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発明の名称 電子線照射装置と照射方法および電子線描画装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2005−127800(P2005−127800A)
公開日 平成17年5月19日(2005.5.19)
出願番号 特願2003−362338(P2003−362338)
出願日 平成15年10月22日(2003.10.22)
代理人
発明者 木下 秀俊 / 橋本 進 / 赤間 善昭
要約 課題
大きな照射領域に大電流の照射を、低コストで、かつ、高スループットである電子線照射装置とその方法を提供すること、および、低コストで高スループットであると共に、メンテナンスフリーでランニングコストを低下させ、かつ、従来に比べて高解像度の描画を可能にする電子線描画装置とその方法を提供すること。

解決手段
電子放出源1を複数のマイクロエミッタ型電子銃1aによりアレイが形成し、また、電子線取出し窓16の電子束の透過部16aをマイクロエミッタ型電子銃1aによるアレイと所定の関係で対応したアレイ配置とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
電子放出源と、この電子放出源から出射される電子束の飛翔方向の電子光学系コラム内に電子光学系を配置し、この電子光学系の前記電子束の飛翔方向の前方に電子線取出し窓を設け、この電子線取出し窓を透過した電子束により被処理体を照射する電子線照射装置であって、
前記電子放出源は、複数のマイクロエミッタ型電子銃によりアレイが形成されており、また、前記電子線取出し窓の前記電子束の透過部は前記マイクロエミッタ型電子銃によるアレイと所定の関係で対応したアレイ配置であることを特徴とする電子線照射装置。
【請求項2】
前記電子光学系はブランキング電極、加速用電極および集束電極で形成され、前記前記マイクロエミッタ型電子銃により形成されたアレイより放出された電子束をアレイ郡別に束ねていることを特徴とする請求項1記載の電子線照射装置。
【請求項3】
前記電子光学系は、前記集束電極によりアレイ郡別に束ねられた電子束を前記電子取出し窓の近傍にフォーカスさせていることを特徴とする請求項2記載の電子線照射装置。
【請求項4】
複数のマイクロエミッタ型電子銃によりアレイが形成された電子放出源から出射した電子線を、電子光学系により前記アレイ郡別に電子束に束ねた後に電子取出し窓を透過させて被処理物に照射する電子線照射方法であって、
前記電子光学系による前記アレイ郡別に束ねられた電子束は、前記電子光学系を形成している電極形状に対応して任意の形状に形成することができることを特徴とする電子線照射方法。
【請求項5】
前記電子光学系による前記アレイ郡別に束ねられた電子束は、それぞれの電子束が略均等の電子量を有するように制御されていることを特徴とする請求項4記載の電子線照射方法。
【請求項6】
電子線パターンを被処理物に描画するための電子線描画装置において、複数のマイクロエミッタ型電子銃を同一平面にアレイ状に配置した電子線放出源と、前記各これらマイクロエミッタ型電子銃における電子線の放出を制御するブランキング制御回路と、前記電子線を縮小する対物レンズと、この対物レンズで縮小された電子線を試料へ偏向する偏向器とから構成される電子光学系を備えたことを特徴とする電子線描画装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子放出源にマイクロエミッタ型電子銃をアレイ状に配し、この電子銃から放出された電子線による電子照射あるいは電子描画を行う装置と、電子線照射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子線照射の技術は、被処理物の表面処理や表面改質の効果が得られることから、大気中に置かれた被処理物に電子線を照射し、電子線のエネルギーを利用して高分子化合物に架橋や重合などの反応を起こさせ、フィルムの改質、インキの乾燥あるいはオーバコート樹脂の硬化への応用等の製造工程に用いられている。
【0003】
また、飲料用や医療用に使用されている容器の滅菌の際、特に容器の外面だけでなく内面をも滅菌する場合にも用いられている。
【0004】
また、世界的に問題となっている大気汚染による地球の温暖化や酸性雨等の対策にも用いられている。それらは、例えば、火力発電所等から排出される燃焼排ガス中に存在する、SOx、NOx等の成分に起因していると考えられており、それらのSOx、NOx等の有害成分を除去する方法として、燃焼排ガスに電子線を照射することによって、脱硫・脱硝(SOx、NOx等の有害成分の除去)を行うこともおこなわれている。
【0005】
電子線照射装置は、一般に、電子線を発生する電子放出源と、図11に従来の電子線照射装置の概略断面図を示すような被処理物を移動するコンベアやXYステージなどで構成されている。
【0006】
すなわち、この電子線照射装置は、電子放出源160と、照射窓(電子線取出し窓に設けられた)部170と、照射室180とで構成されている。
【0007】
電子放出源160は、電子線を発生するターミナル162と、ターミナル162で発生した電子線を真空空間(加速空間)で加速する加速管164とを有する。電子放出源160の内部は、電子が気体分子と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、図示しない拡散ポンプ等により真空に保たれている。また、ターミナル162は、熱電子を放出する線状陰極としてのフィラメント162aと、フィラメント162aを支持するガン構造体162bと、フィラメント162aで発生した熱電子をコントロールするグリッド162cとを有している。
【0008】
照射窓部170は、金属箔(たとえば、チタン箔)からなる窓箔172と、窓枠構造体174とを有する。窓箔172は、電子放出源160内の真空雰囲気と照射室180内の照射雰囲気とを仕切るものであり、また窓箔172を介して照射室180内に電子線を取り出すものである。照射室180は、被処理物に電子線を照射する照射空間182を含むものである。被処理物は、照射室180内を、図示しない搬送機構により、左側から右側にローラ等により搬送される(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
上述のような各電子線照射装置では、真空中で高速に加速した大電流の電子線をなるべく広範囲に走査しつつ大気中に放出する必要がある。このため、電子線の照射窓からの取出しには、高速電子に対して高い透過効率を有するベリリウムやチタン等の薄膜からなる照射窓(ターゲット)が一般に使用されている。
【0010】
このように、電子線照射装置ではチタン箔を透過させた電子を照射する方法が一般であり、チタン箔を透過させるために、大きなエネルギーを必要としていた。また、照射される電子スキャンホーン内でビームスキャンされて、必要な照射領域に電子を走査している。このため、電子は照射に必要なエネルギー以上のエネルギーで照射されるため対象物を透過する電子があり、反応効率が悪く、また、透過した高エネルギーの電子により発生するX線をはじめとする放射線を除外するため、たとえば鉛遮蔽装置が必要であった。
【0011】
次に、電子線を用いた従来の電子線描画装置について説明する。
【0012】
電子線描画装置によるパターン描画は、光波長より短い電子線波長レべルの分解能の精度で描画可能なため、高い解像度のパターンを形成できる機能を有している。その反面、光露光によるマスク描画方式と異なり、完成パターンを小さな分割パターンビームで直接描画するため、描画に長時間かかる問題がある。しかし、高精度の細線パターンを形成できる特徴を持っており、光露光方式のリソグラフィ技術の次の技術、あるいは多品種少量生産の半導体製作に有力なツールとして発展している。
【0013】
電子線で直接パターンを形成する方法としては、小さな丸ビームをON/OFF制御しながら試料全面をスキャンしてパターンを形成する方法と、ステンシルアパーチャを通過した電子線をパターン描画するVSB描画の方式がおこなわれている。さらにVSB描画を発展させ、一定の決まった繰り返しパターンを1つのブロック的なアパーチャとして準備しておき、選択したアパーチャによるパターンを連続描画することで高速描画する電子線描画の技術も開発されている。さらに、描画精度を上げるため、高加速電子線を利用する方法も行われている。
【0014】
しかし、近接効果補正の問題や、システム巨大化の問題がある。このような電子線描画の欠点をカバーする方法として、図12に電子線描画装置の概念図を、図13にその電子光学系の概念図を示したような電子線描画装置が提案されている。
【0015】
以下、図12及び図13を参照して説明すると、電子銃1から加速された電子線は、矩形または円形の開口を有する第1アパーチャ204に照射される。この第1アパ一チャ204を通過したビームは、一括露光セルアパーチャが複数配列された第2成形アパーチャ(CFアパーチャ)に向かう。ビームは任意の1個セルアパーチャに対して十分大きく、かつ隣接するセルパターンに干渉しない大きさのビーム径に拡大ビーム機能をおこなう照明レンズ220で成形される。照明レンズは、2個の静電レンズ220a、220bで構成しており、第2照明レンズ220bのクロスオーバは、第3アパチヤ223の位置に結像するように構成し、2個の照明レンズ(静電レンズ)220a、220bの印加電圧を可変することで、照明光の倍率を任意に選択でき、照明光のビーム径、電流密度を制御する機能を有している。
【0016】
第2照明レンズ220bを通過したビームは、セルアパーチャが複数配列された第2成形アパーチャ(CPアパーチャ)207に対して目的とするセルアパーチャを選択できるよう、目標位置に偏向制御する第1成形偏向器221と、第2成形アパーチャ207を通過したセルズパーチヤ像を光軸上に振戻す第2成形偏向器222を通過する。第1成形偏向器221、第2成形偏向器222は形状を同一にして、4つの偏向器電圧連動比を十V0:8極型の偏向器になっており、それぞれの電極に独立した電圧を印加し、−V0:−V0:+V0の連動比の電圧で制御する。
【0017】
静電偏向器229は、8極型の偏向器(不図示)になっており、それぞれの電極に独立した電圧を印加して偏向制御する。偏向器両端にはシールド板(不図示)が設けてあり、偏向器が連続かつ隣接して配置される場合には、相互の電場が制御に影響を及ぼさないようシールドで遮断している。
【0018】
縮小レンズ224で縮小されたビームは、対物レンズ225を通過し、被処理物の試料面213に縮小投影される。描画パターン位置に対するビーム位置は主偏向と副偏向器で制御する。主偏向器は227、XYステージ240に搭載したウエハに対して、描画領域の位置をXYステ一ジ240の位置を参照しながら偏向制御し、副偏向器はストライプ内を細かく分割した描画範囲に対してその位置制御を行う。
【0019】
主偏向器227は、光路の上流側にプリ主偏向器229を配置し、試料面でビーム偏向制御に応じて発生する各種レンズ収差および偏向収差を最小ならしめる制御を行う。主偏向領域内では、さらに微少偏向する副偏向器と、試料面21のビーム副偏向に応じて発生する各種レンズ収差および副偏向収差を最小ならしめるプリ副偏向器の制御を行う。静電式副偏向器228は制御連動比を1:1の制御電圧条件で成立するようにプリ副偏向器230のセンタエレクトロードの軸方向長さまたは内径を設け、さらに隣接の電場の影響を無くすため偏向器両端にシールド極を有した構造を取っている。
【0020】
レンズ226の下部には、電子線がウエハ上に照射された時に発生する2次電子や反射電子を検出する電子線検出器212が設けられており、この反射電子信号を処理することでSEM像の検出やビーム調整等の制御を行っている。
【特許文献1】特開平9−68600号公報 (段落番号0004乃至0005 図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
上述のような電子線照射装置では、電子線は電子銃等の電子線源の一点から放出され、放出される電子量には電子線源の方式によって最大量が決定されている。
【0022】
電子線照射装置に求められる要求は、電子線の照射領域は広く、照射される電子線量は多く、照射される電子線は途中のロスが少なく対象物に届き、対象物内でそのエネルギーが消費され、透過する電子線がないエネルギーであることがもっとも望ましい。
【0023】
一般に、電子線照射装置ではチタン箔を透過させて、電子線を照射する方法が一般に用いられており、チタン箔を透過させるために、大きなエネルギーを必要としているが、大放出量が可能な電子線源の方式は高価になる。しかも、要求を十分に満足できるものではない。
【0024】
また、大きな照射領域を得ようとする場合、一点の電子線源から照射された電子線束では限界があるので、照射電子線束をスキャンすることで、照射物上を走査して照射領域を拡げることはできるが、その際は、大きな領域を照射するために大きな走査角度が必要となり、走査回路が大規模化しやすい。
【0025】
あるいは、比較的小角度で大領域を走査するためには、電子線束の偏向起点から照射点までの十分な距離が必要となるが、この場合は、距離に応じて飛翔中にガス分子との散乱損失によりエネルギーの低下が生じる。そのため、電子線束のエネルギーを予め散乱損失分を見越して高めておくことが必要となる。これは電源を大規模化する要因となっており好ましくない。
【0026】
また、照射される電子スキャンホーン内でビームスキャンされて、必要な照射領域に電子を走査した場合、電子は照射に必要なエネルギー以上のエネルギーで照射されるため被処理物を透過する電子が存在して反応効率が悪い。また、透過した高エネルギーの電子により発生するX線をはじめとする放射線を遮蔽するために、たとえば鉛遮蔽装置を設けるが必要であった。
【0027】
一方、上述に説明した電子線描画装置については、前述したとおり、予め用意されたセルパターンを試料上に縮小投影する電子線描画装置であるので、セルパターンは描画に必要な形状ごとに必要であり、チップ内にメモリセルの繰返しパターンを持つメモリ回路でもそのセルパターンは数百のパターンが必要とされる。さらに個別のパターンが多いシステムオンチップ(System on chip LSI)では、そのセルパターンは数千パターン程度にまで膨れ上がる。
【0028】
また、予め必要なセルパターンを形成したステンシル(CPアパーチャ)を用意し、電子線経路途中に設置しなければならない。ステンシルは描画中において絶えず電子線が照射されており、真空中の希ガス成分が付着・成長するコンタミネーション現象により、ステンシル形状が悪化し、描画精度を悪化させるため、ある頻度により交換作業が不可欠である。
【0029】
前述のVSB方式の描画では、パターン形成のフレキシビリティは格段に良好になり必ずしもCPパターンは必要とならないが、スループットの低下はもちろんの事、パターン形成の原理上ステンシルの特定部分への電子線照射時間が長くなるため、そのステンシルの交換頻度が増大し、コストバフオーマンスはさらに低下する。
【0030】
いずれの方法においても、ステンシル上のセルパターンを描画ショット毎に選択し、描画することは、著しいスループットの低下を招き、コストパフォーマンスを低下せしめる。
【0031】
スループットの低下を抑止するためには、ウエハ搬送などのいわゆるオーバーへッド時間がほぼ限界まで短縮されてきている現在、描画速度の向上が有力な解決策となる。描画速度の向上のためには、電子線の電流量を増大させることになるが、CP方式、VSB方式いずれにおいても、この場合には空間電荷効果による電子間の反発による照射ビームの横方向の広がりと、縦方向に電子線のエネルギーの広がりが生じ、両者ともに解像性を低下させる原理的な課題を内包しており、電流量の増大は微細化パターンでは一層困難となる。
【0032】
これらの課題は、従来の電子線描画装置における共通で最大の課題であり、これを解決し、スループットを確保すべく、さまざまな描画方式とその装置の検討・開発が進められている。
【0033】
本発明はこれらの事情に基づいてなされたもので、大きな照射領域に大電流の照射を、低コストで、かつ、高スループットである電子線照射装置とその方法を提供すること、および、低コストで高スループットであると共に、メンテナンスフリーでランニングコストを低下させ、かつ、従来に比べて高解像度の描画を可能にする電子線描画装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明による手段によれば、電子放出源と、この電子放出源から出射される電子束の飛翔方向の電子光学系コラム内に電子光学系を配置し、この電子光学系の前記電子束の飛翔方向の前方に電子線取出し窓を設け、この電子線取出し窓を透過した電子束により被処理体を照射する電子線照射装置であって、
前記電子放出源は、複数のマイクロエミッタ型電子銃によりアレイが形成されており、また、前記電子線取出し窓の前記電子束の透過部は前記マイクロエミッタ型電子銃によるアレイと所定の関係で対応したアレイ配置であることを特徴とする電子線照射装置である。
【0035】
また本発明による手段によれば、前記電子光学系はブランキング電極、加速用電極および集束電極で形成され、前記前記マイクロエミッタ型電子銃により形成されたアレイより放出された電子束をアレイ郡別に束ねていることを特徴とする電子線照射装置である。
【0036】
また本発明の手段によれば、前記電子光学系は、前記集束電極によりアレイ郡別に束ねられた電子束を前記電子取出し窓の近傍にフォーカスさせていることを特徴とする電子線照射装置である。
【0037】
また本発明の手段によれば、複数のマイクロエミッタ型電子銃によりアレイが形成された電子放出源から出射した電子線を、電子光学系により前記アレイ郡別に電子束に束ねた後に電子取出し窓を透過させて被処理物に照射する電子線照射方法であって、
前記電子光学系による前記アレイ郡別に束ねられた電子束は、前記電子光学系を形成している電極形状に対応して任意の形状に形成することができることを特徴とする電子線照射方法である。
【0038】
また本発明の手段によれば、前記電子光学系による前記アレイ郡別に束ねられた電子束は、それぞれの電子束が略均等の電子量を有するように制御されていることを特徴とする電子線照射方法である。
【0039】
また本発明の手段によれば、電子線パターンを被処理物に描画するための電子線描画装置において、
複数のマイクロエミッタ型電子銃を同一平面にアレイ状に配置した電子線放出源と、前記各これらマイクロエミッタ型電子銃における電子線の放出を制御するブランキング制御回路と、前記電子線を縮小する対物レンズと、この対物レンズで縮小された電子線を試料へ偏向する偏向器とから構成される電子光学系を備えたことを特徴とする電子線描画装置である。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、電子線照射の際に、大きな照射領域に大電流の照射を、低コストで、かつ、高スループットで照射できる。
【0041】
また、電子線描画の際に、低コストで高スループットであると共に、メンテナンスフリーでランニングコストを低下させ、かつ、従来に比べて高解像度の描画が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明を実施するための最良の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0043】
本発明の各装置は電子放出源に複数のマイクロエミッタ型電子銃を同一平面にアレイ状に配置して用いている。図1は、複数のマイクロエミッタ型電子銃の配置(千鳥格子状配置)を示す配置図である。図1に示すように、電子放出源1は50nmスポット源からなるマイクロエミッタ型電子銃1aを、例えば、XYステージの移動方向(Y方向)に1.25μmピッチで50行、前記移動方向に対して直交する方向(X方向)に1.25μmピッチで2000列、千鳥格子状に合計10万個配置している。このように千鳥格子状に配置することで、ライン上に一元的に高密度で配置することが不可能なマイクロエミッタ型電子銃1aを、実質的に0.05μmピッチで配置した時と同じ高密度配置を可能にしている。
【0044】
まず、上述の電子放出源1を用いた電子線照射装置について説明する。図2は本発明の電子線照射装置の構造の一実施の形態を示す模式図である。
【0045】
電子線照射装置は、真空容器である電子光学系コラム11の内部に各部が収納されている。電子放出源1を形成しているマイクロエミッタ型電子銃1aは少なくとも出射側12が電子光学系コラム11の内部に収納されている。マイクロエミッタ型電子銃1aの出射側12の前方には被処理物Wとの間に電子線束eの飛翔路に沿って、電子光学系10としてマイクロエミッタ型電子銃1aの出射側12から順次ブランキング電極13、加速用電極14、集束電極15が及び電子線取出し窓16が配置されている。なお、電子線取出し窓16の前方には被処理物Wを載置するテーブル17が設けられている。また、マイクロエミッタ型電子銃1aは高圧電源18に接続されており、電子光学系コラム11には配管を介して真空ポンプ19が接続されている。
【0046】
図3に構成模式図を示すように、マイクロエミッタ型電子銃1aは、エミッタ(カソード)21、グリッド22、ブランキングアパーチャ(グリッド)23、レンズ24から構成されており、高電流の放出が可能である。
【0047】
ブランキング電極13は、各マイクロエミッタ型電子銃1aより放出された個別の電子線に対し、個別ビームを一群に束ねる収束作用を持ち、かつ、このブランキング電極13はビームブランキング機能をも有している。つまり、印加される電圧を隣り合わせた電極と個別に制御することにより、任意の電子線束eのみを下流に対してブランキングする機能をおこなっている。
【0048】
加速用電極14は、電子線束eを所望のエネルギーまで加速する。なお、ブランキング電極13で、ブランキングされなかった電子線束eも加速用電極14によって、所望のエネルギーまで加速される。それにより、多数の各マイクロエミッタ型電子銃1aから放出された電子線はこれらの電極13、14の作用により幾つかの電子線束eに結束される。
【0049】
集束電極15は、磁界あるいは電界作用により、電子線束eを一括して偏向収束し、電子線束e別に設けられた電子線取出し窓16の近傍にフォーカスされるように制御する。
【0050】
電子線取出し窓16は、電子光学系10によりマイクロエミッタ型電子銃1aのアレイから出射した電子線束eがアレイ郡別に束ねられて取り出しができるように、アレイ状にBe製の透過部16aが形成されている。この透過部16aから束ねられた電子線束eは透過して、収束軌道を維持しつつ、散乱を伴ないながら大気圧あるいは減圧空間を飛翔し、被処理物Wに到達する。
【0051】
これらの構成による電子線照射装置による電子線束の飛翔状態は、図2の構成に対応して、図4(a)に模式側面図を、図4(b)にその模式平面図に示す。なお、両図で各状態は、(S1)〜(S6)で示す。なお、電子照射装置の構成については、図2を援用している。
【0052】
まず、(S1)に示すように、電子放出源1の非常に微小領域においてアレイ状に配置されたマイクロエミッタ型電子銃1aから放出された微細な電子線束eは、(S2)〜(S4)に示すように、ブランキング電極13と加速用電極14により飛翔中に途中で幾つかが束ねられて大きな電子線束eとなり、従来用いられている電子銃による電子源では得られないような大きな電子量を持つ電子線束eとなる。(S5)に示すように、束ねられた電子線束eは集束電極15により、電子線取出し窓16の近傍にフォーカスするように収束軌道が制御される。
【0053】
さらに(S6)に示すように、この束ねられた電子線束eは、電子線取出し窓16の透過部16aを透過して収束軌道をほぼ維持したまま、大気圧の不活性ガス雰囲気中を飛翔して被処理物Wの照射面に到達する。
【0054】
その結果、各電子線束eはそれぞれが保持した収束軌道により、照射面は大きく広がり、大きな領域を照射することができ、さらに隣り合った電子線取出し窓16の透過部16aから取り出された多数の電子線束eの集積により、被処理物Wの大きな領域を、同時に照射密度の分布を良好に照射することが可能となる。
【0055】
また、被処理物Wへの電子線束eの照射領域は、電子線取出し窓16と被処理物Wとの距離を変更することによって、変更することができる。
【0056】
したがって、一般の電子線照射装置では得ることが出来ないような大電子量を持った電子線束eを、電子線束eの走査などの手段を用いずに、被処理物Wに大きな領域で、同時に、均一に照射することが可能となり、一台の電子線照射装置によって、電子線照射の均一化と高速処理、装置コストの低下などを達成することができる。
【0057】
また、被処理物Wに照射される電子線は、複数の電子放出源1から放出された電子線を束ねた電子線束eであるため、被処理物Wに対して照射される電子線の照射分布は、平均化の効果により平坦化される。また、電子線の照射の品質面でも均質化される。
【0058】
上述の電子線照射装置による電子線照射の技術の適用は、被処理物Wの表面処理や表面改質の効果が得られることから、大気中に置かれた被処理物Wに電子線を照射し、電子線のエネルギーを利用して高分子化合物に架橋や重合などの反応を起こさせ、フィルムの改質、インキの乾燥あるいはオーバコート樹脂の硬化への応用等の製造工程に用いることができる。
【0059】
また、飲料用や医療用に使用されている容器の滅菌の際、特に容器の外面だけでなく内面をも滅菌する場合にも用いることができる。
【0060】
また、具体的な一例として、有機ELの製造工程に適用した一例について説明する。
【0061】
例えば、特開2002−163931号公報に開示されているような、有機EL(エレクトロルミネセンス)の製造方法に適用できる。
【0062】
この有機ELは、陽極材として積層フィルムの片面に透明導電層が形成されてなる透明導電性フィルムとして使用している。
【0063】
その製造方法を図5乃至図6を参照して説明すると、透明導電性フィルム及びそれを用いた有機EL素子は以下の工程によって製造される。まず、透光性フィルム31に電子線硬化性樹脂層32を、その材料に応じて抵抗加熱蒸着法、フラッシュ蒸着法、電子線蒸着法、スパッタリング法等の蒸着法で成膜する。なかでもフラッシュ蒸着法により成膜することが好ましい。有機物を分解、重合させることなく瞬時に蒸発させることができ高純度の膜が得られるからである。
【0064】
次に、電子線硬化性樹脂層32が成膜されたフィルムと他のフィルムを張り合わせる。次に、上述の電子線照射装置により電子線を照射し、電子線硬化性樹脂層32を硬化させる。以上の工程を目的に応じて繰り返して二層以上のフィルムを積層し、積層フィルム33を形成する。
【0065】
次に、スパッタリング法等により積層フィルム33の片面に透明導電層34を形成する。透明陽極層の材料としては、金属薄膜やITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物等が使用できる。
【0066】
上述の、透光性フィルム31に電子線硬化性樹脂層32を成膜する工程、透光性フィルム31を貼り合わせ積層する工程、電子線硬化性樹脂層32を硬化させ接着させる工程、および、積層フィルム33の片面に透明導電層34を形成する工程は大気中で行っても良いが、異物の混入やガス発生等を防ぐためには、真空中で連続して行うことがより好ましい形態である。これらの工程により透明導電性フィルム36が得られる。
【0067】
次に、図6に構成図を示すように、この透明導電性フィルム36に、正孔輸送層および電子輸送発光層等からなる発光媒体層37並びに陰極層38を順次成膜し、有機EL素子を作製することができる。また、発光媒体層並びに陰極層を製膜する前に、透明導電層をフォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法でパターニングすれば、パターニングされた有機EL素子を作製できる。
【0068】
次に、上述の電子放出源1を用いた電子線描画装置について説明する。
【0069】
図7は、本発明の実施の形態に係る電子線描画装置における電子銃とビーム光学系の構成を示す説明図である。
【0070】
図7の構成では、電子放出源1である複数のマイクロエミッタ型電子銃1aから放出される各電子線(電子線束)eの光軸上に、静電式主偏向対物レンズ53、偏向器54、XYステージ(不図示)が配置されている。なお、静電収束方式の静電式主偏向対物レンズ53の代わりに、電磁収束方式の電磁式主偏向対物レンズを用いることもできる。複数のマイクロエミッタ型電子銃1aは後述するように同一平面にアレイ状に配置され、マイクロエミッタ・アレイを構成している。各マイクロエミッタ型電子銃1aは、図3に示したように、エミッタ(カソード)21、グリッド22、ブランキングアパーチャ(グリッド)23、レンズ24から構成されている。上記XYステージ上には、被処理物Wであるウエハが載置されている。複数のマイクロエミッタ型電子銃1aの配置は、図1に示した通りの千鳥格子状の配置で高密度配置を可能にしている。
【0071】
図8は、上記電子線描画装置の構造を示す概念図である。図8において、パターン設計データ81が入力されるパターン生成回路82には、ブランキング制御回路83とレンズ制御回路84が接続されている。エミッション制御回路85、ブランキング制御回路83、及びレンズ制御回路84は、マイクロエミッタ・アレイ90をなす各マイクロエミッタ型電子銃1aに接続されており、さらにレンズ制御回路84は静電式主偏向対物レンズ53に接続されている。また、ステージ制御回路86は、XYステージ91、ブランキング制御回路83、及びトラッキング制御回路87に接続されており、トラッキング制御回路87は偏向器54に接続されている。
【0072】
図9は、電子線描画装置の構成を示すブロック図である。図9において図8と同一な部分には同符号を付してある。図9において、パターン設計データ81が入力されるパターン生成回路82には、エミッション制御回路85、ブランキング制御回路83、レンズ制御回路84、及びステージ制御回路86が接続されている。
【0073】
エミッション制御回路85は、各マイクロエミッタ型電子銃1aのエミッタ21とグリッド22に接続している。ブランキング制御回路83は、ブランキングアンプ111を介して各マイクロエミッタ型電子銃1aのブランキングアパーチャ23に接続している。レンズ制御回路84は、レンズアンプ112を介して各マイクロエミッタ型電子銃1aの静電式レンズ24と静電式主偏向対物レンズ53に接続している。ステージ制御回路86は、XYステージ91に接続しているとともに、トラッキング制御回路87と偏向器アンプ113を介して偏向器54に接続している。
【0074】
パターン生成回路82は、パターン設計データ81とエミッション制御回路85から入力したエミッション情報とを基に、ブランキング制御回路83に各マイクロエミッタ型電子銃1aのブランキング動作をさせ、各マイクロエミッタ型電子銃1aの点灯制御を行なう。ブランキング制御回路83は、ステージ制御回路86からトラッキング情報を入力し、ブランキングアンプ111を介して、各マイクロエミッタ型電子銃1aのブランキングアパーチャ23に印加する電圧を制御する。すなわちブランキング制御回路83は、各マイクロエミッタ型電子銃1aの各エミッタ21毎に、設置されたブランキング電極23とエミッタアレイ上のブランキング用配線に印加する電圧を制御する。
【0075】
またパターン生成回路82は、ステージ制御回路86にコントロール情報を出力する。ステージ制御回路86は、トラッキング情報をブランキング制御回路83とトラッキング制御回路87へ出力する。トラッキング制御回路87は、偏向器54アンプ113を介して、偏向器54を制御する。レンズ制御回路84は、レンズアンプ112を介して、各マイクロエミッタ型電子銃1aの静電式レンズ24と静電式主偏向対物レンズ53を制御する。
【0076】
次に、以上のように構成された電子線描画装置の動作を、図10を参照して説明する。一例として、ウエハ6を搭載したXYステージ91が100mm/secで移動する場合の描画方法と描画時間の見積を以下に示す。
【0077】
まず、マイクロエミッタ・アレイによるライン描画を例にして、本実施の形態による描画方法を説明する。ラインAは、まずマイクロエミッタ型電子銃1a(0,0)、マイクロエミッタ型電子銃1a(1,0)、…マイクロエミッタ型電子銃1a(n,0)を同時に点灯させることで、点線状に描画される。次に、連続移動しているXYステージ91が2.5μm移動に達した時点で、マイクロエミッタ型電子銃1a(0,1)、マイクロエミッタ型電子銃1a(1,1)、…マイクロエミッタ型電子銃1a(m,1)を同時に点灯させる事によりラインA−mが描画される。これを2.5μmピッチで50回繰返し行なうことで、直線状のラインAが描画される。つまり、ステージ移動が1.25μm×50回=62.5μm完了した時点で、ラインAはステージ移動方向に対して直交する方向に2.5mmのストライプ幅で完成する。
【0078】
次に、描画時間の見積を説明する。2.5mmストライプ幅で200mm(ウエハ長さ)を描画するための時間は、0.5μsec(ショットインターバル=セトリング+ショット時間+待ち時間)×200mm(ウエハ最大長さ)/0.05μm(エミッタピッチ)=2secである。ウエハ全体の描画時間は、ウエハを200×200mmとすると、ストライプの長さ方向に対して直交する方向200mmにおけるストライプの本数は、ストライプ幅が2.5mmであるから、200mm/2.5mm=80本である。よって、ウエハ全体の描画時間は2sec×80本=160sec=2.7分/枚である。スループット換算では、22枚/時間となる。先にウエハを200×200mmと仮定したが、φ200との比率は約80%であるから、22枚/時間×1.25=27.5枚/時間となる。これは、従来実用化されている電子線描画装置を凌駕するスループットである。
【0079】
なお、図10では、ライン間のピッチは0.1μm(ライン間隔=0.05μm)となっている。これは、ブランキング制御回路83によって制御されるブランキング電圧が必要な電圧値に昇圧するまでに要する時間であるセトリング時間と、実ショット時間と、ステージ移動速度とにより、制御可能な最小間隔として決定される。
【0080】
本実施の形態では、説明を分かりやすくするために、XYステージ91の移動速度を100mm/secとし、ショットインターバル(ショット時間+セトリング時間+待ち時間)を0.5μsecとした場合について記述した。つまり、XYステージ91の移動速度が100mm/secの時に、ウエハ6は0.5μsecあたり0.05μm移動する事を示している。このうち実ショット時間は0.05μsec程度であり、ショット中のステージ移動(描画パターンの裾引き)は0.005μm、すなわち5nm程度となり、十分に高精度な描画を行なうことができる。
【0081】
次に、ショットの制御について、図9を基にブランキング動作を説明する。ショットは、常時点灯しているマイクロエミッタ型電子銃1aの個々に設けられたブランキングアパーチャ(電極)23へ印加するブランキング電圧を制御することで行なう。描画を行なう時は、パターン設計データ81とエミッション制御回路85により制御されて点灯しているマイクロエミッタ型電子銃1aの電流密度やグリッド電圧の情報とから、パターン生成回路82で、XYステージ91の移動速度を決定するとともに、ショット時間やショット待ち時間などのショットインターバルと、電子を照射するマイクロエミッタ型電子銃1aが決定される。
【0082】
この情報は、既に移動中のXYステージ91のトラッキング情報とともにブランキング制御回路83に送られ、描画したショットが高精度に繋がるようにブランキングのタイミングが演算されて、ブランキング指令値がブラナンキングアンプ111に送られる。ブランキングアンプ111は、送られた指令値に基づいてブランキング電圧をブランキングアパーチャ23に印加する。これによりブランキングが行なわれ、その結果、任意のパターンに成形されたビームが被処理物Wであるウエハ上に照射される。
【0083】
また、パターン生成回路82により求められたエミッタの点灯制御において、ブランキングの他、ショットサイズ、照射エリアの形状変更を行なう指令値がレンズ制御回路84に送られる。レンズ制御回路84は、各マイクロエミッタ型電子銃1aのエミッタ21で生成されるビームサイズとパターンサイズとを適切な形状サイズに変更するために、適切なタイミングで、レンズアンプ112にレンズ励起条件の指令値を送る。レンズアンプ112は、この指令値によりレンズ励起条件を変更してレンズ24と対物レンズ53を駆動する。
【0084】
また、トラッキング制御回路87は、ステージ制御回路86より送られるトラッキング情報により、電子線の光路上の偏向器54を制御して照射位置のトラッキング補正を行こない、ショットが高精度に繋がるようにビーム照射位置を制御する。
【0085】
なお、ブランキング電圧として+Vを印加することで、ビーム偏向によるブランキングが行なえる。また、ブランキング電圧として−Vを印加することで、エミッタ先端の電界集中が緩和され、エミッションOFFによるブランキングが行なえる。
【0086】
高速ブランキングアンプにおける既存技術では、0.1μsec程度のセトリング時間は十分に達成されており、XYステージ91の移動速度100mm/secにおける移動量はセトリング時間中には0.01μmとなり、この場合に10nm間隔でラインを描画することが可能である。
【0087】
次に、描画精度(ショット繋ぎ精度)について説明する。前述したようにパターンは各マイクロエミッタ型電子銃1aの千鳥格子状の配置により、それぞれ別の時間に別のステージ位置での描画(ショット)が繰返されて、徐々に繋がってゆく。ショット間の繋ぎを高精度で行なうことは、微細配線描画では重要となる。本実施の形態では、XYステージ91の移動時の現在位置をレーザ干渉計を使った既知の方法により検出する。そして、この位置情報を元にトラッキング補正を行ない、トラッキング制御回路87と電子線の経路中に設けた偏向器54により、ビーム照射位置のトラッキング補正を実施することで、高精度なショット繋ぎ精度を確保している。
【0088】
次に、ショットするビームサイズと照射エリアの変更について説明する。各マイクロエミッタ型電子銃1aの静電式レンズ24と静電式主偏向対物レンズ53の励起バランスを変更することで、照射エリアの大きさを変更することなくショットサイズを変更すること、また照射エリアの大きさを変更しショットサイズを変更しないこと、あるいは両者を変更することが可能である。
【0089】
また、以上のように構成された電子線描画装置において、同一構成のマイクロエミッタ型電子銃1aを多数アレイ状に配置することで、予備のマイクロエミッタ型電子銃1aのアレイとして使用することも可能である。何らかの原因で、マイクロエミッタ型電子銃1aのうち故障したエミッタが生じた場合、エミッタレイ駆動回路を予備側に切り替えることで、即座に描画を再開することができるため、装置の解体/修理/調整などの事態を回避することが可能になる。
【0090】
上述の実施の形態によれば、0.05μmデザインルール以上の任意パターン成形において、ビーム成形絞りをあらかじめに用意する必要が全く、無いマスクレス描画を可能にし、空間電荷効果による解像性の劣化を全く受けずに、すべて同一のスループットを確保することができる。
【0091】
また、レジスト感度を低下させても必要十分なスループットを維持しうるため、ショットノイズあるいはカンタムノイズと呼ばれるような、現像処理後のレジスト・ラフネスに関与するような成形パターンのヨタリ不良を回避することが可能となり、微細配線パターンのリソグラフィの品位の向上が可能となる。
【0092】
以上に説明したように、上述の各実施の形態によれば、電子放出源に複数のマイクロエミッタ型電子銃1aを用いているので、大きな照射領域に大電流の照射をおこなうことができる電子線照射装置や、空間電荷効果による解像度の低下を防止しつつ大電流ビームを用いて高解像度の描画を可能にする電子線描画装置を実現することができる。
【0093】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】複数のマイクロエミッタ型電子銃によるエミッタレイ・レイアウトを示す配置図。
【図2】本発明の電子線照射装置の構造の一実施の形態を示す模式図。
【図3】マイクロエミッタ型電子銃の模式図。
【図4】(a)電子線束の飛翔状態を説明する模式側面図、(b)その模式平面図。
【図5】有機ELの製造工程の説明図。
【図6】有機ELの製造工程の説明図。
【図7】本発明の実施の形態に係る電子線描画装置における電子銃とビーム光学系の構成を示す説明図。
【図8】電子線描画装置の構造を示す概念図。
【図9】ブランキング動作の説明図。
【図10】電子線描画装置の動作の説明図。
【図11】従来の電子線照射装置の概略断面図。
【図12】従来の電子線描画装置の概念図。
【図13】従来の電子線描画装置の電子光学系の概念図。
【符号の説明】
【0095】
1…電子放出源、1a…マイクロエミッタ型電子銃、10…電子光学系、11…電子光学系コラム、13…ブランキング電極、14…加速用電極、15…集束電極、16…電子線取出し窓、21…エミッタ、22…グリッド、23…ブランキングアパーチャ、24…レンズ、53…対物レンズ、54…偏向器、91…XYステージ




 

 


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