米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> スポ−ツ;娯楽 -> 大都販売株式会社

発明の名称 玉揚送洗浄装置および洗浄方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−128(P2006−128A)
公開日 平成18年1月5日(2006.1.5)
出願番号 特願2004−176391(P2004−176391)
出願日 平成16年6月15日(2004.6.15)
代理人 【識別番号】100106448
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 伸介
発明者 菊池 俊一
要約 課題
効率的な紫外線照射を可能として、洗浄・清浄化能力の優れた玉洗浄装置を提供する。

解決手段
無端搬送ベルト10と固定ガイド20との間に玉2を挟持して揚送しながら玉洗浄を行う玉揚送洗浄装置1であって、固定ガイド20に玉径よりも小さな隙間21を設け、隙間を通して揚送玉2へ紫外線を照射するための紫外線照射手段30を固定ガイドの裏面に設ける。固定ガイド20を揚送方向に延在する複数の格子22で形成して格子間に玉2を整列させながら揚送するようにし、さらに玉を搬送ベルト10へ押し付ける量の押付手段23を各格子に設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】
無端搬送ベルトと固定ガイドとの間に玉を挟持して揚送しながら玉洗浄を行う玉揚送洗浄装置であって、前記固定ガイドに玉径よりも小さな隙間を設け、前記隙間を通して揚送玉へ紫外線を照射するための紫外線照射手段を前記固定ガイドの裏面に設けたことを特徴とする、前記玉揚送洗浄装置。
【請求項2】
前記固定ガイドを揚送方向に延在する複数の格子で形成して該格子間に玉を整列させながら揚送するようにし、さらに玉を前記搬送ベルトへ押し付ける量の調整自在な押付手段を各格子に設けたことを特徴とする、請求項1に記載の玉揚送洗浄装置。
【請求項3】
前記紫外線照射手段は、波長域130〜240nmと波長域200〜300nmとにおいて発光スペクトルを有する紫外線を200mW・sec/cm2以上照射できることを特徴とする、請求項1または2に記載の玉揚送洗浄装置。
【請求項4】
前記紫外線照射手段と揚送される玉との距離が50mm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の玉揚送洗浄装置。
【請求項5】
無端搬送ベルトと固定ガイドとの間に玉を挟持して揚送しながら玉洗浄を行う玉揚送洗浄方法であって、玉径よりも小さな隙間を有する前記固定ガイドの裏面に設けた紫外線照射手段で前記隙間を通して揚送玉へ紫外線を照射することを特徴とする、前記玉揚送洗浄方法。
【請求項6】
前記揚送玉を循環させるときの一回の紫外線照射時間が0.3秒以上であることを特徴とする、請求項5に記載の玉揚送洗浄方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、玉揚送洗浄装置およびそれを用いる洗浄方法に関し、より詳細には遊技場等において使用される玉揚送洗浄装置とそれを用いた玉洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場で使用されるパチンコ玉等の剛球は、通常、遊技場内の玉送路や揚送装置を通って何度も循環使用される。使用を繰り返すうちに、玉にさまざまな汚れが付着、堆積する。これによって、パチンコ玉に触る遊技者の手が汚れる、遊技台等の盤面が汚れる、盤面における玉の流れが滑らかでなくなる、送玉路内での玉の流れが滞る等の問題が発生する。
【0003】
循環する玉をオンラインで洗浄する方式として、遊技場のスペースを有効活用する観点から、図5に示すような無端ベルトの回転に伴って玉を揚送する揚送装置1の内部に洗浄機構を組み込んだ揚送洗浄装置が普及している。揚送洗浄装置の発明も多数存在し、例えば実開平4-126589、特開平9-66162等が挙げられる。
【0004】
従来の揚送洗浄装置は、揚送装置内に設置された研磨布やビーズ・ペレットへ玉の汚れを転着させたり、ブラシで払い落としたりすることにより洗浄や清浄化するものである。したがって、汚れた研磨布やブラシは定期的(例えば毎日)交換、洗浄しなくてはならず、遊技場に大きな負担となっている。また、従来装置には一定の洗浄能力があるものの、パチンコ玉自体の清浄度は満足ゆくレベルにない。それは、表面の化学分析で相当量の汚れが検出されること、長時間の遊技により遊技者の手が汚れること、パチンコ台盤面のパチンコ玉の軌跡が汚れてくること等からも明らかである。
【0005】
上記の洗浄方法とは異なる技術として、実開昭59-38985号公報の考案がある。この考案は、位置規制部材と、それにより規制されながら揚送されるパチンコ玉へ紫外線を照射する紫外線灯とで構成される、紫外線を利用したパチンコ玉清浄化装置である。
【特許文献1】実開昭59-38985号公報(図1、4および5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記考案では、紫外線の種類、紫外線の照射量等の照射条件が定まらず、実効性に欠ける。また、パチンコ玉に付着した汚れとして、人の皮脂、タバコの煙、塵埃、油等の一般的にものを想定しているが、本発明者が知りえた汚れの実体と相違し、したがって実際の汚れに即応した洗浄装置として未完成である。また、上記公報に開示された揚送式の実施例は、紫外線照射効率の低さ、玉のかみこみ、モータの過負荷等の機構的な問題が残る。
【0007】
揚送方式と紫外線洗浄手段とを組み合わせた別の発明として、特開平11−207015号公報に開示の装置がある。この発明は、循環駆動される皮ベルトと酸化チタン光触媒が固定された布ベルトと紫外線ランプとから構成され、遊技玉が皮ベルトと布ベルトの間に挟まれ揚送される間に、紫外線ランプにより励起された光触媒の作用によって汚れが分解除去されるというものである。
【0008】
しかし、この発明は、洗浄メカニズムに励起光触媒を関与させる点で系を複雑にする。また、紫外線を布ベルトの背面から光触媒へ照射する構造になっており、紫外線照射効率が低い。
【0009】
実開平4-126589や特開平9-66162のような従来のパチンコ玉揚送洗浄装置に、紫外線照射手段を組み込もうとしても、設置空間がない。また、紫外線照射効率の確保も困難である。
【0010】
本発明の目的は、揚送式の玉洗浄装置において、効率的な紫外線照射を可能として、洗浄・清浄化能力の優れた玉洗浄装置を提供することである。また、該装置を用いた玉洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1の発明においては、無端搬送ベルトと固定ガイドとの間に玉を挟持して揚送しながら玉洗浄を行う玉揚送洗浄装置であって、前記固定ガイドに玉径よりも小さな隙間を設け、前記隙間を通して揚送玉へ紫外線を照射するための紫外線照射手段を前記固定ガイドの裏面に設けたことを特徴とする前記玉揚送洗浄装置を提供する。本洗浄装置は、光励起触媒を必須とする特開平11−207015号公報の洗浄装置と揚送方式を同じくするものの、紫外線照射のしかたや汚れを除去するメカニズムが全く異なる。
【0012】
請求項2の発明は、前記固定ガイドを揚送方向に延在する複数の格子で形成して該格子間に玉を整列させながら揚送するようにし、さらに玉を前記搬送ベルトへ押し付ける量の調整自在な押付手段を各格子に設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、前記紫外線照射手段が、波長域130〜240nmと波長域200〜300nmとにおいて発光スペクトルを有する紫外線を200mW・sec/cm2以上照射できることを特徴とする。
【0014】
前記紫外線照射手段の第一の波長域と第二の波長域が重複しているが、重複している波長域を使用する場合には1種類のスペクトルでよく、重複しない波長域を使用する場合には、2種類のスペクトルを使用する意味である。
【0015】
本発明者は、パチンコ玉に付着する汚れを分析した結果、汚れには実開昭59-38985号に記載されたような人の皮脂やタバコの煙の他に、ポリエステル、ポリアミド等のプラスチック成分や塗料の原料が多く含まれていることを見出した。請求項3の装置は、紫外線照射手段の特徴をより明確にしたことによって、従来全く想定していなかった、しかも強固に付着するプラスチック系汚れを容易に除去する。また、紫外線照射は、玉表面の殺菌にも有効である。
【0016】
したがって、本揚送洗浄装置の洗浄の対象は、人の皮脂、タバコのニコチン・タール成分、機械油のほかに、ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等のプラスチックを含み、さらに大腸菌、ビブリオ菌、レジオネラ菌のような細菌、ウイルス、真菌(カビ)等の微生物、ならびに硫化メチル、二硫化メチル、メチメルカプタン、プロピオン酸、トリメチルアミン等の臭気成分を包含するものである。
【0017】
請求項4の発明は、揚送される玉と前記紫外線照射手段との距離が50mm以下であることを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明は、無端搬送ベルトと固定ガイドとの間に玉を挟持して揚送しながら玉洗浄を行う玉揚送洗浄方法であって、玉径よりも小さな隙間を有する前記固定ガイドの裏面に設けた紫外線照射手段で前記隙間を通して揚送玉へ紫外線を照射することを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、前記揚送玉を循環させる場合に、一回の紫外線照射時間が0.3秒以上であることを特徴とする、請求項5に記載の玉揚送洗浄方法である。
【発明の効果】
【0020】
各請求項に記載の発明の効果を具体的に述べると、以下のとおりである。請求項1の揚送洗浄装置は、紫外線による洗浄方式をとる。本揚送洗浄装置は、従来の揚送洗浄装置のような玉の汚れを搬送ベルトに転着させ、また汚れを研磨するものではないため、ベルト等がほとんど汚れない。そのために、従来の揚送洗浄装置と相違して、ベルト洗浄や交換等のメンテナンス作業がほとんど不要となる。
【0021】
しかも、請求項1の玉揚送洗浄装置は、固定ガイドに隙間を設けることによって紫外線照射面積を十分に確保している。無端搬送ベルトは玉を積極的に転動させるので、玉の全面に紫外線を照射する。また、実開昭59-38985号公報で問題の玉かみこみ、モータ過負荷等の心配もなく、洗浄装置として実効性が非常に高い。
【0022】
請求項2の玉揚送洗浄装置では、固定ガイドが列毎に押し付ける量を調整自在であるので、精細な調整が可能である。
【0023】
請求項3および4の玉揚送洗浄装置では、紫外線照射条件を最適にしたので、効率的な洗浄が可能である。
【0024】
請求項5の玉揚送洗浄方法では、紫外線照射面積を確保しているので、玉に効率的に紫外線を照射することができる。
【0025】
請求項6の玉揚送洗浄方法では、玉が補給経路内を循環する場合の一回の照射時間を特定している。有機物系汚れ成分の除去された玉表面は、表面エネルギーの高い鋼が露出して親水性が増すので、親水性の高い有機系汚れ成分や各種菌は再付着し難くなる。疎水性の高い有機系汚れ成分は再付着するものの、同じ汚れの付着条件において、紫外線の照射積算時間に比例して表面に再付着し難くなる。したがって、本発明は清浄度の延命効果も発揮する。本発明の装置では、一回の照射で洗浄する必要がないので、請求項6の発明のように、数回の循環によって洗浄を達成する場合、照射時間は著しく短くてよい。これは、設備の小型化や系の緩やかな運転に貢献する。
【0026】
また、本揚送洗浄装置がプラスチック系汚れを除去することは、以下の理由からも非常に有益である。玉にプラスチック系の汚れが一旦着くと、玉の回転や転動によって玉の表面に静電気が帯びやすくなる。それによって、空気中のほこり、すす、浮遊ゴミ、タバコのニコチン・タール成分、人の皮脂、パチンコ遊技場内の建材、玉の補給経路用部品、遊技台の部品等から剥離した汚れ成分が玉表面へより吸着されやすくなる。特に、空気中の炭素成分は、玉表面に付着したプラスチック成分上の静電気により吸い付けられ、黒色の汚れ物質となる。黒い汚れの堆積した玉は、補給経路のトヨを通過し、遊技台内を流れ、ドブに戻り、再びタンクに補給されるので、その経路上に有機物およびゴミ成分を運ぶ役目をする。その結果、有機物やゴミは経路上に堆積し、長期の運転においては玉循環経路に黒色プラスチック系塗料を塗布したような状態になる。本発明の洗浄装置は、玉のプラスチック系の汚れを除去するので、上記の汚染連鎖を断つことができる。
【0027】
本発明の洗浄装置によれば、洗浄された玉が、補給経路のトヨ、遊技台の盤面内、ドブ等を循環するうちに、これらの機器や器具に付着、堆積した汚れを洗浄するという効果も期待できる。したがって、本洗浄装置の長期運転後には、遊技台、トヨ、ドブ等の遊技台関連設備の全体を清浄にすることが可能である。特に遊技台盤面の黒い汚れを除去できることは、美麗な盤面の維持、メンテナンス作業の軽減等に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の洗浄装置の一実施態様を、添付の図面を用いて詳しく説明する。図4は、玉循環供給システム40に本揚送洗浄装置1を組み込んだときの全体斜視図を示している。すなわち、パチンコ遊技場の玉循環供給システム40は、複数の遊技台41が並置されて一つの島42を形成している。島42の各遊技台41で使用された玉2は、遊技台下部のドブ43に集められ、ドブ出口44に連通した揚送装置入口12に送られ、次いで揚送洗浄装置1を通って揚送装置出口13から補給タンク45に送られ、補給タンク45から自然傾斜を持たせたトヨ46に流下し、再び各遊技台の貯留タンクに供給されるようになっている。
【0029】
本発明の揚送洗浄装置1は、主として無端搬送ベルト10と固定ガイド20と紫外線照射手段30とからなる。図1AおよびBに、本揚送洗浄装置の斜視図を示す。図1Aは、固定ガイド20および紫外線照射手段30を納めたハウジングを開けた状態であって、主にメンテナンス等のために揚送洗浄装置1を休止しているときの状態である。一方、図1Bは、同部分を閉じた状態であって、主に揚送洗浄装置を運転している状態を示している。
【0030】
図1に示すハウジング14Aは、無端搬送ベルト10を収容するための一体形成されたケーシングであり、一面が開口した長尺状の形状をなしている。このハウジング14Aの上下端には、一対の図示しない回転ローラが軸承される。そして、両回転ローラに、固定ガイド20との間に玉2を挟持して揚送するための無端搬送ベルト10が張架され、さらに下部回転ローラには駆動用モータ11が連結されている。ハウジング14Aの開口面は、無端搬送ベルト10の上昇側面へ露出している。
【0031】
無端搬送ベルト10の下部には、島のドブ出口44と連通する揚送装置入口12が設けられ、一方、ベルト10の上部には、補給タンク45と連通する揚送装置出口13が設けられる。
【0032】
無端搬送ベルト10は、固定ガイド20との間に挟持される玉2が滑落しない材質または構造であれば、特に制限がない。
【0033】
本揚送洗浄装置1は、前記無端搬送ベルト10の上昇側ベルトと対面する一体形成されたハウジング14B内に、固定ガイド20を納めている。固定ガイド20は、無端搬送ベルト10の下端から上端にわたって上昇側ベルトと等距離を置いて対面するような表面構造を有する。こうして、無端搬送ベルト10の摩擦力によりベルトに同伴される玉2が逃げないように、片側から玉を支持する。
【0034】
固定ガイド20は、揚送される玉2を支持できる剛直性があれば特に制限されない。通常は、金属であり、特にステンレスが好ましい。
【0035】
図2に、固定ガイド20と無端搬送ベルト10との間に玉2を挟持して揚送する揚送部の一部拡大断面図を示す(搬送ベルトの下降側ベルトは省略)。図2を見てわかるとおり、無端搬送ベルト10と固定ガイド20との間隔は、揚送玉2(点線)の一個分の距離よりもやや短い。
【0036】
固定ガイド20に、玉2の大きさよりも小さな隙間21を複数設ける。小さな隙間は、紫外線照射手段30から発せられる紫外線の導入路を形成する。隙間が玉の径より小さい理由は、揚送途中の玉2が隙間21から漏れないようにするためである。
【0037】
隙間21の形状は、スリット、格子状、網目状でもよいが、本実施形態(図3)のように揚送方向に延在する格子22を幅方向に複数本列設し、隣接する格子間に形成される隙間21に玉2を整列させながら揚送するのが好ましい。これにより、隙間21が玉の揚送にとって抵抗とならずに円滑な揚送が可能になる。また、玉の蛇行も阻止する。同時に、隙間からの紫外線の効率的な照射も可能になる。
【0038】
格子の本数は、揚送洗浄装置の設置面積に依存するが、通常、3〜10(図3では、8本)である。各格子は、独立していても一体形成されてもよいが、下記する押付手段による格子毎の微調整が可能な点で独立している方が好ましい。
【0039】
格子に玉が当接する部分は、磨耗が起こりやすい。磨耗を極力避けるために、図2のように、格子21の横断面形状を円形にするか、あるいは格子が当接する角部を面取りするのが好ましい。
【0040】
揚送路が狭すぎると玉の停滞を招き、駆動モータ11にも大きな負荷がかかる。逆に広すぎても、玉2が揚送部を登ってゆかない。それを回避するために、図2のように、玉2を搬送ベルト10へ押し付ける押付量調整自在な押付手段23を格子22に付設する。これにより、揚送玉2がガイド20とベルト10の間に停滞せずかつ滑り落ちない程度に挟持されるように固定ガイド20の位置を調整することが可能になる。
【0041】
図2の例では、ハウジング14Bの内側壁に横断面コの字状の押付手段支持板を螺着した後、該支持板と各格子裏面との間に押付手段23を介挿する。その押付手段23には皿バネを用いている。皿バネは固定ガイド20に玉への一定の押圧力を付与する。押付手段23は、コイルのような他の形状のスプリングでもよい。あるいは、前記押付手段支持板にタップを立てて、ボルトやダイヤルを螺挿してもよい。適時、これらのねじ込みによって押付量を微調整する。
【0042】
押付手段23を図2のように格子毎に独立して設けることによって、固定ガイド20の幅方向の微妙な距離調整が可能になる。これは、固定ガイドの長期間使用で揚送玉2が固定ガイド20を偏磨耗したきに、固定ガイドの各格子の挟持力のバランスを取るのに有効である。
【0043】
図3に示すように、押付手段23は、各格子22の長手方向に間隔を置いて複数個設置することが特に好ましい。これによって、固定ガイド20の長手方向の微妙な距離調整が可能になる。
【0044】
固定ガイド20を納めたハウジング14Bを、搬送ベルト10を納めたハウジング14Aに対して開閉自在とするため、ハウジング14A,Bの両側面を複数の蝶番15で連結している。本揚送洗浄装置1の休止時に、図1Aのように、蝶番15の支点を中心にハウジング14Bを開扉することによって、搬送ベルト10の装着や交換等のメンテナンスを簡単に行うことができる。ハウジング14A,Bとは、閉じた状態で図示しない止め金具で係止される。また、ハウジング14Bの側面には、ハウジング14Bを開扉するための取手(図示せず)が取り付けられている。
【0045】
図1に戻って、本揚送洗浄装置1は、揚送玉2へ前記隙間21を通して紫外線を照射するための紫外線照射手段30を前記固定ガイド20の裏面に設けている。その設置方法を図2を用いて説明すると、ハウジング14Bの裏面を長手方向に開放し、開放面を覆うように横断面コの字状のハウジング14Cを嵌挿し、ハウジングB,Cの側面同士を螺着する。ハウジング14Cは上下に二分割され、上下のハウジングを独立に取り外しできる。ハウジング14Cを取り外しは、紫外線照射手段30に故障やメンテナンスの必要が生じたときに、紫外線照射手段にアクセスするのに都合がよい。また、ハウジング14Cを外した状態では、固定ガイド20の背面から玉の揚送の状態を視認しやすいため、各格子22と搬送ベルト10との距離の調整等にも便利である。
【0046】
前記ハウジング14C内面に、照射手段サポート31を螺着する(図2では幅方向に二列)。照射手段サポート31は薄い金属製で、しかも紫外線照射手段の形状と相似であってやや小さめに形状記憶されているので、紫外線照射手段30を挟持することができる。紫外線照射手段30の設置方法は、紫外線照射手段を嵌め込んだハウジング14Cをハウジング14Bの所定位置に固定すればよい。
【0047】
紫外線照射手段30は、波長域130〜240nm、好ましくは170〜200nmと、波長域200〜300nm、好ましくは240〜260nmとにおいて発光スペクトルを有する。
【0048】
紫外線は、広い波長域において光化学反応により有機物を分解する作用を有するが、紫外線を利用して得られるオゾンおよび活性酸素は、プラスチック系の有機物を迅速に酸化分解する。波長130〜240nmのエネルギーの高い紫外線は、空気中の酸素に効率よく吸収され、酸素をオゾンに変える作用を有する。一方、200〜300nmの波長の比較的長い紫外線は、生成したオゾンに効率よく吸収され、特に光吸収の係数は240〜260nmで最大となり、オゾンを活性酸素に変える。したがって、上記二帯域に発光ピークを有する紫外線照射手段を用いれば、玉に付着したプラスチック系有機物の汚れを効率よく除去することができる。しかも、有機物の汚れを分解消失させるので、従来装置のような除去した汚れの再転着等の問題も生じない。
【0049】
紫外線照射手段30の具体的な候補としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、パルスドキセノンランプ等があり、これらを一定の紫外線照射条件(上記の発光スペクトルおよび下記の露光量)を満足する条件で使用する。なお、ランプの形状は、設置形態に応じて直管型、U字型、N字型、W字型、グリッド型等が適宜採用される。
【0050】
この中で、低圧水銀ランプが以下の2点の理由から好適である。まず、低圧水銀ランプは、水銀の共鳴線である253.7nmの光が最強のスペクトル線であり、オゾン分解用に適する。さらに、低圧水銀ランプは、もう1つの共鳴線184.9nmの光を放出しており、この光が空気中の酸素から光化学反応でオゾンを生成させる。よって、低圧水銀ランプは、スペクトル強度の高い184.9nmと253.7nm線の両方を玉の洗浄に利用できる。
【0051】
一方、本揚送洗浄装置1において、玉2の殺菌を最大限に発揮するためには、紫外線照射手段は254nm付近に発光スペクトルを有するものが好ましい。低圧水銀ランプは殺菌効果の面からも好ましい。
【0052】
本揚送洗浄装置1は、上記紫外線照射手段30を、200mW・sec/cm以上、好ましくは450mW・sec/cm以上の露光量で放出するように設置する。露光量が200mW・sec/cmより少なすぎると、プラスチック系有機物の分解、揮散する能力不足となる場合がある。なお、単独の紫外線照射手段では露光量が足りない場合には、図2のように複数の紫外線照射手段を並列すればよい。
【0053】
紫外線照射手段30から発生した紫外線は、大気中に容易に吸収されやすいので、本洗浄装置1は、搬送される玉2に近接するほど有利である。具体的には、紫外線照射手段30と玉2との距離で50mm以下が好ましく、特に好ましくは5mm〜15mmである。
【0054】
紫外線照射手段30の周囲近傍に紫外線反射板を設けることが、紫外線の玉への照射効率を向上させる点で有利である。具体的には、紫外線照射手段30を支持するハウジング14Bの内面、特に背面に鏡面加工したアルミニウム板を設置するか、またはアルミ箔で覆うとよい。
【0055】
紫外線照射手段30の近傍にオゾン発生器を付設することも可能である。オゾン発生器により発生するオゾンを紫外線照射手段30に供給すると、プラスチック等の有機物を分解する活性酸素の供給源となる。
【0056】
無端搬送ベルト10と固定ガイド20との間隙に作られる揚送部の上端には、紫外線照射手段で作られたオゾンや有機物分解ガスを吸収するための集塵装置32を設ける。集塵装置は、例えば活性炭である。
【0057】
上記洗浄装置1を用いた洗浄方法を説明すると、例えば図4に示すパチンコ遊技場の玉循環供給システム40内を循環する玉2を、本揚送洗浄装置1において紫外線照射手段30から紫外線を照射し、該紫外線ならびに該紫外線により発生するオゾンおよび活性酸素によって玉表面の有機物を分解し、かつ玉表面を殺菌する。紫外線は好ましくは波長域130〜240nmと波長域200〜300nmとにおいて発光スペクトルを有する紫外線であり、その出力は200mW・sec/cm以上が好ましい。
【0058】
紫外線の照射時間は、必要な紫外線露光量に応じて決められる。図4に示す玉循環供給システム40の場合、玉2は系内を何度も循環し、しかも本揚送洗浄装置では清浄化効果が長持ちするので、紫外線照射手段30で玉を一度に洗浄する必要がない。具体的には、一回の照射時間が、通常、0.3秒以上、好ましくは1秒以上、さらに好ましくは10秒以上でも、洗浄効果が得られる。0.3秒よりも短すぎると、清浄化効果よりも系から拾う汚れの量の方が増す場合があり得る。
【0059】
なお、1回で洗浄効果を得るには、通常、15秒以上、好ましくは30秒以上、さらに好ましくは3分以上の照射時間を設けるのがよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上、本発明の実施の形態を遊技場の遊技玉を例にして詳細に説明したが、本揚送洗浄装置の用途はそれに限定されない。玉が鋼製または金属メッキされたものであれば制限無く、本揚送洗浄装置によって洗浄や清浄化が行うことができる。
【0061】
本発明の揚送洗浄装置は、玉の汚れを除去する以外にも下記の効果も有する。例えばパチンコ遊技場は、不特定多数の人間が頻繁に出入りし、長時間遊技することにより、遊技中にトイレを利用し、外部から病原菌を持ち込む等して、衛生的に良い環境といえない。不衛生な環境の中で玉に不特定多数の人間が接触するため、玉は細菌や真菌類(カビ)の繁殖や感染の媒体となりうる。最近の細菌やウイルスが蔓延しても対応策が容易には見つからない事例が発生しており、今後の玉洗浄装置には、殺菌能力を有するものも望まれる。本揚送洗浄装置は、使用する紫外線が玉表面を殺菌するとともに、紫外線の照射された玉近傍で生成されオゾンとオゾンの分解によって生成された活性酸素もまた玉表面に付着した菌を死滅させる。したがって、本揚送洗浄装置は、玉の殺菌用途用にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の玉揚送洗浄装置の一実施態様を示す斜視図であり、Aは片側のハウジングを開いた状態を示し、Bは閉じた状態を示す。
【図2】図1の装置における固定ガイド20と無端搬送ベルト10との間に玉2を挟持して揚送する揚送部の一部拡大断面図を示す。
【図3】図1の装置の固定ガイド20の正面図である。
【図4】玉循環供給システムの全体斜視図と本揚送洗浄装置1の設置位置を示す図である。
【図5】従来の揚送洗浄装置の全体斜視図である。
【符号の説明】
【0063】
1 洗浄装置
2 玉
10 無端搬送ベルト
11 駆動モータ
12 揚送装置入口
13 揚送装置出口
14A,B,C ハウジング
15 蝶番
20 固定ガイド
21 隙間
22 格子
23 押付手段
30 紫外線照射手段
31 照射手段サポート
32 集塵装置
40 玉循環供給システム
41 遊技台
42 島
43 ドブ
44 ドブ出口
45 補給タンク
46 トヨ




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013