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発明の名称 フードバルジ構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−44515(P2006−44515A)
公開日 平成18年2月16日(2006.2.16)
出願番号 特願2004−229874(P2004−229874)
出願日 平成16年8月5日(2004.8.5)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 室伏 愼一郎 / 大島 拓也
要約 課題
構造の複雑化を招くことなく、インタークーラへ効率良く風を導くことができるフードバルジ構造を得る。

解決手段
フードバルジ本体16の第1導風開口部24の導風領域にインタークーラカバー20のカバー後部20Aに設定した第2導風開口部30が位置するように、第2導風開口部30を第1導風開口部24よりも後方側にずらして配置した。また、カバー前部20Bを車両前方斜め下方側へ延出させ、その部分にバルジシール22の前部22Cを配置した。バルジシール22の蛇腹状のシール下部32は前後に亘って高さが一定であるが、フラットなシール上部34は後部よりも前部の方が高くなっている。上記構成により、エアポケット36の影響を最小限に抑えることができ、インタークーラ18へ効率良く整流(A)を導くことができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
フードパネルの所定位置に形成されたフード開口部に装着されると共に、前面側に風を取り込むための第1導風開口部が設けられたフードバルジ本体と、
フード開口部の下方側に配置されたインタークーラを上方側から覆うと共に、第1導風開口部から導入された風をインタークーラへ導く第2導風開口部が設けられたインタークーラカバーと、
フード開口部の周囲とインタークーラカバーにおける第2導風開口部の周囲との間をシールするシール部材と、
を含んで構成されたフードバルジ構造であって、
前記第1導風開口部から導入される導風領域に前記第2導風開口部の略全体が位置するように、第2導風開口部を第1導風開口部よりも車両後方側へずらして配置した、
ことを特徴とするフードバルジ構造。
【請求項2】
前記フードバルジ本体の第1導風開口部の下縁側には、インタークーラカバーへの風流れ方向を規定する導風ガイドが設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載のフードバルジ構造。
【請求項3】
前記インタークーラカバーにおける前記導風ガイドの延長線と交差する位置よりも前側に位置するカバー前部を車両前方斜め下方側へ延出させた、
ことを特徴とする請求項2記載のフードバルジ構造。
【請求項4】
前記シール部材の前側シール面を前記導風ガイドの延長線から車両前方側へ離間させて配置した、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のフードバルジ構造。
【請求項5】
前記シール部材は一般部と蛇腹部とを含んで筒状に形成されており、
蛇腹部は後部側から前部側まで一定の高さに設定されており、一般部の高さは後部側よりも前部側の方が高く設定されている、
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載のフードバルジ構造。
【請求項6】
前記導風ガイドは、シール部材の前側シール面の上端部を越えてフード開口部の内方へ延長されている、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載のフードバルジ構造。
【請求項7】
前記シール部材の前部のインタークーラカバーのカバー前部への接地部は、内側よりも外側の方が厚く形成されている、
ことを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載のフードバルジ構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インタークーラへ効果的に風を導くためのフードバルジ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
インタークーラへの風流れ構造の開示例としては、下記特許文献1がある。この特許文献1に開示された構造では、エアインテーク部品の内側に当該エアインテーク部品の形状に沿う斜め形状に形成されたダクトが予め装着され、これをフードに形成された開口部に爪嵌合により取り付けるようになっている。
【特許文献1】特開2000−38161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記先行技術による場合、インタークーラへの風流れを良くするためにダクトを斜めに形成し、ダクトの空気取入れ口とインタークーラとを直接繋いでいるが、このようにダクトが斜めに傾いていると、バルジシールを取り付けた場合に、ダクトの斜めの壁面に対してバルジシールが有する上下方向へのシール力が伝わり難いという問題がある。このため、ダクトを硬質にしてシール面に上下方向へのシール力が伝わり易いようにすることになるが、このようにするとダクトとバルジシールの構造が複雑化する。
【0004】
上記問題を解消するべく、壁面が斜めに傾いたダクトを用いる替わりに、上下方向に延在するバルジシールの直下にインタークーラを配置することも考えられるが、その場合には、風の流れに淀みが生じ、インタークーラへ効率良く風を導くことができない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、構造の複雑化を招くことなく、インタークーラへ効率良く風を導くことができるフードバルジ構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明に係るフードバルジ構造は、フードパネルの所定位置に形成されたフード開口部に装着されると共に、前面側に風を取り込むための第1導風開口部が設けられたフードバルジ本体と、フード開口部の下方側に配置されたインタークーラを上方側から覆うと共に、第1導風開口部から導入された風をインタークーラへ導く第2導風開口部が設けられたインタークーラカバーと、フード開口部の周囲とインタークーラカバーにおける第2導風開口部の周囲との間をシールするシール部材と、を含んで構成されたフードバルジ構造であって、前記第1導風開口部から導入される導風領域に前記第2導風開口部の略全体が位置するように、第2導風開口部を第1導風開口部よりも車両後方側へずらして配置した、ことを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項1記載の発明において、前記フードバルジ本体の第1導風開口部の下縁側には、インタークーラカバーへの風流れ方向を規定する導風ガイドが設けられている、ことを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項2記載の発明において、前記インタークーラカバーにおける前記導風ガイドの延長線と交差する位置よりも前側に位置するカバー前部を車両前方斜め下方側へ延出させた、ことを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項2又は請求項3記載の発明において、前記シール部材の前側シール面を前記導風ガイドの延長線から車両前方側へ離間させて配置した、ことを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項3又は請求項4記載の発明において、前記シール部材は一般部と蛇腹部とを含んで筒状に形成されており、蛇腹部は後部側から前部側まで一定の高さに設定されており、一般部の高さは後部側よりも前部側の方が高く設定されている、ことを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の発明において、前記導風ガイドは、シール部材の前側シール面の上端部を越えてフード開口部の内方へ延長されている、ことを特徴としている。
【0012】
請求項7記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の発明において、前記シール部材の前部のインタークーラカバーのカバー前部への接地部は、内側よりも外側の方が厚く形成されている、ことを特徴としている。
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、フード開口部にはフードバルジ本体が装着されており、かかるフードバルジ本体が備える第1導風開口部から風が導入される。一方、フード開口部の下方側に配置されたインタークーラはインタークーラカバーによって上方側から覆われており、更にフード開口部の周囲とインタークーラカバーにおける第2導風開口部の周囲とはシール部材によってシールされているため、第1導風開口部から導入された風は、インタークーラカバーが備える第2導風開口部へと導かれる。これにより、インタークーラが冷却される。
【0014】
ここで、本発明では、第1導風開口部から導入される導風領域に第2導風開口部の略全体が位置するように、第2導風開口部を第1導風開口部よりも車両後方側へずらして配置したので、第2導風開口部が目的通りに有効に活用される。つまり、第2導風開口部の形成領域であるにも拘わらず、そこから風が入ってこないという無駄な開口部分が生じない。
【0015】
しかも、本発明では、従来技術のように導風ダクトを用いる構成ではないので、構造が複雑化することもない。
【0016】
請求項2記載の本発明によれば、フードバルジ本体の第1導風開口部の下縁側に、インタークーラカバーへの風流れ方向を規定する導風ガイドを設けたので、第1導風開口部から導入された風は導風ガイドに沿って流れて第2導入開口部へ導かれる。従って、インタークーラカバーに対する導風領域(風が当たる範囲)が明確になる。
【0017】
請求項3記載の本発明によれば、インタークーラカバーにおける導風ガイドの延長線と交差する位置よりも前側に位置するカバー前部を車両前方斜め下方側へ延出させたので、シール部材の前側シール面の位置を本来の位置よりも車両前方斜め下方側へずらすことができる。
【0018】
ここで、インタークーラカバーにおける導風ガイドの延長線と交差する位置よりも前側に位置するカバー前部は第2導風開口部が形成されていない部分であるため、シール部材の前側シール面の位置を本来の位置よりも車両前方斜め下方側へずらすことができるということは、乱流が生じる領域であるエアポケット(導風ガイド及びその延長線とカバー前部とシール部材の前側シール面とで囲まれた領域)を第2導風開口部の非形成範囲にもってくることができるということを意味する。
【0019】
加えて、シール部材の前側シール面の位置を本来の位置よりも車両前方斜め下方側へずらすことにより、エアポケットの前側シール面に沿った寸法及びカバー前部の上面に沿った寸法を大きくとることができる。従って、エアポケットを拡大することができ、特にカバー前部の上面に沿った寸法を大きくとると、エアポケット内で発生した乱流を第2導風開口部へ流れ込む整流から直接的に引き離す効果を有するので、整流が流れ易くなる。
【0020】
請求項4記載の本発明によれば、シール部材の前側シール面を導風ガイドの延長線から車両前方側へ離間させて配置したので、エンジンルーム内の熱風の影響を避けることができる。つまり、一般にエンジンルーム内は高温であり、シール部材の前部にも熱風が当たるが、仮に前側シール面が導風ガイドの延長線と接近していると、導入された冷たい風に熱が伝わり、導入風の温度が下がる。しかし、本発明のようにシール部材の前側シール面を導風ガイドの延長線から車両前方側へ離間させておけば、導入風の温度低下を避けることができる。
【0021】
請求項5記載の本発明によれば、シール部材にはシール性能の確保の観点から蛇腹部の高さは一定であることが要求される。このため、シール部材の全体の高さを変えることはもとより困難であったが、本発明では、シール部材を一般部と蛇腹部とを含む筒状に形成したので、シール圧に直接影響する蛇腹部の高さは一定にし、一般部の高さを後部側よりも前部側の方を高くすることで、シール部材の全高に自由度をもたせることができる。従って、カバー前部を車両前方斜め下方側へ延出させても、一般部の高さが後部側よりも前部側の方が高く設定されたシール部材を用いれば、シール部材の前後で良好かつ一定のシール圧を確保することができる。
【0022】
請求項6記載の本発明によれば、前述した導風ガイドをシール部材の前側シール面の上端部を越えてフード開口部の内方へ延長させたので、整流ガイド機能がより一層高くなり、第1導風開口部に対する第2導風開口部の位置出しの精度もより一層高められる。
【0023】
のみならず、導風ガイドをシール部材の前側シール面の上端部を越えてフード開口部の内方へ延長させると、導風ガイドの延長側の端部とシール部材の前部の上端部とが交わる交角の部分に小さなエアポケットが追加(積極的に形成)される。従って、この部分に生じた小さな乱流を導風ガイドの延長部分で抑え込むことができる。換言すれば、この小さな乱流による風の巻き込みが整流側に広がって悪影響を及ぼすのを抑止することができる。従って、整流の風離れ性(整流ガイドに沿って整流が乱流の影響を受けずにスムーズに流れること)が向上される。
【0024】
請求項7記載の本発明によれば、シール部材の前部のインタークーラカバーのカバー前部への接地部が内側よりも外側の方が厚く形成されているので、車両前方斜め下方側へ前傾したカバー前部に対しても安定した状態で接地される。従って、装着状態のシール部材の形状に悪影響が及ぶこともなく(形状安定性の向上)、シール圧に偏りが生じることもない。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、請求項1記載のフードバルジ構造は、フードパネルの所定位置に形成されたフード開口部に装着されると共に前面側に風を取り込むための第1導風開口部が設けられたフードバルジ本体と、フード開口部の下方側に配置されたインタークーラを上方側から覆うと共に第1導風開口部から導入された風をインタークーラへ導く第2導風開口部が設けられたインタークーラカバーと、フード開口部の周囲とインタークーラカバーにおける第2導風開口部の周囲との間をシールするシール部材と、を含んで構成されたものにおいて、第1導風開口部から導入される導風領域に第2導風開口部の略全体が位置するように、第2導風開口部を第1導風開口部よりも車両後方側へずらして配置したので、無駄な開口部分が生じなく、その結果、構造の複雑化を招くことなく、インタークーラへ効率良く風を導くことができるという優れた効果を有する。
【0026】
請求項2記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項1記載の発明において、フードバルジ本体の第1導風開口部の下縁側に、風流れ方向を規定する導風ガイドを設けたので、インタークーラカバーに対する導風領域が明確になり、その結果、第1導風開口部と第2導風開口部との位置関係(換言すれば、第1導風開口部に対する第2導風開口部の位置出し)の精度を高めることができるという優れた効果を有する。
【0027】
請求項3記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項2記載の発明において、インタークーラカバーにおける導風ガイドの延長線と交差する位置よりも前側に位置するカバー前部を車両前方斜め下方側へ延出させたので、乱流による悪影響を極力排除することができ、その結果、整流が流れ易くなりインタークーラに対する冷却効果を高めることができるという優れた効果を有する。
【0028】
請求項4記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項2又は請求項3記載の発明において、シール部材の前側シール面を前記導風ガイドの延長線から車両前方側へ離間させて配置したので、導入風の温度低下を避けることができ、その結果、インタークーラの冷却効率を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0029】
請求項5記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項3又は請求項4記載の発明において、シール部材は一般部と蛇腹部とを含んで筒状に形成されており、蛇腹部は後部側から前部側まで一定の高さに設定されており、一般部の高さは後部側よりも前部側の方が高く設定したので、シール部材の全高の自由度を高めることができ、その結果、カバー前部を車両前方斜め下方側へ延出させたインタークーラカバーを用いても良好なシール圧を確保することができるという優れた効果を有する。
【0030】
請求項6記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載のフードバルジ構造において、導風ガイドをシール部材の前側シール面の上端部を越えてフード開口部の内方へ延長させたので、整流の風離れ性を向上させることができ、その結果、第1導風開口部から導入された整流が更に第2導風開口部へ流れ易くなるという優れた効果を有する。
【0031】
請求項7記載の本発明に係るフードバルジ構造は、請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の発明において、シール部材の前部のインタークーラカバーのカバー前部への接地部を、内側よりも外側の方を厚く形成したので、インタークーラカバーのカバー前部を車両前方斜め下方側へ前傾させた場合にもシール部材の形状安定性を保つことができ、その結果、良好なシール圧を維持することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図1〜図8を用いて、本発明に係るフードバルジ構造の一実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
【0033】
図4に示されるように、本実施形態に係るフードバルジ10は、車両のエンジンルームを開閉するフードパネル12の中央部に配設されている。
【0034】
図3には上記フードバルジ10の外観斜視図が示されており、又図2にはフードバルジ10の平面図が示されている。さらに、図1には、フードバルジ10の縦断面構造(図2の1‐1線断面図)が示されている。
【0035】
これらの図に示されるように、フードバルジ10は、フードパネル12のフード開口部14に装着されるフードバルジ本体16と、フード開口部14の下方側に配置されたインタークーラ18を上方側から覆うインタークーラカバー20と、フード開口部14の裏面側の周縁部とインタークーラカバー20の上面の周縁部との間をシールするシール部材としてのバルジシール22と、を含んで構成されている。
【0036】
フードバルジ本体16の前端部には風を取り込むための第1導風開口部24が形成されている。また、フードバルジ本体16の第1導風開口部24の下縁側には、インタークーラ18への風流れ方向を規定する導風ガイド26が一体に形成されている。導風ガイド26の前端部26Aは側面視で前傾形状を成しており、フードパネル12の上面に当接状態で係止されている。また、導風ガイド26の主部26Bは前端部26Aの後端から後傾されてフード開口部14の内方側へ向けて所定長さ延出されている。なお、導風ガイド26の主部26Bの下側には、フード開口部14を補強するリインフォース28が配設されている。また、フードバルジ本体16の後端部は、フード開口部14の後端側に係止されている。
【0037】
上述したフードバルジ本体16の下方側には、インタークーラ18を覆うインタークーラカバー20が配設されている。インタークーラ18の前後長はフード開口部14の前後長よりも短く、フード開口部14の後部の直下に配置されている。インタークーラカバー20はインタークーラ18を覆うべく、フードバルジ本体16の前後長と概ね同じ程度の前後長を有している。
【0038】
上記インタークーラカバー20の断面形状は側面視で略L字状とされており、インタークーラ18の上面を覆うカバー後部20Aと、このカバー後部20Aから車両前方斜め下方側へ延出されたカバー前部20Bと、によって構成されている。
【0039】
カバー後部20Aには、第1導風開口部24から導入された冷たい風をインタークーラ18へ導くための第2導風開口部30が形成されている。なお、第2導風開口部30は、開口の集合体である。
【0040】
一方、カバー前部20Bは、前述した導風ガイド26の主部26Bの延長線Pと交差する位置よりも前側に位置する部分である。別の言い方をすれば、インタークーラカバー20における導風ガイド26の延長線Pと交差する位置を境にして後部側を第2導風開口部30とし、前部側を車両前方斜め下方側へ延出させている。そして、第2導風開口部30は第1導風開口部24から導入される導風領域内にその略全体が収まるように、第1導風開口部24よりも車両後方側へずらして配置されている。
【0041】
上述したフード開口部14の周縁部とインタークーラカバー20の上面の周縁部とは、ゴム等の弾性材料によって構成されたバルジシール22が介在されている。図5及び図6には、自然状態のバルジシール22の平面図及び縦断面図が示されている。これらの図に示されるように、バルジシール22は、略矩形枠状に形成されている。シール下部32はエンジンルーム内の上下方向への変位に追従できるように蛇腹状に形成されており、シール上部34はフラットに形成されている。また、バルジシール22の上端部22A及び下端部22Bは接地面となることから外側へ屈曲されている。さらに、組付状態のバルジシール22を描いた図7(A)に示されるように、シール下部32の高さhは前後方向の全長に亘って同一に設定されているが、シール上部34の高さは後部側から前部側へ向かうにつれて徐々に高くなるように設定されている。
【0042】
また、図1に示されるように、バルジシール22が組付けられた状態では、バルジシール22の前部22Cの前側シール面Qが、前述した導風ガイド26の主部26Bの延長線Pから車両前方側へ大きく離間されている。さらに、バルジシール22の前部22Cにおけるインタークーラカバー20のカバー前部20Bへの接地部(下端部22B)は、カバー前部20Bの前端部付近に圧接されている。これにより、本実施形態では、導風ガイド26の主部26Bの延長線Pとバルジシール22の前部22Cの前側シール面Qとインタークーラカバー20のカバー前部20Bの上面とで包囲されるエリア(エアポケット36)が、側面視で裾広がりの三角形状(前側の辺長がaで下側の辺長がb)を成すこととなり、エアポケット36の拡大化が図られている。
【0043】
さらに、前述した導風ガイド26の主部26Bは、バルジシール22の前側シール面Qの上端部を越えてフード開口部14の内方(インタークーラカバー20側)へ延長されている。従って、導風ガイド26の主部26Bとバルジシール22の前部22Cの上端部(リインフォース28を含む)との間に庇状の小さな三角形のエリア(エアポケット38)が上述したエアポケット36と重なるかたちで設定されている。
【0044】
〔本実施形態の作用並びに効果〕
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0045】
図8に示されるように、車両走行時、フード開口部14に装着されたフードバルジ本体16が備える第1導風開口部24から風(矢印Aで示す)が導入される。一方、フード開口部14の下方側に配置されたインタークーラ18はインタークーラカバー20によって上方側から覆われており、更にフード開口部14の周縁部とインタークーラカバー20の上面の周縁部とはバルジシール22によってシールされているため、第1導風開口部24から導入された風は、インタークーラカバー20のカバー後部20Aが備える第2導風開口部30へと導かれる。これにより、インタークーラ18が冷却される。
【0046】
ここで、本実施形態に係るフードバルジ構造では、第1導風開口部24から導入される導風領域に第2導風開口部30の略全体が位置するように、第2導風開口部30を第1導風開口部24よりも車両後方側へずらして配置したので、第2導風開口部30が目的通りに有効に活用される。つまり、第2導風開口部30の形成領域であるにも拘わらず、そこから風が入ってこないという無駄な開口部分が生じない。
【0047】
しかも、本実施形態では、従来技術のように導風ダクトを用いる構成ではないので、構造が複雑化することもない。
【0048】
その結果、本実施形態に係るフードバルジ構造によれば、構造の複雑化を招くことなく、インタークーラ18へ効率良く風を導くことができ、インタークーラ18に対する冷却性能を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態に係るフードバルジ構造では、フードバルジ本体16の第1導風開口部24の下縁側に、インタークーラカバー20への風流れ方向を規定する導風ガイド26を設けたので、第1導風開口部24から導入された風は導風ガイド26に沿って流れて第2導風開口部30へ導かれる。従って、インタークーラカバー20に対する導風領域(風が当たる範囲)が明確になる。特に、車両走行状態を考えると、導風領域の前端位置が明確化されると、第2導風開口部30の形成領域が把握し易くなることから、導風ガイド26に傾斜を付けて風流れ方向を明確に規定することに価値がある。上記より、本実施形態によれば、第1導風開口部24と第2導風開口部30との位置関係(換言すれば、第1導風開口部24に対する第2導風開口部30の位置出し)の精度を高めることができ、ひいてはインタークーラ18の冷却性能の更なる向上を図ることができる。
【0050】
さらに、本実施形態に係るフードバルジ構造では、インタークーラカバー20における導風ガイド26の主部26Bの延長線Pと交差する位置よりも前側に位置するカバー前部20Bを車両前方斜め下方側へ延出させたので、バルジシール22の前側シール面Qの位置を本来の位置よりも車両前方斜め下方側へずらすことができる。
【0051】
ここで、インタークーラカバー20における導風ガイド26の主部26Bの延長線Pと交差する位置よりも前側に位置するカバー前部20Bは第2導風開口部30が形成されていない部分であるため、バルジシール22の前側シール面Qの位置を本来の位置よりも車両前方斜め下方側へずらすことができるということは、大きな乱流R1が生じる領域であるエアポケット36(導風ガイド26の主部26B及びその延長線Pとカバー前部20Bとバルジシール22の前側シール面Qとで囲まれた領域)を第2導風開口部30の非形成範囲にもってくることができるということを意味する。従って、従来品においてみられる冷却ロス(即ち、インタークーラカバーの第2導風開口部から導入された冷たい風が乱流R1によって第2導風開口部から再び吸い出されて逸散される現象)を解消することができる。
【0052】
加えて、バルジシール22の前側シール面Qの位置を本来の位置よりも車両前方斜め下方側へずらすことにより、エアポケット36の前側シール面Qに沿った寸法a(図1参照)及びカバー前部20Bの上面に沿った寸法b(図1参照)を大きくとることができる。従って、エアポケット36を拡大することができ、特にカバー前部20Bの上面に沿った寸法bを大きくとると、エアポケット36内で発生した乱流R1を第2導風開口部30へ流れ込む整流(矢印A)から直接的に引き離す効果を有するので、整流が流れ易くなる。
【0053】
これらの作用により、本実施形態に係るフードバルジ構造によれば、乱流R1による悪影響を極力排除することができ、その結果、整流が流れ易くなりインタークーラ18に対する冷却効果を高めることができる。
【0054】
また、本実施形態に係るフードバルジ構造では、バルジシール22の前側シール面Qを導風ガイド26の主部26Bの延長線Pから車両前方側へ大きく離間させて配置したので、エンジンルーム内の熱風(図8に矢印Bで示す)の影響を避けることができる。つまり、一般にエンジンルーム内は高温であり、バルジシール22の前部22Cにも熱風(矢印B)が当たるが、仮に前側シール面Qが導風ガイド26の主部26Bの延長線Pと接近していると、導入された冷たい風(矢印A)に熱が伝わり、導入風の温度が下がる。しかし、本実施形態のようにバルジシール22の前側シール面Qを導風ガイド26の主部26Bの延長線Pから車両前方側へ大きく離間させておけば、導入風の温度低下を避けることができる。その結果、本実施形態によれば、インタークーラ18の冷却効率を向上させることができる。
【0055】
さらに、本実施形態に係るフードバルジ構造では、バルジシール22を蛇腹状のシール下部32とフラットなシール上部34とに分けてシール圧に直接影響するシール下部32については高さhを一定にし、シール上部34については後部側から前部側に向かうにつれて徐々に高さが高くなる除変構造としたので、バルジシール22の全高に自由度をもたせることができる。つまり、バルジシール22の全高を自由に設定することができる。従って、インタークーラカバー20のカバー前部20Bを車両前方斜め下方側へ延出させても、シール上部34の高さが後部側よりも前部側の方が高く設定されたバルジシール22を用いれば、バルジシール22の前後に亘って良好かつ一定のシール圧を確保することができる。
【0056】
また、本実施形態に係るフードバルジ構造では、前述した導風ガイド26の主部26Bを、バルジシール22の前部22Cの前側シール面Qの上端部を越えてフード開口部14の内方へ延長させたので、整流ガイド機能がより一層高くなり、第1導風開口部24に対する第2導風開口部30の位置出しの精度もより一層高められる。
【0057】
のみならず、導風ガイド26をバルジシール22の前部22Cの前側シール面Qの上端部を越えてフード開口部14の内方へ延長させると、導風ガイド26の延長側の端部とバルジシール22の前部22Cの上端部とが交わる交角の部分に小さなエアポケット38が追加(積極的に形成)される。従って、この部分に生じた小さな乱流R2(図8参照)を導風ガイド26の主部26Bの延長部分で抑え込むことができる。換言すれば、この小さな乱流R2による風の巻き込みが整流(矢印A)側に広がって悪影響を及ぼすのを抑止することができる。従って、整流の風離れ性(導風ガイド26の主部26Bに沿って整流が乱流R2の影響を受けずにスムーズに流れること)が向上される。その結果、本実施形態によれば、第1導風開口部24から導入された整流が更に第2導風開口部30へ流れ易くなる。
【0058】
〔実施形態の補足説明〕
なお、上述した本実施形態では、バルジシール22の前部22Cの下端部22B(インタークーラカバー20のカバー前部20Bへの接地部)の板厚を一定にしたが、これに限らず、図7(B)に示されるように、内側よりも外側の方が厚く形成された下端部22Dを採用してもよい。この場合、バルジシール22の前部22Cの下端部22Dが車両前方斜め下方側へ前傾したカバー前部20Bに対しても安定した状態で接地される。従って、装着状態のバルジシール22の形状に悪影響が及ぶこともなく(形状安定性の向上)、シール圧に偏りが生じることもない。その結果、良好なシール圧を維持することができる。
【0059】
また、上述した本実施形態では、インタークーラカバー20のカバー前部20Bを車両前方斜め下方側へ延出させる構成を採ったが、請求項1及び請求項2記載の発明には、インタークーラカバーの前部が車両前方側へ真直ぐ延出されたものや、車両前方(若干)斜め上方側へ延出されたもの等も含まれる。
【0060】
さらに、上述した本実施形態では、導風ガイド26が所定長さインタークーラカバー20側へ延出されている構成を採用したが、請求項2記載の発明には、インタークーラカバー20への風流れ方向を規定する機能があるすべての導風ガイドが含まれる。従って、傾斜面の長さ、つまり主部26Bの長さが図1図示のものよりも短い構成も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施形態に係るフードバルジ構造の全体構成を示す図2の1‐1線に沿う縦断面図である。
【図2】フードバルジの平面図である。
【図3】フードバルジの斜視図である。
【図4】フードバルジを備えた車両の外観斜視図である。
【図5】図1に示されるバルジシールの自然状態の平面図である。
【図6】自然状態のバルジシールの縦断面構造を示す図5の6‐6線に沿う断面図である。
【図7】(A)は組付状態のバルジシールの縦断面図であり、(B)はバルジシールの変形例を示す(A)に対応する縦断面図である。
【図8】本実施形態に係るフードバルジ構造の作用・効果を説明するための図1に対応する説明図である。
【符号の説明】
【0062】
10 フードバルジ
12 フードパネル
14 フード開口部
16 フードバルジ本体
18 インタークーラ
20 インタークーラカバー
20B カバー前部
22 バルジシール
22C 前部
22D 下端部(接地部)
24 第1導風開口部
26 導風ガイド
26B 主部
30 第2導風開口部
32 シール下部(蛇腹部)
34 シール上部(一般部)
36 エアポケット
38 エアポケット




 

 


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