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発明の名称 ステッキ式パーキングブレーキ装置およびスライド式操作機構
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−44433(P2006−44433A)
公開日 平成18年2月16日(2006.2.16)
出願番号 特願2004−227507(P2004−227507)
出願日 平成16年8月4日(2004.8.4)
代理人 【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
発明者 湯本 俊明 / 加藤 弘己
要約 課題
グリス等が付着した可動な操作ロッドに衣服等が直接接触してしまうことを防ぐ技術を提案することを目的とする。

解決手段
パーキングブレーキ装置100は、操作ロッド10と、操作ロッド10のプランジャ12をスライド可能に収容するプランジャガイド24と、ブレーキワイヤを介して操作ロッド10に接続された制動力発生部54と、を備える。プランジャガイド24の外側には筒状ロッドカバー30が配設されている。筒状ロッドカバー30の一端部は、プランジャ12に形成されたカバー取付用溝部26に嵌め込まれており、他端部は、プランジャガイド24の外側にスライド移動可能に嵌合している。筒状ロッドカバー30は操作ロッド10の移動に追従して、プランジャガイド24から突出するプランジャ12をカバーする。
特許請求の範囲
【請求項1】
伸長操作を受けて制動力発生装置を制御する操作ロッドと、
前記操作ロッドの外側に配置され、少なくとも一部が前記操作ロッドに取り付けられて前記操作ロッドの移動に追従するロッドカバー部材と、
を備えることを特徴とするステッキ式パーキングブレーキ装置。
【請求項2】
前記ロッドカバー部材は、一端側が所定の固定部材に取り付けられるとともに、他端側が前記操作ロッドに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のステッキ式パーキングブレーキ装置。
【請求項3】
前記操作ロッドの伸長方向へ延びるガイド部材を更に備え、
前記ロッドカバー部材は、一端側が前記ガイド部材に嵌合して前記操作ロッドの伸長方向へ可動に取り付けられるとともに、他端側が前記操作ロッドに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のステッキ式パーキングブレーキ装置。
【請求項4】
前記ロッドカバー部材は、前記ガイド部材に対する一端側の拘束力は前記操作ロッドに対する他端側の拘束力よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載のステッキ式パーキングブレーキ装置。
【請求項5】
前記ロッドカバー部材は、折り畳み可能な折り畳み部を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のステッキ式パーキングブレーキ装置。
【請求項6】
伸長操作を受ける操作ロッドと、
前記操作ロッドの外側に配置され、少なくとも一部が前記操作ロッドに取り付けられて前記操作ロッドの移動に追従するロッドカバー部材と、
を備えることを特徴とするスライド式操作機構。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸長操作を受ける操作部を備えるステッキ式パーキングブレーキ装置およびスライド式操作機構に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のパーキングブレーキ装置は、様々なタイプの操作部を備えるものが開発されており、例えば、手によってレバーを引き上げるタイプや足によってレバーを踏み込むタイプの操作部を備えるものだけでなく、ステッキタイプの操作部を備えるものがある。そのようなステッキ式パーキングブレーキ装置は、操作ロッドを引っ張ってスライド移動させることによりブレーキワイヤを巻き上げて、パーキングブレーキとして利用する制動力を発生させるタイプのものが多い。
【0003】
そのようなステッキ式パーキングブレーキ装置に対する様々な改良が従来から提案されており、例えば特許文献1では、操作性を向上させるためのステッキ型パーキングブレーキの操作装置が提案されている。また特許文献2では、安全でハンドル回りのデザインを邪魔しないようにするための手動パーキングブレーキ装置が提案されている。また特許文献3では、設計の自由度を向上させるためのパーキングブレーキ操作装置が提案されている。
【特許文献1】特許第2632013号公報
【特許文献2】特許第2585733号公報
【特許文献3】特開平5−319229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のステッキ式パーキングブレーキ装置では、ステッキ状の操作ロッドを移動させることにより所望の制動力を発生させるが、その操作ロッドは操作時の移動をスムーズなものにするためにグリスなどの潤滑剤等が塗布されることがある。一方、そのようなステッキ状の操作ロッドは、制動力発生操作時のスライド移動の結果、剥き出し状態に保持されることがある。そのため、ドライバー等の車両搭乗者が剥き出し状態の操作ロッドに触れてしまう可能性があり、操作ロッドに塗布されているグリス等が衣服などに付着してしまうことがある。
【0005】
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、グリス等が付着した可動な操作ロッドに衣服等が直接接触してしまうことを防ぐ技術を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様はステッキ式パーキングブレーキ装置に関する。このステッキ式パーキングブレーキ装置は、伸長操作を受けて制動力発生装置を制御する操作ロッドと、前記操作ロッドの外側に配置され、少なくとも一部が前記操作ロッドに取り付けられて前記操作ロッドの移動に追従するロッドカバー部材と、を備える。当該車両制御装置によれば、操作ロッドに対する外側からの接触を操作ロッドに追従するロッドカバー部材によって効果的に防ぐことができる。なお、ここでいう「伸長操作」は、例えば引っ張る方向の操作を含むものであり、直線方向の操作に限定されず、直線以外の方向の操作も含まれうる。
【0007】
前記ロッドカバー部材は、一端側が所定の固定部材に取り付けられるとともに、他端側が前記操作ロッドに取り付けられていてもよい。この場合、ロッドカバー部材は、所定の固定部材と可動に設けられた操作ロッドとの間に配置されて、操作ロッドに対する外側からの接触を防ぐことができる。
【0008】
前記操作ロッドの伸長方向へ延びるガイド部材を更に備え、前記ロッドカバー部材は、一端側が前記ガイド部材に嵌合して前記操作ロッドの伸長方向へ可動に取り付けられるとともに、他端側が前記操作ロッドに取り付けられていてもよい。この場合、ロッドカバー部材の移動時には、一端側がガイド部材に沿って伸長方向へ移動するとともに他端側が操作ロッドとともに移動するので、操作ロッドに対する外側からの接触を操作ロッドとともに移動するロッドカバー部材により防ぐことができる。
【0009】
前記ロッドカバー部材は、前記ガイド部材に対する一端側の拘束力は前記操作ロッドに対する他端側の拘束力よりも小さくてもよい。この場合、操作ロッドから遠いロッドカバー部材の一端側におけるガイド部材の拘束力が比較的小さくなるように構成され、操作ロッドの動作に関し自由度が向上する。なお、ここでいう拘束力とは、ガイド部材あるいは操作ロッドによって拘束される程度を示し、所定の大きさの力で拘束されている場合だけではなくまったく拘束を受けていない場合にも適用しうる概念である。
【0010】
前記ロッドカバー部材は、折り畳み可能な折り畳み部を含んでいてもよい。この場合、ロッドカバー部材は、操作ロッドの移動に応じて折り畳み部を適宜折り畳むことができるので、効率的な配置、収容が可能となる。なお折り畳み部は、任意の折り畳み態様のものが含まれ、例えば蛇腹状に形成されたもの、径が異なる複数の環状部材が組み合わされて各環状部材がたけのこ状に伸縮・折り畳み可能に形成されたもの、等が含まれうる。
【0011】
また本発明の別の態様はスライド式操作機構に関する。このスライド式操作機構は、伸長操作を受ける操作ロッドと、前記操作ロッドの外側に配置され、少なくとも一部が前記操作ロッドに取り付けられて前記操作ロッドの移動に追従するロッドカバー部材と、を備える。当該スライド式操作機構によれば、操作ロッドに対する外側からの接触を操作ロッドに追従するロッドカバー部材によって効果的に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のステッキ式パーキングブレーキ装置あるいはスライド式操作機構によれば、操作ロッドの移動に追従するロッドカバー部材により操作ロッドがカバーされ、衣服等が操作ロッドに直接接触してしまうことを効果的に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の各実施の形態では、本発明をパーキングブレーキ装置に適用した例について説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態におけるパーキングブレーキ装置100の全体構成を示す図である。パーキングブレーキ装置100は、伸長操作を受けて制動力発生部54を制御する操作ロッド10と、操作ロッド10の移動をガイドするプランジャガイド24と、プランジャガイド24の一端部に取り付けられた第1取付ブラケット20と、プランジャガイド24の他端部に取り付けられた第2取付ブラケット21と、を備える。
【0015】
操作ロッド10は、グリス等の潤滑剤が塗布された円柱状のプランジャ12と、プランジャ12の一端に取り付けられた操作部13とを有する。操作部13は、ハンドルグリップ14と、ハンドルグリップ14に取り付けられた操作ボタン16とを含む。ハンドルグリップ14は、操作ロッド10をスライド移動させる際にドライバー等が把持する箇所である。操作ボタン16は、プランジャ12と操作部13の拘束状態をコントロールする。操作ボタン16が押されていない状態の場合、プランジャ12と操作部13は、プランジャ12を軸にした回転方向に関し相互に独立して構成されており、操作部13を当該回転方向に回転させたとしてもプランジャ12を回転させることはできない。一方、操作ボタン16が押されている状態の場合、プランジャ12と操作部13は、図示しない拘束具により固定されプランジャ12を軸にした回転方向に関し相互に拘束した状態で構成され、操作部13を当該回転方向に回転させるとプランジャ12も操作部13とともに回転する。
【0016】
プランジャ12には長手方向に沿って多数のラチェット歯18が形成されており、これらのラチェット歯18は後述するラチェット爪22とともにラチェット機構を構成する。またプランジャ12は、操作部13の近傍において所定の大きさの溝を形成するカバー取付用溝部26を有する。図2は、プランジャ12のうちカバー取付用溝部26の周辺部の構成を示す図である。このカバー取付用溝部26は、プランジャ12の他の部分に比べて小さい径を有するので、カバー取付用溝部26の周辺部には段付き部28が形成される。またプランジャ12には回転矯正ピン(図示せず)が取り付けられており、この回転矯正ピンは後述するプランジャガイド24に形成された案内溝と協働して操作ロッド10の回転位置を矯正する。
【0017】
図1に示すプランジャガイド24は、プランジャ12の伸長方向へ延設され、プランジャ12を内包可能な円筒状の構造を有し、その円筒径はほぼ一定に形成されている。このような構造を有するプランジャガイド24は、ドライバー等によって操作される操作ロッド10が適切な方向へ移動するように、内包するプランジャ12のスライド動作をガイドする役割を果たす。プランジャガイド24には案内溝(図示せず)が形成されている。この案内溝は所定の軌跡をもち、プランジャ12に取り付けられた回転矯正ピンの移動を案内する役割を果たす。後述するように、回転矯正ピンが案内溝に沿って移動することで、プランジャガイド24から突出した状態で回転させられた操作ロッド10がプランジャガイド24に押し込まれるにしたがって徐々に回転前の状態に回復する。
【0018】
第1取付ブラケット20および第2取付ブラケット21は、車体ボディー等の部材に取り付けられる箇所であり、プランジャガイド24、プランジャガイド24に内包されるプランジャ12を含む操作ロッド10、およびプランジャガイド24に嵌合して取り付けられた後述する筒状ロッドカバー30を固定支持する役割を果たす。
【0019】
第1取付ブラケット20にはプーリ50が取り付けられている。このプーリ50は、プランジャガイド24に一端部が取り付けられたブレーキワイヤ(図示せず)を所定の方向へ案内する機能をもつ。一端部がプランジャガイド24に取り付けられたブレーキワイヤは、プーリ50によって方向が調整され、他端部が制動力発生部54に接続されている。なおブレーキワイヤは、その周囲がワイヤカバー52により覆われて保護されている。
【0020】
制動力発生部54は、ブレーキワイヤによる引っ張り力を利用して所望の制動力を発生させる装置であり、例えばブレーキドラムにブレーキシューを押し当てることで制動力を発生させるドラムブレーキや、ディスクローターにブレーキパッドを押し当てることで制動力を発生させるディスクブレーキなどが利用される。
【0021】
第2取付ブラケット21には複数(2個)のラチェット爪22が取り付けられており、このラチェット爪22は、ラチェット歯18との噛み合いにより操作ロッド10の位置を保持する機能をもつ。ラチェット歯18は、歯の両側で異なる傾斜を有しており、図1中の左側(矢印A側)の傾斜は比較的急な傾きを有するのに対し、図1中右側(矢印B側)の傾斜は比較的緩やかな傾きを有する。そのため、ラチェット歯18と噛み合った状態のラチェット爪22は、比較的スムーズにラチェット歯18の右側傾斜部に乗り上げて左側傾斜部に移動可能であるのに対し、ラチェット歯18の左側傾斜部から右側傾斜部への移動は非常に困難である。そのため、ラチェット歯18とラチェット爪22とが噛み合った状態で保持された場合、操作ロッド10は、外部から加えられる力により図1中の矢印B方向へ移動することは比較的容易であるが、矢印A方向へ移動することは原則として禁止される。
【0022】
プランジャ12およびプランジャガイド24の外側には筒状ロッドカバー30が設けられている。この筒状ロッドカバー30は、後述するように操作ロッド10のスライド移動に追従して、プランジャガイド24から突出したプランジャ12のカバーとしての役割を果たす。この筒状ロッドカバー30の一端部は、固定部材のプランジャガイド24の外側に嵌合して取り付けられ、筒状ロッドカバー30の他端部は、カバー取付用溝部26に嵌め込まれてプランジャ12に取り付けられている。プランジャガイド24の円筒径の大きさはほぼ一定であるため、筒状ロッドカバー30の一端部は、プランジャガイド24に沿って操作ロッド10の伸長方向へスムーズにスライド移動することが可能である。一方、筒状ロッドカバー30の他端部は、段付き部28に引っ掛かることでカバー取付用溝部26とともに移動する。
【0023】
図3は、筒状ロッドカバー30の構成を示す図である。筒状ロッドカバー30は、所定の樹脂で構成されており、半円筒状のカバーボディー32と、カバーボディー32の一端部に形成されたガイド取付用端部36と、カバーボディー32の他端部に形成されたロッド取付用端部34とを有する。カバーボディー32の一方の側壁部は、切り欠かれて、ボディー傾斜部38を有する。ロッド取付用端部34およびガイド取付用端部36の各々は、一部が切り欠かれたC字状のリング形状を有しており、ロッド取付用端部34のC字状端部およびガイド取付用端部36のC字状端部はそれぞれテーパー状を有する。
【0024】
ロッド取付用端部34の切り欠き部とガイド取付用端部36の切り欠き部とは異なる方向を向いて形成されており、これらの切り欠き部同士は約90度ずれた方向を向いている。ロッド取付用端部34のC字状端部同士の距離は当該C字状端部のリング径よりも小さく、ガイド取付用端部36のC字状端部同士の距離は当該C字状端部のリング径よりも小さい。またロッド取付用端部34のC字状端部同士の距離は、ガイド取付用端部36のC字状端部同士の距離よりも小さい。また、ロッド取付用端部34のリング径は、ガイド取付用端部36のリング径よりも小さい。また、ロッド取付用端部34の最小リング径はカバー取付用溝部26の外径とほぼ同じであり、ガイド取付用端部36のリング径はプランジャガイド24の外径よりもやや大きい。以上の事情からプランジャガイド24に対するガイド取付用端部36の拘束力はプランジャ12に対するロッド取付用端部34の拘束力よりも小さい。
【0025】
次に、本実施の形態のパーキングブレーキ装置100の作用について説明する。
【0026】
図4および図5は、操作ロッド10の移動に応じた筒状ロッドカバー30の配置を示す図である。図4は、操作ロッド10が押し込まれてプランジャ12の大部分がプランジャガイド24に収容されている状態を示す図であり、図5は、操作ロッド10が引っ張られてプランジャガイド24からプランジャ12が大きく突出した状態を示す図である。
【0027】
制動力を発生させていない状態の制動力発生部54で所望の制動力を発生させる場合、ドライバー等は、操作ロッド10が押し込まれた状態(図4参照)のハンドルグリップ14を把持して、操作ロッド10を引っ張る。これにより操作ロッド10がプランジャガイド24に沿って伸長方向へ移動し(図5参照)、プランジャ12に取り付けられたブレーキワイヤは操作ロッド10の移動とともに引っ張られ、制動力発生部54ではブレーキワイヤの引っ張り力が利用されて制動力が発生される。この時、筒状ロッドカバー30は、カバー取付用溝部26に嵌め込まれた一端部がプランジャ12とともに図中矢印B方向へ移動し、他端部がプランジャガイド24に沿って図中矢印B方向へスライド移動する。そのため筒状ロッドカバー30は、操作ロッド10の移動に追従し、図4に示すようにプランジャガイド24から突出したプランジャ12を覆ってカバーする。これにより、プランジャ12がプランジャガイド24から大きく突出している状態でドライバー等がそのプランジャ12の周辺を移動する場合であっても、プランジャ12は筒状ロッドカバー30によってカバーされているので、プランジャガイド24から突出したプランジャ12に対しドライバー等の衣服などが直接接触してしまうことを防ぐことができる。例えば操作ロッド10や筒状ロッドカバー30を車両ドライバー等の脚部が触れやすい位置に設置する場合には、プランジャ12に対して脚部が接触しやすい位置に応じて筒状ロッドカバー30を配置することが好ましい。一例として「プランジャ12の下方」に車両ドライバー等の脚部が触れやすい場合には、プランジャ12の下側が筒状ロッドカバー30によって覆われるように筒状ロッドカバー30を配置することで、車両ドライバー等の脚部とプランジャ12との直接接触を防ぐことができる。
【0028】
なお、所望の制動力を制動力発生部54において発生させた状態でドライバー等による操作ロッド10の把持が解放された場合、操作ロッド10はブレーキワイヤによって図中矢印Aの方向へ引っ張られるが、上述のラチェット機構により操作ロッド10の位置は保持され、制動力発生部54で発生されている制動力は維持される。
【0029】
一方、制動力発生部54で発生させている制動力を解除する場合、ドライバー等は、操作ロッド10が引っ張られた状態(図5参照)のハンドルグリップ14を把持して、操作ボタン16を押しながらプランジャ12を軸にして図中矢印Cの方向へ操作ロッド10を回転させる。これによりラチェット歯18とラチェット爪22の噛み合いが外れ、操作ロッド10の図中矢印A方向への移動禁止が解除される。ドライバー等は、ラチェット歯18とラチェット爪22の噛み合いが外れた状態で、操作ロッド10をプランジャガイド24に沿って図中矢印A方向へ押し込む(図4参照)。これにより、プランジャ12に取り付けられたブレーキワイヤの緊張が緩んで制動力発生部54に対するブレーキワイヤの引っ張り力も小さくなり、制動力発生部54で発生される制動力の大きさも徐々に低減して、最終的には制動力発生部54における制動力の発生が解除される。この時、筒状ロッドカバー30は、カバー取付用溝部26に嵌め込まれた一端部がプランジャ12とともに図中矢印A方向へ移動し、他端部がプランジャガイド24に沿って図中矢印A方向へスライド移動する。そのため、操作ロッド10を押し込んでパーキングブレーキ装置100における制動力を解除する間も、プランジャガイド24から突出したプランジャ12は筒状ロッドカバー30によってカバーされ、ドライバー等の衣服などがそのようなプランジャ12に直接接触してしまうことを防ぐことができる。
【0030】
なお、図中矢印C方向へ回転させられた操作ロッド10は、回転矯正ピンが案内溝に沿って移動する回転矯正ピンにより、プランジャガイド24に押し込まれるのにしたがって徐々に回転前の状態に回復し、最終的にはラチェット歯18とラチェット爪22とが再び噛み合う。
【0031】
以上説明したように本実施の形態によれば、プランジャガイド24から突出したプランジャ12を覆う筒状ロッドカバー30により、プランジャ12のグリス、異物等がドライバー等の衣服などに付着してしまうことを防ぐことができる。また、プランジャガイド24に沿ってスライド移動する筒状ロッドカバー30をプランジャ12のカバー部材として利用することにより、スペースを有効に活用することができ、省スペース化を図ることができる。
【0032】
また本実施の形態では、C字状のロッド取付用端部34やガイド取付用端部36をプランジャ12やプランジャガイド24に対して嵌め込むことにより筒状ロッドカバー30がプランジャ12に取り付けられるという簡素な構造を有しており、既存のステッキ式パーキングブレーキ装置に対しても簡単に応用することが可能である。図1乃至図5に示す態様の筒状ロッドカバー30を利用する場合には、既存のステッキ式パーキングブレーキ装置に対してプランジャにカバー取付用溝部26を設けることで上述の筒状ロッドカバー30の取り付けが可能となる。また、上述の筒状ロッドカバー30以外のカバーであっても、プランジャに対するカバーの取付部位の形状等を工夫することで、既存のステッキ式パーキングブレーキ装置に対して容易に取り付けることが可能である。
【0033】
また、プランジャガイド24に対するガイド取付用端部36の拘束力をプランジャ12に対するロッド取付用端部34の拘束力よりも小さくすることで、筒状ロッドカバー30は操作ロッド10の回転操作に対して比較的柔軟に対応することが可能である。例えば、操作ロッド10の回転操作時に、なんらかの不測の事態が起こって筒状ロッドカバー30の回転方向の移動に障害が生じた場合であっても、プランジャガイド24に対するガイド取付用端部36の取り付け態様が適宜調整されて、操作ロッド10を回転移動させることが可能である。なお、操作ロッド10の回転方向の自由度を向上させる観点からは、筒状ロッドカバー30の形状、材質を回転ねじれ方向の自由度が高い弾性に富んだ形状、材質とすることが好ましい。
【0034】
また、プランジャガイド24に対するガイド取付用端部36の拘束力を比較的緩やかなものとすることで、プランジャガイド24に対する筒状ロッドカバー30の接触力を小さくすることができ、プランジャガイド24の表面塗装がはがれることを効果的に防止することも可能である。また、ガイド取付用端部36がプランジャガイド24から万が一外れても、ロッド取付用端部34がプランジャ12に対してしっかりと取り付けられているので、筒状ロッドカバー30は、操作ロッド10のスライド移動や回転移動に柔軟に対応することが可能である。
【0035】
また、ロッド取付用端部34およびガイド取付用端部36のC字状端部をテーパー状に構成することで、筒状ロッドカバー30を操作ロッド10に取り付ける際に筒状ロッドカバー30に作用する荷重を低減させることができ、筒状ロッドカバー30をスムーズに操作ロッド10に装着することができる。また、ロッド取付用端部34の切り欠き部の方向およびカバー取付用溝部26の切り欠き部の方向が異なる方向となるように形成することで、操作ロッド10に対する筒状ロッドカバー30の取り付け安定性が向上し、外力に対して強い構造とすることができる。なお、重力に対抗する観点からは、本実施の形態のガイド取付用端部36のように、ロッド取付用端部34およびガイド取付用端部36のうち少なくとも一方は、筒状ロッドカバー30が操作ロッド10に取り付けられた際に鉛直方向上側に部材が配置されるような構造とすることが好ましい。
【0036】
なお、「プランジャガイド24に対するガイド取付用端部36の拘束力」あるいは「プランジャ12に対するロッド取付用端部34の拘束力」は、上述以外の要素によっても調整可能である。これらの拘束力は、ロッド取付用端部34およびガイド取付用端部36のリング径、切り欠き部の大きさや形状、操作ロッド伸長方向への厚み、構成部材の組成、剛性率、等に基づいて調整されうる。従って、これらの各要素を適宜調整することで、プランジャガイド24に対するガイド取付用端部36の拘束力をプランジャ12に対するロッド取付用端部34の拘束力よりも小さく調整することが可能である。
【0037】
また、「プランジャ12に対するロッド取付用端部34の拘束力」や「プランジャガイド24に対するガイド取付用端部36の拘束力」を適宜調整することで、操作ロッド10を図中C方向へ回転させる際に、筒状ロッドカバー30のロッド取付用端部34が操作ロッド10とともに回転するように構成することもできるし、回転しないように構成することもできる。
【0038】
(第2の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0039】
図6は、第2の実施の形態におけるパーキングブレーキ装置100の全体構成を示す図である。本実施の形態では、筒状ロッドカバー30の代わりに蛇腹状の蛇腹部42を有する蛇腹状ロッドカバー40が用いられている。
【0040】
蛇腹状ロッドカバー40の一端部は、固定部材であるプランジャガイド24の他端部に固着され、蛇腹状ロッドカバー40の他端部は、カバー取付用溝部26に嵌め込まれて取り付けられている。蛇腹部42は、蛇腹形状を利用した折り畳み可能な構造を有する。そのため蛇腹状ロッドカバー40は、端部同士が近接した位置に配置される場合には蛇腹部42が折り畳まれて全長がコンパクトなサイズとなり、一方、端部同士が比較的遠く離れた位置に配置される場合には蛇腹部42が伸びて全長も長くなる。
【0041】
なお、蛇腹状ロッドカバー40は、蛇腹部42が折り畳まれた状態での全長が、操作ロッド10が押し込まれてプランジャ12がプランジャガイド24に収容された状態にある場合の蛇腹状ロッドカバー40の固着部同士の距離以下となるように形成される。また、蛇腹状ロッドカバー40は、蛇腹部42が引き延ばされた状態での全長が、操作ロッド10が引っ張られてプランジャ12がプランジャガイド24から突出した状態にある場合の蛇腹状ロッドカバー40の固着部同士の距離以上となるように形成される。
【0042】
他の構成は、上述の第1の実施の形態とほぼ同一とすることができる。
【0043】
本実施の形態では、プランジャガイド24から突出したプランジャ12が、蛇腹部42の折り畳み状態が適宜調整された蛇腹状ロッドカバー40により覆われてカバーされる。操作ロッド10が押し込まれた状態にある場合には、蛇腹部42が折り畳まれた状態の蛇腹状ロッドカバー40によってプランジャ12は覆われ、操作ロッド10が引っ張られた状態にある場合には蛇腹部42が伸張した状態の蛇腹状ロッドカバー40によってプランジャ12は覆われる。
【0044】
そのため、ドライバー等が操作ロッド10の近辺を移動するような場合であっても、プランジャガイド24から突出するプランジャ12は蛇腹状ロッドカバー40によってカバーされており、衣服等がそのようなプランジャ12に直接接触してしまうことを効果的に防いでいる。
【0045】
なお、蛇腹状ロッドカバー40の取付位置は上述のものに限定されない。例えば、蛇腹状ロッドカバー40の一端部を、プランジャガイド24の他の箇所や第2取付ブラケット21等の他の固定部材に取り付けることも可能である。従って、蛇腹状ロッドカバー40の一端部を第2取付ブラケット21を挟んだ状態で図中矢印Dの位置のプランジャガイド24に取り付けることも可能である。また、蛇腹状ロッドカバー40の他端部を操作ロッド10の他の部分に取り付けることも可能である。
【0046】
本発明は上述の各実施の形態や変形例に限定されるものではなく、各実施の形態やその変形例の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施の形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施の形態やその変形例に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【0047】
例えば、上述の事項はパーキングブレーキ装置だけでなく、伸張操作を受ける操作ロッドを備える機器類であれば応用可能であり、操作ロッドの外側に配置したカバー部材の少なくとも一部をその操作ロッドに取り付けることで、カバー部材を操作ロッドの移動に追従させてカバーとしての機能させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1の実施の形態におけるパーキングブレーキ装置の全体構成を示す図である。
【図2】プランジャのうちカバー取付用溝部の周辺部の構成を示す図である。
【図3】筒状ロッドカバーの構成を示す図である。
【図4】操作ロッドが押し込まれてプランジャの大部分がプランジャガイドに収容されている状態を示す図である。
【図5】操作ロッドが引っ張られてプランジャガイドからプランジャが大きく突出した状態を示す図である。
【図6】第2の実施の形態におけるパーキングブレーキ装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 操作ロッド、 12 プランジャ、 13 操作部、 14 ハンドルグリップ、 16 操作ボタン、 18 ラチェット歯、 20 第1取付ブラケット、 21 第2取付ブラケット、 22 ラチェット爪、 24 プランジャガイド、 26 カバー取付用溝部、 28 段付き部、 30 筒状ロッドカバー、 32 カバーボディー、 34 ロッド取付用端部、 36 ガイド取付用端部、 38 ボディー傾斜部、 40 蛇腹状ロッドカバー、 42 蛇腹部、 50 プーリ、 52 ワイヤカバー、 54 制動力発生部、 100 パーキングブレーキ装置。




 

 


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