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発明の名称 熱処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2005−93858(P2005−93858A)
公開日 平成17年4月7日(2005.4.7)
出願番号 特願2003−327529(P2003−327529)
出願日 平成15年9月19日(2003.9.19)
代理人
発明者 樹山 弘喜
要約 課題
加熱処理の対象となる基板の周辺を常に清浄な雰囲気に維持することができる熱処理装置を提供する。

解決手段
半導体ウェハーWは内側チャンバー67内に配設された加熱保持体55に載置されて予備加熱される。加熱保持体55は内側チャンバー67外に設置された電磁コイル40によって誘導加熱される。加熱保持体55と電磁コイル40とが内側チャンバー67の底面壁を挟んで相互に非接触状態に分離配置されており、内側チャンバー67の内部には電極や配線等は全く存在しない。従って、密閉された石英製の内側チャンバー67の内部は煩雑な配線等が存在しない単純な構造となり、パーティクル等の汚染源やガス滞留部等が無くなり、加熱処理の対象となる半導体ウェハーWの周辺を常に清浄な雰囲気に維持することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板に対して閃光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
基板に向けて閃光を照射するフラッシュランプと、
基板を載置するとともに、前記フラッシュランプから閃光を照射する前に該基板を予備加熱する加熱保持体と、
前記加熱保持体を加熱する熱源と、
を備え、
前記加熱保持体と前記熱源とは相互に非接触状態に分離配置されていることを特徴とする熱処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の熱処理装置において、
前記加熱保持体は金属にて構成され、前記熱源は誘導加熱によって前記加熱保持体を加熱する電磁コイルであることを特徴とする熱処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の熱処理装置において、
前記加熱保持体はセラミックにて構成され、前記熱源は光照射によって前記加熱保持体を加熱するランプであることを特徴とする熱処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、
前記加熱保持体の上面に石英製のプレート状部材を敷設することを特徴とする熱処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱処理装置において、
前記加熱保持体を密閉チャンバーの内部に配置し、前記熱源を前記密閉チャンバーの外部に配置することを特徴とする熱処理装置。
【請求項6】
請求項5記載の熱処理装置において、
前記密閉チャンバーを石英チャンバーとすることを特徴とする熱処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハーやガラス基板等(以下、単に「基板」と称する)にフラッシュランプから閃光を照射することにより基板を熱処理する熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハー等の製造工程においては種々の目的にて様々な加熱処理が行われる。加熱処理の手法としては、ヒータを内蔵したホットプレート上に半導体ウェハーを載置して加熱する方法が一般的であるが、例えばエピタキシャル装置では高周波誘導加熱によって半導体ウェハーを直接加熱する手法を採用しているものもある(例えば、特許文献1参照)。また、スパッタ装置では、ハロゲンランプからの光照射によってウェハーを載置するサセプタを加熱することにより、その載置された半導体ウェハーを加熱しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
ところで、イオン注入後の半導体ウェハーのイオン活性化工程においても加熱処理が行われる。イオン活性化工程の加熱処理は、半導体ウェハーを例えば1000℃ないし1100℃程度の温度に加熱(アニール)することにより実行されるものであり、従来よりハロゲンランプから照射される光のエネルギーを利用して毎秒数百度程度の速度でウェハーを昇温するランプアニール装置が使用されてきた。
【0004】
ところが、ハロゲンランプにより毎秒数百度程度の速度で半導体ウェハーを昇温する熱処理装置を使用して半導体ウェハーのイオン活性化を実行した場合においても、半導体ウェハーに打ち込まれたイオンのプロファイルがなまる、すなわち、熱によりイオンが拡散してしまうという現象が生ずることが判明した。このような現象が発生した場合においては、半導体ウェハーの表面にイオンを高濃度で注入しても、注入後のイオンが拡散してしまうことから、イオンを必要以上に注入しなければならないという問題が生じていた。
【0005】
上述したイオン拡散の問題を解決するため、キセノンフラッシュランプ等を使用して半導体ウェハーの表面に閃光を照射することにより、イオンが注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリセカンド以下)に昇温させる技術が提案されている(例えば、特許文献3,4参照)。キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、イオンが拡散するための十分な時間がないため、半導体ウェハーに打ち込まれたイオンのプロファイルをなまらせることなく、イオン活性化のみを実行することができるのである。
【0006】
【特許文献1】特開2002−280313号公報
【特許文献2】特開2003−27229号公報
【特許文献3】特開昭59−169125号公報
【特許文献4】特開昭63−166219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようなフラッシュランプアニール装置においては、キセノンフラッシュランプによる一瞬の閃光照射だけでは1000℃ないし1100℃程度の目標温度に到達できないため、閃光照射前に予め半導体ウェハーをある程度の温度(イオン拡散が生じない温度)にまで昇温させておく予備加熱処理が行われている。予備加熱処理は、主に800℃以下で行われるため、均熱性および制御性に優れたホットプレート方式によって実行されるのが主流である。
【0008】
しかしながら、ホットプレート方式は均熱性等には優れるものの、内蔵ヒータの電極への配線を必要とし、さらにホットプレート自体の材質が金属であるためパーティクル等の汚染源となるおそれがある。このため、ホットプレートの外表面をセラミックや石英で覆う汚染対策が採用されているが、このような複雑な構造ではチャンバー内にガス滞留部が生じるという問題があった。特にフラッシュランプアニール装置の場合、閃光による強い衝撃で汚染源を巻き上げるという特有の問題があった。
【0009】
また、ホットプレート方式は、電熱式のヒータを加熱源としているためレスポンスが遅く、目標温度にまでホットプレートを昇温させるのに相当の時間を要するという問題もあった。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、加熱処理の対象となる基板の周辺を常に清浄な雰囲気に維持することができる熱処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に対して閃光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板に向けて閃光を照射するフラッシュランプと、基板を載置するとともに、前記フラッシュランプから閃光を照射する前に該基板を予備加熱する加熱保持体と、前記加熱保持体を加熱する熱源と、を備え、前記加熱保持体と前記熱源とを相互に非接触状態に分離配置している。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明にかかる熱処理装置において、前記加熱保持体を金属にて構成し、前記熱源を誘導加熱によって前記加熱保持体を加熱する電磁コイルとしている。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明にかかる熱処理装置において、前記加熱保持体をセラミックにて構成し、前記熱源を光照射によって前記加熱保持体を加熱するランプとしている。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明にかかる熱処理装置において、前記加熱保持体の上面に石英製のプレート状部材を敷設している。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明にかかる熱処理装置において、前記加熱保持体を密閉チャンバーの内部に配置し、前記熱源を前記密閉チャンバーの外部に配置している。
【0016】
また、請求項6の発明は、請求項5の発明にかかる熱処理装置において、前記密閉チャンバーを石英チャンバーとしている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、加熱保持体と熱源とが相互に非接触状態に分離配置されているため、基板を載置する加熱保持体には配線接続等が不要であり、パーティクル源やガス滞留部が無くなり、その結果加熱処理の対象となる基板の周辺を常に清浄な雰囲気に維持することができる。
【0018】
また、請求項2の発明によれば、加熱保持体が金属にて構成され、熱源が誘導加熱によって加熱保持体を加熱する電磁コイルであるため、加熱保持体を熱源と非接触の状態で迅速に加熱することができる。
【0019】
また、請求項3の発明によれば、加熱保持体がセラミックにて構成され、熱源が光照射によって加熱保持体を加熱するランプであるため、加熱保持体を熱源と非接触の状態で迅速に加熱することができる。
【0020】
また、請求項4の発明によれば、加熱保持体の上面に石英製のプレート状部材を敷設しているため、基板を傷付けることを防止できる。
【0021】
また、請求項5の発明によれば、加熱保持体を密閉チャンバーの内部に配置し、熱源を密閉チャンバーの外部に配置するため、密閉チャンバーの内部には配線等が存在せず、パーティクル源やガス滞留部が無くなり、その結果密閉チャンバー内部を常に清浄な雰囲気に維持することができる。
【0022】
また、請求項6の発明によれば、密閉チャンバーを石英チャンバーとしているため、石英チャンバー内部を常に清浄な雰囲気に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
<1.第1実施形態>
図1は本発明にかかる熱処理装置の要部構成を示す側断面図である。この熱処理装置は、キセノンフラッシュランプからの閃光によって半導体ウェハー等の基板の熱処理を行う装置である。
【0025】
この熱処理装置は、内側チャンバー67と外側チャンバー63とで構成されるチャンバー60を備える。内側チャンバー67は、赤外線透過性を有する石英にて構成された筐体である。すなわち、内側チャンバー67は石英製の石英チャンバーであり、外側チャンバー63の内壁に内設されている。一方、外側チャンバー63は、例えばステンレススチール等の強度と耐熱性に優れた金属材料にて構成されている。
【0026】
外側チャンバー63の上部は開放されており、そこに位置する内側チャンバー67の天井部分が光源5から出射された光を透過してチャンバー65内に導くチャンバー窓として機能している。また、外側チャンバー63および内側チャンバー67の側面の一箇所には半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための開口部76が形成されている。開口部76は、軸77を中心に回動するゲートバルブ78により開閉可能となっている。半導体ウェハーWは、開口部76が開放された状態で、図示しない搬送ロボットによりチャンバー60内に搬入される。また、チャンバー60内にて半導体ウェハーWの熱処理が行われるときには、ゲートバルブ78により開口部76が閉鎖される。ゲートバルブ78によって開口部76が閉鎖されることにより、内側チャンバー67は外部雰囲気と遮断された密閉チャンバーとなる。
【0027】
チャンバー60は光源5の下方に設けられている。光源5は、複数(本実施形態においては30本)のキセノンフラッシュランプ69(以下、単に「フラッシュランプ69」とも称する)と、リフレクタ71とを備える。複数のフラッシュランプ69は、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が水平方向に沿うようにして互いに平行に平面状に配列されている。リフレクタ71は、複数のフラッシュランプ69の上方にそれらの全体を被うように配設されている。
【0028】
このキセノンフラッシュランプ69は、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設されたガラス管と、該ガラス管の外局部に巻回されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのジュール熱でキセノンガスが加熱されて閃光が放出される。このキセノンフラッシュランプ69においては、予め蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし10ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。
【0029】
フラッシュランプ69から放射された閃光の一部は直接に内側チャンバー67の天井部分を透過してチャンバー60内へと向かう。また、フラッシュランプ69から放射された閃光の他の一部は一旦リフレクタ71によって反射されてから内側チャンバー67の天井部分を透過してチャンバー60内へと向かう。
【0030】
内側チャンバー67の底部には、半導体ウェハーWを載置して加熱するための加熱保持体55が固設されている。加熱保持体55は、円盤状の部材であって、例えばステンレススチール等の金属板の外表面を例えばSiC等のセラミックにて被覆して構成されている。加熱保持体55の上面にはサセプタ51が敷設されている。サセプタ51は、加熱保持体55よりも若干小さな平面サイズを有する石英製のプレート状部材である。半導体ウェハーWは、サセプタ51を介して加熱保持体55に載置・保持されるため、その裏面に傷が付くことが防止される。
【0031】
外側チャンバー63の底板部には複数の電磁コイル40が配設されている。電磁コイル40は図外の高周波電源と電気的に接続されている。その高周波電源から電磁コイル40に高周波の電流を流すことによって、加熱保持体55に誘導起電力が生じて渦電流が流れてジュール熱が発生し、加熱保持体55が高周波誘導加熱される。誘導加熱によって温度が上昇した加熱保持体55は、サセプタ51を介して半導体ウェハーWを加熱する。なお、複数の電磁コイル40の配設態様は加熱保持体55を均一に加熱できるような形態であれば良い。
【0032】
このように、第1実施形態では、半導体ウェハーWを載置して加熱する加熱保持体55が内側チャンバー67の内部に配置されるとともに、その加熱保持体55を加熱する熱源たる電磁コイル40が内側チャンバー67の外部に配置されている。すなわち、加熱保持体55と電磁コイル40とは相互に非接触のワイヤレスの状態にて分離配置されており、内側チャンバー67の内部には電極や配線等は全く存在しない。なお、電磁コイル40には配線接続がなされることとなるが、これは内側チャンバー67の外部での配線となる。
【0033】
図示は省略しているが、チャンバー60には上述した構成以外にも内側チャンバー67の内部に処理に必要なガス、例えば不活性な窒素ガスを供給するガス供給管や内側チャンバー67内の雰囲気を排出するための排気管が連通接続されている。また、光源5と内側チャンバー67の天井部分との間に赤外線透過材料としての石英ガラスの表面に光拡散加工を施した光拡散板を配置するようにしても良い。さらに、チャンバー60の底部には、加熱保持体55およびサセプタ51を貫通して昇降する支持ピンも設けられている。
【0034】
チャンバー60内に未処理の半導体ウェハーWを搬入するときには、開口部76が開放された状態で半導体ウェハーWを保持する搬送ロボットが開口部76から加熱保持体55の上方まで進入し、上記支持ピンが上昇してその半導体ウェハーWを受け取る。その後、搬送ロボットが開口部76から退出するとともに、支持ピンがサセプタ51よりも下方に下降することによって半導体ウェハーWがサセプタ51上に載置される。逆に、処理済みの半導体ウェハーWを搬出するときには、支持ピンが上昇してサセプタ51から半導体ウェハーWを受け取り上昇させる。そして、開口部76が開放された状態で搬送ロボットが開口部76から加熱保持体55の上方まで進入し、半導体ウェハーWを支持する支持ピンが下降して搬送ロボットに半導体ウェハーWを渡す。その後、搬送ロボットが開口部76から退出して半導体ウェハーWの搬出が完了する。
【0035】
次に、上記構成を有する熱処理装置による半導体ウェハーWの熱処理動作について説明する。この熱処理装置において処理対象となる半導体ウェハーWは、イオン注入後の半導体ウェハーである。
【0036】
まず、上述のようにして処理対象となる半導体ウェハーWがチャンバー60内に搬入され、サセプタ51に載置される。半導体ウェハーWの搬入が完了すれば、開口部76がゲートバルブ78により閉鎖される。しかる後、チャンバー60内に窒素ガスの気流が形成される。
【0037】
半導体ウェハーWがサセプタ51に載置される時点においては、電磁コイル40の誘導加熱によって加熱保持体55が所定温度に昇温されている。このため、サセプタ51上に半導体ウェハーWが載置された状態においては、半導体ウェハーWが加熱状態にあるサセプタ51と接触することにより予備加熱され、半導体ウェハーWの温度が次第に上昇する。
【0038】
この状態においては、半導体ウェハーWは加熱保持体55により継続して加熱される。そして、半導体ウェハーWの温度上昇時には、図示しない温度センサにより、半導体ウェハーWの表面温度が予備加熱温度T1に到達したか否かを常に監視する。尚、温度センサも内側チャンバの外側に配置するのが好ましく、内側チャンバを透過して温度測定を行う放射温度計等が使用される。または、電磁コイル40の温度でもってコントロールするようにしてもよい。
【0039】
なお、この予備加熱温度T1は、例えば200℃ないし600℃程度の温度である。半導体ウェハーWをこの程度の予備加熱温度T1まで加熱したとしても、半導体ウェハーWに打ち込まれたイオンが拡散してしまうことはない。
【0040】
やがて、半導体ウェハーWの表面温度が予備加熱温度T1に到達すると、フラッシュランプ69を点灯してフラッシュ加熱を行う。このフラッシュ加熱工程におけるフラッシュランプ69の点灯時間は、0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の時間である。このように、フラッシュランプ69においては、予め蓄えられていた静電エネルギーがこのように極めて短い光パルスに変換されることから、極めて強い閃光が照射されることになる。
【0041】
このようなフラッシュ加熱により、半導体ウェハーWの表面温度は瞬間的に温度T2に到達する。この温度T2は、1000℃ないし1100℃程度の半導体ウェハーWのイオン活性化処理に必要な温度である。半導体ウェハーWの表面がこのような処理温度T2にまで昇温されることにより、半導体ウェハーW中に打ち込まれたイオンが活性化される。
【0042】
このとき、半導体ウェハーWの表面温度が0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の極めて短い時間で処理温度T2まで昇温されることから、半導体ウェハーW中のイオン活性化は短時間で完了する。従って、半導体ウェハーWに打ち込まれたイオンが拡散することはなく、半導体ウェハーWに打ち込まれたイオンのプロファイルがなまるという現象の発生を防止することが可能となる。なお、イオン活性化に必要な時間はイオンの拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であってもイオン活性化は完了する。
【0043】
また、フラッシュランプ69を点灯して半導体ウェハーWを加熱する前に、加熱保持体55を使用して半導体ウェハーWの表面温度を200℃ないし600℃程度の予備加熱温度T1まで加熱していることから、フラッシュランプ69により半導体ウェハーWを1000℃ないし1100℃程度の処理温度T2まで速やかに昇温させることが可能となる。
【0044】
フラッシュ加熱工程が終了した後に、上述した手順にしたがって搬送ロボットによりチャンバー60から処理済みの半導体ウェハーWが搬出される。以上のようにして、一連の熱処理動作が完了する。
【0045】
第1実施形態の熱処理装置においては、加熱保持体55と電磁コイル40とが内側チャンバー67の底面壁を挟んで相互に非接触状態に分離配置されており、内側チャンバー67の内部には電極や配線等は全く存在しない。加熱保持体55自体は金属製であるが、その表面はセラミックにて覆われているため、加熱保持体55が汚染源となることはない。従って、密閉された石英製の内側チャンバー67の内部は煩雑な配線等が存在しない単純な構造となり、パーティクル等の汚染源やガス滞留部等が無くなり、加熱処理の対象となる半導体ウェハーWの周辺を常に清浄な雰囲気に維持することができる。
【0046】
また、誘導加熱方式はレスポンスが早いため、加熱保持体55を目標温度まで迅速に昇温させることができる。
【0047】
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図2は、第2実施形態の熱処理装置の要部構成を示す側断面図である。第2実施形態の熱処理装置が第1実施形態と異なるのは半導体ウェハーWを予備加熱する加熱機構であり、それ以外の点は同じであるため、同一部材に対しては図1と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
内側チャンバー67の底部には、半導体ウェハーWを載置して加熱するための加熱保持体35が固設されている。加熱保持体35は、円盤状の部材であって、例えばSiC等のセラミックにて構成されている。加熱保持体35の上面にはサセプタ51が敷設されている。サセプタ51は、加熱保持体35よりも若干小さな平面サイズを有する石英製のプレート状部材である。半導体ウェハーWは、サセプタ51を介して加熱保持体35に載置・保持されるため、その裏面に傷が付くことが防止される。
【0049】
外側チャンバー63の底板部には複数のハロゲンランプ30が配設されている。ハロゲンランプ30は図外の電源と電気的に接続されている。その電源からハロゲンランプ30に電力供給を行うことによって、ハロゲンランプ30からの光照射が実行される。なお、ハロゲンランプ30は連続点灯の光源である。ハロゲンランプ30から出射された光は石英製の内側チャンバー67の底部を透過して加熱保持体35に照射され、それによって加熱保持体35が加熱される。ハロゲンランプ30からの光照射によって温度が上昇した加熱保持体35は、サセプタ51を介して半導体ウェハーWを加熱する。なお、複数のハロゲンランプ30の配設態様は加熱保持体35を均一に加熱できるような形態であれば良い。
【0050】
このように、第2実施形態では、半導体ウェハーWを載置して加熱する加熱保持体35が内側チャンバー67の内部に配置されるとともに、その加熱保持体35を加熱する熱源たるハロゲンランプ30が内側チャンバー67の外部に配置されている。すなわち、加熱保持体35とハロゲンランプ30とは相互に非接触のワイヤレスの状態にて分離配置されており、内側チャンバー67の内部には電極や配線等は全く存在しない。
【0051】
第2実施形態の熱処理装置の上記以外の構成は第1実施形態と同じであり、半導体ウェハーWの熱処理動作も第1実施形態と同じである。但し、第2実施形態においては、ハロゲンランプ30からの光照射によって加熱保持体35を所定温度に昇温しており、それによって半導体ウェハーWを予備加熱している。
【0052】
このようにしても第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、第2実施形態の熱処理装置においては、加熱保持体35とハロゲンランプ30とが内側チャンバー67の底面壁を挟んで相互に非接触状態に分離配置されており、内側チャンバー67の内部には電極や配線等は全く存在しない。加熱保持体35は全体がセラミックにて構成されているため、加熱保持体35が汚染源となることはない。従って、密閉された石英製の内側チャンバー67の内部は煩雑な配線等が存在しない単純な構造となり、パーティクル等の汚染源やガス滞留部等が無くなり、加熱処理の対象となる半導体ウェハーWの周辺を常に清浄な雰囲気に維持することができる。
【0053】
また、光照射加熱方式はレスポンスが早いため、加熱保持体35を目標温度まで迅速に昇温させることができる。
【0054】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては光源5に30本のフラッシュランプ69を備えるようにしていたが、これに限定されずフラッシュランプ69の本数は任意のものとすることができる。
【0055】
また、半導体ウェハーWを載置して予備加熱するための加熱保持体を加熱する方式は誘導加熱方式や光照射加熱方式に限定されるものではなく、例えばマイクロ波によって加熱する方式であっても良い。この場合、マイクロ波発生装置を内側チャンバー67の底面壁の外側に配置するとともに、そのマイクロ波の波長によって加熱されるセラミックを内側チャンバー67の底面壁の内側に配置する。このようにしても上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
また、上記各実施形態においては、加熱保持体の上面に石英製のサセプタ51を敷設していたが、サセプタ51は必須のものではなく、半導体ウェハーWの裏面に傷を付けるおそれがなければ加熱保持体に直接半導体ウェハーWを載置するようにしても良い。また、熱源によって加熱保持体ではなく、サセプタを加熱するようにしても良い。
【0057】
また、光源5にフラッシュランプ69に代えて他の種類のランプ(例えばハロゲンランプ)を備え、当該ランプからの光照射によって半導体ウェハーWの加熱を行う熱処理装置であっても本発明に係る技術を適用することができる。すなわち、ランプからの光照射による加熱を補助するための予備加熱を行う機構として上記各実施形態のような技術を適用することができる。
【0058】
また、上記実施形態においては、半導体ウェハーに光を照射してイオン活性化処理を行うようにしていたが、本発明にかかる熱処理装置による処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではない。例えば、窒化シリコン膜や多結晶シリコン膜等の種々のシリコン膜が形成されたガラス基板に対して本発明にかかる熱処理装置による処理を行っても良い。一例として、CVD法によりガラス基板上に形成した多結晶シリコン膜にシリコンをイオン注入して非晶質化した非晶質シリコン膜を形成し、さらにその上に反射防止膜となる酸化シリコン膜を形成する。この状態で、本発明にかかる熱処理装置により非晶質のシリコン膜の全面に光照射を行い、非晶質のシリコン膜が多結晶化した多結晶シリコン膜を形成することもできる。
【0059】
また、ガラス基板上に下地酸化シリコン膜、アモルファスシリコンを結晶化したポリシリコン膜を形成し、そのポリシリコン膜にリンやボロン等の不純物をドーピングした構造のTFT基板に対して本発明にかかる熱処理装置により光照射を行い、ドーピング工程で打ち込まれた不純物の活性化を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1実施形態の熱処理装置の要部構成を示す側断面図である。
【図2】第2実施形態の熱処理装置の要部構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0061】
5 光源
30 ハロゲンランプ
35,55 加熱保持体
40 電磁コイル
51 サセプタ
60 チャンバー
63 外側チャンバー
67 内側チャンバー
69 フラッシュランプ
W 半導体ウェハー




 

 


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