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発明の名称 炊飯器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−55563(P2006−55563A)
公開日 平成18年3月2日(2006.3.2)
出願番号 特願2004−243363(P2004−243363)
出願日 平成16年8月24日(2004.8.24)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 八島 充 / 大矢 弘 / 山下 幸一郎
要約 課題
調理物の重量に応じた適切な火力制御が可能な、優れた炊飯性能を安定して発揮する電磁誘導加熱を利用した製品寿命の長い炊飯器を提供する。

解決手段
上面が開口した本体と、前記本体の収納部に着脱自在に収納される鍋と、前記収納部を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、前記収納部に直接的又は間接的に取り付けられる重量検知素子と、前記重量検知素子に直接的又は間接的に取り付けられ、前記鍋の外側底部の略中心部に当接する検知体と、前記検知体を介して前記重量検知素子により前記鍋と前記鍋に入れられた調理物との総重量を検知する重量検知手段と、前記重量検知手段の出力信号に基づき前記調理物の重量を算出し、前記調理物の重量に応じて前記誘導加熱手段への通電を制御する制御部とを有し、前記検知体内側には温度過昇防止装置を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
上面が開口した本体と、前記本体の収納部に着脱自在に収納される鍋と、前記収納部を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、前記収納部に直接的又は間接的に取り付けられる重量検知素子と、前記重量検知素子に直接的又は間接的に取り付けられ、前記鍋の外側底部の略中心部に当接する検知体と、前記検知体を介して前記重量検知素子により前記鍋と前記鍋に入れられた調理物との総重量を検知する重量検知手段と、前記重量検知手段の出力信号に基づき前記調理物の重量を算出し、前記調理物の重量に応じて前記誘導加熱手段への通電を制御する制御部とを有し、前記検知体内側に温度過昇防止装置を設けたことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
検知体内側に温度検知手段を配置することを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
温度過昇防止装置は、検知体内側に当接して配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
上面が開口した本体と、前記本体の収納部に着脱自在に収納される鍋と、前記収納部を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、前記収納部に直接的又は間接的に取り付けられる重量検知素子と、前記重量検知素子に直接的又は間接的に取り付けられ、前記鍋の外側底部の略中心部に当接する検知体と、前記検知体を介して前記重量検知素子により前記鍋と前記鍋に入れられた調理物との総重量を検知する重量検知手段と、前記重量検知手段の出力信号に基づき前記調理物の重量を算出し、前記調理物の重量に応じて前記誘導加熱手段への通電を制御する制御部とを有し、前記検知体体外周部に温度過昇防止装置を配置することを特徴とする炊飯器。
【請求項5】
検知体側面に温度検知手段を配置することを特徴とする請求項1、請求項3又は請求項4に記載の炊飯器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電磁誘導加熱を利用した炊飯器が市場で広まっている。電磁誘導加熱を利用した炊飯器(誘導加熱炊飯器)は、鍋底部の外側に誘導加熱コイルを有し、誘導加熱コイルから発生する磁力を利用して鍋自体を加熱するので、ヒータを用いる従来例の炊飯器に比べてふっくらとしたおいしいご飯が炊ける。
【0003】
一方、ご飯の食味を向上させるために、鍋の中の米及び水の量(炊飯量)を判定し、炊飯量に応じて加熱量を制御する炊飯器が普及してきた。従来、加熱時(例えば、所定温度で米に吸水させた後に沸騰させる時)の鍋の温度上昇速度から炊飯量を判定する方法が知られている。しかし、この場合、温度が所定値に達して炊飯量が判定されるまでは、火力制御が不可能である。従って、炊飯量が少ない場合に、吸水が十分行われる前に水が沸騰し、米に芯が残ってご飯が硬くなることがあった。
【0004】
特公平1−27724号公報に、従来例の炊飯器が開示されている。従来例の炊飯器は、炊飯開始と同時に重量検知手段によって内鍋の重量(内鍋、水及び米の総重量)を検知して炊飯量を判定し、炊飯時のヒータの電力量(火力)を制御する。従って、炊飯開始とともにその炊飯量に見合った火力制御が可能となり、おいしいご飯を炊くことができる。
【特許文献1】特公平1−27724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特公平1−27724号公報に開示された従来例の炊飯器は、本体、底枠及び底枠の内側に挿入される底蓋を有する。本体に鍋を収納すると、鍋と本体との合計重量に比例して底枠及び底蓋に取り付けられた電極間の距離が変化する。電極間静電容量の変化を発振状態の変化として検出し、炊飯量を検知する。
【0006】
従来例の炊飯器と同様の重量検知手段を、誘導加熱炊飯器に取り付けようとする場合、以下のような問題が生じた。誘導加熱炊飯器においては炊飯時、鍋自体が高温に加熱されることによって鍋の中で水が対流し、その対流による熱伝導で米が加熱される。従って、鍋内の米と水を均一に加熱して炊きムラを生じさせないためには、鍋と誘導加熱コイルとの間の位置関係を最適な状態に固定し、炊飯量に応じて所定の状態、強さの対流を鍋内に起こす必要がある。このため、誘導加熱コイルは3次元的な複雑な形状を有することが多い。一方、誘導加熱コイルを内装する収納部(上部の上枠と下部のコイルベースとから構成される)は、成型性及び量産性を鑑み、通常は樹脂で生産される。鍋は高温になり樹脂の耐熱性はそれほど高くない故に、一般に誘導加熱炊飯器は、鍋が収納部の上端にそのフランジ部などで水平に懸架され、鍋と収納部との間に隙間を有する。従って、従来例の炊飯器と同様の重量検知手段を、誘導加熱炊飯器に取り付けることはできなかった。
【0007】
また、鍋の温度上昇を正確に検知するためには、鍋と温度検知手段とを接触させる必要があるが、この接触部が鍋を押し上げたり、鍋のバランスを崩してしまう事で安定した重量測定精度を得る事は難しかった。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、鍋が異常加熱された時に重量検知手段より先に加熱される部位に温度過昇防止装置を設置して、重量検知手段に異常な熱が加えられた事で破壊や変形をして重量測定精度に狂いが生じることのない炊飯器を提供することを目的とする。
【0009】
また、重量の測定を鍋と鍋温度の検知に必要な構成部品とを合わせて測定して、重量検知精度を安定させることを目的とする。
【0010】
更に、調理物の重量に応じた適切な火力制御が可能な、小型で軽量で安価な、電磁誘導加熱を利用した優れた炊飯性能を発揮する炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。請求項1に記載の発明は、上面が開口した本体と、前記本体の収納部に着脱自在に収納される鍋と、前記収納部を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、前記収納部に直接的又は間接的に取り付けられる重量検知素子と、前記重量検知素子に直接的又は間接的に取り付けられ、前記鍋の外側底部の略中心部に当接する検知体と、前記検知体を介して前記重量検知素子により前記鍋と前記鍋に入れられた調理物との総重量を検知する重量検知手段と、前記重量検知手段の出力信号に基づき前記調理物の重量を算出し、前記調理物の重量に応じて前記誘導加熱手段への通電を制御する制御部とを有し、前記検知体内側に温度過昇防止装置を設けたことを特徴とする炊飯器である。
【0012】
本発明の炊飯器は、加熱調理開始前に調理物の重量を算出し、その重量に応じて火力制御(誘導加熱手段への通電率及び/又は通電量の制御)を行うので、炊飯量に関わらずおいしいご飯を炊くことができる。
【0013】
鍋を誘導加熱する誘導加熱手段は、典型的には収納部の底(鍋の外側底部に対向する部分)に取り付けられる誘導加熱コイルである。誘導加熱コイルは、鍋の底部の中心の略真下に中心を有する巻線である。本発明においては、重量検知手段は鍋の重量をその外側底部の略中心部で支え計測する。
【0014】
温度過昇防止装置は、重量検知手段の内側に配置され、鍋の温度が過昇した時、重量検知手段が破壊される前に動作して鍋への通電を強制的に止める事ができる。
【0015】
また、本発明によれば、重量の測定は温度過昇防止装置の重量も合わせて測定するため、温度過昇防止装置を別途鍋に接触させて重量検知精度を悪化させたり、非接触構成にして温度過昇防止装置の検知が鈍くなることを防ぐ事ができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、検知体内側に温度検知手段を配置することを特徴とするものである。
【0017】
本発明によれば、鍋をセットした時、温度検知手段の荷重も同時に重量検知手段が受けるため、請求項1と同様計量精度を安定させる事ができる。また、温度検知手段と鍋は当接する構造になるため、鍋の温度検知の精度も高める事ができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、温度過昇防止装置は、検知体内側に当接して配置することを特徴とするものである。
【0019】
本発明によれば、重量検知手段の中に温度過昇防止装置を直接組み込んで一体化して少ない部品点数で温度過昇防止装置の効果を得ることが可能となる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、上面が開口した本体と、前記本体の収納部に着脱自在に収納される鍋と、前記収納部を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、前記収納部に直接的又は間接的に取り付けられる重量検知素子と、前記重量検知素子に直接的又は間接的に取り付けられ、前記鍋の外側底部の略中心部に当接する検知体と、前記検知体を介して前記重量検知素子により前記鍋と前記鍋に入れられた調理物との総重量を検知する重量検知手段と、前記重量検知手段の出力信号に基づき前記調理物の重量を算出し、前記調理物の重量に応じて前記誘導加熱手段への通電を制御する制御部とを有し、前記検知体体外周部に温度過昇防止装置を配置するものである。
【0021】
本発明によれば、検知体内部に部品を配置しないため、検知体を小型化する事ができ、誘導加熱手段の構成の自由度を高めて最適な加熱構成を実現しておいしいご飯を炊くことが可能となる。
【0022】
また、鍋の温度が過昇した時、温度検知手段が的確なタイミングで動作させて重量検知手段の破壊を未然に防ぐ事が可能となる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、検知体側面に温度検知手段を配置することを特徴とするものである。
【0024】
本発明によれば、温度検知手段の荷重を重量検知手段が受けて重量計量精度を安定させる事ができる。また、温度検知手段は鍋と当接した検知体の温度を検知する構造になるため、鍋の温度検知の精度を高める事ができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、鍋が異常加熱された時に、重量検知手段に熱が伝わって破壊温度に達する前に温度過昇防止装置が確実に動作し、重量検知手段が破壊されるのを防ぐという有利な効果を奏する。
【0026】
また本発明は、温度検知手段と鍋が当接する事による重量計量精度の悪化要因を排除するという有利な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
【0028】
(実施の形態1)
図1〜図4を用いて、本発明の実施の形態1の炊飯器を説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施の形態の炊飯器の一部切欠した側面図である。破断部分に断面図を示す。図面を簡潔にするために、電気的接続のためのリード線等は省略してある。図1において、10は炊飯器のボディ(本体)である。ボディ10には、その上面を覆う蓋11が開閉自在に設置されている。ボディ10の収納部30は、下方のコイルベース31と上方の上枠32とから構成される。12は、ステンレス、鉄などの磁性体によって形成される鍋である。鍋12は、上端開口部に外側にせり出したフランジ121を有し、フランジ121を上枠32の上端から浮き上がった状態で載置することにより、収納部30に着脱自在に収納される。鍋12は収納時に、収納部30との間に隙間を有する。コイルベース31の鍋12底部に対向する部分に、鍋12を誘導加熱する誘導加熱コイル13が配設される。誘導加熱コイル13は、コイルベース31の底面外側に配設された外コイルと、底面内側に配設された内コイルとからなる。それぞれの誘導加熱コイル13は、鍋12の底部の中心の略真下に中心を有する巻線である。14は、制御部を構成する回路基板である。回路基板14にはマイクロコンピュータ(図示しない)が搭載されている。マイクロコンピュータはソフトウエアにより、誘導加熱コイル13に交番磁界を発生させるための電流を制御する。実施の形態1の炊飯器は、鍋12を誘導加熱し、鍋12内の調理物15を加熱調理する。調理物15は、炊飯前の米と水又は炊き上がったご飯等である。
【0030】
20はコイルベース31の底部に隙間を有して固定される基台である。基台20に、鍋12の重量を検知する重量検知手段40、鍋12温度が通常の使用時の温度を越えると通電を強制的に停止させる温度過昇防止装置である温度ヒューズ16、鍋12の温度を検知する温度検知手段52が設けられる。各検知手段の構成について図1及び図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1の炊飯器の要部分解斜視図である。
【0031】
重量検知手段40は、ロードセル41、センサー台(絶縁部材)42及び検知体43から構成される。ロードセル41は、ロバーバル型の荷重変換器(重量検知素子)である。つまり、ロードセル41は剛性があり、荷重や温度変化に対するひずみ量が安定したアルミニウム等の金属材料で構成されている。ロードセル41は、一端にネジ穴411、他端にネジ穴412を有する。基台20にはネジ穴202を有する薄板201が取り付けられている。ロードセル41の一端は基台20に、ネジ穴202及びネジ穴411を介してネジ止めされる。ロードセル41の他端は、基台20に対して隙間を有し、ロードセル41を、片持ち梁として検知体43に加わった荷重を受け入れるようになっている。
【0032】
ロードセル41には抵抗線ひずみゲージ413が取り付けられている。ロードセル41が荷重によりたわむ時のひずみゲージ413の抵抗変化を、ブリッジ回路で電気信号として取り出す。電気信号としては、電源のAC100Vを利用すれば、簡単で安価な回路構成で済む。ひずみゲージ413とロードセル41との間には、絶縁するためのシートを挟み込んでいるが、このシートに厚みがあると、ロードセル41のたわみがひずみゲージ413に正確に伝わらなくなるため極めて薄くしている。
【0033】
ここで、ロバーバル型の原理について、図3より簡単に説明する。図3(a)は、重量検知手段の通常の状態を側面方向から見た図である。ロードセル41には眼鏡形の穴414が開いている。穴414によってロードセル41に、ひずみの発生するひずみ部415が上下に2ヶ所形成される。ひずみ部415は、穴414の形状より、両端部で曲げ変形のし易い形状になっており、このひずみ部415と、両サイドのロードセル41本体が、略長方形の箱を形成している。ひずみ部415のそれぞれの表面には、ひずみゲージ413が貼り付けられている。ひずみゲージ413の両側面部、つまりひずみ部415の最薄部上に抵抗線を配している。ロードセル41の下側の一端は、薄板201に固定されている。
【0034】
ここで、ロードセル41の反対側の一端に荷重が加わった時の状態を示したのが図3(b)である。図3(b)では、変形の具合が分かるように、極端に変形量を増やして示している。図に示す矢印の荷重が加わると、ひずみ部は、その両端において集中的に曲げモーメントが加わり、全体が略平行四辺形の形状に変化する。
【0035】
この時、ひずみゲージ413の両端周辺は、図3(b)の状態だと、左上と右下は伸びて、右上と左下は縮む。これと同時にひずみゲージ413の抵抗線も収縮して抵抗値が変化する。
【0036】
この時、ロードセル41全体に加わる曲げモーメントは、このひずみ部415周囲においては変形の曲げモーメントに変わってしまうため、荷重の位置がずれることで同じ荷重でも曲げモーメントがバラつくといったことはない。従って、ひずみゲージ413は常に一定の収縮をする。
【0037】
42は樹脂製のセンサー台である。このセンサー台42はロードセル41の一端に、ネジ穴422及びネジ穴412を介してネジ止めされる。
【0038】
43は厚さ2mmのアルミで形成される検知体である。検知体43は、下側に対向する2つの爪部431を有する。検知体43は、爪部431をセンサー台42の検知体固定孔423に通し、折り曲げることによって、センサー台42に固定される。検知体43は上端に内側にせり出したフランジ432を有する。
【0039】
コイルベース31の底面外側には誘導加熱コイル13が配設されている。検知体43は、コイルベース31の底の中央部(誘導加熱コイル13の中心部であって、ここには誘導加熱コイル13が配設されていない)に設けられた1つの貫通孔に通される。検知体43の上端はコイルベース31の内側底部より高い(図1)。重量検知手段40は鍋12の重量をその外側底部の略中心部でのみ支え計測する。従って、重量検知手段40を誘導加熱コイル13と干渉することなく取り付けることができる。底の中心部で支えられる鍋12が安定して収納部30の所定の位置に配置されると、誘導加熱コイル13は常に適切に且つ安定して鍋12を加熱できる。
【0040】
温度検知手段52は、上部に対向する2つのつば521を有し、検知体43に下側から挿入される。つば521の外径は当て筒43の内径と略同一であり、温度検知手段52は検知体43から上に抜けない。更に、検知体43と温度検知手段52との間にバネ51が挿入される。バネ51は、つば521の下面とセンサー台42とに当接し、温度検知手段52が鍋12に密接するように、温度検知手段52を付勢する。これで、温度検知手段52は直接鍋12の底の中心と接触して高い精度で温度を検出する。温度検知手段52が検出した鍋12の温度に対応する電気信号は、リード線53及びコネクタ54を介して回路基板14に入力される。リード線53は、センサー台42の溝424から引き出される。
【0041】
温度検知手段52の下側には、温度ヒューズ16が隣接して備えられている。重量検知素子41よりも鍋12に近い位置になるように配置されている。温度ヒューズ16は、通常の炊飯時には最高温度が110℃に達する。それに対して動作温度を140℃に設定しておく。この時、通常に使用する範囲では温度ヒューズ16が動作する事はない。
【0042】
通電をした時などに温度検知手段52や回路基板14に何らかの異常が発生し、誘導加熱コイル13による加熱が止まらずに鍋12温度が過昇した時、温度ヒューズ16が加熱されて動作し、誘導加熱コイル13への通電を強制的に止める。通電が止まった後も、温度ヒューズ16の温度は鍋12の余熱でオーバーシュートして160℃程度までは上昇するが、温度ヒューズ16よりも鍋12から離れた位置にある重量検知素子41やセンサー台42等までは温度ヒューズ16よりも熱が伝わりにくいため、温度はせいぜい120℃程度までしか上昇しない。従って熱によってセンサー台42の溶解や変形、重量検知素子41の破壊等で重量検知精度が悪化したり、再使用ができなくなる事は防がれる。
【0043】
収納部30に鍋12が無い時、温度検知手段52のつば521の上面は、検知体43のフランジ432の下面に当接している。温度検知手段52の上面は、フランジ432の上面より高い位置にある。
【0044】
収納部30に鍋12が収納される時、鍋12の底部は始めに温度検知手段52に当接し、そのまま温度検知手段52を押し下げて最後に温度検知手段52と検知体43のフランジ432の上面とに当接する(図1)。
【0045】
ロードセル41は、鍋12、調理物15、センサー台42、バネ51、温度検知手段52及び検知体43の総重量を検知し出力する。温度検知手段52は、バネ51により検知体43の中に沈み込み、その上面がフランジ432の上面と同じ高さで鍋12の底と接する。温度検知手段52は、過大な力がかかることなく、バネ51により規定される適切な圧力で鍋12の底と接する。
【0046】
温度検知手段52、及び重量検知手段40(ロードセル41)からの電気信号は、それぞれ回路基板14に入力される。
【0047】
回路基板14に搭載されたマイクロコンピュータは、予め所定の状態(鍋12が無い時、空の鍋12を収納している時、最大の炊飯量の米と水を入れた鍋12を収納している時)でのロードセル41の出力信号データ(S1、S2、S3)を記憶している。ロードセル41の出力信号の大きさがSの時、鍋12の中の調理物15の重量Wは、
W=Wmax×(S−S2)/(S3−S2)
となる。ただし、Wmaxは、調理物15の最大重量であり、既知の量(最大の炊飯量の米と水(調理物15)を入れた鍋12、センサー台42、バネ51、温度検知手段52及び検知体43の総重量であって、ロードセル41の出力信号データS3に対応する値)である。マイクロコンピュータは、この式から、調理物15の重量を算出し、炊飯量を推定する。
【0048】
本発明の実施の形態1の炊飯器の炊飯工程における動作を、炊飯中に温度検知手段52の温度上昇勾配によって炊飯量を判定する従来の炊飯器の動作との違いに着目して説明する。
【0049】
炊飯工程は、時間順に前炊き、炊き上げ、沸騰維持、追い炊き、蒸らしに大分される。前炊き工程において、鍋12の温度が米の吸水に適した温度(50℃)になるように鍋内の米と水とを加熱する。次に、炊き上げ工程において、鍋12の温度が所定値(100℃)になるまで鍋12を所定の熱量で加熱する。従来の炊飯器においては、この時の温度上昇速度によって、炊飯量を判定する。沸騰維持工程において、鍋12の水が無くなり、鍋12の温度が100℃を超えた所定値になるまで、米と水を加熱する。最後に蒸らし工程において、一定時間の間に複数回、炊飯量に応じた加熱(追い炊き)と加熱の停止を繰り返す。
【0050】
前炊き工程について説明する。図4(a)及び(b)は、本発明の実施の形態の炊飯器で1合炊飯する時及び5合炊飯する時の、前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す。図4(c)及び(d)は、炊き上げ工程において炊飯量を判定する従来例の炊飯器で、1合炊飯する時及び5合炊飯する時の、前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す。鍋底の温度は、温度検知手段52によって検知される。
【0051】
炊き上げ工程において炊飯量を判定する従来例の炊飯器は、調理物15の多少に関わらず、温度検知手段52が検知した温度が吸水に適した温度(50℃)になるまで加熱を行う。その後所定時間(Ta)、鍋12の温度を50℃に保ち、米を吸水させる。しかし、炊飯量が多い場合(図4(d))、調理物15全体の温度が50℃になるまでに時間がかかるので、適温での吸水時間が不足する。従って、ご飯に芯が残ってしまう。
【0052】
本発明の実施の形態の炊飯器は、調理物15の量に応じて、吸水時の温度(温度検知手段52によって検知される温度)を変える。例えば、炊飯量が1合の時は、温度検知手段52が検知した温度が50℃になるまで加熱を行う。そして、所定時間(Ta)、鍋12の温度を50℃に保ち、米を吸水させる(図4(a))。例えば、炊飯量が5合の時は、温度検知手段52が検知した温度が60℃になるまで加熱を行う。そして、所定時間(Ta)、鍋12の温度を60℃に保ち、米を吸水させる。調理物15の中心部の温度は、外側の温度より遅れて上昇し50℃程度になるので、米は十分に吸水できる。
【0053】
炊き上げ工程について説明する。炊き上げ工程において炊飯量を判定する従来例の炊飯器は、調理物15の多少に関わらず、所定の火力(誘導加熱コイル13の通電率及び/又は通電量)で鍋12を所定温度(100℃)まで加熱する。従って、炊飯量が少ない場合には、早く沸騰しすぎて米の表面のみが糊化し、芯が残ったご飯ができる。本発明の実施の形態の炊飯器は、炊飯量に応じて、炊き上げ工程における火力(誘導加熱コイル13の通電率及び/又は通電量)を変える。即ち、炊飯量の多少に関わらず炊き上げ工程の所要時間が一定になるように、炊飯量が少ない時ほど火力を弱める制御を行う。
【0054】
本発明の実施の形態1の炊飯器は、加熱開始前に正確に炊飯量を算出し、炊飯量に応じた火力制御を行う。従って、炊飯量によらず常においしいご飯を炊くことができる。
【0055】
なお、炊飯量に応じて前炊き時の温度ではなく、前炊きの時間を変える制御方法としても良い。
【0056】
また、鍋12が異常発熱しても、重量検知手段40は熱によって故障する前に温度ヒューズ16が動作し、この時、温度ヒューズ16だけを交換すれば元通りに修復して使用する事のできる構成が得られる。
【0057】
重量検知素子41(又はそのアクチュエータであるセンサー台42)は、鍋12と、温度検知手段52、温度ヒューズ16と、温度検知手段52の保持構造物(実施の形態1においてはバネ51及び検知体43)とを含む重量を受ける構造となっている。これによって、鍋12の荷重は全て重量検知素子41に伝わる構成となり、別途温度ヒューズ16や温度検知手段52を鍋12に当接させて鍋12の荷重を分散させる必要がない。従って、重量検知素子41は安定して鍋12の重量を支えるため、高い重量検知精度を得る事ができる。
【0058】
重量検知素子41として圧電素子、静電容量検出素子、バネばかりを用いても良い。好ましくは、鍋12の重量による変位量が非常に小さく(被加熱物の重量により、鍋12と誘導加熱コイル13との距離が変化しないことが好ましい)、誘導加熱コイル13の漏洩磁束により渦電流が流れて温度上昇する恐れがない検知素子(例えばアルミ又はアルミ合金製のロードセル又は圧電素子)を用いる。
【0059】
鍋12は収納時に、収納部30との間に隙間を有するので、鍋12から収納部30に熱が伝わりにくい。従って、収納部30(コイルベース31及び上枠32)を樹脂成型によって安価に製造できる。
【0060】
(実施の形態2)
図5を用いて、本発明の実施の形態2の炊飯器を説明する。図5は、実施の形態2の炊飯器の要部断面図である。ここでは、検知体43周囲の断面形状を示しており、他部の構成はいずれも実施の形態1と同じである。
【0061】
アルミなどの金属材料で構成された検知体43は、樹脂で構成されたセンサー台42によって支えられ、側面から天面までを覆う形状をしている。この検知体43の天面の内側に温度検知手段52及び温度ヒューズ16が配置されている。温度検知手段52と温度ヒューズ16は、チューブなどによって周囲を電気的に絶縁させ、温度ヒューズ押え161によって検知体43に上面との間に挟持されている。この検知体43上に鍋12が当接して乗るため、鍋12の温度が直接検知体に伝わり、温度検知手段52と温度ヒューズ16は精度良く鍋12の温度を検知する事ができる。
【0062】
温度ヒューズ押え161は、金属材料で構成すれば検知体43の熱を温度検知手段52や温度ヒューズ16全周に伝え、温度検知手段52や温度ヒューズ16の検知精度を上げる事ができ、樹脂材料で構成すれば、周囲の部品形状に合わせて自在に形状を決める事ができ、組立てが容易で安上がりに済ませられる。また、単純にテープで貼りつける手段も考えられ、状況に応じて使い分ければ良い。
【0063】
(実施の形態3)
図6を用いて、本発明の実施の形態3の炊飯器を説明する。図6は、実施の形態3の炊飯器の要部断面図である。ここでは、検知体43周囲の断面形状を示しており、他部の構成はいずれも実施の形態1と同じである。
【0064】
実施の形態2と同様、センサー台42によって支えられた検知体43の外周側面部には、温度ヒューズ16と温度検知手段52が検知体43の側面外周部に沿わせた位置に並べて取り付けられている。ここで、温度ヒューズ16と温度検知手段52は、それぞれチューブなどによって周囲と電気的に絶縁させ、温度ヒューズ押え161によって検知体43に固定されている。温度ヒューズ押え161を構成する材質は、実施の形態2と同様状況に応じて使い分ける事ができる。
【0065】
検知体43は、アルミなどの金属材料で構成されて鍋12を支えており、鍋12から伝わった熱が検知体43を通して温度ヒューズ16と温度検知手段52に伝わる。
【0066】
本実施の形態においても、実施の形態1と同じく温度検知手段52等の故障によって、鍋12が異常加熱した時、温度ヒューズ16が動作して強制的に通電を止める事ができる。
【0067】
なお、本実施例では、温度ヒューズ16と温度検知手段52とを検知体43の側面外周部に並べて配置した状態で説明したが、温度ヒューズ16と温度検知手段52が検知体43を挟んで互いに反対側に設置しても良いし、いずれか片方が検知体の内側に配置しても同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明に係る炊飯器は、家庭用又は業務用の炊飯器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態1〜実施の形態3の炊飯器の一部切欠した側面図
【図2】本発明の実施の形態1〜実施の形態3の炊飯器の要部分解斜視図
【図3】(a)本発明の実施の形態1〜実施の形態3の炊飯器の要部簡略図(b)同、炊飯器の要部簡略図
【図4】(a)本発明の実施の形態1〜実施の形態2の炊飯器で1合炊飯する時の前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す図(b)本発明の実施の形態1〜実施の形態2の炊飯器で5合炊飯する時の前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す図(c)炊き上げ工程において炊飯量を判定する従来例の炊飯器で1合炊飯する時の前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す図(d)炊き上げ工程において炊飯量を判定する従来例の炊飯器で5合炊飯する時の前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す図
【図5】本発明の実施の形態2の炊飯器の要部断面図
【図6】本発明の実施の形態3の炊飯器の要部断面図
【符号の説明】
【0070】
10 本体
11 蓋
12 鍋
13 誘導加熱コイル
14 回路基板(制御部)
15 調理物
16 温度ヒューズ(温度過昇防止装置)
30 収納部
40 重量検知手段
41 ロードセル(重量検知素子)
43 検知体
52 温度検知手段




 

 


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