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発明の名称 駐車支援装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−35986(P2006−35986A)
公開日 平成18年2月9日(2006.2.9)
出願番号 特願2004−217570(P2004−217570)
出願日 平成16年7月26日(2004.7.26)
代理人 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
発明者 岩▲崎▼ 克彦 / 遠藤 知彦
要約 課題
誘導可能な初期位置・姿勢の範囲を拡大した駐車支援装置を提供する。

解決手段
駐車位置Gに対する車両の初期位置Aを測定して、A点からG点への経路を生成し、これにに基づいて自動操舵または運転者の操舵支援を行うことで車両の誘導を行う駐車支援装置において、任意の偏向角からG点での偏向角へと移行する基本経路と、A点とG点との位置関係と、からA点からG点へと至る経路生成を可能とする上記任意の偏向角が満たすべき条件を求め、設定した条件から目標偏向角θを設定し、A点から偏向角をこの目標偏向角θへと修正するB点を通る誘導経路を算出してこれに基づいて車両を誘導する。
特許請求の範囲
【請求項1】
駐車位置に対する車両の初期位置を測定する測定手段と、初期位置から駐車位置までの経路を生成する経路生成手段と、生成した経路に基づいて自動操舵または運転者の操舵支援を行うことで車両の誘導を行う誘導手段を備える駐車支援装置において、
任意の偏向角から目標駐車位置での偏向角へと移行する基本経路と、初期位置と目標位置との位置関係と、から経路生成手段による目標駐車位置への経路生成を可能とする該任意の偏向角が満たすべき条件を求める偏向角条件算出手段と、
求めた偏向角条件に応じて目標偏向角を設定する目標偏向角設定手段と、
初期位置における偏向角を該目標偏向角へと修正する偏向角補正手段と、をさらに備えていることを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
前記目標偏向角設定手段は、初期位置の偏向角が求めた偏向角条件を満たさない場合に目標偏向角の設定を行うことを特徴とする請求項1記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記目標偏向角設定手段は、初期偏向角から目標偏向角への偏向角修正による車両の移動を考慮して目標偏向角の設定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記目標偏向角設定手段は、偏向角修正後の車両が、初期位置から初期偏向角方向に延長した線上に到達するものと仮定することにより、偏向角修正時の車両の移動の考慮を行うことを特徴とする請求項3記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記偏向角補正手段による誘導経路設定が不能な場合に経路設定不可と判定する判定手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の駐車支援装置。
【請求項6】
前記目標偏向角設定手段は、前記基本経路を相似拡大して目標偏向角を設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の駐車支援装置。
【請求項7】
前記経路生成手段は、前記偏向角補正手段で算出した誘導経路走行後に経路の再設定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の駐車支援装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、初期位置から目標駐車位置までの移動を自動操舵または運転者の操舵支援により行う駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場や駐車スペース等の目標駐車位置へ車両を移動させる駐車操作は、ブレーキ、アクセルやステアリング操作、さらに、マニュアル車ではクラッチ操作等を必要とすることから、操作が複雑であるとともに、他車両等の障害物や歩行者等注意を払うべき範囲が広く、駐車操作を苦手とする運転者は多い。このため、駐車操作における運転者の負担を軽減すべく、駐車操作中の操舵を自動的に行ったり、必要な操舵量を運転者に音声等で指示する駐車支援装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1は、駐車領域に対する車両の位置および姿勢から、車両が最大舵角以下の舵角で後退した場合に駐車可能か否かを判定手段により判定し、駐車可能と判定した場合に駐車位置へ誘導する経路を求め、求めた経路に沿って車両を誘導することにより、切り返し操作無しで車両を1度で駐車領域内へと導くようにすることで、経路算出・誘導時の制御ロジックを簡略化している。
【特許文献1】特開2001−163235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術においては、車両が駐車スペースから横方向に離れており、かつ、車両の偏向角が小さい場合など直進後退しても駐車スペースへの到達が不十分な場合には経路設定が不可能だとして誘導を行わず、運転者に初期位置の変更を指示している。しかし、駐車操作を苦手とする運転者にとっては、適切な初期位置の選択自体が難しい運転操作である。また、このような初期位置・姿勢からであっても適切な操舵操作を行うことで一度の後退操作で駐車位置へ到達できる場合もあるが、そうした位置・姿勢にあるか否かは駐車操作を苦手とする運転者にとって判断することが難しい。
【0005】
そこで本発明は、誘導可能な初期位置・姿勢の範囲を拡大した駐車支援装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る駐車支援装置は、駐車位置に対する車両の初期位置を測定する測定手段と、初期位置から駐車位置までの経路を生成する経路生成手段と、生成した経路に基づいて自動操舵または運転者の操舵支援を行うことで車両の誘導を行う誘導手段を備える駐車支援装置において、(1)任意の偏向角から目標駐車位置での偏向角へと移行するための基本経路と、初期位置と目標位置との位置関係と、から経路生成手段による目標駐車位置への経路生成を可能とする該任意の偏向角が満たすべき条件を求める偏向角条件算出手段と、(2)求めた偏向角条件に応じて目標偏向角を設定する目標偏向角設定手段と、(3)初期位置における偏向角を該目標偏向角へと修正する偏向角補正手段と、をさらに備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る駐車支援装置は、基本的に任意の偏向角から目標駐車位置における偏向角へと移行するための経路を基本経路とし、この基本経路の前後に直線経路を付加することで目標駐車位置へと至る経路を生成するものである。ここで、基本経路と、初期位置と目標位置との位置関係と、から目標駐車位置への経路生成を可能とする、この任意の偏向角が満たすべき偏向角条件を求める。求めた偏向角条件から、経路生成を可能とする目標偏向角を求め、偏向角をこの目標偏向角へと修正する誘導経路を求める。誘導手段はこの誘導経路に沿って車両を誘導することで目標駐車位置へと車両を誘導する。
【0008】
目標偏向角設定手段は、初期位置の偏向角が求めた偏向角条件を満たさない場合に目標偏向角の設定を行えばよい。求めた偏向角条件を満たさない場合には、初期位置からは、基本経路の前後に直線経路を付加した経路が生成できない場合を意味し、この場合には、偏向角の修正が不可避である。
【0009】
目標偏向角設定手段は、初期偏向角から目標偏向角への偏向角修正による車両の移動を考慮して偏向角条件の設定を行うことが好ましい。偏向角、つまり車両の向きを変更するには、通常は車両を移動させる必要がある。このため、偏向角を修正することで、車両の位置も変わり、その位置において満たすべき目標偏向角も変化するからである。
【0010】
この場合、目標偏向角設定手段は、偏向角修正後の車両が、初期位置から初期偏向角で直進後退した場合の延長線上に到達するものと仮定することにより、偏向角修正時の車両の移動の考慮を行うとよい。
【0011】
偏向角補正手段による誘導経路設定が不能な場合には、これに接続される経路設定も不能となる。したがって、偏向角補正手段による誘導経路設定が不能な場合に経路設定不可と判定する判定手段を備えていてもよい。
【0012】
目標偏向角設定手段は、基本経路を相似拡大して目標偏向角を設定するとよい。接続される基本経路を相似拡大した経路は、基本経路より操舵量を緩やかにする経路であり、経路設定に余裕が生じる。
【0013】
経路生成手段は、偏向角補正手段で算出した誘導経路走行後に経路の再設定を行うとよい。誘導経路走行後に実際に得られる偏向角や到達位置には誤差が生じる可能性があり、再設定によりこれらの誤差の修正を行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、初期位置として目標駐車位置から横方向で離れた位置を設定し、その偏向角が小さい場合でも、偏向角を修正して目標駐車位置へと至る経路を生成することができる。このため、初期位置として設定可能な領域を横方向へと拡大することができ、経路を設定できる可能性が高まるので、支援装置の適用範囲が広がり、その使い勝手が向上する。
【0015】
偏向角の修正を修正が不可避な場合のみに行うことで、必要な場合のみに偏向角修正のための誘導経路の計算やそれに基づく誘導を行い、初期位置の状況に応じて適切な誘導制御を選択することが可能となる。
【0016】
初期偏向角から目標偏向角への偏向角修正による車両の移動を考慮して偏向角を設定することで、この偏向角修正時の修正精度が向上する。このため、目標駐車位置への誘導精度も向上する。特に、修正後の車両位置を限定することで、偏向角修正時における誘導精度の向上も図れる。
【0017】
偏向角修正手段による誘導経路設定が不能な場合には、駐車位置へ到達する経路全体の設定も困難であるから、このような場合には、初期位置の変更を促すとよい。本発明においては、誘導可能な初期位置・姿勢範囲が拡大しているので、初期位置を移動すべきケースを減らすことができるため、運転者の負担が軽減される。
【0018】
基本経路を相似拡大して目標偏向角を求めておくことで、偏向角修正後に移行する誘導経路では、基本経路より操舵量が緩やかですむ。このため、偏向角修正後の移動位置に誤差が生じた場合の修正が容易になるほか、移行後の誘導経路においては、自動操舵時は操舵装置の負担を軽減でき、操舵支援時には、運転者の操舵負担が軽減されるので、誘導路に沿った移動の精度が向上する。
【0019】
偏向角修正後に経路の再設定を行うことで、偏向角修正時の誘導誤差を吸収することができ、目標駐車位置への到達精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0021】
図1は、本発明に係る駐車支援装置の実施形態を示すブロック構成図である。この駐車支援装置100は、自動操舵装置20を備えており、制御装置である駐車支援ECU1により制御される。駐車支援ECU1は、CPU、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などにより構成され、後述する後方カメラ32で取得された画像を処理する画像処理部10と、自動操舵装置の制御を行う操舵制御部11を有している。この画像処理部10と操舵制御部11とは駐車支援ECU1内でハード的に区分されていてもよいが、共通のCPU、ROM、RAM等を用い、ソフト的に区分されていてもよい。
【0022】
ステアリングホイール22の動きを転舵輪25に伝えるステアリングシャフト21には、ステアリングシャフト21の操舵量を検出する操舵角センサ23と、操舵力を付与する操舵アクチュエータ24が接続されている。ここで、操舵アクチュエータ24は、自動操舵時に操舵力を付与するほか、運転者の操舵時にアシスト操舵力を付与するパワーステアリング装置を兼ねてもよい。操舵制御部11は、操舵アクチュエータ24の駆動を制御するとともに、操舵角センサ23の出力信号が入力される。操舵制御部11と、ステアリングシャフト21、ステアリングホイール22、操舵角センサ23、操舵アクチュエータ24、転舵輪25とは自動操舵装置20を構成する。
【0023】
駐車支援ECU1の前述した画像処理部10には、車両後部に配置されて、後方画像を取得する後方カメラ32の出力信号である画像信号が入力されている。また、駐車支援ECU1には、このほか、各輪に配置されてその車輪速を検出する車輪速センサ41と、車両の加速度を検出する加速度センサ42、駐車支援にあたって運転者の操作入力を受け付ける入力手段31の各出力信号が入力されるとともに、運転者に対して画像により情報を表示するモニタ34と、音声により情報を提示するスピーカー33が接続されている。
【0024】
図2は、この駐車支援ECU1の詳細構成を示すブロック構成図である。駐車支援ECU1内は、画像処理部10、操舵制御部11のほかに、測定手段12、偏向角条件算出手段13、目標偏向角設定手段14、偏向角補正手段15、判定手段16、経路生成手段17、誘導手段18を備えている。これらの手段の機能については、後述する駐車支援動作の説明においてそれぞれ詳述する。
【0025】
次に、この駐車支援装置における支援動作を具体的に説明する。図3は、支援動作の処理フローチャートである。ここでは、車両を道路に面した車庫等に後退操作で収容する、いわゆる車庫入れ操作を行う場合を例に説明する。
【0026】
図3に示される制御は、駐車支援ECU1により実行されるものであり、運転者が初期位置A点(以下、車両位置をその重心位置で表す。)において、シフトレバーを後退にセットし、入力手段31を操作して、駐車支援制御の開始を駐車支援ECU1に指示することにより開始される。
【0027】
まず、運転者はモニタ34に表示されている後方カメラ32で撮像した画像を見ながら、入力手段31を操作することにより、モニタ34の画面上に表示されている駐車枠を動かして目標駐車位置へと移動させることにより目標駐車位置Gの設定を行う(ステップS2)。
【0028】
駐車支援ECU1の測定手段12は、設定された目標駐車枠位置を基にして、目標駐車位置Gを原点とし、その位置における車両の前後軸方向をy軸とし、これに直交する水平方向をx軸方向として、現在位置である初期位置A点の位置座標(x,y)および初期偏向角θを算出する(ステップS4)。
【0029】
次に、偏向角条件算出手段13により、初期位置A点から目標駐車位置G点へと、偏向角修正を行うことなく移動可能か否かの判定を行う(ステップS6)。具体的には、図4に示されるように、単位走行距離あたり最大の操舵速度で操舵を行いながら後退した場合に、偏向角θを0とする経路(以下、これを基本経路と称する。)を考慮する。
この経路のx方向の長さをx、y軸方向の長さをyとすると、この基本経路の前後に直線経路を付与してA点からG点への移動が可能な場合には、以下の式(1)が成り立つ。
【0030】
【数1】


【0031】
ここで、x、yはθに応じて一意に決定されるから、
【0032】
【数2】


【0033】
と表せる。(2)式を(1)式に代入すると、
【0034】
【数3】


【0035】
よって、この条件が満たされない場合には、基本経路またはその前後に直線経路を付与した経路を用いてはA点からG点への移動ができない。この場合、偏向角θを初期偏向角θより大きくしない限り経路設定ができない。つまり、偏向角条件算出手段13は、(3)式を用いて、偏向角修正を行わずに経路設定が可能か否かを判定する。
【0036】
ステップS6の条件((3)式)を満たさない場合には、目標偏向角設定手段14により、目標偏向角の設定を行う(ステップS8)。先に、その原理を説明する。図5に示されるように、操舵しながら位置B(xp,yp)へと後退し、その偏向角をθより大きなθpとすることで、B点において(3)式に相当する下記の(4)式を満たすようにすることも可能な場合がある。
【0037】
【数4】


【0038】
ここで、偏向角の修正に必要な走行距離の長さをLとし、B点がA点から初期偏向角θ0方向に延長した線上に位置するものと仮定すると、(5)式が成り立つ。
【0039】
【数5】


【0040】
さらに、上述した基本経路は、単位走行距離あたり最大の操舵速度で移動する経路であるため、操舵アクチュエータ24への負荷が大きくなる。また、この基本経路へと接続するようB点を設定した場合、制御上の誤差や(5)式の仮定からのずれなどによっては、到達地点がB点から多少ずれるばあいがありうる。このような場合に、限界的な基本経路を設定していると、G点へ至る経路の設定が困難になる場合もありうる。そこで、基本経路を相似拡大した経路へと接続するようにB点を設定する。この場合、(4)式に代えて、以下の(6)式と(5)式に基づいて目標偏向角θを求める。
【0041】
【数6】


【0042】
ここで、κ>1とすることで、基本経路を相似拡大している。このように相似拡大することで、単位走行距離あたりの操舵量を緩やかなものとすることができ、操舵アクチュエータ24への負荷を軽減できる。また、この相似拡大経路へと接続するようB点を設定した場合も、制御上の誤差や(5)式の仮定からのずれなどによって到達地点がB点からずれた場合であってもそこからG点へ至る経路の設定が容易になる。
【0043】
(5)(6)式は、直接解くことが難しいので、2分法等を用いて(5)(6)式を満たす目標偏向角θを求めるとよい。2分法による目標偏向角設定の具体的な処理内容を図6に示す。まず、計算に用いる変数θ、θ、θoldのそれぞれに、θ、θmax、θをそれぞれ設定する(ステップS52)。そして、偏向角候補θとして、θとθの中間値(平均)をとる(ステップS54)。
【0044】
次に、求めた偏向角候補θtに対応するb点までの距離Lを設定し、(5)式よりB点を求める(ステップS56)。ここでは、Lとしては、一定距離として設定する手法、A点とG点の距離に応じて定める手法(AB間の距離とAG間の距離の比を一定にする手法やAB間のx軸方向の距離とAG間のx軸方向の距離の比を一定にする手法等がある。)、偏向角の修正角度であるΔθ=θ−θに応じて設定する手法のいずれかを用いればよい。
【0045】
(5)式からB点の値を求めたら、(6)式のθにステップS54で求めたθを代入して、(6)式の関係(偏向角条件)が満たされているか否かを判定する(ステップS58)。関係が満たされていると判定した場合には、θをθで更新し、判定フラグFlagXに満たされていることを示す1を格納する(ステップS60)。一方、関係が満たされていないと判定した場合には、θをθで更新し、判定フラグFlagXに満たされていないことを示す0を格納する(ステップS62)。
【0046】
ステップS60、62終了後は、ステップS64へと移行して、θoldとθの差の絶対値が所定のしきい値Δθth(例えば、5°に設定する。)未満か否かを判定する。θoldとθの差の絶対値がΔθth以下の場合には、設定処理を終了する。一方、θoldとθの差の絶対値が所定のしきい値Δθthを超えている場合には、ステップS66へと移行し、θoldに現在のθtの値を格納した後に、ステップS54へと戻る。
【0047】
このようにして目標偏向角θ(θ)の設定処理を終了したら、図3に示されるフローチャートのステップS10へと移行し、目標偏向角の設定の成否を判定する。この判定は、FlagXの値を参照することで行えばよい。
【0048】
目標偏向角の設定が不能であった場合には、現在の初期位置A点からはG点に至る経路の設定が不能であると判定し、ステップS40へと移行して、判定手段16は、スピーカ33、モニタ34により経路設定ができない支援不能の旨を運転者に対して報知するとともに、車両200の位置を変更して再度駐車支援を開始するよう促し、処理を終了する。
【0049】
一方、目標偏向角を設定できた場合には、ステップS12へと移行して、偏向角補正手段15は、偏向角を目標偏向角に補正する経路の算出を行う。ここでは、目標偏向角θを設定した際の距離Lを用い、最大旋回曲率γmaxを式γmax=2×(θ−θ)/Lにより求める。この偏向角補正手段15で設定された誘導経路における走行距離−旋回曲率の軌跡を図7(a)に示す。図に示されるように、この誘導経路は、A点から走行距離がL/2に達するまでは、所定の操舵速度(単位走行距離に対する旋回曲率の変化量)ωで旋回曲率を増大させていき、旋回曲率がγmaxに達したら、今度は所定の操舵速度−ωで旋回曲率を減少させていき、A点からL走行した時点で旋回曲率を0に戻す経路となる。なお、距離Lは、ωが操舵アクチュエータ24の限界性能より十分に余裕を保てるような距離として設定される。
【0050】
ここで、こうして設定される経路におけるA点からLだけ走行した位置は、図8に示されるように、B点とは合致せず、これよりG点から少し離れた地点B’となる。B点で(5)(6)式が満たされる場合、B’点においても(5)(6)式は満たされる。また、B’点へと移動する制御における誘導誤差等から到達位置が若干ずれた場合であっても、その到達位置においても(5)(6)式を満たす可能性が高まるため安定した支援制御を行うことができる。
【0051】
B’点への誘導経路を設定したら、誘導手段18により、B’点への誘導を開始する。ここで、駐車支援ECU1は、図示していない駆動系に対して、エンジンのトルクアップ制御を行うよう指示することが好ましい。トルクアップ制御とは、エンジンを通常のアイドル時より高い回転数で回転させることで、駆動力の高い状態(トルクアップ状態)に移行させるものである。これにより、運転者がアクセル操作を行うことなく、ブレーキペダルのみで調整できる車速範囲を拡大して、車両の制御性を向上させる。このトルクアップ状態においては、運転者がブレーキペダルを操作することで、そのペダル開度に応じて各輪に付与される制動力を調整して、車速の調整を行う。このとき、車輪速センサ41で検出している車速が所定の上限車速を超えないよう各車輪に付与する制動力を制御して、上限車速のガードを行うことが好ましい。
【0052】
具体的な誘導制御は、車輪速センサ41、加速度センサ42の出力や後方カメラ32で取得した画像からの画像処理部10による処理情報を基にして測定手段12により、現在のA点からの走行距離を算出し(ステップS14)、誘導手段18は、設定した経路に合致する旋回曲率変化がえられるよう自動操舵装置20の操舵アクチュエータ24を制御して(ステップS16)、転舵輪25を転舵させ、設定した経路に沿って車両200を移動させる。そして、偏向角が目標偏向角に達したか否かを判定し(ステップS18)、目標偏向角に達していない場合には、ステップS12に戻り、目標偏向角に到達するまでステップS14〜S18間でループ処理を継続する。目標偏向角に到達したら、ループ処理を抜ける。
【0053】
次に、経路生成手段17によって、現在の位置B'点からG点へと至る経路を生成する(ステップS20)。この経路の走行距離−旋回曲率軌跡は、図7(b)に示されるように、B’点からC点まで舵角0(旋回曲率0)で直進後退し、そこからD点まで操舵角の走行距離に対する変化速度を一定として旋回曲率の絶対値を増大させていき(舵を切る)、D点からE点までは旋回曲率を−γで一定に維持し、E点からは逆に操舵角の走行距離に対する変化速度を一定として旋回曲率の絶対値を減少させて(舵を戻す)、F点で舵角0の中立状態へと移行し、F点から目標駐車位置G点までは舵角0で直進後退する軌跡である。この場合の走行軌跡Pは、B’C間とFG間が直線となり、DE間は所定半径(曲率γ)の円弧であり、CD間、EF間は、それぞれ一端が曲率γ、他端が曲率0のクロソイド曲線となる。なお、条件によっては、B’C間やFG間の直線区間や円弧区間、いずれかのクロソイド区間が存在しない場合もありうる。CD間およびEF間の走行距離をL、EF間の走行距離をLとすると、(L+L)×γはB’における偏向角θに等しい。
【0054】
経路を設定したら、実際の支援制御へと移行する。基本は上述した誘導経路の誘導と同じであり、車輪速センサ41、加速度センサ42の出力や後方カメラ32で取得した画像からの画像処理部10による処理情報を基にして測定手段12により、現在のB’点からの走行距離を算出し(ステップS22)、誘導手段18は、設定した経路に合致する旋回曲率変化がえられるよう自動操舵装置20の操舵アクチュエータ24を制御して(ステップS24)、転舵輪25を転舵させ、設定した経路に沿って車両200を移動させる。
【0055】
そして、車両位置が目標駐車位置F点の十分近傍に達したか否かを判定し(ステップS26)、目標駐車位置近傍に達していない場合には、ステップS22に戻り、目標駐車位置近傍に到達するまでステップS22〜S26間でループ処理を継続する。
【0056】
目標駐車位置近傍に到達したと判定した場合には、ループ処理を抜け、モニタ34、スピーカー33により運転者に目標駐車位置へと到達した旨を報知して処理を終了する(ステップS28)。
【0057】
ステップS6で現在位置から偏向角を補正することなく目標駐車位置へと到達が可能であると判定した場合には、ステップS20へと直接移行して、誘導処理を行う。この場合には、上述の説明におけるB’点がA点に合致することになる。
【0058】
本実施形態の駐車支援装置によれば、初期位置から目標駐車位置へと切り返しを行うことなく到達できない場合であっても、切り返しを行えば、一回の後退操作のみで目標駐車位置へと到達できる場合には、この到達経路を算出して車両を誘導することができるため、誘導可能な初期位置・初期姿勢の範囲が拡大し、支援装置の適用範囲が広がり、その使い勝手が向上する。また、初期位置の移動を要求することが少なくなるため、運転者の負担を軽減することができる。これは、特に駐車操作が苦手で駐車支援装置を必要としている運転者にとって好ましいことである。
【0059】
ここでは、ステップS6において、切り返しなしでの経路生成が可能かどうかを判定し、可能な場合には、偏向角修正を行わないように設定したが、例えば、ステップS6の判定においても経路設定にある程度の余裕がある場合にのみ、切り返し無しで経路設定を行い、切り替えしなしでもその経路に余裕がない場合には、経路設定が不能な場合と同様に偏向角修正を行うようにしてもよい。この場合、例えば、判定式として(3)式ではなく、以下に示す(7)式を用いて、基本経路をκ倍に相似拡大した経路により判定を行うとよい。
【0060】
【数7】


【0061】
この場合、(6)式における定数κは、(7)式における定数κより小さく設定するとよい。
【0062】
上述の手法では、目標偏向角の設定方法として2分法を用いて、目標駐車位置へと到達しうる最小の偏向角を設定したが、この最小の偏向角よりある程度大きな偏向角(例えば、+10°)を設定してもよい。また、x軸方向の距離xが近い場合には、目標駐車位置へと到達可能な最大の偏向角が90°以下となる可能性がある。そのため、目標偏向角θの算出に際して、x≦xであることを満たすことを確認するとよい。また、この条件を満たす最大の偏向角θmaxを求め、最小偏向角θminとの間で適宜目標偏向角θを設定してもよい。
【0063】
また、偏向角修正時のステップS56において、修正後の位置を直進後退位置ではなく、修正時の軌跡を考慮して設定を行ってもよい。この場合には、修正後の位置精度が向上する。例えば、修正による移動量をマップとして保持しておき、これを読み出すことで行えばよい。
【0064】
この原理について具体的に説明すると、まず図9に示されるように、原点位置からΔθだけ偏向角を回転させるよう車両200を後退移動させた場合の移動後の座標位置を(x’,y’)とするとき、x’、y’は、Δθに対して一意であり、は車両固有の特性を有している。これを関数f(Δθ)、f(Δθ)として表すと、例えば、図10(a)、(b)に示されるような特性を有している。
【0065】
初期偏向角θからΔθだけ偏向角を回転させるよう車両を後退移動させた場合の移動後の座標位置(x,y)は、図11に示されるようにこの座標系をθだけ逆方向に回転させたものに等しいから、(8)式により(x’,y’)を座標変換して求めることができる。
【0066】
【数8】


【0067】
この(x,y)自体をマップ形式で保存しておき、読み出すことにより行ってもよいし、必要なメモリ量を削減する場合には、関数f(Δθ)、f(Δθ)自体を近似したプログラムを用いるか、Δθに対する計算結果としてマップ形式で格納しておき、マップ値からさらに計算によって求めればよい。
【0068】
さらに、目標駐車位置に対する初期位置に応じて、切り返し無しで経路設定可能な偏向角条件と、修正する場合に修正後満たすべき偏向角条件のそれぞれをマップ形式で格納しておき、保持している値を読み出すことにより、目標偏向角の設定および修正経路の設定を行うようにしてもよい。
【0069】
以上の説明では、自動操舵機能を有する駐車支援装置における実施例を説明してきたが、操舵を自動的に切り替えるのではなく、運転者に対して適切な操舵量を指示する操舵ガイダンスを行う駐車支援装置でも同様に用いることができる。また、後退駐車だけでなく、前進での駐車支援にも適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る駐車支援装置の実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】駐車支援ECU1の詳細構成を示すブロック構成図である。
【図3】図1の装置による支援動作の処理フローチャートである。
【図4】基本経路と実際の経路との関係を説明する図である。
【図5】偏向角修正経路について説明する図である。
【図6】目標偏向角の算出処理のフローチャートである。
【図7】設定される走行距離−旋回曲率軌跡を説明する図である。
【図8】実際に設定される誘導経路を説明する図である。
【図9】偏向角修正時の修正後の位置を求める原理を説明する図である。
【図10】偏向角修正時の修正偏向角により修正後の位置を関数化した一例を示すグラフである。
【図11】偏向角修正時の修正後の位置を求める原理を説明する第2の図である。
【符号の説明】
【0071】
10…画像処理部、11…操舵制御部、12…測定手段、13…偏向角条件算出手段、14…目標偏向角設定手段、15…偏向角補正手段、16…判定手段、17…経路生成手段、18…誘導手段、20…自動操舵装置、21…ステアリングシャフト、22…ステアリングホイール、23…操舵角センサ、24…操舵アクチュエータ、25…転舵輪、31…入力手段、32…後方カメラ、33…スピーカ、34…モニタ、41…車輪速センサ、42…加速度センサ、100…駐車支援装置、200…車両。




 

 


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