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発明の名称 原子炉制御棒のスクラムタイミングレコーダ装置およびスクラム動作時の健全性検証方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2005−233707(P2005−233707A)
公開日 平成17年9月2日(2005.9.2)
出願番号 特願2004−41117(P2004−41117)
出願日 平成16年2月18日(2004.2.18)
代理人
発明者 江浦 和義 / 加藤 秋夫
要約 課題
計算機にて健全な状態でスタンバイすることを必要としないシステム運用形態にすると共に、冷却ファンを必要としない装置構成とし、かつ、メモリ容量の低減を図る構成とすること。

解決手段
1枚の基板当り制御棒複数本分の状変時間データ格納機能を実装する基板複数枚で構成した時間タグ付PIO20と、磁気ディスクをおよび冷却ファンの必要のないコントローラ30と、高速演算のニーズを必要としない計算機40とからスクラムタイミングレコーダ装置を構成し、測定開始信号SKによって時間タグ付PIO20の基板内のメモリにストローク信号の状変時間データを蓄えると共に、コントローラ30内に設けた計測時間監視手段32によってタイマーを起動させ、このタイマーが予定の測定時間を計測したら前記計測時間監視手段32によってメモリ24の記憶動作を停止させ、かつこのメモリ24に記憶されている状変時間データを計測処理データ手段に取り込んで前記計算機40に伝送し、この計算機で状変時間データを編集処理したのち、制御棒座標毎にモニター50で表示するようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
測定開始発生手段からの測定開始信号入力時、制御棒駆動装置からの制御棒位置信号を制御棒位置検出器によって変換されたストローク信号を入力し、このストローク信号を測定することによって、制御棒のスクラム動作時の健全性を検証するようにしたスクラムタイミングレコーダ装置において、
前記制御棒位置検出器から出力される全制御棒分のストローク信号を複数本毎に分散して入力すると共に、前記測定開始信号発生器から出力される測定開始信号を入力するディジタル入力部と、
このディジタル入力部に入力されたストローク信号をスキャン(走査)して状変の都度タイマーの値を付加し、時系列に並べて出力するスキャンドライバ、このスキャンドライバの出力データを蓄えるメモリをそれぞれ実装した複数枚の基板を備えた時間タグ付プロセス入出力部と、
前記測定開始信号発生器から出力される測定開始信号を入力してスクラム動作開始を検出する計測時間監視手段、この計測時間監視手段によって起動されると共に所定の計測時間経過後に当該計測時間監視手段を停止させるタイマー、前記計測時間監視手段からの指令に基づいて前記メモリに蓄えた状変時間データを入力する計測データ処理手段を備えたコントローラと、
前記コントローラ内の前記計測データ処理手段にて測定開始からの状変時間データを入力し制御棒毎にストローク時間を編集処理する編集処理手段、その状変時間データと編集結果を保存するデータベース、そのストローク信号をモニターに出力する画面入出力処理手段を備えた計算機とから構成され、
前記測定開始信号発生器から出力される測定開始信号によって前記時間タグ付プロセス入出力部内のメモリにストローク信号の状変時間データを蓄えると共に、前記コントローラの計測時間監視手段により前記タイマーを起動させ、このタイマーが予定の測定時間に到達したら前記計測時間監視手段によって前記メモリの記憶動作を停止させ、かつ前記メモリに記憶されている状変時間データを計測処理データ手段に取り込んで前記計算機に伝送し、この計算機で状変時間データを編集処理したのち、制御棒座標ごとにモニターで表示するようにしたことを特徴とするスクラムタイミングレコーダ装置。
【請求項2】
複合事象時に前記スキャンドライバの出力データを蓄える複合用メモリを前記時間タグ付プロセス入出力部内に実装すると共に、前記コントローラ内の計測時間監視手段に複合事象用のタイマーリセットと再スタートおよび前記複合用メモリへの切り替え機能を追加して設けたことを特徴とする請求項1記載のスクラムタイミングレコーダ装置。
【請求項3】
前記コントローラの前記計測データ処理手段に制御棒操作モジュールで指定された制御棒No.情報を入力するようにし、前記計算機内の編集処理手段にシングルスクラム処理あるいは挿入または引抜処理機能を追加して設けたことを特徴とする請求項1記載のスクラムタイミングレコーダ装置。
【請求項4】
前記モニターに再送要求を受け付ける機能を追加して設け、更に前記計算機内および前記コントローラ内に再送処理手段を追加して設けたことを特徴とする請求項1乃至3に記載のスクラムタイミングレコーダ装置。
【請求項5】
測定開始発生手段から出力される測定開始信号および制御棒駆動装置から得られる制御棒位置信号に対応したストローク信号をスクラムタイミングレコーダ装置に入力して、制御棒のスクラム動作時の健全性を検証するようにしたスクラム動作時の健全性を検証方法において、
全制御棒分のストローク信号を複数本毎に分散して入力するディジタル入力部、このディジタル入力部に入力されたストローク信号をスキャン(走査)して状変の都度タイマーの値を付加し、時系列に並べて出力するスキャンドライバ、このスキャンドライバの出力データを蓄えるメモリをそれぞれ実装した複数枚の基板を備えた時間タグ付プロセス入出力部と、前記測定開始信号発生器から出力される測定開始信号を入力してスクラム動作開始を検出する計測時間監視手段、この計測時間監視手段によって起動されると共に所定の計測時間経過後に当該計測時間監視手段を停止させるタイマー、前記計測時間監視手段からの指令に基づいて前記メモリに蓄えた状変時間データを入力する計測データ処理手段を備えたコントローラと、前記コントローラ内の前記計測データ処理手段にて測定開始からの状変時間データを入力し制御棒毎にストローク時間を編集処理する編集処理手段、その状変時間データと編集結果を保存するデータベース、そのストローク信号をモニターに出力する画面入出力処理手段を備えた計算機とから構成したタイミングレコーダ装置を用いて、
前記測定開始信号発生器から出力される測定開始信号によって前記時間タグ付プロセス入出力部内のメモリにストローク信号の状変時間データを蓄えると共に、前記コントローラの計測時間監視手段により前記タイマーを起動させ、このタイマーが予定の測定時間に到達したら前記計測時間監視手段によって前記メモリの記憶動作を停止させ、かつ前記メモリに記憶されている状変時間データを計測処理データ手段に取り込んで前記計算機に伝送し、この計算機で状変時間データを編集処理したのち、制御棒座標ごとにモニターで表示するようにした原子炉制御棒のスクラム動作時の健全性検証方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉制御棒のスクラムタイミングレコーダ装置およびスクラム動作時における健全性を検証する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所は、炉心の反応度や高温高圧の原子炉冷却材の状態が過度に変化して燃料や原子炉冷却材系機器の健全性を損うおそれがある場合、原子炉緊急停止(原子炉スクラム)信号を発して、全て制御棒を全挿入位置に挿入し、原子炉を停止するようにしている。
【0003】
そして、原子炉の制御棒のスクラム動作時における健全性を検証するために、スクラムタイミングレコーダ装置を設けている。このスクラムタイミングレコーダ装置は、スクラム信号発生時の制御棒挿入速度の時間(スクラム時間)および、点検中に行われる制御棒毎のシングルスクラム、あるいは挿入または引抜操作に要する時間をそれぞれ測定し、これらの測定時間が予定時間内に収まれば「正常」と判断し、予定時間から逸脱した場合は「異常」と判断している。
【0004】
図13は、改良型沸騰水型原子炉(BWR)で使用されている従来のスクラムタイミングレコーダ装置100の構成を示すブロック図である。
図13において、原子炉NRには原子炉出力制御時および緊急停止時に用いる複数本の制御棒CR1〜CR185を設置している。制御棒CRの本数は原子炉の出力によって異なるが、ここでは185本で説明する。
【0005】
前記各制御棒CR1〜CR185は測定開始信号発生器1から出力されるスクラム信号に基づいて動作する制御棒駆動装置CRD1〜CRD185によって一斉にあるいは個々に挿入または引抜方向に駆動されるようになっている。ここで、スクラム信号とは原子炉出力を緊急に停止するための全ての制御棒を全挿入位置に挿入させるイベントトリガ信号を意味し、図14の動作説明図中の左側に測定開始信号SKとして示す。
【0006】
しかも、前記制御棒駆動装置CRD1〜CRD185は、各制御棒CR1〜CR185の全制御棒の引抜位置からの相対位置信号、すなわち各制御棒CR1〜CR185の駆動量に応じた信号を制御棒位置検出器10に出力するように構成されている。そして、この制御棒位置検出器10は、前記制御棒駆動装置CRD1〜CRD185からの入力信号を図14中に右側に示すパルス波形のストローク信号SRに変換して出力する。
【0007】
このストローク信号とは、スクラム信号である測定開始信号SKが発生してから、各制御棒CR1〜CR185が炉心の下部から炉心上部に向かって挿入される度合いを示すもので、制御棒が所定の挿入位置を通過する時にリミットスイッチがオン、オフ動作することによって発生するパルス波形の信号群である。図中パルス1は状変1、状変2により、パルス2は状変3、4により、そして、パルス24は状変47、48によりそれぞれ形成される。なお、炉心の下部から上部迄の挿入時間は通常約2秒を要している。
【0008】
図14に示したこれらの測定開始信号SKおよびストローク信号SRは、スクラムタイミングレコーダ装置200を構成する計算機150のディジタル入力部(図中、DIと表記)151に入力されてイベントトリガメモリレコーダ152に記憶されるようになっている。このイベントトリガメモリレコーダ152は、イベントトリガによって動作するように構成されており、しかも図14中の右に示すパルス波形を1ミリ秒の分解能で約10秒間、計測が可能であるように構成されている。
【0009】
このイベントトリガメモリレコーダ152に記憶された信号はイベント発生指標と全制御棒分の位置ストローク信号が1ms毎に10秒間蓄えられる。この蓄えられたデータは編集処理手段153により、データベース153aを更新すると共に、画面入出力処理手段155を介してモニター(例えば、CRT)50に出力し、図15に示すように、制御棒座標毎に測定時間データを表示させる。
【0010】
運転員はこのモニター50の表示内容を見て、表示された測定時間データが予定時間内に収まっていれば“正常”、予定時間から逸脱している場合は“異常”と判断することによって、制御棒の駆動状態の健全性評価を行っている。なお、156は計算機150自体のハードウェアを含めた健全性をハードウェアおよびのエラー情報に基づいてリアルタイムに監視するためのシステム監視手段である。
【0011】
以上のように構成されたスクラムタイミングレコーダ装置200によって、制御棒の全スクラム、複合事象、シングルスクラム、および挿入あるいは引抜それぞれの時間測定を行うことができる。以下、順を追って説明する。
【0012】
(1)スクラム時間測定
図13において、まず、測定開始信号発生器1から測定開始信号SKを出力し、これを制御棒駆動装置CRD1〜CRD185に供給すると共に、イベントトリガレコーダ152に初期化信号として入力する。
各制御棒CR1〜CR185は制御棒駆動装置CRD1〜CRD185によって駆動され、炉底から一斉に押し上げられて炉心に挿入される。
【0013】
この時の各制御棒CR1〜CR185の位置を示すストローク信号SRは計算機150のディジタル入力部151に入力されてイベントトリガメモリレコーダ152に記憶される。この記憶時間は測定開始信号SKの発生から制御棒実働2秒より十分大きな値の10秒間であり、タイマー154で計測する。
【0014】
そして、このイベントトリガメモリレコーダ152に記憶された信号は編集処理手段153によって状変データが検出され、測定開始信号SKの発生時を起点としてデータベース153aを更新すると共に、画面入出力処理手段155を介してモニター(例えば、CRT)50に出力し、制御棒座標毎に測定時間データを表示させる。
【0015】
運転員はこのモニター50の表示内容を見て、スクラム時間が予定時間内に収まっていれば「正常」と判断し、予定時間から逸脱している場合は「異常」と判断することによって、制御棒の駆動状態の健全性評価を行うことができる。
【0016】
(2)複合事象時間測定
原子炉NRに何らかの異常が発生した場合、炉出力を急速に低下させるために炉心内部に制御棒の挿入操作を行うが、この制御棒の挿入操作には2種類ある。1つ目は任意の制御棒を挿入するSRI(選択制御棒挿入)であり、2つ目は、原子炉NR内の全ての制御棒を挿入する全スクラムである。このいずれの場合も制御棒挿入時間は約2秒である。
【0017】
ここで、SRI(選択制御棒挿入)により炉出力がある一定レベルまで低下しなかった場合、続いて全制御棒挿入の全スクラムが行われる。これらの2つのイベントによる制御棒挿入時間を複合事象と言い、これらの信号を用いて、前述と同様に計算機150によりモニター50で図14に示すような時間データを表示することにより、制御棒動作時間が予定時間内に収まっているか否かを運転員が目視により判断し、運転員が制御棒の駆動状態の健全性評価を行っている。なお、この複合事象の場合には、イベントトリガメモリレコーダ151はSRIとスクラム時間測定向けとにそれぞれ必要となる。
【0018】
(3)シングルスクラム時間測定あるいは挿入または引抜時間測定
全数の制御棒CRに対して年1回を目安に運転員が図示しない制御棒操作モジュールで指定した制御棒について、シングルスクラムあるいは挿入または引抜の操作を行うようにしている。これらの場合についても計算機150によりモニター50に図14に示すような測定時間データを表示することにより、制御棒動作時間が予定時間内に収まっているか否かを運転員が目視により判断し、制御棒の駆動状態の健全性評価を行っている。
【0019】
なお、挿入または引抜については、運転中の炉内出力調整の制御棒操作を行うものであり、スクラムと同じフルストロークの波形であるが50秒程度を要する。これにより、ストローク信号の状変が4秒以上継続なければ、ストローク操作が停止したと判断して測定機能を終了している。
【0020】
以上述べた種々の時間測定機能を有するスクラムタイミングレコーダ装置200の計算機150は、高速演算プロセッサと磁気ディスクとを採用しているので、高温、多湿、塵埃から保護する対策を講じなければならず、具体的には次のような条件を確保していた。
【0021】
条件1.システム稼動状態の健全性確保
プラント運転中にスクラム動作時間を測定するには、スクラムタイミングレコーダ装置内の全ての機器電源をオンとし、更には健全なるスタンバイ状態が不可欠であった。この健全なるスタンバイ状態とするには、システムのバイタル電源(無停電源)化およびシステム全体の高信頼性を確保することが必須であり、システムの稼動状態の健全性を監視するシステム監視機能156を持たせなければならなかった。このシステム監視機能を実現するためには、設計・品質確保を始め、保守運用作業に多大な労力を要していた。また、スタンバイ時でのハードウェアの劣化も含めた万一のダウン時にも緊急対応が必要であり、運転員の精神的な負担を強いていた。
【0022】
条件2.環境条件の確保
塵埃のない適性温度(0〜35℃)の条件下で、冷却ファンを有する計算機を用いて時間測定処理を実施していたが、これには動作環境である室温等を運転員が常に意識しなければならなかった。また、冷却ファン自体は勿論これを駆動するモータが回転部品であるため、定期的に交換が必要であった。
【0023】
条件3.装置ダウン時の影響度大
スクラムタイミングレコーダ装置200の停止時、あるいはハードウェア環境含めたプログラム処理の不動作時には全制御棒分(例えば、185本分)のデータ全てが採取不可能となる可能性があった。
【0024】
条件4.大容量メモリの確保
イベントトリガにて動作する全ての制御棒データの波形を1ミリ秒の分解能で約10秒間の計測可能な計算機150のイベントトリガメモリレコーダ機能151で記憶するように構成していたので、大容量のメモリが必要であった。
【0025】
なお、スクラムタイミングレコーダ装置に関して出願人が調査したところ、スクラム(シングルも含む)時間測定に関しては特許文献1に、また複合事象については特許文献2に、そして挿入または引抜については特許文献3にそれぞれ記載されていることが確認できた。しかしながら、これらいずれの特許文献にも上記の条件1から条件4を考慮したものはなかった。
【特許文献1】特開平8-292286号公報
【特許文献2】特開平6-215156号公報
【特許文献3】特願平1-81447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
以上述べた従来装置の条件を解決するためのスクラムタイミングレコーダ装置としての課題は、冷却ファンを必要としない装置構成とし、かつ、メモリ容量の低減を図る構成とすることである。
【0027】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、設計・品質・保守業務の容易性を提供することのできる原子炉制御棒のスクラムタイミングレコーダ装置およびスクラム動作時における健全性を検証する方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記の目的を解決するために、請求項1に係るスクラムタイミングレコーダ装置の発明は、測定開始発生手段1から出力される測定開始信号SKを入力した時、原子炉NRに配設されている制御棒が制御棒駆動装置CRDにより駆動されて予め設定されている複数の所定の位置を通過する都度得られる制御棒位置信号を制御棒位置検出器10を介してストローク信号として入力し、このストローク信号を測定することによって、制御棒のスクラム動作時の健全性を検証するスクラムタイミングレコーダ装置において、前記制御棒位置検出器10から出力される全制御棒分のストローク信号を複数本毎に分散して入力すると共に、前記測定開始信号発生器1から出力される測定開始信号SKを入力するディジタル入力部(DI)21、このディジタル入力部21に入力されたストローク信号をスキャン(走査)して状変の都度タイマー22の値を付加し(以降、これを状変時間と称す)時系列に並べて出力するスキャンドライバ23、このスキャンドライバの出力データを蓄えるメモリ24をそれぞれ実装した複数枚の基板を備えた時間タグ付プロセス入出力部(PIO)20と、前記測定開始信号発生器1から出力される測定開始信号SKを入力してスクラム動作開始を検出する計測時間監視手段32、この計測時間監視手段32によって起動されると共に所定の計測時間経過後に当該計測時間監視手段32を停止させるタイマー32a、前記計測時間監視手段32からの指令に基づいて前記メモリ24に蓄えた状変時間データを入力する計測データ処理手段33を備えたコントローラ30と、前記コントローラ内の前記計測データ処理手段にて測定開始からの状変時間データを入力し制御棒毎にストローク時間を編集処理する編集処理手段42、その状変時間データと編集結果を保存するデータベース42a、そのストローク信号をモニターに出力する画面入出力処理手段43を備えた計算機40とから構成され、前記測定開始信号発生器1から出力される測定開始信号SKによって前記時間タグ付PIO基板内のメモリにストローク信号の状変時間データを蓄えると共に、前記コントローラの計測時間監視手段32により前記タイマーを起動させ、このタイマーが予定の測定時間に到達したら前記計測時間監視手段32によって前記メモリの記憶動作を停止させ、かつ前記メモリ24に記憶されている状変時間データを計測処理データ手段に取り込んで前記計算機に伝送し、この計算機で状変時間データを編集処理したのち、制御棒座標毎にモニターで表示するようにしたことを特徴とする。
【0029】
また、請求項5に係る原子炉制御棒のスクラム動作時の健全性検証方法の発明は、測定開始発生手段1から出力される測定開始信号SKおよび制御棒の位置信号に対応したストローク信号をスクラムタイミングレコーダ装置に入力して、制御棒のスクラム動作時の健全性を検証するようにしたスクラム動作時の健全性を検証方法において、全制御棒分のストローク信号を複数本毎に分散して入力するディジタル入力部(DI)21、このディジタル入力部21に入力されたストローク信号をスキャン(走査)して状変の都度タイマー22の値を付加し、時系列に並べて出力するスキャンドライバ23、このスキャンドライバの出力データを蓄えるメモリ24をそれぞれ実装した複数枚の基板を備えた時間タグ付プロセス入出力部(PIO)20と、前記測定開始信号発生器1から出力される測定開始信号SKを入力してスクラム動作開始を検出する計測時間監視手段32、この計測時間監視手段32によって起動されると共に所定の計測時間経過後に当該計測時間監視手段32を停止させるタイマー32a、前記計測時間監視手段32からの指令に基づいて前記メモリ24に蓄えた状変時間データを入力する計測データ処理手段33を備えたコントローラ30と、前記コントローラ内の前記計測データ処理手段にて測定開始からの状変時間データを入力し制御棒毎にストローク時間を編集処理する編集処理手段42、その状変時間データと編集結果を保存するデータベース42a、そのストローク信号をモニターに出力する画面入出力処理手段43を備えた計算機40とから構成した前記タイミングレコーダ装置を用いて、前記測定開始信号発生器1から出力される測定開始信号SKによって前記時間タグ付プロセス入出力部の基板内のメモリにストローク信号の状変時間データを蓄えると共に、前記コントローラの計測時間監視手段32により前記タイマーを起動させ、このタイマーが予定の測定時間に到達したら前記計測時間監視手段32によって前記メモリの記憶動作を停止させ、かつ前記メモリ24に記憶されている状変時間データを計測処理データ手段に取り込んで前記計算機に伝送し、この計算機で状変時間データを編集処理したのち、制御棒座標毎にモニターで表示する。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、計測機能と編集機能を各々のコントーラおよび計算機に割り当てるので以下の1.および2.に記載の効果が期待できると共に、システム機能実現の手段の低減および運転員の心理的な負担の軽減にも寄与することができる。
【0031】
1.複数枚で分散処理する時間タグ付PIO基板を採用したことにより、システムの最大時の故障に於いても基板単位である制御棒複数本分の測定データの損失に留まる。これにより、従来装置のスクラムタイミングレコーダ装置に比べ、計測データ採取の損失度合いが著しく軽減され、MTBF(mean time between failures;平均故障間隔時間)の向上に寄与することができる。
【0032】
2.測定データの状変時間データのみを時間タグ付PIO基板内のメモリに蓄える構成を採用したので、従来のスクラムタイミングレコーダ装置に比べてメモリ容量の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、各実施例を説明する図で同一部分には同一符号をつけて重複する説明を避けるものとする。
【0034】
(実施例1)
本発明の実施例1に係るスクラムタイミングレコーダ装置について、図1、図2および図3を用いて説明する。
図1はスクラムタイミングレコーダ装置の構成を主体に示すブロック図である。図1において、原子炉NRは、その内部に配設した制御棒CR1〜CR185と、この各制御棒CR1〜CR185を駆動しかつ、各制御棒の位置信号を出力する制御棒駆動装置CRD1〜CRD185と、各制御棒の位置信号を入力してストローク信号SRに変換して出力する制御棒位置検出器10とを備えている。そして、各制御棒CR1〜CR185は、スクラム信号発生器である測定開始信号発生器1から出力されるスクラム信号の測定開始信号SKによりスクラム動作を開始するように構成されている。
【0035】
一方、本実施例によるスクラミタイミングレコーダ装置100は、従来装置の計算機150に替えて、複数枚の基板で構成した時間タグ付プロセス入出力部(図中の表記および明細書中の略称を時間タグ付PIO基板とする)20と、コントローラ(シーケンサ)30と、更に計算機40とから構成され、時間タグ付プロセス入出力部20およびコントローラ30間に光ファイバー、コントローラ30および計算機40間はそれぞれ社内LANケーブルを用いたインターフェースによってデータの読み込みや伝送を行うようにしている。
【0036】
このうち、時間タグ付PIO基板20は、ストローク信号SRの状変時間データの検出時間のみを蓄える方式を採用したものであって、しかも、基板1枚当り制御棒複数本分の入力信号を処理し、蓄える機能を有するように各種の部品を実装するようにしている。例えば、基板1枚当り制御棒4本分の入力信号を処理し、蓄える機能を持たせるように構成しており、全制御棒の数を185本とした場合、185本分の入力信号を約47枚の時間タグ付PIO基板20によって分散して処理し、蓄える機能を有している。
【0037】
このため、前記制御棒位置検出器10から出力される全制御棒185本分のストローク信号SRは制御棒4本分毎にそれぞれ分散して入力するディジタル入力部(図中、DIと表記)21と、このディジタル入力部21に入力されたストローク信号をスキャン(走査)して状変の都度タイマー22の値を付加し(以降、これを状変時間と称す)時系列に並べて出力するスキャンドライバ23と、このスキャンドライバの出力データを記憶する不揮発性のメモリ(以下、単にメモリという)24と、測定開始信号SKの発生に基づいて後段に設けたコントローラ30からの要求にて前記メモリ24に蓄えられたデータを送信するプロセス入出力インターフェース(図中、PIO I/Fと表記)25とから構成されている。
【0038】
また、前記コントローラ30は、磁気ディスクを使用しておらず、このため冷却ファンも必要としない構成になっている。すなわち、前記プロセス入出力インターフェース25と同様のプロセス入出力インターフェース31と、前記測定開始信号発生器1から出力される測定開始信号SKを入力し、制御棒動作の計測時間を監視し始め、前記時間タグ付PIO基板20内の前記メモリ24の記憶動作開始・停止を制御する計測時間監視手段32と、この計測時間監視手段32から記憶動作開始指令を受けた時点から計測を開始し、その計測開始時点から所定の計測時間が経過した時に前記メモリ24の記憶動作を停止させるための計測監視用のタイマー32aと、前記メモリ24に蓄えられている状変時間データをプロセス入出力インターフェース25および31を介して入力する計測データ処理手段33と、伝送インターフェース(図中、I/Fと表記)35とから構成されている。
【0039】
更に、前記計算機40は、高速演算のニーズを必要としないプロセッサであって、前記コントローラ30で算出した各制御棒CR1〜CR185のスクラムストローク時間を入力する前記伝送インターフェース35と同様の伝送インターフェース41と、この伝送インターフェース41から入力した各制御棒CR1〜CR185のスクラムストローク時間を画面入出力手段43を介してモニター50に出力すると共に、測定データベース42aに出力する編集処理手段42とから構成されている。
【0040】
以下、本実施例1の作用を図2で示すフローチャートを参照して説明する。
まず、複数の基板で構成されている時間タグ付PIO基板20をコントローラ30の計測時間監視手段によって初期化する。この初期化により、当然メモリ24がリセットされる。またこの初期化により、時間タグ付PIO基板20はスクラムトリガである測定開始信号SKを待ち受ける(ステップ21)。この時、コントローラ30内の計測時間監視手段32も同じく測定開始信号SKを待ち受ける。
【0041】
次に、スクラムトリガの発生有無をチェックし(ステップ22)、スクラムトリガ有りの場合(Y)にはコントローラ30内の計測時間監視手段32に測定開始信号SKが入力されることにより、計測時間監視手段32によって計測監視用のタイマー32aがスタートする(ステップ23)。前記測定開始信号SKは時間タグ付PIO基板20にも入力されることから、前記タイマー32aのスタートと同時に時間タグ付PIO基板20内のメモリ24が記憶動作を開始し、ストローク信号SRの状変時間データを蓄える。
【0042】
そして次のステップ24で前記計測時間監視手段32が計測を開始してから10秒経過したか否かについて判定する。判定の結果、計測時間監視手段32によるスクラム計測期間が10秒経過していない期間、言い替えればスクラム計測時間がスタート時点から10秒を迎えるまでの期間(N)内では、前記メモリ24にはストローク信号SRの状変がある都度、図6の「状変1」から「状変2」、「状変3」、…のように、逐次時系列に状変時間データが蓄えられていく。
【0043】
その後、計測を開始してから10秒経過すると(Y)、コントローラ30は前記計測時間監視手段32によりプロセス入出力インターフェース31および25を介して時間タグ付PIO基板20に対して計測監視停止要求を行う(ステップ25)。
【0044】
コントローラ30は、この計測時間監視手段32からの計測監視停止要求に基づいて、プロセス入出力インターフェース25および31を介して時間タグ付PIO基板20内のメモリ24に蓄えられている状変時間データを計測データ処理手段33に読み込む。そしてコントローラ30は、この読み込んだ状変時間デ−タを、伝送インターフェース35および41を介して計算機40に伝送する(ステップ26)。
更に、コントローラ30は、次の測定に備えてプロセス入出力インターフェース31および25を介して時間タグ付PIO基板20の初期化を行う(ステップ27)。
【0045】
一方、計算機40は、伝送インターフェース41を介してコントローラ30から伝送されてきた状変時間データを編集処理手段42にて運転員に容易に認識可能なストローク時間に編集する。そしてこの編集結果によってデータベース42aの内容を更新すると共に、画面入出力手段43を介してモニター50に制御棒座標毎に測定時間データを表示する(ステップ28)。
【0046】
このモニター50での表示例は既出の図15の内容と同等であり、表示された測定時間データが予定範囲に入っていれば正常、予定範囲から逸脱していれば異常として把握することができる。
【0047】
次に、図3で時間タグ付PIO基板20のメモリ24の構成および処理フローを示す。図3(a)はメモリ24の構成図であり、メモリ24はスキャン制御情報241と、スキャンデータエリア242とに大別される。スキャン制御情報241ではスキャンデータ更新指示、スキャンステータスおよびセーブアドレスからなっている。スキャンデータエリア242は、状変時間データ1〜状変時間データ48を記憶できるようにデータエリアを設けている。
【0048】
図3(b)は処理フローであり、同図で示すように時間タグ付PIO基板20のメモリ24は、コントローラ30から初期化されることにより、ストローク時間の測定が可能な状態となり、測定開始信号SKを待ち受ける(ステップ31)。
【0049】
次にスクラム信号(測定開始信号SK)の発生有無をチェックし、有り(Y)の場合には、タイマー22をゼロスタートにて起動させる(ステップ32)。
タイマー22の起動後、スキャンドライバ23でスキャンしたディジタル入力部(DI)21の接点入力信号、すなわちストローク信号SRに状変があるか否かのチェックを行う(ステップ33)。接点入力信号に状変があれば(Y)、セーブアドレスとして示す格納アドレスにその時の状変時間データすなわちタイマー22値を格納する(ステップ34)。
【0050】
その後、次の状変に備えてセーブアドレスをカウントアップする(ステップ35)。カウントアップ後、コントローラ30からの停止要求があるか否かチェックする(ステップ36)。ステップ36でのチェック結果、停止要求がなければ(N)、次の状変の処理に備える。停止要求があれば(Y)、メモリ24の記憶内容を保持したままコントローラ30からのアクセスに備える。このアクセスにて測定時間データの読み込み完了後、次の時間測定に備えるためにコントローラ30から初期化要求が行われる。
【0051】
以上述べたように、本実施例1によるスクラムタイミングレコーダ装置は、計算機1台で構成した従来のスクラムタイミングレコーダ装置とは異なり、1枚の基板当り制御棒複数本分の状変時間データ格納機能を実装する時間タグ付PIO基板と、磁気ディスクを用いないため冷却ファンの必要のないコントローラ(シーケンサ)と、高速演算のニーズを必要としないプロセッサとから構成するようにしたので、以下の効果が期待できる。
【0052】
1.測定機能を有する時間タグ付PIO基板とコントローラについてはバイタル電源系統でかつ常時ONは必要であるが、再送要求を有する計算機を健全なるスタンバイ状態にする必然性が無くなる。これによれば、設計・品質確保・保守作業が軽減される。
【0053】
2.耐環境下及び低電流で動作可能なPIO基板とコントローラにて測定が可能となる。更にはハードディスク、ファン等の機械的に動作する部品を使用していないので、メンテンスフリーが実現可能となる。
【0054】
3.時間タグ付PIO基板内に時間データを蓄える方式と計算機の再送要求を用いれば、確実に運転員に時間データの提供が可能である。また、複数枚にわたって分散化された時間タグ付PIO基板を用いることによって、システムの最大時の故障においても基板単位である制御棒4本分の測定データの損失に留まる。これにより、従来装置のスクラムタイミングレコーダ装置に比べ、計測データ採取の損失度合いが著しく軽減されMTBF(mean time between failures;平均故障間隔時間)の向上に寄与することができる。
【0055】
4.測定データの時間タグ付の状変データのみを基板内のメモリに蓄えるようにしたので、従来装置のスクラムタイミングレコーダ装置に比べ、メモリ容量の低減を図ることができる。
以上の効果のほか、システム機能実現の手段の低減および運転員の心理的な負担の軽減にも寄与することができる。
【0056】
(実施例2)
本発明の実施例2に係るスクラムタイミングレコーダ装置について、図4、図5および図6を用いて説明する。
図4は本実施例2に係る複合事象に対応したスクラムタイミングレコーダ装置の構成を主体に示すブロック構成図である。
【0057】
図4において、複合事象は前述のように2つのイベントによる制御棒挿入時間であるため、タグ付PIO基板20のメモリ24のメモリ容量が実施例1で述べたスクラム時間測定時の2倍が必要となる。
【0058】
このため、本実施例では時間タグ付PIO基板20に、スキャンドライバ23でスキャンしたディジタル入力部(DI)21の接点入力信号、すなわちストローク信号SRをスキャンドライバ23でスキャンして得た信号を記憶する複合用メモリ24aを新たに設け、更に、コントローラ30内の計測時間監視手段32に複合事象用のタイマーリセット機能、再スタート機能および前記複合用メモリ24aへの切り替え処理機能を備えている。その他の構成については、実施例1の場合と変わるところがないので説明を省略する。
【0059】
以下、本実施例2の作用を図5で示すフローチャートを参照して説明する。
まず、複数の基板で構成されている時間タグ付PIO基板20をコントローラ30の計測時間監視手段によって初期化する。この初期化により、メモリ24、複合用メモリ24aもリセットされる。そしてこの初期化により、時間タグ付PIO基板20は任意複数の制御棒のスクラム動作であるSRI(選択制御棒挿入)に対してトリガである測定開始SK1を待ち受ける(ステップ21)。この時、コントローラ30の計測時間監視手段32も同じく測定開始SKを待ち受ける。
【0060】
次に、SRI信号の発生有無をチェックし(ステップ22)、SRI信号(SK1)が有りの場合(Y)にはコントローラ30内の計測時間監視手段32に測定開始信号SK1が入力されることにより、計測時間監視手段32によって計測監視用のタイマー32aがスタートする(ステップ23)。前記測定開始信号SK1は時間タグ付PIO基板20にも入力されることから、前記タイマー32aのスタートと同時に時間タグ付PIO基板20内のメモリ24が記憶動作を開始し、ストローク信号SRの状変時間データを逐次蓄える。
【0061】
そして次に、SRIに続いて全スクラムが行われていない場合すなわち複合事象が発生してない場合(N)(ステップ29)、前記計測時間監視手段32がSRIによる計測を開始してから10秒経過したか否かについて判定する(ステップ24)。判定の結果、計測時間監視手段32による計測時間がSRIの計測を開始してから10秒を迎えるまでの間(N)、ストローク信号SRの状変がある都度、時間タグ付PIO基板20のメモリ24に逐次、時系列に状変時間データが蓄えられる。
【0062】
計測時間監視手段32は、SRIの計測を開始してから10秒経過すると(Y)、プロセス入出力インターフェース31、25を介して時間タグ付PIO基板20に対して計測監視停止要求を行う(ステップ25)。
【0063】
コントローラ30は、この計測時間監視手段32からの計測監視停止要求に基づいて、プロセス入出力インターフェース31および25を介して時間タグ付PIO基板20内のメモリ24に蓄えられている状変時間データを計測データ処理手段33に読み込む。そしてコントローラ30は、この読み込んだ状変時間データを、伝送インターフェース35および41を介して計算機40に伝送する(ステップ26)。
更に、コントローラ30は、次の測定に備えてプロセス入出力インターフェース31および25を介して時間タグ付PIO基板20の初期化を行う(ステップ27)。
【0064】
一方、計算機40は、伝送インターフェース41を介してコントローラ30から伝送されてきた状変時間データを編集処理手段42にて運転員に容易に認識可能なストローク時間に編集する。そしてこの編集結果によってデータベース42aの内容を更新すると共に、画面入出力手段43を介してモニター50に制御棒座標毎に測定時間データを表示する(ステップ28)。
【0065】
ところで、SRI信号有りのためステップ23で時間監視が開始された後、複合事象が発生した場合、ステップ29において全制御棒を対象としたスクラムのトリガである測定開始信号SK2が発生(Y)すると、前記ステップ23によって計測時間監視手段32がスタートしてから10秒の到達を待たずに、時間タグ付PIO基板20のメモリ24の更新を停止し(ステップ30)、コントローラ30の計測時間監視手段32ではタイマー32aをリセットして再スタートさせる(ステップ31)。
【0066】
そして、全スクラム開始から10秒経過したか否か判定し(ステップ32)、10秒を経過していれば(Y)、時間タグ付PIO基板20内の複合用メモリ24aの更新を停止(ステップ33)する。
【0067】
図6は、本実施例に係るスクラムタイミングレコーダ装置の複合事象測定方式の処理動作の説明図であって、以上述べたステップ21からステップ33までのSRI信号SK1,全スクラム信号および制御棒位置を示す。この図6からも分かるように、メモリ24は最初SRI信号SK1によって状変時間データを逐次蓄えていき、その後全スクラム信号SK2が発生すると、メモリ24の更新が停止され、代わって複合メモリ24aが状変時間データを逐次蓄えていく。
【0068】
そして、コントローラ30は、更新を停止しているメモリ24および複合用メモリ24aに蓄えられている状変時間データをプロセス入出力インターフェース25および31を介して計測データ処理手段33に読み込む。そしてコントローラ30は、この読み込んだ状変時間デ−タを、伝送インターフェース35、41を介して計算機40に伝送する(ステップ26)。以降ステップ27で次の測定に備えてプロセス入出力インターフェース31および25を介して時間タグ付PIO基板20を初期化することにより、メモリ24および複合用メモリ24aをリセットする。
【0069】
このモニター50での表示方法は既出の図14の内容と同等であり、編集された結果の測定時間データが予定範囲に入っていれば正常、予定範囲から逸脱していれば異常として把握することができる。
以上述べたように、本実施例2によれば、複合事象時でも実施例1の場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0070】
(実施例3)
図7は本発明の実施例3に係るスクラムタイミングレコーダ装置の構成を主体に示すブロック図である。
本実施例3は、シングルスクラム、制御棒の挿入、引抜に対応可能なスクラムタイミングレコーダ装置に関するもので、シングルスクラムの場合、運転員に対してリアルタイムにスクラムデータを表示する必要がある。このため、図7ではコントローラ30の計測データ処理手段33に制御棒操作モジュール2で選択した制御棒No.情報を入力するように構成している。その他の構成は図1の場合と同じなので構成説明は省略する。
【0071】
以下、シングルスクラム時の本実施例3の作用を図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、複数の基板で構成されている時間タグ付PIO基板20をコントローラ30の計測時間監視手段によって初期化する。この初期化により、時間タグ付PIO基板20シングルスクラムトリガである測定開始SKを待ち受ける(ステップ51)。この時、コントローラ30内の計測時間監視手段32も同じく測定開始信号SKを待ち受ける。
【0072】
次に、シングルスクラム信号発生の有無をチェックし(ステップ52)、シングルスクラム信号有り(Y)の場合には、状変時間データから求められた計測データ表示のリアルタイム性を確保するために、前記制御棒操作モジュール2からコントローラ30の計測データ処理手段33に制御棒No.情報を入力する(ステップ53)。
【0073】
コントローラ30の計測時間監視手段32は前記測定開始信号SKが入力されることにより、計測監視タイマー32aをスタートさせる(ステップ54)。前記測定開始信号SKは時間タグ付PIO基板20にも入力されることから、前記計測監視タイマー32aのスタートと同時に時間タグ付PIO基板20内のメモリ24が記憶動作を開始し、ストローク信号SRの状変時間データを蓄える。
【0074】
そして、次のステップ55で、計測時間監視手段32はスクラム計測期間が10秒を経過したか否かチェックし、10秒を経過していない場合(N)は10秒を経過するまでの期間、ストローク信号SRの状変がある都度ストローク信号SRの状変時間データを前記メモリ24に逐次、時系列に蓄える(ステップ55)。
【0075】
その後、スクラム計測期間が計測開始から10秒経過すると(Y)、コントローラ30は前記計測時間監視手段32によりプロセス入出力インターフェース31、25を介して時間タグ付PIO基板20に対して計測監視の停止要求を行う(ステップ56)。
【0076】
コントローラ30は、この計測時間監視手段32からの計測監視停止要求に基づいて、プロセス入出力インターフェース25および31を介して時間タグ付PIO基板20内のメモリ24に蓄えられている状変時間データを計測データ処理手段33に読み込む。そしてコントローラ30は、この読み込んだ状変時間データを、前記制御棒No.情報と共に伝送インターフェース35および41を介して計算機40に伝送する(ステップ57)。
【0077】
更にコントローラ30は、次の測定に備えてプロセス入出力インターフェース31および25を介して時間タグ付PIO20を初期化する(ステップ58)。
一方、計算機40は、伝送インターフェース41を介してコントローラ30から伝送されてきた状変時間データを編集処理手段42にて運転員に容易に認識可能なストローク時間に編集する。そしてこの編集結果によってデータベース42aの内容を更新すると共に、画面入出力手段43を介してモニター50に制御棒座標毎に測定時間データを表示する(ステップ59)。
この実施例の表示例は図15と同じである。
【0078】
以上説明した図7のスクラムタイミングレコーダ装置および図8のフローチャートは、制御棒のシングルスクラムの場合にモニターにリアルタイムに計測時間を表示するようにしたものであるが、図7のスクラムタイミングレコーダ装置は、以下述べるように制御棒の挿入または引抜にも対応できるものである。
【0079】
以下、図9のフローチャートを参照して制御棒の挿入または引抜時の作用について説明する。なお、この図9のフローチャートと前記図8のフローチャートとか大部分の処理ステップにおいて共通であるが、相違する点はステップ52に対する62、ステップ55に対する65である。
【0080】
まず、複数の基板で構成されている時間タグ付PIO基板20をコントローラ30の計測時間監視手段によって初期化し、挿入または引抜である測定開始SKを待ち受ける(ステップ61)。この時、コントローラ30の計測時間監視手段32も同じく測定開始SKを待ち受ける。
【0081】
次に、挿入または引抜のトリガ信号発生の有無をチェックし(ステップ62)、挿入または引抜のトリガ信号有りの場合(Y)には、状変時間データから求めた計測データの表示のリアルタイム性を確保するために、制御棒操作モジュール2で選択した制御棒No.情報をコントローラ30の計測データ処理手段33に入力する(ステップ63)。
【0082】
コントローラ30の計測時間監視手段32は、挿入または引抜のトリガ信号SKによって、計測監視のタイマー32aをスタートさせる(ステップ64)。挿入または引抜のトリガ信号SKは時間タグ付PIO基板20にも入力されることから、前記タイマー32aのスタートと同時に時間タグ付PIO基板20内のメモリ24が記憶動作を開始し、ストローク信号SRの状変時間データを蓄える。
【0083】
計測時間監視手段32はストローク信号の状変無し時間が4秒を経過したか否かチェックし、4秒を経過していない間はストローク信号SRの状変がある都度、ストローク信号SRの状変時間データを時間タグ付PIO基板20のメモリ24に逐次、時系列に蓄える(ステップ65)。
【0084】
しかし、計測時間監視手段32はストローク信号の状変無し時間がスターとから4秒継続を検出する(Y)と、時間タグ付PIO基板20に対してプロセス入出力インターフェース31、25を介して計測監視の停止要求を行う(ステップ66)。
【0085】
コントローラ30は、この計測時間監視手段32からの計測監視停止要求に基づいて、プロセス入出力インターフェース25および31を介して時間タグ付PIO基板20内のメモリ24に蓄えられている状変時間データを計測データ処理手段33に読み込む。そしてコントローラ30は、この読み込んだ状変時間デ−タを、前記制御棒No.情報と共に伝送インターフェース35および41を介して計算機40に伝送する(ステップ67)。
更に、コントローラ30は、次の測定に備えてプロセス入出力インターフェース31および25を介して時間タグ付PIO基板20の初期化を行う(ステップ58)。
【0086】
一方、計算機40は、伝送インターフェース41を介してコントローラ30から伝送されてきた状変時間データを編集処理手段42にて運転員に容易に認識可能なストローク時間に編集する。そしてこの編集結果によってデータベース42aの内容を更新すると共に、画面入出力手段43を介してモニター50に制御棒座標毎に測定時間データを表示する(ステップ69)。
【0087】
なお、本実施例で使用するコントローラ30は計算機に比べて演算速度が遅くなるが、シングルスクラムおよび挿入または引抜操作時には制御棒操作パネルで指定した制御棒No.情報をコントローラ30に与えるようにしたので、モニター50でのデータ表示速度はリアルタイム性を確保することができる。
【0088】
以上述べたように、本実施例3によれば、実施例1の作用効果のほかに、シングルスクラム時、挿入または引抜時にモニターにリアルタイムに計測時間を表示することのできるスクラムタイミングレコーダ装置を提供することができる。
【0089】
(実施例4)
本発明の実施例4に係るスクラムタイミングレコーダ装置について、図10、図11および図12を用いて説明する。図10は本実施例4に係るスクラムタイミングレコーダ装置の構成を主体に示すブロック図、図11は本実施例4の作用を説明するためのフローチャート、そして図12はモニターの表示例を示す図である。
【0090】
本実施例4は、再送要求機能を備えたスクラムタイミングレコーダ装置に関するもので、図10の図7との違いは、モニター50に新たに再送要求機能を設けたこと、また計算機40およびコントローラ30内にそれぞれ再送処理手段44、34を設けたこと、更に時間タグ付PIO基板20内に複合メモリ24aを新たに設けたことを除いてほぼ同じ構成である。
以下、本実施例4の作用について図11のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、再送要求についてのみ説明する。
【0091】
再送要求機能を備えたモニター50から運転員が再送要求を行うと、計算機40内の画面入出力処理手段43を介して再送処理手段44に伝わり、この再送処理手段44から伝送インターフェース41および35を介してコントローラ30内の再送処理手段34に通知する(ステップ71)。
【0092】
コントローラ30内の前記再送処理34はプロセス入出力インターフェース31、25を介して時間タグ付PIO基板20にメモリ24の入力要求を行って、メモリ24の状変時間データのアップロードを行う(ステップ72)。
【0093】
コントローラ30は、メモリ24の状変時間データをプロセス入出力インターフェース25、31を介して計測データ処理手段33に読み込み、この読み込んだ状変時間データおよび制御棒操作モジュール2によって選択された制御棒No.情報を併せて伝送インターフェース35および41を介して計算機40に伝送する(ステップ73)。計算機40内の編集処理手段42は、状変時間データを編集し、データベース42aを更新すると共にモニター50に制御棒座標毎に測定時間データを出力し表示する(ステップ74)。
【0094】
本実施例4のモニター50の画面内容を図12に示す。図12中50Bはモニター画面上に表示された再送要求ボタンであり、運転員はこの再送要求ボタン50Bをマウス、ライトペン等の座標指示手段でクリックすることにより、計算機40に対して再送要求が行われるようになっている。
以上述べたように、本実施例4によれば、実施例1の作用効果のほかに、再送機能を奏するスクラムタイミングレコーダ装置を提供することができる。
【0095】
(他の実施例)
本発明は、以上述べた沸騰水型原子炉に限定されるものではなく、図示はしないが、加圧水型原子炉、新型転換炉、高速増殖炉等の沸騰水型原子炉以外の原子炉の制御棒動作に対する測定データシステムにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施例1に係るスクラムタイミングレコーダ装置の構成を主体に示すブロック図。
【図2】実施例1の作用を説明するためのフローチャート。
【図3】(a)および(b)は実施例1に係るスクラムタイミングレコーダ装置のスクラム・SRI測定方式および複合事象測定方式の動作を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施例2に係るスクラムタイミングレコーダ装置の構成を主体に示すブロック図。
【図5】実施例2の作用を説明するためのフローチャート。
【図6】実施例2に係るスクラムタイミングレコーダ装置の複合事象測定方式の動作の説明図。
【図7】本発明の実施例3に係るスクラムタイミングレコーダ装置の構成を主体に示すブロック図。
【図8】実施例3に係るスクラムタイミングレコーダ装置のシングルスクラム測定方式の動作を示すフローチャート。
【図9】実施例4に係るスクラムタイミングレコーダ装置の挿入または引抜測定方式の動作を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施例4に係るスクラムタイミングレコーダ装置の構成を主体に示すブロック図。
【図11】実施例4に係るスクラムタイミングレコーダ装置の再送要求機能の動作を示すフローチャート。
【図12】モニターに出力される測定時間データ、再送要求ファンクションの画面。
【図13】従来技術によるスクラムタイミングレコーダ装置を主体に示すブロック図。
【図14】スクラムあるいは挿入または引抜等の測定開始の際にスクラムタイミングレコーダ装置に出力される各信号の動作説明図。
【図15】従来技術によるモニターに表示される測定時間データの画面図。
【符号の説明】
【0097】
1…測定開始信号発生器、10…制御棒位置検出器、20…時間タグ付PIO、21…ディジタル入力部、22…タイマー、23…スキャンドライバ、24…メモリ、24a…複合用メモリ、25…プロセス入出力インターフェース、30…コントローラ、31…プロセス入出力インターフェース、32、32´…計測時間監視手段、32a…タイマー、33…計測データ処理手段、34…再送処理、35…伝送インターフェース、40…計算機、41…伝送インターフェース、42…編集手段、42a…データベース、43…画面入出力手段、50…モニター、100…スクラミタイミングレコーダ装置、NR…原子炉、CR1〜CR185…制御棒、CRD1〜CRD185…制御棒駆動装置。





 

 


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