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発明の名称 車輌用走行制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−35875(P2006−35875A)
公開日 平成18年2月9日(2006.2.9)
出願番号 特願2004−214083(P2004−214083)
出願日 平成16年7月22日(2004.7.22)
代理人 【識別番号】100071216
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 昌毅
発明者 高須 龍司
要約 課題
自動走行制御中にマスタシリンダと車輪のホイールシリンダとの連通を遮断する制動力の制御が行われた場合に、ブレーキペダルを踏み込めないことに起因して自動走行制御を終了し得なくなることを防止する。

解決手段
マスタシリンダと車輪のホイールシリンダとの連通を遮断しアキュムレータの高圧を使用して制動力を付与することにより車輪の過剰な加速スリップを低減するトラクション制御が行われる車輌に於いて、自動走行制御としての定速走行制御中であるか否かの判別が行われ(S20)、左右前輪の何れかについてトラクション制御が実行されているか否かの判別が行われ(S30)、車輌が走行しているか否かの判別が行われ(S40)、定速走行制御が実行され車輌が走行している状況に於いて左右前輪の何れかについてのトラクション制御が所定の時間以上継続されたときには(S50〜70)、定速走行制御が終了される(S80)。
特許請求の範囲
【請求項1】
運転者により制動操作が行われると終了されるべき自動走行制御を行う自動走行制御手段と、制動力制御手段とを有し、前記制動力制御手段は必要に応じてマスタシリンダと左右輪のホイールシリンダとの連通を遮断する遮断弁と、高圧の作動液体を供給する圧力源とを有し、所定の条件が成立すると前記遮断弁を閉弁させて前記圧力源よりの高圧の作動液体を使用してホイールシリンダ内圧力を制御する車輌用走行制御装置に於いて、前記自動走行制御の実行中に前記左右輪の少なくとも一方について前記制動力制御手段によるホイールシリンダ内圧力の制御が行われる場合には、前記自動走行制御を終了させることを特徴とする車輌用走行制御装置。
【請求項2】
前記自動走行制御は定速走行制御、先行車輌追従走行制御、先行車輌に対する衝突防止制御、走行路確認走行制御の何れかであることを特徴とする請求項1に記載の車輌用走行制御装置。
【請求項3】
前記制動力制御手段によるホイールシリンダ内圧力の制御は車輪の過大なスリップを低減する制御であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌用走行制御装置。
【請求項4】
前記制動力制御手段によるホイールシリンダ内圧力の制御は駆動輪の過大な加速スリップを低減するトラクション制御であることを特徴とする請求項3に記載の車輌用走行制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌用走行制御装置に係り、更に詳細には定速走行制御の如く運転者により制動操作が行われると終了されるべき自動走行制御を行う車輌用走行制御装置に係る。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車輌の走行制御装置の一つとして、例えば本願出願人の出願にかかる下記の特許文献1に記載されている如く、車輌を一定の車速にて走行させる定速走行制御を行う走行制御装置であって、運転者により制動操作が行われると定速走行制御を終了するよう構成された走行制御装置が従来より知られている。
【0003】
かかる走行制御装置によれば、運転者により制動操作が行われると、定速走行制御が自動的に終了されるので、運転者は定速走行制御中に車輌を減速制動させたい場合には制動操作を行うだけでよく、運転者は特別な終了操作を要することなく自らの意思に基づいて車輌を減速制動することができる。
【特許文献1】特開平8−113057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上述の如き従来の走行制御装置に於いては、運転者による制動操作はブレーキペダルの踏み込みがストップランプスイッチやマスタシリンダ圧力の変化によって検出されるため、特別な条件が重なると、運転者による制動操作を検出することができず、従って運転者により制動操作が行われても定速走行制御を自動的に終了させることができない場合がある。
【0005】
例えば車輌の制動装置が必要に応じてマスタシリンダ室と左右輪のホイールシリンダとの連通を遮断する遮断弁と、高圧の作動液体を供給する圧力源とを有し、所定の条件が成立すると遮断弁を閉弁させて圧力源よりの高圧の作動液体を使用してホイールシリンダ内圧力を制御する制動装置である場合に於いて、定速走行制御中に左右輪の少なくとも一方の加速スリップが過大になり、遮断弁を閉弁させた状態で当該車輪のホイールシリンダ内圧力が増圧され、加速スリップを低減するトラクション制御が行われると、マスタシリンダ室と左右輪のホイールシリンダとの連通が遮断されているため、運転者はブレーキペダルを踏み込んでもブレーキペダルを踏み込み駆動することができない。
【0006】
従ってかかる車輌の場合には定速走行制御中にトラクション制御が行われ、その状況にて運転者による制動操作が行われると、ストップランプスイッチやマスタシリンダ圧力の変化によって運転者による制動操作(運転者の制動意思)を検出することができず、そのため定速走行制御を終了させることができないという問題がある。
【0007】
本発明は、定速走行制御の如く運転者により制動操作が行われると終了されるべき自動走行制御を行う従来の走行制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、自動走行制御中にマスタシリンダと車輪のホイールシリンダとの連通を遮断してホイールシリンダ内圧力を制御する制動力の制御が行われるときには自動走行制御を終了させることにより、自動走行制御中に制動力の制御が行われると自動走行制御を終了し得なくなることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち運転者により制動操作が行われると終了されるべき自動走行制御を行う自動走行制御手段と、制動力制御手段とを有し、前記制動力制御手段は必要に応じてマスタシリンダと左右輪のホイールシリンダとの連通を遮断する遮断弁と、高圧の作動液体を供給する圧力源とを有し、所定の条件が成立すると前記遮断弁を閉弁させて前記圧力源よりの高圧の作動液体を使用してホイールシリンダ内圧力を制御する車輌用走行制御装置に於いて、前記自動走行制御の実行中に前記左右輪の少なくとも一方について前記制動力制御手段によるホイールシリンダ内圧力の制御が行われる場合には、前記自動走行制御を終了させることを特徴とする車輌用走行制御装置によって達成される。
【0009】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記自動走行制御は定速走行制御、先行車輌追従走行制御、先行車輌に対する衝突防止制御、走行路確認走行制御の何れかであるよう構成される(請求項2の構成)。
【0010】
尚定速走行制御とは車輌を実質的に一定の車速にて走行させる制御であり、先行車輌追従走行制御とは先行車輌に対する車間距離が過剰に小さくならないよう車輌を先行車輌に追従して走行させる制御であり、先行車輌に対する衝突防止制御とは先行車輌に対する相対速度及び相対車速に基づいて先行車輌に対し衝突しないよう車速若しくは加減速を自動的に調節する制御であり、走行路確認走行制御とはカメラによって撮影された走行路の画像解析により走行路を確認判定すると共にその結果に基づいて車輌を走行路に沿って自動的に走行させる制御をいう。
【0011】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記制動力制御手段によるホイールシリンダ内圧力の制御は車輪の過大なスリップを低減する制御であるよう構成される(請求項3の構成)。
【0012】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3の構成に於いて、前記制動力制御手段によるホイールシリンダ内圧力の制御は駆動輪の過大な加速スリップを低減するトラクション制御であるよう構成される(請求項4の構成)。
【発明の効果】
【0013】
上記請求項1の構成によれば、自動走行制御の実行中に左右輪の少なくとも一方について制動力制御手段によるホイールシリンダ内圧力の制御が行われる場合には、自動走行制御が終了されるので、遮断弁によりマスタシリンダと左右輪のホイールシリンダとの連通が遮断されていても、自動走行制御を確実に終了させることができ、従って自動走行制御中に制動力の制御が行われると自動走行制御を終了し得なくなることを確実に防止することができる。
【0014】
また上記請求項2の構成によれば、自動走行制御は定速走行制御、先行車輌追従走行制御、先行車輌に対する車間距離制御、走行路維持制御の何れかであるので、自動走行制御として定速走行制御、先行車輌追従走行制御、先行車輌に対する衝突防止制御、走行路確認走行制御の何れかの実行中に制動力の制御が行われても、その自動走行制御を確実に終了させることができる。
【0015】
また上記請求項3の構成によれば、制動力制御手段によるホイールシリンダ内圧力の制御は車輪の過大なスリップを低減する制御であるので、自動走行制御中に車輪の過大なスリップを低減する制動力の制御が行われると、自動走行制御を確実に終了させることができる。
【0016】
また上記請求項4の構成によれば、制動力制御手段によるホイールシリンダ内圧力の制御は駆動輪の過大な加速スリップを低減するトラクション制御であるので、自動走行制御中に車輪の過大な加速スリップを低減するトラクション制御が行われると、自動走行制御を確実に終了させることができる。
【0017】
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、自動走行制御の実行中に左右輪の少なくとも一方について制動力制御手段によるホイールシリンダ内圧力の制御が継続して所定の時間以上行われた場合に、自動走行制御を終了させるよう構成される(好ましい態様1)。
【0018】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、自動走行制御の実行中であって車輌が所定値以上の車速にて走行している状況に於いて、左右輪の少なくとも一方について制動力制御手段によるホイールシリンダ内圧力の制御が継続して所定の時間以上行われた場合に、自動走行制御を終了させるよう構成される(好ましい態様2)。
【0019】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、左右輪のホイールシリンダは左右前輪のホイールシリンダであるよう構成される(好ましい態様3)。
【0020】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、左右輪のホイールシリンダは左右後輪のホイールシリンダであるよう構成される(好ましい態様4)。
【0021】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4の構成に於いて、車輌は四輪駆動車であるよう構成される(好ましい態様5)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は四輪駆動車の定速走行装置として構成された本発明による車輌用走行制御装置の実施例1を示す概略構成図、図2は図1に示された制動装置を示す説明図である。
【0024】
図1に於いて、100FL及び100FRはそれぞれ車輌102の左右の前輪を示し、104RL及び104RRはそれぞれ左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪104FL及び104FRは運転者によるステアリングホイール114の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステアリング装置116によりタイロッド118L及び118Rを介して操舵される。
【0025】
各車輪の制動力は制動装置10によってホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、24RLの制動圧が制御されることにより制御される。制動装置10は運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ14と、マスタシリンダ内のオイル圧力に対応する圧力(レギュレータ圧)にブレーキオイルを増圧するハイドロブースタ16とを有している。
【0026】
マスタシリンダ14には前輪用のブレーキ油圧制御導管18の一端が接続され、ブレーキ油圧制御導管18の他端には左前輪用のブレーキ油圧制御導管20FL及び右前輪用のブレーキ油圧制御導管20FRが接続されている。導管20FL及び20FRの他端にはそれぞれ左前輪及び右前輪の制動力を制御するホイールシリンダ24FL及び24FRが接続されており、導管20FRの途中には常開型の電磁開閉弁22が設けられており、電磁開閉弁22は必要に応じてマスタシリンダ14と左右前輪のホイールシリンダ24FL及び24FRとの連通を遮断する遮断弁(俗にマスタカット弁と呼ばれる)として機能する。
【0027】
ハイドロブースタ16には途中に常開型の電磁開閉弁26を有するレギュレータ圧供給導管28の一端が接続されており、導管28の他端には左後輪用のブレーキ油圧制御導管30RL及び右後輪用のブレーキ油圧制御導管30RRが接続されている。導管30RL及び30RRの他端にはそれぞれ左後輪及び右後輪の制動力を制御するホイールシリンダ24RL及び24RRが接続されている。電磁開閉弁26近傍の導管28にはハイドロブースタ16より導管30RL及び30RRへ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管32が接続されている。
【0028】
導管20FL及び20FRの途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁(増圧弁)34FL及び34FRが設けられている。リザーバ36に接続されたリターン導管38と導管20FL及び20FRとの間にはそれぞれ左前輪用の接続導管40FL及び右前輪用の接続導管40FRが接続されている。接続導管40FL及び40FRの途中にはそれぞれ常閉型の電磁開閉弁(減圧弁)42FL及び42FRが設けられている。電磁開閉弁34FL及び34FR近傍の導管20FL及び20FRには、それぞれホイールシリンダ24FL及び24FRよりマスタシリンダ14の側へ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管44FL及び44FRが接続されている。
【0029】
同様に導管30RL及び30RRの途中には常開型の電磁開閉弁(増圧弁)34RL及び34RRが設けられている。リターン導管38と導管30RL及び30RRとの間にはそれぞれ左後輪用の接続導管40RL及び右後輪用の接続導管40RRが接続されている。接続導管40RL及び40RRの途中にはそれぞれ常閉型の電磁開閉弁(減圧弁)42RL及び42RRが設けられている。電磁開閉弁42RL及び42RR近傍の導管30RL及び30RRには、それぞれホイールシリンダ24RL及び24RRよりハイドロブースタ16の側へ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管44RL及び44RRが接続されている。
【0030】
リザーバ36に貯容されたブレーキオイルを汲み上げ高圧のオイルを吐出するオイルポンプ46が設けられており、オイルポンプ46の吐出側には途中に常閉型の電磁開閉弁48を有する高圧導管50の一端が接続されている。高圧導管50の他端には前輪用高圧導管52F及び後輪用高圧導管52Rの一端が接続されており、導管52Fの他端は電磁開閉弁34FLに対し電磁開閉弁22の側にて左前輪用のブレーキ油圧制御導管20FLに接続され、導管52Rの他端は電磁開閉弁34RLに対し電磁開閉弁26の側にて左後輪用のブレーキ油圧制御導管30RLに接続されている。前輪用高圧導管52Fの途中には常閉型の電磁開閉弁54が設けられている。
【0031】
高圧導管50はリリーフ導管56によりハイドロブースタ16に接続されており、リリーフ導管56はハイドロブースタ16内の圧力が過剰になると開弁する図には示されていないリリーフ弁を有している。また高圧導管50は途中にリリーフ弁58を有するリリーフ導管60によりリザーバ36に接続されている。更に高圧導管50にはオイルポンプ46より吐出される高圧のオイルをアキュムレータ圧として蓄圧するアキュムレータ62が接続されている。
【0032】
尚電磁開閉弁22、26、50、54は同時に開閉され、電磁開閉弁50及び54が開弁されるときには、電磁開閉弁22及び26は閉弁され、電磁開閉弁50及び54が閉弁されるときには、電磁開閉弁22及び26は開弁される。
【0033】
特に図示の実施例に於いては、電磁開閉弁22及び54は対応するソレノイドに駆動電流が通電されていないときには、換言すれば通常時には第一の位置に設定され、これによりホイールシリンダ24FL及び24FRにはマスタシリンダ圧が供給される。同様に電磁開閉弁26及び48も通常時には図1に示された第一の位置にあり、ホイールシリンダ24RL及び24RRにはレギュレータ圧が供給される。従って通常時には各輪のホイールシリンダ内の圧力、即ち制動力はブレーキペダル12の踏力に応じて増減される。
【0034】
これに対し電磁開閉弁22、54及び電磁開閉弁26、48が第二の位置に切り換えられ、各輪の開閉弁34FL〜34RR及び42FL〜42RRが図1に示された位置にあるときには、ホイールシリンダ24FL、24FR、24RL、24RRにはアキュムレータ圧が供給されるようになるので、各輪の制動力はブレーキペダルの踏力に関係なく各輪の開閉弁の開閉により増減される。
【0035】
特にホイールシリンダ内の圧力は開閉弁34FL〜34RR及び開閉弁42FL〜42RRが図1に示された第一の位置にあるときには増圧され(増圧モード)、開閉弁34FL〜34RRが第二の位置に切り換えられ且つ開閉弁42FL〜42RRが図1に示された第一の位置にあるときには保持され(保持モード)、開閉弁34FL〜34RR及び開閉弁42FL〜42RRが第二の位置に切り換えられると減圧される(減圧モード)。
【0036】
かくして電磁開閉弁22及び54は互いに共働して制御元油圧としての圧力源をマスタシリンダ圧とアキュムレータ圧との間に切り換える圧力源制御弁を構成しており、電磁開閉弁26及び48は互いに共働して制御元油圧としての圧力源をレギュレータ圧とアキュムレータ圧との間に切り換える圧力源制御弁を構成しており、電磁開閉弁22は必要に応じてマスタシリンダ14と左右前輪のホイールシリンダ24FL、24FRとの連通を遮断する遮断弁として機能する。また開閉弁34FL〜34RR及び開閉弁42FL〜42RRはそれぞれ互いに共働して対応するホイールシリンダ内の圧力を増圧し保持し減圧する増減圧制御弁を構成している。尚これらの開閉弁はそれぞれ上記増圧モード、保持モード、減圧モードに対応する増圧位置、保持位置、減圧位置を有する一つの切換え弁に置き換えられてもよい。
【0037】
電磁開閉弁22、54、電磁開閉弁26、48、電磁開閉弁34FL〜34RR、電磁開閉弁42FL〜42RRは後に詳細に説明する如く制動力制御用電子制御装置70により制御される。制動力制御用電子制御装置70は走行制御用電子制御装置72と相互に必要な情報の通信を行う。制動力制御用電子制御装置70及び走行制御用電子制御装置72はそれぞれマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
【0038】
制動力制御用電子制御装置70には車輪速度センサ74FL〜74RRよりそれぞれ左右前輪及び左右後輪の車輪速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、圧力センサ76FL〜76RRよりそれぞれ左右前輪及び左右後輪のホイールシリンダ圧力Pi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力され、また走行制御用電子制御装置72より定速走行制御中であるか否かを示す信号が入力される。
【0039】
走行制御用電子制御装置72には車速センサ78より車速Vを示す信号、定速走行制御スイッチ80より定速走行制御を実行すべきか否かを示す信号、ストップランプスイッチ(STPSW)82より運転者により制動操作が行われたか否かを示す信号、エンジン制御装置84より運転者によりエンジン出力の増減による加減速操作が行われたか否かを示す信号が入力される。
【0040】
制動力制御用電子制御装置70はフローチャートとしては示されていないが、各車輪の車輪速度Vwiに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて車体速度Vbを演算し、各車輪の車輪速度Vwrl、Vwrr及び推定車体速度Vbに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて各車輪の加速スリップ量SAi(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、加速スリップ量SAiがトラクション制御(TRC制御)開始の基準値よりも大きくなり、トラクション制御の開始条件が成立すると、トラクション制御の終了条件が成立するまで、当該車輪について加速スリップ量が所定の範囲内になるよう対応するホイールシリンダ24FL〜24RR内の圧力を増減するトラクション制御を行う。
【0041】
また制動力制御用電子制御装置70は、図3に示された制御フローを記憶しており、後述の如く定速走行制御の実行中に左右前輪の何れかについてトラクション制御が所定の時間以上継続して実行されると、定速走行制御の終了要求信号を走行制御用電子制御装置72へ出力する。
【0042】
一方、走行制御用電子制御装置72は、フローチャートとしては示されていないが、運転者により定速走行制御スイッチ80が操作され、該スイッチより定速走行制御を実行すべき旨の信号が入力されると、定速走行制御中であることを示す報知ランプ86が点灯されると共に、そのときの車速又は図には示されていない車速設定ダイヤルにより設定された車速が維持されるよう、必要に応じて制動力制御用電子制御装置70へ制動力の付与による車輌の減速指令信号を出力し、或いはエンジン制御装置84に対しエンジン出力の増減による車輌の加減速指令信号を出力する。
【0043】
制動力制御用電子制御装置70は走行制御用電子制御装置72より減速指令信号が入力されると、その指令に応じて各車輪の制動力を制御し、車輌を制動により減速させる。エンジン制御装置84は走行制御用電子制御装置72より加減速指令信号が入力されると、その指令に応じてエンジン出力を増減し、車輌を加減速させる。
【0044】
また走行制御用電子制御装置72は、運転者により定速走行制御スイッチ80がオフ操作されたとき又は定速走行制御の実行中にストップランプスイッチ82より運転者により制動操作が行われたことを示す信号が入力されたとき又は定速走行制御の実行中に制動力制御用電子制御装置70より定速走行制御の終了要求信号が入力されたときには、定速走行制御を終了すると共に報知ランプ86を消灯する。
【0045】
次に図3に示されたフローチャートを参照して図示の実施例1に於ける定速走行制御の終了制御ルーチンについて説明する。尚図3に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチが閉成されることにより開始され、イグニッションスイッチが開成されるまで所定の時間毎に繰返し実行される。
【0046】
まずステップ10に於いては車輪速度センサ74FL〜74RRにより検出された左右前輪及び左右後輪の車輪速度Vwiを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては走行制御用電子制御装置72よりの信号に基づき定速走行制御中であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ60へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
【0047】
ステップ30に於いては左右前輪の何れかについてトラクション制御が実行されているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ60へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ40へ進む。
【0048】
ステップ40に於いては車速Vが基準値Vo(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ50に於いて図3に示されたフローチャートのサイクルタイムをΔTとしてタイマのカウント値TcがΔTインクリメントされ、否定判別が行われたときにはステップ60に於いてタイマのカウント値Tcが0にリセットされた後ステップ90へ進む。
【0049】
ステップ70に於いてはタイマのカウント値Tcが基準値Tc以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ80に於いて定速走行制御の終了要求がオンに切り替えられ、該終了要求を示す信号が走行制御用電子制御装置72へ出力され、否定判別が行われたときにはステップ80に於いて定速走行制御の終了要求がオフに維持される。
【実施例2】
【0050】
図4は実施例2に於ける定速走行制御の終了制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図4に於いて図3に示されたステップと同一のステップには図3に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
【0051】
この実施例2に於いては、走行制御用電子制御装置72には制動力制御用電子制御装置70より左右前輪の何れかについてトラクション制御が行われているか否かを示す信号が入力され、走行制御用電子制御装置72は図4に示された制御フローを記憶しており、後述の如く定速走行制御の実行中に左右前輪の何れかについてトラクション制御が所定の時間以上継続して実行されると、定速走行制御を終了する。
【0052】
図4に示されている如く、ステップ10〜70は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ70に於いて肯定判別が行われたときにはステップ80に於いて定速走行制御が終了されると共に報知ランプ86が消灯され、否定判別が行われたときにはステップ90に於いて定速走行制御が継続されると共に報知ランプ86が点灯状態に維持される。
【0053】
かくして図示の実施例1及び2によれば、運転者により定速走行制御スイッチ80がオフ操作されたとき又は定速走行制御の実行中にストップランプスイッチ82より運転者により制動操作が行われたことを示す信号が入力されたときに定速走行制御が終了されると共に、定速走行制御の実行中に左右前輪の何れかについてトラクション制御が所定の時間以上継続して実行されると、定速走行制御の終了要求信号が走行制御用電子制御装置72へ出力され、制動力制御用電子制御装置70より定速走行制御の終了要求信号が入力されたときにも定速走行制御が終了される。
【0054】
従って定速走行制御の実行中に左右前輪の何れかについてトラクション制御が実行され、遮断弁としての電磁開閉弁22によりマスタシリンダ14と左右前輪のホイールシリンダ24FL及び24FRとの連通が遮断され、これにより運転者がブレーキペダル12を踏み込むことができない状況に於いても確実に定速走行制御を終了させることができる。
【0055】
尚図示の実施例1及び2によれば、定速走行制御の実行中に左右前輪の何れかについてトラクション制御が所定の時間以上継続して実行されると、運転者に制動意思があるか否かに拘らず定速走行制御が終了され、トラクション制御はその終了条件が成立するまで継続されるが、定速走行制御は運転者の運転の利便性を向上させる制御であるのに対し、トラクション制御は加速時の車輌の加速性能及び走行安定性を向上させるものであり、定速走行制御が終了されトラクション制御が継続されることにより運転者にとって過剰の不都合が生じることはない。
【0056】
特に図示の実施例1及び2によれば、定速走行制御の実行中に左右前輪の何れかについてトラクション制御が所定の時間以上継続して実行されると、定速走行制御が終了されるので、定速走行制御の実行中に左右前輪の何れかについてトラクション制御が開始されると定速走行制御が終了される場合に比して、定速走行制御が不必要に終了される虞れを確実に低減することができる。
【0057】
また図示の実施例1及び2によれば、定速走行制御の実行中であって車輌が基準値Vo以上の車速にて走行している状況に於いて左右前輪の何れかについてトラクション制御が所定の時間以上継続して実行されると定速走行制御が終了されるので、車速の判定が行われない場合に比して、定速走行制御が不必要に終了される虞れを確実に低減することができる。
【0058】
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0059】
例えば上述の各実施例に於いては、運転者により制動操作が行われると終了されるべき自動走行制御は車輌を実質的に一定の車速にて走行させる定速走行制御であるが、本発明に於ける自動走行制御は運転者により制動操作が行われると終了されるべき自動走行制御である限り、当技術分野に於いて公知の任意の制御であってよく、例えば先行車輌に対する車間距離が過剰に小さくならないよう車輌を先行車輌に追従して走行させる先行車輌追従走行制御、先行車輌に対する相対速度及び相対車速に基づいて先行車輌に対し衝突しないよう車速若しくは加減速を自動的に調節する先行車輌に対する衝突防止制御、カメラによって撮影された走行路の画像解析により走行路を確認判定すると共にその結果に基づいて車輌を走行路に沿って自動的に走行させる走行路確認走行(レーンキープ)制御の何れかであってもよい。
【0060】
また上述の各実施例に於いては、所定の条件が成立すると遮断弁を閉弁させて圧力源よりの高圧の作動液体を使用してホイールシリンダ内圧力を制御する制動力制御はトラクション制御であるが、本発明に於ける制動力制御は所定の条件が成立すると遮断弁を閉弁させて圧力源よりの高圧の作動液体を使用してホイールシリンダ内圧力を制御する制動力制御である限り、当技術分野に於いて公知の任意の制御であってよく、例えばアンチスキッド制御や制動力制御式の車輌運動制御であってもよい。
【0061】
更に上述の各実施例に於いては、車輌は四輪駆動車であり、左右前輪の少なくとも一方についてトラクション制御の開始条件が成立すると、遮断弁としての電磁開閉弁22を閉弁させ電磁開閉弁54を開弁させて圧力源としてのアキュムレータ62よりの高圧のブレーキオイルを使用してホイールシリンダ24FL若しくは24FR内の圧力を制御するようになっているが、所定の条件が成立すると遮断弁を閉弁させてマスタシリンダとホイールシリンダとの連通が遮断され圧力源よりの高圧の作動液体を使用してホイールシリンダ内圧力が制御される限り、車輌は前輪駆動車や後輪駆動車であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】四輪駆動車の定速走行装置として構成された本発明による車輌用走行制御装置の実施例1を示す概略構成図である。
【図2】図1に示された制動装置を示す説明図である。
【図3】実施例1に於ける定速走行制御の終了制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】実施例2に於ける定速走行制御の終了制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
10 制動装置
14 マスタシリンダ
16 ハイドロブースタ
24FL〜24RR ホイールシリンダ
22、26、50、54 電磁開閉弁
34FL〜34RR 電磁開閉弁
42FL〜42RR 電磁開閉弁
70 制動力制御用電子制御装置
72 走行制御用電子制御装置




 

 


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