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発明の名称 車輪情報処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−44497(P2006−44497A)
公開日 平成18年2月16日(2006.2.16)
出願番号 特願2004−229453(P2004−229453)
出願日 平成16年8月5日(2004.8.5)
代理人 【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
発明者 中島 誠一
要約 課題
所定状態量が検出された車輪が装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するのかを精度良く判別する車輪情報処理装置を提供することを目的とする。

解決手段
車両に搭載されたECU100は、異常検出部102、温度実変化量取得部106、温度変化量推定部108、非装着車輪識別部110、および警報調整部112を有する。異常検出部102は、車輪の故障等の異常を検出する。非装着車輪識別部110は、温度実変化量取得部106で求められた各車輪のタイヤ内部空気温度の実変化量と、温度変化量推定部108で求められた各車輪のタイヤ内部空気温度の変化量推定値と、に基づいて非装着車輪を識別し、異常が発生している車輪が装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するのかを判定する。警報調整部112は、非装着車輪識別部110における判定結果に基づいて、警報装置36における警報のタイプを制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】
車輪のタイヤ内部空気温度の検出値に基づいて、前記タイヤ内部空気温度の実際の変化量を求めるタイヤ温度実変化量取得手段と、
車両状態に基づいて、前記タイヤ内部空気温度の変化量を推定するタイヤ温度変化量推定手段と、
前記タイヤ温度実変化量取得手段が求める前記タイヤ内部空気温度の実際の変化量と、前記タイヤ温度変化量推定手段が推定する前記タイヤ内部空気温度の変化量とを比較して、前記車輪が装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するかを判別する車輪判別手段と、
を備えることを特徴とする車輪情報処理装置。
【請求項2】
前記タイヤ温度変化量推定手段は、車両速度と、タイヤに作用する力成分と、タイヤ内部空気圧と、外部温度と、に基づいて前記タイヤ内部空気温度の変化量を推定することを特徴とする請求項1に記載の車輪情報処理装置。
【請求項3】
前記車輪判別手段は、車両異常判定時に、前記タイヤ温度実変化量取得手段が求める前記タイヤ内部空気温度の実際の変化量とタイヤ温度変化量推定手段が推定する前記タイヤ内部空気温度の変化量の推定値とに基づいて、前記車輪が装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するかを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車輪情報処理装置。
【請求項4】
前記車輪判別手段は、前記タイヤ温度実変化量取得手段が求める前記タイヤ内部空気温度の実際の変化量と、前記タイヤ温度変化量推定手段が推定する前記タイヤ内部空気温度の変化量と、の差の絶対値が最小となる車輪を非装着車輪と判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車輪情報処理装置。
【請求項5】
前記車輪判別手段は、前記タイヤ温度実変化量取得手段が求める前記タイヤ内部空気温度の実際の変化量と、前記タイヤ温度変化量推定手段が推定する前記タイヤ内部空気温度の変化量と、の差の絶対値が所定の閾値以下を示す車輪を非装着車輪と判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車輪情報処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に装着された装着車輪に関連する情報と車体に装着されていない非装着車輪に関連する情報とを判別する車輪情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
TPMS(Tire Pressure Monitoring System)に代表されるように、各車輪に搭載された通信機から無線送信されてくる車輪関連情報を車体に搭載された通信機により受信して車両制御に使用するシステムが、車両に取り入れられるようになってきている。そのようなシステムでは、車体側通信機が受信する車輪関連情報信号がいずれの車輪の通信機から送信されてきたものであるかを特定することが重要となる場合がある。例えば、各車輪の通信機から送信されるタイヤ空気圧センサの検出値が、車体に装着されている車輪(「装着車輪」とも表記する)およびスペアタイヤ等のように車体に装着されていない車輪(「非装着車輪」とも表記する)のうちどちらの車輪の通信機から送信されてきたものなのかを明確にすることで、タイヤ空気圧異常などに対して適切に対処することができる。そのため、受信情報が装着車輪および非装着車輪のうちどちらの通信機から送られてきたのかを判別する技術が従来から提案されている。
【0003】
例えば特許文献1では、装着タイヤから送信されるタイヤの温度などのタイヤ状態情報は受信装置によって受信されるが、非装着タイヤから送信されるタイヤ状態情報は受信されないようにする等により、非装着タイヤからの情報と装着タイヤからの情報と装着タイヤからの情報とを区別する装置が提案されている。また特許文献2では、車両走行時のタイヤ温度の変化傾向に応じてグループ化することで装着タイヤおよび非装着タイヤを区別して各タイヤ空気圧をモニターする装置が提案されている。また特許文献3では、特定信号に応じて車体側受信機に対するタイヤ情報の送信を変更する装置が提案されている。
【特許文献1】特開2003−306016号公報
【特許文献2】特開2003−154824号公報
【特許文献3】特開2003−312220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両情報が装着車輪の通信機から送られてきたのか非装着車輪の通信機から送られてきたのかを判別する技術がいくつか提案されているが、そのような技術の中には判別のために長時間を要するものや、低車速時や低外気温時などの環境下では判別の手懸かりとなる特徴部分に差異が現れにくいために判別が困難となるものなどが混在する。そのため、車輪関連情報が装着車輪の通信機から送られてきたのか非装着車輪の通信機から送られてきたのかを的確に判別する新たな技術の提案が望まれている。
【0005】
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、車輪が装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するのかを精度良く判別する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は車輪情報処理装置に関する。この車輪情報処理装置は、車輪のタイヤ内部空気温度の検出値に基づいて、前記タイヤ内部空気温度の実際の変化量を求めるタイヤ温度実変化量取得手段と、車両状態に基づいて、前記タイヤ内部空気温度の変化量を推定するタイヤ温度変化量推定手段と、前記タイヤ温度実変化量取得手段が求める前記タイヤ内部空気温度の実際の変化量と、前記タイヤ温度変化量推定手段が推定する前記タイヤ内部空気温度の変化量とを比較して、前記車輪が装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するかを判定する車輪判別手段と、を備える。
【0007】
当該車輪情報処理装置によれば、タイヤ内部空気温度の実際の変化量とタイヤ内部空気温度の変化量の推定量とを比較することで、タイヤ内部空気温度が検出された車輪が、路面との摩擦などの影響を受けやすい装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するのか精度良く判定することが可能となる。なお「装着車輪」とは、車体に装着されて車両走行に使用される車輪を指し、通常は路面と接地して車体を支持する車輪が装着車輪に含まれる。また「非装着車輪」とは、車体には直接装着されておらず車両走行には使用されていない車輪を指し、通常は路面とは接地せず予備として搭載されるスペア車輪などが非装着車輪に含まれる。
【0008】
前記タイヤ温度変化量推定手段は、車両速度と、タイヤに作用する力成分と、タイヤ内部空気圧と、外部温度と、に基づいて前記タイヤ内部空気温度の変化量を推定するものであってもよい。この場合には、車両速度、タイヤに作用する力成分、タイヤ内部空気圧、および外部温度が加味されて、タイヤ内部空気温度の変化量が精度良く推定される。なお、ここでいう「外部温度」は、タイヤの外部の温度を意味し、例えば車輪外部や車輪が装着される車両外部などの気温を含む。
【0009】
前記車輪判別手段は、車両異常判定時に、前記タイヤ温度実変化量取得手段が求める前記タイヤ内部空気温度の実際の変化量とタイヤ温度変化量推定手段が推定する前記タイヤ内部空気温度の変化量の推定値とに基づいて、前記車輪が装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するかを判定するものであってもよい。この場合、車両異常判定時に前記車輪が装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するのか精度良く判定することが可能となる。これにより、例えば車輪に異常が発生している場合に、その異常発生車輪が装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するかを判定することで、車輪ドライバー等は装着車輪あるいは非装着車輪に応じた適切な対処法等を判断することが可能となる。なお車輪判別手段は、車輪異常などの車両異常が判定された後に求められたタイヤ内部空気温度の実際の変化量、タイヤ内部空気温度の変化量の推定値に基づいて上記判定を行ってもよいし、車両異常判定の直前のタイヤ内部空気温度の実際の変化量、タイヤ内部空気温度の変化量の推定値に基づいて上記判定を行ってもよい。
【0010】
前記車輪判別手段は、前記タイヤ温度実変化量取得手段が求める前記タイヤ内部空気温度の実際の変化量と、前記タイヤ温度変化量推定手段が推定する前記タイヤ内部空気温度の変化量と、の差の絶対値が最小となる車輪を非装着車輪と判別するものであってもよい。一般に、非装着車輪は、路面との摩擦などの影響を受けにくいため、装着車輪の場合に比べてタイヤ内部空気温度が精度良く推定される傾向がある。従って、装着車輪および非装着車輪を搭載する車両において、タイヤ内部空気温度の実際の変化量とタイヤ内部空気温度の変化量の推定量との差の絶対値が最小となる車輪を非装着車輪であると精度良く判別することができる。
【0011】
前記車輪判別手段は、前記タイヤ温度実変化量取得手段が求める前記タイヤ内部空気温度の実際の変化量と、前記タイヤ温度変化量推定手段が推定する前記タイヤ内部空気温度の変化量と、の差の絶対値が所定の閾値以下を示す車輪を非装着車輪と判別するものであってもよい。この場合、タイヤ内部空気温度の実際の変化量とタイヤ内部空気温度の変化量の推定値との差の絶対値が所定の閾値以下を示す車輪を非装着車輪と判別するので、装着車輪および非装着車輪を単数あるいは複数搭載する車両であっても、前記車輪が非装着車輪か否かを精度良く判別することができる。なお「所定の閾値」として、固定値を用いることもできるし、車両状態に応じて適宜決定される値を用いることもできる。
【0012】
なお、タイヤ内部空気圧を考慮して装着車輪および非装着車輪の判別を行うことも可能である。例えば非装着車輪では、タイヤ内部空気圧が比較的低圧の状態であっても比較的高圧の状態であっても、タイヤ内部空気温度の推定値は実測値とほぼ等しくなる傾向がある。一方、タイヤ内部空気圧が比較的低圧の状態にある装着車輪では、非装着車輪の場合に比べると精度がやや落ちるが、タイヤ内部空気温度の推定値は実測値に近い値を示す傾向がある。また、タイヤ内部空気圧が低圧状態ではない装着車輪では、タイヤ内部空気温度の推定値が実測値よりも大きな値を示す傾向がある。このようなタイヤ内部空気圧に関連する特性を加味することで、装着車輪および非装着車輪の判別を更に精度良く実現しうる。なお、ここでいう「低圧の状態」は、設定圧よりも低い圧力状態を指し、例えば設定圧に対して30%程度低い圧力状態の場合をいう。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車輪情報処理装置によれば、タイヤ内部空気温度の実際の変化量とタイヤ内部空気温度の変化量の推定量とを比較することで、タイヤ内部空気温度を検出された車輪が装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するのか精度良く判別することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、車輪情報処理装置の一実施の形態を備える車両10の全体構成を示す図である。
【0015】
車両10は、車体12の右前に設けられた右前輪14a、車体12の左前に設けられた左前輪14b、車体12の右後ろに設けられた右後輪14c、車体12の左後ろに設けられた左後輪14d、および車体12の後方に搭載されたスペア車輪14eを備える。従って、本実施の形態の車両10は、右前輪14a、左前輪14b、右後輪14c、および左後輪14dという4つの装着車輪を有するとともに、スペア車輪14eという1つの非装着車輪を有する。以下、右前輪14a、左前輪14b、右後輪14c、左後輪14d、およびスペア車輪14eを総称して「車輪14」と呼ぶ。また、右前輪14aおよび左前輪14bを総称して「前輪14a、14b」と呼び、右後輪14cおよび左後輪14dを総称して「後輪14c、14d」と呼ぶ。また、右前輪14aに対応する機器類には符号の末尾に「a」を付し、左前輪14bに対応する機器類には符号の末尾に「b」を付し、右後輪14cに対応する機器類には符号の末尾に「c」を付し、左後輪14dに対応する機器類には符号の末尾に「d」を付し、スペア車輪14eに対応する機器類には符号の末尾に「e」を付し、それらの機器類を総称する場合には末尾の「a〜e」を省略した符号で表記する。
【0016】
各車輪14には、車輪側センサ類20と、車輪側センサ類20に接続された車輪側通信機28とが搭載されている。一方、車体12には、電子制御装置100(以下「ECU100」とも表記する)と、ECU100に接続された車体側センサ類32、車体側通信機34、および警報装置36とが搭載されている。
【0017】
車輪側センサ類20は、図2に示すように、タイヤの内部空気圧を検出するタイヤ圧センサ22、タイヤの内部空気の温度を検出するタイヤ温度センサ24、タイヤに作用する力を検出する接地力センサ26、および図示しない他のセンサ類を含む。接地力センサ26は、タイヤに作用する力を直接的あるいは間接的に検出することができる任意のセンサ類を利用することができ、本実施の形態ではタイヤのトレッド部分に埋め込まれた圧力センサが利用される。一方、車体側センサ類32は、図3に示すように、車両10の走行速度を検出する車速センサ38、車輪速センサ40、横方向加速度センサ42、前後方向加速度センサ44、外気温を検出する外気温検出センサ46等を含む。なお、車輪側センサ類20および車体側センサ類32に含まれる各種センサ類は、所定間隔で目的とする状態量を検出し、例えば1秒〜数秒間隔で検出することが可能である。
【0018】
図1に示す車輪側通信機28は、車体側通信機34と信号の送受信を行う通信機である。この車輪側通信機28は、車輪側センサ類20に含まれる各種センサ類の検出値を所定間隔で無線送信し、例えば15秒〜60秒間隔で無線送信することが可能である。なお、車輪側通信機28は、車輪側センサ類20に含まれる各種センサ類の検出値を相互に対応づけた形で送信し、本実施の形態では車輪側センサ類20に含まれる各種センサ類の検出値のすべてが送信毎に無線信号に含まれるようにすることで、各種センサ類の検出値を相互に対応づける。
【0019】
車体側通信機34は、車輪側通信機28と信号の送受信を行う通信機であり、例えば各車輪14の車輪側通信機28から無線送信されてくる信号を受信してECU100に送る。警報装置36は、ECU100に制御され車両ドライバー等に警報を発する装置であり、車両に発生している異常を警報音や警報表示などによって車両ドライバー等に通知する装置である。
【0020】
ECU100は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、マイクロコンピュータによる演算を行う演算ユニット、各種の処理プログラムを記憶するROM、一時的にデータやプログラムを記憶してデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、および各種信号の送受信を行うための入出力ポート等を有する。特に本実施の形態のECU100は、図4に示す機能構成を有する。
【0021】
図4は、本実施の形態のECU100が有する各種機能のうち、異常発生時の警報に関連する機能を示す機能ブロック図である。ECU100は、異常検出部102、温度実変化量取得部106、温度変化量推定部108、非装着車輪識別部110、および警報調整部112を有する。
【0022】
異常検出部102は、車輪側通信機28および車体側通信機34を介して送られてくる車輪側センサ類20の検出結果、あるいは車体側センサ類32の検出結果に基づいて車両10に故障等の異常が発生しているか否かを判定する。本実施の形態の異常検出部102は、特に各タイヤ圧センサ22の検出結果に基づいて各車輪14のタイヤ空気圧に異常が発生しているか否かを判定する。
【0023】
温度実変化量取得部106は、タイヤ温度センサ24の検出値に基づいて各車輪14のタイヤ内部空気温度の実際の変化量を求める。温度変化量推定部108は、車両状態に関する車輪側センサ類20および車体側センサ類32の検出値に基づいて、各車輪14のタイヤ内部空気温度の変化量を推定する。本実施の形態では後述する式(1)〜(5)が用いられて各車輪14のタイヤ内部空気温度の変化量が推定される。
【0024】
非装着車輪識別部110は、温度実変化量取得部106で求められたタイヤ内部空気温度の実際の変化量と、温度変化量推定部108で推定されるタイヤ内部空気温度の変化量とを比較して、対象となっている車輪が装着車輪および非装着車輪のうちいずれに該当するのかを判別する。また本実施の形態の非装着車輪識別部110は、異常検出部102で検出された異常が装着車輪および非装着車輪のうちいずれで発生しているのかを判断する。
【0025】
警報調整部112は、非装着車輪識別部110における判別、判断結果に基づいて警報のタイプを決定し、決定した警報タイプに応じた制御信号を警報装置36に送り、車両ドライバー等に適切な警報が発せられるように警報装置36を制御する。本実施の形態では、装着車輪のタイヤ内部空気圧等に異常が発生していると判断される場合には比較的緊急度の高いハードウォーニング警報がなされ、非装着車輪のタイヤ内部空気圧等に異常が発生している判断される場合には比較的緊急度の低いソフトウォーニング警報がなされる。なお、ハードウォーニング警報およびソフトウォーニング警報は、装着車輪あるいは非装着車輪に異常が発生していることを車両ドライバー等に通知する任意の手法を用いることができ、例えば警報灯の色を変えたり、警報灯の点灯、点滅状態を変えたり、警報音に特徴をもたせたり、等することで両者を区別することが可能である。
【0026】
次に、本実施の形態の作用について説明する。図5は、車輪異常検出時の警報処理の流れを示すフローチャートである。
【0027】
まず、各車輪14に異常が発生しているか否かがECU100の異常検出部102において判定される(図5のS11)。本実施の形態では、車輪側通信機28および車体側通信機34を介して送られてくるタイヤ圧センサ22の検出値から各車輪14のタイヤ内部空気圧に異常が発生しているか否かが判定される。各車輪14に異常が発生していないと判定される場合(S11のN)、車輪14に異常が発生しているか否かが継続して判定される。
【0028】
いずれかの車輪14に異常が発生していると判定される場合(S11のY)、ECU100では車輪側通信機28および車体側通信機34を介して送られてくる車輪側センサ類20の検出値および車体側センサ類32の検出値から非装着車輪の識別が行われる(S12)。具体的には、後述する図6に示すような各種処理に基づき、車輪側通信機28および車体側通信機34を介して送られてくる車輪側センサ類20の検出結果が装着車輪に関するものなのか非装着車輪に関するものなのかを判定する。
【0029】
そしてECU100の非装着車輪識別部110では、上記S12における識別結果に基づいて、S11で異常が発生していると判定された車輪が非装着車輪か否かが判定される(S13)。異常発生車輪が非装着車輪ではなく装着車輪であると判定される場合(S13のN)、実際の走行に使用する車輪14に異常が発生しているので、警報調整部112から警報装置36に所定の制御信号が送られ、緊急度が比較的高いハードウォーニング警報が警報装置36において実行される(S14)。一方、異常発生車輪が非装着車輪であると判定される場合(S13のY)、警報調整部112から警報装置36に所定の制御信号が行われ、緊急度が比較的低いソフトウォーニング警報が警報装置36において実行される(S15)。
【0030】
次に、非装着車輪の識別(S12)の詳細について説明する。図6は、非装着車輪の識別処理に関するフローチャートである。
【0031】
まず、各車輪14のタイヤ内部空気温度の実際の変化量ΔTact*が、車輪側通信機28および車体側通信機34を介して送られてくる各車輪側センサ類20の検出値および車体側センサ類32の検出値に基づいて温度実変化量取得部106で求められる(図6のS21)。具体的には、以下の式(1)に基づいて、各車輪14のタイヤ内部空気温度の実際の変化量ΔTact*が算出される。なお、以下の各式において、「*」にはa〜eのいずれかが入り、「*=a」は右前輪に関するもの、「*=b」は左前輪に関するもの、「*=c」は右後輪に関するもの、「*=d」は左後輪に関するもの、「*=e」はスペア車輪に関するものを示す。また「Tcurrent*」は、各車輪14のタイヤ温度センサ24の検出値のうち、車輪側通信機28および車体側通信機34を介してECU100に送られてくる最新の検出値を示す。また「Tinitial*」は、各車輪14のタイヤ温度センサ24の検出値のうち、エンジンなどの駆動源を始動させた直後の検出値を示す。なお、エンジン等の始動直後のタイヤ温度センサ24の検出値は、ECU100のRAMや他の記憶媒体に保存され、必要に応じて読み出されて「Tinitial*」として用いられる。
【0032】
ΔTact* = Tcurrent*−Tinitial* (*=a〜e) 式(1)
【0033】
そして、各車輪14のタイヤ内部空気温度の変化量の推定値ΔTinf*が温度変化量推定部108において求められる(S22)。具体的には、以下の式(2)〜(5)に基づいて、各車輪14のタイヤ内部空気温度の変化量の推定値ΔTinf*が算出される。
【0034】
ΔTinf* = Tincrease(n)*−Tdecrease(n)* (*=a〜e) 式(2)
increase(n)* = k1*×V×Fz*×(1/P) (*=a〜e) 式(3)
decrease(n)* = k2*×(Tcur(n)*−Tatm) (*=a〜e) 式(4)
cur(n)* = Tcur(n−1)*+Tincrease(n−1)*−Tdecrease(n−1)*
(*=a〜e) 式(5)
【0035】
上記式(2)〜(5)は、例えば60秒サイクルで演算可能であり、「n」は演算サイクル数を示すため1以上の自然数となる。「Tincrease(n)*」は、各車輪14のタイヤ内部空気温度の上昇量を示し、「Tdecrease(n)*」は、各車輪14のタイヤ内部空気温度の減少量を示す。「k1*、k2*」は、車両特性に応じて決定される所定の数値であり、例えばタイヤのゴム特性、車両荷重、等の影響を考慮して実験値などから導き出される値である。「V」は、車速を示し、本実施の形態では車速センサ38の値が用いられる。「Fz*」は、各車輪14のタイヤに作用する上下力を示し、本実施の形態では各車輪14の接地力センサ26の検出値が用いられる。「P」は、上述のS11の処理で異常が発生していると判定された車輪のタイヤ内部空気圧を示し、例えばタイヤ内部空気圧が低下したために異常が発生していると判定された場合には車両に搭載された車輪のタイヤ内部空気圧のうち最小値を示すものが利用される。「Tatm」は、車両10の外部の気温を示し、本実施の形態では外気温検出センサ46の検出値が用いられる。「Tcur(n)*」は、各車輪14の現在のタイヤ内部空気温度の推定値を示し、「Tcur(1)*」は、上述の「Tinitial*」の値が用いられる。
【0036】
そして、各車輪14のタイヤ内部空気温度の実際の変化量ΔTact*とタイヤ内部空気温度の変化量の推定値ΔTinf*との差の絶対値|ΔTact*−ΔTinf*|が、非装着車輪識別部110において算出される(S23)。そして、非装着車輪識別部110では、各車輪14に関して求められた|ΔTact*−ΔTinf*|のうち最小値を示す車輪をスペア車輪14eと判別する(S24)。このようにして、ECU100では非装着車輪であるスペア車輪14eの識別が行われる。
【0037】
以上説明したように本実施の形態によれば、タイヤ内部空気温度の実際の変化量とタイヤ内部空気温度の変化量の推定値とが比較されて、車輪側通信機28および車体側通信機34を介して送られてくる車輪側センサ類20の検出値が装着車輪および非装着車輪のうちいずれの車輪から送られてくるのかを精度良く判別することができる。特に上述の実施の形態では、装着車輪あるいは非装着車輪の判別が車輪異常判定時に行われるので、異常発生車輪の種類に応じて車両ドライバー等への警報を適宜変えることで、異常状態に応じた適切な対応を車両ドライバー等に促すことが可能である。
【0038】
また、装着車輪と非装着車輪のタイヤ内部空気温度の変化量の違いを利用して、タイヤ内部空気温度の実際の変化量とタイヤ内部空気温度変化の推定値との差の絶対値が最小となる車輪を非装着車輪と判別することで、精度良く非装着車輪を識別することができる。
【0039】
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【0040】
例えば、上述の実施の形態ではタイヤ内部空気温度の実際の変化量とタイヤ内部空気温度変化の推定量との差の絶対値が「最小となる車輪」を非装着車輪と判別していたが、タイヤ内部空気温度の実際の変化量とタイヤ内部空気温度変化の推定量との差の絶対値が「所定の閾値以下を示すか否か」によって非装着車輪か否かを判別することも可能である。この場合には、車両10に搭載される非装着車輪が1つの場合だけでなく、複数の非装着車輪が車両10に搭載される場合にも精度良く装着車輪と非装着車輪とを区別することが可能である。なお、そのような場合に使用する所定の閾値として、固定値を使用することも可能であるが、外気温、走行時間、車速等の要素に基づいて適宜決定される値を使用することも可能である。
【0041】
また、上述の実施の形態ではタイヤトレッド部分に埋め込まれた圧力センサを接地力センサ26として利用する例について説明したが、他のセンサ類を接地力センサ26として利用することも可能である。例えば、各車輪14に対応するようにして設けられたサスペンションのアッパーマウント部分に荷重センサを設けて、この荷重センサの検出値を利用してタイヤに作用する力を検出することも可能である。
【0042】
また、上述の各演算式は必要に応じて変形が加えられたり他の演算式が用いられたりすることも可能である。例えば「Tinitial*」として、エンジンなどの駆動源を始動させた直後のタイヤ温度センサ24の検出値ではなく、異常判定直後のタイヤ温度センサ24の検出値を用いることができる場合もある。また、車体側センサ類32や車輪側センサ類20の検出サイクル、車輪側通信機28と車体側通信機34の間の無線信号の送受信サイクル、あるいは上記各式の演算サイクルなども適宜変更することが可能である。
【0043】
また、上述の実施の形態ではタイヤ内部空気圧の異常判定時に装着車輪と非装着車輪との識別を行う例について説明したが、車両異常判定時でなくても上述の各事項を応用することが可能である。
【0044】
また、タイヤ内部空気圧の状態を加味して装着車輪および非装着車輪の識別を行うことも可能であり、例えばタイヤ内部空気圧に応じたタイヤ内部空気温度の推定値と実測値の関係が加味されることで、装着車輪および非装着車輪の識別が更に精度良く行われうる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】一実施の形態の車輪情報処理装置を備える車両の全体構成を示す図である。
【図2】車輪側センサ類の一例を示す図である。
【図3】車体側センサ類の一例を示す図である。
【図4】ECUが有する各種機能のうち、異常発生時の警報に関連する機能を示す機能ブロック図である。
【図5】車輪異常検出時の警報処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】非装着車輪の識別処理に関するフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
10 車両、 12 車体、 14 車輪、 20 車輪側センサ類、 22 タイヤ圧センサ、 24 タイヤ温度センサ、 26 接地力センサ、 28 車輪側通信機、 32 車体側センサ類、 34 車体側通信機、 36 警報装置、 38 車速センサ、 40 車輪速センサ、 42 横方向加速度センサ、 44 前後方向加速度センサ、 46 外気温検出センサ、 100 ECU、 102 異常検出部、 106 温度実変化量取得部、 108 温度変化量推定部、 110 非装着車輪識別部、 112 警告調整部。




 

 


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