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発明の名称 原子炉起動監視装置および原子炉起動監視方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2005−24465(P2005−24465A)
公開日 平成17年1月27日(2005.1.27)
出願番号 特願2003−192340(P2003−192340)
出願日 平成15年7月4日(2003.7.4)
代理人
発明者 北薗 秀亨 / 泉 幹雄 / 垂水 輝次
要約 課題
より簡易な構成で、より正確かつリアルタイムでパルス計測処理を実行することが可能な原子炉起動監視装置および原子炉起動監視方法である。

解決手段
原子炉起動監視装置20は、原子炉圧力容器内の中性子束を計測する放射線センサ21と、この放射線センサ21から検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するアナログフィルタ手段22と、このアナログフィルタ手段22からアナログの前記電気信号を受けてディジタル信号に変換するディジタル変換手段23と、このディジタル変換手段23から前記電気信号のディジタル信号を受けて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するパルス計数手段27と、このパルス計数手段27から所要の情報を受けて前記原子炉の原子炉出力を監視する原子炉出力監視手段26とを備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を計測する放射線センサと、この放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するアナログフィルタ手段と、このアナログフィルタ手段からアナログの前記電気信号を受けてディジタル信号に変換するディジタル変換手段と、このディジタル変換手段から前記電気信号のディジタル信号を受けて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するパルス計数手段と、このパルス計数手段から所要の情報を受けて前記原子炉の原子炉出力を監視する原子炉出力監視手段とを備え、前記ディジタル変換手段は、nをn≧1を満たす整数としてアナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/(n+1)以上1/n未満のサンプリング間隔でサンプリングする一方、前記パルス計数手段は、kをk≧1を満たす整数、mをm≧n+2を満たす整数、pを1≦p≦(m−n−1)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記ディジタル変換手段から受けたk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数1】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するように構成したことを特徴とする原子炉起動監視装置。
【請求項2】
原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を計測する放射線センサと、この放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するアナログフィルタ手段と、このアナログフィルタ手段からアナログの前記電気信号を受けてディジタル信号に変換するディジタル変換手段と、このディジタル変換手段から前記電気信号のディジタル信号を受けて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するパルス計数手段と、このパルス計数手段から所要の情報を受けて前記原子炉の原子炉出力を監視する原子炉出力監視手段とを備え、前記ディジタル変換手段は、アナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/2以上1未満のサンプリング間隔でサンプリングする一方、前記パルス計数手段は、kをk≧1を満たす整数、mをm≧3を満たす整数、pを1≦p≦(m−2)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記ディジタル変換手段から受けたk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数2】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するように構成したことを特徴とする原子炉起動監視装置。
【請求項3】
原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を計測する放射線センサと、この放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するアナログフィルタ手段と、このアナログフィルタ手段からアナログの前記電気信号を受けてディジタル信号に変換するディジタル変換手段と、このディジタル変換手段から前記電気信号のディジタル信号を受けて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するパルス計数手段と、このパルス計数手段から所要の情報を受けて前記原子炉の原子炉出力を監視する原子炉出力監視手段とを備え、前記ディジタル変換手段は、アナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/3以上1/2未満のサンプリング間隔でサンプリングする一方、前記パルス計数手段は、kをk≧1を満たす整数、mをm≧4を満たす整数、pを1≦p≦(m−3)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記ディジタル変換手段から受けたk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数3】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するように構成したことを特徴とする原子炉起動監視装置。
【請求項4】
原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を計測する放射線センサと、この放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するアナログフィルタ手段と、このアナログフィルタ手段からアナログの前記電気信号を受けてディジタル信号に変換するディジタル変換手段と、このディジタル変換手段から前記電気信号のディジタル信号を受けて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するパルス計数手段と、このパルス計数手段から所要の情報を受けて前記原子炉の原子炉出力を監視する原子炉出力監視手段とを備え、前記ディジタル変換手段は、nをn≧1を満たす整数としてアナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/(n+1)以上1/n未満のサンプリング間隔でサンプリングする一方、前記パルス計数手段は、kをk≧1を満たす整数、mをm≧n+2を満たす整数、pを1≦p≦(m−n−1)を満たす整数として任意に設定するとともに(p+n)個の定数C(0)、C(1)、…、C(p+n−1)並びに(m−p)個の定数D(p)、D(p+1)、…、D(m−1)をそれぞれ設定し、前記ディジタル変換手段から受けたk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数4】


の演算を実行して演算値Out1(k)と演算値Out2(k)とを求め、得られた演算値Out1(k)と演算値Out2(k)とに基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するように構成したことを特徴とする原子炉起動監視装置。
【請求項5】
前記パルス計数手段は、前記演算値Out1(k)および演算値Out2(k)に加え、qをq≧3を満たす整数として3番目からq番目までの複数の同様の演算式を設定し、各演算式の演算値Out1(k)、Out2(k)、Out3(k)、Out4(k)、…、Outq(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するように構成したことを特徴とする請求項4記載の原子炉起動監視装置。
【請求項6】
前記パルス計数手段は、前記検出器出力パルスのパルス計数率が増加すると、mの値をより小さく設定する一方、前記検出器出力パルスのパルス計数率が減少すると、mの値がより大きくなるように調節するように構成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子炉起動監視装置。
【請求項7】
前記パルス計数手段は、前記演算値の2乗値から回路ノイズ成分に相当する値を減じて得られた値に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するように構成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子炉起動監視装置。
【請求項8】
前記アナログフィルタ手段からアナログの前記電気信号を受けて前記電気信号の波高値と予め設定された波高値とを比較することにより前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するパルス波高比較手段を設け、前記原子炉出力監視手段は前記パルス計数手段および前記パルス波高比較手段の少なくとも一方から所要の情報を受けて前記原子炉の原子炉出力を監視するように構成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子炉起動監視装置。
【請求項9】
前記パルス計数手段は、前記電気信号に含まれるノイズ成分を識別して計数し、前記検出器出力パルスの計数値を補正するように構成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子炉起動監視装置。
【請求項10】
前記ディジタル変換手段のサンプリング間隔を、一定の値以上となるように設定し、前記電気信号に含まれるノイズ成分の誤計数を抑制するように構成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子炉起動監視装置。
【請求項11】
原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を放射線センサで計測するステップと、前記放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するステップと、整形された前記電気信号のアナログ信号を、nをn≧1を満たす整数として前記検出器出力パルスのパルス幅の1/(n+1)以上1/n未満のサンプリング間隔でサンプリングすることによりディジタル信号に変換するステップと、kをk≧1を満たす整数、mをm≧n+2を満たす整数、pを1≦p≦(m−n−1)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記電気信号のディジタル信号のうちk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数5】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するステップと、前記検出器出力パルスのパルス数に関する所要の情報に基づいて前記原子炉の原子炉出力を監視するステップとを備えることを特徴とする原子炉起動監視方法。
【請求項12】
原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を放射線センサで計測するステップと、前記放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するステップと、整形されたアナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/2以上1未満のサンプリング間隔でサンプリングすることによりディジタル信号に変換するステップと、kをk≧1を満たす整数、mをm≧3を満たす整数、pを1≦p≦(m−2)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記電気信号のディジタル信号のうちk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数6】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するステップと、前記検出器出力パルスのパルス数に関する所要の情報に基づいて前記原子炉の原子炉出力を監視するステップとを備えることを特徴とする原子炉起動監視方法。
【請求項13】
原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を放射線センサで計測するステップと、前記放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するステップと、整形されたアナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/3以上1/2未満のサンプリング間隔でサンプリングすることによりディジタル信号に変換するステップと、kをk≧1を満たす整数、mをm≧4を満たす整数、pを1≦p≦(m−3)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記電気信号のディジタル信号のうちk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数7】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するステップと、前記検出器出力パルスのパルス数に関する所要の情報に基づいて前記原子炉の原子炉出力を監視するステップとを備えることを特徴とする原子炉起動監視方法。
【請求項14】
原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を放射線センサで計測するステップと、前記放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するステップと、整形されたアナログの前記電気信号を、nをn≧1を満たす整数として前記検出器出力パルスのパルス幅の1/(n+1)以上1/n未満のサンプリング間隔でサンプリングすることによりディジタル信号に変換するステップと、kをk≧1を満たす整数、mをm≧n+2を満たす整数、pを1≦p≦(m−n−1)を満たす整数として任意に設定するとともに(p+n)個の定数C(0)、C(1)、…、C(p+n−1)並びに(m−p)個の定数D(p)、D(p+1)、…、D(m−1)をそれぞれ設定し、前記電気信号のディジタル信号のうちk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数8】


の演算を実行して演算値Out1(k)と演算値Out2(k)とを求め、得られた演算値Out1(k)と演算値Out2(k)とに基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するステップと、前記検出器出力パルスのパルス数に関する所要の情報に基づいて前記原子炉の原子炉出力を監視するステップとを備えることを特徴とする原子炉起動監視方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉等の原子炉に設けられる原子炉起動監視装置および原子炉起動監視方法に係り、特に、原子炉圧力容器に設けられる放射線センサからの検出器出力パルス信号を処理することにより原子炉出力を計測ないし監視するディジタル式の原子炉起動監視装置および原子炉起動監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、沸騰水型原子炉等の原子炉には、原子炉出力を計測あるいは監視するための起動領域モニタとして、例えば図8に示すアナログ式の原子炉起動監視装置1が設けられる。従来の原子炉起動監視装置1は、放射線センサとして図示しない原子炉圧力容器内に設けられた例えば6〜10本のSRNM(運転開始領域中性子束検出器;Start up Ranged Neutron Monitor)2、アナログ増幅器3、信号処理系としてのパルス計測系4およびキャンベル計測系5並びに原子炉出力監視手段6で構成される。アナログ増幅器3はSRNM2に接続され、パルス計測系4およびキャンベル計測系5はアナログ増幅器3に並列接続される。さらにパルス計測系4およびキャンベル計測系5は共通の原子炉出力監視手段6と接続される。
【0003】
パルス計測系4は、パルス波高比較器7とパルス計測評価手段8とを接続した構成であり、パルス波高比較器7はアナログ増幅器3と接続される一方、パルス計測評価手段8は原子炉出力監視手段6と接続される。
【0004】
キャンベル計測系5は、複数の増幅器、例えば小ゲイン増幅器9、中ゲイン増幅器10および大ゲイン増幅器11を並列接続した構成である。小ゲイン増幅器9、中ゲイン増幅器10および大ゲイン増幅器11には、それぞれMS(Mean Square)演算素子12、13、14が接続され、各MS演算素子12、13、14は共通のキャンベル計測評価手段15と接続される。さらに、小ゲイン増幅器9、中ゲイン増幅器10および大ゲイン増幅器11は共通のアナログ増幅器3と接続される一方、キャンベル計測評価手段15は原子炉出力監視手段6と接続される。
【0005】
そして、従来のアナログ式の原子炉起動監視装置1では、SRNM2により原子炉圧力容器内の中性子束が検出され、検出結果が検出器出力パルスを含む電気信号としてアナログ増幅器3に与えられる。アナログ増幅器3はSRNM2の検出器出力パルスを含む電気信号を増幅および整形してパルス計測系4およびキャンベル計測系5に与える。
【0006】
原子炉の起動時のように原子炉出力が10−9%〜10−4%でありSRNM2における中性子束の検出器出力が低い場合には、アナログ増幅器3により、パルス計測系4のパルス波高比較器7における信号処理に最適な信号レベルに調整される。そして、パルス計測系4において電気信号に含まれるSRNM2の検出器出力パルスの個数を正確に計数するパルス計測処理が実行されて原子炉出力が監視される。
【0007】
すなわち、パルス波高比較器7は、アナログ増幅器3から受けた電気信号の波高値と予め設定された波高値とを比較し、電気信号の波高値が設定された波高値以上となる数を検出器出力パルスのパルス数として計測してパルス計測評価手段8に与える。パルス計測評価手段8は計測された検出器出力パルスのパルス数を原子炉出力の出力レベルに変換することにより、原子炉の低出力時における原子炉出力を評価し、評価結果を原子炉出力監視手段6に与える。
【0008】
一方、原子炉出力が10−5%〜10%の範囲でありSRNM2の検出器出力が高い場合には、キャンベル計測系5において、SRNM2の検出器出力パルスの重なりで生じるゆらぎ成分のパワーを測定するいわゆるキャンベル法の原理に基づくキャンベル計測処理が実行される。キャンベル計測系5におけるキャンベル計測の計測範囲は、最大5桁の計測値となり広いため、複数の計測系により計測範囲が分割されてSRNM2の検出器出力の全範囲が計測される。
【0009】
すなわち、小ゲイン増幅器9、中ゲイン増幅器10および大ゲイン増幅器11は、アナログ増幅器3から受けた検出器出力パルスを含む電気信号をそれぞれ増幅率の異なる条件で増幅あるいは減衰させることにより特定の周波数帯域に制限して各MS演算素子12、13、14に与える。各MS演算素子12、13、14は、特定の周波数帯域に制限された検出器出力パルスを含む電気信号の2乗平均根値をそれぞれ算出してキャンベル計測評価手段15に与える。キャンベル計測評価手段15は、検出器出力パルスを含む電気信号の各2乗平均根値から最適値を選択して原子炉の高出力時における原子炉出力を評価し、評価結果を原子炉出力監視手段6に与える。
【0010】
さらに、原子炉出力監視手段6は、パルス計測系4およびキャンベル計測系5からそれぞれ受けた原子炉出力の評価結果に基づいて原子炉の少なくとも起動時の原子炉出力を連続的に監視および評価する。
【0011】
尚、キャンベル計測系5の増幅器を複数とせずに1つの対数増幅器とすることも可能であるが、近年では増幅器の温度特性等の観点により計測範囲を分割するケースが多く採用される。
【0012】
しかし、従来のアナログ式の原子炉起動監視装置1は、SRNM2の検出器出力パルスをアナログ回路で信号処理する構成であるため、SRNM2の内部の放電により発生する放電パルスや、原子炉起動監視装置1近傍における電磁誘導に伴って発生するノイズの影響を受け、パルスの大きさのみに基づく計数では誤差を生じる恐れがある。このため、SRNM2の検出器出力パルスの波形情報を必ずしも十分に活用できないという問題があった。
【0013】
そこで、従来の原子炉起動監視装置1においては、信号ケーブルにシールド処理を施すことにより、外来ノイズの誘導を回避させる方法や、検出器出力パルスの波形とノイズによる誤パルスの波形との違いから補正する方法が採用される。
【0014】
また、従来の原子炉起動監視装置1においては、SRNM2に封入されるガスのリークや電極間隔の異常により、SRNM2の検出器出力パルスの波形が変化する恐れがある。このため、検出器出力パルスの波形を監視し、波形の異常が検出されるが、波形異常が検出されてSRNM2を診断する際、検出器出力パルスの計測処理を中断する必要がある。
【0015】
さらに、キャンベル計測とパルス計測とを同時に行うために、専用の回路を設ける必要があり、回路規模の増加という問題が生じるのみならず、回路構成の複雑化とともに保守点検作業も複雑化するという問題が発生する。
【0016】
そこで、このような従来のアナログ式の原子炉起動監視装置1における誤計測等の問題点を解決するために、近年、図9に示すディジタル式の原子炉起動監視装置1Aが提案される(例えば特許文献1参照)。
【0017】
従来のディジタル式の原子炉起動監視装置1Aは、パルス計測系4Aおよびキャンベル計測系5Aの構成がアナログ式の原子炉起動監視装置1と異なる。
【0018】
原子炉起動監視装置1Aのパルス計測系4Aは、第1のA/D変換器16、パルス計数手段17およびパルス計測評価手段8を直列接続した構成であり、第1のA/D変換器16がアナログ増幅器3と接続される一方、パルス計測評価手段8が原子炉出力監視手段6と接続される。
【0019】
また、キャンベル計測系5Aは、小ゲイン増幅器9、中ゲイン増幅器10および大ゲイン増幅器11を共通の第2のA/D変換器18と接続し、第2のA/D変換器18をキャンベル計測評価手段15と接続した構成である。小ゲイン増幅器9、中ゲイン増幅器10および大ゲイン増幅器11は、アナログ増幅器3と接続される一方、キャンベル計測評価手段15が原子炉出力監視手段6と接続される。
【0020】
パルス計測系4Aの第1のA/D変換器16は、アナログ増幅器3により増幅されたSRNM2からの検出器出力パルスを含む電気信号をパルス幅よりも短い間隔でサンプリングすることによりA/D変換し、得られたサンプリング値をパルス計数手段17に与える。
【0021】
パルス計数手段17は、サンプリング値から電気信号に含まれる検出器出力パルスのパルス数を計数して、パルス計測評価手段8に与える。パルス計数手段17は、パルス数を計数する際、サンプリング値を用いて検出器出力パルスの波高値のみならず、他の波形の特徴に基づく演算処理を実行して検出器出力パルスを認識するように構成されるため、ノイズ等の信号を排除して電気信号から検出器出力パルスのみを適切に計数することができる。
【0022】
パルス計測評価手段8は、検出器出力パルスのパルス数を原子炉出力の出力レベルに変換することにより、原子炉の低出力時における原子炉出力を評価し、評価結果を原子炉出力監視手段6に与える。
【0023】
一方、キャンベル計測系5Aの小ゲイン増幅器9、中ゲイン増幅器10および大ゲイン増幅器11は、アナログ増幅器3により増幅されたSRNM2の検出器出力パルスを含んだ電気信号を複数の増幅率の異なる条件で増幅あるいは減衰させて、第2のA/D変換器18にそれぞれ与える。第2のA/D変換器18は、小ゲイン増幅器9、中ゲイン増幅器10および大ゲイン増幅器11からそれぞれ受けた電気信号をA/D変換し、得られたサンプリング値をキャンベル計測評価手段15に与える。
【0024】
キャンベル計測評価手段15は、サンプリング値に基づいて特定の周波数帯域のパワーに相当する2乗平均値を計算して原子炉の高出力時の出力を評価し、その評価結果を原子炉出力監視手段6に与える。キャンベル計測評価手段15では、A/D変換後の周波数帯域を制限して、サンプリング値の2乗平均値が演算されるが、この演算はソフトウェア上の計算で処理できるため、測定周波数帯域を容易に変更できるという利点が得られる。
【0025】
【特許文献1】
特開平9−274095号公報(第5頁−第9頁、図1)
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディジタル式の原子炉起動監視装置1Aにおいては、パルス計測処理を実行する際、リアルタイムで処理するためにはサンプリング点数を少なくする必要がある。このため、リアルタイムでパルス計測処理を実行する場合には検出器出力パルスの波高データにばらつきが生じる。
【0027】
また、原子炉起動監視装置1Aにおいて、パルス計測処理を実行する際、放射線センサであるSRNM2の入力信号の周波数帯域と同じ周波数帯域のノイズを除去することができない。
【0028】
さらに、原子炉起動監視装置1Aでは、放射線センサの種類が異なる場合、パルス計測処理において検出器出力パルスの波高分布特性に違いが生じるという問題がある。
【0029】
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、より簡易な構成で、より正確かつリアルタイムでパルス計測処理を実行することが可能なディジタル式の原子炉起動監視装置および原子炉起動監視方法を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る原子炉起動監視装置は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を計測する放射線センサと、この放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するアナログフィルタ手段と、このアナログフィルタ手段からアナログの前記電気信号を受けてディジタル信号に変換するディジタル変換手段と、このディジタル変換手段から前記電気信号のディジタル信号を受けて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するパルス計数手段と、このパルス計数手段から所要の情報を受けて前記原子炉の原子炉出力を監視する原子炉出力監視手段とを備え、前記ディジタル変換手段は、nをn≧1を満たす整数としてアナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/(n+1)以上1/n未満のサンプリング間隔でサンプリングする一方、前記パルス計数手段は、kをk≧1を満たす整数、mをm≧n+2を満たす整数、pを1≦p≦(m−n−1)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記ディジタル変換手段から受けたk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数9】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するように構成したことを特徴とするものである。
【0031】
また、本発明に係る原子炉起動監視装置は、上述の目的を達成するために、請求項2に記載したように、原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を計測する放射線センサと、この放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するアナログフィルタ手段と、このアナログフィルタ手段からアナログの前記電気信号を受けてディジタル信号に変換するディジタル変換手段と、このディジタル変換手段から前記電気信号のディジタル信号を受けて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するパルス計数手段と、このパルス計数手段から所要の情報を受けて前記原子炉の原子炉出力を監視する原子炉出力監視手段とを備え、前記ディジタル変換手段は、アナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/2以上1未満のサンプリング間隔でサンプリングする一方、前記パルス計数手段は、kをk≧1を満たす整数、mをm≧3を満たす整数、pを1≦p≦(m−2)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記ディジタル変換手段から受けたk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数10】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するように構成したことを特徴とするものである。
【0032】
また、本発明に係る原子炉起動監視装置は、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を計測する放射線センサと、この放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するアナログフィルタ手段と、このアナログフィルタ手段からアナログの前記電気信号を受けてディジタル信号に変換するディジタル変換手段と、このディジタル変換手段から前記電気信号のディジタル信号を受けて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するパルス計数手段と、このパルス計数手段から所要の情報を受けて前記原子炉の原子炉出力を監視する原子炉出力監視手段とを備え、前記ディジタル変換手段は、アナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/3以上1/2未満のサンプリング間隔でサンプリングする一方、前記パルス計数手段は、kをk≧1を満たす整数、mをm≧4を満たす整数、pを1≦p≦(m−3)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記ディジタル変換手段から受けたk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数11】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するように構成したことを特徴とするものである。
【0033】
また、本発明に係る原子炉起動監視装置は、上述の目的を達成するために、請求項4に記載したように、原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を計測する放射線センサと、この放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するアナログフィルタ手段と、このアナログフィルタ手段からアナログの前記電気信号を受けてディジタル信号に変換するディジタル変換手段と、このディジタル変換手段から前記電気信号のディジタル信号を受けて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するパルス計数手段と、このパルス計数手段から所要の情報を受けて前記原子炉の原子炉出力を監視する原子炉出力監視手段とを備え、前記ディジタル変換手段は、nをn≧1を満たす整数としてアナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/(n+1)以上1/n未満のサンプリング間隔でサンプリングする一方、前記パルス計数手段は、kをk≧1を満たす整数、mをm≧n+2を満たす整数、pを1≦p≦(m−n−1)を満たす整数として任意に設定するとともに(p+n)個の定数C(0)、C(1)、…、C(p+n−1)並びに(m−p)個の定数D(p)、D(p+1)、…、D(m−1)をそれぞれ設定し、前記ディジタル変換手段から受けたk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数12】


の演算を実行して演算値Out1(k)と演算値Out2(k)とを求め、得られた演算値Out1(k)と演算値Out2(k)とに基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するように構成したことを特徴とするものである。
【0034】
また、本発明に係る原子炉起動監視方法は、上述の目的を達成するために、請求項11に記載したように、原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を放射線センサで計測するステップと、前記放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するステップと、整形されたアナログの前記電気信号をnをn≧1を満たす整数として前記検出器出力パルスのパルス幅の1/(n+1)以上1/n未満のサンプリング間隔でサンプリングすることによりディジタル信号に変換するステップと、kをk≧1を満たす整数、mをm≧n+2を満たす整数、pを1≦p≦(m−n−1)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記電気信号のディジタル信号のうちk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数13】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するステップと、前記検出器出力パルスのパルス数に関する所要の情報に基づいて前記原子炉の原子炉出力を監視するステップとを備えることを特徴とする方法である。
【0035】
また、本発明に係る原子炉起動監視方法は、上述の目的を達成するために、請求項12に記載したように、原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を放射線センサで計測するステップと、前記放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するステップと、整形されたアナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/2以上1未満のサンプリング間隔でサンプリングすることによりディジタル信号に変換するステップと、kをk≧1を満たす整数、mをm≧3を満たす整数、pを1≦p≦(m−2)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記電気信号のディジタル信号のうちk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数14】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するステップと、前記検出器出力パルスのパルス数に関する所要の情報に基づいて前記原子炉の原子炉出力を監視するステップとを備えることを特徴とする方法である。
【0036】
また、本発明に係る原子炉起動監視方法は、上述の目的を達成するために、請求項13に記載したように、原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を放射線センサで計測するステップと、前記放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するステップと、整形されたアナログの前記電気信号を前記検出器出力パルスのパルス幅の1/3以上1/2未満のサンプリング間隔でサンプリングすることによりディジタル信号に変換するステップと、kをk≧1を満たす整数、mをm≧4を満たす整数、pを1≦p≦(m−3)を満たす整数として任意に設定するとともにm個の定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を設定し、前記電気信号のディジタル信号のうちk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数15】


の演算を実行して演算値Out(k)を求め、得られた演算値Out(k)に基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するステップと、前記検出器出力パルスのパルス数に関する所要の情報に基づいて前記原子炉の原子炉出力を監視するステップとを備えることを特徴とする方法である。
【0037】
また、本発明に係る原子炉起動監視方法は、上述の目的を達成するために、請求項14に記載したように、原子炉における原子炉圧力容器内の中性子束を放射線センサで計測するステップと、前記放射線センサから検出器出力パルス成分を含む電気信号を受けて出力周波数帯域を制限することにより前記電気信号を整形するステップと、整形されたアナログの前記電気信号をnをn≧1を満たす整数として前記検出器出力パルスのパルス幅の1/(n+1)以上1/n未満のサンプリング間隔でサンプリングすることによりディジタル信号に変換するステップと、kをk≧1を満たす整数、mをm≧n+2を満たす整数、pを1≦p≦(m−n−1)を満たす整数として任意に設定するとともに(p+n)個の定数C(0)、C(1)、…、C(p+n−1)並びに(m−p)個の定数D(p)、D(p+1)、…、D(m−1)をそれぞれ設定し、前記電気信号のディジタル信号のうちk番目から過去の(k−m+1)番目までのm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)を用いて、
【数16】


の演算を実行して演算値Out1(k)と演算値Out2(k)とを求め、得られた演算値Out1(k)と演算値Out2(k)とに基づいて前記電気信号に含まれる前記検出器出力パルスのパルス数を計数するステップと、前記検出器出力パルスのパルス数に関する所要の情報に基づいて前記原子炉の原子炉出力を監視するステップとを備えることを特徴とする方法である。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明に係る原子炉起動監視装置および原子炉起動監視方法の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0039】
図1は本発明に係る原子炉起動監視装置の第1の実施形態を示す構成図である。
【0040】
原子炉起動監視装置20は、放射線センサの一例であるSRNM(運転開始領域中性子束検出器;Start up Ranged Neutron Monitor)21、アナログフィルタ手段の一例であるアナログ増幅器22、アナログからディジタルへの変換手段(ディジタル変換手段)の一例であるA/D(Analog/Digital)変換器23、パルス計測系24、キャンベル計測系25および原子炉出力監視手段26を備える。SRNM21、アナログ増幅器22およびA/D変換器23は、この順に直列に接続され、A/D変換器23には、パルス計測系24およびキャンベル計測系25が並列に接続される。さらに、パルス計測系24およびキャンベル計測系25は共通の原子炉出力監視手段26と接続される。
【0041】
SRNM21は、図示しない原子炉圧力容器内に例えば6〜10本設けられる。SRNM21は、原子炉出力すなわち原子炉圧力容器内における中性子束を計測する放射線センサとしての機能を有する。
【0042】
アナログ増幅器22は、SRNM21からSRNM21の検出器出力パルスを含む電気信号を入力し、検出器出力パルスの出力周波数帯域を制限することにより、入力した電気信号を整形してA/D変換器23に与える機能を有する。
【0043】
A/D変換器23は、アナログ増幅器22から受けたSRNM21の検出器出力パルスを含むアナログの電気信号を予め設定された一定のサンプリング間隔でサンプリングすることによりディジタル信号に変換する機能と、変換して得られたディジタル信号をパルス計測系24およびキャンベル計測系25に与える機能を有する。
【0044】
すなわち、アナログ増幅器22は、SRNM21の検出器出力パルスを含む電気信号がA/D変換器23において、実際とは異なる周波数に変換されるいわゆるエリアジングを回避させるアンチエリアジングフィルタ(antialiasing filter)として機能する。
【0045】
パルス計測系24は、パルス計数手段27とパルス計測評価手段28とを備える。パルス計測系24のパルス計数手段27はA/D変換器23と接続され、パルス計測評価手段28は原子炉出力監視手段26と接続される。
【0046】
パルス計測系24のパルス計数手段27は、A/D変換器23からSRNM21の検出器出力パルスを含む電気信号のディジタル信号を受けて、電気信号に含まれるSRNM21の検出器出力パルスを計数する機能と、計数して得られたSRNM21の検出器出力パルスのパルス計数値をパルス計測評価手段28に与える機能を有する。
【0047】
パルス計測系24のパルス計測評価手段28は、パルス計数手段27から受けたSRNM21の検出器出力パルスのパルス計数値を原子炉出力に変換する機能と、得られた原子炉出力が適切であるか否かを評価する機能とを有する。さらに、パルス計測評価手段28は、SRNM21の検出器出力パルスをパルス計測することにより得られた原子炉出力の評価結果を原子炉出力監視手段26に与える機能を有する。
【0048】
また、パルス計測評価手段28は、必要に応じてパルス計数手段27から所要の情報を受けて検出器出力パルスの波高分布を監視する機能を有する。
【0049】
一方、キャンベル計測系25は、和演算手段29、パワー演算手段30およびキャンベル計測評価手段31がこの順に直列接続されて備えられる。キャンベル計測系25の和演算手段29側は、A/D変換器23と接続され、キャンベル計測評価手段31側は、原子炉出力監視手段26と接続される。
【0050】
キャンベル計測系25の和演算手段29は、A/D変換器23からSRNM21の検出器出力パルスを含む電気信号のディジタル信号を受けて、よりビット数の大きい精度を有する高精度ディジタル信号に変換する機能と、得られた高精度ディジタル信号をパワー演算手段30に与える機能とを有する。
【0051】
すなわち、和演算手段29は、A/D変換器23からSRNM21の検出器出力パルスを含む電気信号のディジタル信号を受けると、ディジタル信号を構成する各サンプリング値のうち、連続する所要数個のサンプリング値を加算することにより、よりビット数の大きい精度を有する高精度ディジタル信号に変換する。
【0052】
キャンベル計測系25のパワー演算手段30は、和演算手段29から受けた高精度ディジタル信号のサンプリング値の2乗平均値を求める機能と、得られたサンプリング値の2乗平均値をキャンベル計測評価手段31に与える機能とを有する。
【0053】
キャンベル計測系25のキャンベル計測評価手段31は、パワー演算手段30から受けた高精度ディジタル信号におけるサンプリング値の2乗平均値を原子炉出力に変換する機能と、得られた原子炉出力が適切であるか否かを評価する機能とを有する。さらに、キャンベル計測評価手段31は、SRNM21の検出器出力パルスをキャンベル計測することにより得られた原子炉出力の評価結果を原子炉出力監視手段26に与える機能を有する。
【0054】
原子炉出力監視手段26は、例えばモニタで構成され、パルス計測系24のパルス計測評価手段28あるいはキャンベル計測系25のキャンベル計測評価手段31から受けた原子炉出力の評価結果を連続的に監視することができるように構成される。
【0055】
次に、パルス計測系24のパルス計数手段27によるSRNM21の検出器出力パルスの計数処理の方法について説明する。
【0056】
図2は、図1に示すSRNM21の検出器出力パルスを含む電気信号の波形とパルス計数手段27により検出器出力パルスを計数処理する際のサンプリング間隔との関係を説明するグラフである。
【0057】
図2において、横軸は時間を示し、縦軸はSRNM21の検出器出力パルスを含む電気信号の信号値を示す。さらに、図2において、点線はSRNM21の検出器出力パルスを含むアナログの電気信号Aの波形を示し、●印は、A/D変換器23においてディジタル信号に変換される際、サンプリングされて得られた検出器出力パルスを含む電気信号Aのサンプリング値Sを示す。
【0058】
また、●印に付されたS(x)(xは負でない整数)の符号は、S(x)の符号が付された●印が電気信号Aのx番目のサンプリング値S(x)であることを示している。尚、S(0)は、電気信号Aのサンプリング値Sの初期値を示す。
【0059】
図2に示すように、SRNM21から入力したアナログの電気信号Aの波形は、初期値から一定間隔負の値をとり、局所的に絶対値が大きく下に凸形状となった後、比較的絶対値が小さい正の値となって上に凸形状となり、さらにゼロ付近の値をとることが分かる。すなわち、電気信号Aには負のパルスである検出器出力パルスBが含まれることが分かる。このため、図2に示すように検出器出力パルスBのパルス幅tpを定めることができる。
【0060】
また、SRNM21から入力したアナログの電気信号Aは、A/D変換器23により一定のサンプリング間隔tsでサンプリングされ、k−1番目のサンプリング値S(k−1)、k番目のサンプリング値S(k)、k+1番目のサンプリング値S(k+1)が順次得られる。同様にk+2番目以降のサンプリング値S(x)が一定のサンプリング間隔tsでサンプリングされて順次得られる。
【0061】
A/D変換器23によるサンプリングの際、サンプリング間隔tsは、例えば、25nsecとされ、検出器出力パルスBのパルス幅tpよりも短い間隔とされる。すなわち、A/D変換器23がアナログの電気信号Aを十分な精度でサンプリングできるように、サンプリング間隔tsが十分に短い間隔に設定される。
【0062】
このため、図2の例では、検出器出力パルスBのパルス幅tpの1/2から1/3程度がサンプリング間隔tsとされ、アナログの電気信号Aからk+1番目のサンプリング値S(k+1)、k+2番目のサンプリング値S(k+2)およびk+3番目のサンプリング値S(k+3)が得られている。
【0063】
一方、パルス計測系24のパルス計数手段27は、検出器出力パルスBの計数処理を実行する演算器を備え、この演算器は、A/D変換器23のサンプリング間隔tsに応じて予め設定された検出器出力パルス選別用アルゴリズムに沿って検出器出力パルスBの計数処理を実行するように構成される。
【0064】
ここで、A/D変換器23のサンプリング間隔tsは、より短い程、単位時間あたりのサンプリング数が増加してアナログの電気信号Aからより多くのサンプリング値Sを抽出できるため、適切にアナログの電気信号Aの波形情報をディジタル信号に変換することができる。このため、A/D変換器23のサンプリング間隔tsが短い程、外来ノイズ等の要因による誤信号を除去して、検出器出力パルスBのみをアナログの電気信号Aから正確に計数することが可能となる。
【0065】
しかし、A/D変換器23のサンプリング間隔tsが短くなる程、検出器出力パルスBの計数処理に用いられるサンプリング値Sの数が増加するため、検出器出力パルスBの計数処理も煩雑となり、リアルタイムによる検出器出力パルスBの計数処理が困難となる。
【0066】
このため、検出器出力パルスBの計数処理をリアルタイムでより短時間に実行するためには、A/D変換器23により、より長いサンプリング間隔tsでサンプリングされた必要最小限のサンプリング数のサンプリング値Sに基づいて検出器出力パルスBの計数処理が可能となるようにパルス計数手段27を構成することが望ましい。
【0067】
そこで、パルス計数手段27は、A/D変換器23のサンプリング間隔tsが検出器出力パルスBのパルス幅tpの1/(n+1)以上1/n(nは正の整数)未満、好ましくはA/D変換器23のサンプリング間隔tsが検出器出力パルスBのパルス幅tpの1/3以上1/2未満あるいは1/4以上1/3未満であれば、外来ノイズ等の要因による誤信号を除去して、検出器出力パルスBのみをアナログの電気信号Aから正確に選別して計数することができるような検出器出力パルス選別用アルゴリズムに沿って検出器出力パルスBの計数処理が実行されるように構成される。
【0068】
例えば、検出器出力パルスBのパルス幅tpが約80nsecである場合には、サンプリング間隔tsが25nsec程度であればより正確に検出器出力パルスBを選別することができる。
【0069】
次に、パルス計数手段27の検出器出力パルス選別用アルゴリズムについて説明する。
【0070】
図3は、図1に示すA/D変換器23のサンプリング間隔tsがパルス幅tpの1/2以上1未満である場合において、パルス計数手段27の検出器出力パルス選別用アルゴリズムにより検出器出力パルスBの計数処理を実行する際の方法を説明する概念図である。
【0071】
図3において、実線はSRNM21から入力されたアナログの電気信号Aの概念形状を示す。さらに、図3において、●印は、A/D変換器23においてディジタル信号に変換される際、サンプリングされて得られた電気信号Aのサンプリング値Sを示す。
【0072】
また、●印に付されたS(x)(xは負でない整数)の符号は、S(x)の符号が付された●印が電気信号Aのx番目のサンプリング値S(x)であることを示している。
【0073】
A/D変換器23のサンプリング間隔tsが検出器出力パルスBのパルス幅tpの1/2以上1未満、すなわちn=1とみなせる場合には、図3に示すように、検出器出力パルスB上の1点においてサンプリング値Sが得られる。
【0074】
パルス計数手段27は、n=1の場合には、少なくとも3つ以上のm個(m≧3)のサンプリング値Sを用いて検出器出力パルスBの計数処理を実行する。すなわち、n=1の場合には、連続する3つのサンプリング値S(x−1)、S(x)、S(x+1)のうち中央のサンプリング値S(x)が検出器出力パルスB上の値であれば、前後の2つのサンプリング値S(x−1)、S(x+1)は、検出器出力パルスB上の値とはならないためである。
【0075】
パルス計数手段27は、検出器出力パルスBの計数処理を実行するために、A/D変換器23から受けたサンプリング値Sのうちk番目のサンプリング値S(k)から過去の(k−m+1)番目までのm個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、…、S(k−m+1)を抽出する。
【0076】
次に、パルス計数手段27は、m個の定数C(0)、C(1)、C(2)、…、C(m−1)とともに1≦p≦(m−2)を満たす正の整数pを任意に設定して、式(1)の演算を実行し、演算値Out(k)を得る。
【0077】
【数17】


【0078】
式(1)において第1項は、k番目のサンプリング値S(k)から過去の(k−p+1)番目までのp個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)にそれぞれ個別の定数C(0)、C(1)、…、C(p−1)を乗じた値の平均値を意味する。
【0079】
また、式(1)において第2項は、(k−p)番目の1個のサンプリング値S(k−p)に定数C(p)を乗じた値の2倍を意味する。
【0080】
さらに、式(1)において第3項は、(k−p−1)番目のサンプリング値S(k−p−1)から過去の(k−m+1)番目までの(m−p−1)個の各サンプリング値S(k−p−1)、S(k−p−2)、…、S(k−m+1)にそれぞれ個別の定数C(p+1)、C(p+2)、…、C(m−1)を乗じた値の平均値を意味する。
【0081】
すなわち、m個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、…、S(k−m+1)を3分割し、pをm−2以下として、少なくとも2つのサンプリング値が残るようにk番目から(k−p+1)番目までのp個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)を第1群とする。
【0082】
さらに、(k−p)番目の1個のサンプリング値S(k−p)を第2群とし、残りの(k−p−1)番目から(k−m+1)番目までの(m−p−1)個の各サンプリング値S(k−p−1)、S(k−p−2)、…、S(k−m+1)を第3群とする。
【0083】
3分割された各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)に定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を乗じて補正することにより各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)に重みをつける。
【0084】
次に、第2群と第1群の補正後の各平均値の差並びに第2群と第3群の補正後の各平均値の差をそれぞれ求めて加算することにより演算値Out(k)を得る。
【0085】
このため、第2群である(k−p)番目のサンプリング値S(k−p)が検出器出力パルスB上の値であれば、(k−p)番目のサンプリング値S(k−p)は第1群の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)並びに第3群の各サンプリング値S(k−p−1)、S(k−p−2)、…、S(k−m+1)よりも絶対値が大きな値となる。
【0086】
従って、(k−p)番目のサンプリング値S(k−p)が検出器出力パルスB上の値であれば、第2群と第1群の補正後の各平均値の差並びに第2群と第3群の補正後の各平均値の差を加算して得られる演算値Out(k)の絶対値は、(k−p)番目のサンプリング値S(k−p)が検出器出力パルスB上の値でない場合に比べて顕著に大きくなることになる。
【0087】
例えば、A/D変換器23におけるサンプリング間隔tsのタイミングが良好で(k−p)番目のサンプリング値S(k−p)が検出器出力パルスBの頂点の値に相当すれば、定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)が全て1ならば、演算値Out(k)の絶対値は検出器出力パルスBの波高の2倍程度の値になることとなる。
【0088】
そこで、パルス計数手段27は、式(1)の演算により得られた演算値Out(k)の絶対値をノイズレベルよりも大きい値として設定された一定の正数の設定値と比較する。さらに、パルス計数手段27は、比較の結果、演算値Out(k)の絶対値が設定値を超えた回数を計数し、計数した値を検出器出力パルスBの数として処理することにより、A/D変換器23から受けた各サンプリング値Sのうち有効な検出器出力パルス成分を選別して抽出することができるように構成される。
【0089】
ここで、式(1)において定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)は、全て1とすることができるが、1以外に設定すれば、演算値Out(k)を検出器出力パルスBの波高に比例した値として得ることが可能となり、複数の検出器出力パルスBの波高の差を強調させることもできる。
【0090】
また、検出器出力パルスBのリンギング等の現象を考慮して、各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)に重みをつけることができる。
【0091】
さらに、定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)の一部を適宜ゼロとして、A/D変換器23のサンプリング間隔tsとnとの関係から、m個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)から検出器出力パルスBの計数処理に必要なサンプリング値Sのみを選択して演算に用いることも可能となる。
【0092】
尚、図2あるいは図3に示すように検出器出力パルスBが負パルスであり、かつ定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)が全て正数である場合において、第2群である(k−p)番目のサンプリング値S(k−p)が検出器出力パルスB上の値であれば、演算値Out(k)の値は、最小の負の値となる。
【0093】
このため、設定値を負の数として演算値Out(k)の値が設定値よりも小さくなった回数を計数し、計数した値を検出器出力パルスBの数として処理するように構成してもよい。
【0094】
図4は、図1に示すA/D変換器23のサンプリング間隔tsがパルス幅tpの1/3以上1/2未満である場合において、パルス計数手段27の検出器出力パルス選別用アルゴリズムにより検出器出力パルスBの計数処理を実行する際の方法を説明する概念図である。
【0095】
図4において、実線はSRNM21から入力されたアナログの電気信号Aの概念形状を示す。さらに、図4において、●印は、A/D変換器23においてディジタル信号に変換される際、サンプリングされて得られた電気信号Aのサンプリング値Sを示す。
【0096】
また、●印に付されたS(x)(xは負でない整数)の符号は、S(x)の符号が付された●印が電気信号Aのx番目のサンプリング値S(x)であることを示している。
【0097】
A/D変換器23のサンプリング間隔tsが検出器出力パルスBのパルス幅tpの1/3以上1/2未満、すなわちn=2とみなせる場合には、図3に示すように、検出器出力パルスB上の2点においてサンプリング値Sが得られる。
【0098】
パルス計数手段27は、n=2の場合には、少なくとも4つ以上のm個(m≧4)のサンプリング値Sを用いて検出器出力パルスBの計数処理を実行する。すなわち、n=2の場合には、連続する4つのサンプリング値S(x−1)、S(x)、S(x+1)、S(x+2)のうち中央の2つのサンプリング値S(x)、S(x+1)が検出器出力パルスB上の値であれば、先頭と最後の2つのサンプリング値S(x−1)、S(x+2)は、検出器出力パルスB上の値とはならないためである。
【0099】
パルス計数手段27は、検出器出力パルスBの計数処理を実行するために、A/D変換器23から受けたサンプリング値Sのうちk番目のサンプリング値S(k)から過去の(k−m+1)番目までのm個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、…、S(k−m+1)を抽出する。
【0100】
次に、パルス計数手段27は、m個の定数C(0)、C(1)、C(2)、…、C(m−1)とともに1≦p≦(m−3)を満たす正の整数pを任意に設定して、式(2)の演算を実行し、演算値Out(k)を得る。
【0101】
【数18】


【0102】
式(2)において最初の項は、k番目のサンプリング値S(k)から過去の(k−p+1)番目までのp個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)にそれぞれ個別の定数C(0)、C(1)、…、C(p−1)を乗じた値の平均値を意味する。
【0103】
また、式(2)において2つの項の和で示される中央の項は、(k−p)番目と(k−p−1)番目の2個のサンプリング値S(k−p)およびS(k−p−1)にそれぞれ定数C(p)およびC(p+1)を乗じた値を意味する。
【0104】
さらに、式(2)において最後の項は、(k−p−2)番目のサンプリング値S(k−p−2)から過去の(k−m+1)番目までの(m−p−2)個の各サンプリング値S(k−p−2)、S(k−p−3)、…、S(k−m+1)にそれぞれ個別の定数C(p+2)、C(p+3)、…、C(m−1)を乗じた値の平均値を意味する。
【0105】
すなわち、m個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、…、S(k−m+1)を3分割し、pをm−3以下として、少なくとも3つのサンプリング値が残るようにk番目から(k−p+1)番目までのp個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)を第1群とする。
【0106】
さらに、(k−p)番目と(k−p−1)番目の2個のサンプリング値S(k−p)およびS(k−p−1)を第2群とし、残りの(k−p−2)番目から(k−m+1)番目までの(m−p−2)個の各サンプリング値S(k−p−2)、S(k−p−3)、…、S(k−m+1)を第3群とする。
【0107】
3分割された各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)に定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を乗じて補正することにより各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)に重みをつける。
【0108】
次に、第2群と第1群の補正後の各平均値の差並びに第2群と第3群の補正後の各平均値の差をそれぞれ求めて加算することにより演算値Out(k)を得る。
【0109】
このため、第2群である(k−p)番目と(k−p−1)番目の2個のサンプリング値S(k−p)およびS(k−p−1)が共に検出器出力パルスB上の値であれば、S(k−p)およびS(k−p−1)はそれぞれ第1群の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)並びに第3群の各サンプリング値S(k−p−1)、S(k−p−2)、…、S(k−m+1)よりも絶対値が大きな値となる。
【0110】
従って、(k−p)番目と(k−p−1)番目の2個のサンプリング値S(k−p)およびS(k−p−1)が検出器出力パルスB上の値であれば、第2群と第1群の補正後の各平均値の差並びに第2群と第3群の補正後の各平均値の差を加算して得られる演算値Out(k)の絶対値は、(k−p)番目と(k−p−1)番目の2個のサンプリング値S(k−p)およびS(k−p−1)が検出器出力パルスB上の値でない場合に比べて顕著に大きくなることになる。
【0111】
例えば、A/D変換器23におけるサンプリング間隔tsのタイミングが良好で(k−p)番目(k−p)番目と(k−p−1)番目の2個のサンプリング値S(k−p)およびS(k−p−1)が共に検出器出力パルスBの頂点の値に相当する値であれば、定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)が全て1ならば、演算値Out(k)の絶対値は検出器出力パルスBの波高の2倍程度の値になることとなる。
【0112】
そこで、パルス計数手段27は、式(2)の演算により得られた演算値Out(k)あるいは演算値Out(k)の絶対値を一定の設定値と比較し、n=1の場合における式(1)による計数処理と同様な方法で検出器出力パルスBの計数処理を実行する。
【0113】
図5は、図1に示すA/D変換器23のサンプリング間隔tsがパルス幅tpの1/(n+1)以上1/n未満である場合において、パルス計数手段27の検出器出力パルス選別用アルゴリズムにより検出器出力パルスBの計数処理を実行する際の方法を説明する概念図である。
【0114】
図5において、実線はSRNM21から入力されたアナログの電気信号Aの概念形状を示す。さらに、図5において、●印は、A/D変換器23においてディジタル信号に変換される際、サンプリングされて得られたアナログの電気信号Aのサンプリング値Sを示す。
【0115】
また、●印に付されたS(x)(xは負でない整数)の符号は、S(x)の符号が付された●印が電気信号Aのx番目のサンプリング値S(x)であることを示している。
【0116】
A/D変換器23のサンプリング間隔tsが検出器出力パルスBのパルス幅tpの1/(n+1)以上1/n未満である場合には、図5に示すように、検出器出力パルスB上のn点においてサンプリング値Sが得られる。
【0117】
パルス計数手段27は、少なくともn+2以上のm個(m≧n+2)のサンプリング値Sを用いて検出器出力パルスBの計数処理を実行する。すなわち、検出器出力パルスB上のn点においてサンプリング値Sが得られる場合には、連続するn+2つのサンプリング値S(x)、S(x+1)、…、S(x+n+1)のうち先頭と最後の2つのサンプリング値S(x)、S(x+n+1)を除くn個のサンプリング値S(x+1)、…、S(x+n)が検出器出力パルスB上の値であれば、先頭と最後の2つのサンプリング値S(x)、S(x+n+1)は、検出器出力パルスB上の値とはならないためである。
【0118】
パルス計数手段27は、検出器出力パルスBの計数処理を実行するために、A/D変換器23から受けたサンプリング値Sのうちk番目のサンプリング値S(k)から過去の(k−m+1)番目までのm個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、…、S(k−m+1)を抽出する。
【0119】
次に、パルス計数手段27は、m個の定数C(0)、C(1)、C(2)、…、C(m−1)とともに1≦p≦(m−n−1)を満たす正の整数pを任意に設定して、式(3)の演算を実行し、演算値Out(k)を得る。
【0120】
【数19】


式(3)において第1項は、k番目のサンプリング値S(k)から過去の(k−p+1)番目までのp個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)にそれぞれ個別の定数C(0)、C(1)、…、C(p−1)を乗じた値の平均値を意味する。
【0121】
また、式(3)において第2項は、(k−p)番目から(k−p−n+1)番目までのn個のサンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)にそれぞれ定数C(p)、C(p+1)、…、C(p+n−1)を乗じた値の平均値を意味する。
【0122】
さらに、式(3)において第3項は、(k−p−n)番目のサンプリング値S(k−p−n)から過去の(k−m+1)番目までの(m−p−n)個の各サンプリング値S(k−p−n)、S(k−p−n−1)、…、S(k−m+1)にそれぞれ個別の定数C(p+n)、C(p+n+1)、…、C(m−1)を乗じた値の平均値を意味する。
【0123】
すなわち、m個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、…、S(k−m+1)を3分割し、pを(m−n−1)以下として、少なくとも(n+1)つのサンプリング値が残るようにk番目から(k−p+1)番目までのp個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)を第1群とする。
【0124】
さらに、(k−p)番目から(k−p−n+1)番目までのn個のサンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)を第2群とし、残りの(k−p−n)番目のサンプリング値S(k−p−n)から過去の(k−m+1)番目までの(m−p−n)個の各サンプリング値S(k−p−n)、S(k−p−n−1)、…、S(k−m+1)を第3群とする。
【0125】
3分割された各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)に定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)を乗じて補正することにより各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)に重みをつける。
【0126】
次に、第2群と第1群の補正後の各平均値の差並びに第2群と第3群の補正後の各平均値の差をそれぞれ求めて加算することにより、演算値Out(k)を得る。
【0127】
このため、第2群である(k−p)番目から(k−p−n+1)番目までのn個のサンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)が全て検出器出力パルスB上の値であれば、サンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)は、第1群の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)並びに第3群の各サンプリング値S(k−p−n)、S(k−p−n−1)、…、S(k−m+1)よりも絶対値が大きな値となる。
【0128】
従って、(k−p)番目から(k−p−n+1)番目までのn個の各サンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)が検出器出力パルスB上の値であれば、第2群と第1群の補正後の各平均値の差並びに第2群と第3群の補正後の各平均値の差を加算して得られる演算値Out(k)の絶対値は、各サンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)が検出器出力パルスB上の値でない場合に比べて顕著に大きくなることになる。
【0129】
例えば、A/D変換器23におけるサンプリング間隔tsのタイミングが良好で(k−p)番目から(k−p−n+1)番目までのn個の各サンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)が全て検出器出力パルスBの頂点の値に相当する値であれば、定数C(0)、C(1)、…、C(m−1)が全て1ならば、演算値Out(k)の絶対値は検出器出力パルスBの波高の2倍程度の値になることとなる。
【0130】
そこで、パルス計数手段27は、式(3)の演算により得られた演算値Out(k)あるいは演算値Out(k)の絶対値を一定の設定値と比較し、n=1の場合における式(1)による計数処理と同様な方法で検出器出力パルスBの計数処理を実行する。
【0131】
一方、パルス計数手段27の検出器出力パルス選別用アルゴリズムは、必要に応じてより高精度で検出器出力パルスBを計数できるような演算で構成される。
【0132】
A/D変換器23のサンプリング間隔tsが検出器出力パルスBのパルス幅tpの1/(n+1)以上1/n未満である場合には、図5に示すように、検出器出力パルスB上のn点においてサンプリング値Sが得られる。
【0133】
パルス計数手段27は、少なくともn+2以上のm個(m≧n+2)のサンプリング値Sを用いて検出器出力パルスBの計数処理を実行する。すなわち、検出器出力パルスB上のn点においてサンプリング値Sが得られる場合には、連続するn+2つのサンプリング値S(x)、S(x+1)、…、S(x+n+1)のうち先頭と最後の2つのサンプリング値S(x)、S(x+n+1)を除くn個のサンプリング値S(x+1)、…、S(x+n)が検出器出力パルスB上の値であれば、先頭と最後の2つのサンプリング値S(x)、S(x+n+1)は、検出器出力パルスB上の値とはならないためである。
【0134】
パルス計数手段27は、検出器出力パルスBの計数処理を実行するために、A/D変換器23から受けたサンプリング値Sのうちk番目のサンプリング値S(k)から過去の(k−m+1)番目までのm個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、…、S(k−m+1)を抽出する。
【0135】
次に、パルス計数手段27は、1≦p≦(m−n−1)を満たす正の整数pを任意に設定するとともにp+n個の定数C(0)、C(1)、…、C(p+n−1)並びにm−p個の定数D(p)、D(p+1)、…、D(m−1)をそれぞれ設定する。
【0136】
さらに、パルス計数手段27は、式(4−1)および式(4−2)の演算を実行し、それぞれ演算値Out1(k)および演算値Out2(k)を得る。
【0137】
【数20】


【0138】
式(4−1)において第1項は、k番目のサンプリング値S(k)から過去の(k−p+1)番目までのp個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)にそれぞれ個別の定数C(0)、C(1)、…、C(p−1)を乗じた値の平均値を意味する。
【0139】
式(4−1)において第2項は、(k−p)番目から(k−p−n+1)番目までのn個のサンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)にそれぞれ定数C(p)、C(p+1)、…、C(p+n−1)を乗じた値の平均値を意味する。
【0140】
式(4−2)において第1項は、(k−p)番目から(k−p−n+1)番目までのn個のサンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)にそれぞれ定数D(p)、D(p+1)、…、D(p+n−1)を乗じた値の平均値を意味する。
【0141】
式(4−2)において第2項は、(k−p−n)番目から過去の(k−m+1)番目までの(m−p−n)個のサンプリング値S(k−p−n)、S(k−p−n−1)、…、S(k−m+1)にそれぞれ定数D(p+n)、D(p+n+1)、…、D(m−1)を乗じた値の平均値をそれぞれ意味する。
【0142】
すなわち、m個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、…、S(k−m+1)を3分割し、k番目から(k−p+1)番目までのp個のサンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)を第1群、(k−p)番目から(k−p−n+1)番目までのn個のサンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)を第2群、(k−p−n)番目から(k−m+1)番目までの(m−p−n)個の各サンプリング値S(k−p−n)、S(k−p−n−1)、…、S(k−m+1)を第3群とする。
【0143】
次に、3分割されたm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)のうち、始めのp個すなわち第1群のサンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)および第2群のn個のサンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)にそれぞれ定数C(0)、C(1)、…、C(p−1)および定数C(p)、C(p+1)、…、C(p+n−1)を乗じて補正することにより重みをつける。
【0144】
次に、第2群と第1群の補正後の各平均値の差を演算値Out1(k)として得る。このため、第2群のn個のサンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)が全て検出器出力パルスB上の値であれば、第1群のサンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)は検出器出力パルスB上の値ではなくなるため、定数C(0)、C(1)、…、C(p−1)および定数C(p)、C(p+1)、…、C(p+n−1)が全て1でる場合には、演算値Out1(k)の絶対値は、検出器出力パルスBの波高に近い値となる。
【0145】
逆に、第1群のサンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−p+1)の一部が、検出器出力パルスB上の値である場合には、定数C(0)、C(1)、…、C(p−1)および定数C(p)、C(p+1)、…、C(p+n−1)が全て1でる場合には、演算値Out1(k)の絶対値は、検出器出力パルスBの波高よりも小さい値となる。
【0146】
一方、3分割されたm個の各サンプリング値S(k)、S(k−1)、…、S(k−m+1)のうち、第2群のn個の各サンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)および第3群の(m−p−n)個の各サンプリング値S(k−p−n)、S(k−p−n−1)、…、S(k−m+1)にそれぞれ定数D(p)、D(p+1)、…、D(p+n−1)および定数D(p+n)、D(p+n+1)、…、D(m−1)を乗じて補正することにより重みをつける。
【0147】
次に、第3群と第2群の補正後の各平均値の差を演算値Out2(k)として得る。このため、第2群のn個のサンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)が全て検出器出力パルスB上の値であれば、第3群のサンプリング値S(k−p−n)、S(k−p−n−1)、…、S(k−m+1)は検出器出力パルスB上の値ではなくなるため、定数D(p)、D(p+1)、…、D(p+n−1)および定数D(p+n)、D(p+n+1)、…、D(m−1)が全て1であれば、演算値Out2(k)の絶対値は、検出器出力パルスBの波高に近い値となる。
【0148】
逆に、第3群のサンプリング値S(k−p−n)、S(k−p−n−1)、…、S(k−m+1)の一部が、検出器出力パルスB上の値である場合には、定数D(p)、D(p+1)、…、D(p+n−1)および定数D(p+n)、D(p+n+1)、…、D(m−1)が全て1でる場合には、演算値Out1(k)の絶対値は、検出器出力パルスBの波高よりも小さい値となる。
【0149】
すなわち、演算値Out1(k)は、検出器出力パルスBの立ち上がり特性を表し、演算値Out2(k)は、検出器出力パルスBの立ち下がり特性を表す。そして、第2群のn個のサンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)が全て検出器出力パルスB上の値であれば、演算値Out1(k)および演算値Out2(k)の絶対値は、共に最大となる。また、定数C(0)、C(1)、…、C(p+n−1)並びに定数D(p)、D(p+1)、…、D(m−1)が全て1であれば、演算値Out1(k)および演算値Out2(k)の絶対値は、共に検出器出力パルスBの波高程度の値となる。
【0150】
そこで、パルス計数手段27は、式(4−1)の演算により得られた演算値Out1(k)の絶対値並びに式(4−2)の演算により得られた演算値Out2(k)の絶対値をノイズレベルよりも大きい値として設定された一定の設定値とそれぞれ比較する。さらに、パルス計数手段27は、比較の結果、演算値Out1(k)および演算値Out2(k)が共に設定値を超えた回数を計数し、計数した値を検出器出力パルスBの数として処理することにより、A/D変換器23から受けた各サンプリング値Sのうち有効な検出器出力パルス成分を選別して抽出することができるように構成される。
【0151】
尚、図2あるいは図5に示すように検出器出力パルスBが負パルスであり、かつ定数C(0)、C(1)、…、C(p+n−1)並びに定数D(p)、D(p+1)、…、D(m−1)が全て正数である場合において、第2群のn個のサンプリング値S(k−p)、S(k−p−1)、…、S(k−p−n+1)が全て検出器出力パルスB上の値であれば、演算値Out1(k)および演算値Out2(k)の値は、最小の負の値となる。
【0152】
このため、設定値を負の数として演算値Out1(k)および演算値Out2(k)の値が共に設定値よりも小さくなった回数を計数し、計数した値を検出器出力パルスBの数として処理するように構成してもよい。
【0153】
すなわち、パルス計数手段27は、式(1)、式(2)、式(3)、式(4−1)および式(4−2)から適切な検出器出力パルス選別用アルゴリズムを選択し、選択した検出器出力パルス選別用アルゴリズムに基づく検出器出力パルスBの計数処理を実行することにより検出器出力パルス数を計数するように構成される。パルス計数手段27により計数された検出器出力パルス数は、パルス計測評価手段28に出力されるように構成される。
【0154】
尚、パルス計数手段27において、演算値Out(k)、演算値Out1(k)、演算値Out2(k)の2乗値から回路ノイズ成分に相当する値を減じて得られた値を設定値と比較するように構成してもよい。このように構成することで、回路ノイズ成分の影響を除去してより正確に検出器出力パルスBを選別して計数できることができる。
【0155】
また、検出器出力パルスBの波形が例えば階段状の凹凸を有する形状である場合のように特徴を有する波形であっても、波形の特徴に基づいて、式(4−1)および式(4−2)の2つの演算式による検出器出力パルスBの計数処理に加えて、検出器出力パルス選別用の3番目からq(q≧3)番目までの複数の同様の演算式を設定し、各演算式の演算値Out1(k)、Out2(k)、Out3(k)…、Outq(k)がそれぞれ所定の条件を満足する場合に、検出器出力パルスBであると判定する検出器出力パルス選別用アルゴリズムをパルス計数手段27に採用すれば、より正確なパルス計測が可能となる。
【0156】
また、式(3)並びに式(4−1)および式(4−2)において、pおよび(m−p−n)の値を大きく設定することにより、すなわち、mを大きく設定するとともにpを大きく設定することにより、検出器出力パルスB以外のベースとなるレベルの揺らぎを抑えることが可能となる。ただし、A/D変換器23のサンプリング間隔tsが検出器出力パルスBのパルス幅tpの1/(n+1)以上1/n未満である場合には、m≧n+2および1≦p≦(m−n−1)を満たす必要がある。
【0157】
ただし、パルス計数手段27において、検出器出力パルスBの計数処理に使用するサンプリング値の数をm個としたときに、単位時間あたりの検出器出力パルスBの計数値すなわちパルス計数率が100%となると、m個のサンプリング値は、複数の検出器出力パルスB上に存在することとなって検出器出力パルスBの計数処理が困難となる。
【0158】
そこで、必要に応じてパルス計数手段27は、検出器出力パルスBのパルス計数率が増加すると、mの値をより小さく設定する一方、検出器出力パルスBのパルス計数率が減少すると、mの値がより大きくなるように調節するように構成される。
【0159】
例えば、パルス計数手段27において、検出器出力パルスBのパルス計数率が一定の割合、例えば80%を超えた場合には、mの値をより小さく設定してサンプリング数を少なくすることにより検出器出力パルスBの計数処理が実行できるよう調節される。
【0160】
一方、検出器出力パルスBのパルス計数率が一定の割合、例えば20%以下となった場合には、ゆらぎの影響を抑制させるためにmの値がより大きくなるように調節される。
【0161】
また、検出器出力パルス選別用アルゴリズムと同様なロジックを有するノイズ成分選別用アルゴリズムを設けてノイズ成分を識別することにより、検出器出力パルスBの計数値を補正することができる。
【0162】
図6はパルス計数手段27において、検出器出力パルスBの計数処理を実行する際のタイミングチャートである。
【0163】
図6において(a)は、検出器出力パルスBとともにノイズ成分Cを含む電気信号Aの波形の一例と、ノイズ成分C並びに検出器出力パルスBを選別するための設定値として比較レベルF1、F2を設定した例を示す図、(b)は、パルス計数手段27の検出器出力パルス選別用アルゴリズムによる演算値と比較レベルF2との比較により生成された計数信号パルスD、(c)は、パルス計数手段27のノイズ成分選別用アルゴリズムによる演算値と比較レベルF1との比較により生成された計数信号パルスEをそれぞれ示す。
【0164】
図6(a)に示すように、一般に、SRNM21から出力された検出器出力パルスBの波形は負のパルスとなる一方、ノイズ成分Cは正負のパルスとなる。そこで、パルス計数手段27に検出器出力パルス選別用アルゴリズムと同様なロジックを有するノイズ成分選別用アルゴリズムを設けるとともに、比較レベルF1として正の設定値が設定される。
【0165】
さらに、パルス計数手段27の検出器出力パルス選別用アルゴリズムには、比較レベルF2として負の設定値が設定される。
【0166】
そして、パルス計数手段27にA/D変換器23から入力されたサンプリング値を用いて、検出器出力パルス選別用アルゴリズムにより演算値Out(k)あるいは演算値Out1(k)およびOut2(k)が得られる。さらに、検出器出力パルス選別用アルゴリズムにより得られた演算値Out(k)あるいは演算値Out1(k)およびOut2(k)が比較レベルF2よりも小さな値となった回数が計数される。
【0167】
このため、図6(a)に示すように、検出器出力パルスBとともにノイズ成分Cが存在すると、それぞれ計数され(b)に示すように計数信号パルスDが得られる。このため、(b)に示す計数信号パルスDの数は、ノイズ成分Cの計数値と検出器出力パルスBの計数値の和となる。
【0168】
同様に、パルス計数手段27にA/D変換器23から入力されたサンプリング値を用いて、ノイズ成分選別用アルゴリズムにより演算値が得られる。さらに、ノイズ成分選別用アルゴリズムにより得られた演算値が比較レベルF1よりも大きな値となった回数が計数される。
【0169】
このため、図6(a)に示すように、ノイズ成分Cが存在すると、ノイズ成分Cの数は、比較レベルF1よりも大きな値として計数され、(c)に示す計数信号パルスEが得られる。このため、(c)に示す計数信号パルスEの数は、ノイズ成分Cの計数値となる。
【0170】
そこで、(b)に示す計数信号パルスDの数、すなわち検出器出力パルス選別用アルゴリズムにより得られた計数値から(c)に示す計数信号パルスEの数、すなわちノイズ成分選別用アルゴリズムにより得られた計数値を差し引くことにより検出器出力パルスBの真の計数値が補正され、ノイズ成分Cの誤計測による誤差の発生が回避される。
【0171】
また、A/D変換器23のサンプリング間隔tsが検出器出力パルスBのパルス幅tpよりも短くなるにつれて、すなわち、nの値が大きくなると、検出器出力パルスBのパルス幅tpよりも小さいパルス幅のノイズ成分Cを誤計数する恐れが増加する。
【0172】
そこで、A/D変換器23のサンプリング間隔tsは一定の値以上となるように設定することで、すなわちnを一定の値以下とすることでノイズ成分Cの誤計数を回避させることができる。
【0173】
ところで、検出器出力パルスBのパルス幅tpが80nsec程度であり、A/D変換器23のサンプリング間隔tsがパルス幅tpの1/4程度、すなわちサンプリング間隔tsが20nsec程度である場合には、アナログ増幅器22の出力周波数帯域を約20MHz以下に制限すれば、検出器出力パルスBの計数に適切な条件とすることができる。
【0174】
通常、SRNM21の検出器出力パルスBを増幅するために使用されるアナログ増幅器22としては、は約10MHz程度までの周波数帯域のあるアナログ増幅器22が使用されるため、別途特別なフィルタを追加することなく適切な条件を満足させることができる。
【0175】
一方、パルス計測系24のパルス計測評価手段28は、パルス計数手段27において演算値Out(k)、演算値Out1(k)および演算値Out2(k)との比較のために設定された設定値を変更させ、各設定値に対するパルス計数手段27の計数頻度を計数することにより、検出器出力パルスBを含む電気信号Aの波高分布を監視することができるように構成される。
【0176】
パルス計測評価手段28において、パルス計数手段27の設定値を変更させて得られた検出器出力パルスBを含む電気信号Aの波高分布は、SRNM21の検出器出力パルスBが正常であるか否かの判定に用いることができる。
【0177】
次に、原子炉起動監視装置20の作用について説明する。
【0178】
原子炉が起動され原子炉出力が10−9%〜10−4%となると、原子炉からは中性子束が放射される。このためSRNM21により、原子炉出力すなわち原子炉圧力容器内における中性子束が計測され、SRNM21の検出器出力パルスBを含む電気信号Aとしてアナログ増幅器22に与えられる。
【0179】
アナログ増幅器22は、SRNM21から電気信号Aを入力して、電気信号Aの出力周波数帯域を制限することにより、電気信号Aを整形してA/D変換器23に与える。
【0180】
A/D変換器23は、アナログ増幅器22から受けたアナログの電気信号Aを予め設定された一定のサンプリング間隔tsでサンプリングすることによりディジタル信号に変換する。
【0181】
原子炉起動時の原子炉出力は低いため、パルス計測系24において、パルス計測処理が実行される。すなわち、パルス計数手段27は、A/D変換器23からSRNM21の検出器出力パルスBを含む電気信号Aのディジタル信号であるサンプリング値を受けて、SRNM21の検出器出力パルスBの計数処理を実行する。
【0182】
すなわち、パルス計数手段27は、A/D変換器23のサンプリング間隔tsとA/D変換器23から受けた検出器出力パルスBのパルス幅tpとの関係に基づいて検出器出力パルスBの計数処理に適切な検出器出力パルス選別用アルゴリズムを選択する。
【0183】
A/D変換器23から受けた検出器出力パルスBのパルス幅tpが、A/D変換器23のサンプリング間隔tsの1/2以上1未満である場合には、パルス計数手段27は、A/D変換器23から受けた各サンプリング値のうちk番目からk−4番目までの過去の5つのサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、S(k−3)およびS(k−4)を抽出する。
【0184】
次に、パルス計数手段27は、各サンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、S(k−3)およびS(k−4)の重みを同等とするために、5つの定数C(0)=1、C(1)=1、C(2)=1、C(3)=1、C(4)=1、C(5)=1を設定する。
【0185】
さらにパルス計数手段27は、式(5)により演算値Out(k)を計算する。
【0186】
【数21】


【0187】
すなわち、検出器出力パルスBのパルス幅tpが、サンプリング間隔tsの1/2以上1未満であることから、検出器出力パルスB上には1つのサンプリング値が存在するため、少なくとも3つのサンプリング値Sを用いて検出器出力パルスBの計数処理を実行する必要がある。
【0188】
そこで、式(1)においてm=5とするとともにp=2として、中央のサンプリング値S(k−2)が検出器出力パルスB上に存在する場合に、検出器出力パルスBの前後のベース上に複数のそれぞれ2つのサンプリング値S(k)、S(k−1)およびS(k−3)、S(k−4)が位置するように設定したものである。
【0189】
このため、ベース上のサンプリング値S(k)、S(k−1)およびS(k−3)、S(k−4)がそれぞれ平均化され、ゆらぎの影響が低減される。
【0190】
そして、パルス計数手段27は、得られた演算値Out(k)の絶対値を予め設定された設定値と比較し、演算値Out(k)の絶対値が設定値を超えた回数を検出器出力パルス数として計数処理を実行する。
【0191】
一方、A/D変換器23から受けた検出器出力パルスBのパルス幅tpが、A/D変換器23のサンプリング間隔tsの1/3以上1/2未満である場合には、パルス計数手段27は、A/D変換器23から受けた各サンプリング値のうちk番目からk−5番目までの過去の6つのサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、S(k−3)、S(k−4)およびS(k−5)を抽出する。
【0192】
次に、パルス計数手段27は、各サンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、S(k−3)、S(k−4)およびS(k−5)の重みを同等とするために、6つの定数C(0)=1、C(1)=1、C(2)=1、C(3)=1、C(4)=1、C(5)=1、C(6)=1を設定する。
【0193】
さらにパルス計数手段27は、式(6)により演算値Out(k)を計算する。
【0194】
【数22】


【0195】
すなわち、検出器出力パルスBのパルス幅tpが、サンプリング間隔tsの1/3以上1/2未満であることから、検出器出力パルスB上には2つのサンプリング値が存在するため、少なくとも4つのサンプリング値Sを用いて検出器出力パルスBの計数処理を実行する必要がある。
【0196】
そこで、式(1)においてm=6とするとともにp=2として、中央のサンプリング値S(k−2)およびS(k−3)が検出器出力パルスB上に存在する場合に、検出器出力パルスBの前後のベース上に複数のそれぞれ2つのサンプリング値S(k)、S(k−1)およびS(k−4)、S(k−5)が位置するように設定したものである。
【0197】
このため、ベース上のサンプリング値S(k)、S(k−1)およびS(k−4)、S(k−5)がそれぞれ平均化され、ゆらぎの影響が低減される。
【0198】
次に、パルス計数手段27は、得られた演算値Out(k)の絶対値を予め設定された設定値と比較し、演算値Out(k)の設定値が設定値を超えた回数を検出器出力パルス数として計数処理を実行する。
【0199】
さらに、A/D変換器23から受けた検出器出力パルスBのパルス幅tpが、A/D変換器23のサンプリング間隔tsの1/3以上1/2未満であり、かつより高精度な検出器出力パルスBの計数処理が要求される場合には、パルス計数手段27は、A/D変換器23から受けた各サンプリング値のうちk番目からk−5番目までの過去の6つのサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、S(k−3)、S(k−4)およびS(k−5)を抽出する。
【0200】
すなわち、検出器出力パルスBのパルス幅tpが、サンプリング間隔tsの1/3以上1/2未満であることから、検出器出力パルスB上には2つのサンプリング値が存在するため、少なくとも4つのサンプリング値Sを用いて検出器出力パルスBの計数処理を実行する必要があるが、ベース上のゆらぎの影響を低減させるために6つのサンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、S(k−3)、S(k−4)およびS(k−5)を用いて検出器出力パルスBの計数処理を実行する。
【0201】
ここで各サンプリング値S(k)、S(k−1)、S(k−2)、S(k−3)、S(k−4)およびS(k−5)のうち、中央のサンプリング値S(k−2)およびS(k−3)が検出器出力パルスB上に存在する場合には、検出器出力パルスBの前後のベース上に複数のそれぞれ2つのサンプリング値S(k)、S(k−1)およびS(k−4)、S(k−5)が位置することとなる。
【0202】
そこで、検出器出力パルスBの立ち上がり部分のベース上の2つのサンプリング値S(k)およびS(k−1)の平均値と、検出器出力パルスB上の立ち上がり部分側の1つのサンプリング値S(k−2)との差分から検出器出力パルスBの立ち上がり特性を評価する。
【0203】
一方、検出器出力パルスB上の立ち下がり部分側の1つのサンプリング値S(k−3)と、立ち下がり部分のベース上の2つのサンプリング値S(k−4)およびS(k−5)の平均値の差分とから検出器出力パルスBの立ち下がり特性を評価する。
【0204】
すなわちパルス計数手段27は、式(4−1)および式(4−2)において、n=2とし、m=6、p=2として設定する。
【0205】
尚、検出器出力パルスBの立ち上がり特性を評価する際、検出器出力パルスB上の立ち下がり部分側の1つのサンプリング値S(k−3)を計算に含めて、検出器出力パルスB上の2つのサンプリング値S(k−2)およびS(k−3)の平均値を用いることも可能であるが、計算簡略化のため、検出器出力パルスB上の立ち下がり部分側のサンプリング値S(k−3)は計算に含めないこととする。
【0206】
同様に、検出器出力パルスBの立ち下がり特性を評価する際、検出器出力パルスB上の立ち上がり部分側のサンプリング値S(k−2)は、計算簡略化のため、計算に含めないこととする。
【0207】
このため、パルス計数手段27は、式(4−1)において、サンプリング値S(k)およびS(k−1)の重みを同等とするため、定数C(0)=1、C(1)=1を設定する。同様に、パルス計数手段27は、式(4−2)において、サンプリング値S(k−4)およびS(k−5)の重みを同等とするため、定数D(4)=1、D(5)=1を設定する。
【0208】
また、パルス計数手段27は、検出器出力パルスBの立ち上がり特性を評価する際、サンプリング値S(k−3)を計算に含めずにS(k−2)のみを用いるため、C(2)=2、C(3)=0を設定する。同様に、パルス計数手段27は、検出器出力パルスBの立ち下がり特性を評価する際、サンプリング値S(k−2)を計算に含めずにS(k−3)のみを用いるため、D(2)=0、D(3)=2を設定する。
【0209】
そして、パルス計数手段27は、式(7−1)および式(7−2)の演算式を実行して、それぞれ演算値Out1(k)および演算値Out2(k)を計算する。
【0210】
【数23】


【0211】
次に、パルス計数手段27は、得られた演算値Out1(k)および演算値Out2(k)の絶対値を予め設定された設定値とそれぞれ比較し、演算値Out1(k)および演算値Out2(k)の絶対値が共に設定値を超えた回数を検出器出力パルス数として計数処理を実行する。
【0212】
さらに、パルス計数手段27は、計数して得られた検出器出力パルスBのパルス計数値をパルス計測評価手段28に与える。
【0213】
パルス計測評価手段28は、パルス計数手段27から受けたSRNM21の検出器出力パルスBのパルス計数値を原子炉出力に変換し、得られた原子炉出力が適切であるか否かを評価する。この際、パルス計測評価手段28は、必要に応じて適宜パルス計数手段27の設定値を変化させることにより、検出器出力パルスBの波高分布を監視する。そして、パルス計測評価手段28は、原子炉出力の評価結果を原子炉出力監視手段26に与える。
【0214】
このため原子炉出力監視手段26により、パルス計測評価手段28から受けた原子炉出力の評価結果を連続的に監視することができる。
【0215】
一方、原子炉出力が10−5%〜10%の範囲においてもSRNM21により原子炉圧力容器内における中性子束が計測され、SRNM21の検出器出力パルスBを含む電気信号Aとしてアナログ増幅器22に与えられる。
【0216】
アナログ増幅器22は、SRNM21から検出器出力パルスBを含む電気信号Aを入力して、電気信号Aの出力周波数帯域を制限することにより、電気信号Aを整形してA/D変換器23に与える一方、A/D変換器23は、アナログ増幅器22から受けたアナログの電気信号Aを予め設定された一定のサンプリング間隔tsでサンプリングすることによりディジタル信号に変換する。
【0217】
原子炉起動時の原子炉出力は高いため、キャンベル計測系25において、検出器出力パルスBの重なりで生じるゆらぎ成分のパワーを測定するいわゆるキャンベル法の原理に基づくキャンベル計測処理が実行される。
【0218】
このため、キャンベル計測系25の和演算手段29は、A/D変換器23からSRNM21の検出器出力パルスBを含む電気信号Aのディジタル信号を受けて、よりビット数の大きい精度を有する高精度ディジタル信号に変換する。和演算手段29は、得られた高精度ディジタル信号をパワー演算手段30に与える。
【0219】
すなわち、和演算手段29は、A/D変換器23からSRNM21の検出器出力パルスBを含むディジタル信号を受けると、ディジタル信号を構成する各サンプリング値のうち、連続する所要数個のサンプリング値を加算することにより、よりビット数の大きい精度を有する高精度ディジタル信号に変換する。
【0220】
パワー演算手段30は、和演算手段29から受けた高精度ディジタル信号のサンプリング値の2乗平均値を求め、得られたサンプリング値の2乗平均値をキャンベル計測評価手段31に与える。
【0221】
キャンベル計測評価手段31は、パワー演算手段30から受けた高精度ディジタル信号におけるサンプリング値の2乗平均値を原子炉出力に変換し、得られた原子炉出力が適切であるか否かを評価する。キャンベル計測評価手段31は、キャンベル計測することにより得られた原子炉出力の評価結果を原子炉出力監視手段26に与える。
【0222】
この結果、原子炉出力監視手段26によりキャンベル計測評価手段31から受けたキャンベル計測による原子炉出力の評価結果を連続的に監視することができる。
【0223】
すなわち、原子炉起動監視装置20は、高速な処理が可能な積和演算のみで検出器出力パルスBの計数処理をより正確に実行することが可能な検出器出力パルス選別用アルゴリズムを備えたパルス計数手段27をパルス計測系24に設けることで、リアルタイムにソフト的に検出器出力パルスBを計数してより正確なパルス計測ができるように構成したものである。
【0224】
原子炉起動監視装置20によれば、検出器出力パルスBを外来ノイズ等の誤パルスの存在に関わらず、より高速かつ正確に選別することができるため、リアルタイムに誤動作なくパルス計測を実行することができる。
【0225】
また、原子炉起動監視装置20では、サンプリング数をより多く設定することで波形のベースのゆらぎの影響を低減させることができるため、波形分布にゆらぎが生じた場合であっても、より正確に検出器出力パルスBを計数できる。このため、信号/ノイズ(S/N)比が向上できる。
【0226】
また、原子炉起動監視装置20では、A/D変換器23のサンプリング間隔tsを検出器出力パルスBのパルス幅tpの1/(n+1)以上1/nとするとともに、nを用いた演算式により検出器出力パルスBの計数処理を実行するため、検出器出力パルスBのパルス幅tpと同等のパルス幅のパルスのみを計数することが可能となる。このため、検出器出力パルスBの計数処理において、検出器出力パルスBのパルス幅tpと異なるパルス幅の誤パルスによるの誤差の発生を回避させることができる。
【0227】
さらに、高精度な検出器出力パルスBの計数処理が要求される場合には、複数の演算式によりパルスの特徴、例えばパルス幅を基準としてパルスの有無を検出することができる。このため、検出器出力パルスBのみをより正確に選別することが可能となる。
【0228】
また、必要に応じて、パルス計数手段27において、演算値Out(k)、演算値Out1(k)、演算値Out2(k)の2乗値から回路ノイズ成分に相当する値を減じて得られた値を設定値と比較するように構成することで、回路ノイズ成分の影響を除去してより正確に検出器出力パルスBを選別して計数できることができる。これによりS/N比を向上させることができる。
【0229】
さらに、パルス計数手段27に検出器出力パルス選別用アルゴリズムと同様なロジックを有するノイズ成分選別用アルゴリズムを設けてノイズ成分を識別することにより、検出器出力パルスBの計数値を補正することができるため、外来ノイズによる誤計数を低減させたパルス計測処理が可能となる。このため、原子炉起動監視装置20によれば、簡易なハードウエア構成で、耐ノイズ性並びに信頼性を向上させることができる。
【0230】
図7は、本発明に係る原子炉起動監視装置の第2の実施形態を示す構成図である。
【0231】
図7に示された、原子炉起動監視装置20Aでは、パルス計測系24の構成およびA/D変換器23a,23bの接続構成が図1に示す原子炉起動監視装置20と相違する。他の構成および作用については図1に示す原子炉起動監視装置20と実質的に異ならないため、同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0232】
原子炉起動監視装置20Aは、SRNM21、アナログ増幅器22、パルス計測系24、キャンベル計測系25および原子炉出力監視手段26を備える。SRNM21とアナログ増幅器22とは直列に接続され、アナログ増幅器22には、パルス計測系24およびキャンベル計測系25が並列に接続される。さらに、パルス計測系24およびキャンベル計測系25は共通の原子炉出力監視手段26と接続される。
【0233】
SRNM21は原子炉圧力容器内の中性子束を計測し機能を有し、アナログ増幅器22は、SRNM21の検出器出力パルスBを含む電気信号Aを入力して、電気信号Aの出力周波数帯域を制限することにより、電気信号Aを整形してパルス計測系24およびキャンベル計測系25に与える機能を有する。
【0234】
パルス計測系24は、アナログ式パルス計測系40とディジタル式パルス計測系41とを共通の切換スイッチ42に並列に接続した構成である。パルス計測系24のアナログ式パルス計測系40とディジタル式パルス計測系41は、共通の原子炉出力監視手段26と接続される。
【0235】
パルス計測系24の切換スイッチ42はアナログ増幅器22と接続され、アナログ増幅器22から受けた検出器出力パルスBを含む電気信号Aを与える先となるアナログ式パルス計測系40とディジタル式パルス計測系41とを切り換える機能を有する。
【0236】
また、パルス計測系24のアナログ式パルス計測系40は、パルス波高比較手段の一例であるパルス波高比較器43と第1のパルス計測評価手段28aとを直列に接続した構成であり、パルス波高比較器43は切換スイッチ42と接続される一方、第1のパルス計測評価手段28aは、原子炉出力監視手段26と接続される。
【0237】
アナログ式パルス計測系40のパルス波高比較器43は、アナログ増幅器22から切換スイッチ42を経由して受けた電気信号Aの波高値と予め設定された波高値とを比較し、電気信号Aの波高値が設定された波高値以上となる数を検出器出力パルスBのパルス数として計数する機能と、得られたパルス数を第1のパルス計測評価手段28aに与える機能とを有する。
【0238】
アナログ式パルス計測系40の第1のパルス計測評価手段28aはパルス波高比較器43から受けた検出器出力パルスBのパルス数を原子炉出力の出力レベルに変換することにより、原子炉の低出力時における原子炉出力を評価する機能と、得られた評価結果を原子炉出力監視手段26に与える機能とを有する。
【0239】
また、パルス計測系24のディジタル式パルス計測系41は、第1のA/D変換器23a、パルス計数手段27および第2のパルス計測評価手段28bを直列に接続した構成であり、第1のA/D変換器23aは切換スイッチ42と接続される一方、第2のパルス計測評価手段28bは、原子炉出力監視手段26と接続される。
【0240】
ディジタル式パルス計測系41の第1のA/D変換器23aは、アナログ増幅器22から切換スイッチ42を介して受けたSRNM21の検出器出力パルスBを含むアナログの電気信号Aをディジタル信号に変換する機能と、変換して得られたディジタル信号をパルス計数手段27に与える機能を有する。
【0241】
ディジタル式パルス計測系41のパルス計数手段27は、第1のA/D変換器23aからディジタル信号を受けて、SRNM21の検出器出力パルスBを計数する機能と、計数して得られたSRNM21の検出器出力パルスBのパルス計数値を第2のパルス計測評価手段28bに与える機能を有する。
【0242】
パルス計測系24の第2のパルス計測評価手段28bは、パルス計数手段27から受けたSRNM21の検出器出力パルスBのパルス計数値を原子炉出力に変換することにより原子炉出力が適切であるか否かを評価する機能と、原子炉出力の評価結果を原子炉出力監視手段26に与える機能とを有する。
【0243】
また、第2のパルス計測評価手段28bは、必要に応じてパルス計数手段27から所要の情報を受けて検出器出力パルスBの波高分布を監視する機能を有する。
【0244】
一方、キャンベル計測系25は、第2のA/D変換器23b、和演算手段29、パワー演算手段30およびキャンベル計測評価手段31がこの順に直列接続されて備えられる。キャンベル計測系25の第2のA/D変換器23bは、アナログ増幅器22と接続され、キャンベル計測評価手段31は、原子炉出力監視手段26と接続される。
【0245】
キャンベル計測系25の第2のA/D変換器23bは、アナログ増幅器22から受けたSRNM21の検出器出力パルスBを含むアナログの電気信号Aをディジタル信号に変換する機能と、変換して得られたディジタル信号を和演算手段29に与える機能を有する。
【0246】
キャンベル計測系25の和演算手段29は、第2のA/D変換器23bからディジタル信号を受けて、よりビット数の大きい精度を有する高精度ディジタル信号に変換する機能と、得られた高精度ディジタル信号をパワー演算手段30に与える機能とを有する。
【0247】
キャンベル計測系25のパワー演算手段30は、和演算手段29から受けた高精度ディジタル信号のサンプリング値の2乗平均値を求める機能と、得られたサンプリング値の2乗平均値をキャンベル計測評価手段31に与える機能とを有する。
【0248】
キャンベル計測系25のキャンベル計測評価手段31は、パワー演算手段30から受けた高精度ディジタル信号におけるサンプリング値の2乗平均値を原子炉出力に変換する機能と、得られた原子炉出力が適切であるか否かを評価する機能とを有する。さらに、キャンベル計測評価手段31は、SRNM21の検出器出力パルスBをキャンベル計測することにより得られた原子炉出力の評価結果を原子炉出力監視手段26に与える機能を有する。
【0249】
原子炉出力監視手段26は、パルス計測系24の第1および第2のパルス計測評価手段28a,28bあるいはキャンベル計測系25のキャンベル計測評価手段31から受けた原子炉出力の評価結果を連続的に監視することができるように構成される。
【0250】
次に、原子炉起動監視装置20Aの作用について説明する。
【0251】
まずSRNM21の検出器出力パルスBの波高分布が同様な波形で安定して得られる場合、例えば原子炉を通常運転させる際には、予め切換スイッチ42によりディジタル式パルス計測系41が検出器出力パルスBの出力先として切り換えられて選択される。
【0252】
原子炉が起動され原子炉出力が10−9%〜10−4%となると、原子炉から放射された中性子束がSRNM21により計測されて、検出器出力パルスBを含む電気信号Aとしてアナログ増幅器22に与えられる。
【0253】
アナログ増幅器22は、SRNM21から検出器出力パルスBを含む電気信号Aを入力して整形し、切換スイッチ42を介してディジタル式パルス計測系41の第1のA/D変換器23aに与える。
【0254】
第1のA/D変換器23aは、アナログ増幅器22から受けたアナログの電気信号Aをディジタル信号に変換してパルス計数手段27に与え、パルス計数手段27は図1に示す原子炉起動監視装置20と同様な検出器出力パルス選別用アルゴリズムによりSRNM21の検出器出力パルスBの計数処理を実行する。
【0255】
パルス計数手段27は、計数して得られた検出器出力パルスBのパルス計数値をパルス計測評価手段28bに与える。
【0256】
パルス計測評価手段28bは、検出器出力パルスBのパルス計数値を原子炉出力に変換し、得られた原子炉出力が適切であるか否かを評価する。パルス計測評価手段28bは、原子炉出力の評価結果を原子炉出力監視手段26に与える。
【0257】
このため原子炉出力監視手段26により、パルス計測評価手段28bから受けた原子炉出力の評価結果を連続的に監視することができる。
【0258】
一方、原子炉出力が10−5%〜10%の範囲においてSRNM21により原子炉圧力容器内における中性子束が計測され、SRNM21の検出器出力パルスBを含む電気信号Aとしてアナログ増幅器22に与えられる。
【0259】
アナログ増幅器22は、電気信号Aを整形してキャンベル計測系25の第2のA/D変換器23bに与え、第2のA/D変換器23bはアナログの電気信号Aをディジタル信号に変換して和演算手段29に与える。
【0260】
和演算手段29は、第2のA/D変換器23bから受けたディジタル信号を、よりビット数の大きい精度を有する高精度ディジタル信号に変換して、パワー演算手段30に与える。
【0261】
パワー演算手段30は、和演算手段29から受けた高精度ディジタル信号のサンプリング値の2乗平均値を求め、得られたサンプリング値の2乗平均値をキャンベル計測評価手段31に与える。
【0262】
キャンベル計測評価手段31は、高精度ディジタル信号におけるサンプリング値の2乗平均値を原子炉出力に変換し、得られた原子炉出力が適切であるか否かを評価する。キャンベル計測評価手段31は、キャンベル計測することにより得られた原子炉出力の評価結果を原子炉出力監視手段26に与える。
【0263】
この結果、原子炉出力監視手段26によりキャンベル計測評価手段31から受けたキャンベル計測による原子炉出力の評価結果を連続的に監視することができる。
【0264】
さらに、検出器出力パルスBの波高分布が同様な波形で安定して得られない場合、例えば原子炉の通常運転時以外において通常使用されないSRNM21やその他の放射線センサからの検出器出力パルスBを入力する際には、切換スイッチ42によりアナログ式パルス計測系40が検出器出力パルスBの出力先として切り換えられて選択される。
【0265】
次に、原子炉から放射された中性子束がSRNM21やその他の放射線センサにより計測されて、検出器出力パルスBを含む電気信号Aとしてアナログ増幅器22に与えられる。
【0266】
アナログ増幅器22は、電気信号Aを入力して整形し、切換スイッチ42を介してアナログ式パルス計測系40のパルス波高比較器43に与える。
【0267】
パルス波高比較器43は、アナログ増幅器22から受けた電気信号Aの波高値と予め設定された波高値とを比較し、電気信号Aの波高値が設定された波高値以上となる数を検出器出力パルスBのパルス数として計測してパルス計測評価手段28aに与える。
【0268】
パルス計測評価手段28aは検出器出力パルスBのパルス数を原子炉出力の出力レベルに変換することにより、原子炉の低出力時における原子炉出力を評価し、評価結果を原子炉出力監視手段26に与える。
【0269】
このため原子炉出力監視手段26により、パルス計測評価手段28aから受けた原子炉出力の評価結果を連続的に監視することができる。
【0270】
すなわち、原子炉起動監視装置20Aは、パルス計測系24にアナログ式パルス計測系40とディジタル式パルス計測系41とを切換可能に設け、放射線センサの違いやその他の理由により検出器出力パルスBの波形が一様でない場合であってもアナログ式パルス計測系40に切り換えることによりパルス計測処理ができるように構成したものである。
【0271】
つまり原子炉起動監視装置20Aでは、例えば、原子炉の通常運転時におけるパルス計測処理のように安定した検出器出力パルスBの波高分布が得られる場合には、ノイズ除去性能に優れるディジタル式パルス計測系41が使用される一方、原子炉の運転時以外のように通常使用されない放射線センサを用いて中性子束を計測され、不安定な検出器出力パルスBの波高分布が得られる場合には、アナログ式パルス計測系40が使用される。
【0272】
原子炉起動監視装置20Aでは、図1に示す原子炉起動監視装置20と同等の効果に加え、放射線センサの違い等の理由により不安定な検出器出力パルスBの波高分布が得られる場合であっても、パルス計測処理ができる。
【0273】
また、原子炉起動監視装置20Aでは、必要に応じてアナログ式パルス計測系40によりアナログ的な計数手段によって計数された検出器出力パルスBの計数結果と、ディジタル式パルス計測系41によりディジタル的な計数ロジックによって計数された検出器出力パルスBの計数結果とを比較検証して補正することにより、より正確なパルス計測処理を実行することもできる。
【0274】
尚、原子炉起動監視装置20、20Aにおいて、放射線センサとしてSRNM21に限らず、中性子束を検出する機能を備えたLPRM等の中性子検出器を使用してもよい。
【0275】
また、原子炉起動監視装置20、20Aにおいて、アナログフィルタ手段はアナログ増幅器22そのものに限らず、放射線センサからの電気信号Aの出力周波数帯域をディジタル変換に適した範囲内に制限して整形する機能を備えていればアナログ増幅器22を含むアナログ回路であってもよい。
【0276】
また、原子炉起動監視装置20、20Aにおいて、キャンベル計測系25を設けずに、パルス計測処理のみを実行する構成としてもよい。
【0277】
さらに、原子炉起動監視装置20、20Aにおいて、パルス計測系24にパルス計測評価手段28,28a,28bを設けずにパルス計数手段27により得られた検出器出力パルスBの計数値や演算値等の所要の情報を原子炉出力監視手段26で直接監視するように構成してもよい。
【0278】
【発明の効果】
本発明に係る原子炉起動監視装置および原子炉起動監視方法においては、より簡易な構成で、より正確かつリアルタイムでパルス計測処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉起動監視装置の第1の実施形態を示す構成図。
【図2】図1に示すSRNMの検出器出力パルスを含む電気信号の波形とパルス計数手段により検出器出力パルスを計数処理する際のサンプリング間隔との関係を説明するグラフ。
【図3】図1に示すA/D変換器のサンプリング間隔がパルス幅の1/2以上1未満である場合において、パルス計数手段の検出器出力パルス選別用アルゴリズムにより検出器出力パルスの計数処理を実行する際の方法を説明する概念図。
【図4】図1に示すA/D変換器のサンプリング間隔がパルス幅の1/3以上1/2未満である場合において、パルス計数手段の検出器出力パルス選別用アルゴリズムにより検出器出力パルスの計数処理を実行する際の方法を説明する概念図。
【図5】図1に示すA/D変換器のサンプリング間隔がパルス幅の1/(n+1)以上1/n未満である場合において、パルス計数手段の検出器出力パルス選別用アルゴリズムにより検出器出力パルスの計数処理を実行する際の方法を説明する概念図。
【図6】パルス計数手段において、検出器出力パルスの計数処理を実行する際のタイミングチャート。
【図7】本発明に係る原子炉起動監視装置の第2の実施形態を示す構成図。
【図8】従来のアナログ式の原子炉起動監視装置の構成図。
【図9】従来のディジタル式の原子炉起動監視装置の構成図。
【符号の説明】
20、20A 原子炉起動監視装置
21 SRNM
22 アナログ増幅器
23、23a,23b A/D変換器
24 パルス計測系
25 キャンベル計測系
26 原子炉出力監視手段
27 パルス計数手段
28,28a,28b パルス計測評価手段
29 和演算手段
30 パワー演算手段
31 キャンベル計測評価手段
40 アナログ式パルス計測系
41 ディジタル式パルス計測系
42 切換スイッチ
43 パルス波高比較器
A 電気信号
B 検出器n出力パルス
C ノイズ成分
D 計数信号パルス
E 計数信号パルス
F1 比較レベル
F2 比較レベル




 

 


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