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発明の名称 苗移植機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−28976(P2007−28976A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−216040(P2005−216040)
出願日 平成17年7月26日(2005.7.26)
代理人
発明者 草本 英之 / 和泉 満孝
要約 課題
従来の田植機は、硬軟センサーの泥土の硬軟検出に応じて苗植装置を昇降させる感度を常に自動調節するものであって、作業状態を加味したものではなく、実作業では色々な不具合が発生することが判明した。

解決手段
走行車体1に昇降自在に苗植装置25を装着し、該苗植装置25下部に整地フロート32を装備し、該整地フロート32の傾斜角に応じて苗植装置25を昇降させる昇降制御手段を設けると共に、圃場の泥土の硬軟を検出する硬軟センサー34を設けて、該硬軟センサー34の泥土の硬軟検出に応じて、苗植装置25を昇降させる制御感度を補正する昇降感度補正手段を設けた苗移植機において、機体に設けた車速検出機構が機体の進行速度が所定値以下であることを検出した場合には、昇降感度補正手段の感度補正を停止する苗移植機としたものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
走行車体(1)に昇降自在に苗植装置(25)を装着し、該苗植装置(25)下部に整地フロート(32)を装備し、該整地フロート(32)の傾斜角に応じて苗植装置(25)を昇降させる昇降制御手段を設けると共に、圃場の泥土の硬軟を検出する硬軟センサー(34)を設けて、該硬軟センサー(34)の泥土の硬軟検出に応じて、苗植装置(25)を昇降させる制御感度を補正する昇降感度補正手段を設けた苗移植機において、機体に設けた車速検出機構が機体の進行速度が所定値以下であることを検出した場合には、昇降感度補正手段の感度補正を停止することを特徴とする苗移植機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、走行車体に苗植装置を装着した田植機やイグサ移植機等の苗移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術としては、走行車体に昇降自在に苗植装置を装着し、該苗植装置下部に整地フロートを装備させ、該整地フロートの傾斜角に応じて苗植装置を昇降させる機構を備えた田植機において、圃場の泥土の硬軟を検出する硬軟センサーを設けて、該硬軟センサーの泥土の硬軟検出に応じて、苗植装置を昇降させる感度を自動調節するようにした田植機がある。
【特許文献1】特開平11−89353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
然しながら、上記従来の田植機は、硬軟センサーの泥土の硬軟検出に応じて苗植装置を昇降させる感度を常に自動調節するものであって、作業状態を加味したものではなく、実作業では色々な不具合が発生することが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、走行車体1に昇降自在に苗植装置25を装着し、該苗植装置25下部に整地フロート32を装備し、該整地フロート32の傾斜角に応じて苗植装置25を昇降させる昇降制御手段を設けると共に、圃場の泥土の硬軟を検出する硬軟センサー34を設けて、該硬軟センサー34の泥土の硬軟検出に応じて、苗植装置25を昇降させる制御感度を補正する昇降感度補正手段を設けた苗移植機において、機体に設けた車速検出機構が機体の進行速度が所定値以下であることを検出した場合には、昇降感度補正手段の感度補正を停止する苗移植機とした。従って、圃場での直進植付け時の所定値以上の速度の時は、硬軟センサー34の泥土の硬軟検出に応じて、苗植装置25を昇降させる制御感度を補正するから、圃場の硬軟に応じて適正に苗植装置25の昇降制御が行われる。そして、畦際での機体旋回前後等の所定値以下の速度の時は、硬軟センサー34による硬軟検出が適正に行われないことがあるので、硬軟センサー34による自動感度補正を停止して苗植装置25の昇降制御を行う。
【発明の効果】
【0005】
この発明は、畦際での機体旋回前後等の車速が遅い場合には、硬軟センサー34による自動感度補正を行わず、直進植付けの通常速度の時は硬軟センサー34による自動感度補正を行うから、常に適正な苗植装置25の昇降制御が行われて、良好な苗の植付け作業が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(実施例1)
この発明の一実施例として、苗移植機の一種である4条植え乗用型田植機を図面に基づき詳細に説明する。1は乗用型走行車体であって、左右フレーム2・2と該左右フレーム2・2の後部を連結する横フレーム3とで構成される機体の後部上面にエンジン4を搭載し、左右フレーム2・2の前部には走行ミッションケース5を固設している。そして、この走行ミッションケース5には、エンジン4の回転駆動力が変速されるHST変速装置と前輪デフ装置と後輪デフ装置とが内蔵されているおり、HST変速装置は、変速レバー6にて、後進と中立と前進とに変速操作される。
【0007】
7・7は左右フロントアクスルケースであって、前記走行ミッションケース5の前輪デフ装置より左右駆動軸8・8を介して動力が伝動されるように構成されている。9・9は操向自在の左右駆動前輪であって、左右フロントアクスルケース7・7の下部に嵌合され操縦ハンドル10にて回動される操向ケース11・11に軸架されている。
【0008】
12は内部に変速歯車を有する操縦用伝動ケースであって、左右フレーム2・2両者の前端部に固着されており、その上部にはハンドルポスト13が固着され、ハンドルポスト13の上端部には操縦ハンドル10が設けられている。そして、操縦用伝動ケース12の下部には、その後端が左右操向ケース11・11に連結された操向伝達機構としてのリンク14が設けられており、操縦ハンドル10を回すと操縦用伝動ケース12内の変速歯車・リンク14を介して左右操向ケース11・11が縦軸回りに回動し左右駆動前輪9・9が向きを変えるように構成されている。
【0009】
15・15は左右後輪駆動ケースであって連結枠16で一体に連結されており、該連結枠16が横フレーム3にロリング軸17にてロリング自在に設けられており、その左右両側部に軸架された左右駆動後輪18・18が上下揺動できるように構成されている。19・19は、走行ミッションケース5の後輪デフ装置から左右後輪駆動ケース15・15に動力を伝える伝動軸である。
【0010】
そして、後輪駆動ケース15内部の伝動機構中には左右駆動後輪18・18に対する左右サイドクラッチと左右サイドブレーキとが内蔵されており、エンジン4の前方に設けられた左右クラッチペダル20・20の踏込操作により該左右サイドクラッチが切れ且つ左右サイドブレーキが利くように構成されている。即ち、左右クラッチペダル20・20の踏込操作をした側の駆動後輪18・18の駆動が停止されブレーキが利くようになっている。
【0011】
また、上記左右駆動後輪18・18を駆動回転する動力を伝える伝動軸19・19を駆動する駆動ギヤの回転数を検出する後輪伝動軸回転数センサーSを走行ミッションケース5内の該駆動ギヤ近傍に配置している。この後輪伝動軸回転数センサーSは、回転する駆動ギヤの歯を検出することにより単位時間の駆動ギヤの回転数を検出する一般的な光学式の回転数検出センサーであって、後輪伝動軸回転数センサーSの伝動軸19・19を駆動する駆動ギヤの回転数検出に基づいて、制御装置51の車速算出手段にて乗用型田植機の進行速度が算出される構成となっている。
【0012】
21はFRPにて成型された車体カバ−であって、エンジン4の周囲を覆うエンジンカバ−部21aと、前記エンジン4の前方及び左右側方に設けられたステップ21bと、ハンドルポストカバー21cと、エンジン4の後方に設けられたステップ21dとが一体形成され、左右フレーム2・2上に固定されている。22は操縦座席で、前記車体カバー21上面に設置固定されている。
【0013】
23は上部リンク23aと下部リンク23bとにより構成される昇降リンク機構であって、上部リンク23aと下部リンク23bの基端部は左右フレーム2・2の後部に固着された支持フレーム24に各々枢着され、後端部は後述の作業装置としての苗植装置25をローリング自在に支持するローリング軸26が設けられた縦枠27に枢着されている。
【0014】
28は油圧シリンダーであって、シリンダーの基部が左右フレーム2・2に枢着され、ピストン28aの後端が上部リンク23aと一体の揺動アーム23cに枢着されている。
苗植装置25は、前記縦枠27のローリング軸26にローリング自在に装着されたフレームを兼ねる植付伝動ケース29と、該植付伝動ケース29に設けられた左右支持部材29a・29aに支持されて機体左右方向に往復動する苗載台30と、植付伝動ケース29の後端部に装着され前記苗載台30の下端より1株分づつの苗を分割して圃場に植え付ける苗植付け具31…と、植付伝動ケース29の下部にその後部が枢支されてその前部が上下揺動自在に装着された整地体であるセンターフロート32と左右サイドフロート33・33等にて構成されている。左右サイドフロート33・33は、各々左右駆動後輪18・18の後方に配置されており、該左右駆動後輪18・18にて掻き乱された圃場を整地すると共に苗植付け具31にて苗が植付けられる圃場の前方を整地すべく設けられている。
【0015】
ここで、圃場の泥土の硬軟を検出する硬軟センサー34について詳述する。
植付伝動ケース29の下面に機体左右方向に配置したフロート支持パイプ29aを回動自在に支持し、該フロート支持パイプ29aに基部が溶接固着され後方下方に向けて延設された3つのフロート支持アーム29b・29b・29bに回動支持ピン29c・29c・29cにてセンターフロート32及び左右サイドフロート33・33の後部上面にボルトにより固着したフロート支持体29d・29d・29dを回動自在に枢支している。従って、センターフロート32及び左右サイドフロート33・33は、回動支持ピン29c・29c・29cを回動軸として、その前部が上下動可能に装着されている。尚、フロート支持パイプ29aより前方に向けて植付け深さ調節レバーを延設してあり、該植付け深さ調節レバーを操作してフロート支持パイプ29aを回動させて3つのフロート支持アーム29b・29b・29bを上下動させることにより、センターフロート32及び左右サイドフロート33・33の後部を上下位置調節して、苗植付け深さを調節できる構成となっている。
【0016】
センターフロート32の後端部上面にボルトにて固定したフロート支持体29dには、支持ピン35を回動自在に設けて、該支持ピン35に基部が溶接固着された輪体支持アーム36を後方下方に向けて延設している。
【0017】
37は泥土面に食い込んだ状態で接地する硬軟センサー34の泥土接当輪であり、その外周面部には等間隔でスパイク37aが配置されており、輪体支持アーム36の後端部に支持軸36aにて回転自在に支持されている。尚、泥土接当輪37は、センターフロート32の後端部近くの後方位置で、且つ、乗用型田植機の機体左右方向中央近くで、泥面に接地すべく配置されている。
【0018】
Pは硬軟センサー34のポテンショメータであって、フロート支持体29dにボルトにて固定されている。ポテンショメータPの検出アーム38の先端部に設けた長孔38aは、支持ピン35に基部が溶接固着された作動体39上端に設けたピン39aに連携している。従って、泥土接当輪37が泥土の硬軟により上下動(泥土が硬い場合は、泥土接当輪37の泥土内に食い込む量が少なくなり、泥土接当輪37は上動する。逆に、泥土が軟らかい場合は、泥土接当輪37の泥土内に食い込む量が多くなって、泥土接当輪37は下動する。)すれば、その上下動を輪体支持アーム36・支持ピン35・作動体39・検出アーム38を介して、ポテンショメータPが検出できる構成となっている。尚、39bは、泥土接当輪37を下方に向けて付勢するばねである。
【0019】
40は施肥装置であって、前記支持フレーム24の上端部に固着されており、施肥タンク41…と、該各施肥タンク41…の下部に装着され施肥タンク41内の粒状肥料を一定量づつ繰り出す肥料繰出装置42…と、該肥料繰出装置42にて繰り出された肥料を案内する透明の施肥パイプ43…と、センターフロート32・左右サイドフロート33・33に固着され苗植付け位置側方の圃場に施肥溝を掘り施肥パイプ43にて案内された粒状肥料を該施肥溝内に落下案内する作溝器44…とにより構成されている。そして、45は肥料繰出装置42…を駆動する駆動アームであって、左右フレーム2・2上に固設の施肥駆動ケ−ス46に連結されており、施肥駆動ケ−ス46には走行ミッションケース5より駆動軸47にて動力が伝達されるように構成されている。
【0020】
48は両端にユニバーサルジョイントを有するPTO伝動軸であって、施肥駆動ケース46の動力を苗植装置25の植付伝動ケース29に伝達すべく設けている。
49は圃場に対する苗植装置25の位置を検出するセンサーとしてのセンターフロートセンサーであって、センターフロート32前部の上下位置を検出するポテンショメータにより構成され、センターフロート32の前部上面とリンク50により連携されている。そして、センターフロートセンサー49のセンターフロート32前部の上下位置検出に基づいて、制御装置51の昇降制御手段によりソレノイド油圧バルブ52を制御して油圧シリンダー28にて苗植装置25の上下位置を制御するように構成されている。尚、センターフロート32の前部はバネ50aにより下方に向けて付勢されている。
【0021】
即ち、センターフロート32が泥面に接地した状態でその前部が外力にて適正範囲以上に持ち上げられた時には油圧ポンプ53にて走行ミッションケ−ス5内から汲み出された圧油を油圧シリンダー28に送り込んでピストンを突出させ昇降リンク機構23を上動させて苗植装置25を所定位置まで上昇せしめ、また、センターフロート32の前部が適正範囲以上に下がった時には油圧シリンダー28内の圧油を走行ミッションケ−ス5内に戻して昇降リンク機構23を下動させて苗植装置25を所定位置まで下降せしめ、そして、センターフロート32の前部が適正範囲にあるとき(苗植装置25が適正な所定位置にある時)には油圧シリンダー28内の圧油の出入りを止めて苗植装置25を一定位置に保持せしめるべく設けられている。
【0022】
54は車体カバ−21より突出して操縦座席22の右側方に設けられた昇降レバーであって、該昇降レバー54を操作することにより、制御装置51のPTOクラッチ作動手段にて走行ミッションケ−ス5内に設けられた駆動軸47を駆動回転する動力を断接するPTOクラッチを作動させて施肥装置40及び苗植装置25への動力を入切り操作できるように構成されていると共に、制御装置51の昇降制御手段にてソレノイド油圧バルブ52を作動させて手動にて苗植装置25を上下動できるように構成されている。
【0023】
即ち、昇降レバー54を前方に倒して「自動位置」にすると、PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動され且つソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。逆に、昇降レバー54を後方に引いて「上昇位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を上昇する側に切換えられ、苗植装置25が上昇される。そして、昇降レバー54をその操作ストロークの中間位置の「固定位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が油圧シリンダー28内の圧油の出入りを止めて苗植装置25を一定位置に保持せしめる位置に切換えられ、苗植装置25が昇降レバー54を「固定位置」に操作したときの位置に保持され苗植装置25は上昇も下降もしない。また、昇降レバー54を「下げ位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。
【0024】
55は操縦ハンドル10の下方に配置されたフィンガーレバーであって、該フィンガーレバー55を上下方向に操作するとポテンショメータにより構成されるフィンガーレバースイッチ56が作動されて、制御装置51のPTOクラッチ作動手段により、走行ミッションケ−ス5内に設けられた駆動軸47を駆動回転する動力を断接するPTOクラッチを操作して施肥装置40及び苗植装置25への動力を入切り操作できるように構成されていると共に、制御装置51の昇降制御手段により、ソレノイド油圧バルブ52を操作して手動にて苗植装置25を上下動できるように構成されている。
【0025】
即ち、フィンガーレバー55を「上」に操作すると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を上昇する側に切換えられる。そして、フィンガーレバー55を「上」に操作した後に、フィンガーレバー55を「下」に1回操作すると、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となり、苗植装置25が上昇された状態であればセンターフロート32が接地して適正姿勢になるまで苗植装置25は下降する。更にもう一回、フィンガーレバー55を「下」に操作すると、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動される。以降、フィンガーレバー55を「下」に操作する度に、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入りと切りに交互に切り換えられる。
【0026】
57は制御装置51の昇降制御手段の昇降制御感度を設定する感度設定器であり、前記センターフロート32の上下動の量をセンターフロートセンサー49で検出し、その検出情報によって油圧シリンダー28のソレノイド油圧バルブ52を切換え操作する昇降制御手段の昇降制御を行う上でのセンターフロートセンサー49の基準位置を調節することで、昇降制御の感度を調節する一般的なものである。
【0027】
即ち、仮に感度設定器57を標準の「5」の位置から鈍感側「7」に操作すると、センターフロートセンサー49の基準位置が「5」位置から少し上がった「7」位置に変更される。すると、センターフロート32の姿勢が標準の「5」のときの姿勢よりも上向きになって接地面積が減少し、かつ、バネ50aがより圧縮されて基準位置での付勢力が増すので、田面の起伏に追従し難い状態となり、昇降制御感度が鈍感側に調節される。逆に、感度設定器57を標準の「5」の位置から敏感側「3」に操作すると、センターフロートセンサー49の基準位置が「5」位置から少し下がった「3」位置に変更される。すると、センターフロート32の姿勢が下向きになって接地面積が増加し、かつ、バネ50aの付勢力が減るので、田面の起伏に追従し易い状態となり、昇降制御感度が敏感側に調節される。
【0028】
そして、感度設定器57で作業者が設定した感度は、上記硬軟センサー34の泥土の硬軟検出により自動補正される構成となっている。
即ち、硬軟センサー34は、泥土接当輪37の輪体部37aがセンターフロート32底面から泥土中に食い込んだ量をポテンショメータPが検出する構成であるが、泥土中に食い込んだ量が10mmから21mmの間(2秒間の移動平均値が10mmから21mmの間)であることをポテンショメータPが検出している時は、泥土は通常硬さと制御装置51は判断する。そして、泥土中に食い込んだ量が10mm未満(2秒間の移動平均値が10mm未満)であることをポテンショメータPが検出している時は、泥土は硬いと制御装置51は判断する。また、泥土中に食い込んだ量が21mm以上(2秒間の移動平均値が21mm以上)であることをポテンショメータPが検出している時は、泥土は軟らかいと制御装置51は判断する。
【0029】
そして、泥土中に食い込んだ量が10mmから21mmの間であることをポテンショメータPが検出して泥土は通常硬さと制御装置51が判断した時、昇降感度補正手段は上記感度設定器57で作業者が設定した感度を変更しない(設定感度が「5」であれば、「5」のままにする)。また、泥土中に食い込んだ量が10mm未満であることをポテンショメータPが検出して泥土は硬いと制御装置51が判断した時、昇降感度補正手段は上記感度設定器57で作業者が設定した感度を1レベルだけ鈍感側に変更する(設定感度が「5」であれば、「6」に変更する)。また、泥土中に食い込んだ量が21mm以上であることをポテンショメータPが検出して泥土は軟らかいと制御装置51が判断した時、昇降感度補正手段は上記感度設定器57で作業者が設定した感度を1レベルだけ敏感側に変更する(設定感度が「5」であれば、「4」に変更する)。
【0030】
以上要するに、田植作業を行なう圃場全体の硬軟を作業者が判断して、作業者が感度設定器57で感度を例えば「3」に設定しても、圃場全体は同じ硬軟ではなく、軟らかい部分や硬い部分が散在する。そこで、上記の硬軟センサー34が圃場の泥土の硬軟を検出して、乗用型田植機が泥土の硬い位置に来た時には、自動的に作業者が設定した感度「3」を鈍感側の感度「4」に補正し、乗用型田植機が泥土の軟らかい位置に来た時には、自動的に作業者が設定した感度「3」を敏感側の感度「2」に補正する。従って、自動的に圃場の硬軟に応じた感度設定に補正されるので、常に、苗植装置25の昇降制御が適切に行われて、適正な苗の植付け作業が行える。
【0031】
一方、乗用型田植機の車速が遅いと、硬軟センサー34の泥土接当輪37が適正な位置にならず、適正な感度補正ができない。そこで、上記後輪伝動軸回転数センサーS基づく制御装置51の車速算出手段によって算出された乗用型田植機の進行速度が一定速以上(0.7m/s以上)にならないと、上記の硬軟センサー34による自動感度補正を行わないようにしている(乗用型田植機の苗植付け時の前進最高速度は、1.2m/sである)。換言すると、乗用型田植機の進行速度が一定速以上(0.7m/s以上)の時のみ、硬軟センサー34による自動感度補正を行う。従って、畦際での機体旋回前後の車速が遅い場合には、硬軟センサー34による自動感度補正を行わず、直進植付けの通常速度の時は硬軟センサー34による自動感度補正を行うから、常に適正な苗植装置25の昇降制御が行われて、良好な苗の植付け作業が行える。
【0032】
尚、図示していないが、この実施例では、苗植装置25に左右傾斜を検出する傾斜センサーを設けて、常に苗植装置25が水平になるように乗用型走行車体1に対して苗植装置25をローリング作動機構により制御する構成を設け、苗植装置25の全ての苗植付け具31…が適正に苗を圃場に植付けるようにしている。
【0033】
ところが、圃場で苗供給作業をすべく機体を停止させた場合に、ローリング作動機構が作動していると、車体上を苗供給の為に作業者が移動することにより、左右方向に重心が移動し機体が左右傾斜して苗植装置25がローリング作動機構により左右傾斜制御されて傾動することがあり、然もこのローリング作動機構により左右傾斜制御は作業者が機体の左右側に移動する度に作動して、ローリング作動機構がハンチング作動してしまうことがある。
【0034】
そこで、上記後輪伝動軸回転数センサーS基づく制御装置51の車速算出手段によって算出された乗用型田植機の進行速度が0m/s(停止)の場合は、上記の苗植装置25のローリング制御を停止する構成にすれば、機体停止時にローリング作動機構がハンチング作動してしまうような事態が防止できて、作業性が向上する。
(実施例2)
【0035】
圃場内の泥面上の水深が通常よりも深い場合(圃場に水を入れすぎて深水状態になっている場合)、苗植付け作業時にセンターフロート32はこの深い水の影響を受けて前部が押し上げられぎみになり、苗植装置25が適正位置よりも高く昇降制御されてしまって、苗の植付け深さが浅くなり(ひどい場合には、植付けた苗が泥面から抜けて水に浮いてしまうような事態も発生する)、適正な苗植付け作業が行なえないことがある。
【0036】
そして、圃場内の泥面上の水深が通常よりも深い場合には、センターフロート32は泥面から浮き上がった状態にあるので、硬軟センサー34の泥土接当輪37は最下降位置になる。
【0037】
そこで、泥土接当輪37が最下降位置に2秒以上位置することをポテンショメータPが検出すると、制御装置51の昇降感度補正手段は、圃場が深水状態であると判断して、感度設定器57で作業者が設定した感度を1レベルだけ鈍感側に変更するように制御する(設定感度が「5」であれば、「6」に変更する)。そうすると、昇降制御の感度が鈍感になる為に、苗植付け作業時にセンターフロート32が深い水の影響を受けても前部が押し上げられ難くなり、圃場内の泥面上の水深が通常よりも深い場合でも、苗植装置25の昇降制御が適正に行われて、良好な苗の植付け作業が行える。
(実施例3)
【0038】
圃場の代掻き状態が悪くて泥面の凹凸が激しい場合には、泥土接当輪37も頻繁に上下動するので、適正な感度の自動補正は行えない。
そして、圃場の代掻き状態が悪くて泥面の凹凸が激しい場合には、センターフロート32の前部は、この泥面の凹凸の影響を受けて頻繁に上下動する。
【0039】
そこで、ポテンショメータにより構成されるセンターフロートセンサー49がセンターフロート32前部の頻繁な上下動を検出した場合には、制御装置51の昇降感度補正手段は、圃場の代掻き状態が悪くて泥面の凹凸が激しいと判断して、感度設定器57で作業者が設定した感度の自動補正を停止する(設定感度が「5」であれば、「5」のままとする)。そうすると、泥面の激しい凹凸によって泥土接当輪37が頻繁に上下動しても、感度の自動補正は行わないので、不適切な自動感度補正の悪影響を苗植装置25の昇降制御は受けず、良好な苗の植付け作業が行える。
(実施例4)
【0040】
上記実施例3では、圃場の代掻き状態が悪くて泥面の凹凸が激しい場合、感度の自動補正を停止したが、硬軟センサー34の検出方法を変更して対応しても良い。
即ち、圃場の代掻き状態が悪くて泥面の凹凸が激しくてセンターフロートセンサー49がセンターフロート32前部の頻繁な上下動を検出した場合には、泥土接当輪37の位置検出を2秒の移動平均値から決定するのではなく、5秒の移動平均値から決定する制御とする。詳述すると、泥土接当輪37の輪体部37aが泥土中に食い込んだ量が10mmから21mmの間(5秒間の移動平均値が10mmから21mmの間)であることをポテンショメータPが検出している時は、泥土は通常硬さと制御装置51は判断する。そして、泥土中に食い込んだ量が10mm未満(5秒間の移動平均値が10mm未満)であることをポテンショメータPが検出している時は、泥土は硬いと制御装置51は判断する。また、泥土中に食い込んだ量が21mm以上(5秒間の移動平均値が21mm以上)であることをポテンショメータPが検出している時は、泥土は軟らかいと制御装置51は判断する。
【0041】
このように、移動平均値の時間を長くすることにより、泥面に激しい凹凸があっても硬軟センサー34の検出値を平準化することができて、泥面の激しい凹凸の影響をあまり受けずに昇降制御の自動感度調節を行なうことができる。
(実施例5)
【0042】
圃場の枕地は耕盤及び泥面が非常に乱れていて凹凸が大きく激しいので、上記の硬軟センサー34による自動感度調節は行わない方が良い。
また、枕地では、耕盤及び泥面の凹凸が大きいので、センターフロートセンサー49はセンターフロート32前部の大きな上下動を検出する(枕地以外の圃場では、センターフロート32前部の上下動は小さくて、センターフロートセンサー49の上下動検出幅は所定範囲内である)。
【0043】
そこで、センターフロートセンサー49の上下動検出幅が所定範囲以上に大きい検出値を検出した場合には、枕地での苗植付け作業であると判断して、制御装置51の昇降感度補正手段は硬軟センサー34による自動感度調節を停止して、感度設定器57で作業者が設定した感度を1レベルだけ鈍感側に変更するように制御する(設定感度が「5」であれば、「6」に変更する)。そうすると、昇降制御の感度が鈍感になる為に、枕地での苗植付け作業時にセンターフロート32が大きな凹凸の影響を受け難くなり、苗植装置25の昇降制御が適正に行われて、良好な苗の植付け作業が行える。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、上記実施例の乗用型田植機以外に、野菜移植機やイ草移植機等の色々な苗移植機に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】乗用型田植機の全体側面図である。
【図2】乗用型田植機の全体平面図である。
【図3】乗用型走行車体の主要構成部材を示す平面図である。
【図4】制御系のブロック回路図である。
【図5】硬軟センサー付近の拡大側面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 走行車体(乗用型走行車体)
23 昇降リンク機構
25 苗植装置
32 整地フロート(センターフロート)
34 硬軟センサー
49 センターフロートセンサー
51 制御装置
57 感度設定器




 

 


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