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発明の名称 車両用スライドドアの拘束構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−35881(P2006−35881A)
公開日 平成18年2月9日(2006.2.9)
出願番号 特願2004−214379(P2004−214379)
出願日 平成16年7月22日(2004.7.22)
代理人 【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬
発明者 柄本 克也 / 山原 丈生 / 酒井 一彰
要約 課題
車両側面衝突時にスライドドアが車室側へ押し込まれたときに、高い係合力でスライドドアの端縁をドア開口縁に繋ぎ止め、スライドドアの車室側への移動変形を規制すること。

解決手段
車両のドア開口Gを開閉するスライドドアDにおいて、ドア開口Gの開口縦縁の縦面14にドア開口G側へ突出する環状の係合部材3を縦方向に設け、上記縦面14と対面するドアDのドア端面23に、係合部材3に対応して、車室側へ屈曲する係合爪45を備えた断面ほぼL字形のフック部材4を設け、ドア閉鎖時に、フック部材4の係合爪45を車外側より係合部材3内へ向けて配し、係合爪45の内角部46を係合部材3の先端縦辺32に車外側から対峙せしめ、車両の側面衝突などでドアが車室側へ押し込まれたときに、係合爪45が係合部材3内へ進入し、係合爪45の内角部46が係合部材3の先端縦辺32に係合してドアのドア開口内への移動を規制するようになす。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両の側面のドア開口を開閉するスライドドアにおいて、
上記ドア開口の開口縦縁に、ドア開口側へ突出する環状の係合部材を縦方向に設け、
上記開口縦縁と対向する上記スライドドアの端縁に、上記係合部材に対応して、先端に車室側へ屈曲する係合爪を備えた断面ほぼL字形のフック部材を設け、上記スライドドアの閉鎖時に、上記フック部材の上記係合爪を車外側より上記係合部材内へ向けて配し、かつ上記係合爪の内角部を上記係合部材の先端縦辺に車外側から対峙せしめ、車両の側面衝突などで上記スライドドアが上記ドア開口内側へ押し込まれたときに、上記係合爪が上記係合部材内へ進入し、上記係合爪の内角部が上記係合部材の先端縦辺に係合して上記スライドドアのドア開口内への移動を規制するようになした車両用スライドドアの拘束構造。
【請求項2】
上記係合部材を、上記開口縦縁の上記ドア開口側に面する縦面に設け、
上記縦面と対向する上記スライドドアの端縁のドア端面に、ドア閉鎖時に、上記係合部材を挿通可能な開口部を設けるとともに、該開口部の車外側の側縁に上記フック部材を設けた請求項1に記載の車両用スライドドアの拘束構造。
【請求項3】
上記係合部材を、上記フック部材と係合可能な略丸棒状の縦辺と、その両端から屈曲する一対の両側辺を備えたコ字形部材をベースプレートの板面に面直方向に固着して上記コ字形部材と上記ベースプレートとで環状をなすストライカで構成し、上記ベースプレートを上記開口縦縁の縦面に重ね合わせて取付け、
上記フック部材は、上記ドア端面の開口部の上縁、下縁および車外側の側縁に沿うほぼコ字形の厚肉のベース部材を備え、上記開口部の車外側の側縁に沿う上記ベース部材の中間部に上記係合爪を形成して、上記ベース部材で上記開口部の三方を囲むように取付け、上記側面衝突時に上記係合爪の上記内角部を上記ストライカの縦辺に係合せしめるようになし、
かつ上記係合爪の両脇位置には、大きな衝突荷重により上記フック部材に押されて上記ストライカが斜めに車室側へ変形したときに、上記ストライカの両側辺と上記ベース部材の中間部に当たらないように、上記両側辺を回避する凹部を設けた請求項2に記載の車両用スライドドアの拘束構造。
【請求項4】
上記スライドドアの内部に、前後方向に延在してスライドドアの前後の両端縁間に架けわたされたインパクトビームを設け、上記フック部材を上記インパクトビームの端末と上記スライドドアの端縁との連結部に一体に締結した請求項1ないし請求項3に記載の車両用スライドドアの拘束構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の側面衝突時にスライドドアが車室側へ押し込まれても、スライドドアの端縁をドア開口の開口縁に繋ぎ止めて、スライドドアの車室側への移動変形を規制する車両用スライドドアの拘束構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両側面のドア開口を開閉するスライドドアは、閉鎖時に、ドア前端縁に設けた前部ロック装置が上記ドア開口の前縁をなす前側ピラーのロックストライカに係合ロックするとともに、ドア後端縁に設けた後部ロック装置が上記ドア開口の後縁をなす後側ピラーのロックストライカに係合ロックして閉鎖位置に保持される。また、車両の側面衝突時にスライドドアを車室側へ押し込む荷重が作用したときに、スライドドアのドア前端縁を前側ピラーに繋ぎ止めて、スライドドアの車室側への移動変形を規制する拘束構造を備えている。
【0003】
図5は従来の代表的なスライドドアの拘束構造を示し、ドア開口に面する前側のピラーPの後端面には後方へ向かって突出するフック部材60が設けられている。フック部材60は先端に車外側へ屈曲する係合爪61を形成した厚肉の金属片で、ピラーPの後端面からほぼ水平に後方へ突出している。これに対して、スライドドアDの前端面には、ドア閉鎖時に上記フック部材60の先端を挿入可能な開口部70が設けられ、開口部70には外周に沿ってこれを囲む厚肉の枠状の係合部材71が取付けられており、開口部70の車外側の側縁に沿う係合部材71の内縁にはフック部材60の係合爪61と係合可能な係合部72が形成されている。スライドドアDを閉鎖するとフック部材60が開口部70へ干渉することなく進入して、係合爪61が開口部70に挿通され、係合爪61と係合部材71の係合部72とが対峙した状態になる。衝突荷重によりスライドドアDが車室側へ押し込まれると、ドア側の係合部材71の係合部72がフック部材60の係合爪61に当接係合してドアの車室側への移動変形を規制する。
【0004】
また他の従来の拘束構造として、図6に示したように、ピラーPの後端面に設けられたフィメールダボテール80とスライドドアDの前端面に設けられたメールダボテール90とで構成されたものがある。フィメールダボテール80はピラーPの後端面から後方へ突出する断面ハット形の膨出部材で、先端に係合穴81を備えている。メールダボテール90はスライドドアDの前端面から前方へ突出する金属製の円柱体で、フィメールダボテール80の係合穴81とほぼ同径の基端部91に対して先端部92を細くしている。基端部91は合成樹脂材で被覆され、先端部92には先端末の外径を若干太くした茸形の突起部93が形成されている。ドア閉鎖時には、メールダボテール90がフィメールダボテール80の係合穴81に嵌入し、メールダボテール90の基端部91が係合穴81の開口縁82に当接してスライドドアのガタツキが防止される。衝突荷重によりスライドドアDが車室側へ押し込まれると、メールダボテール90が相対的にフィメールダボテール80の係合穴81から抜ける方向へ移動するが、この時、先端の突起部93が係合穴81の開口縁82に当接係合してドアの車室側への移動変形を規制する(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−156375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のピラーP側のフック部材60にドアD側の係合部材71を係合する構造では、大きな衝突荷重によりドア側の係合部材71の係合部72が係合爪62に当接係合してフック部材60の先端を車室側へ押し込むと、フック部材60が車室側に傾斜変形(図5の矢印Z方向)してフック部材60の係合爪61と係合部材71の係合部72との掛かり(係合)が浅くなりはずれるおそれがある。また、従来のフィメールダボテール80とメールダボテール90とを用いた拘束構造では、側面衝突時に、フィメールダボテール80の係合穴81の開口縁82に係合せしめるメールダボテール90の先端の突起部93の外径が係合穴81よりも小さいので、突起部93と係合穴81の開口縁82と係合範囲が小さく係合がはずれるおそれがあり、スライドドアの車室側への移動変形を規制する拘束力が十分とはいえない。
【0006】
そこで本発明は、車両側面衝突時にスライドドアが車室側へ押し込まれたときに、高い係合力でもってスライドドアの端縁をドア開口縁に繋ぎ止め、スライドドアの車室側への移動変形を確実に規制することができるスライドドアの拘束構造を実現することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両の側面のドア開口を開閉するスライドドアにおいて、上記ドア開口の開口縦縁に、ドア開口側へ突出する環状の係合部材を縦方向に設け、上記開口縦縁と対向する上記スライドドアの端縁に、上記係合部材に対応して、先端に車室側へ屈曲する係合爪を備えた断面ほぼL字形のフック部材を設け、上記スライドドアの閉鎖時に、上記フック部材の上記係合爪を車外側より上記係合部材内へ向けて配し、かつ上記係合爪の内角部を上記係合部材の先端縦辺に車外側から対峙せしめ、車両の側面衝突などで上記スライドドアが上記ドア開口内側へ押し込まれたときに、上記係合爪が上記係合部材内へ進入して、上記係合爪の内角部が上記係合部材の先端縦部に係合して上記スライドドアのドア開口内への移動を規制する(請求項1)。衝突荷重によりスライドドアが車室側へ押し込まれたときに、ドア開口の開口縦縁に設けた環状の係合部材に、スライドドアの端縁に設けたフック部材を車外側より係合するようにしたので、スライドドアの端縁をドア開口の開口縦縁に確実に繋ぎ止め、スライドドアの車室側への移動変形を規制することができる。また、大きな衝突荷重によりフック部材が係合部材を車室側へ押し込み、係合部材が斜めに車室側へ変形しても、フック部材のスライドドアの端縁から係合爪まの突出量が充分であれば、係合部材が斜め変形しても先端縦辺がフック部材の内角部から離れず、係合部材の斜め変形により、フック部材と係合部材との掛かりが深くなって高い係合力が発揮される。
【0008】
上記係合部材を、上記開口縦縁の上記ドア開口側に面する縦面に設け、上記縦面と対向する上記スライドドアの端縁のドア端面に、ドア閉鎖時に、上記係合部材を挿通可能な開口部を設けるとともに、該開口部の車外側の側縁に上記フック部材を設ける(請求項2)。ドア開口の開口縦縁とスライドドアの端縁の間の空間を小さくできる。
【0009】
上記係合部材を、上記フック部材と係合可能な略丸棒状の縦辺と、その両端から屈曲する一対の両側辺を備えたコ字形部材をベースプレートの板面に面直方向に固着して上記コ字形部材と上記ベースプレートとで環状をなすストライカで構成し、上記ベースプレートを上記開口縦縁の縦面に重ね合わせて取付ける。上記フック部材として、上記ドア端面の開口部の上縁、下縁および車外側の側縁に沿うほぼコ字形の厚肉のベース部材を備え、上記開口部の車外側の側縁に沿う上記ベース部材の中間部に上記係合爪が形成してあり、上記ベース部材を上記開口部の三方を囲むように取付け、上記側面衝突時に上記係合爪の上記内角部を上記ストライカの縦辺に係合せしめるようになし、かつ上記係合爪の両脇位置には、大きな衝突荷重により上記フック部材に押されて上記ストライカが斜めに車室側へ変形したときに、上記ストライカの両側辺が上記ベース部材の中間部に当たらないように、上記両側辺を回避する凹部を設ける(請求項3)。フック部材の係合爪の両脇に凹部を設けたので、フック部材の突出量が小さくても、大きな衝突荷重によりストライカが斜めに車室側へ変形したときに、両凹部がストライカの両側辺を受け入れ、両側辺がフック部材のベース部材と干渉せず、フック部材とストライカとの掛かりを深くできる。
【0010】
上記スライドドアの内部に、前後方向に延在してスライドドアの前後の両端縁間に架けわたされたインパクトビームを設け、上記フック部材を上記インパクトビームの端末と上記スライドドアの端縁との連結部に一体に締結する(請求項4)。側面衝突時にはスライドドアを補強するインパクトビームが衝突荷重を受け、衝突荷重はインパクトビームからフック部材と係合部材との係合を介して速やかに車体側へ分散されるので、スライドドアの車室側への移動変形が効率良く規制される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ドア開口の開口縁に環状の係合部材を設け、これと対向するスライドドアの端縁に車室側へ突出する係合爪を有するフック部材を設け、車両側面衝突によりスライドドアが車室側へ押し込まれたときに、係合部材その車外側よりフック部材を係合せしめるようにしたので、高い結合力でもってスライドドアの端縁をドア開口縁に繋ぎ止め、スライドドアの車室側への移動変形を規制することができる。特に大きな衝突荷重によりフック部材に押されて係合部材が車室側へ傾斜変形しても、係合部材とフック部材との係合状態がより深い掛かりとなって係合はずれが生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図4に示すように、車体の側面に、車室の前部座席および後部座席の乗員が乗降可能な間口の広い乗降口を備えた車両の上記乗降口を開閉するスライドドアに本発明を適用した実施形態を説明する。乗降口たるドア開口Gは車体側面の前後中間位置に形成してある。ドア開口Gを開閉するスライドドアDは、ドア開口Gの開口上縁をなすルーフサイドレールに沿うアッパレール、開口下縁をなすロッカに沿うロアレール、およびクォータ部の上下中間位置のセンタレールに案内されて前後にスライド移動してドア開口Gを開閉する。
【0013】
スライドドアDは、ドア開口G閉鎖時に、ドア前端縁の前部ロック装置R1をドア開口Gの開口前縁をなす前部ピラーのロックストライカS1に係合ロックするとともに、ドア後端縁に設けた後部ロック装置R2をドア開口Gの開口後縁をなす後部ピラーのロックストライカS2に係合ロックして閉鎖位置に保持される。スライドドアDには、ドア内の下方位置に前後方向に延びるインパクトビーム5が設けられており、車両の側面衝突に対する強度が強化してある。また車両の側面衝突によりスライドドアDに車室側へ押し込む荷重が作用したときに、上記前部ピラーの下部に設けた係合部材3に、ドア前端縁の下部に設けたフック部材4を係合してドア前縁を前部ピラーに繋ぎ止め、スライドドアDの車室側への移動変形を規制するようにしている。
【0014】
図1および図3に示すように、ドア開口Gの開口前縁をなす前部ピラーPは、ピラー外板11とピラー内板12とからなる閉断面構造で、閉断面内には補強部材たるリィンフォースメント13が設置してある。前部ピラーPはその車外側の側面がフェンダパネルFで被覆してある。前部ピラーPには、ピラー外板11によりドア開口G側に面する縦面14が形成してある。縦面14は背面にリィンフォースメント13の縦面が重ね合わせて補強してある。ピラー外板11とピラー内板12との結合部は縦面14より後方へ張り出し、閉鎖状態のスライドドアD内面とラップするフランジをなし、該結合部にはウエザストリップWを設けてスライドドアDとの隙間をシールしてある。そして前部ピラーPの上記縦面14の下方位置には後方へ向けて突出する上記係合部材3が取付けてある。
【0015】
係合部材3は、金属丸棒をほぼコ字形に屈曲したコ字形部材31とこれを支持するベースプレート30とで構成したストライカである。コ字形部材31は、縦辺32とその上端および下端からそれぞれ屈曲する上下一対の上側辺33および下側辺34を備え、上側辺33および下側辺34の端末をそれぞれベースプレート30の板面に固着して、ベースプレート30の板面に対して面直に突出している。ベースプレート30には複数のネジ部材を挿通する取付穴35が形成してある。
【0016】
係合部材たるストライカ3は、その環状部がドア開口Gの車室の内外方向に向くように縦方向に配し、ベースプレート30を上記前部ピラーPの縦面14に重ね合わせて縦面14をなすピラー外板11とその背面のリィンフォースメント13と一体に図略の複数のネジ部材で共締めにより締結してある。
【0017】
図1および図2に示すように、スライドドアDは、ドア外板21とドア内板22とで閉断面構造をなし、ドア前端にはドア閉鎖時に、上記前部ピラーPの縦面14と対向するドア端面23を備えている。ドア端面23は背面側に設けたドアリィンフォースメント24で補強してある。ドア端面23には、前部ピラーPの縦面14に設けたストライカ3と対向する位置に、縦面14およびドアリィンフォースメント24を貫通して、ドア閉鎖時に、ストライカ3の先端部を受け入れる四角形の開口部25が形成してある。また、開口部25は上記インパクトビーム5の前端と同一高さ位置に設けてあり、インパクトビーム5の前端ブラケット51のドア端面が開口部25の外周を囲むように、ドアリィンフォースメント24の背面に重合結合してある。
【0018】
そして、ドア端面23には、開口部25の車外側の側縁に上記フック部材4が取付けてある。フック部材4は鋳造成形品で、上記開口部25の上縁、下縁および車外側の側縁に沿う略コ字形をなす厚肉のベース部材40を備えている。ベース部材40には、開口部25の上縁および下縁に沿う上部41および下部42に、複数のネジ部材を挿通する取付穴43が形成してある。開口部25の車外側の側縁に沿うベース部材40の中間部44は、上部41および下部42よりも厚肉に形成してあり、中間部44の内縁には上下中間位置にコ字形内へ突出する係合爪45が一体成形してある。
【0019】
係合爪45は、上記中間部44よりも若干薄肉で、かつ中間部44の表面側に形成して、係合爪45の背面と中間部44の内縁との間には、ストライカ3の縦辺32を係合可能な内角部46が設けてあり、内角部46の表面は縦辺32の外面に対応して湾曲面をなす。また中間部44の内縁で係合爪45の両脇位置には、断面ほぼU字状で、中間部44の表面側からコ字形内へ向かって傾斜状に延びる溝状の凹部47a,47bが形成してある。
【0020】
フック部材4は、ベース部材40を開口部25の上縁、下縁および車外側の側縁に沿うようにドア端面23の表面に重ね合わせて開口部25の三方を囲むとともに、係合爪45が開口部25側(車室側)へ突出する位置に配し、ベース部材40の上部41および下部42を上記ドア端面23をなすドア内板22とその背面のドアリィンフォースメント24およびインパクトビーム5の前端部ラケット51のドア端面と一体に図略の複数のネジ部材で共締めにより締結してある。
【0021】
係合爪45の開口部25側(車室側)へ突出量は開口部25の横幅の3分の1程度としてあり、係合爪45の先端縁と開口部25の車室側の側縁との間隔を広めに設置している。これはスライドドアDが閉鎖時に、各スライドレールの案内により閉鎖位置直前で車室側へ向かって斜め前方に移動するので、このときに開口部25内へ進入するストライカ3が係合爪45と干渉しないようにするためである。
【0022】
スライドドアDが閉鎖位置となると、ストライカ3はその縦辺32が開口部25内へ進入する。そして、フック部材4はその係合爪45が車外側よりストライカ3の環状内部へ向かって臨み、係合爪45の内角部46が車外側からストライカ3の縦辺32と若干の間隔をおいて対峙する。
【0023】
車両の側面衝突時、特に相手方の車両が前部ピラーPよりも後方位置でスライドドアDに衝突すると、その衝突荷重によりスライドドアDが車室側へ押し込まれる。このとき、前部ピラーPに設けたストライカ3と対峙するフック部材4の係合爪45が車外側よりストライカ3の環状内部へ進入して、係合爪45の内角部46が車外側よりストライカ3の縦辺32に当接係合するので、スライドドアDの前縁が前部ピラーPに拘束されて、スライドドアDの車室側への移動変形が規制される。
【0024】
特に、側面衝突時にはスライドドアDを補強するインパクトビーム5に大きな衝突荷重が作用するが、フック部材4をインパクトビーム5の前端と同位置に設置したので、インパクトビーム5が受ける衝突荷重はフック部材4とストライカ3との係合部を介して迅速に車体側へ分散されので、スライドドアの車室側への移動変形が効率良く規制される。
【0025】
更に、衝突により大きな衝突荷重が作用すると、フック部材4がこれと係合したストライカ3の縦辺32を車室側へ押し込み、これにより前部ピラーPの縦面14等が車室側へ捩じれてストライカ3が斜めに車室側へ向かって変形する(図1の矢印Y)。このとき、傾斜変形するストライカ3の上側辺33および下側辺34が、フック部材4のベース部材40の中間部44の内縁に当接すると、係合状態のストライカ3の縦辺32がフック部材4の係合爪45の内角部46から浮き上がって両者の掛かりが浅くなりがちであるが、本実施形態では、フック部材4の係合爪45の両脇に傾斜溝状の凹部47a,47bを設けたので、大きな衝突荷重によりストライカ3が斜めに車室側へ変形しても、ストライカ3の上側辺33および下側辺34がフック部材4のベース部材40の凹部47a,47bに受け入れられるので、ストライカ3の両側辺33,34がフック部材4のベース部材40と干渉しない。従って、ストライカ3の縦辺32がフック部材4の係合爪45の内角部46から浮き上がらないうえ、フック部材4とストライカ3との係合状態の掛かりが深くなって係合はずれがなく、高い係合力が発揮され、より確実にスライドドアDを前部ピラーPに繋ぎ止めることができ、スライドドアの車室側への移動変形を規制する。また、このようにフック部材4の係合爪45の凹部47a,47bを設けてストライカ3の両側辺33,34とフック部材4のベース部材40と干渉をなくしたのでフック部材4のドア端面23からの前方への突出量を小さくできる。
【0026】
またスライドドアDのドア端面23に、開口部25を設け、ドア閉鎖時に開口部25内へストライカを先端を挿入するようにし、更にフック部材4のドア端面23からの前方への突出量を小さくしたのたので、前部ピラーPの縦面14とスライドドアDのドア端面23との間の間隔を小さくできる。縦面14とドア端面23との間隔が大きいと、前部ピラーPの縦面14より後方へ張り出すフランジ状のピラー外板11とピラー内板12との結合部が長くなり、ドア開口Gの間口が狭くなり、上記結合部が乗降する乗員の邪魔になる。本実施形態では、ピラーの縦面14とドアのドア端面23との間隔を小さくできる分、ピラー外板11とピラー内板12とのフランジ状の結合部を必要以上に長くしなくてすみ、ドア開口Gの間口を広くできて、乗降する乗員の邪魔にならない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のスライドドアの拘束構造を示すもので、図4のI−I線に沿う断面図である。
【図2】本発明の用いるフック部材を示すもので、図2(A)は斜視図、図2(B)は図2(A)のIIB−IIB線に沿う断面図、図2(C)は図2(A)のIIC−IIC線に沿う断面図である。
【図3】本発明の用いる係合部材の斜視図である。
【図4】本発明の拘束構造を適用したスライドドアを備えた車両の側面図である。
【図5】従来のスライドドアの拘束構造を示す断面図である。
【図6】従来の他のスライドドアの拘束構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
D スライドドア
G ドア開口
14 ドア開口の縦面
23 ドア端面
25 ドア端面の開口部
3 ストライカ(係合部材)
30 ベースプレート
31 コ字形部材
32 縦辺
33 上側辺
34 下側辺
4 フック部材
40 ベース部材
44 中間部
45 係合爪
46 内角部
47a,47b 凹部
5 インパクトビーム
51 ブラケット(インパクトビームの端末)




 

 


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