降動させて耕耘深さrdを浅くしたときは、リヤカバーセンサ509の検出感度が過敏になって、地面Gにある雑草や凹凸の影響でロータリ耕耘機504がむやみに昇降動する(昇降制御油圧シリンダが伸縮を小刻みに繰り返す)いわゆるハンチング現象が頻発し、耕耘深さ自動制御の精度が低下するという問題があった。
【0013】
要するに、ロータリ耕耘機504の耕耘深さrdを算出するときの制御ゲインを常に一定にした場合は、ロータリ耕耘機504の昇降動に伴うリヤカバーセンサ509の検出感度変化により、耕耘深さ自動制御の精度低下が避けられないのであった。
【0014】
そこで、本発明は、ロータリ耕耘機の昇降動に伴う耕深検出手段の検出感度変化、ひいてはロータリ耕耘機の耕耘深さの深浅に左右されることなく、高精度な耕耘深さ自動制御を実行できる農作業機械を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この技術的課題を達成するため、請求項1の発明は、前車輪及び後車輪を有し且つエンジンを搭載した走行機体の後部に、リンク機構を介して昇降調節可能に装着されたロータリ耕耘機と、当該ロータリ耕耘機を昇降動させる昇降制御アクチュエータの駆動を制御することにより耕耘深さ自動制御を実行する制御手段とが備えられた農作業機械であって、前記ロータリ耕耘機には、地面に接地し得るリヤカバー体が上下回動可能に設けられていると共に、前記リヤカバー体の上下回動角度を検出する耕深検出手段が備えられ、前記走行機体には、前記ロータリ耕耘機の目標耕耘深さを予め設定するための耕深設定器が備えられ、前記制御手段には、制御ゲインを予め記憶させた記憶手段が備えられ、前記制御手段は、前記耕深設定器にて設定された前記目標耕耘深さに対応する制御情報に応じて前記制御ゲインを変更し、前記耕深検出手段の検出情報から得られる前記ロータリ耕耘機の耕耘深さが前記目標耕耘深さとなるように、前記変更された制御ゲインにより前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御するというものである。
【0016】
請求項2の発明は、前車輪及び後車輪を有し且つエンジンを搭載した走行機体の後部に、リンク機構を介して昇降調節可能に装着されたロータリ耕耘機と、当該ロータリ耕耘機
を昇降動させる昇降制御アクチュエータの駆動を制御することにより耕耘深さ自動制御を実行する制御手段とが備えられた農作業機械であって、前記ロータリ耕耘機には、地面に接地し得るリヤカバー体が上下回動可能に設けられていると共に、前記リヤカバー体の上下回動角度を検出する耕深検出手段が備えられ、前記走行機体には、前記ロータリ耕耘機の目標耕耘深さを予め設定するための耕深設定器が備えられ、前記制御手段には、前記耕耘深さ自動制御のための不感帯を予め記憶させた記憶手段が備えられ、前記制御手段は、前記耕深設定器にて設定された前記目標耕耘深さに対応する制御情報に応じて前記不感帯を変更し、前記耕深検出手段の検出情報が前記変更された不感帯の範囲内にあるときは前記昇降制御アクチュエータの駆動制御を実行しないというものである。
【0017】
請求項3の発明は、前車輪及び後車輪を有し且つエンジンを搭載した走行機体の後部に、リンク機構を介して昇降調節可能に装着されたロータリ耕耘機と、当該ロータリ耕耘機を昇降動させる昇降制御アクチュエータの駆動を制御することにより耕耘深さ自動制御を実行する制御手段とが備えられた農作業機械であって、前記ロータリ耕耘機には、地面に接地し得るリヤカバー体が上下回動可能に設けられていると共に、前記リヤカバー体の上下回動角度を検出する耕深検出手段が備えられ、前記走行機体には、前記ロータリ耕耘機の目標耕耘深さを予め設定するための耕深設定器が備えられ、前記制御手段には、前記耕深検出手段がフィルタ部を介して接続され、前記制御手段は、前記耕深設定器にて設定された前記目標耕耘深さに応じて前記フィルタ部の遮断周波数又は中心周波数を変更し、前記耕深検出手段から前記フィルタ部を経由した出力情報に基づいて、前記ロータリ耕耘機の耕耘深さが前記目標耕耘深さとなるように前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御するというものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によると、昇降制御アクチュエータの駆動を制御する制御手段は、耕深設定器にて設定された目標耕耘深さに対応する制御情報に応じて制御ゲインを変更するから、例えば目標耕耘深さを小さく(浅く)設定したときの制御ゲインは、前記耕耘深さを算出する際に、耕深検出手段の敏感な検出感度の影響を小さくするような小さな値となる。
【0019】
そうすると、前記制御手段は、前記耕深検出手段の検出情報から得られる前記耕耘深さが前記目標耕耘深さとなるように、前記小さな値の制御ゲインにより前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御する。すなわち前記制御手段は、前記小さな値の制御ゲインと前記耕深検出手段の検出情報とにより前記耕耘深さを算出し、この算出された耕耘深さが前記目標耕耘深さとなるように前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御する。これにより、地面にある雑草や凹凸の影響による前記ロータリ耕耘機のハンチング現象がなくなるか又は著しく抑制される。
【0020】
また、目標耕耘深さを大きく(深く)設定したときの制御ゲインは、ロータリ耕耘機の耕耘深さを算出する際に、前記耕深検出手段の検出感度の影響を大きくするような大きな値となる。
【0021】
そうすると、前記制御手段は、前記耕深検出手段の検出情報から得られる前記耕耘深さが前記目標耕耘深さとなるように、前記大きな値の制御ゲインにより前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御する。すなわち前記制御手段は、前記大きな値の制御ゲインと前記耕深検出手段の検出情報とにより前記耕耘深さを算出し、この算出された耕耘深さが前記目標耕耘深さとなるように前記昇降制御アクチュエータの駆動を制御する。これにより、結果的に、前記耕深検出手段の検出感度を向上させたのと同様の作用が得られることになる。
【0022】
以上まとめると、請求項1のように構成すれば、耕深設定器にて設定された目標耕耘深さに対応する制御情報に応じて制御ゲインを変更することにより、前記ロータリ耕耘機の昇降動に伴う前記耕深検出手段の検出感度変化による悪影響を、このときの目標耕耘深さに見合った制御ゲインで補償することができるから、前記ロータリ耕耘機における耕耘深さの深浅に左右されることなく、高精度な耕耘深さ自動制御を実行できるという効果を奏する。
【0023】
請求項2の発明によると、制御手段は、耕深設定器にて設定された目標耕耘深さに対応する制御情報に応じて、耕耘深さ自動制御のための不感帯を変更し、前記耕深検出手段の検出情報が前記変更された不感帯の範囲内にあるときは前記昇降制御アクチュエータを駆動させないから、例えば目標耕耘深さを小さく(浅く)設定したときにおいて、この浅い目標耕耘深さに対応する不感帯の範囲内では、前記耕耘深さを算出するときの制御ゲインが一定であっても、地面にある雑草や凹凸の影響で前記耕深検出手段の検出情報が小刻みに変化するのを無視して、前記ロータリ耕耘機のハンチング現象をなくすか又は著しく抑制することができる。
【0024】
すなわち、前記耕耘深さを算出するときの制御ゲインが一定であっても、前記ロータリ耕耘機の昇降動に伴う前記耕深検出手段の検出感度変化による悪影響を、このときの目標耕耘深さに見合った不感帯で補償することができるから、この場合も、請求項1の発明と同様に、前記ロータリ耕耘機における耕耘深さの深浅に左右されることなく、高精度な耕耘深さ自動制御を実行できるという効果を奏する。
【0025】
請求項3の発明によると、制御手段は、耕深設定器にて設定された目標耕耘深さに対応する制御情報に応じて、フィルタ部の遮断又は中心周波数を変更し、耕深検出手段から前記フィルタ部を経由した出力情報に基づいて、ロータリ耕耘機の耕耘深さが前記目標耕耘深さとなるように昇降制御アクチュエータの駆動を制御するから、例えば目標耕耘深さを小さく(浅く)設定したときにおいて、この浅い目標耕耘深さに対応する遮断周波数又は中心周波数を有するフィルタ部にて、前記耕深検出手段の検出情報の中から雑草や凹凸の影響による不要な周波数成分を減衰させる(通過を制限する)結果、前記耕耘深さを算出するときの制御ゲインが一定であっても、前記ロータリ耕耘機のハンチング現象をなくすか又は著しく抑制することができる。
【0026】
すなわち、前記耕耘深さを算出するときの制御ゲインが一定であっても、前記ロータリ耕耘機の昇降動に伴う前記耕深検出手段の検出感度変化による悪影響を、このときの目標耕耘深さに見合った遮断周波数又は中心周波数で補償することができるから、この場合も、請求項1及び2の発明と同様に、前記ロータリ耕耘機における耕耘深さの深浅に左右されることなく、高精度な耕耘深さ自動制御を実行できるという効果を奏するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図15)に基づいて説明する。
【0028】
図1〜図10はトラクタに本発明を適用した第1実施形態を示している。図1はトラクタの側面図、図2はトラクタの平面図、図3は作業機用昇降機構の概略側面図、図4は作業機用昇降機構の概略平面図、図5は図2のV−V視側断面図、図6はロータリ耕耘機の概略背面図、図7はトラクタの油圧回路図、図8は制御手段の機能ブロック図、図9は耕耘深さ自動制御のフローチャート、図10は制御ゲインと耕深設定器の設定値との関係を示す制御マップの図である。
【0029】
図1乃至図4に示すように、第1実施形態におけるトラクタ1の走行機体2は、左右一対の前車輪3と同じく左右一対の後車輪4とで支持されている。前記走行機体2の前部に
搭載したエンジン5にて後車輪4及び前車輪3を駆動することにより、トラクタ1は前後進走行するように構成される。エンジン5はボンネット6にて覆われる。また、前記走行機体2の上面にはキャビン7が設置され、該キャビン7の内部には、操縦座席8と、かじ取りすることによって前車輪3の操向方向を左右に動かすようにした操縦ハンドル(丸ハンドル)9とが設置されている。キャビン7の外側部には、オペレータが乗降するステップ10が設けられ、該ステップ10より内側で且つキャビン7の底部より下側には、エンジン5に燃料を供給する燃料タンク11が設けられている。
【0030】
また、図1乃至図4に示すように、前記走行機体2は、前バンパ12及び前車軸ケース13を有するエンジンフレーム14と、エンジンフレーム14の後部にボルトにて着脱自在に固定する左右の機体フレーム16とにより構成される。機体フレーム16の後部には、前記エンジン5の回転を適宜変速して後車輪4及び前車輪3に伝達するためのミッションケース17が連結されている。後車輪4は、ミッションケース17の外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース18を介して取り付けられている。
【0031】
図3及び図4に示すように、前記ミッションケース17の後部上面には、作業機としてのロータリ耕耘機24を昇降動するための油圧式の作業機用昇降機構20が着脱可能に取り付けられている。ロータリ耕耘機24は、ミッションケース17の後部に、一対の左右ロワーリンク21及びトップリンク22からなる3点リンク機構を介して連結される。左右ロワーリンク21の前端側は、ミッションケース17の後部の左右側面にロワーリンクピン25を介して回動可能に連結されている。トップリンク22の前端側は、作業機用昇降機構20の後部のトップリンクヒッチ26にトップリンクピン27を介して連結されている。さらに、ミッションケース17の後側面には、ロータリ耕耘機24にPTO駆動力を伝達するためのPTO軸23が後向きに突出するように設けられている。
【0032】
図3、図4及び図7に示すように、油圧式の作業機用昇降機構20には、後述する単動形の昇降制御油圧シリンダ28にて回動させるための一対の左右リフトアーム29が設置されている。進行方向に向かって左側のロワーリンク21とリフトアーム29とは、左リフトロッド30を介して連結されている。進行方向に向かって右側のロワーリンク21とリフトアーム29とは、右リフトロッド31、及び該ロッド31の一部を形成する複動形の傾斜制御油圧シリンダ32、及び該シリンダ32のピストンロッド33とを介して連結されている。
【0033】
図1に示すように、ロータリ耕耘機24における下リンクフレーム34の前端と左右一対のロワーリンク21とは、下ヒッチピン35aを介して連結されている。トップリンク22の各後端側と上リンクフレーム34の前端側とは、上ヒッチピン34aを介して連結されている。
【0034】
図1、図2、図5及び図6に示すように、ロータリ耕耘機24は、横長筒状のメインビーム36と、メインビーム36の左右側端部にそれぞれ上端側が連結されたチェンケース37及び軸受板38と、チェンケース37及び軸受板38の下端側に左右両端部が回転自在に軸支された耕耘爪軸39と、耕耘爪軸39に放射状にて着脱可能に取り付けられた複数の耕耘爪40と、耕耘爪40の回転軌跡の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー41と、耕耘爪40の回転軌跡の左右側方を覆うように配置された左右耕耘サイドカバー42と、耕耘爪40の回転軌跡の後方を覆うように配置された耕耘リヤカバー43と、メインビーム36に前端側が取り付けられて後方に長く伸びる耕深調節フレーム44と、上リンクフレーム34の後端側と耕深調節フレーム44の前後方向の中間部とをつなぐ伸縮調節可能な耕深調節軸45等を備えている。耕耘リヤカバー43は特許請求の範囲に記載したリヤカバー体に相当する。
【0035】
下リンクフレーム35はメインビーム36に一体的に連結されている(図2及び図6参照)。トップリンク22は、ターンバックル22aの回転にて伸縮させて、該トップリンク22の長さを変更調節可能となるように構成されている(図3及び図4参照)。上リンクフレーム34の前後方向の中間部は、耕深調節支点軸34bを介してメインビーム36に回動可能に連結されている(図1参照)。耕深調節フレーム44の前端側はメインビーム36に一体的に連結されている。耕深調節ハンドル45a(図1参照)の回転操作にて耕深調節軸45を伸縮させたときには、一対の左右ロワーリンク21及びトップリンク22にて支持されるロータリ耕耘機24が前傾又は後傾姿勢に変化して、耕耘爪40による耕耘深さRDが変更可能に構成されている。
【0036】
図1、図5及び図6に示すように、メインビーム36の左右中央部には、PTO軸23からの駆動力を入力するためのギヤケース46が配置されている。PTO軸23とギヤケース46の前面側のPTO入力軸46aとは、両端に自在継手が備えられた伸縮自在な伝動軸46bを介して連結されている。PTO軸23からの動力は、ギヤケース46に内蔵されたベベルギヤ(図示せず)、メインビーム36に内蔵された回転軸(図示せず)、チェンケース37に内蔵されたスプロケット及びチェン(図示せず)等を介して耕耘爪軸39に伝達され、耕耘爪40を図1及び図5において反時計方向に回転させる。
【0037】
図5及び図6に示すように、走行機体2の左右幅方向に長い耕耘上面カバー41の後端部には、枢着軸47を介して耕耘リヤカバー43の前端側が連結されている。耕耘上面カバー41の上面後部には、後傾姿勢の一対の左右ハンガーフレーム48が立設されている。耕耘リヤカバー43の上面の後端側と左右ハンガーフレーム48とは1対の左右ハンガー機構49を介して上下動可能に連結されている。各ハンガーフレーム48の上端部には、受圧軸体48aが水平軸線(中心線)回りに回動可能に配置されている。
【0038】
各ハンガー機構49における細長い丸棒形のハンガーロッド50は、受圧軸体48aに水平軸線(中心線)と直交する方向に摺動可能に貫通している。ハンガーロッド50の下端部は、支軸53を介して、耕耘リヤカバー43の後部上面に設けられたブラケット54に回動自在に連結されている(図5参照)。ハンガーロッド50の上端側には下降規制ピン51が設けられている。受圧軸体48aと下降規制ピン51の間のハンガーロッド50には、ドーナツ形の下降規制板52がハンガーロッド50の軸線方向に摺動可能に被嵌されている。また、ハンガーロッド50の下部側(支軸53より上側)には、上昇規制ピン55が配置されている。受圧軸体48aと上昇規制ピン55との間のハンガーロッド50には、ドーナツ形の上下座板56,57を介して、耕耘リヤカバー43に鎮圧力を付与するための鎮圧用圧縮バネ58が被嵌されている。
【0039】
ロータリ耕耘機24が地面Gから離れた高さに持ち上げられたときには、耕耘リヤカバー43の後端側が枢着軸47の回りに下方側に回動する。すると、下降規制ピン51が下降規制板52に当接して、下降規制板52が受圧軸体48aに当接する。その結果、耕耘リヤカバー43はその後端側を最下降させた姿勢に維持されることになる。
【0040】
一方、ロータリ耕耘機24を地面Gに降ろして耕耘爪40を着地させたときや耕耘作業中においては、耕耘リヤカバー43の後端側が、耕耘された耕土との接地圧にて枢着軸47回りに上方に回動することになる。また、耕耘リヤカバー43の後端側が枢着軸47回りに上方に回動したときには、上昇規制ピン55及び下座板57を介して鎮圧用圧縮バネ58が圧縮されて、耕耘リヤカバー43の後端側の上向き回動が鎮圧用圧縮バネ58の付勢力にて規制されることになる。これにより、耕耘爪40から耕耘リヤカバー43の後方に排出される耕土量が制限されたり、地面が耕耘リヤカバー43の移動にて均平に均されたりすることになる。
【0041】
図7はトラクタ1の油圧回路100を示している。該油圧回路100には、エンジン5の回転力により作動する作業機用油圧ポンプ101を備える。作業機用油圧ポンプ101は、作業機用昇降機構20における昇降制御油圧シリンダ28に作動油を供給制御するための上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103と、傾斜制御油圧シリンダ32に作動油を供給制御するための傾斜制御電磁弁104とに、分流弁105を介して接続されている。また、油圧回路100には、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等も備えている(図7参照)。
【0042】
次に、キャビン7内に配置された各種操作手段の構成について説明する。図1及び図2に示すように、キャビン7内にある丸ハンドル型の操縦ハンドル9は、操縦座席8の前方に位置する操縦コラム60上に設けられている。操縦コラム60の右方には、エンジン5の回転数(出力)を調節するためのスロットルレバー117と、走行機体2を制動操作するための左右ブレーキペダル61とが設けられている。操縦コラム60の左方にはクラッチペダル62が配置されている。
【0043】
操縦座席8の右側コラム上には、ロータリ耕耘機24の高さ位置を手動で変更調節するための作業機昇降レバー63、PTO変速レバー64、走行機体2に対するロータリ耕耘機24の相対的な目標左右傾斜角度を予め設定するための可変抵抗器等からなる傾斜設定器123、及びロータリ耕耘機24の目標耕耘深さRD0を予め設定するための可変抵抗器等からなる耕深設定器126等が配置されている。傾斜設定器123及び耕深設定器126は、その摘み(指針)の位置を連続的(アナログ的)又は段階的(デジタル的)に変更し得るように構成されている。操縦座席8の左側コラム上には、走行変速レバー65が配置されている。操縦座席8の左側コラムの前方には、デフロックペダル66が配置されている。
【0044】
次に、図8を参照しながら、ロータリ耕耘機24の耕耘制御(耕耘深さ自動制御及びローリング自動制御)のための構成について説明する。
【0045】
制御プログラム等を記憶したROM110aと各種データを記憶可能なRAM110bとを備えた制御手段としての耕耘制御コントローラ110は、電源印加用のキースイッチ111を介してバッテリ112に接続されている。キースイッチ111は、エンジン5を始動するためのスタータ113にも接続可能に構成されている。
【0046】
耕耘制御コントローラ110のROM110aには、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出するときに用いる制御ゲインGaと耕深設定器126の設定値(目標耕耘深さRD0)との関係を示す関係式又は制御マップが予め記憶されている。第1実施形態のROM110aは請求項1における記憶手段に相当する。
【0047】
この場合の関係式としてはGa=A×RD0+Bが挙げられる。ここで、Aは比例定数、Bは定数である。かかる関係式は実験等により求められる。また、この関係式を制御マップとした場合を、図10に示している。図10では、耕深設定器の設定値(目標耕耘深さRD0)を横軸に採り、制御ゲインGaを縦軸に採っている。
【0048】
なお、耕深設定器126の設定値(目標耕耘深さRD0)とこれに対応する制御ゲインGaとの対のデータを、テーブルマップとして耕耘制御コントローラ110のROM110aに記憶させるようにしてもよい。
【0049】
耕耘制御コントローラ110には、エンジン5の回転を制御する電子ガバナコントローラ114が接続されている。電子ガバナコントローラ114には、エンジン5の燃料を調節するガバナ115と、エンジン5の回転数を検出するエンジン回転センサ116とが接
続されている。
【0050】
オペレータがスロットルレバー117を手動操作すると、電子ガバナコントローラ114は、スロットルレバー117の回動位置を検出するスロットルポテンショメータ118の検出情報に基づいて、スロットルレバー117の設定回転数とエンジン5の回転数とが一致するように、スロットルソレノイド119にて燃料調節ラックの位置を自動的に調節する制御を実行する。これにより、エンジン5の回転数は、負荷の変動に拘らず、スロットルレバー117の位置に応じた所定回転数に保持される。
【0051】
また、耕耘制御コントローラ110には、入力系の各種スイッチ及びセンサ類、例えば前述した傾斜設定器123や耕深設定器126のほか、走行機体2の左右傾斜角度を検出するための振子式の機体ローリングセンサ120、走行機体2に対するロータリ耕耘機24の相対的な左右傾斜角度を検出するためのポテンショメータ型の作業機ポジションセンサ122、前後四輪3,4の回転速度(走行速度)を検出するための車速センサ127、リフトアーム29の回動角度を検出するポテンショメータ型のリフト角センサ129、及び耕耘リヤカバー43の上下回動角度を検出するためのポテンショメータ型のリヤカバーセンサ124等が接続されている。リヤカバーセンサ124は特許請求の範囲に記載した耕深検出手段に相当する。
【0052】
機体ローリングセンサ120は、作業機用昇降機構20の上面で且つ操縦座席8の後方の箇所に配置されている(図1〜図4参照)。また、詳細は図示していないが、作業機ポジションセンサ122は、耕耘上面カバー41の上方に位置するメインビーム36の左右中央箇所に配置されている。リフト角センサ129は、作業機用昇降機構20と左リフトアーム29との連結箇所に配置されている(図3及び図4参照)。
【0053】
耕深検出手段としてのリヤカバーセンサ124は、耕耘上面カバー41の後部上面に配置されている(図2、図5及び図6参照)。リヤカバーセンサ124と耕耘リヤカバー43とは、センサアーム67及びセンサリンク68等を介して連結されている。リヤカバーセンサ124は、例えば低域フィルタ(ローパスフィルタ)等からなるフィルタ部125を介して耕耘制御コントローラ110に接続されている。
【0054】
さらに、耕耘制御コントローラ110には、出力系の各種電磁弁、すなわち上昇制御電磁弁102、下降制御電磁弁103、及び傾斜制御電磁弁104が接続されている。
【0055】
耕耘制御コントローラ110は、耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さRD0に対応する制御情報(信号)に応じて制御ゲインGaを変更し、この変更された制御ゲインGaとリヤカバーセンサ124の検出値θとに基づいて、上昇制御電磁弁102又は下降制御電磁弁103を切り換えて昇降制御油圧シリンダ28を伸縮駆動させることにより、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0になるように、ロータリ耕耘機24の耕耘深さ自動制御を実行する(詳細な態様は後述する)。
【0056】
また、耕耘制御コントローラ110は、機体ローリングセンサ120及び作業機ポジションセンサ122の検出情報に基づいて、傾斜制御電磁弁104を切り換えて傾斜制御油圧シリンダ32を伸縮駆動させることにより、ロータリ耕耘機24の左右傾斜角度が傾斜設定器123にて設定された目標左右傾斜角度になるように、ロータリ耕耘機24のローリング自動制御を実行する。
【0057】
次に、図9に示すフローチャートを参照しながら、第1実施形態におけるロータリ耕耘機24の耕耘深さ自動制御の一例について説明する。
【0058】
まず、ロータリ耕耘機24を、ロワーリンク21及びトップリンク22を介してトラクタ1の後側に昇降調節可能に連結してから、トラクタ1のエンジン5を始動し、自動制御スイッチ(図示せず)のON操作により、耕耘深さ自動制御を実行する(スタート)。
【0059】
スタートに続き、オペレータが耕深設定器126を操作して、ロータリ耕耘機24の目標耕耘深さRD0を設定し、該目標耕耘深さRD0を耕耘制御コントローラ110のRAM110bに記憶させる(ステップS1)。
【0060】
次いで、耕深設定器126の設定値(目標耕耘深さRD0)と、リフト角センサ129の検出値と、リヤカバーセンサ124の検出値θとを読み込む(ステップS2)。リフト角センサ129の検出値は、ロータリ耕耘機24の対機体高さ(走行機体2に対するロータリ耕耘機24の相対高さ)を求めるためのものである。
【0061】
次いで、ステップS2で読み込まれた耕深設定器126の設定値(目標耕耘深さRD0)と、耕耘制御コントローラ110のROM110aに予め記憶された関係式又は制御マップとから、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出するときに用いる制御ゲインGaを求める(ステップS3)。この場合の制御ゲインGaは、耕深設定器126の設定値(目標耕耘深さRD0)が小→大(浅→深)になるに連れて大きな値になる(図10参照)。
【0062】
ステップS3で制御ゲインGaを算出した後は、この算出された制御ゲインGaとリヤカバーセンサ124の検出値θとから、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さRD(図1参照)を演算する(ステップS4)。
【0063】
次いで、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さRDが耕深設定器126の設定値である目標耕耘深さRD0と一致するか否かを判別する(ステップS5)。現在の耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0と一致していないと判断されたときは(S5:NO)、上昇制御電磁弁102又は下降制御電磁弁103のいずれか一方の駆動にて、昇降制御油圧シリンダ28を伸縮駆動させることにより、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さRDを、目標耕耘深さRD0と一致するように調節・修正する(ステップS6)。その後は、耕耘深さ自動制御の1サイクルが完了しリターンする。
【0064】
ステップS5に戻り、現在の耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0と一致していると判断されたときは(S5:YES)、上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103を中立位置に復帰・維持して、昇降制御油圧シリンダ28を停止させる(ステップS7)。その後は、耕耘深さ自動制御の1サイクルが完了しリターンするのである。
【0065】
以上の制御によると、例えば耕深設定器126にて目標耕耘深さRD0を小さく(浅く)設定したときは、耕耘リヤカバー43が地面Gに対して鉛直な姿勢に近付いて、リヤカバーセンサ124の検出感度が地面Gの凹凸変化に対して敏感になる。これに対して、このときの制御ゲインGaは、前記目標耕耘深さRD0の制御情報に対応した小さな値となる。換言すると、制御ゲインGaは、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出する際に、リヤカバーセンサ124の敏感な検出感度の影響を小さくするような小さな値となる。
【0066】
そうすると、耕耘制御コントローラ110は、小さな値の制御ゲインGaとリヤカバーセンサ124の検出値θとによりロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出し、この算出された耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0となるように、昇降制御油圧シリンダ28を伸縮駆動させたり停止させたりするので、地面Gにある雑草や凹凸の影響でロータリ耕耘機24がむやみに昇降動するいわゆるハンチング現象がなくなるか又は著しく抑制される。従って、目標耕耘深さRD0が浅い場合の耕耘深さ自動制御を適切に実行できる。
【0067】
逆に、耕深設定器126にて目標耕耘深さRD0を大きく(深く)設定したときは、耕耘リヤカバー43が地面Gに対して水平な姿勢に近付いて、リヤカバーセンサ124の検出感度が地面の凹凸変化に対して鈍感になる。これに対して、このときの制御ゲインGaは、前記目標耕耘深さRD0の制御情報に対応した大きな値となる。すなわち、制御ゲインGaは、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出する際に、リヤカバーセンサ124の検出感度の影響を大きくするような(リヤカバーセンサ124の検出感度が向上したかのような)大きな値となる。
【0068】
そうすると、耕耘制御コントローラ110は、大きな値の制御ゲインGaとリヤカバーセンサ124の検出値θとによりロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出し、この算出された耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0となるように、昇降制御油圧シリンダ28を伸縮駆動させたり停止させたりするので、リヤカバーセンサ124の検出感度が向上したのと同様の作用が得られる。従って、目標耕耘深さRD0が深い場合の耕耘深さ自動制御をも適切に実行できる。
【0069】
要するに、耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さRD0に対応する制御情報に応じて、制御ゲインGaを変更することにより、ロータリ耕耘機24の昇降動に伴うリヤカバーセンサ124の検出感度変化による悪影響を、このときの目標耕耘深さRD0に見合った制御ゲインGaで補償するから、ロータリ耕耘機24における耕耘深さRDの深浅に左右されることなく、高精度な耕耘深さ自動制御を実行できるのである。
【0070】
次に、主として図11及び図12を参照しながら、リヤカバーセンサの検出感度変化の影響を抑制するために不感帯を採用した第2実施形態について説明する。図11は第2実施形態における耕耘深さ自動制御のフローチャート、図12は耕耘深さ自動制御における不感帯変更制御の説明図である。ここで、第2実施形態以降の実施形態において構成及び作用が第1実施形態と変わらないものには、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0071】
第2実施形態は、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出するときの制御ゲインが一定である点、及び耕耘制御コントローラ110のROM110aに、例えば標準的な幅の不感帯δF1、狭幅の不感帯δF2、及び広幅の不感帯δF3という3種類の不感帯δFに関するデータが予め記憶されている点において、第1実施形態と相違している。ここで、不感帯δFとは、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0を中心とする所定の上下幅範囲内にあれば、昇降制御油圧シリンダ28を非駆動とし、耕耘深さRDが前記上下幅範囲から外れていれば、昇降制御油圧シリンダ28を昇降動させて耕耘深さRDを目標耕耘深さRD0に近付ける動作隙間のことをいう。
【0072】
標準幅の不感帯δF1は中程度の値の目標耕耘深さRD0bに対応している。狭幅の不感帯δF2は大きい値の目標耕耘深さRD0cに対応している。広幅の不感帯δF3は小さい値の目標耕耘深さRD0aに対応している。
【0073】
第2実施形態のROM110aは請求項2における記憶手段に相当する。なお、不感帯δFと耕深設定器126の設定値(目標耕耘深さRD0)との関係を示す関係式又は制御マップを、ROM110aに記憶させるようにしてもよい。大きい値の目標耕耘深さRD0cに対応する狭幅の不感帯δF2はなくてもよい。
【0074】
以上の構成において、第2実施形態におけるロータリ耕耘機24の耕耘深さ自動制御は例えば次のように実行される(図11参照)。
【0075】
まず、ロータリ耕耘機24を、ロワーリンク21及びトップリンク22を介してトラクタ1の後側に昇降調節可能に連結してから、トラクタ1のエンジン5を始動し、自動制御スイッチ(図示せず)のON操作により、耕耘深さ自動制御を実行する(スタート)。
【0076】
スタートに続き、オペレータが耕深設定器126を操作して、ロータリ耕耘機24の目標耕耘深さRD0を設定し、該目標耕耘深さRD0を耕耘制御コントローラ110のRAM110bに記憶させる(ステップT1)。
【0077】
次いで、耕深設定器126の設定値(目標耕耘深さRD0)と、リフト角センサ129の検出値と、リヤカバーセンサ124の検出値θとを耕耘制御コントローラ110に読み込む(ステップT2)。
【0078】
次いで、ステップS2で読み込んだ目標耕耘深さRD0に対応する不感帯δFを、耕耘制御コントローラ110におけるROM110aのデータ中から選び出す(ステップT3)。このとき、目標耕耘深さRD0aが小さい(浅い)ならば、広幅の不感帯δF3が選び出される。目標耕耘深さRD0bが中程度であれば、標準幅の不感帯δF1が選び出される。目標耕耘深さRD0cが大きい(深い)ならば、狭幅の不感帯δF2が選び出される(図12参照)。
【0079】
ステップT3で最適な不感帯δFを選出した後は、リヤカバーセンサ124の検出値θから、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さRD(図1参照)を演算する(ステップT4)。
【0080】
次いで、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0を中心とする不感帯±δFの範囲内(RD0−δF≦RD≦RD0+δF)にあるか否かを判別する(ステップT5)。現在の耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0を中心とする不感帯±δFの範囲から外れていると判断されたときは(T5:NO)、上昇制御電磁弁102又は下降制御電磁弁103のいずれか一方の駆動にて、昇降制御油圧シリンダ28を伸縮駆動させることにより、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さRDを、目標耕耘深さRD0に近付けるように調節・修正する(ステップT6)。その後は、耕耘深さ自動制御の1サイクルが完了しリターンする。
【0081】
ステップT5に戻り、現在の耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0を中心とする不感帯±δFの範囲内にあると判断されたときは(T5:YES)、上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103を中立位置に復帰・維持して、昇降制御油圧シリンダ28を停止させる(ステップT7)。その後は、耕耘深さ自動制御の1サイクルが完了しリターンするのである。
【0082】
以上の制御によると、例えば耕深設定器126にて目標耕耘深さRD0を小さく(浅く)設定したときは、リヤカバーセンサ124の検出感度が地面Gの凹凸変化に対して敏感になるものの、小さい値の目標耕耘深さRD0aを中心とする広幅の不感帯δF3が採用されるので(図12参照)、広幅の不感帯±δF3の範囲内(RD0a−δF3≦RD≦RD0a+δF3)では、地面Gにある雑草や凹凸の影響でリヤカバーセンサ124の検出値θが小刻みに変化するのを無視することができる。
【0083】
これにより、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出するときの制御ゲインが一定であっても、地面Gにある雑草や凹凸の影響によるロータリ耕耘機24のハンチング現象がなくなるか又は著しく抑制され、その結果、第1実施形態と同様に、目標耕耘深さRD0aが浅い場合の耕耘深さ自動制御を適切に実行できる。
【0084】
また、耕深設定器126にて目標耕耘深さRD0を大きく(深く)設定したときは、リヤカバーセンサ124の検出感度が地面の凹凸変化に対して鈍感になるが、大きい値の目標耕耘深さRD0cを中心とする狭幅の不感帯δF2が採用されるので、リヤカバーセンサ124の検出値θに対する不感帯δF2の影響が極力小さくなる。これにより、リヤカバーセンサ124の検出精度が維持され、ひいては、目標耕耘深さRD0cが深い場合の耕耘深さ自動制御の精度が維持されるのである。
【0085】
要するに、第2実施形態では、耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さRD0に対応する制御情報に応じて、不感帯δFを変更することにより、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出するときの制御ゲインが一定であっても、ロータリ耕耘機24の昇降動に伴うリヤカバーセンサ124の検出感度変化による悪影響を、このときの目標耕耘深さRD0に見合った不感帯δFで補償するから、第1実施形態と同様に、ロータリ耕耘機24における耕耘深さRDの深浅に左右されることなく、高精度な耕耘深さ自動制御を実行できるのである。
【0086】
次に、主として図13〜図15を参照しながら、リヤカバーセンサの検出感度変化の影響を抑制するためにフィルタ部を利用した第3実施形態について説明する。図13は第3実施形態における耕耘深さ自動制御のフローチャート、図14は遮断周波数と耕深設定器の設定値との関係を示す制御マップの図、図15は低域フィルタの伝送周波数特性を示す概略図である。
【0087】
前述の通り、リヤカバーセンサ124は、耕耘制御コントローラ110にフィルタ部125を介して接続されている(図8参照)。このフィルタ部125は、リヤカバーセンサ124の検出情報(信号)の中から、不要な周波数成分を甚だしく減衰させ、必要な周波数成分のみを通過させる性質のものである。
【0088】
フィルタ部125としては、低域フィルタ(ローパスフィルタ、LPF)、高域フィルタ(ハイパスフィルタ、HPF)、帯域フィルタ(バンドパスフィルタ、BPF)、又は帯域消去フィルタ(バンドエリミネ−ションフィルタ、BEF)を採用できる。第3実施形態では、フィルタ部125として低域フィルタが採用されている。周知の通り、低域フィルタは、その遮断周波数fcより高い周波数域の信号をほぼ0(零)とし、遮断周波数fc以下の周波数域の信号をそのまま通過させるように構成されている。遮断周波数fcは周波数の通過域と減衰域との境界値のことである。
【0089】
フィルタ部125で採用される遮断周波数fcは、耕深設定器126の設定値(目標耕耘深さRD0)に対応する制御情報に応じて可変となっている。すなわち、耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さRD0の制御情報から、耕耘制御コントローラ110にて遮断周波数fcを演算し、この演算結果の制御情報をフィルム部125に伝送することにより、遮断周波数をfcとするフィルタ部125(低域フィルタ)が形成される。
【0090】
この可変の構成としては、例えばLCフィルタ(コイルとコンデンサとからなるフィルタ)の場合は、可変コンデンサを使用することで実現できる。また、RCフィルタ(抵抗とコンデンサとからなるフィルタ)の場合は、可変抵抗と可変コンデンサとの組合せで実現できる。
【0091】
耕耘制御コントローラ110のROM110aには、遮断周波数fcと耕深設定器126の設定値(目標耕耘深さRD0)との関係を示す関係式又は制御マップが予め記憶されている。この場合の関係式としてはfc=C×RD0+Dが挙げられる。ここで、Cは比例定数、Dは定数である。かかる関係式は実験等により求められる。また、この関係式を制御マップとした場合を、図14に示している。図14では、耕深設定器の設定値(目標
耕耘深さRD0)を横軸に採り、遮断周波数fcを縦軸に採っている。
【0092】
なお、耕深設定器126の設定値(目標耕耘深さRD0)とこれに対応する遮断周波数fcとの対のデータを、テーブルマップとして耕耘制御コントローラ110のROM110aに記憶させるようにしてもよい。また、第3実施形態でもロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出するときの制御ゲインは一定(定数)である。
【0093】
以上の構成において、第3実施形態におけるロータリ耕耘機24の耕耘深さ自動制御は例えば次のように実行される(図13参照)。
【0094】
まず、ロータリ耕耘機24を、ロワーリンク21及びトップリンク22を介してトラクタ1の後側に昇降調節可能に連結してから、トラクタ1のエンジン5を始動し、自動制御スイッチ(図示せず)のON操作により、耕耘深さ自動制御を実行する(スタート)。
【0095】
スタートに続き、オペレータが耕深設定器126を操作して、ロータリ耕耘機24の目標耕耘深さRD0を設定し、該目標耕耘深さRD0を耕耘制御コントローラ110のRAM110bに記憶させる(ステップE1)。
【0096】
次いで、耕深設定器126の設定値(目標耕耘深さRD0)を耕耘制御コントローラ110に読み込んだのち(ステップE2)、該設定値(目標耕耘深さRD0)と、耕耘制御コントローラ110のROM110aに予め記憶された関係式又は制御マップとから、フィルタ部125の遮断周波数fcを算出する(ステップE3)。この場合の遮断周波数fcは、目標耕耘深さRD0が小→大(浅→深)になるに連れて大きな値になる(図14及び図15参照)。
【0097】
ステップE3で遮断周波数fcを算出した後は、この算出された遮断周波数fcの制御情報をフィルタ部125に伝送することにより、遮断周波数をfcとするフィルタ部125(低域フィルタ)を形成する(ステップE4)。
【0098】
次いで、リフト角センサ129の検出値と、リヤカバーセンサ124からフィルタ部125を経由した出力値θfとを耕耘制御コントローラ110に読み込んだのち(ステップE5)、フィルタ部125経由の出力値θfに基づいて、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さRD(図1参照)を演算する(ステップE6)。
【0099】
次いで、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さRDが耕深設定器126の設定値である目標耕耘深さRD0と一致するか否かを判別する(ステップE7)。現在の耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0と一致していないと判断されたときは(E7:NO)、上昇制御電磁弁102又は下降制御電磁弁103のいずれか一方の駆動にて、昇降制御油圧シリンダ28を伸縮駆動させることにより、ロータリ耕耘機24における現在の耕耘深さRDを、目標耕耘深さRD0と一致するように調節・修正する(ステップE9)。その後は、耕耘深さ自動制御の1サイクルが完了しリターンする。
【0100】
ステップE7に戻り、現在の耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0と一致していると判断されたときは(E7:YES)、上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103を中立位置に復帰・維持して、昇降制御油圧シリンダ28を停止させる(ステップE8)。その後は、耕耘深さ自動制御の1サイクルが完了しリターンするのである。
【0101】
以上の制御によると、例えば耕深設定器126にて目標耕耘深さRD0を小さく(浅く)設定したときは、リヤカバーセンサ124の検出感度が地面Gの凹凸変化に対して敏感になるものの、フィルタ部125の遮断周波数fcが前記目標耕耘深さRD0に対応する
小さな値fc1となるので、フィルタ部125の通過域が狭まって、遮断周波数fcより高い周波数成分がカットされることになる(図15の二点鎖線参照)。
【0102】
そうすると、耕耘制御コントローラ110は、遮断周波数fc以下の周波数域の信号(出力値θf)に基づいてロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出し、この算出された耕耘深さRDが目標耕耘深さRD0となるように、昇降制御油圧シリンダ28を伸縮駆動させたり停止させたりするので、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出するときの制御ゲインが一定であっても、地面Gにある雑草や凹凸の影響によるロータリ耕耘機24のハンチング現象がなくなるか又は著しく抑制される。従って、第1及び第2実施形態と同様に、目標耕耘深さRD0が浅い場合の耕耘深さ自動制御を適切に実行できる。
【0103】
また、耕深設定器126にて目標耕耘深さRD0を大きく(深く)設定したときは、リヤカバーセンサ124の検出感度が地面の凹凸変化に対して鈍感になるが、フィルタ部125の遮断周波数fcが前記目標耕耘深さRD0に対応する大きな値fc2となるので、フィルタ部125の通過域が広がって、比較的高い周波数成分をも耕耘制御コントローラ110に入力することができる(図15の実線参照)。
【0104】
そうすると、リヤカバーセンサ124の検出値θに対するフィルタ部125の影響が極力小さくなるから、リヤカバーセンサ124の検出精度が維持され、ひいては、目標耕耘深さRD0が深い場合の耕耘深さ自動制御の精度が維持されるのである。
【0105】
要するに、第3実施形態では、耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さRD0に対応する制御情報に応じて、フィルタ部125の遮断周波数fcを変更することにより、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出するときの制御ゲインが一定であっても、ロータリ耕耘機24の昇降動に伴うリヤカバーセンサ124の検出感度変化による悪影響を、このときの目標耕耘深さRD0に見合った遮断周波数fcで補償するから、第1及び第2実施形態と同様に、ロータリ耕耘機24における耕耘深さRDの深浅に左右されることなく、高精度な耕耘深さ自動制御を実行できるのである。
【0106】
図16には第3実施形態の変形例を示している。この変形例はフィルタ部125に帯域フィルタを採用した場合である。
【0107】
周知の通り、帯域フィルタは、中心周波数fc′とその近傍の周波数域の信号をそのまま通過させ、それ以外の周波数域の信号をほぼ0(零)とするように構成されている。中心周波数fc′は、周波数の通過域の中心値のことである。なお、図16に示す中心周波数fcには、小さい値のものに「1」を、大きい値のものに「2」を添えている。
【0108】
かかる構成を採用した場合も、耕深設定器126にて設定された目標耕耘深さRD0に対応する制御情報に応じて、フィルタ部125の遮断周波数fc′を変更することにより、ロータリ耕耘機24の耕耘深さRDを算出するときの制御ゲインが一定であっても、ロータリ耕耘機24の昇降動に伴うリヤカバーセンサ124の検出感度変化による悪影響を、このときの目標耕耘深さRD0に見合った遮断周波数fc′で補償できる。
【0109】
本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化することができる。例えば前述の各実施形態を組み合わせた耕耘深さ自動制御も実現可能である。すなわち、制御ゲインGa、不感帯δF、及びフィルタ部125の遮断(又は中心)周波数という3つの条件のうち少なくとも2つを、目標耕耘深さRD0に対応する制御情報に応じて変更するようにして耕耘深さ自動制御を実行してもよい。このように構成すると、前記各実施形態の場合よりも、耕耘深さ自動制御の精度を更に向上させることが可能になる。また、本発明に係る記憶手段としては、ROM110a以外に、例えば記憶内容を書き換え得るEEPR
OM等の不揮発性メモリであってもよい。
【0110】
その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】第1実施形態におけるトラクタの側面図である。
【図2】トラクタの平面図である。
【図3】作業機用昇降機構の概略側面図である。
【図4】作業機用昇降機構の概略平面図である。
【図5】図2のV−V視側断面図である。
【図6】ロータリ耕耘機の概略背面図である。
【図7】トラクタの油圧回路図である。
【図8】制御手段の機能ブロック図である。
【図9】耕耘深さ自動制御のフローチャートである。
【図10】制御ゲインと耕深設定器の設定値との関係を示す制御マップの図である。
【図11】第2実施形態における耕耘深さ自動制御のフローチャートである。
【図12】耕耘深さ自動制御における不感帯変更制御の説明図である。
【図13】第3実施形態における耕耘深さ自動制御のフローチャートである。
【図14】遮断周波数と耕深設定器の設定値との関係を示す制御マップの図である。
【図15】低域フィルタの伝送周波数特性を示す概略図である。
【図16】帯域フィルタの伝送周波数特性を示す概略図である。
【図17】従来のトラクタでの耕耘態様の概略図であり、(a)は耕耘深さが浅い場合、(b)は耕耘深さが深い場合の図である。
【符号の説明】
【0112】
1 トラクタ
2 走行機体
3 前車輪
4 後車輪
5 エンジン
21 ロワーリンク
22 トップリンク
24 ロータリ耕耘機
28 昇降制御アクチュエータとしての昇降制御油圧シリンダ
43 リヤカバー体としての耕耘リヤカバー
110 制御手段としての耕耘制御コントローラ
110a 記憶手段としてのROM
124 耕深検出手段としてのリヤカバーセンサ
126 耕深設定器




 

 


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