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発明の名称 扉装置および冷蔵庫
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−42971(P2006−42971A)
公開日 平成18年2月16日(2006.2.16)
出願番号 特願2004−225372(P2004−225372)
出願日 平成16年8月2日(2004.8.2)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 濱田 和幸 / 足立 正 / 平井 剛樹
要約 課題
複数の収納部材を備えた引出しにおいて、扉が閉まる際の減速速度を調整した扉装置を提供する。

解決手段
筐体100と、筐体100に係合され前面側に扉111を設けた収納部材113を複数備えた引出しにおいて、筐体100に対して収納部材113を前後に移動可能とするレール部材120と、扉111を自閉させる自閉機能を有する自閉手段150と、扉111を閉める際に扉111の閉まる速度を減速させるダンパー130と、ダンパー130が動作する際に複数の扉111の減速速度がほぼ一定となるように調整する速度調整機構140を備えることで、複数の収納部でのダンパーによる減速速度をほぼ一定にすることができ、使い勝手が良く高品位な扉開閉が実現できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
筐体と、前記筐体に係合され前面側に扉を設けた収納部材を備えた複数の引出しで構成される扉装置において、前記筐体に対して前記収納部材を前後に移動可能とするレール部材と、前記扉を自閉させる自閉手段と、前記扉を閉める際に前記扉の閉まる速度を減速させるダンパーと、前記ダンパーが動作する際に前記複数の扉の減速速度がほぼ一定となるように調整する速度調整機構を備えた扉装置。
【請求項2】
前記速度調整機構は、前記ダンパーに連結され、支点を中心に回動する機構であり、前記収納部材もしくは前記レール部材と当接する作用点を有し、前記扉装置の移動に伴い、前記作用点と前記支点の距離である機構半径が変化するものである請求項1に記載の扉装置。
【請求項3】
前記ダンパーは、油の粘性を利用して衝撃を吸収するオイルダンパーである請求項2に記載の扉装置。
【請求項4】
前記複数の引出しがそれぞれ異なる温度環境で用いられるものであり、前記速度調整機構によって前記複数の扉の減速速度がほぼ一定となるように調整する請求項3に記載の扉装置。
【請求項5】
前記自閉装置によって扉の自閉機能が開始する第1位置よりも前記筐体側に前記ダンパーが減速動作を開始する第2位置がある請求項1から4のいずれか一項に記載の扉装置。
【請求項6】
前記ダンパーが減速動作を開始する第2位置よりも筐体側にある第3位置から全閉位置の間の範囲において、前記ダンパーは減速動作を解除するものである請求項1から5のいずれか一項に記載の扉装置。
【請求項7】
前記複数の収納部材間を断熱壁で仕切ることによって略密閉された複数の貯蔵室を形成しており、前記複数の貯蔵室内の温度が冷蔵温度帯または冷凍温度帯である請求項1から6のいずれか一項に記載の扉装置を備えた冷蔵庫。
【請求項8】
前記冷蔵温度帯の貯蔵室に配設された前記速度調整機構の機構半径は、前記冷凍温度帯の貯蔵室に配設された前記速度調整機構の機構半径よりも小さいものである請求項7に記載の扉装置を備えた冷蔵庫。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自閉機能および減速機能を有する扉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、引出し式の収納ケースにおいては、自閉装置を具備したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、従来の扉装置の構成図である。図10に示すように、自閉装置の必須部分は、傾斜部3、案内トラック4、駆動ピン5および引張りバネ6、ダンパー11である。
【0004】
案内トラック4は本体側壁2に固着可能なレール7に配設される溝によって形成される。駆動ピン5は、引出し案内機体の引出し側にある引出し壁1または引出しレールに直接固着されることができる。
【0005】
傾斜部分3は2本のボルト8によって案内トラック4内に案内される。案内トラック4は後方の長くかつ真っ直ぐな部分4′および前方の弓形の部分4″からなる。引張りばね6はその後方端により本体側で、例えば、本体側壁2に固着される。扉11は引出し壁1の先端に形成された平板である。
【0006】
ダンパー11は、レール7に固着された減速手段であり、ダンパー11の稼動部先端は傾斜部3に当接する。
【0007】
以上の構成により、引出しが挿入された位置にあるとき、傾斜部分3の上方に向かって開放されたスロット9内に延在する。スロット9は駆動ピン5の挿入を容易にする斜めの側壁10を有する。
【0008】
引出しが開放されるとき、傾斜部分3はこれが案内トラック4の弓形の部分4″に達するまで矢印Aの方向に案内トラック4の真っ直ぐな部分4′に沿って動かされる。この位置においては、傾斜部分3は前方に向かって傾斜され、かつ駆動ピン5はさらに傾斜部分3から動かされる。2本のボルト8によって提供される案内および部分4′の円弧の寸法付けにより、傾斜部分3は、引出しがその引き出された位置にある、すなわち引張りばね6によって自動的に引き戻されないとき、その前方位置に錠止される。
【0009】
引出しが挿入されているとき、引出しは駆動ピン5が傾斜部分3のスロット9に再係合するまで移動通路の前方部分にわたって自由に動かされる。駆動ピン5の摺動力により、傾斜部分3は押し戻される。傾斜部分3が弓形部分4″から動かされかつ案内トラック4の真っ直ぐな部分4′にあるとすぐに、引張りばね6は有効になる。すなわち傾斜部分3がまず引出しの運動によって動かされる一方、引っ張りばね6のばね力は傾斜部分3および駆動ピン5を介して引出しに伝達され、それは引張りばね6が傾斜部分3により引出しを本体に聞き込むことを意味する。この方法において、途中まで押し込まれた引出しは、本体に完全に引き込まれることができる。
【0010】
また、このような自閉機能を有した引き出しに、従来より広く用いられている油の粘性を利用して衝撃を吸収するオイルダンパー等を適用することによって、自閉機能に加えて減速機能を備えることができる。
【特許文献1】特開平2−286102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来の扉装置の構成では、複数の収納部が備えられた引出しにおいて、収納部の大きさや重さが異なる場合に、同じダンパーを用いると、収納部を減速する際の負荷が異なる為、引出しの減速速度が収納部によって異なり、使い勝手が悪いという課題を有していた。
【0012】
また、複数の収納部がそれぞれ温度帯のことなる冷蔵庫等に適用する場合で特にオイルダンパーを用いた場合には、温度特性の違いによってオイルダンパー内の油の粘度が異なる為に衝撃吸収力も異なり、引出しの減速速度が各温度帯の貯蔵室間でばらつき使い勝手が悪いという課題を有していた。
【0013】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、複数の収納部が備えられた引出しにおいて複数の収納部でのダンパーによる減速速度が一定となる扉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記従来の課題を解決する為に、本発明の扉装置は、筐体と、前記筐体に係合され前面側に扉を設けた収納部材を複数備えた引出しにおいて、前記筐体に対して前記収納部材を前後に移動可能とするレール部材と、前記扉を自閉させる自閉機能を有する自閉装置と、前記扉を閉める際に前記扉の閉まる速度を減速させるダンパーと、前記ダンパーが動作する際に前記複数の扉の減速速度がほぼ一定となるように調整する速度調整機構を備えたものである。
【0015】
これによって、複数の収納部でのダンパーによる減速速度が一定にすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の扉装置は、複数の収納部でのダンパーによる減速速度が一定にすることで、使い勝手が良く高品位な扉開閉が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
請求項1に記載の発明は、筐体と、前記筐体に係合され前面側に扉を設けた収納部材を複数備えた引出しにおいて、前記筐体に対して前記収納部材を前後に移動可能とするレール部材と、前記扉を自閉させる自閉機能を有する自閉装置と、前記扉を閉める際に前記扉の閉まる速度を減速させるダンパーと、前記ダンパーが動作する際に前記複数の扉の減速速度がほぼ一定となるように調整する速度調整機構を備えたことにより、複数の収納部でのダンパーによる減速速度が一定にすることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加えて前記速度調整機構は、前記ダンパーに連結され、支点を中心に回動する機構であり、前記収納部材もしくは前記レール部材と当接する作用点を有し、前記扉装置の移動に伴い、前記作用点と前記支点の距離である機構半径が変化するものであり、簡単な構成でダンパー動作時の動作速度を調整することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、前記ダンパーは、油の粘性を利用して衝撃を吸収するオイルダンパーであることにより、汎用のダンパーを用いることができ、安価でかつ高い信頼性を確保できる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記複数の引出しがそれぞれ異なる温度環境で用いられるものであり、前記速度調整機構によって前記複数の扉の減速速度がほぼ一定となるように調整するものであり、温度特性の違いによってオイルダンパー内の油の粘度が異なる為に衝撃吸収力も異なる場合でも、引出しの減速速度の各温度帯の貯蔵室間でのばらつきを低減し、冷蔵庫の使い勝手を向上させることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、前記自閉装置によって扉の自閉機能が開始する第1位置よりも前記筐体側に前記ダンパーが減速動作を開始する第2位置があることにより、自閉機能が動作を開始した後に減速動作が開始することで、扉の自閉によって手や指を挟むといった危険性を回避し、安全性を向上させることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、前記ダンパーが減速動作を開始する第2位置よりも筐体側にある第3位置から全閉位置の間の範囲において、前記ダンパーは減速動作を解除するものであり、第3位置から全閉位置において、自閉速度を高めることにより、全閉までの時間を短縮することができ、また扉を確実に閉めることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、前記複数の収納部材間を断熱壁で仕切ることによって略密閉された複数の貯蔵室を形成しており、前記複数の貯蔵室内の温度が冷蔵温度帯または冷凍温度帯である請求項1から6のいずれか一項に記載の扉装置を備えた冷蔵庫であり、複数の収納部でのダンパーによる減速速度が一定にすることができ、使い勝手がよく、高品位な冷蔵庫を提供することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、前記冷蔵温度帯の貯蔵室に配設された前記速度調整機構の機構半径は、前記冷凍温度帯の貯蔵室に配設された前記速度調整機構の機構半径よりも小さいものであり、温度帯の異なる貯蔵室においても一定の減速動作速度が得られ、使い勝手がよく、高品位な冷蔵庫を提供することができる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0026】
なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0027】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の側面図である。図2は本発明の実施の形態1における扉装置の側面図である。図3は本発明の実施の形態1における図2のA矢視図である。図4は本発明の実施の形態1における動作図である。図5は本発明の実施の形態1における動作図である。図6は本発明の実施の形態1におけるダンパーの特性図である。図7は本発明の実施の形態1における速度調整機構の拡大図である。図8は本発明の実施の形態1における連結部材の動作図である。図9は本発明の実施の形態1における速度調整機構の拡大図である。
【0028】
図1、図2、図3において、冷蔵庫本体100の下部には、引出し式の貯蔵室101が形成され、貯蔵室101には扉装置110が具備されている。
【0029】
扉装置110は主に、扉111、支持台112、収納部材113、レール部材120により構成されている。
【0030】
扉111は、貯蔵室101の前面に形成された開口を塞ぐように設置された断熱プレートである。
【0031】
支持台112は、扉111とレール部材120を固定している。
【0032】
収納部材113は、上面を開口した容器であり、支持台112の上部に対して収納部材113の上部が固定される形で配設されている。
【0033】
レール部材120は、主に稼動レール121と中間レール122と固定レール123から構成されている。稼動レール121は収納部材113と固定されており、扉装置110と共に前後に水平移動可能である。中間レール122は、稼動レール121と固定レール123を連結するレールであり、稼動レール121及び固定レール123双方と水平移動可能なように連結されている。固定レール123は、扉装置110を水平移動可能なように冷蔵庫本体100に固定されており、側壁面には扇型の溝124が形成されている。ここで、稼動レール121の後方端近傍には、冷蔵庫本体100の内面方向に向けて突起125が形成されている。
【0034】
ダンパー130は、固定レール123の側壁面に固定され、支点131を回転中心としたワンウェイクラッチ機能付のロータリーダンパーであり、冷蔵庫内部に設置することから低温環境に強いグリスダンパーを用いることが望ましい。ここで、扉装置110が閉まる方向には減速作用が生じ、逆に扉装置110が開放する方向には無負荷となるように配設されている。
【0035】
速度調整機構140は、ダンパー130に固定され、支点131を中心に回動する平板状の機構部材であり、設置状態において速度調整機構140は、突起125に対して冷蔵庫本体100の後方向に位置する。つまり、速度調整機構140の前方向側面141が突起125に当接することとなる。また、速度調整機構140の中央近傍に形成された連結部142を介して、速度調整機構140は溝124に連結されている。
【0036】
このとき、支点131近傍に配設されたねじりバネ143の作用により、速度調整機構140は無負荷の状態において冷蔵庫本体100の前方向に傾倒する。
【0037】
ここで図4において、扉装置110が全閉状態から突起125が距離X1だけ前方向に移動した場合、つまり扉111が冷蔵庫本体100から引き出され、扉111の内面と冷蔵庫本体100前面の間の距離がL1となる第3位置において、突起125により、速度調整機構140は後方向に傾倒し、このとき速度調整機構140の上端部143は、稼動レール121に対して水平となる形状である。さらに、扉装置110が全閉状態から第3位置では、連結部142が溝124の後方向端124aに位置し、速度調整機構140はこれ以上後方向に傾倒しない。
【0038】
また図5において、扉装置110が開放状態となり、全閉状態に対して突起125が距離X2だけ前方向に移動した場合、つまり扉111が冷蔵庫本体100から引き出され、扉111の内面と冷蔵庫本体100前面の間の距離がL2となる第2位置において、ねじりバネ143の作用により、速度調整機構140は前方向に回動し、連結部142が溝124の前方向端124bに当接し、これ以上前方向に傾倒しない。
【0039】
さらに開放が進んだ状態においては、速度調整機構140の前方向側面141と突起125の当接は解除される。
【0040】
ここで、図6は、ダンパー130の温度とトルクの関係を示しており、グリスの粘度上昇の影響により、低温になるほどトルクが上昇する傾向にある。ここで、冷蔵庫のように温度帯の異なる複数の貯蔵室が存在する場合、各温度帯における扉装置110の動作速度が変化してしまうことから、本実施例においては、速度調整機構140が突起125と当接する作用点144と支点131の距離である機構半径Rを各温度帯に合わせて変化させた。つまり、冷蔵温度帯の所持トルクをT1、冷凍温度帯の所持トルクをT2、冷蔵温度帯の機構半径をR1、冷凍温度帯の機構半径をR2とした場合の関係式は(数1)で表される。
【0041】
【数1】


【0042】
図7に示すように、冷蔵温度帯の機構半径R1に対して冷凍温度帯の機構半径R2は大きく設定されることとなる。
【0043】
自閉手段150は、固定レール123に固定された定荷重バネであり、固定レール123の側壁面に回動可能に軸支された円筒形のボビン151と、ボビン151の胴体部に巻きつけられた弾性体152とから構成されている。
【0044】
連結部材160は、主に案内レール161と、傾斜部材162と、リンク機構163とから構成されている。案内レール161は、固定レール123の下面に固定されている。ここで、案内レール161の側壁には両端を閉じた溝161aが形成されており、案内レール141の下方壁には両端を閉じた溝161bが形成されている。さらに、案内レール161の側壁の前方向側端近傍に端部を開口した溝161cが形成されている。
【0045】
傾斜部材162は、溝161bを貫通して下方に突き出た連結部162aの先端で弾性体152の端部に連結されており、連結部162aは溝161bにより水平移動可能に案内される。さらに、傾斜部材162の側面には、2つの突起162b、162cが形成されており、この2つの突起162b、162cが案内レール161の側壁から突き出すように、傾斜部材162は、溝141aにはめ込まれて水平方向に移動する。
【0046】
リンク機構163は、稼動レール121の側壁に対して下方向に向けて固定されており、リンク機構163の下方端には、固定レール123方向に向け水平に突起163aが形成されている。ここで、扉装置110が全閉状態から突起125が距離X2だけ前方向に移動した状態の間では、突起163aの先端は、設置状態において、2つの突起142b,142cの間に位置する。
【0047】
さらに、図4、図5、図8において、扉装置110が前方に引き出され、扉111の内面と冷蔵庫本体100前面の間の距離がL2となる第2位置において、傾斜部材142は、突起142bが溝141cにはまり込むことで傾倒する。これにより、傾斜部材142とリンク機構143の連結は解除される、つまり第2位置以降、稼動レール121とダンパー130の連結は解除されることとなるとともに、傾倒した傾斜部材142の働きにより、傾斜部材142は第2位置を維持する。
【0048】
ここで、本実施例においてL1は、0mmから10mmの間に設定した、これは人の指が容易に入らない距離である。
【0049】
さらに、L2は、10mmから150mmの間に設定した、これは人の指や拳が物と物の間に挟まる恐れのある距離である。
【0050】
以上のように構成された扉装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0051】
まず、全閉状態の扉装置110は、人の手により扉111が引かれることにより徐々に前方に移動する。このとき、扉装置110とともに、リンク機構143も同時に前方に移動する。これにより、突起142bに突起163aが当接しながら、傾斜部材142に連結された弾性体152を引き伸ばし前方に移動する。
【0052】
ここで、扉装置110が第2位置に達した場合、稼動レール121とダンパー130の連結は解除されることとなるとともに、傾倒した傾斜部材142の働きにより、傾斜部材142は第2位置を維持する。さらに、速度調整機構140は前方向に傾倒した状態で停止する。
【0053】
次に、扉装置110が全開状態から、人の手により扉111が押されることにより、徐々に後方に移動し、扉装置110が第2位置となったとき、突起163aが突起142cに当接し、傾斜部材142の傾倒が解除され、弾性体152の弾性力により、扉装置110は自閉すると共に、速度調整機構140の前方向側面141が突起125に当接することで、ダンパー130が動作し、扉装置110は減速しながら自閉することになる。つまり、人の指や拳が物と物の間に挟まってしまう以上の距離においては、所定の自閉速度で自閉することになる。
【0054】
次に、扉装置110が第2位置から第3位置の間にある場合、図9に示すように機構半径Rは、扉装置110の移動に伴い変化する。本実施例においては、速度調整機構140が直立する状態において、機構半径Rは最小となる。つまり、第2位置から速度調整機構140が直立する状態に向けて減速能力は上昇することとなり、扉装置110が強く押されて閉じられた場合、速度調整機構140が直立する状態までにその余分な衝撃を吸収できる。
【0055】
次に、扉装置110が第3位置に達した場合、速度調整機構140は後方向に傾倒し、このとき速度調整機構140の上端部143は、稼動レール121に対して水平となる形状であるので、ダンパー130の効力は解除され弾性体152による自閉動作のみとなる。つまり、人の指が容易に入らない距離では所定の自閉速度を得ることができる。
【0056】
さらに、冷蔵温度帯の機構半径をRと冷凍温度帯の機構半径をR2との関係を所定の関係としたことで、温度帯のことなる各貯蔵室においても扉装置110の動作速度を一定にすることができる。
【0057】
以上のように本実施の形態の扉装置110は、冷蔵庫本体100内に形成された空間内に収納部材113を備え、収納部材112の前面に設けられた扉111とからなる引出しにおいて、冷蔵庫本体100に固定され、収納部材113を前後に移動可能とするレール部材120と、扉装置110を自閉させる自閉手段150と、扉装置110を減速させるダンパー130と、ダンパー130の動作距離を拡大させる速度調整機構140とを備え、速度調整機構140がダンパー130の動作距離を拡大させることにより、ダンパー130の動作距離が大きくなり、安価でかつ減速動作距離を大きくすることができる。
【0058】
また、扉装置110の移動に伴い、機構半径Rが変化することで、ダンパー130動作時の自閉速度を調整することにより、高品位な動作が実現できる。
【0059】
また、冷蔵温度帯の貯蔵室113に配設された速度調整機構140の機構半径Rは、冷凍温度帯の貯蔵室113に配設された速度調整機構140の機構半径Rよりも小さいことにより、温度帯の異なる貯蔵室においても一定の動作速度が得られ、高品位な扉開閉が実現できる。
【0060】
また、扉111と隣接する扉111もしくは冷蔵庫本体100との間に所定値範囲の隙間が形成される第2位置において、ダンパー130は、少なくとも減速動作を開始することにより、扉111の移動速度を一定速度に減速したまま自閉することとなり、安全性を確保したまま引出しを自閉することができる。
【0061】
また、扉111と隣接する扉111もしくは筐体との間の隙間が所定値以下となる第3位置から全閉位置の範囲において、ダンパー130は、減速動作を解除することにより、第3位置から全閉位置において、自閉速度を高めることにより、全閉までの時間を短縮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明にかかる扉装置は、温度帯の異なる貯蔵室に配置された扉装置にシリコンダンパーに加えて、それぞれの値に設定した機構半径を有する速度調整機構を搭載することで、異なる温度帯の貯蔵室であっても同様な減速動作が得られるので、システムキッチン、家具、業務用冷蔵庫の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の側面図
【図2】本発明の実施の形態1における扉装置の側面図
【図3】本発明の実施の形態1における図2のA矢視図
【図4】本発明の実施の形態1における扉装置の動作図
【図5】本発明の実施の形態1における扉装置の動作図
【図6】本発明の実施の形態1におけるダンパーの特性図
【図7】本発明の実施の形態1における速度調整機構の拡大図
【図8】本発明の実施の形態1における連結部材の動作図
【図9】本発明の実施の形態1における速度調整機構の拡大図
【図10】従来の扉装置の構成図
【符号の説明】
【0064】
R 機構半径
100 筐体
111 扉
113 収納部材
120 レール部材
130 ダンパー
131 支点
140 速度調整機構
144 作用点
150 自閉手段




 

 


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