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発明の名称 除菌機能付暖房装置とそれを用いた暖房便座およびトイレ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2006−34394(P2006−34394A)
公開日 平成18年2月9日(2006.2.9)
出願番号 特願2004−215231(P2004−215231)
出願日 平成16年7月23日(2004.7.23)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 古林 満之 / 白井 滋 / 宇野 克彦 / 丹羽 孝
要約 課題
加熱除菌を実施しつつ除菌動作中に使用者が誤って便座に触れても人体に損傷を与えない安全な暖房便座を提供する。

解決手段
内部に空洞部29を形成する便座22と、空洞部29に設けられた輻射型発熱体32と、輻射エネルギ透過性を有する材料からなる便座本体と、着座部30の外表面に設けた輻射エネルギ吸収層42を備えた暖房便座において、人体に損傷を与えない温度で着座部30を制御部50により加熱制御することで、除菌を実施しつつ除菌動作中に使用者が誤って被加熱部に触れても安全な暖房便座を提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】
輻射エネルギ透過性の材料で形成した着座部と、前記着座部の内部に設け、輻射エネルギを放射する輻射型発熱体と、前記着座部の外表面側に設け、前記輻射エネルギを吸収して前記着座部の外面を暖房する輻射エネルギ吸収層と、除菌時に人体に損傷を与えない温度で前記着座部を加熱するように前記輻射型発熱体の通電を制御する制御部とを備えた暖房装置。
【請求項2】
制御部は、着座部の除菌加熱制御にあって、着座部を除菌設定温度より高い温度まで到達させた後、除菌設定温度に保持してなる請求項1記載の暖房装置。
【請求項3】
制御部は、輻射型発熱体が加熱する着座部の温度を検知する温度検知手段を設け、前記温度検知手段の信号により前記輻射型発熱体を制御する請求項1または請求項2記載の暖房装置。
【請求項4】
輻射型発熱体はランプヒータとした請求項1〜3のいずれかに記載の暖房装置。
【請求項5】
押釦されることによって除菌が開始される除菌スイッチを設けた請求項1〜4のいずれかに記載の暖房装置。
【請求項6】
制御部は、使用者が着座している間では、除菌スイッチが押釦されても除菌は開始されないように構成してなる請求項5記載の暖房装置。
【請求項7】
除菌中であることを報知する報知手段を備えた請求項1〜6のいずれかに記載の暖房装置。
【請求項8】
制御部は除菌終了後も所定時間、報知手段により報知を継続する構成にしてなる請求項1〜7のいずれかに記載の暖房装置。
【請求項9】
除菌を行う場所は、少なくとも着座部の上面とした請求項1〜8のいずれかに記載の暖房装置。
【請求項10】
除菌を行う場所は、着座部の上面以外とした請求項1〜9のいずれかに記載の暖房装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の暖房装置を便座に搭載してなる暖房便座。
【請求項12】
請求項11に記載の暖房便座を便器上に設けてなるトイレ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌機能を有する暖房装置と、前記暖房装置を搭載した暖房便座および前記暖房便座を備えたトイレ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の暖房便座では、図10に示すように、便座1をアルミニウムまたはその合金で構成し、前記便座1に埋設された電気ヒータ2で着座面3を高温に加熱して、その温度に所定時間保持することで、便座1の着座面3を除菌するというものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2−36828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、除菌を実施するために便座表面を130℃程度に高温加熱しており、また、熱伝導率の高いアルミニウムで便座を構成しているため、除菌動作中並びに除菌動作直後に誤って便座に触れたりすると、人体に損傷を与える可能性があるという不安があった。
【0004】
前記従来の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、除菌動作中に使用者が誤って着座部に触れても安全な暖房装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は輻射型発熱体の通電を制御し、人体へ損傷を与えない温度で着座部を加熱除菌する制御部を備えたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の暖房装置は、着座部のカビや菌の増殖が抑制できるとともに、除菌動作中に使用者が誤って着座部に触れたり着座しても安全である上、薬品も使用しないためやはり人体が触れても安全である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明は、輻射エネルギ透過性の材料で形成した着座部と、前記着座部の内部に設け、輻射エネルギを放射する輻射型発熱体と、前記着座部の外表面側に設け、前記輻射エネルギを吸収して前記着座部の外面を暖房する輻射エネルギ吸収層と、除菌時に人体に損傷を与えない温度で前記着座部を加熱するように前記輻射型発熱体の通電を制御する制御部とを備えた暖房装置である。
【0008】
これにより、カビや菌の増殖が抑制され、衛生的な暖房装置とすることができる。また、除菌動作中に使用者が誤って着座部に触れても安全である上、薬品も使用しないためやはり人体が触れても安全である。また、短時間での着座部の昇温が可能となり、省エネとなる。また、加熱動作を中止し着座部の温度を下げる時も短時間で温度を下げることができるため、素早く着座可能な温度とすることができる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明において、制御部は、着座部の除菌加熱制御にあって、着座部を除菌設定温度より高い温度まで到達させた後、除菌設定温度に保持する構成にしたものである。これにより、カビや菌に対して除菌設定温度より高い温度で少しでも多くの熱衝撃を与えることができるため、より衛生的な暖房装置とすることができる。また、除菌設定温度まで素早い昇温を実現できるため、除菌時間を短縮できる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、制御部は輻射型発熱体が加熱する着座部の温度を検知する温度検知手段を設け、前記温度検知手段の信号により前記輻射型発熱体を制御する構成である。これにより、きめ細かい温度制御が可能であるとともに、異常温度上昇や輻射型発熱体の発熱停止なども検知できて、異常発生時に適切に対応できる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明の輻射型発熱体をランプヒータとしたものである。これにより、高い昇温性能を得ることができる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、押釦されることによって除菌が開始される除菌スイッチを設けたものである。これによって、暖房装置を使用する頻度が低い時間帯を狙って除菌を行うことができ、使い勝手を向上できる。
【0013】
第6の発明は、特に、第5の発明において、制御部は使用者が着座している間では、除菌スイッチが押釦されても除菌は開始されない構成としたものである。これによって、着座中に誤って除菌スイッチが押釦されても除菌モードにならず、着座部が高温になることがないので、安全に使用できる。
【0014】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、除菌中であることを報知する報知手段を備えた構成としたものである。これによって、除菌中であることを認識できるので、気付かずに着座するということがなく、安全に使用できる。
【0015】
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明において、制御部は除菌終了後も所定時間、報知手段により報知を継続する構成としたものである。これによって、除菌終了後も着座表面温度が下がるまで報知を継続することで、着座時の不快感がなく、快適に使用できる。
【0016】
第9の発明は、特に、第1の発明〜第8の発明いずれか1つの発明において、除菌を行う場所は、少なくとも着座部の上面としたものである。これにより、着座時に人体が接する着座部の除菌が可能となり、衛生的な暖房装置を提供することができる。
【0017】
第10の発明は、特に、第1〜第9のいずれか1つの発明において、除菌を行う場所は、着座部の上面以外としたものである。これにより、例えば暖房装置を設けた暖房便座では汚水の飛び散り等によって汚染された便座下面の除菌が可能となり、衛生的な暖房便座を提供することができる。
【0018】
第11の発明は、特に、第1〜第10のいずれか1つの発明の暖房装置を搭載した暖房便座であり、これにより第1〜第10のいずれか1つの発明の作用が得られ、衛生的な暖房便座を提供できる。
【0019】
第12の発明は、特に第11の発明の暖房便座を便器上に設けてなるトイレ装置であり、第11の発明の暖房便座の作用が得られ、使用環境の快適なトイレ装置を提供できる。
【0020】
本発明の目的は、第1の発明から第12の発明の要部を実施の形態とすることにより達成できるので、各請求項に対応する実施の形態の詳細を、以下に図面を参照しながら説明し、本発明を実施するための最良の形態の説明とする。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。また、本実施の形態の説明において、同一構成並びに作用効果を奏するところには同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における暖房装置を搭載した暖房便座の便座の要部を断面した概略構成図で、図2は同暖房便座を搭載したトイレ装置の斜視図で、図3は同暖房便座の一部を切り欠いて示した平面図で、図4は同暖房便座の着座部の要部断面図である。
【0022】
図1から図4において、便器20の後端部には横長の本体21が取り付けられており、この本体21内には用便後の人体の局部に温水を噴射して洗う温水洗浄機能の一部が内装され、かつ便器20上に載せられた輪状の便座22および便蓋23が回動自在に設けられている。また、本体21にはトイレ室の人体の有無を赤外線により検知する人体検知センサ24や、使用者の便座22への着座を検知する着座検知センサ25が内装されている。また、本体21には便座22の除菌を実行するための除菌スイッチ26や除菌中に便座22が高温であることを点滅することによって報知する報知手段としてのLED27が設けられている。便座22は、図1に示すように合成樹脂製の上・下2つの部材をそれぞれの内周縁および外周縁で溶着接合することにより便座ケース28を形成し、その内部には水等の浸入を阻止できる密閉された空洞部29を有する構造となっている。
【0023】
輪状の便座ケース28は、便器20の左右両側に載る左右両側の空洞部29に、トイレ装置を使用する使用者が腰掛ける便座22の上面に相当する着座部30に対向して、アルミ板を鏡面仕上げし、かつ内側と外側の端部の全周を上向きに傾斜させた折り曲げ部31aを有する輻射エネルギ反射板31と、輻射エネルギを効率良く着座部に30に取り出せるように輻射エネルギ反射板31の上に位置し、即暖・即冷(通電すると素早く発熱して暖房し、通電停止すると素早く冷える)機能を備えた輻射型発熱体である2本のランプヒータ32とが便座22の形状に合わせて設けられている。
【0024】
従って、便座22の着座部30はランプヒータ32の点灯により放射状に放射する光を受けて即暖される。また、本実施の形態ではランプヒータ32を2本使用している例を示しているが、ランプヒータ32の本数を何本使用しても、本発明の目的を達成できるなら何ら問題はない。ランプヒータ32の近傍には、ランプヒータ32と電気的に直列接続されたサーモスタット33および温度ヒューズ34が設けられ、万一の不安全事態に対して温度過昇を防止するよう作用する。サーモスタット33および温度ヒューズ34は、2本のランプヒータ32のそれぞれに対応するように設ければ、安全性は更に向上する。
【0025】
ランプヒータ32は、ガラス管35の内部にタングステンからなるフィラメント36を貫通しハロゲンガス37を封入して構成されており、フィラメント36の発熱に伴ってハロゲン化タングステンを形成するハロゲンサイクル反応を繰り返すことにより、フィラメント36の消耗を防止するよう作用している。この作用により熱容量の非常に小さいフィラメント36を熱源とすることができ、極めて急峻な立ち上がりを行わせることができる。このランプヒータ32は、弾性材であるゴムブッシュ38を有するランプヒータ固定具39により輻射エネルギ反射板31に固定され、輻射エネルギ反射板31はゴム足40により便座ケース28の下部材に固定されている。
【0026】
図4は、暖房便座の便座ケース28の上部材の要部断面図である。便座22を構成する便座ケース28は透明ポリプロピレン樹脂材料で構成され、ケース本体41の上面にカーボンブラックを多量に含有する輻射エネルギ吸収層42を形成し、さらにその上にランプヒータ32から放射される全ての可視光を遮蔽するとともに、表面硬度、耐薬品性能、光沢等を考慮した光遮断層である表面化粧層43を形成したものである。
【0027】
便座ケース28、輻射エネルギ吸収層42、および表面化粧層43は、いずれも樹脂を材料としているので、熱伝導率が低く、便座表面温度が75℃程度までであれば、ごく短時間であれば人体が接触しても火傷には至らない。また、便座ケース28の着座部30は、ケース本体41を透過してきたランプヒータ32の輻射エネルギを吸収して伝導することなく即座に加熱する輻射エネルギ吸収層42により暖房され、そしてランプヒータ32の通電停止により即座に冷える構成にしてある。
【0028】
便座22を構成する便座ケース28のケース本体41は、透明ポリプロピレン樹脂材料を平均厚み2.5mmにて成形することにより、輻射エネルギ透過率を70%以上に設定すると同時に、その剛性から便座22の構造矩体として機能している。また、形成されている輻射エネルギ吸収層42の厚みは0.1mm、表面化粧層43の厚みは0.2mmであり、これら両層はケース本体41を透過した輻射エネルギを完全に吸収し、熱容量が非常に小さいので瞬時に昇温すると同時に、放射可視光を完全に遮蔽する。なお、便座ケース28は透明ポリプロピレン樹脂材料を用いた例を挙げたが、透明ポリエチレン樹脂材料やABS樹脂、アクリル樹脂などの透明性のある樹脂であれば、本発明の目的を達成できる。また、表面化粧層43はランプヒータ32から放射される全ての可視光を遮るものでなくても、本発明の目的を達成できる。
【0029】
また、便座22を構成する便座ケース28のケース本体41には、その内面に開口した凹部に、温度検知手段であるサーミスタ44が設定されており、輻射エネルギ吸収層42近傍の温度を検知できるようになっている。このサーミスタ44は2本のランプヒータ32が加熱する着座部30に対応して設けているので、それぞれの温度を別制御するきめ細かい温度制御が可能であるし、また、異常温度上昇、また、ランプヒータ32の発熱停止なども検知できて、適切に対応できる。
【0030】
また、便座22はその回動軸45に電極46が形成され、本体21の軸受け部(図示せず)とともに便座位置検知手段47を構成し、便座22が起立状態にあるか、着座して使用される略水平の使用位置にあるかを検出するようになっている。
【0031】
本体21には、室温検知手段としての室温サーミスタ48の検知信号を取り込んでランプヒータ32の温度制御を行い、かつ便座22のランプヒータ32に通電することにより昇温を開始した時点からの経過時間をカウントするタイマー部49を有するマイクロコンピュータおよびその周辺回路からなる制御部50が設けられている。そして、制御部50は人体検知センサ24や着座検知センサ25と便座位置検知手段47の信号を取り込んでランプヒータ32への通電の開始と停止の制御と、サーミスタ44、室温サーミスタ48からの信号を取り込んで採暖面である着座部30の温度が適温である所定の温度になるようランプヒータ32の温度制御が行えるようになっている。
【0032】
また、制御部50は除菌スイッチ26が押釦されると、その信号を取り込んでランプヒータ32への通電を開始し、便座22の着座部30を所定の温度(人体に損傷を与えない温度)まで加熱し、便座2の除菌動作が行われるようにするとともに、着座部30の加熱除菌制御にあって、着座部30を除菌設定温度より高い温度まで到達させた後、除菌設定温度に保持するように、後述する図5のタイムチャートで示す制御シーケンスを実行するプログラムを格納してある。さらに、制御部50は着座検知センサ25による着座信号が入力されている限り、除菌スイッチ26からの除菌開始の信号が入力されても除菌制御を行わないプログラムも格納されている。
【0033】
このように除菌スイッチ26を設けると、好きな時間に便座の除菌を実行することができる。例えば、温水洗浄装置の使用頻度が低い時間帯に、便座の除菌スイッチ26を押釦し、便座の除菌を行うことで、除菌中に温水洗浄の暖房便座が使用される可能性は低くなる。また、除菌スイッチ26を設けなくても、トイレが使用されない時間帯を学習させて、使用頻度が低い時間帯に除菌を行うという方法もある。
【0034】
さらに便座の除菌中であることが分かるように除菌中は、報知手段としてのLED27を点滅させることにより、便座の除菌中であるか否かが確認できるので、気付かずに着座するということがなく、安心安全に使用できる。報知手段としては、このように視覚へ訴えるようなものや、例えば、ブザーを鳴らしたりして視覚に訴える方法等もある。
【0035】
また、除菌中だけ報知するのではなく、除菌終了後も便座表面温度が十分に下がるまで報知し続けるようにサーミスタ44により着座部30の温度を取り込んだ制御部50で制御することにより、除菌終了直後の便座表面温度が十分に下がっていない便座に着座することもなくなる。よって、使用者が不快な思いをせずに、快適に使用できる温水洗浄の暖房便座を提供できる。
【0036】
以上のように構成された温水洗浄用の暖房便座について、以下その動作、作用を説明する。使用者がトイレに入室した場合、人体検知センサ24がそれを検知し、その信号が制御部50に送られる。このとき、便座位置検知手段47の信号により便座22が略水平の使用位置にあるのを確認すると、制御部50はランプヒータ32に通電を開始する。この初期通電により投入エネルギは瞬時に輻射エネルギに変換され、フィラメント36からガラス管35および輻射エネルギ反射板31を経てケース本体41の方向に放射される。輻射エネルギはケース本体41の内部で一部吸収あるいは反射されるが、その大半は透過し輻射エネルギ吸収層42および表面化粧層43の昇温に寄与する。従って、制御部50によりランプヒータ32は、人体検知センサ24により使用者がトイレ室に入室したことを検知した後に着座部30の昇温を開始し、使用者が衣服を下ろし、着座部30に着座するまでの例えば、数秒間で着座部30を適温まで瞬時に昇温させることができる。そのため、常時通電させておいて便座22を保温させておく必要のない非常に省電力型の暖房便座を実現できる。
【0037】
制御部51は、通電開始時のサーミスタ44および室温サーミスタ48の信号をもとに、両者の温度差やそれぞれの温度から演算を行い、あらかじめ設定・記憶されている初期通電の通電制限時間の最適値を選択し、タイマー部49でカウントしている経過時間が通電制限時間に到達すると通電量を低減またはゼロにし、その後サーミスタ44の信号をもとに便座22の着座部30が適温になるよう通電量を制御する。
【0038】
これにより、サーミスタ44は実際に使用者が触れる着座部30付近の温度を検知し、制御部50は精度良く適温まで昇温・維持するので便座22の使用が快適であり、さらにサーミスタ44および室温サーミスタ48の信号をもとに負荷量に合わせて輻射エネルギの投入量を制御するのでより精度良く安全に適温まで加熱することができる。
【0039】
次に、使用者が排便のために着座すると、着座検知センサ25の信号によりランプヒータ32への通電量をゼロまたは便座温度が過昇しないところまで、上述のようにハロゲンサイクルが有効な出力範囲で通電サイクルを変化させて制御する。これにより、使用中に便座温度が過昇することなく、火傷等が生じる心配もなく安心安全であり、使用者が快適に使用できる。
【0040】
特に、暖房便座はヒータを内蔵した便座22に直接皮膚を接触させて着座するため、安全に対しては十分な配慮が必要である。通常の使用状態では上述のように安全に快適に使用できるが、万一何らかの原因でマイコン(図示せず)に不具合が生じ、ランプヒータ32への通電が継続して行われた場合などにも安全に動作することが必要である。本実施の形態ではそれを実現するために、サーモスタット33を用いている。
【0041】
上記実施の形態ではランプヒータ32は左右一対設ける構成で説明したが、これに限ったものではない。また、輻射エネルギ吸収層42、表面化粧層43はランプヒータ32から発せられる光や輻射を完全に遮蔽する構成としているが、意図的に一部もしくはその大部分を透過させるようにしても良い。
【0042】
次に、便座22の除菌方法について説明する。便座の除菌を実行する場合は、暖房便座の本体21の除菌スイッチ26を押釦することで制御部50により実行される。すなわち、除菌スイッチ26の押釦によって先ず着座検知センサ25によって使用者が着座しているか否かが検出され、非着座時のみ便座の除菌動作に移行し、着座時は便座の除菌動作を実行しない。これにより、着座時に便座22が高温になることがなく、安全性が向上する。
【0043】
非着座状態で除菌スイッチ26が押釦されると、これら信号を取り込んだ制御部50は図5のタイムチャートに示すように便座22の着座部30の表面温度が制御される。すなわち、時間tに除菌スイッチ26が押釦されると、ランプヒータ32に通電が開始され、平常時の着座部30の表面温度Tから除菌時の設定温度Tよりも高い温度Tまでオーバーシュートさせる。その後、通電量を減少させ除菌設定温度Tまで下げて、所定時間(時間t〜t)の除菌動作を行う。
【0044】
ここで、温度Tまでオーバーシュートさせた後、除菌設定温度Tで除菌を行うことによって、図6に示すように温度Tまでオーバーシュートをさせない温度制御で加熱除菌を行う時の除菌トータル時間t〜t〜tよりも、図5に示すように温度Tまでオーバーシュートをさせる温度制御を行う時の除菌トータル時間t〜tの方が時間を短縮させることができる。よって、除菌中による温水洗浄の暖房便座を使用できない時間が短縮し、使い勝手の良い温水洗浄の暖房便座を提供することができる。
【0045】
また、温度Tまでオーバーシュートさせることで、時間t〜t間では、除菌設定温度T以上の熱衝撃を与えることができるので、カビや菌に対して効率的な除菌を行うことができる。よって、衛生的な温水洗浄暖房便座を提供することができる。
【0046】
また、除菌時の設定温度Tは55℃前後が望ましい。これは、除菌終了直後に着座した場合、つまり、便座表面温度が55℃の時に着座しても、図7に示す、除菌終了直後の便座22の表面温度55℃時に着座した時の便座表面温度と人体皮膚温度とを計測したグラフから分かるように、人体の皮膚温度は約36℃から約43℃までしか上昇しない。これは、不快な思いはするものの、これによって人体に損傷を与えることはない。
【0047】
また、温度Tは、便座の構成部品の耐熱温度内なら問題ないが、75℃前後が望ましい。これは、便座表面は樹脂を材料としているので、熱伝導率が低く、便座表面温度が75℃程度であれば、ごく短時間であれば人体が接触しても火傷には至らないからである。ここで、便座表面温度を55℃にした時の除菌結果を示しておく。10CFU/mlオーダーの大腸菌および黒カビについて、25℃で培養を行った場合と、25℃で培養を行いながら1日に1回55℃で3分間熱を加えた場合とで菌数(コロニー数)の変化を比較すると、10CFU/mlオーダーから10CFU/ml以下レベルにまで菌数を抑制することができた。
【0048】
また、除菌を行う場所は、暖房便座の上面である着座部30としている。これにより、着座時に人体が接する着座部の除菌が可能となり、衛生的な暖房便座を提供することができる。
【0049】
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における暖房装置を搭載した暖房便座の要部断面図で、図9は同暖房便座の輻射エネルギ反射板31の斜視図である。本実施の形態では、実施の形態1に示した図1〜図4と異なる点は、輻射エネルギ反射板31に複数個の貫通孔51を設けた構成としている。また、輻射エネルギ吸収層42を便座ケース28上部だけでなく下部にも設けている。
【0050】
以上のように構成された温水洗浄便座について、以下その動作、作用を説明する。輻射エネルギ反射板31は、貫通孔51を設け、かつ輻射エネルギ吸収層42を便座ケース28の上部だけでなく下部にも設けているので、通電によるランプヒータ32からの輻射エネルギの一部は輻射エネルギ反射板31の貫通孔51を通過して輻射エネルギ吸収層42に吸収され、かつ便座ケース28の下面、つまり便器20に対向する便座22下部も加熱することとなる。
【0051】
従って、除菌スイッチ26を押釦すると実施の形態1で説明したと同じようにして着座部30の上面の除菌が行われるだけでなく、便座22の下面も加熱除菌されることになり、局部洗浄等による汚水の飛び散り等によって汚染された便座22の下面の除菌が可能となり、衛生的な暖房便座を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本発明にかかる暖房装置は、着座部のカビや菌の増殖が抑制できるとともに、除菌動作中に使用者が誤って着座部に触れたり着座しても安全であり、暖房便座、椅子等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1における暖房装置を搭載した暖房便座の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態1における暖房便座を備えたトイレ装置の斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における暖房便座の一部切り欠き平面図
【図4】本発明の実施の形態1における暖房便座のケース上部の要部断面図
【図5】本発明の実施の形態1における除菌中の便座表面温度を示すタイムチャート
【図6】図5に示すタイムチャートと比較するための除菌中の便座表面温度を示すタイムチャート
【図7】本発明の実施の形態1における便座表面温度55℃の便座に着座した時の人体皮膚温度のグラフ
【図8】本発明の実施の形態2における暖房装置を搭載した暖房便座の要部断面図
【図9】同暖房便座の輻射エネルギ反射板の斜視図
【図10】従来の暖房便座の断面図
【符号の説明】
【0054】
22 便座
30 着座部
26 除菌スイッチ
27 LED(報知手段)
32 ランプヒータ(輻射型発熱体)
42 輻射エネルギ吸収層
44 サーミスタ(温度検知手段)
50 制御部




 

 


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