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発明の名称 便座・便蓋電動開閉装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−61740(P2006−61740A)
公開日 平成18年3月9日(2006.3.9)
出願番号 特願2005−336564(P2005−336564)
出願日 平成17年11月22日(2005.11.22)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 古閑 良一 / ▲よし▼永 健実
要約 課題
本発明は便座・便蓋電動開閉装置に関するもので、便座あるいは便蓋が開位置でスムーズに停止することを目的としたものである。

解決手段
便座4の開位置近くにブレーキ領域を設け、ブレーキ領域内に設けた速度評価点で2レベル以上の目標速度範囲を設定するとともに、便座4が開位置に達したかどうかを判定する手段で、この目標速度範囲を学習制御するものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
便座及び/又は便蓋を開閉駆動する駆動手段と、前記便座及び便蓋の各々の角度検出手段と、前記角度検出手段より得られる角度を所定時間間隔でサンプリングすることにより角速度を演算する角速度演算手段と、前記便座あるいは便蓋が開位置に達したかどうかを判定する手段を設け、前記便座及び便蓋の開位置近くに設けた速度評価点における前記便座あるいは便蓋の速度と、前記速度評価点に設けた2段階以上のレベル設定を有する目標速度範囲との偏差に応じて、次回動作時の前記駆動手段の出力の補正量を決定し、前記便座あるいは便蓋の開閉操作を繰り返し行うことにより前記目標速度範囲に到達するように制御する制御手段と、前記目標速度範囲のレベル設定は最も低いレベルを初期値とし、前記便座あるいは便蓋の開閉を繰り返す際に、前記駆動手段の出力は、前記速度評価点における速度が高くなる側から順に補正を繰り返し、前記開位置に達しなくなった場合、前記目標速度範囲を1レベル高い側にシフトし、上記補正操作を繰り返す学習制御手段を有する便座・便蓋開閉装置。
【請求項2】
便座及び/又は便蓋を開閉駆動するための直流モータと、前記便座及び/又は便蓋へ前記直流モータの動力を伝達する動力伝達手段と、前記動力伝達手段に設けた角度検出手段と、前記角度検出手段より得られる角度を所定時間間隔でサンプリングすることにより角速度を演算する角速度演算手段と、前記直流モータの出力を制御するモータ駆動回路と、前記便座あるいは便蓋が開位置に達したかどうかを判定する手段を設け、前記便座及び便蓋の開位置近くに設けた速度評価点における前記便座あるいは便蓋の速度と、前記速度評価点に設けた2段階以上のレベル設定を有する目標速度範囲との偏差に応じて、次回動作時の前記直流モータの出力の補正量を決定し、前記便座あるいは便蓋の開閉操作を繰り返し行うことにより前記目標速度範囲に到達するように制御する制御手段と、前記目標速度範囲のレベル設定は最も低いレベルを初期値とし、前記便座あるいは便蓋の開閉を繰り返す際に、前記直流モータの出力は、速度評価点における速度が高くなる側から順に補正を繰り返し、前記開位置に達さなくなった場合、前記目標速度範囲を1レベル高い側にシフトし、上記補正を繰り返す学習制御手段を有する便座・便蓋開閉装置。
【請求項3】
便座及び/又は便蓋を開閉駆動するための直流モータの出力を制御する手段は、前記便座あるいは前記便蓋の閉位置より所定の区間設けた駆動領域と、前記便座あるいは便蓋の開位置に至る領域に、前記直流モータの回生電流によるブレーキ領域とを設け、前記ブレーキ領域の開始位置の変更により、前記直流モータの出力を制御する学習制御手段を有する請求項2に記載の便座・便蓋開閉装置。
【請求項4】
便座及び/又は便蓋を開閉駆動する直流モータの出力の初期設定は、前記便座あるいは前記便蓋の速度評価点における速度が、目標速度範囲よりも高くなるレベルを初期値とした請求項2に記載の便座・便蓋開閉装置。
【請求項5】
便座及び/又は便蓋を開閉駆動するための直流モータの出力を制御する手段は、前記便座あるいは前記便蓋の閉位置より所定の区間設けた駆動領域と、前記便座あるいは前記便蓋の開位置に至る領域に、前記直流モータに逆電圧を印加させるブレーキ領域とを設け、前記ブレーキ領域のブレーキ強度を前記直流モータへの逆電圧の印加のレベルの変更により、前記直流モータの出力を制御する学習制御手段を有する請求項2に記載の便座・便蓋開閉装置。
【請求項6】
便座あるいは便蓋が開位置に達したかどうかを判定する手段により前記便座あるいは前記便蓋が開位置に達しなかったと判定された場合、次回の前記便座及び/又は便蓋を駆動する直流モータの出力の増加量を、前記便座あるいは便蓋の目標速度範囲のレベル設定のシフト量に対応する前記直流モータの出力の増加量よりやや大きく設定した学習制御手段を
有する請求項2に記載の便座・便蓋電動開閉装置。
【請求項7】
便座あるいは便蓋が開動作時に、開位置に達したことを判定する手段は、前記便座あるいは前記便蓋が充分に減速し停止したと判定された停止位置が、前記便座あるいは前記便蓋の開位置を含む近傍に設定した開位置領域に存在すれば、開位置に達していると判定する制御シーケンスを備えた学習制御手段とした請求項1に記載の便座・便蓋電動開閉装置。
【請求項8】
便座あるいは便蓋が開動作時に、開位置に達しなかったことを判定する手段は、前記便座あるいは前記便蓋の開動作時の速度が閉じる方向を示す負の値となり、その絶対値が一定の値よりも大きくなった場合に、便座あるいは便蓋が開位置に達しなかったと判定する制御シーケンスを備えた学習制御手段とした請求項1に記載の便座・便蓋電動開閉装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、便座および便蓋の電動開閉装置の開閉方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の便座および便蓋の電動開閉装置としては、便座あるいは便蓋の開位置あるいは閉位置を、原点とし、便蓋および便座のなす角度に応じて開閉駆動する速度を変更すること(特に開位置あるいは閉位置近くで低速に運動させること)で、なめらかに移動させるものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
さらにこの原点位置を検出する方法は、開位置あるいは閉位置を検出するため、便座あるいは便蓋を回動させて便器あるいは水洗タンクに接触して停止したことを検出し、この位置を原点として開閉駆動する速度を変更することで、なめらかに移動させるものであった(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、開位置の近くあるいは閉位置の近くにホールICを配して、便座あるいは便蓋が近づいてくることを検知して、減速するものであった。
【特許文献1】実公平6−33916号公報
【特許文献2】特開平10−57276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、便座あるいは便蓋にカバーが取り付けられ慣性質量が変わった場合、あるいは、開閉駆動系の摺動抵抗が経年変化した場合など、便座・便蓋電動開閉装置の負荷が大幅に変化し、この変化に便座・便蓋電動開閉装置が追随できない場合があった。
【0006】
また、便座・便蓋電動開閉装置の駆動モータに十分なトルクの余裕がなく、十分な速度制御性を有さない場合、同一の減速パターンでは制御できない場合が生じていた。すなわち、ステッピングモータで駆動される場合は、駆動周波数により、回転数が一意的に定まり、駆動トルクが脱調トルク以内であれば、正確に所定の減速パターンにて減速動作をなし得るのに対し、通常の直流ブラシモータを用いた場合には、減速度は負荷とのバランスにて決まるため、便座あるいは便蓋の開位置、閉位置が正確に検出されても、所定の減速パターンで制御することはできなかった。
【0007】
また、駆動系のガタは経年変化とともに増大し、初期の制御パターンでは制御できなくなる場合も生ずる可能性があった。
【0008】
特に、便座あるいは便蓋は、一種の倒立振り子であり、いったん自立角度まで達するまでは、通常の負荷であるが、自立角度を越えると、自ら開位置へ移動する特性を有する負の負荷となり、開位置で、十分に減速させて静止させる上での不安定要素があった。
【0009】
さらに、便座あるいは便蓋は開動作時間として1秒から2秒前後で開位置に達する設定とされ、回転速度として、15rpmから25rpm程度の速度となり、慣性力が無視できなくなる。従って、開位置でスムーズに止めるためには、自立角度よりかなり手前の位置から、直流モータへの印加電圧を極力落とす必要があった。
【0010】
このような自立角度よりかなり手前の位置から、直流モータへの印加電圧を極力落とす
制御方法をとった場合、自立角度をぎりぎり越えるような動作となり、不安定な要素の多い制御方法となる。
【0011】
自立角度をぎりぎりに越えるような動作をとる場合に、便座あるいは便蓋のカバーの有無などによる負荷の変動、便器が傾いて設置された場合などの、便座あいは便蓋の開角度と負荷との関係のずれ、便座・便蓋電動開閉ユニットの固体差などのバラツキにより、便座あるいは便蓋が開位置まで達さない不具合は、容易に発生しうる現象であった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、便座及び/又は便蓋を開閉駆動する駆動手段と、前記便座及び便蓋の各々の角度検出手段と、前記角度検出手段より得られる角度を所定時間間隔でサンプリングすることにより角速度を演算する角速度演算手段と、前記便座あるいは便蓋が開位置に達したかどうかを判定する手段を設け、前記便座及び便蓋の開位置近くに設けた速度評価点における前記便座あるいは便蓋の速度と、前記速度評価点に設けた2段階以上のレベル設定を有する目標速度範囲との偏差に応じて、次回動作時の前記駆動手段の出力の補正量を決定し、前記便座あるいは便蓋の開閉操作を繰り返し行うことにより前記目標速度範囲に到達するように制御する制御手段と、前記目標速度範囲のレベル設定は最も低いレベルを初期値とし、前記便座あるいは便蓋の開閉を繰り返す際に、前記駆動手段の出力は、前記速度評価点における速度が高くなる側から順に補正を繰り返し、前記開位置に達しなくなった場合、前記目標速度範囲を1レベル高い側にシフトし、上記補正操作を繰り返す学習制御手段を有するものである。
【0013】
そして、この構成により、便座あるいは便蓋の負荷条件、便器の設置状態、開閉ユニットのバラツキあるいは、経年変化等に応じた、最適な目標速度範囲を設定することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、学習制御させることにより、便座および便蓋の重量のバラツキ、取り付けのバラツキなどに応じて、便座および便蓋をスムーズに停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
請求項1に記載の発明は、便座及び/又は便蓋を開閉駆動する駆動手段と、便座及び便蓋の各々の角度検出手段と、角度検出手段より得られる角度を所定時間間隔でサンプリングすることにより角速度を演算する角速度演算手段と、便座あるいは便蓋が開位置に達したかどうかを判定する手段を設け、便座及び便蓋の開位置近くに設けた速度評価点における便座あるいは便蓋の速度と、速度評価点に設けた2段階以上のレベル設定を有する目標速度範囲との偏差に応じて、次回動作時の駆動手段の出力の補正量を決定し、便座あるいは便蓋の開閉操作を繰り返し行うことにより目標速度範囲に到達するように制御する制御手段と、目標速度範囲のレベル設定は最も低いレベルを初期値とし、便座あるいは便蓋の開閉を繰り返す際に、駆動手段の出力は、速度評価点における速度が高くなる側から順に補正を繰り返し、開位置に達しなくなった場合、目標速度範囲を1レベル高い側にシフトし、上記補正操作を繰り返す学習制御手段を有するものである。
【0016】
この構成により、便座、便蓋の負荷がどのように変わっても、また、設置条件、経年変化によりその負荷が変動しても、極めて、スムーズな便座、便蓋の開閉を実現することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、便座及び/又は便蓋を開閉駆動するための直流モータと、便座及び/又は便蓋へ前記直流モータの動力を伝達する動力伝達手段と、動力伝達手段に設
けた角度検出手段と、角度検出手段より得られる角度を所定時間間隔でサンプリングすることにより角速度を演算する角速度演算手段と、直流モータの出力を制御するモータ駆動回路と、便座あるいは便蓋が開位置に達したかどうかを判定する手段を設け、便座及び便蓋の開位置近くに設けた速度評価点における便座あるいは便蓋の速度と、速度評価点に設けた2段階以上のレベル設定を有する目標速度範囲との偏差に応じて、次回動作時の前記直流モータの出力の補正量を決定し、便座あるいは便蓋の開閉操作を繰り返し行うことにより目標速度範囲に到達するように制御する制御手段と、目標速度範囲のレベル設定は最も低いレベルを初期値とし、便座あるいは便蓋の開閉を繰り返す際に、直流モータの出力は、速度評価点における速度が高くなる側から順に補正を繰り返し、開位置に達さなくなった場合、目標速度範囲を1レベル高い側にシフトし、補正を繰り返す学習制御手段を備えたものである。
【0018】
あるレベル設定の目標速度範囲に対しては、直流モータの速度評価点における速度が高くなる側より、この目標速度範囲に入るよう制御し、目標速度範囲自体の設定は、最も低いレベルからスタートすることにより、便座あるいは便蓋が開位置に達し、かつ、速度評価点での速度が最も低いレベルになる直流モータの出力設定を見出すことができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、便座及び/又は便蓋を開閉駆動するための直流モータの出力を制御する手段は、便座あるいは便蓋の閉位置より所定の区間設けた駆動領域と、便座あるいは便蓋の開位置に至る領域に、直流モータの回生電流によるブレーキ領域とを設け、ブレーキ領域の開始位置の変更により、直流モータの出力を制御する学習制御手段を有するものである。
【0020】
ブレーキの負荷の変動が、便座あるいは便蓋の回転角度に依存する特性を有する便座・便蓋開閉では、ブレーキの負荷が回転角度により大幅に変動するため、ブレーキ領域の開始角度を変更して、ブレーキ強度を変更することにより、便座あるいは便蓋に対して、的確にブレーキを作用させることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、便座及び/又は便蓋を開閉駆動する直流モータの出力の初期設定は、便座あるいは便蓋の速度評価点における速度が、目標速度範囲よりも高くなるレベルを初期値としたものである。
【0022】
便座あるいは便蓋の想定される最大の負荷に対しても動作するよう設定した目標速度範囲の最大値よりもさらに、直流モータの出力設定を高く設定しているため、最初に動作させたとき、必ず開位置に達し、その後学習制御を開始することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、便座及び/又は便蓋を開閉駆動するための直流モータの出力を制御する手段は、便座あるいは前記便蓋の閉位置より所定の区間設けた駆動領域と、便座あるいは便蓋の開位置に至る領域に、直流モータに逆電圧を印加させるブレーキ領域とを設け、ブレーキ領域のブレーキ強度を直流モータへの逆電圧の印加のレベルの変更により、直流モータの出力を制御する学習制御手段を有したものである。
【0024】
負荷変動に対応して、ブレーキ自体の強度を直流モータの逆電圧を作用させることで直接調整するため、負荷変動に対しても滑らかに便座あるいは便蓋を滑らからに停止させることができる。
【0025】
請求項6に記載の発明は、便座あるいは便蓋が開位置に達したかどうかを判定する手段により便座あるいは便蓋が開位置に達しなかったと判定された場合、次回の便座及び/又は便蓋を駆動する直流モータの出力の増加量を、便座あるいは便蓋の目標速度範囲のレベル設定のシフト量に対応する直流モータの出力の増加量よりやや大きく設定したものであ
る。
【0026】
目標速度範囲をシフトさせる時に、直流モータの出力の増加量を目標速度範囲のシフトに対応する直流モータの出力の変化量と同等ないし、やや大きく設定しているため、1レベルシフトした目標速度範囲で、確実に学習制御が開始され、かつ、過大な直流モータの出力の変化量でないため、学習回数が少なく目標速度範囲に達することができる。
【0027】
請求項7に記載の発明は、便座あるいは便蓋が開動作時に、開位置に達したことを判定する手段は、便座あるいは便蓋が充分に減速し停止したと判定された停止位置が、便座あるいは便蓋の開位置を含む近傍に設定した開位置領域に存在すれば、開位置に達していると判定する制御シーケンスを備えた学習制御手段で構成したものである。
【0028】
開動作時に便座あるいは便蓋がほぼ停止した位置で、便座あるいは便蓋が開位置に達しているかいないかを判定するため、判断する時間を決定することができるとともに、開位置近傍に達しているかどうかを確実に判断することができる。
【0029】
請求項8に記載の発明は、便座あるいは便蓋が開動作時に、開位置に達しなかったことを判定する手段は、便座あるいは前記便蓋の開動作時の速度が閉じる方向を示す負の値となり、その絶対値が一定の値よりも大きくなった場合に、便座あるいは便蓋が開位置に達しなかったと判定する制御シーケンスを備えた学習制御手段を有するものである。
【0030】
開動作時の負の方向の速度を検出して判断することにより、すばやく判定することができる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明の実施例について図1〜7を参照しながら説明する。
【0032】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の便座・便蓋電動開閉装置を搭載した衛生洗浄装置の外観図である。また図2は便座・便蓋電動開閉装置の駆動部構成図である。また図3は同装置の駆動制御部構成図、図4は同装置の動作特性説明図である。
【0033】
以下便座の電動開閉を主体に説明するが、便蓋の電動開閉についても同様である。
【0034】
図において、1は便器であり、便器1後方に洗浄水タンク2が固定され、便器1の上に衛生洗浄装置3が装備されている。衛生洗浄装置3には便座4および便蓋5を電動で開閉する便座・便蓋電動開閉装置6が組み込まれている。便座・便蓋電動開閉装置6は便座4の駆動側に整流子モータを用いた直流モータ7と、ギア列を用いた減速機構により構成される動力伝達手段8と、動力伝達手段8の出力側に挿入されたポテンショメータよりなる角度検出手段9を有し、便蓋5の駆動側も同様に直流モータ27と、動力伝達手段28と、角度検出手段29を有している。
【0035】
電動開閉制御部10は、便座4側について説明すると、直流モータ7を制御するモータ駆動回路11と、このモータ駆動回路11への出力ポート12と、便座4の開き角度に対応した回転角度を検出する角度検出手段9からの信号を取り込む入力ポート13とを備えたマイコン14により制御されている。
【0036】
モータ駆動回路11はPWM制御によるモータ出力の制御と、直流モータ7の端子間を短絡させて回生電流による、ブレーキ制御機能を有する。
【0037】
そして、便座4を円滑に移動させるため、便座4の回転角度に対応して、直流モータ7の出力を変えた駆動領域GH、HAを設け、駆動領域GHはデューティー100%、駆動領域HAではデューティー60%で駆動している。さらに、開位置Cの手前に、直流モータ7の端子間を短絡させて回生ブレーキを作用させて、便座4を減速させるブレーキ領域ACを設けている。
【0038】
ブレーキ領域ACには速度評価点Bを設け、角度検出手段9からの信号をマイコン14でサンプリングすることにより角速度を演算する角速度演算手段15
を設けている。
【0039】
速度評価点Bでは、5段階の目標速度範囲V1、V2、V3、V4、V5が設けてある。V1が最も低いレベルの設定であり、目標速度範囲の初期値となる。
【0040】
次に動作・作用について説明すると、マイコン14に開信号が入ると、所定のルーチンで直流モータ7に電圧を印加し便座4を開方向に駆動する。便座4は回転角度により、複数の出力レベルで駆動される。本実施例では、回転角度が50度までは、100%のデュティーで駆動され、回転角度が50度を超えると、60%のデュティーで駆動され,さらに、回転角度が増加し70度に達すると、ブレーキ領域ACに至り、直流モータ7への電圧印加は停止し、直流モータ7の端子間を短絡させ回生ブレーキ作用を発生させるブレーキモードで減速運転し、開位置に至る。
【0041】
次に学習制御過程について説明する。まず便座4の同一の開位置に対して、複数の目標速度範囲が必要な理由について図5を用いて説明する。
【0042】
便座4に便座カバー等の負荷が発生したり、便器1が、前下がりで設置された場合など、便座4の負荷が大きくなると、ブレーキの効き方に影響が生ずる。便座4は一種の倒立振り子であり、開位置近くの中立点を越えるまでは、開位置側へ駆動する速度が必要であり、中立点を越えると自重で開位置に近づく力が発生する。この中立点に対応する便座4の回転角度は、便座4の重心が駆動軸に対して前方に位置しているため、便座4の開位置における回転角度が115度の場合、便座4の中立位置における回転角度が110度程度とかなり開位置側に偏った位置になる場合もある。従って、便座4にカバー等の負荷が付加された場合、この負荷の影響は減速側すなわちブレーキが効く側に作用するため、ブレーキの開始位置を通常の位置であるAmよりAoに開位置側にずらし、かつ目標速度範囲を通常のV3よりV5に高めることが、開位置で便座4をスムーズに停止させるためには必要である。
【0043】
また、便器1が前上がりに設置されたり、あるいは便座4自体の重さが軽かった場合など、便座4の駆動負荷が軽い場合、この負荷が軽くなった影響は加速側すなわちブレーキが効かない側に作用するため、ブレーキの開始位置を通常の位置であるAmよりAuに開位置側より遠ざける側にずらし、かつ目標速度範囲を通常のV3からV1に下げることが、便座4を開位置にスムーズに停止させるために必要である。
【0044】
従ってこのような負荷のバラツキに対応するため、また駆動系の駆動力のバラツキに対応するために、目標速度範囲として2レベル以上、多段の目標速度範囲を設定し、この目標速度範囲に合うようにブレーキ開始位置を設定するものである。
【0045】
この目標速度範囲は、便座4の負荷の状況あるいは、便器の設置状態などにより変わるため予め判定することはできない。そこで、目標速度範囲を低いレベルからスタートさせて、この目標速度範囲に入るように便座4の速度を制御し、便座4が開位置に達さないときは、その目標速度が低いと判定し、徐々にこの目標速度範囲を高い側にシフトさせてい
き、便座4が開位置に達する目標速度範囲を、最適目標速度範囲として設定するものである。
【0046】
次に目標速度範囲およびブレーキ開始位置の具体的な設定方法について図4を用いて述べる。まず目標速度範囲は最も低いレベルのV1を初期値とする。便座4の速度を目標速度範囲V1に制御するためのブレーキ開始位置の決定は、便座4の速度が目標速度範囲V1よりも高い側となる、ブレーキ開始位置aよりスタートする。そして、便座4の速度と、目標速度範囲V1との偏差より、次回のブレーキ開始位置bの値を決定する。この操作を順次繰り返し、目標速度範囲V1に到達するようなブレーキ開始位置dを決定する。
【0047】
ブレーキ開始位置の補正量は目標速度範囲のとの偏差に応じて決めるため、便座4の速度評価点Bにおける速度が目標速度に近づいたときは、ブレーキ開始位置の補正量は小さくなり、目標速度範囲をオバーシュートすることはない。
【0048】
次に、便座4に負荷が発生した場合の動作について図6を用いて説明する。
【0049】
目標速度範囲V1は便座4の負荷がもっとも低い状態等を想定した場合の目標速度範囲設定となっており、この負荷条件で、開位置に十分に減速した状態で達するような値に設定されている。
【0050】
ところが、便座カバー等の負荷が発生したり、便器1が、前下がりで設置された場合など、便座4の負荷が大きくなると、先に説明したように、この負荷の影響は減速側すなわちブレーキが効く側に作用し、目標速度範囲が先に説明したV1の設定では、開位置に達するまでの減速が大きすぎて、開位置まで達さなくなる。
【0051】
便座4の負荷が大きくなった状態で、便座4の開閉運転をし、便座4が開位置に達さなくなったと判定された場合、目標速度範囲V1を1レベル高い側にシフトしてV2とし、この目標速度範囲V2の設定でブレーキ開始位置をaから開位置側bに戻して、便座4の目標速度範囲V2に達するようにブレーキ開始位置cを決定する操作を開始する。
【0052】
目標速度範囲V2においても、開位置に達さなかったと判定された場合には、目標速度範囲をV3にさらに1レベル高い側にシフトし同様のシーケンスを繰り返す。
【0053】
この一連の目標速度範囲を学習するシーケンスにより、便座4が通常の設置条件の場合、カバー等の負荷がついた場合など各々の場合に対応して、便座4の最適な目標速度範囲が定まり、この目標速度範囲に便座4が制御されるため、便座4をスムーズに開位置に停止させることができる。
【0054】
目標速度範囲の上限値については、便座の負荷および便器1の設置条件などにより想定される上限値で設定する。
【0055】
目標速度範囲をV1からV2にシフトする場合のブレーキ開始位置の補正量について、図6を用いて説明する。目標速度範囲V1の設定で、ブレーキ開始位置を制御していく過程で、ブレーキ開始位置がaで便座4が立たないと判定された場合、次回の操作時に目標速度範囲設定をV1からV2に1レベル高い側にシフトするとともに、ブレーキ開始位置を目標速度範囲がV2のレベル以上を満足するような速度となる、例えばbの位置に設定するものである。
【0056】
ブレーキ開始位置を目標速度範囲がV2のレベル以上を満足するような速度となるように設定する理由は、ブレーキ開始位置の補正量が上記の条件を満たさず、少なかった場合
には、目標速度範囲がV2のレベルを満足させるブレーキ開始位置を見出せないからである。また、このブレーキの開始位置を、速度が高くなる側に設定しすぎた場合には、目標速度V2を満足させるブレーキ位置は見出せるものの、この値を見出すまでの試行回数が増加する。従って、目標速度範囲を1レベル高い側にシフトする場合には、ブレーキ開始位置の補正量はこの速度範囲のシフト量に相当するブレーキ開始位置の補正量よりやや大きい程度が望ましい。
【0057】
本発明の第2の実施例を図7を用いて説明する。本実施例においてブレーキ開始位置は所定の位置に固定し、モータ駆動回路11は、便座4のブレーキ領域で、直流モータ7に逆に電圧をかけ、この電圧をPWM制御で逆に印加するデューティを調整することにより、ブレーキの効き方を調整可能としている。
【0058】
目標速度範囲の設定は最も低いレベルのV1を初期値とする。便座4の速度を目標速度範囲V1に制御するためのブレーキレベルの設定は、便座4の速度が目標速度範囲V1よりも高い側の、ブレーキレベルaよりスタートする。そして、便座4の速度と、目標速度範囲V1との偏差より、次回のブレーキレベルbのデューティを決定する。この操作を順次繰り返し、目標速度範囲V1に到達するようなブレーキレベルcを決定する。
【0059】
この実施例では、便座4の負荷の変動に対応して、ブレーキの効き方を直接変化させるため、ブレーキかけ始めから停止までの時間が一様に制御でき、便座4をスムーズに停止させることができる。
【0060】
本発明の第3および第4の実施例で、便座4あるいは便蓋5が開位置に達したかどうかの判定手段について述べる。
【0061】
便座4の開位置に達したかどうかの判定と便蓋5が開位置に達したかの判定は、ほぼ同一の手段で判定するため、ここでは便座4の判定手段について説明する。
【0062】
第3の実施例では、便座4が開位置に達したかどうかの判定手段は、便座4の角度検出手段9と、便座4を開動作させた時の速度を検出する角速度演算手段15と、便座4の速度と速度より、便座が開位置にあるかどうかを判定するマイコン14とからなる。便座4を、開動作させた時、便座4の速度が十分に小さくなった時に、便座4が停止したと判定し、この時の角度が、開位置を含む近傍に設定した開位置領域、例えば開位置より便座4の開角度で5度以内に達している場合に開位置に達していると判定するのものである。
【0063】
便座4が開動作時に、速度が充分に減速して時に、便座4が停止したと判定するため、便座4が開位置に達したことを判定する時間が特定でき、便座4がほぼ停止した位置で、開位置に達しているかどうかを判定するため、便座4が開位置近傍に達しているかどうか確実に判断することができる。
【0064】
第4の実施例では、便座4の開位置に達っさなかったの判定手段は、第3の実施例と同一である。便座4を開動作させ、便座4の速度が負側(便座4が閉位置側に動く)となり、この値が所定値を超えた場合に、便座4が立たなかったと判定するものである。
【0065】
本実施例では、便座4が開動作時に、逆に動く動作すなわち閉方向に動く速度を検出し、この速度が所低値を超えた場合に便座4が立たなかったと判定するもので、便座4が自立せず、閉止側に倒れてくる動作を検出して、便座4が開位置に到達しないことを判定するもので、便座4が停止するのを待たずに、すばやく便座が開位置に達さないと判定することができる。
【0066】
各実施例では、駆動手段として、直流モータを使用して説明したが、これに限定されるものではない。例えば、駆動手段を交流モータとした場合、インバータ制御をすると本発明を実施することができる。また、ステッピングモータを駆動手段として同様の制御を行い、便座・便蓋のスムーズな開閉を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように本発明によれば、学習制御させることにより、便座および便蓋の重量のバラツキ、取り付けのバラツキなどに応じて、便座および便蓋をスムーズに停止させることが可能となるので、電動で開閉する便座・便蓋などの装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例1における便座・便蓋電動開閉装置を搭載した衛生洗浄装置の外観図
【図2】本発明の実施例1における便座・便蓋電動開閉装置の駆動部構成図
【図3】本発明の実施例1における便座・便蓋電動開閉装置の駆動制御部構成図
【図4】本発明の実施例1における便座・便蓋電動開閉装置の動作説明図
【図5】本発明の実施例1における便座・便蓋電動開閉装置の動作説明図
【図6】本発明の実施例1における便座・便蓋電動開閉装置の動作特性説明図
【図7】本発明の実施例2における便座・便蓋電動開閉装置の動作特性説明図
【符号の説明】
【0069】
4 便座
5 便蓋
6 便座・便蓋電動開閉装置
7、27 直流モータ(駆動手段)
8、28 動力伝達手段
9、29 角度検出手段
10 電動開閉制御部(学習制御手段)
11 モータ駆動回路




 

 


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