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発明の名称 電動車両搭載電池温度調整装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−16000(P2006−16000A)
公開日 平成18年1月19日(2006.1.19)
出願番号 特願2005−222712(P2005−222712)
出願日 平成17年8月1日(2005.8.1)
代理人 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二
発明者 江藤 豊彦 / 乾 究
要約 課題
電池の冷却又は暖気の際の熱利用効率を高める。

解決手段
キャビン10内の空調に利用したエアを流路22を介してケース18に導入し、ケース18内の電池14を冷却又は暖気する。キャビン10の空調に使用したエアの廃熱を利用しているため、熱利用効率が高まる。更に、電池14からガスが放出されたとしても、このガスがキャビン10に漏れ出すことはない。
特許請求の範囲
【請求項1】
キャビンから電池収納ケースの内部に至る導入用流路と、上記電池収納ケースから車外に至る排出用流路と、上記導入用流路内に配設され上記電池収納ケース内部へとエアを強制送風する送風部材と、を備え、上記キャビンの空調に使用され上記導入用流路を経て上記電池収納ケース内部に導入されたエアにて、上記電池収納ケース内部に収納されている車両推進用の電池を冷却又は暖気し、当該電池の冷却又は暖気に使用されたエアを上記排出用流路を経て車外に排出すると共に、上記電池からガスが放出された場合には、上記送風部材によるエアの導入量を、電池のSOC又は温度に基づいて制御させて、そのガスを、上記排出用流路を経て車外に排出することを特徴とする電動車両搭載電池温度調整装置
【請求項2】
キャビンから電池収納ケースの内部に至る導入用流路と、電池収納ケースから車外に至る排出用流路とを設け、キャビンの空調に使用されたエアを導入用流路を経て電池収納ケース内部に導入し、電池収納ケース内部に収納されている車両推進用の電池の冷却又は暖気に使用したエアを排出用流路を経て車外に排出するようにした電動車両搭載電池温度制御装置において、前記導入用流路には電池のSOC又は温度に基づき制御される送風部材を設け、前記排出用流路には電池のSOC又は温度に基づき制御されるバルブを設けたことを特徴とする電動車両搭載電池温度制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電動車両搭載電池温度調整装置において、上記電池からのガス放出の可能性及び程度を推定する手段と、ガス放出の可能性があるときには、上記電池収納ケースから直接車外に至る直接排出用流路を、ガス放出の可能性がないとき及びガス放出の可能性があるけれどもその程度が所定程度以下のときには、上記電気収納ケースから上記キャビンと隔てられた希釈室を経て車外に至る間接排出用流路を、それぞれ上記排出用流路として形成する手段と、を備えることを特徴とする電動車両搭載電池温度調整装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電動車両搭載電池温度調整装置において、上記キャビンの空調モード及び上記電池の状態に応じて、上記希釈室から上記導入用流路に至る再導入用流路を形成させる手段を備えることを特徴とする電動車両搭載電池温度調整装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれか1項に記載の電動車両搭載電池温度調整装置において、上記導入用流路と上記電池収納ケースとの連通位置、上記導入用流路と上記キャビンとの連通位置又は上記排出用流路と上記電池収納ケースとの連通位置に比べ、高い位置にて車外に向け開口し、上記電池収納ケース、上記導入用流路及び上記排出用流路のいずれかに連通するガス誘導用流路を備えることを特徴とする電動車両搭載電池温度調整装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれか1項に記載の電動車両搭載電池温度調整装置において、上記導入用流路と上記電池収納ケースとの連通位置が、上記排出用流路と上記電池収納ケースとの連通位置に比べ低い位置にあることを特徴とする電動車両搭載電池温度調整装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれか1項に記載の電動車両搭載電池温度調整装置において、上記送風部材が送風を行っているときには上記導入用流路を開通させ行っていないときには閉鎖する流路開閉部材を備えることを特徴とする電動車両搭載電池温度調整装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の電動車両搭載電池温度調整装置において、上記導入用流路と連通しており上記電池収納ケース内部を巡る通風用流路を備え、上記排出用流路として、上記通風用流路と連通するエア排出用流路と、上記通風用流路から分離されたガス排出用流路と、を備えることを特徴とする電動車両搭載電池温度調整装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車等の電動車両に搭載される電池の温度を調整する装置、即ち電動車両搭載電池温度調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両例えば電気自動車には、車両推進用の電力をモータ等に供給するための大規模な電池が搭載されるのが一般的である。通常、この種の用途に適する電池は、その使用温度が常に所定の範囲内にあれば、より長期間に亘り使用し続けることができる。そこで、従来から、電池の寿命を確保乃至延長するために、電池を冷却/暖気する手法がいくつか提案されている。例えば特開平8−40088号公報に記載されている電気自動車では、車外からキャビンにエアを導入するダクトの途中に分岐を設け、電池へとエアを導入するためのダクトをこの分岐箇所に接続している。更に、この分岐箇所には、車外からのエアをキャビンに導入するのかそれとも電池側に導入するのかを切り換え、またキャビンへのエア導入量と電池側へのエア導入量をどのような比率とするかを設定するためのバルブが、設けられている。従って、上記公報に記載の電気自動車では、ある場合にはキャビンに、他の場合には電池に、というようにエア導入先を切り換えることや、キャビン・電池間のエア導入量の比率を制御することが、可能である。
【0003】
【特許文献1】特開平8−40088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このように分岐を用いた構成では、キャビン内の空調と電池の冷却/暖気とを好適に両立させるのは困難である。例えば、キャビン内の空調がリフレッシュモード(車外のエアの導入に伴いキャビン内のエアを車外に排出するモード)であるときは、キャビンに大量のエアを導入する必要があるため電池側へのエア導入量は絞らざるを得ず、十分な冷却/暖気を行い得ないことがあり得る。無論、電池の冷却/暖気を優先させることもできるが、その場合には、キャビン内を十分に空調できないことも起こりうる。
【0005】
本発明の目的の一つは、電池側へのエアの導入経路に変更を施すことにより、キャビン内の空調と電池の冷却/暖気とを好適に両立できるようにすると共に、キャビン内の空調と電池の冷却/暖気とを併せた熱利用効率を高めることにある。本発明の目的の他の一つは、電池側へのエア導入経路に施した変更を利用乃至応用することにより、キャビン内のエアの汚濁をより確実に防止乃至低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明に係る電動車両搭載電池温度調整装置は、キャビンから電池収納ケースの内部に至る導入用流路と、電池収納ケースから車外に至る排出用流路と、を備える。即ち、導入用流路を経て電池収納ケース内部に導入されるエアはキャビンの空調に使用されたエアであり、このエアは、電池収納ケース内部に収納されている車両推進用の電池の冷却又は暖気に使用された後に、排出用流路を経て車外に排出される。従って、例えば、キャビン内の空調がリフレッシュモードであっても、電池側へのエア導入量は絞られないため、十分な冷却/暖気を行い得る。更に、キャビンの空調に使用されたエアを電池の冷却/暖気に用いているため、いわば廃熱利用による効率化の作用効果が発生し、従来に比べエネルギの無駄が減る。この結果、キャビン内の空調と電池の冷却/暖気とを併せた熱利用効率が高まる。これらの作用効果は、人間が快適と感ずる温度と一致乃至近接した温度がその好適使用温度範囲であるような電池を用いているときに、特に顕著になる。
【0007】
更に、電動車両に搭載される電池には、過充電状態又は過放電状態に至るとその内部でガスを発生させるものがある。内部でガスが発生しうる電池には、通常、発生したガスを電池外部に逃がす手段例えば防爆弁が設けられるため、この種の電池を仮にキャビン内においたとすると、ガス放出時にはキャビン内のガス濃度が徐々に上昇していき、キャビンの居住性が損なわれる。本発明にて使用している構造は、かかる問題点の発生を防ぐ上で、有効である。即ち、電池を電池収納ケースに収納しているため、電池から仮にガスが放出されたとしても、そのガスは一旦電池収納ケース内にたまりその上で排出用流路を経て車外に排出されるから、キャビンにガスが漏れる状態は生じにくい。従って、本発明においては、キャビンの居住性も向上する。尚、電池からのガスの放出は、電池の温度や充電状態(SOC)を管理する制御装置を設け、電池が高温或いは過充電状態や過放電状態に至らないようにすることによって、発生しないようにするのが好ましい。本発明におけるキャビンへのガス漏れ防止機能は、電池のSOCの管理を補助し、当該管理に何らかのフェイルがあったとしてもキャビンにガスが漏れないようにする機能として用いるのが好ましい。また、本発明におけるキャビンへのガス漏れ防止機能は、次に述べるような各種の手法により、更に強化することができる。
【0008】
第1の手法は、電池からのガス放出の可能性及び程度を例えば電池のSOCの検出結果に基づき推定し、その結果に応じて電池収納ケースからの排出用流路を切換形成する手法である。例えば、電池収納ケースから直接車外に至る直接排出用流路と、電池収納ケースから希釈室を経て車外に至る間接排出用流路とを、選択的に或いは同時に形成可能にしておく。ここでいう希釈室とは、例えばラゲージのように、キャビンと隔てられた室であり、好ましくは、ガスの希釈に十分な容積を有する室である。このような構成下で、ガス放出の可能性があるときには直接排出用流路を、ガス放出の可能性がないとき及びガス放出の可能性があるけれどもその程度が所定程度以下のときには間接排出用流路を、それぞれ形成するようにすれば、キャビンの空調やキャビン内でのエアのリサーキュレーションに影響を与えることなく、キャビン側へのガス漏れを防止できる。即ち、仮に電池からガスが放出されると推定されたとしても、放出量推定値が微量であるときには、間接排出用流路を構成する希釈室にてガス濃度が低められ、その上で車外への排出が行われるから、ガスを車外に排出するために大量のエアを電池収納ケースに導入する必要はなく、またエアの車外排出による熱利用効率低下も抑制される。例えば、キャビンの空調がリサーキュレーションモード(キャビン内でエアを循環させ車外からキャビンへのエアの導入は少量にとどめるモード)であるときでも、キャビンの空調モードを変えることなくガスを好適に排出できる。また、ガス放出の可能性があるときにはその推定量の多少によらず直接排出用流路が形成されているため、ガスを迅速に車外に排出できる。特に、ガス放出量の推定値が比較的大きいときには間接排出用流路が閉ざされるため、希釈室内でのガスの貯留が生ずることもない。また、ここで述べている第1の手法を実施する際には、間接排出用流路が必要になる。この間接排出用流路を利用することにより、電池収納ケースから希釈室を経て電池収納ケースに戻るという希釈室経由リサーキュレーションが可能な構成を、実現できる。即ち、キャビンの空調モード及び電池の状態(温度等)に応じて、希釈室から導入用流路に至る再導入用流路を形成可能な構成とすることにより、キャビンからのエア導入量が低い状態でも電池冷却/暖気に必要な量のエアを確保可能になり、またキャビンから少しずつ導入されるエアの廃熱を有効利用可能になる。なお、希釈室経由リサーキュレーションは、直接排出用流路を形成できない構成下でも実現でき、その場合も、廃熱の効率的利用の作用が生じる。
【0009】
第2の手法は、導入用流路と電池収納ケースとの連通位置、導入用流路とキャビンとの連通位置又は排出用流路と電池収納ケースとの連通位置に比べ、高い位置にて車外に向け開口し、電池収納ケース、導入用流路及び排出用流路のいずれかに連通するガス誘導用流路を、設ける手法である。電池から電池収納ケース内に放出されるガスの比重がエアより小さい場合、作用する浮力によって、ガスは下から上へと流れるから、ガス誘導用流路の車外への開口を上述のような高い位置に設定しておけば、ガスが電池収納ケース内に長い間貯留することもなく、迅速な排出が実現される。また、第3の手法は、導入用流路と電池収納ケースとの連通位置を、排出用流路と電池収納ケースとの連通位置に比べ低い位置に設定する手法である。この手法においても、ガスの浮力を利用している。即ち、導入用流路と電池収納ケースとの連通位置を低い位置にしておけば、仮に電池収納ケースにガスが放出されたとしても、そのガスが導入用流路に漏れ出すことは生じにくくなる。そして、第4の手法は、導入用流路内に配設され電池収納ケース内部へとエアを強制送風する送風部材を、前提としている。即ち、この送風部材が送風を行っているときには導入用流路を開通させ行っていないときには閉鎖する流路開閉部材を、設けるようにすれば、仮に、送風部材が停止したためガスを電池収納ケース方向に押しやるエアが導入されなくなり更にその状態で何らかの原因で電池収納ケースから導入用流路にガスが漏れたとしても、そのガスがキャビンに漏れることはない。また、これら第2乃至第4の手法は互いに又は第1の手法と組み合わせることが可能であり、組合せにより更に効果的になる。例えば、第2の手法と第3の手法とを組み合わせた場合、電池収納ケース内に放出されたガスは排出用流路及びガス誘導用流路双方により排出されるため、ガスの排出は迅速となる。また、第2の手法と第4の手法とを組み合わせた場合、導入用流路が閉鎖されたときにガスがガス誘導用流路に流れうるため、やはりガスの排出は迅速となる。
【0010】
以上述べた第1乃至第4の手法は、いずれも、なお、電池を冷却/暖気するためのエアを通す流路と、電池から放出されたガスを排出するための流路とが分離されていない構成下で、実施されるものである。即ち、エアの流れによってガスを排出方向に押しやると共に、排出用流路の選択的使用(第1の手法)やガスの浮力の利用(第2乃至第4の手法)によって、例えば導入用流路をガスが逆流すること等を防いでいる。第5の手法は、これらとは異なる発想に基づいている。即ち、第5の手法は、導入用流路と連通し電池収納ケース内部を巡る通風用流路を設けると共に、排出用流路として、通風用流路と連通するエア排出用流路と、通風用流路から分離されたガス排出用流路とを、設ける手法であり、電池を冷却/暖気するためのエアを通す流路(導入用流路→通風用流路→エア排出用流路)と、電池から放出されたガスを排出するための流路(電池収納ケース内部→ガス排出用流路)とを分離している。これによって、例えば導入用流路をガスが逆流する可能性はなくなる。
【0011】
なお、本願では、本発明が「電動車両搭載温度調整装置」の発明であると述べているが、本願の開示を参照した当業者であれば、本発明を他のカテゴリ例えば調整方法、電動車両等として把握及び表現変更することが可能である。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、キャビンから電池収納ケースの内部に至る導入用流路と、電池収納ケースから車外に至る排出用流路とを設け、キャビンの空調に使用されたエアを導入用流路を経て電池収納ケース内部に導入し、電池収納ケース内部に収納されている車両推進用の電池の冷却又は暖気に使用したエアを排出用流路を経て車外に排出するようにしたため、キャビン内の十分な空調と電池の十分な冷却/暖気を好適に両立させることができ、また、廃熱利用によりエネルギの無駄を減らすことができる。更に、ガスを放出することがある電池を用いている場合でも、放出されたガスは一旦電池収納ケース内にたまりその上で排出用流路を経て車外に排出されるから、キャビンにガスが漏れ居住性が損なわれることもない。
【0013】
更に、電池からのガス放出の可能性及び程度を推定し、その結果に応じ、電池収納ケースから直接車外に至る直接排出用流路と、電池収納ケースから希釈室を経て車外に至る間接排出用流路とを、選択的に或いは同時に形成するようにすれば、キャビンの空調やキャビン内でのエアのリサーキュレーションに影響を与えることなく、また熱利用効率を損なうことなく、キャビン側へのガス漏れを防止でき、またガスを迅速に車外に排出できる。また、キャビンの空調モード及び電池の状態に応じて、希釈室から導入用流路に至る再導入用流路を形成するようにすれば、電池収納ケースから希釈室を経て電池収納ケースに戻るという希釈室経由リサーキュレーションが可能になり、更に効率的な廃熱利用が可能になる。また、導入用流路と電池収納ケースとの連通位置、導入用流路とキャビンとの連通位置又は排出用流路と電池収納ケースとの連通位置に比べ高い位置に、電池収納ケース、導入用流路及び排出用流路のいずれかに連通するガス誘導用流路を車外に向け開口させるようにすれば、作用する浮力によってガスを迅速に排出できる。更に、導入用流路と電池収納ケースとの連通位置を、排出用流路と電池収納ケースとの連通位置に比べ低い位置に設定しておけば、仮に電池収納ケースにガスが放出されたとしても、そのガスが導入用流路に漏れ出すことは生じにくくなる。また、導入用流路内に配設され電池収納ケース内部へとエアを強制送風する送風部材が送風を行っているときには導入用流路を開通させ行っていないときには閉鎖するようにすれば、電池収納ケースから導入用流路にガスが漏れたとしても、そのガスがキャビンに漏れることはなくなる。そして、導入用流路と連通し電池収納ケース内部を巡る通風用流路を設けると共に、排出用流路として、通風用流路と連通するエア排出用流路と、通風用流路から分離されたガス排出用流路とを、設けるようにすれば、電池を冷却/暖気するためのエアを通す流路と、電池から放出されたガスを排出するための流路とを分離させることができ、その結果、例えば導入用流路をガスが逆流する可能性はなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態に関し図面に基づき説明する。
【0015】
図1に、本発明の一実施形態に係る装置を搭載した電気自動車の構成、特にその後部の概略構造を示す。この図に示すように、本実施形態では、キャビン10から独立した室であるラゲージ12の内部に、多数の電池14を集積した構造を有する電池アセンブリ16が、ケース18に収納された状態で配置されている。電池アセンブリ16は、例えば図2に示されるように、通常の電池14又はそれを複数個連結したブロックを、複数枚のバルクヘッド19にて要所要所を支持した構造を有している。電池アセンブリ16が収納されるケース18の内部は、その前面下部に設けられているエアインテイク20により流路22に連通しており、この流路22は、アッパバック24に配設されているエア吸入口26に連通している。流路22の内部には、エア吸入口26からケース18の内部へと、キャビン10のエアを強制送風するブロア28が設けられている。更に、ブロア28から見てエア吸入口26側には、図示しない制御部によって開閉制御されるバルブ30が設けられており、また、ブロア28から見てエアインテイク20側には、ブロア28によって送風が行われているときには開き行われていないときには流路22を閉鎖するバルブ32が配設されている。更に、バルブ32から見てエアインテイク20側の部位には、流路34が連通している。流路34は、ケース18から見て上方において車外に開口している排出グリル36に連通している。他方、ケース18の背面上部にはベンチレーション38と連通した流路40が連通しており、この流路40には、ケース18からのエアをベンチレーション38側あるいはラゲージ12へと切換導入するためのバルブ42が設けられている。これら、電池14の冷却又は暖気にかかる各種の部材は、リアシート44の背面に配設されている。更に、図3に示されるように、ベンチレーション38は、車両の左右に開口しており、そのうち一方は流路40によりケース18に連通しており、他方はラゲージ12の内部空間を通じてケース18に連通している。
【0016】
従って、本実施形態においては、まず、キャビン10から流路22を経てケース18にエアを導入することができる。従って、キャビン10内の空調に使用されたエアを利用し、すなわち廃熱利用によって、電池14の冷却又は暖気を行うことができるため、電池14の冷却又は暖気にかかる熱利用効率を改善することができる。更に、バルブ30及び42を開き、流路40からラゲージ12を経て流路22に至るエアの流れを形成することができるため、ラゲージ12内でのエアのリサーキュレーションによりキャビン10内の空調に使用されたエアの熱を効率的に利用することができ、この点でも熱利用効率が高まる。
【0017】
更に、電池14からガスが放出されることがあったとしても、このガスは、ケース18内に一旦貯留しその後ラゲージ12を介してあるいは流路40を介して車外に排出されることになるため、キャビン10内の空気がガスによって汚濁することは生じにくい。また、流路40は、ケース18の比較的上部に連通しており、他方でエアインテイク20はケース18の下部に位置しているから、電池14が放出したガスはエアインテイク20側へは漏れにくく逆に流路40側へと流れることになる。これは電池14が放出するガスが、一般には比較的比重が小さいガスであり、作用する浮力によって図中下から上へと流れることによる。また、仮に、エアインテイク20を介して流路22側へとガスが漏れだしたとしても、このガスは、ブロア28が動作しているときにはエアが存在しているためエア吸入口26側へは流れず排出グリル36側に流れ、車外に排出されることになる。更に、ブロア28が何らかの原因で停止しているときには、バルブ32によってエア吸入口26側への流路が閉ざされるため、やはり、排出グリル36を介してガスは車外に排出される。加えて、電池14からのガス放出が比較的微量であるときにはバルブ42は半開状態、多量である時には全閉状態とすることにより、ベンチレーション38を介したガスの迅速な排出や、ラゲージ12の容積を利用したガスの希釈を実現できる。
【0018】
図4に、図1に示す装置を制御する制御部44及びその周辺構成を示す。この図に示すように、制御部44は、車両操縦者によるスイッチ操作等により設定されるキャビン内空調モードや、SOCセンサ46及び温度センサ48により検出される電池アセンブリ16特にその電池14のSOCや温度に基づき、ブロア28、バルブ30及びバルブ42を制御する。
【0019】
図5に、制御部44の動作手順の一例を示す。この図に示す手順においては、制御部44は、まず、電池14の温度等に基づき、電池14の冷却/暖気が必要であるか否かを判定する(100)。必要であると判定した時には、制御部44はブロア28を動作させ(102)、流路22を介したケース18内へのエアの導入を開始する。ただし、このときのエアの導入量は、キャビン内の空調モードに応じた導入量とする。このようにして決定したエアの導入量では電池14の冷却/暖気にとって不足であると判定した場合(104)、制御部44は、バルブ30及び42を開く(106)。すなわち、ケース18から流路40特にそのバルブ42を経てラゲージ12に至り更にラゲージ12からバルブ30を経て流路22に至りそしてケース18に戻るリサーキレーションを、形成させる。逆に、エア導入量が不足していないと判定したときには(104)、制御部44はバルブ30及び42を閉じた状態に保つ(108)。
【0020】
ステップ106又は108を実行した後やステップ100において冷却/暖気が不要であると判定した時には、制御部44は、電池14のSOC等に基づき、電池14が過充電気味又は過放電気味であるか否かを判定する(110)。過充電気味あるいは過放電気味の状態が発生していないときには、制御部44の動作はステップ100に戻る。逆に、過充電気味又は過放電気味であることが検出されたときには、制御部44は、バルブ42を半開状態に制御する(112)。この制御を実行することにより、ケース18から流路40を経てベンチレーション38に至る流路と、ケース18からラゲージ12内を経てもう1個のベンチレーション38に至る流路とが形成される。この状態では、電池14からケース18内部に放出されるであろう微量のガスは、流路40を介して車外に排出される一方でラゲージ12内の容積にて希釈され車外に排出されることとなるから、ラゲージ12内におけるガスの濃度を抑えながら、ガスを迅速に排出することができる。更に、キャビン10からケース18へのエアの導入量を増加する必要もない。このような制御を行ったにもかかわらず電池14の過充電又は過放電が更に進行したとみなせる場合には(114)、制御部44は、バルブ30及び42を全閉状態とし、ブロア28によるエアの導入量を増加させる(116)。これによって、ケース18内に放出されたガスは、迅速にベンチレーション38から車外に排出されることになる。ステップ114において過充電又は過放電が更に進行してはいないと判定されたときは、制御部44の動作はステップ110に戻る。
【0021】
従って、本実施形態においては、キャビン10内の空調やエアのリサーキレーションに影響を与えることなく、また従来に比べ効率的に熱を利用して、電池14の冷却や暖気を実行することが可能になる。更に、電池14にて水素ガス等のガスが発生したとしても、このガスがキャビン10側に漏れ出すことはなく、キャビン10内のエアの汚濁ひいてはその居住性の低下を防止することができる。
【0022】
図6に、排出グリル36の配設位置の変形例を示す。この図に示す例では、排出グリル36は、ケース18上部に設けられた流路34にてケース18と連通している。このような構成としても、ケース18内に放出されたガスを車外に排出することが可能になる。
【0023】
図7及び図8に、電池アセンブリ16の変形例を示す。これらの図に示される電池アセンブリ16は、図8に示されるように、電池14を伝熱性樹脂ブロック50内にその端部を除いて封入した構成を有している。更に、伝熱性樹脂ブロック50にはエア通路52が形成されており、このエア通路52には、エア導入配管54及びエア排出配管56が連通している。エア導入配管54及びエア排出配管56は、いずれも、ケース18外部から引き込まれており、また、ケース18からは、ガス排出配管58が導き出されている。図中、シール60、62及び64は、それぞれ、エア導入配管54、エア排出配管56及びガス排出配管58とケース18の接触部位からのガスの漏出を防いでいる。
【0024】
この構成においては、前述のエア吸入口26及び流路22を経てエア導入配管54に導入されたキャビン10からのエアが、伝熱性樹脂ブロック50のエア通路52を通り、エア排出配管56にて流路40又はラゲージ12に導かれる。他方、電池14から放出されたガスは、ケース18の内部空間に溜まり、ガス排出配管58を介して車外に排出される。従って、図7及び図8に示される構成では、エアとガスとが別々の流路にて導入又は排出されることになるため、原理的に、ガスがエアに混入してキャビン10内に戻る現象は生じない。
【0025】
なお、以上の説明では、電池14からのガスの放出に言及していたが、実際には、電池14からのガスの放出はほとんど生じ得ない。これは、電池14のSOCを検出することによって、電池14が過充電状態又は過放電状態に至っていること又はその傾向を示していることを、早期に検出できることによる。すなわち、電池14からのガス放出の可能性があることや当該ガスの放出量は、電池14のSOCを検出し電池14が過充電気味又は過放電気味であることを検出することによって推定できるのであるから、逆に言えば、電池14のSOCを例えばその充放電電流量の管理によって所定範囲内に維持しておけば、電池14からのガス放出を防止することができる。上述の実施形態におけるガス放出への対策は、電池14のSOC管理によるガス放出防止を補助する位置づけのものである。すなわち、電池14のSOCの管理に何らかの異常乃至故障が発生したときを想定して、キャビン10へのガス漏れをより信頼性よく防止するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る装置を搭載した車両の後部概略構成を示す図である。
【図2】電池アセンブリの一例構成を示す斜視図である。
【図3】ベンチレーションの形成部位を示す平面図である。
【図4】制御部を示すブロック図である。
【図5】制御部の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】排出グリルの形成位置の変形例を示す概念図である。
【図7】電池アセンブリの一例構成を示す一部切り欠き斜視図である。
【図8】電池とエア通路の位置関係を示す正面図である。
【符号の説明】
【0027】
10 キャビン、12 ラゲージ、14 電池、16 電池アセンブリ、18 ケース、20 エアインテイク、22,34,40 流路、26 エア吸入口、28 ブロア、30,32,42 バルブ、36 排出グリル、38 ベンチレーション。




 

 


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