Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
農作業機の耕耘制御装置 - ヤンマー株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 農業 -> ヤンマー株式会社

発明の名称 農作業機の耕耘制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−87(P2007−87A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−184536(P2005−184536)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫
発明者 三輪 敏之 / 山口 雄司 / 丹生 秀和
要約 課題
耕耘機の耕耘作業を簡単にできるものでありながら、圃場の枕地など地面に大きな凹部または凸部が形成された場所であっても、リヤカバーの均平作用を維持して、既耕耘地面の表面が均平になるように、前記耕耘機の耕耘深さ自動制御を実行できる農作業機の耕耘制御装置を提供するものである。

解決手段
前記耕耘機を昇降動する昇降制御アクチュエータと、前記耕耘機のリヤカバーの回動角度を検出するリヤカバーセンサと、前記耕耘機の耕耘爪の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器と、前記昇降制御アクチュエータを作動させる耕耘制御手段とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動したときに、一定時間の間だけ、前記耕耘爪の耕耘深さを演算するための制御ゲインを低減して、前記昇降制御アクチュエータの下降側の作動を緩やかにするように制御するものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
前車輪及び後車輪にて走行自在に支持された作業車両に、耕耘機をリンク機構を介して昇降可能に装着し、
前記耕耘機を昇降動する昇降制御アクチュエータと、前記耕耘機のリヤカバーの回動角度を検出するリヤカバーセンサと、前記耕耘機の耕耘爪の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器と、前記昇降制御アクチュエータを作動させる耕耘制御手段とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、
前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動したときに、一定時間の間だけ、前記耕耘爪の耕耘深さを演算するための制御ゲインを低減して、前記昇降制御アクチュエータの下降側の作動を緩やかにするように制御することを特徴とする農作業機の耕耘制御装置。
【請求項2】
前車輪及び後車輪にて走行自在に支持された作業車両に、耕耘機をリンク機構を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機を昇降動する昇降制御アクチュエータと、前記耕耘機のリヤカバーの回動角度を検出するリヤカバーセンサと、前記耕耘機の耕耘爪の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器と、前記昇降制御アクチュエータを作動させる耕耘制御手段とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、
前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動したときに、一定時間の間だけ、前記昇降制御アクチュエータを停止維持するための耕耘深さ自動制御の不感帯幅を上昇側に拡大して、前記昇降制御アクチュエータの上昇側の作動を遅らせるように制御することを特徴とする農作業機の耕耘制御装置。
【請求項3】
前車輪及び後車輪にて走行自在に支持された作業車両に、耕耘機をリンク機構を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機を昇降動する昇降制御アクチュエータと、前記耕耘機のリヤカバーの回動角度を検出するリヤカバーセンサと、前記耕耘機の耕耘爪の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器と、前記昇降制御アクチュエータを作動させる耕耘制御手段とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、
前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動したときに、一定時間の間だけ、前記耕耘深さ設定器にて設定した耕耘深さ自動制御の耕耘深さ設定値を浅い側に変更して、前記昇降制御アクチュエータの下降側の作動を遅らせるように制御することを特徴とする農作業機の耕耘制御装置。
【請求項4】
一定時間の間だけ耕耘深さ自動制御の制御ゲインを低減する制御態様と、一定時間の間だけ耕耘深さ自動制御の不感帯幅を上昇側に拡大する制御態様と、一定時間の間だけ耕耘深さ自動制御の耕耘深さ設定値を浅い側に変更する制御態様の少なくとも1つまたは全てを、オペレータが任意に選択可能な選択手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3に記載の農作業機の耕耘制御装置。
【請求項5】
前記作業車両の移動速度を検出する車速センサを備え、
前記耕耘制御手段は、前記車速センサが検出した前記作業車両の移動速度に応答して、制御ゲインを低減して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または不感帯幅を上昇側に拡大して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または耕耘深さ設定値を浅い側に変更して実行する耕耘深さ自動制御の時間の少なくとも1つまたは全てを補正するように制御することを特徴とする請求項4に記載の農作業機の耕耘制御装置。
【請求項6】
前記耕耘制御手段は、制御ゲインを低減して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または不感帯幅を上昇側に拡大して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または耕耘深さ設定値を浅い側に変更して実行する耕耘深さ自動制御の時間の少なくとも1つまたは全てが経過するまで、作業車両の移動速度を減速するように制御することを特徴とする請求項4に記載の農作業機の耕耘制御装置。
【請求項7】
前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動するまでの間で、前記リヤカバーが設定角度以上回動したときに、前記作業車両のエンジンの出力トルクを維持しながら、前記エンジンの回転数を低下させるように制御することを特徴とする請求項6に記載の農作業機の耕耘制御装置。
【請求項8】
前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動するまでの間で、前記リヤカバーが設定角度以上回動したときに、前記作業車両の走行変速手段を走行変速比が大きくなるように制御することを特徴とする請求項6に記載の農作業機の耕耘制御装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の作業車両に牽引されたロータリ耕耘機の耕耘深さを制御するための装置に係り、より詳しくは、例えば圃場の枕地など、凹凸が多い場所で、前記ロータリ耕耘機の耕耘深さを自動制御する農作業機の耕耘制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のロータリ耕耘機は、耕耘深さを調節するため、前記作業車両にリンク機構を介して昇降動可能に連結されている。また、前記ロータリ耕耘機における耕耘爪の回転軌跡の上側を耕耘カバーにて覆う。前記耕耘カバーの後端部にはリヤカバーを連結している。そして、特許文献1に示されているように、前記ロータリ耕耘機の対車体高さを検出するリフトアームセンサと、前記ロータリ耕耘機の対地高さを検出する耕深センサとを備える。前記リヤカバーを、上下回動可能で所定圧力にて接地して、前記耕耘爪の耕耘深さの検出手段として利用し、前記ロータリ耕耘機の耕耘深さを検出して、この検出値が目標耕耘深さと一致するように、前記耕耘爪の耕耘深さを制御していた。
【0003】
また、特許文献2に示されているように、耕耘作業を開始する場合、耕耘爪が地面に突入した直後、前記耕耘機を低速で下降させる(または車速を、一定距離以上移動するまで制御する)ことにより、耕耘した土が耕耘作業の開始位置に大きく盛り上がるのを防ぐように制御することも公知である。
【0004】
また、特許文献3に示されているように、前記耕耘機を昇降制御するためのコントロールバルブのスプールに絞りを設け、耕耘深さ制御において、前記耕耘機の上昇を開始したときに、昇降制御アクチュエータに供給する作動油量を小流量にして、ゆっくり上昇させ、既耕耘地面に凹凸が形成される波打ち現象の発生を防ぐように制御することも公知である。
【0005】
また、特許文献4に示されているように、耕深検出値を演算するための制御ゲイン(比例定数)を、前記作業車両の機関負荷検出値または車速検出値に応答して変化させ、プラウ等の対地作業機を自動的に昇降させるように制御することも公知である。
【特許文献1】特開2000−41415号公報
【特許文献2】特開2001−8号公報
【特許文献3】特開2003−235307号公報
【特許文献4】特開2000−92913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、例えば前記作業車両を略直進させる連続的な耕耘作業が同一圃場内で全て終了した後、その圃場の枕地を耕耘する(前記作業車両を連続的な耕耘作業の移動方向に対して直行させる方向に移動する)場合、地面に形成された大きな凹凸(車輪の旋回によって形成された轍または土押し跡、または耕耘跡穴など)が、前記作業車両の方向転換場所(枕地)に多く形成されている。そのため、枕地での耕耘作業中に、大きな盛り土が部分的に形成されていた場合、前記リヤカバーがその盛り土によって持上げられ、前記耕耘機が急激に上昇して前記耕耘爪が地上に大きく持上げられ、未耕地が発生したり、前記耕耘爪の耕耘深さが浅くなっていた。一方、枕地での耕耘作業中に、大きな窪みが部分的に形成されていた場合、前記リヤカバーがその窪みに入り込んで、前記リヤカバーが最閉位置(前記耕耘爪に最接近する位置)側に大きく移動し、前記耕耘機が急激に下降して前記耕耘爪が地面に深く突入させられ、前記耕耘爪の耕耘深さが深くなったり、その耕耘場所の土盛り量が多くなっていた。即ち、圃場の枕地など大きな凹部または凸部が地面に多く形成された場所では、未耕地部分(耕耘深さが浅い部分)と、盛り土が過多の部分(耕耘深さが深い部分)とが発生し、前記リヤカバーの均平性能が低下し、既耕耘地面の表面に凹凸が残る等の問題があった。
【0007】
本発明の目的は、前記耕耘機の耕耘作業を簡単にできるものでありながら、圃場の枕地など地面に大きな凹部または凸部が形成された場所であっても、前記リヤカバーの均平作用を維持して、既耕耘地面の表面が均平になるように、前記耕耘機の耕耘深さ自動制御を実行できる農作業機の耕耘制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明の農作業機の耕耘制御装置は、前車輪及び後車輪にて走行自在に支持された作業車両に、耕耘機をリンク機構を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機を昇降動する昇降制御アクチュエータと、前記耕耘機のリヤカバーの回動角度を検出するリヤカバーセンサと、前記耕耘機の耕耘爪の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器と、前記昇降制御アクチュエータを作動させる耕耘制御手段とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動したときに、一定時間の間だけ、前記耕耘爪の耕耘深さを演算するための制御ゲインを低減して、前記昇降制御アクチュエータの下降側の作動を緩やかにするように制御するものである。
【0009】
請求項2に係る発明の農作業機の耕耘制御装置は、前車輪及び後車輪にて走行自在に支持された作業車両に、耕耘機をリンク機構を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機を昇降動する昇降制御アクチュエータと、前記耕耘機のリヤカバーの回動角度を検出するリヤカバーセンサと、前記耕耘機の耕耘爪の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器と、前記昇降制御アクチュエータを作動させる耕耘制御手段とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動したときに、一定時間の間だけ、前記昇降制御アクチュエータを停止維持するための耕耘深さ自動制御の不感帯幅を上昇側に拡大して、前記昇降制御アクチュエータの上昇側の作動を遅らせるように制御するものである。
【0010】
請求項3に係る発明の農作業機の耕耘制御装置は、前車輪及び後車輪にて走行自在に支持された作業車両に、耕耘機をリンク機構を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機を昇降動する昇降制御アクチュエータと、前記耕耘機のリヤカバーの回動角度を検出するリヤカバーセンサと、前記耕耘機の耕耘爪の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器と、前記昇降制御アクチュエータを作動させる耕耘制御手段とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動したときに、一定時間の間だけ、前記耕耘深さ設定器にて設定した耕耘深さ自動制御の耕耘深さ設定値を浅い側に変更して、前記昇降制御アクチュエータの下降側の作動を遅らせるように制御するものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3に記載の農作業機の耕耘制御装置において、一定時間の間だけ耕耘深さ自動制御の制御ゲインを低減する制御態様と、一定時間の間だけ耕耘深さ自動制御の不感帯幅を上昇側に拡大する制御態様と、一定時間の間だけ耕耘深さ自動制御の耕耘深さ設定値を浅い側に変更する制御態様の少なくとも1つまたは全てを、オペレータが任意に選択可能な選択手段を備えたものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の農作業機の耕耘制御装置において、前記作業車両の移動速度を検出する車速センサを備え、前記耕耘制御手段は、前記車速センサが検出した前記作業車両の移動速度に応答して、制御ゲインを低減して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または不感帯幅を上昇側に拡大して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または耕耘深さ設定値を浅い側に変更して実行する耕耘深さ自動制御の時間の少なくとも1つまたは全てを補正するように制御するものである。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段は、制御ゲインを低減して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または不感帯幅を上昇側に拡大して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または耕耘深さ設定値を浅い側に変更して実行する耕耘深さ自動制御の時間の少なくとも1つまたは全てが経過するまで、作業車両の移動速度を減速するように制御するものである。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動するまでの間で、前記リヤカバーが設定角度以上回動したときに、前記作業車両のエンジンの出力トルクを維持しながら、前記エンジンの回転数を低下させるように制御するものである。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動するまでの間で、前記リヤカバーが設定角度以上回動したときに、前記作業車両の走行変速手段を走行変速比が大きくなるように制御するものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、前車輪及び後車輪にて走行自在に支持された作業車両に、耕耘機をリンク機構を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機を昇降動する昇降制御アクチュエータと、前記耕耘機のリヤカバーの回動角度を検出するリヤカバーセンサと、前記耕耘機の耕耘爪の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器と、前記昇降制御アクチュエータを作動させる耕耘制御手段とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動したときに、一定時間の間だけ、前記耕耘爪の耕耘深さを演算するための制御ゲイン(リヤカバーセンサの検出値から耕耘爪の耕耘深さを演算するための比例定数)を低減して、前記昇降制御アクチュエータの下降側の作動を緩やかにするように制御するものであるから、枕地などでの耕耘作業中、前記リヤカバーが凹部に入り込んで前記リヤカバーが地面から離れた場合、または前記リヤカバーが凸部に乗り上げて前記耕耘機が地面から離れて非耕耘位置側に移動した場合、前記リヤカバーが最閉位置(前記耕耘爪に最接近する位置)側から耕耘深さ設定位置の方向に移動する途中、一定時間だけ、耕耘深さ自動制御の感度(応答速度)が鈍感になり、前記耕耘機が緩やかに下降して、前記耕耘爪の耕耘深さが設定以上に深くなるのを防止でき、前記耕耘爪の土盛りを抑制できる。前記リヤカバーの均平作用(耕土搬送作用)の低下を防止でき、前記耕耘爪から放てきされた耕土が盛り土として残るのを低減できる。そのため、大きい凹部または凸部が多い耕耘場所(枕地)において、耕耘作業中、前記リヤカバーが最閉位置側に大きく移動した後、耕耘深さ設定位置に再び戻った場合、既耕耘地面を従来よりも少ない凹凸に形成して均平に仕上げることができる。且つ耕耘深さ自動制御のハンチングを防止できる。
【0017】
したがって、前記耕耘機が枕地を移動する枕地耕耘作業において、耕耘地面を均平に仕上げる前記リヤカバーの均平性能を向上できる。また、前記耕耘爪の耕耘深さを所定深さに保つための耕耘深さ自動制御を、前記枕地耕耘作業においても簡単に実行できるものである。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、前車輪及び後車輪にて走行自在に支持された作業車両に、耕耘機をリンク機構を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機を昇降動する昇降制御アクチュエータと、前記耕耘機のリヤカバーの回動角度を検出するリヤカバーセンサと、前記耕耘機の耕耘爪の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器と、前記昇降制御アクチュエータを作動させる耕耘制御手段とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動したときに、一定時間の間だけ前記昇降制御アクチュエータを停止維持するための耕耘深さ自動制御の不感帯幅を上昇側に拡大して、前記昇降制御アクチュエータの上昇側の作動を遅らせるように制御するものであるから、大きい凹部または凸部が多い耕耘場所(枕地)において、耕耘作業中、前記リヤカバーが最閉位置側に大きく移動した後、耕耘深さ設定位置に再び戻った場合、既耕耘地面を従来よりも少ない凹凸に形成して均平に仕上げることができる。且つ耕耘深さ自動制御のハンチングを防止できる。したがって、前記耕耘機が枕地を移動する枕地耕耘作業において、耕耘地面を均平に仕上げる前記リヤカバーの均平性能を向上できる。また、前記耕耘爪の耕耘深さを所定深さに保つための耕耘深さ自動制御を、前記枕地耕耘作業においても簡単に実行できるものである。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、前車輪及び後車輪にて走行自在に支持された作業車両に、耕耘機をリンク機構を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機を昇降動する昇降制御アクチュエータと、前記耕耘機のリヤカバーの回動角度を検出するリヤカバーセンサと、前記耕耘機の耕耘爪の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器と、前記昇降制御アクチュエータを作動させる耕耘制御手段とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動したときに、一定時間の間だけ、前記耕耘深さ設定器にて設定した耕耘深さ自動制御の耕耘深さ設定値を浅い側に変更して、前記昇降制御アクチュエータの下降側の作動を遅らせるように制御するものであるから、大きい凹部または凸部が多い耕耘場所(枕地)において、耕耘作業中、前記リヤカバーが最閉位置側に大きく移動した後、耕耘深さ設定位置に再び戻った場合、既耕耘地面を従来よりも少ない凹凸に形成して均平に仕上げることができる。且つ耕耘深さ自動制御のハンチングを防止できる。したがって、前記耕耘機が枕地を移動する枕地耕耘作業において、耕耘地面を均平に仕上げる前記リヤカバーの均平性能を向上できる。また、前記耕耘爪の耕耘深さを所定深さに保つための耕耘深さ自動制御を、前記枕地耕耘作業においても簡単に実行できるものである。
【0020】
請求項4に係る発明によれば、一定時間の間だけ耕耘深さ自動制御の制御ゲインを低減する制御態様と、一定時間の間だけ耕耘深さ自動制御の不感帯幅を上昇側に拡大する制御態様と、一定時間の間だけ耕耘深さ自動制御の耕耘深さ設定値を浅い側に変更する制御態様の少なくとも1つまたは全てを、オペレータが任意に選択可能な選択手段を備えたものであるから、オペレータが前記選択手段を操作して、耕耘深さ自動制御を耕耘場所の作業条件に簡単に適応させることができるものである。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、前記作業車両の移動速度を検出する車速センサを備え、前記耕耘制御手段は、前記車速センサが検出した前記作業車両の移動速度に応答して、制御ゲインを低減して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または不感帯幅を上昇側に拡大して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または耕耘深さ設定値を浅い側に変更して実行する耕耘深さ自動制御の時間の少なくとも1つまたは全てを補正するように制御するものであるから、耕耘深さ自動制御を車速(前記作業車両の移動速度)の変化に対して簡単に適応させることができるものである。
【0022】
請求項6に係る発明によれば、前記耕耘制御手段は、制御ゲインを低減して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または不感帯幅を上昇側に拡大して実行する耕耘深さ自動制御の時間、または耕耘深さ設定値を浅い側に変更して実行する耕耘深さ自動制御の時間の少なくとも1つまたは全てが経過するまで、作業車両の移動速度を減速するように制御するものであるから、前記耕耘爪の耕耘深さを設定深さに戻すための自動制御に必要な前記作業車両の移動距離を短縮でき、耕耘深さ自動制御の性能を簡単に維持できる。且つ耕耘深さ自動制御のハンチングを低減できるものである。
【0023】
請求項7に係る発明によれば、前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動するまでの間で、前記リヤカバーが設定角度以上回動したときに、前記作業車両のエンジンの出力トルクを維持しながら、前記エンジンの回転数を低下させるように制御するものであるから、前記耕耘爪の耕耘深さを設定耕耘深さに戻すための自動制御に必要な前記作業車両の移動距離を短縮でき、耕耘深さ自動制御の性能を簡単に維持できる。且つ前記エンジンの停止などのトラブルを防止できるものである。
【0024】
請求項8に係る発明によれば、前記耕耘制御手段は、前記リヤカバーが最閉位置側から設定耕耘深さ位置の方向に回動するまでの間で、前記リヤカバーが設定角度以上回動したときに、前記作業車両の走行変速手段を走行変速比が大きくなるように制御するものであるから、前記耕耘爪の耕耘深さを設定深さに戻すための自動制御に必要な前記作業車両の移動距離を短縮でき、耕耘深さ自動制御の性能を簡単に維持できる。且つ耕耘深さ自動制御のハンチングを低減できるものである。
【0025】
以下、本発明の実施の形態を、作業車両としての農作業用トラクタに適用した場合の図面について説明する。図1はトラクタの側面図、図2は同平面図、図3は油圧式の作業機用昇降機構の側面説明図、図4は同平面説明図、図5は図2のロータリ耕耘機のV−V線矢視側断面図、図6は同背面説明図、図7はトラクタの油圧回路図、図8は制御手段の機能ブロック図、図9は耕耘深さ自動制御のフローチャート、図10は制限モード制御のフローチャート、図11は減速モード制御のフローチャートである。
【0026】
図1乃至図4に示す如く、作業車両としてのトラクタ1は、走行機体2を左右一対の前車輪3と同じく左右一対の後車輪4とで支持し、前記走行機体2の前部に搭載したエンジン5にて後車輪4及び前車輪3を駆動することにより、前後進走行するように構成される。エンジン5はボンネット6にて覆われる。また、前記走行機体2の上面にはキャビン7が設置され、該キャビン7の内部には、操縦座席8と、かじ取りすることによって前車輪3を左右に動かすようにした操縦ハンドル(丸ハンドル)9とが設置される。キャビン7の外側部には、オペレータが乗降するステップ10が設けられ、該ステップ10より内側で且つキャビン7の底部より下側には、エンジン5に燃料を供給する燃料タンク11が設けられている。
【0027】
また、図1乃至図4に示されるように、前記走行機体2は、前バンパ12及び前車軸ケース13を有するエンジンフレーム14と、エンジンフレーム14の後部にボルトにて着脱自在に固定する左右の機体フレーム16とにより構成される。機体フレーム16の後部には、前記エンジン5の回転を適宜変速して後車輪4及び前車輪3に伝達するためのミッションケース17が連結されている。この場合、後車輪4は、前記ミッションケース17に対して、当該ミッションケース17の外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース18を介して取付けられている。
【0028】
図3及び図4に示されるように、前記ミッションケース17の後部における上面には、作業機としてのロータリ耕耘機24を昇降動するための油圧式の作業機用昇降機構20が着脱可能に取付けられている。ロータリ耕耘機24は、ミッションケース17の後部に、一対の左右ロワーリンク21及びトップリンク22からなる3点リンク機構を介して連結される。左右ロワーリンク21の前端側を、ミッションケース17の後部の左右側面にロワーリンクピン25を介して回動可能に連結する。トップリンク22の前端側は、作業機用昇降機構20の後部のトップリンクヒッチ26にトップリンクピン27を介して連結する。さらに、ミッションケース17の後側面に、前記ロータリ耕耘機24にPTO駆動力を伝達するためのPTO軸23が後向きに突出するように設けられている。
【0029】
図3及び図4及び図7に示されるように、油圧式の作業機用昇降機構20には、後述する単動形の昇降制御油圧シリンダ28にて回動させるための1対の左右リフトアーム29が設置されている。進行方向に向かって左側のロワーリンク21とリフトアーム29とが、左リフトロッド30を介して連結されている。進行方向に向かって右側のロワーリンク21とリフトアーム29とは、右リフトロッド31、及びそのロッド31の一部を形成する複動形の傾斜制御油圧シリンダ32、及びそのシリンダ32のピストンロッド33とを介して連結されている。
【0030】
図1に示すように、ロータリ耕耘機24における下リンクフレーム34の前端と左右一対のロワーリンク21とが、下ヒッチピン35aを介して連結され、トップリンク22の各後端側と上リンクフレーム34の前端側とが、上ヒッチピン34aを介して連結されている。
【0031】
図1、図2、図5及び図6に示すように、ロータリ耕耘機24は、横長筒状のメインビーム36と、メインビーム36の左右側端部にそれぞれ上端側が連結されたチェンケース37及び軸受板38と、チェンケース37及び軸受板38の下端側に左右両端部が回転自在に軸支された耕耘爪軸39と、耕耘爪軸39に放射状にて着脱可能に取付く複数の耕耘爪40と、耕耘爪40の回転軌跡の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー41と、耕耘爪40の回転軌跡の左右側方を覆うように配置された左右耕耘サイドカバー42と、耕耘爪40の回転軌跡の後方を覆うように配置された耕耘リヤカバー43と、メインビーム36に前端側が取付けられて後方に長く伸びる耕深調節フレーム44と、上リンクフレーム34の後端側と耕深調節フレーム44の前後方向の中間部とに連結された伸縮調節可能な耕深調節軸45等からなる。
【0032】
なお、下リンクフレーム35はメインビーム36に一体的に連結され(図2及び図6参照)。トップリンク22は、ターンバックル22aの回転にて伸縮させて、そのリンク22の長さを変更調節可能となるように構成されている(図3及び図4参照)。上リンクフレーム34の前後方向の中間部は、耕深調節支点軸34bを介してメインビーム36に連結されている(図1参照)。耕深調節フレーム44の前端側をメインビーム36に連結する。耕深調節ハンドル45aの回転操作にて耕深調節軸45を伸縮させたときには、ロワーリンク21及びトップリンク22にて支持されるロータリ耕耘機24が前傾姿勢または後傾姿勢に変化して、耕耘爪40による耕耘深さが変更可能に構成されている。
【0033】
図1、図5及び図6に示されるように、メインビーム36の左右中央部には、PTO軸23からの駆動力を入力するためのギヤケース46が配置されている。PTO軸23と、ギヤケース46の前面側のPTO入力軸46aとを、両端に自在継手が備えられた伸縮自在な伝動軸46bを介して連結する。PTO軸23からの動力が、ギヤケース46に内蔵したベベルギヤ(図示省略)、メインビーム36に内蔵した回転軸(図示省略)、チェンケース37に内蔵したスプロケット及びチェン(図示省略)等を介して耕耘爪軸39に伝えられ、耕耘爪40を図1及び図5において反時計方向に回転させることになる。
【0034】
図5及び図6に示されるように、耕耘上面カバー41の後端部には、枢着軸47を介して耕耘リヤカバー43の前端側が連結されている。走行機体1の幅方向に長い耕耘上面カバー41の上面の後部には、後傾姿勢の一対の左右ハンガーフレーム48が立設されている。耕耘リヤカバー43の上面の後端側と左右ハンガーフレーム48とは1対の左右ハンガー機構49を介して上下動可能に連結されている。各ハンガーフレーム48の上端部には、受圧軸体48aが水平軸線(中心線)回りに回動可能に配置されている。
【0035】
各ハンガー機構49における細長い丸棒形のハンガーロッド50は、受圧軸体48aに水平軸線(中心線)と直交する方向に摺動可能に貫通しており、図5に示されるように、ハンガーロッド50の下端部は、支軸53を介して、耕耘リヤカバー43の後部上面のブラケット54に回動自在に連結されている。ハンガーロッド50の上端側には、下降規制ピン51が設けられ、受圧軸体48aと下降規制ピン51の間のハンガーロッド50には、ドーナツ形の下降規制板52がハンガーロッド50の軸線方向に摺動可能に被嵌されている。また、ハンガーロッド50の下部側(支軸53より上側)には、上昇規制ピン55が配置され、受圧軸体48aと上昇規制ピン55との間のハンガーロッド50には、ドーナツ形の上下座板56,57を介して、耕耘リヤカバー43に鎮圧力を付与するための鎮圧用圧縮バネ58が被嵌されている。
【0036】
この構成により、ロータリ耕耘機24が地表面から離れた高さに持上げられたときには、耕耘リヤカバー43の後端側が枢着軸47回りに下方側に回動し、下降規制ピン51が下降規制板52に当接し、下降規制板52が受圧軸体49に当接し、耕耘リヤカバー43がこの後端側を最下降させた姿勢に維持されることになる。一方、ロータリ耕耘機24が耕地上面に降ろされて、耕耘爪40が着地しているときや、耕耘作業中では、耕耘リヤカバー43の後端側が、耕耘された耕土との接地圧にて枢着軸47回りに上方に回動することになる。また、耕耘リヤカバー43の後端側が枢着軸47回りに上方に回動したときには、上昇規制ピン55及び下座板57を介して鎮圧用圧縮バネ58が圧縮されて、耕耘リヤカバー43の後端側の上方への回動が鎮圧用圧縮バネ58の付勢力にて規制されることになる。そのため、耕耘爪40から耕耘リヤカバー43の後方に排出される耕土量が制限されたり、耕土表面が耕耘リヤカバー43の移動にて均平に均されることになる。
【0037】
図7は本実施形態のトラクタ1の油圧回路100を示し、エンジン5の回転力により作動する作業機用油圧ポンプ101を備える。作業機用油圧ポンプ101は、作業機用昇降機構20における昇降制御油圧シリンダ28に作動油を供給制御するための電磁比例弁構造の上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103と、傾斜制御油圧シリンダ32に作動油を供給制御するための傾斜制御電磁弁104と、閉動制限油圧シリンダ71に作動油を供給制御するためのカバー制御電磁弁108とに、分流弁105を介して接続している。昇降制御油圧シリンダ28の作動油の圧力を電気的信号に変換して検出するためのダイヤフラム式油圧センサ106と、昇降制御油圧シリンダ28の作動油の温度を電気的信号に変換して検出するための熱電対式油温センサ107とを備える。この油圧回路100には、図7に示すように、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等を備えている。
【0038】
次に、本実施形態のロータリ耕耘機24の耕耘制御(左右方向の傾斜角度制御、耕耘爪40の耕耘深さ制御)について説明する。図8は、ロータリ耕耘機24の耕耘制御手段の機能ブロック図であり、制御プログラムを記憶したROMと各種データを記憶したRAMとを備えたマイクロコンピュータ等の耕耘制御コントローラ110は、電源印加用キースイッチ111を介してバッテリ112に接続される。キースイッチ111は、エンジン5を始動するためのスタータ113に接続される。
【0039】
また、図8に示されるように、耕耘制御コントローラ110には、エンジン5の回転を制御する電子ガバナコントローラ114が接続されている。電子ガバナコントローラ114には、エンジン5の燃料を調節するガバナ115と、エンジン5の回転数を検出するエンジン回転センサ116とが接続される。ガバナ115に設けた燃料調節ラック(図示省略)が、手動操作するスロットルレバー117にて位置調節される。一方、スロットルレバー117の回動位置をスロットルポテンショメータ118にて検出し、その検出値に基づいて、エンジン5の回転数が設定されたとき、電子ガバナコントローラ114からの信号にてスロットルレバー117の設定回転数とエンジン5の回転数が一致するように、ガバナ115の燃料調節ラックが、スロットルソレノイド119を介して自動的に位置調節され、負荷変動などによってエンジン5の回転が変化するのを防ぐ、換言すると、負荷の変動に拘らずエンジン5の回転数が略一定回転を保持するように構成されている。
【0040】
さらに、耕耘制御コントローラ110には、図8に示すように、入力系の各種センサ及びスイッチ類、即ち、トラクタ1の左右方向の傾斜角を検出する振子式のローリングセンサ120と、トラクタ1が左右方向に傾動開始したときの角速度を検出するガスレート式のローリングジャイロセンサ121と、トラクタ1に対するロータリ耕耘機24の相対的な左右方向の傾斜角を検出するポテンショメータ型の作業機ポジションセンサ122と、トラクタ1に対するロータリ耕耘機24の左右方向の相対傾斜角をオペレータが設定する傾斜設定ダイヤル123と、耕耘爪40の耕耘深さ変動にて変化する耕耘リヤカバー43の回動角度を検出するポテンショメータ型のリヤカバーセンサ124と、リヤカバーセンサ124の出力から限定された帯域の信号出力を取出すローパスフィルタまたはノッチフィルタ等のフィルタ125と、耕耘爪40の耕耘深さをオペレータが設定する耕深設定ダイヤル126と、前後車輪3,4の回転速度(トラクタ1の走行移動速度)を検出するための車速センサ127と、リフトアーム29の回動角度を検出するポテンショメータ型のリフト角センサ129と、後述する複数の制御態様の少なくとも1つまたは全てをオペレータが任意に選択可能な選択手段としての制限モード選択スイッチ130と、トラクタ1の移動速度を減速する手段として後述する車速制御またはエンジン5回転数制御の少なくともいずれか一方をオペレータが選択可能な減速モード選択スイッチ131とが接続されている。
【0041】
制限モード選択スイッチ130は、後述する耕耘深さ自動制御の制御ゲインを一定時間だけ低減する制御態様と、耕耘深さ自動制御の不感帯幅を一定時間だけ上昇側に拡大する制御態様と、耕耘深さ自動制御の耕耘深さ設定値を一定時間だけ浅い側に変更する制御態様の少なくとも1つまたは全てを、オペレータが任意に選択可能に構成する。減速モード選択スイッチ131は、後述するエンジン5の出力トルクを維持しながらエンジン5の回転数を低下させる制御と、トラクタ1の走行変速手段としての変速制御電磁弁132を作動させて車速を低下させる制御の少なくともいずれか一方をオペレータが選択可能に構成する。変速制御電磁弁132は、ミッションケース17に配置する。ミッションケース17に内蔵した主変速機構(図示省略)を、変速制御電磁弁132にて切換え、エンジン5の動力を変速して後車輪4(及び前車輪3)に伝えるように構成している。
【0042】
耕耘制御コントローラ110には、図8に示すように、出力系の各種電磁弁、即ち、上昇制御電磁弁102と、下降制御電磁弁103と、傾斜制御電磁弁104と、変速制御電磁弁132とが接続されている。そして、上昇制御電磁弁102または下降制御電磁弁103のいずれかを切換えて、昇降制御油圧シリンダ28を作動させ、耕耘爪40の耕耘深さが耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値になるように、耕耘爪40の耕耘深さを自動的に制御するための耕耘深さ自動制御が実行されることになる。一方、ローリングジャイロセンサ121の検出結果と、ローリングセンサ120の検出結果に基づき、傾斜制御電磁弁104を切換えて、ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角を自動的に制御する傾斜角自動制御が実行されることになる。また、変速制御電磁弁132を作動させて主変速機構(図示省略)を切換え、エンジン5からの動力を変速して後車輪4(及び前車輪3)を駆動することになる。
【0043】
本実施形態では、図1及び図2及び図8に示されるように、運転部(キャビン)7内の操縦座席8の前方の床板59から突出する操縦コラム60上に丸ハンドル型の操縦ハンドル9が配置され、操縦コラム60より右方にスロットルレバー117と左右ブレーキペダル61とが配置されている。また、操縦コラム60より左方にクラッチペダル62が配置されている。操縦座席8の右側コラム上には、作業機昇降用ポジションレバー63と、PTO変速レバー64と、傾斜設定ダイヤル123と、耕深設定ダイヤル126と、制限モード選択スイッチ130と、減速モード選択スイッチ131とが配置されている。操縦座席8の左側コラム上には走行変速レバー65が配置されている。操縦座席8の左側コラムの前にはデフロックペダル66が配置されている。操縦座席8の後方側で、作業機用昇降機構20の上面側には、ローリングセンサ120と、ローリングジャイロセンサ121とが配置されている。また、図2及び図5に示されるように、耕耘上面カバー41の後部の上面には、リヤカバーセンサ124が配置されている。耕耘リヤカバー43と、リヤカバーセンサ124とを、センサアーム67及びセンサリンク68等を介して連結する。
【0044】
図5に示されるように、耕耘開始時、耕耘機24を地上に大きく持上げた位置から地面に下降させた場合、リヤカバー43が最閉位置Hdの姿勢で未耕耘地面Gdに着地し、耕耘爪40が土中に沈下するに連れて、リヤカバー43が耕耘爪40からこの後側に離れる方向(二点鎖線矢印方向)に回動する。そして、耕耘爪40の沈下深さLuが、耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値(設定耕耘深さDu)に応答した深さになった場合、リヤカバー43は、均平開始位置Hm(開始角度θm)まで回動したことになる。即ち、耕耘開始直後は、耕耘爪40から放てきされる盛り土Mu量が、通常の耕耘作業中(連続した耕耘作業)に比べて少ないから、リヤカバー43が既耕耘地面Gu上を鎮圧して均平にする通常の設定耕耘深さ位置Hu(設定耕耘深さ角度θu)まで回動した場合に比べ、最閉位置Hdからのリヤカバー43の回動角度が小さくなる(開始角度θm<設定耕耘深さ角度θu)ことになる。
【0045】
したがって、リヤカバー43が、開始角度θmから設定耕耘深さ角度θuまでさらに回動し、沈下深さLuの耕耘爪40をさらに沈下させる。その結果、通常の耕耘作業中に比べ、耕耘爪40の沈下深さLuが必要以上に深くなり、盛り土Mu量が多くなる。そこで、従来、耕耘作業を開始した場合、耕耘爪40が着地する直前に、耕耘機24を下降させる速度を遅くしたり、またはトラクタ1の移動速度を遅くする土盛り制限機能により、耕耘爪40の沈下深さLuが必要以上に深くなるのを防いでいた。しかし乍ら、従来の土盛り制限機能は、耕耘作業を開始したときに限定されていたから、大きな凹部または凸部が地面に多く形成されていない場所であっても、作業開始直後の車速を制限して、盛り土が過多になるのを防ぐことにより、前記耕耘爪の耕耘深さが不安定になることがあった。また、大きな凹部または凸部が未耕耘地面Gdに形成されている圃場の枕地などにおいて、大きな凹部の場所を耕耘した場合、リヤカバー43がその大きな凹部に落ち込んで、耕耘機24が大きく下降することにより、その大きな凹部を通過した直後は、盛り土Mu量が過多になる。一方、大きな凸部の場所を耕耘した場合、リヤカバー43がその大きな凸部によって持上げられ、耕耘機24が大きく上昇することにより、その大きな凸部を通過した直後は、盛り土Mu量が過少になることになる。
【0046】
トラクタ1の方向転換跡(旋回軌跡)が圃場に残り、大きな凹部と大きな凸部が未耕耘地面Gdに交互に連続して形成されている場合、リヤカバー43が大きく回動して通常の設定耕耘深さ位置Hu(設定耕耘深さ角度θu)から大幅に離れるから、リヤカバー43を利用した耕耘深さ自動制御では、既耕耘地面Guを均平に鎮圧できなかった。そのため、オペレータが耕耘機24を手動で上昇または下降させて、耕耘爪40の耕耘深さを大きな凹部または大きな凸部に応答して手動調節する必要があった。
【0047】
そこで、圃場の枕地などにおいて、耕耘作業中、大きな凹部または凸部が未耕耘地面に形成されていて、リヤカバー43の姿勢がその凹部または凸部によって大きく変化して、リヤカバー43が最閉位置Hd側から設定耕耘深さ(耕耘作業)位置Hu方向に回動した場合、一定時間だけ、耕耘深さ自動制御の制御ゲインを低減し、または耕耘深さ自動制御の不感帯幅を上昇側に拡大し、または耕深設定ダイヤル126の目標耕耘深さ(耕耘深さ設定値)を浅い側に補正することにより、盛り土Mu量が過少または過多になるのを防止でき、且つ耕耘深さ自動制御のハンチング作動も防止できることになる。即ち、リヤカバー43の姿勢が大きく変化して最閉位置Hd側から設定耕耘深さ位置Hu方向に回動した場合、一定時間だけ、耕耘機24の下降速度または上昇速度を遅くして、耕耘機24を緩やかに下降または上昇させることにより、耕耘深さ自動制御の性能の低下を低減でき、且つリヤカバー43の均平作用の低下を低減できることになる。また、リヤカバー43の姿勢が大きく変化して最閉位置Hd側から設定耕耘深さ位置Hu方向に回動した場合、一定時間だけ、耕耘機24の下降または上昇を遅らせることにより、耕耘深さ自動制御の性能の低下を低減でき、且つリヤカバー43の均平作用の低下を低減できることになる。
【0048】
次に、耕耘深さ自動制御のフローチャート(図9)を参照しながら、ロータリ耕耘機24の耕耘制御態様を説明する。
【0049】
ロータリ耕耘機24を、ロワーリンク21及びトップリンク22を介してトラクタ1の後側に昇降可能に連結し、トラクタ1のエンジン5が始動され、自動制御作動(図示しない自動制御スイッチのON操作)中は、耕深設定ダイヤル126値と、リヤカバーセンサ124値と、リフト角センサ129値と、車速センサ127値とを読み込む(S1)。
【0050】
そして、リヤカバー43が最閉位置Hdから回動したか否かを判断する(S2)。リヤカバー43が最閉位置Hdから回動したときには(S2;yes)、後述する制限モード制御が実行される(S3)。制限モード制御は、耕耘深さ自動制御の制御ゲインを低減する側(制御感度が鈍感になる側)に補正し、または耕耘深さ自動制御の不感帯幅の上げ側を拡大する側に補正し、または耕耘深さ設定値を浅い側に補正する。現在の耕耘爪40の耕耘深さDuを、リヤカバーセンサ124の検出値と、補正された制御ゲインとから演算する(S4)。また、後述する制限時間Tを、車速センサ値から演算する(S4)。
【0051】
耕耘爪40の耕耘深さDuが、上げ側が補正された不感帯幅に基づき、補正された耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値と一致するか否かを判断する(S5)。上述のステップ4にて演算された耕耘爪40の耕耘深さDuが、耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値と一致していないときには(S5;no)、後述する減速モード制御を実行し(S6)、続いて、耕耘深さ制御を実行する(S7)。上述のステップ6の減速モード制御において、変速制御電磁弁132を作動してミッションケース17(走行変速機構)の走行変速比を大きくして車速を低下させ、またはスロットルソレノイド119を作動してエンジン5の回転数を低下させる。一方、上述のステップ7の耕耘深さ制御において、上昇制御電磁弁102、または下降制御電磁弁103のいずれかを、耕耘爪40の耕耘深さを修正する方向に作動させ、昇降制御油圧シリンダ28を上昇動作または下降動作させ、耕耘爪40の耕耘深さを修正する。
【0052】
トラクタ1の略直進移動と方向転換とを繰り返して往復移動する連続した耕耘作業と、その連続した耕耘作業が完了した圃場の枕地を移動する枕地耕耘作業とを、同一の圃場内で実行する。大きな凹凸がトラクタ1の方向転換にて形成された枕地耕耘作業において、耕耘爪40の耕耘深さを所定深さに保つための耕耘深さ自動制御の性能と、耕耘地面を均平に仕上げるリヤカバー43の均平性能とを維持できる。また、耕耘機24の耕耘深さ自動制御を、前記枕地耕耘作業において簡単に実行できる。上述のステップ3の制限モード制御を実行する区間(移動距離)は、上述のステップ6の減速モード制御によって、制限モード制御に必要な最少の区間にすることができ、耕耘機24の耕耘深さ自動制御の性能の低下(劣化)を防止できる。
【0053】
一方、上述のステップ6の減速モード制御、及び上述のステップ7の耕耘深さ制御において、上述のステップ4で演算された制限時間Tが経過した場合(S8;yes)、上述のステップ3にて補正された制御ゲインを初期値に復帰させ、同じく補正された不感帯幅を初期値に復帰させ、同じく補正された耕耘深さ設定値を初期値に復帰させる(S9)。
【0054】
他方、上述のステップ4にて演算された耕耘爪40の耕耘深さDuが、耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値と一致した場合(S5;yes)、上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103を中立位置に維持して、昇降制御油圧シリンダ28を停止させて耕耘深さDuを維持する(S10)。同じく、車速をオペレータの手動変速位置に維持する(S10)。同じく、エンジン5の回転数をオペレータの手動アクセル位置に維持する(S10)。
【0055】
図10に示されるように、上述したステップ3の制限モード制御が実行される。オペレータが圃場の凹凸または土質など作業条件を判断して操作した制限モード選択スイッチ130の制限モード選択位置を読み込む(S11)。耕耘爪40の耕耘深さDuをリヤカバーセンサ124値に基づき演算するための制御ゲインを選択した場合(S12;yes)、その制御ゲインを一定幅だけ低減させる(S13)。上昇制御電磁弁102または下降制御電磁弁103のハンチング作動を防ぐための不感帯幅を選択した場合(S14;yes)、その不感帯幅を上げ側に拡大し(S15)、上昇制御電磁弁102の作動感度を若干鈍感にする。耕耘爪40の耕耘深さDuの基準値としての耕耘深さ設定値(耕深設定ダイヤル126値)を選択した場合(S16;yes)、その耕耘深さ設定値を若干浅い側に補正する(S17)。
【0056】
一方、制限モード選択スイッチ130をオペレータが操作しなかった場合、上述のステップ13,15,17の全てを実行するもので(S18)、制御ゲインを一定幅だけ低減し、且つ不感帯幅を上げ側に拡大し、且つ耕耘深さ設定値を若干浅い側に補正する。なお、上述のステップ13の制御ゲインの低減幅、上述のステップ15の不感帯幅の上げ側拡大幅、上述のステップ17の耕耘深さ設定値の浅い側の補正幅は、予め設定して耕耘制御コントローラ110のRAMに記憶させる。
【0057】
図11に示されるように、上述したステップ6の減速モード制御が実行される。オペレータが圃場の凹凸または土質など作業条件を判断して操作した減速モード選択スイッチ131の減速モード選択位置を読み込む(S19)。前車輪3及び後車輪4の駆動速度を変更するための車速制御を選択した場合(S20;yes)、変速制御電磁弁132を作動して車速を若干低下させ(S21)、トラクタ1の移動速度を減速させる。また、エンジン5の回転数を変更するためのエンジン回転数制御を選択した場合(S22;yes)、スロットルソレノイド119を作動してエンジン5の回転数を若干低下させ(S23)、トラクタ1の移動速度を減速させる。
【0058】
一方、減速モード選択スイッチ131をオペレータが操作しなかった場合、上述のステップ21,22の全てを実行するもので(S24)、車速を若干低下させ、且つエンジン5の回転数を若干低下させ、トラクタ1の移動速度を減速させる。なお、上述のステップ21の車速の低下幅、上述のステップ23のエンジン5の回転数の低下幅は、予め設定して耕耘制御コントローラ110のRAMに記憶させる。また、上述のステップ23のエンジン5の回転数の低下は、予め記憶させたエンジン5の性能曲線を読み出して、エンジン5の出力トルクが低下しない(エンジン5が過負荷によって停止しない)ように、実行される。
【0059】
上記の記載並びに図8などから明らかなように、前車輪3及び後車輪4にて走行自在に支持された作業車両としてのトラクタ1に、耕耘機24をリンク機構としてのロワーリンク21及びトップリンク22を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機24を昇降動する昇降制御アクチュエータとしての昇降制御油圧シリンダ28と、前記耕耘機24のリヤカバー43の回動角度を検出するリヤカバーセンサ124と、前記耕耘機24の耕耘爪40の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器としての耕深設定ダイヤル126と、前記昇降制御アクチュエータ28を作動させる耕耘制御手段としての耕耘制御コントローラ110とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段110は、前記リヤカバー43が最閉位置Hd側から設定耕耘深さ位置Huの方向に回動したときに、一定時間Tの間だけ、前記耕耘爪40の耕耘深さDuを演算するための制御ゲイン(リヤカバーセンサ124の検出値から耕耘爪40の耕耘深さDuを演算するための比例定数)を低減して、前記昇降制御アクチュエータ28の下降側の作動を緩やかにするように制御するものであるから、枕地などでの耕耘作業中、前記耕耘機24が地面から離れて非耕耘位置側に移動した場合、前記リヤカバー43が最閉位置Hd(前記耕耘爪40に最接近する位置)側から設定耕耘深さ位置Huに移動する途中、一定時間Tだけ、前記耕耘機24が緩やかに下降して、前記耕耘爪40の耕耘深さが設定以上に深くなるのを防止でき、前記耕耘爪40の土盛りを抑制できる。前記リヤカバー43の均平作用(耕土搬送作用)の低下を防止でき、前記耕耘爪40から放てきされた耕土が盛り土Muとして残るのを低減できる。そのため、大きい凹部または凸部が多い耕耘場所(枕地)において、耕耘作業中、前記リヤカバー43が最閉位置側に大きく移動した後、設定耕耘深さ位置Huに再び戻った場合、既耕耘地面Guを従来よりも少ない凹凸に形成して均平に仕上げることができる。且つ耕耘深さ自動制御のハンチングを防止できる。
【0060】
したがって、前記耕耘機24が枕地を移動する枕地耕耘作業において、既耕耘地面Guを均平に仕上げる前記リヤカバー43の均平性能を向上できる。また、前記耕耘爪40の耕耘深さDuを所定深さに保つための耕耘深さ自動制御を、前記枕地耕耘作業においても簡単に実行できるものである。
【0061】
上記の記載並びに図8などから明らかなように、前車輪3及び後車輪4にて走行自在に支持された作業車両としてのトラクタ1に、耕耘機24をリンク機構としてのロワーリンク21及びトップリンク22を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機24を昇降動する昇降制御アクチュエータとしての昇降制御油圧シリンダ28と、前記耕耘機24のリヤカバー43の回動角度を検出するリヤカバーセンサ124と、前記耕耘機24の耕耘爪40の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器としての耕深設定ダイヤル126と、前記昇降制御アクチュエータ28を作動させる耕耘制御手段としての耕耘制御コントローラ110とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段110は、前記リヤカバー43が最閉位置Hd側から設定耕耘深さ位置Huの方向に回動したときに、一定時間Tの間だけ、前記昇降制御アクチュエータ28を停止維持するための耕耘深さ自動制御の不感帯幅を上昇側に拡大して、前記昇降制御アクチュエータ28の上昇側の作動を遅らせるように制御するものであるから、大きい凹部または凸部が多い耕耘場所(枕地)において、耕耘作業中、前記リヤカバー43が最閉位置側に大きく移動した後、設定耕耘深さ位置Huに再び戻った場合、既耕耘地面Guを従来よりも少ない凹凸に形成して均平に仕上げることができる。且つ耕耘深さ自動制御のハンチングを防止できる。したがって、前記耕耘機24が枕地を移動する枕地耕耘作業において、既耕耘地面Guを均平に仕上げる前記リヤカバー43の均平性能を向上できる。また、前記耕耘爪40の耕耘深さDuを所定深さに保つための耕耘深さ自動制御を、前記枕地耕耘作業においても簡単に実行できるものである。
【0062】
上記の記載並びに図8などから明らかなように、前車輪3及び後車輪4にて走行自在に支持された作業車両としてのトラクタ1に、耕耘機24をリンク機構としてのロワーリンク21及びトップリンク22を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機24を昇降動する昇降制御アクチュエータとしての昇降制御油圧シリンダ28と、前記耕耘機24のリヤカバー43の回動角度を検出するリヤカバーセンサ124と、前記耕耘機24の耕耘爪40の耕耘深さを設定する耕耘深さ設定器としての耕深設定ダイヤル126と、前記昇降制御アクチュエータ28を作動させる耕耘制御手段としての耕耘制御コントローラ110とを備えてなる農作業機の耕耘制御装置において、前記耕耘制御手段110は、前記リヤカバー43が最閉位置Hd側から設定耕耘深さ位置Huの方向に回動したときに、一定時間Tの間だけ、前記耕耘深さ設定器126にて設定した耕耘深さ自動制御の耕耘深さ設定値を浅い側に変更して、前記昇降制御アクチュエータ28の下降側の作動を遅らせるように制御するものであるから、大きい凹部または凸部が多い耕耘場所(枕地)において、耕耘作業中、前記リヤカバー43が最閉位置側に大きく移動した後、設定耕耘深さ位置Huに再び戻った場合、既耕耘地面Guを従来よりも少ない凹凸に形成して均平に仕上げることができる。且つ耕耘深さ自動制御のハンチングを防止できる。したがって、前記耕耘機24が枕地を移動する枕地耕耘作業において、既耕耘地面Guを均平に仕上げる前記リヤカバー43の均平性能を向上できる。また、前記耕耘爪40の耕耘深さDuを所定深さに保つための耕耘深さ自動制御を、前記枕地耕耘作業においても簡単に実行できるものである。
【0063】
上記の記載並びに図8などから明らかなように、一定時間Tの間だけ耕耘深さ自動制御の制御ゲインを低減する制御態様と、一定時間Tの間だけ耕耘深さ自動制御の不感帯幅を上昇側に拡大する制御態様と、一定時間Tの間だけ耕耘深さ自動制御の耕耘深さ設定値を浅い側に変更する制御態様の少なくとも1つまたは全てを、オペレータが任意に選択可能な選択手段としての制限モード選択スイッチ130を備えたものであるから、オペレータが前記選択手段130を操作して、耕耘深さ自動制御を耕耘場所の作業条件に簡単に適応させることができるものである。
【0064】
上記の記載並びに図8などから明らかなように、前記作業車両1の移動速度を検出する車速センサ127を備え、前記耕耘制御手段110は、前記車速センサ127が検出した前記作業車両1の移動速度に応答して、制御ゲインを低減して実行する耕耘深さ自動制御の時間T、または不感帯幅を上昇側に拡大して実行する耕耘深さ自動制御の時間T、または耕耘深さ設定値を浅い側に変更して実行する耕耘深さ自動制御の時間Tの少なくとも1つまたは全てを補正するように制御するものであるから、耕耘深さ自動制御を車速(前記作業車両1の移動速度)の変化に対して簡単に適応させることができるものである。
【0065】
上記の記載並びに図8などから明らかなように、前記耕耘制御手段110は、制御ゲインを低減して実行する耕耘深さ自動制御の時間T、または不感帯幅を上昇側に拡大して実行する耕耘深さ自動制御の時間T、または耕耘深さ設定値を浅い側に変更して実行する耕耘深さ自動制御の時間Tの少なくとも1つまたは全てが経過するまで、作業車両1の移動速度を減速するように制御するものであるから、前記耕耘爪40の耕耘深さを設定深さに戻すための自動制御に必要な前記作業車両1の移動距離を短縮でき、耕耘深さ自動制御の性能を簡単に維持できる。且つ耕耘深さ自動制御のハンチングを低減できるものである。
【0066】
上記の記載並びに図8などから明らかなように、前記耕耘制御手段110は、前記リヤカバー43が最閉位置Hd側から設定耕耘深さ位置Huの方向に回動するまでの間で、前記リヤカバー43が設定角度としての開始角度θm(均平開始位置Hm)以上回動したときに、前記作業車両1のエンジン5の出力トルクを維持しながら、前記エンジン5の回転数を低下させるように制御するものであるから、前記耕耘爪40の耕耘深さを設定耕耘深さDuに戻すための自動制御に必要な前記作業車両1の移動距離を短縮でき、耕耘深さ自動制御の性能を簡単に維持できる。且つ前記エンジン5の停止などのトラブルを防止できるものである。
【0067】
上記の記載並びに図8などから明らかなように、前記耕耘制御手段110は、前記リヤカバー43が最閉位置Hd側から設定耕耘深さ位置Huの方向に回動するまでの間で、前記リヤカバー43が設定角度としての開始角度θm(均平開始位置Hm)以上回動したときに、前記作業車両1の走行変速手段としての変速制御電磁弁132を走行変速比が大きくなるように制御するものであるから、前記耕耘爪40の耕耘深さを設定深さに戻すための自動制御に必要な前記作業車両1の移動距離を短縮でき、耕耘深さ自動制御の性能を簡単に維持できる。且つ耕耘深さ自動制御のハンチングを低減できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】トラクタの側面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】油圧式の作業機用昇降機構の側面説明図である。
【図4】同平面説明図である。
【図5】図2のロータリ耕耘機のV−V線矢視側断面図である。
【図6】同背面説明図である。
【図7】トラクタの油圧回路図である。
【図8】制御手段の機能ブロック図である。
【図9】耕耘深さ自動制御のフローチャートである。
【図10】制限モード制御のフローチャートである。
【図11】減速モード制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1トラクタ(作業車両)
3前車輪
4後車輪
21ロワーリンク(リンク機構)
22トップリンク(リンク機構)
24ロータリ耕耘機
28昇降制御油圧シリンダ(昇降制御アクチュエータ)
40耕耘爪
43リヤカバー
110耕耘制御コントローラ(耕耘制御手段)
124リヤカバーセンサ
126耕深設定ダイヤル(耕耘深さ設定器)
127車速センサ
130制限モード選択スイッチ(選択手段)
132変速制御電磁弁(走行変速手段)





 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013