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発明の名称 通信中継方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2005−80157(P2005−80157A)
公開日 平成17年3月24日(2005.3.24)
出願番号 特願2003−311033(P2003−311033)
出願日 平成15年9月3日(2003.9.3)
代理人
発明者 松倉 隆一 / 山内 仁
要約 課題
柔軟な優先制御を行い、優先通信の品質を確保する。

解決手段
無線端末が行う通信を管理するストリームサーバ(通信管理装置に相当)を、無線通信システムにさらに付加する。このように構成された無線通信システムは、次のように通信の優先制御を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の無線端末と、前記無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置と、前記中継装置と有線ネットワークで接続される通信管理装置と、を含む無線通信システムが実行する通信中継方法であって、
前記中継装置は、優先的に中継する通信の識別子を登録した優先テーブルを記憶し、
前記中継装置は、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継し、
前記通信管理装置は、通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信を特定する通信識別子を前記中継装置に送信し、
前記中継装置は、前記通信識別子を受信し、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録する、
通信中継方法。
【請求項2】
前記中継装置は、他の中継装置により中継されていた優先通信データの中継を引き継ぐためのゲスト用エントリを、前記優先テーブルに確保している、請求項1に記載の通信中継方法。
【請求項3】
複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置と、
前記中継装置と有線ネットワークで接続される通信管理装置と、を含み、
前記中継装置は、
複数の無線端末の通信のうち優先的に中継する通信の識別子を記憶する優先テーブルと、
前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する中継手段と、
通信識別子を前記通信管理装置から受信し、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録するテーブル管理手段と、を有し、
前記通信管理装置は、通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信を特定する通信識別子を前記中継装置に送信する、
通信中継システム。
【請求項4】
複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置に、有線ネットワークで接続される通信管理装置であって、
通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信の識別子及び前記通信の優先的な中継に対する要求を、前記中継装置に送信する要求手段と、
前記要求に対する応答を前記中継装置から受信する受信手段と、
前記応答内容に応じた通知を、前記無線端末に送信する通知手段と、
を有する通信管理装置。
【請求項5】
複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置であって、
前記無線端末の通信を管理する通信管理装置に有線ネットワークを介して接続する接続手段と、
優先的に中継する通信の識別子を登録した優先テーブルを記憶する記憶手段と、
前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信データを、他の通信データよりも優先的に中継する優先中継手段と、
前記優先テーブルへの通信識別子の登録要求を、前記通信管理装置から受信する要求受信手段と、
前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録する優先テーブル更新手段と、
を有する中継装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
無線LAN(Local Area Network)のように、同じ通信エリアに属する複数のユーザが限られた通信帯域を共有する通信方式に関する。さらに詳しくは、そのような通信方式において、複数のユーザの個々の通信に優先度を付与し、優先度の高い通信の品質を確保する方式に関する。
【背景技術】
【0002】
無線LANのように無線を利用したデータ通信システムでは、無線中継局からの電波が届く範囲に存在する無線端末に、同じデータが到達する。つまり、無線中継局とある無線端末との間の通信データは、同時に他の端末にも伝わってしまう。従って、同時に複数の無線端末が別の通信をすることができない。そのため、ある無線端末が大量のデータを送信し始めると、他の無線端末はこの通信の影響を受けてしまう。例えば、通信速度が遅くなったり、相手からの応答が遅延するなどの現象が発生する。なかでもIP(Internet Protocol)電話で使われているVoIP(Voice Over IP)技術では、一定間隔で音声データを無線中継局と無線端末との間で通信する。そのとき、別の無線端末が多くの通信帯域を必要とする通信を始めると、通話中の音声データが遅れて到着することになってしまう。その結果、通話相手の音声が遅れて再生されたり、音声データの再生に間に合わずに音切れなどのノイズが発生したりする。そのため、複数の通信が行われている場合に特定の通信を優先させたいというニーズがある。現状で提案されている優先制御の方法を以下に説明する。
【0003】
無線LANの国際的な標準規格としてIEEE 802.11がある。使用する電波帯域、変調方式の違いによっていくつかの規格があり、たとえば現在広く使われている無線LANは2.4GHz帯で最大11Mbpsの通信が可能なIEEE 802.11bである。この無線LANには2つの通信モードがある。
ひとつはDCF(Distributed Coordination Function)と呼ばれるモードである。このモードでは、通信が行われていないときにはデータ送信したい無線端末がデータを送信することができる。複数の無線端末が同時にデータ送信しようとしているときには、それらの通信が衝突する可能性があるため、前の通信が終わってから次の送信をするまでの間、各無線端末はランダムな待ち時間(以下、バックオフ時間)を待ってからデータ送信を行うことが規定されている。このため、複数の無線端末が存在するときには、無線端末は平等に通信する機会が与えられ、特定の無線端末の通信を優先することはない。
【0004】
もうひとつの通信モードはPCF(Point Coordination Function)と呼ばれるモードである。このモードでは、定期的に無線中継局が、特定の無線端末の通信帯域を意図的に確保することができる。ただし、現在市販されている無線LANシステムではPCFモードを実装したものはなく、無線LANにおける優先制御は標準方式では行われていないのが現状である。
最近では、DCFを拡張したEDCF(Enhanced DCF)が802.11e規格の一部として議論されている。DCFでは1つであった送信キューが、EDCFでは最大8個まで備えられるようになっている。この送信キューを通信データの優先度によって使い分ける方式が提案されている。その方式では、優先度が異なる送信キューに送信データが格納されると、優先度の高いキューほどバックオフ時間が短くなるように設定されている。そのため、優先度の高いデータが送信されやすい。
【0005】
別の提案として、DCFモードで通信するときに、他の通信が終了後に待機しなければならない時間を意図的に短くすることによって、特定の通信を優先させる方式がある。この通信方式は、前述の802.11規格で定められているバックオフ時間を待たない動作をするが、802.11規格に対応した装置と同時に動かしても問題なく動作するため、互換性を保ったシステムとなっている。ただし、この動作をする無線端末が増えてくると、衝突の確率が高くなり通信品質が低下するおそれがある。従って、この方式は優先通信端末数が少ないときに有効である。
【0006】
上記の優先方法は、いずれも無線端末毎に、すなわち通信単位で優先制御する方法である。一方、通信するデータ種別によって優先制御をする方法として、例えば以下の方法がある。
(a)802.1Qで規定されるユーザプライオリティビット内のレイヤ2サービスクラス(COS)の設定値を使用する方法。
(b)IPv4ヘッダのタイプオブサービス(TOS)バイト内のIP優先順位/DSCP(差分サービスコードビット)を使用する方法。
【0007】
それぞれの情報は3ビットからなる。共通のパケット優先順位を決めておき、無線端末やデータ中継装置でこの情報を参照することによって、特定のデータ種別のパケットを優先することが可能である。現在、IP電話装置を開発しているところでは、この方式を採用しているところが多い。しかし、一般的にはこの情報を利用している機器は少なく、異種サービスを混在させて利用するところではあまりうまくいかないおそれがある。また、無線端末及び有線端末で動作するアプリケーションが故意に正しくない設定をして高い優先度を確保するような端末が存在すると、ネットワーク全体が危うくなると言うおそれもある。
【0008】
また、特許文献1には、動画像符号化MPEGでの映像を送信する場合に、MPEGのヘッダを参照し、優先度が異なる複数のキューにデータを振り分ける方式が記載されている。しかし、ヘッダを参照してキューに振り分けるアルゴリズムが固定的になっており、優先制御の方法を動的に変更することが難しい。
【特許文献1】特開2003-134077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上述べたように、無線LANにおいて優先制御を行う方法はいくつか提案されている。しかし、一般的に無線LANの通信帯域は有線ネットワークに比較して狭い。そのため、優先制御を行ったとしても、優先通信だけで無線ネットワークの利用可能帯域の大半を使用してしまう事態が考えられる。この場合には、輻輳など優先通信間の影響により優先制御を行ったとしても優先通信の通信品質を保てなくなる可能性がある。
無線LANでVoIPのようなストリーム通信を行うには、安定して定期的な通信が実現されなければならない。そのためには、次の4つの課題がある。
(1)無線通信区間における優先制御
(2)無線端末、中継装置における優先パケットの振り分け
(3)どの通信を優先するかの決定方法の最適化
(4)無線中継局における優先通信の帯域管理
このうち、(1)の課題については、上記で述べた方式によって実現される。(2)、(3)の課題については、無線端末単位での優先制御、アプリケーション単位での優先制御、データ種類毎の優先制御などを、ニーズに応じて柔軟に変更できることが望まれている。例えば、同じ音声ストリームであってもIP電話を優先し、インターネットラジオの音声ストリームを優先しないことが好ましい。また、有料会員のIP電話を優先し、無料会員のIP電話を優先しないなどの設定をできることが望まれる。
【0010】
(4)の課題については、優先通信する無線端末が使用する帯域もまた有限であるため、どのように優先通信同士の競合を処理するかが問題となる。また、無線LANでは、無線端末と無線中継局との間の無線状態が悪くなりエラーが多く発生するような状況になると、接続速度を下げて通信品質を維持しようとする機能が働く。接続速度を下げて単位時間当たりの伝送データ量をそのままにすると、消費帯域が実質的に広がったことになる。このように、帯域管理においては接続速度の監視も必要となる。
さらに、複数の無線中継局が存在するときには、無線端末が移動することによって、接続していた無線中継局がより近くの無線中継局に自動的に切り替えられることがある。この場合には、既に実現されている優先通信は別の中継局に切り替わってもそのまま継続して続けられることが期待される。そのため、移動先の無線中継局では、他の無線中継局から移動してくる無線端末のために通信帯域を確保しておく必要がある。優先通信の帯域管理については、以上のような考慮すべき課題がある。
【0011】
本発明は、無線端末の通信の優先制御により安定した無線通信を確実に実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明1は、複数の無線端末と、前記無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置と、前記中継装置と有線ネットワークで接続される通信管理装置と、を含む無線通信システムが実行する通信中継方法を提供する。この方法は、以下の段階を含む。
・前記中継装置は、優先的に中継する通信の識別子を登録した優先テーブルを記憶し、
・前記中継装置は、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継し、
・前記通信管理装置は、通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信を特定する通信識別子を前記中継装置に送信し、
・前記中継装置は、前記通信識別子を受信し、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録する。
【0013】
発明2は、発明1において、前記中継装置が、他の中継装置により中継されていた優先通信データの中継を引き継ぐためのゲスト用エントリを、前記優先テーブルに確保している通信中継方法を提供する。
発明3は、複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置と、前記中継装置と有線ネットワークで接続される通信管理装置と、を含む通信中継システムを提供する。前記中継装置は、以下の要素を含む。
・複数の無線端末の通信のうち優先的に中継する通信の識別子を記憶する優先テーブル、
・前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する中継手段、
・通信識別子を前記通信管理装置から受信し、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録するテーブル管理手段。
【0014】
また、通信管理装置は、通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信を特定する通信識別子を前記中継装置に送信する。
発明4は、複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置に、有線ネットワークで接続される通信管理装置を提供する。この装置は、以下の要素を含む。
・通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信の識別子及び前記通信の優先的な中継に対する要求を、前記中継装置に送信する要求手段、
・前記要求に対する応答を前記中継装置から受信する受信手段、
・前記応答内容に応じた通知を、前記無線端末に送信する通知手段。
【0015】
発明5は、複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置を提供する。この装置は、以下の要素を含む。
・前記無線端末の通信を管理する通信管理装置に有線ネットワークを介して接続する接続手段、
・優先的に中継する通信の識別子を登録した優先テーブルを記憶する記憶手段、
・前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信データを、他の通信データよりも優先的に中継する優先中継手段、
・前記優先テーブルへの通信識別子の登録要求を、前記通信管理装置から受信する要求受信手段、
・前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録する優先テーブル更新手段。
【発明の効果】
【0016】
本発明を用いれば、どの通信を優先通信とするかを、ニーズに応じて柔軟に変更できる。また、優先通信同士の競合により優先通信の品質が劣化することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<発明の概要>
本発明では、無線LANなどの一般的な無線通信システムにおいて、システム内部ではなくシステム外部で実質的に優先制御を行う。一般的な無線通信システムは、複数の無線端末と、無線端末と無線ネットワークで接続される無線中継局(中継装置に相当)と、を含む。本発明では、無線端末が行う通信を管理するストリームサーバ(通信管理装置に相当)を、無線通信システムにさらに付加する。このように構成された無線通信システムは、次のように通信の優先制御を行う。
【0018】
(a)無線中継局は、ストリームサーバが管理する通信のうち、優先的に中継する通信の識別子を優先テーブルに記憶する。
(b)無線中継局は、優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する。
(c)ストリームサーバは、通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信を特定する通信識別子を無線中継局に送信して優先テーブルへの登録を要求する。
【0019】
(d)無線中継局は、優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、登録を要求された通信識別子を優先テーブルに登録する。
この通信中継方法を用いれば、優先テーブルに登録された通信が優先的に中継される。優先的に中継される通信を、以下優先通信という。無線ネットワークの利用可能帯域のうち、優先通信に割り当てる帯域(以下、優先通信用リソースという)の上限は予め設定しておく。どの通信を優先通信とするかは、どの通信を優先テーブルに登録するかにより決まる。優先テーブルへの通信の登録は、ストリームサーバの要求に応じて行われる。ストリームサーバは、無線端末の通信を管理しており、その全てを優先通信とするよう無線中継局に要求しても良い。逆に、ストリームサーバは、管理している通信の一部についてのみ、優先通信とするよう無線中継局に要求しても良い。
【0020】
つまり、どの通信を優先するかは、無線中継局と無線端末とを含む通常の無線システム内部で予め決めておくのでははなく、その外部にあるストリームサーバが実質的に行う。そのため、優先通信の対象となる無線端末やアプリケーションを、外部の様々な状況に応じて柔軟に設定しやすい利点がある。また、優先通信用リソースの上限を超えないよう優先テーブルへの優先通信の登録を制限するので、優先通信の品質は確保できる。
なお、ストリームサーバが登録を要求したにもかかわらず、優先通信用リソースに空きがない場合もある。このように、優先テーブルが一杯で登録されなかった通信については、無線中継局は中継を行わない、非優先通信として中継する、などの処理が可能である。例えば、アプリケーションがIP電話であり、ある無線端末からの発信を無線中継局が中継しない場合には、そのIP電話は話中(ビジー)または圏外などの表示をして利用者に知らせることになる。ストリームサーバが管理する通信以外の通信についてはストリームサーバが関知し得ないので、優先テーブルに登録されようがない。従って優先的に中継されない。
【0021】
<第1実施形態>
(1)構成
図1は、第1実施形態に係る無線通信システムの全体構成図である。無線通信システムは、少なくとも1つの無線中継局1a,1bと、ストリームサーバ2と、複数の無線端末3a〜dと、を含んでいる。各無線中継局及び各無線端末の機能構成は同一なので、以下では特に区別する必要がある場合を除き、a、b・・・の符号を示さないで記載する。
無線端末3は、無線LANを介して任意の無線中継局1と接続可能である。無線中継局1は、有線LAN4(図2参照)で互いに接続されている。さらに、無線中継局1は、有線LAN4を介してストリームサーバ2と接続されている。
【0022】
ストリームサーバ2は、無線端末3の無線通信の全部または一部を管理し、管理対象の通信のそれぞれを通信識別子で識別している。ストリームサーバ2とそのサーバが管理する通信としては、例えばSIPサーバにより管理される通信が挙げられる。また例えば、認証サーバが管理する通信が挙げられる。ストリームサーバ2はこれらの例に限定されない。
図2は、図1に示す無線通信システムを無線LANに適用した場合の機能構成図である。以下では、説明を容易にするために、ストリームサーバとしてSIPサーバ2を用い、VoIP通信を優先的に中継する例を用いて説明する。
【0023】
[無線中継局]
無線中継局1は、以下の要素を有する。各無線中継局1が有する要素の機能は同一なので、以下では特に区別する必要がある場合を除き、a、b・・・の符号を示さないで記載する。
(a)帯域管理部11:帯域管理部11は、優先テーブル111を管理する。優先テーブル111には、優先通信を識別する通信識別子が登録される。帯域管理部11は、SIPサーバ2からの通知に応じ、優先テーブル111の更新を行う。優先テーブル111については、詳細を後述する。
【0024】
(b)優先順位管理部12:優先順位管理部12は、優先テーブル111に登録されている優先通信の優先順位を管理する。具体的には、優先順位管理部12は、通常は到着順に優先順位を決定し、同時に複数の優先通信が発生したときにはどちらを他方よりも優先するかを決定する。ただし、無線端末3と無線中継局1との間においてPCFなどの中継局が無線端末の通信を集中管理する場合には、無線端末3の優先順位を管理する必要がある。特に問題がなければ、優先テーブルのエントリ順に優先順位を決定してよい。
(c)優先順位指示部13:優先順位指示部13は、優先順位に従って優先通信が処理されるよう、無線LANインターフェース15に指示する。
【0025】
(d)優先通信判別部14:優先通信判別部14は、後述する有線LANインターフェース16を介して受信する通信データが優先通信のデータか否かを判別する。この判断は、受信データの通信識別子が優先テーブル111に登録されているか否かにより行う。
(e)無線LANインターフェース15:無線LANインターフェース15は、無線LANの規格に準拠したアクセス制御を行う。また、無線LANインターフェース15は、優先テーブル111に登録されている通信を、優先順位指示部13が指定した優先順位に従い、無線区間において非優先通信よりも優先的に中継する。優先的に中継する方式としては、従来提案されている方式を利用可能である。例えば、IEEE 802.11eで標準化が議論されているような優先通信方式を用いることができる。
【0026】
(f)有線LANインターフェース16:有線LANインターフェース16は、有線LANの規格に準拠したアクセス制御を行う。
(g)ストリームサーバ通信部17:ストリームサーバ通信部17は、SIPサーバ2との間でのデータの送受信を、優先LANインターフェース16を介して行う。
図3は、優先テーブル111の概念説明図である。優先テーブル111には、優先通信の通信識別子と通信状態とが登録される。通信識別子としては、送信元及び受信先のIPアドレス及びポート番号が用いられる。優先テーブル111に通信識別子を登録するか否かは、下式を満たすか否かにより決まる。
【0027】
S/U≦(所定の上限値)
ここで、S:優先テーブル111に登録された通信の消費帯域の総和
U:複数の無線端末3が共有する無線LANの利用可能帯域U
この上限値で定められる無線LANの利用可能帯域が、優先通信用リソースである。この例では、優先テーブル111のエントリ数を決めておき、エントリに空きがあれば優先通信用リソースに空きがあると判断する。エントリ数は、次のようにして決定することができる。
【0028】
例えば、IEEE802.11bに準拠する無線LANシステムでVoIP通信を優先的に中継する場合を考える。無線端末3が共有する無線LANの利用可能帯域は11Mbpsとする。このうち、VoIP通信のための通信帯域、すなわち優先通信用リソースを6.5M確保する。各無線端末3のVoIP通信の単位時間当たり伝送データ量は、送信及び受信の双方を考慮して64kbps×2=128kbpsと仮定する。すると、優先通信として許容できる最大接続数は、6.5M/128kから“50”となる。従って、優先テーブル111には50のエントリを生成しておけばよい。それにより、最大50の優先通信を優先テーブル111に登録することができる。
【0029】
[SIPサーバ]
SIPサーバ2は、以下の要素を有する。
(a)接続端末管理部21:接続端末管理部21は、SIPサーバ2が管理する通信を識別する通信識別子を記憶している。通信識別子としては、データストリームの送信元端末及び受信先端末のIPアドレス及びポート番号が挙げられる。
(b)SIPプロトコル制御部22:SIPプロトコル制御部22は、SIPのプロトコルに基づいて、有線LANインターフェース24が送受信する通信データ、この例ではVoIP通信データを制御する。
【0030】
(c)外部連携部23:外部連携部23は、無線中継局1に対し、優先通信の要求を行う。
(d)有線LANインターフェース24:有線LANインターフェース24は、有線LANの規格に準拠したアクセス制御を行う。
[無線端末]
無線端末3は、以下の要素を有する。各無線端末3が有する要素の機能は同一なので、以下では特に区別する必要がある場合を除き、a、b・・・の符号を示さないで記載する。
【0031】
(a)IP電話アプリケーション31:IP電話アプリケーション31は、VoIP通話の規格に準拠したアクセス制御を行う。
(b)優先通信判別部32:優先通信判別部32は、無線端末3が実行中の通信のうち、どれが優先通信かを判別する。この判断は、次のように行うことができる。無線端末が実行中のVoIP通信について、通信相手のIPアドレスと、必要であればそのポート番号とを記憶しておく(図示せず)。VoIP通信の開始段階で、開始する通信が優先通信か否かの通知をSIPサーバ2から受信し、記憶しておく(図示せず)。記憶した情報に基づき、送信データのうち優先通信と非優先通信とを区別して優先通信指示部33に渡す。
【0032】
(c)優先通信指示部33:優先通信指示部33は、無線LANインターフェース34に送信データを渡す。このとき、優先通信か非優先通信かを指示する。
(d)無線LANインターフェース34:無線LANインターフェース34は、無線LANの規格に準拠したアクセス制御を行う。
(2)処理の流れ

図4は、図2に示す無線LANシステムが行う処理の流れを示す説明図である。説明を容易にするために、複数の無線端末3a、3bは、共に任意の同一の無線中継局1aに接続可能な場合を例にとる。
【0033】
無線端末3aが起動すると、無線LANインタフェース34aが無線中継局1を探すメッセージを送出する。それに対して無線接続可能な無線中継局1aが応答する。無線端末3aは、応答した無線中継局1aに接続する(#1)。
その後、SIPサーバ2に対して無線端末3aがVoIP端末として機能するように、無線端末3aのIP電話アプリケーション31aは、無線端末3aの情報を通知するRegisterメッセージをSIPサーバ2に送信する(#2)。例えば、無線端末3aのIPアプリケーション31aは、無線端末3aのIPアドレス、ポート番号、無線端末3aを呼び出すための識別子(電話番号、ユーザID、SIPアドレスなど)を、SIPサーバ2に送信する。IP電話ではこの識別子を用いて相手端末を呼び出すため、これらの情報をSIPサーバ2に登録しておき、実際の発信処理のときにSIPサーバ2は識別子に基づいて実際のIPアドレス、ポート番号を通知する。この登録に成功すると、SIPサーバ2から無線端末3aにOKメッセージを送信する(#3)。
【0034】
同様にして、無線端末3bは、無線中継局1aへの無線接続を行い(#4)、無線端末3bを呼び出すための識別子をSIPサーバ2に登録する(#5,#6)。
このようにして無線端末3a、3bがそれぞれ無線中継局1aにIP接続している状態において、無線端末3aから無線端末3bに対して、VoIP発信する場合を例にとり説明する。
無線端末3aのIP電話アプリケーション31aは、発信メッセージ(Invite)をSIPサーバ2に送信する。優先通信判別部32aではこの通信は優先通信と認識していないので、非優先通信と判断する。優先通信指示部33aは、無線LANインタフェース34aに対して非優先で通信するように指定する。Inviteメッセージは、無線中継局1aの無線LANインタフェース15から有線LANインタフェース16に転送され、有線LAN4を経由してSIPサーバ2に送信される(#7)。
SIPサーバ2では、有線LANインタフェース24がInviteメッセージを受信し、SIPプロトコル制御部22に渡す。SIPプロトコル制御部22は、無線端末3aから無線端末3bへの発信であると解釈する。
【0035】
さらに、SIPサーバ2は、無線中継局1aに対し、優先通信用リソースに空きがあるか否かを問い合わせる。言い換えれば、無線中継局1aの優先テーブル111に、無線端末3a、3bそれぞれと無線中継局1aとの間の通信計4本を登録する空きエントリがあるかどうかを問い合わせる。1通話に必要な送信用及び受信用の2本の通信路が1エントリに登録されるので、4本の通信路を登録するためには2つのエントリの空きがあるかどうかを問い合わせる。この問い合わせ(以下、帯域確認メッセージという)は、外部連携部23が有線LANインタフェース24を介して送信する(#8)。帯域確認メッセージは、SIPサーバ2が優先通信として選択した通信の識別子を含む。
【0036】
無線中継局1aでは、ストリームサーバ通信部17が帯域確認メッセージを抽出し、帯域管理部11に対して優先通信用リソースの空き状況を確認する。帯域管理部11は、優先テーブル111を参照し、空きがある場合には、通知された通信識別子を優先テーブル111に書き込む。さらに、帯域管理部11は、通信状態を“未接続”に設定する。ついで、SIPサーバ2に対してリソースを確保したこと、またはリソースの空きがなかったことが通知される。この通知は、ストリームサーバ通信部17からSIPサーバ2の外部連携部23に送信される(#9)。
【0037】
SIPサーバ2の外部連携部23は、リソースの確保が通知されると、SIPプロトコル制御部22にそれを通知する。これを受け、SIPプロトコル制御部22は、無線端末3bに対して接続要求(Invite)を通知する(#10)。同時に無線端末3aにはTryingメッセージを送信する(#11)。逆に優先通信用リソースに空きがない場合でも、SIPサーバ2は無線端末3bにInviteメッセージを送信しても良い。その場合は、無線端末3a、3b間の通信のうち、無線区間での通信の全てまたは一部が非優先通信として扱われる。逆に、無線端末3a、3b間の無線区間の通信の全てを優先通信にできない場合には、SIPサーバ2は無線端末3a、3b間のコネクションを確立せず、無線端末3aに切断メッセージを送信することもできる。
【0038】
無線端末3a、3b間のコネクションを確立する場合、まず無線端末3bはSIPサーバ2に呼び出し中(Ringing)メッセージを通知する(#12)。Ringingメッセージは、無線端末3aに中継される(#13)。Invite及びRingingメッセージは無線中継局1aを経由するものの、SIPサーバ2と無線端末3a、3bとの間との通信は優先通信ではない。そのため、この2つのメッセージは、無線中継局1aの優先通信判別部14では非優先通信と判断される。優先順位指示部13は、非優先通信として、無線LANインタフェース15を介し、無線端末3a、3bへそれぞれのメッセージを通知する(#10〜#13)。なお、SIPサーバ2と無線中継局1aとの間の通信を優先通信とするために、これらの通信に対して優先通信用リソースを割り当てることも可能である。この方法については後述する第2実施形態で説明する。
【0039】
Inviteメッセージに対して無線端末3bのユーザが応答すると、無線端末3bのIP電話アプリケーション31bからSIPサーバ2に、無線中継局1aを経由してOKメッセージが送信される(#14)。
SIPサーバ2では、この応答メッセージをSIPプロトコル制御部22で解釈する。解釈に基づき、SIPプロトコル制御部22は、外部連携部23を経由して無線中継局1aにコネクションの確立を通知する。この通知を受け、帯域管理部11が優先テーブル111の該当エントリの通信状態を、“通信中”に変更する。これによって無線端末3a、3b間のVoIP通信の全部または一部が、無線区間において優先通信となる(#15)。
【0040】
SIPプロトコル制御部22は、さらに有線LANインタフェース24を介し、無線中継局1a経由で無線端末3aに応答メッセージ(OK)を送信する(#16)。応答メッセージには、無線端末3aと無線中継局1aとの間の上下計2本の通信が、それぞれ優先通信か否かの通知を含む。応答メッセージを受信した無線端末3aの無線通信判別部32aは、これを記憶する。前記応答メッセージを受信した無線端末3aは、無線端末3bに対し、SIPサーバ2経由で応答メッセージ(ACK)を送信する(#17,#18)。
この後、無線端末3a、3bの間で通話が開始される。通信されるVoIPパケットは、無線端末3a、3bの優先通信判別部32a、32bや無線中継局1aの優先通信判別部14で優先通信と判断される。それにより、無線端末3a、3b及び無線中継局1aの無線LANインタフェースには、優先通信が指示される。
【0041】
VoIP通信を切断するには、無線端末の一方から切断メッセージ(Bye)を送信する。この例では、無線端末3aからByeメッセージを送信する。IP電話アプリケーション31aがByeメッセージを送信すると、無線中継局1aを経由してSIPサーバ2に送信される(#19)。
SIPプロトコル制御部21は、相手側端末である無線端末3bに、無線中継局1a経由でByeメッセージを送信する(#20)。
IP電話アプリケーション31bがByeメッセージを認識し、無線中継局1b経由で応答すると、SIPプロトコル制御部22はこれを解釈する(#201)。
【0042】
SIPプロトコル制御部22は、外部連携部23を介して無線中継局1aのストリームサーバ通信部17へ優先通信の終了を通知する。これを受け、無線中継局1aの帯域管理部11は、該当する優先通信のエントリを優先テーブル111から削除する(#202)。
SIPプロトコル制御部22は、さらに応答メッセージを無線中継局1a経由で無線端末3aへ送信し、VoIP通信に関する全ての通信を終了させる(#203)。
以上の処理では、SIPサーバ2からの要求に応じて優先通信が優先テーブル111に登録される。従って、どのような通信を優先させるか、つまり優先制御の方法を変える場合には、SIPサーバ2のアルゴリズムを変えればよい。つまり、既存の無線通信システムにおける無線中継局に優先テーブル111を組み込み、SIPサーバなどのストリームサーバ2を付加することで、容易かつ柔軟に優先制御の方法を変更することができる。この例では、VoIP通信だけを優先制御の対象にしているので、同じ無線端末3からのIPデータであってもVoIP通信のデータ以外は優先制御されない。言い換えれば、ある特定のアプリケーション、例えばIP電話アプリケーションに関連する通信だけを優先的に中継することができる。また、優先通信用リソースを超えない範囲で優先テーブルへの登録を行うため、優先通信同士が競合して品質の劣化を招くことを防止できる。
<第2実施形態>
第1実施形態では優先テーブル111に登録する優先通信の数に上限を設け、優先テーブル111への登録を制限している。別の方法として、各無線端末3が無線通信で消費する帯域(以下、消費帯域という)に基づいて優先通信用リソースの空きの有無を判断する方法がある。また、
図5は、第2実施形態に係る無線中継局1、SIPサーバ2、無線端末3の機能構成を示す。第1実施形態と同様の機能を有する要素については、同一の符号を付して示している。第1実施形態との違いは、新たにシグナル管理テーブル112が設けられている点と、優先テーブル113に記憶される情報である。
【0043】
図6は、シグナル管理テーブル112の概念説明図である。シグナル管理テーブル112には、SIPサーバ2から任意の通信端末への通信データと、任意の通信端末からSIPサーバ2への通信データとを識別する通信識別子が登録される。図6は、SIPサーバ2のIPアドレスが“192.168.1.5”であり、ポート番号が“5060”である場合を示す。図中“*”は、任意の送信元及び任意の受信先を示す。シグナル管理テーブル112を設けてSIPサーバ2と無線中継局1との間の通信に優先通信用リソースを割り当てることにより、SIPサーバ2と無線中継局1との間で送受信されるIP通信制御用メッセージを、無線中継局1が優先的に送信することができる。従って、無線端末3のユーザからみれば、無線ネットワークが混雑している場合でも相手端末の呼び出しのための待ち時間が短くなるなどの効果がある。シグナル管理テーブル112は、無線端末3の帯域管理部11により管理・更新される。
【0044】
図7は、優先テーブル113の概念説明図である。優先テーブル113には、優先通信の通信識別子、消費帯域、及び通信状態が登録される。通信識別子としては、送信元及び受信先のIPアドレス及びポート番号が用いられる。優先テーブル113に通信識別子を登録するか否かは、優先テーブル113に登録された各優先通信の消費帯域の総和が、優先通信用リソース以下となるか否かにより決まる。消費帯域は、各無線端末3が使用する通信帯域を示す。ただし、無線LANでは、通信状態によって無線端末3と無線中継局1との通信速度が変化するため、最高速度で通信しているとき以外は換算値を利用する必要がある。つまり、最高通信速度が11Mbpsの場合、ある無線端末3が何らかの理由で5.5Mbpsで通信していたとする。5.5Mbpsでの通信では、11Mbpsの時に比較して同じデータサイズの通信で通信時間は2倍必要となる。これは、5.5Mbpsで通信することによって、11Mbpsの時の2倍の消費帯域を使うことを意味している。例えば、G.711でVoIP通信を行っている場合、11Mbpsでの消費帯域は128kbpsだが、5.5Mbpsでは256kbpsの消費帯域として管理する。消費帯域の算出は、無線中継局1の帯域管理部11が行う。
【0045】
優先テーブル113への登録の可否は、例えば次のように行う。IEEE802.11bに準拠する無線通信システムでVoIP通信を優先的に中継する場合を考える。各無線端末3が共有する無線LANの利用可能帯域が11Mbpsとする。このうち、VoIP通信のための通信帯域、すなわち優先通信用リソースを6.5Mbps確保する。各無線端末の消費帯域を、各無線端末3の単位時間当たりの伝送データ量が11Mbpsの場合を基準に換算し、優先テーブル113に書き込む。そして、各無線端末3の消費帯域の総和が6.5Mbpsを超えない範囲で、優先テーブル113に新たな優先通信を登録する。
【0046】
優先テーブル113への登録の可否の判断方法とシグナル管理テーブル112を用いる点を除き、本実施形態の無線LANシステムは第1実施形態と同様の処理を行う。従って、優先通信用リソースを十分にとっておけば、外部のSIPサーバ2がどの通信を優先通信とするか否かを制御することができ、優先通信同士の競合を避けることができる。
<第3実施形態>
前記第1及び第2実施形態において、優先テーブル111または優先テーブル113とシグナル管理テーブル112とを、1つのテーブルにまとめることも可能である。
【0047】
図8は、前記第2実施形態における優先テーブル113とシグナル管理テーブル112とをまとめた管理テーブルである。図1に示す優先テーブル111に代えて、あるいは図6に示す優先テーブル113とシグナル管理テーブル112との組み合わせに代えて、図8に示す管理テーブルを用いても、前述と同様の処理を行うことができる。シグナリング通信に必要な通信帯域については、無線端末数や接続処理頻度などに基づいて算出することができる。
<第4実施形態>
(1)構成
無線端末3が接続する無線中継局1は、無線端末3の移動により変化する。ある無線中継局1aとの間で行っていた優先通信は、移動先の無線中継局1bとの間でも引き続き続行できると好ましい。そのために、優先通信用リソースを、既存者用リソースと移動者のためのゲスト用リソースとに分けておくと良い。ゲスト用リソースを確保することで、移動により接続してくる無線端末3の優先通信用にリソースを確保することができる。
【0048】
図9は、第4実施形態に係る無線通信システムの全体構成図である。前記第1〜第3実施形態と同様の機能を有する要素については、同一の符号を付して示している。本実施形態では、無線通信システムは複数の無線中継局を含み、アクセスポイントマネージャ(以下、APマネージャ)5をさらに含んでいる。説明を容易にするために、以下では無線端末3aが無線中継局1aの管轄領域(図9(a)参照)から無線中継局1bの管轄領域に移動した場合(図9(b)参照)を例にとる。
図10は、図9に示す無線通信システムを無線LANに適用した場合の、各要素の機能構成図である。図中、前記第1〜3実施形態と同様の機能は、同一の符号を付して示している。無線中継局1bは、無線中継局1aと同様の機能構成を有している。前述と同様、ストリームサーバ2としてVoIP通信を管理するSIPサーバ2を用い、VoIP通信を優先的に中継する例を用いて説明する。
【0049】
APマネージャ5は、以下の構成要素を有している。
(a)アクセスポイント管理部51:アクセスポイント管理部51は、接続管理テーブル511を有し、これに基づいて無線端末3と無線中継局1との関係を管理する。
(b)ストリームサーバ制御中継部52:ストリームサーバ制御部52は、SIPサーバ2とデータを送受信する。
(c)有線LANインターフェース53:有線LANインターフェース53は、有線LANの規格に準拠したアクセス制御を行う。
【0050】
図11は、既存者用エントリとゲスト用エントリとを持つ優先テーブル114の概念説明図である。既存者用エントリとゲスト用エントリとの和は、第1実施形態に記載の方法で求めた最大接続数の上限を超えないように制御される。両者の比は、各無線中継局1が設置される場所に応じ、適宜調整する。また両者の比は、常に一定である必要はなく、移動しながら利用する無線端末数によって変動しても良い。既存者用エントリには、このテーブルを有する無線中継局1に一定時間T以上接続している無線端末3の優先通信が登録される。ゲスト用エントリには、他の無線中継局1の管轄領域から移動してきた無線端末3の優先通信が登録される。ゲスト用エントリに登録された優先通信は、登録から一定時間Tが経過すると既存者用エントリに移される。
【0051】
ゲスト用エントリの優先通信の通信識別子は、他の無線中継局1から送信される。つまり、無線端末3の移動により、移動元の無線中継局1aの優先テーブル114aに記載されていた通信識別子は、移動先の無線中継局1bの優先テーブル114bに送信される。そして、その無線端末3が行っている優先通信は、移動先の優先テーブル114bのゲスト用エントリに新たに登録され、移動元の優先テーブル114aの既存端末用エントリからは削除される。無線端末3の移動に伴い関連する無線中継局1の優先テーブル114を更新するので、無線端末3は継続して優先通信を行うことができる。また、各無線中継局1は、不要となった優先通信用リソースを有効に使用することができる。
【0052】
なおこの例では、エントリ数、すなわち接続数に上限を設けて優先テーブル114への登録を制限しているが、前述したように消費帯域を監視することによる登録の制限ももちろん可能である(前記第2実施形態を参照)。また、第3実施形態で示したように、シグナル管理テーブル112を優先テーブル114にさらに組み込んでも良い。
図12は、接続管理テーブル511の概念説明図である。このテーブルは、どの無線端末3がどの無線中継局1に接続しているかを管理する。具体的には、このテーブルには、無線端末3のIPアドレスと、各無線端末3が接続している無線中継局1のIPアドレスと、が記憶されている。これに基づいて、各無線端末3が接続している無線中継局1に対し、優先通信用リソースの空きがあるかを問い合わせることができる。
【0053】
(2)処理
図13は、図10で示す無線LANシステムにおける処理の流れを示す説明図である。
無線端末3aが起動すると、無線LANインタフェース34aが無線中継局1を探すメッセージを送出する。それに対して接続可能な無線中継局1aが応答する。無線端末3aは、応答した無線中継局1aに接続する(#21)。
無線中継局1aは、APマネージャ5に対し、無線端末3aと無線中継局1aとの情報を通知する(#22)。APマネージャ5のストリームサーバ制御中継部52はこれを受信し、アクセスポイント管理部51に渡す。これにより、無線端末3a及び無線中継局1aの対応が接続管理テーブル511に登録される。なお、無線端末3と無線中継局との関係を登録するタイミングは、この例に限定されない。例えば、無線端末3が無線接続する段階、無線端末3がSIPサーバ2にRegisterメッセージを送信する段階、無線端末3がSIPサーバ2にInviteメッセージを送信する段階などに、無線中継局1がAPマネージャ5に対して登録を行うことができる。
【0054】
その後、SIPサーバ2に対して無線端末3aがVoIP端末として機能するように、無線端末3aの情報を無線端末3aからSIPサーバ2に通知する(#23)。例えば、無線端末3aのIP電話アプリケーション31aは、無線端末3aのIPアドレス、ポート番号、無線端末3aを呼び出すための識別子(電話番号、ユーザID、SIPアドレスなど)を登録する。この登録に成功すると、SIPサーバ2が無線端末3aにOKメッセージを送信する(#24)。

無線端末3bは、無線端末3aと同様にして、無線中継局1bへの接続(#25)、APマネージャ5への登録(#26)及びSIPサーバ2へのRegister(#27、#28)を行う。

このようにして無線端末3a、3bがそれぞれ無線中継局1aにIP接続している状態において、無線端末3aから無線端末3bに対して、VoIP発信する場合を例にとり説明する。
【0055】
無線端末3aのIP電話アプリケーション31aは、InviteメッセージをSIPサーバ2に送信する(#29)。優先通信判別部32aではこの通信は優先通信と認識していないので、非優先通信と判断する。優先通信指示部33aは、無線LANインタフェース34aに対して非優先で通信するように指定する。Inviteメッセージは、無線中継局1aの無線LANインタフェース15aから有線LANインタフェース16aに転送され、有線LAN4を経由してSIPサーバ2に送信される。SIPサーバ2では、有線LANインタフェース24がInviteメッセージを受信し、SIPプロトコル制御部22に渡す。SIPプロトコル制御部22は、無線端末3aから無線端末3bへの発信であると解釈する。
【0056】
さらに、SIPサーバ2は、APマネージャ5に対し、優先通信用リソースに空きがあるか否かを問い合わせる(#30)。
APマネージャ5は、接続管理テーブル511を参照し、無線端末3aが接続される無線中継局1aに対して帯域確認を行う(#31)。
無線中継局1aでは、ストリームサーバ通信部17aが帯域確認メッセージを抽出し、帯域管理部11aに対して優先通信用リソースの空き状況を確認する。帯域管理部11aは、優先テーブル114aを参照し、既存者用リソースに空きがある場合には、通知された通信識別子を優先テーブル114aに書き込む。さらに、帯域管理部11aは、通信状態を“未接続”に設定する。無線中継局1aに帯域の空きがある場合、OKメッセージが無線中継局1aのストリームサーバ通信部17aからAPマネージャ5に返信される(#32)。APマネージャ5は、このOKメッセージを、SIPサーバ2の外部連携部23に返信する(#33)。帯域確認メッセージは、SIPサーバ2が優先通信として選択した通信の識別子を含む。
同様に、SIPサーバ2は、無線端末3bと無線中継局1b間の無線通信のための空きリソースがあるかどうかを、APマネージャ5を介して無線中継局1bに問い合わせ、応答を受信する(#34〜#37)。
【0057】
SIPサーバ2の外部連携部23は、リソースの確保が通知されると、SIPプロトコル制御部22にそれを通知する。これを受け、SIPプロトコル制御部22は、無線端末3bに対してInviteメッセージを通知する(#38)。同様にSIPプロトコル制御部22は、無線端末3aにTryingメッセージを送信する(#39)。いずれかまたは両方の無線中継局1a、1bの優先通信用リソースに空きがない場合でも、SIPサーバ2は無線端末3bにInviteメッセージを送信しても良い。その場合は、無線端末3a、3b間の通信のうち、無線区間での通信の全てまたは一部が非優先通信として扱われる。逆に、無線端末3a、3b間の無線区間の通信の全てを優先通信にできない場合には、SIPサーバ2は無線端末3a、3b間のコネクションを確立せず、無線端末3aに切断メッセージを送信することもできる。
【0058】
無線端末3a、3b間のコネクションを確立する場合、まず無線端末3bはSIPサーバ2に呼び出し中(Ringing)メッセージを通知する(#40)。これは無線端末3aに中継される(#41)。前述したように、InviteメッセージやRingingメッセージなどSIPサーバ2が送受信する通信データに対し、優先通信用リソースを割り当てる方が好ましい。
Inviteメッセージに対して無線端末3bのユーザが応答すると、無線端末3bのIP電話アプリケーション31bからSIPサーバ2に、無線中継局1bを経由して、OKメッセージが送信される(#42)。
【0059】
SIPサーバ2では、この応答メッセージをSIPプロトコル制御部22で解釈する。解釈に基づき、SIPプロトコル制御部22は、外部連携部23を経由して無線中継局1a、1bにコネクションの確立を通知する(#43,#44)。この通知を受け、帯域管理部11a、11bが優先テーブル114a、114bの該当エントリの通信状態を、“通信中”に変更する。これによって無線端末3a、3b間のVoIP通信の全部または一部が、無線区間において優先通信となる。
SIPサーバ2のSIPプロトコル制御部22は、さらに有線LANインタフェース24を介し、無線中継局1a経由で無線端末3aに応答メッセージ(OK)を送信する(#45)。応答メッセージには、無線端末3aと無線中継局1aとの間の上下計2本の通信が優先通信か否かの通知を含む。
【0060】
無線端末3aは、無線端末3bに対し、SIPサーバ2経由で応答メッセージ(ACK)を送信する(#46,#47)。応答メッセージには、無線端末3bと無線中継局1bとの間の上下計2本の通信が優先通信か否かの通知を含む。応答メッセージを受信した無線端末3a、3bの無線通信判別部32a,32bは、これを記憶する。
この後、無線端末3a、3bの間で通話が開始される。通信されるVoIPパケットは、無線端末3a、3bの優先通信判別部32a、32bや無線中継局1a、1bの優先通信判別部14a,14bで優先通信と判断される。それにより、無線端末3a、3b及び無線中継局1aの無線LANインタフェースには、優先通信が指示される。
【0061】
無線端末3aが無線中継局1aの管轄領域から無線中継局1bの管轄領域に移動すると、無線端末3aは無線中継局1を探すメッセージを送出する。それに対して接続可能な無線中継局1bが応答する。無線端末3aは、応答した無線中継局1bに接続する(#48)。
無線中継局1bのストリームサーバ通信部17bは、無線中継局1aのストリームサーバ通信部17aに対し、無線端末3aに関する情報の移動を要求する(#49)。このときに、情報を要求された無線中継局1aは、ゲスト用リソースが残っていることを確認し、問題がなければ移動要求に対する応答を行う(#50)。また、無線中継局1bは、無線端末3と無線中継局1との対応関係が変更されたので、新たな対応関係をAPマネージャ5に通知する(#51)。
【0062】
Moveメッセージを受信した無線中継局1aは、要求元に対し、無線端末3aに関する優先通信のエントリに登録されている情報を、無線中継局1bに送信する(#50)。その後、無線中継局1aの帯域管理部11aは、無線端末3aに関する優先通信のエントリに登録されている情報を、優先テーブル114bから削除する。一方、無線中継局1bの帯域管理部11bは、無線端末3aに関する優先通信の情報を、優先テーブル114bのゲスト用エントリに登録する。また、帯域管理部11bは、登録から一定時間Tの経過を監視し、一定時間Tの経過後はゲスト用エントリに登録された情報を既存者用エントリに移す。
【0063】
無線中継局1bは、APマネージャ5に対し、無線端末3bが接続していることを通知する(#51)。この通知には、無線端末3bのIPアドレスを含む。APマネージャ5は、この通知に基づいて接続管理テーブル511を更新する。
その後、無線中継局1bを介した優先通信が続行される。
VoIP通信を切断するには、無線端末の一方からByeメッセージを送信する。この例では、無線端末3aからByeメッセージを送信する。IP電話アプリケーション31aがByeメッセージを送信すると、無線中継局1bを経由してSIPサーバ2に送信される(#52)。
【0064】
SIPプロトコル制御部21は、相手側端末である無線端末3bに、無線中継局1b経由でByeメッセージを送信する(#53)。
IP電話アプリケーション31bがByeメッセージを認識し、無線中継局1b経由で応答すると、SIPプロトコル制御部22はこれを解釈する(#54)。
SIPプロトコル制御部22は、外部連携部23を介して無線中継局1bのストリームサーバ通信部17bへ優先通信の終了を通知する。これを受け、無線中継局1bの帯域管理部11bは、該当する優先通信のエントリを優先テーブル114bから削除する(#55)。
【0065】
SIPプロトコル制御部22は、さらにAPマネージャ5に対し、無線端末3a及び1bに関連する情報の削除を要求する(#56)。これを受け、APマネージャ5は、無線端末3a及び1bに関連する情報のエントリを、接続管理テーブル511から削除する。
SIPプロトコル制御部22は、さらに応答メッセージを無線中継局1b経由で無線端末3aへ送信し、VoIP通信に関する全ての通信を終了させる(#57)。
以上の処理では、無線端末3が移動して接続する無線中継局が変わっても、移動前に行っていた優先通信を移動後に続行することができる。また、各無線中継局では、不要となったリソースを別の優先通信に割り当てるなど、優先通信用リソースを効率よく活用することができる。
【0066】
<第5実施形態>
前記第1〜4実施形態では、ストリームサーバ2としてSIPサーバを用いる場合を説明した。第5実施形態では、ストリームサーバ2としてユーザ認証サーバを用いる。ユーザ認証サーバ2は、例えば無線端末3がインターネット接続するためにユーザ認証するサーバであり、登録ユーザを記憶している。図14を参照して説明すれば、登録ユーザの無線端末3aからの接続要求があった場合には(#61)、認証サーバ2はアプリケーションの種類に関わらず無線端末3aの通信を優先通信として登録するよう無線中継局1に要求し(#62,#63)、未登録ユーザの無線端末3bからの接続要求についてはアプリケーションの種類に関わらず優先通信不要を無線中継局1に通知することが可能である(#66〜#68)。これにより、例えば無線端末3aと無線中継局1との間の通信は、VoIP通信、HTTP通信などアプリケーションの種類を問わず優先される(#64,#65)。逆に、無線端末3bと無線中継局1との間の通信は、アプリケーションの種類を問わず被優先通信として扱われる(#69,#70)。あるいは、認証サーバ2は、登録ユーザからの接続要求については、VoIP通信、HTTP通信など、全ての通信を優先通信とするよう無線中継局1に要求し、未登録ユーザからの接続要求についてはHTTP通信のみを優先通信に要求することもできる。
【0067】
<その他の実施形態>
(A)前記第1〜4実施形態例において、SIPサーバ2からの優先通信用リソースの有無の問い合わせに対し、無線中継局1はリソースの有無の応答を返している。しかし、データ種別を変更することにより、少ないリソースで優先通信できる場合がある。例えばVoIP通信では、通信する無線端末の能力や利用可能帯域などにより、通信する音声データの種別などを変えることができる。具体的には、VoIP電話では音声データの伝送速度が64kbpsであるG.711という規格の音声データがよく使われている。他方、音声圧縮を行ったG.722(8kbps)など何種類かの規格がある。そこで、無線中継局は、“G.711の帯域が確保できなくてもG.722ならば空きリソースがある”などの応答をすることが可能である。
【0068】
また例えば、ビデオと音声とで接続するという要求が無線端末3からあった場合、無線中継局1が音声のみならばリソースがあると応答することができる。SIPではシグナリングの中でメディアとして何を使用するかという情報も記述している。これを利用し、無線中継局1からの応答に応じてSIPサーバ2が接続するメディアを変更して相手側に通知することで、優先通信用リソースが許す範囲での優先通信を実現することができる。
図15はこのような場合の処理の流れの一例を示す。無線端末3a、3bが無線中継局1に無線接続(#81、#84)及びRegister(#82〜#83、#85〜#86)した後、無線端末3aが音声及び映像の通信を無線中継局1に要求したとする(#87)。SIPサーバ2は無線中継局1に対し、音声及び映像通信の帯域確認を行う(#88)。仮に音声通信だけであれば優先通信が可能な場合、無線中継局1は音声通信についてOKを返す(#89)。これは無線端末3bにも通知される(#90)。同時に無線中継局1はTryingメッセージを無線端末3aに返す(#91)。その後、無線端末3bはSIPサーバ2を介して無線端末3aにRingingメッセージを送信する(#92,#93)。SIPサーバ2は、無線端末3bからのOKを待って(#94)音声についての優先通信を無線中継局1に登録する(#95)。音声通信は優先通信であることが無線端末3aに通知された後(#96)、無線端末3aがSIPサーバ2を介して無線端末3bにACKメッセージを返し(#97,#98)、通信が開始される。通信の終了は、前述と同様である(#99〜#103)。
【0069】
(B)上記の方法を実行するためのプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで記録媒体としては、コンピュータが読み書き可能なフレキシブルディスク、ハードディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、光磁気ディスク(MO)、その他のものが挙げられる。
<付記>
(付記1)
複数の無線端末と、前記無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置と、前記中継装置と有線ネットワークで接続される通信管理装置と、を含む無線通信システムが実行する通信中継方法であって、
前記中継装置は、優先的に中継する通信の識別子を登録した優先テーブルを記憶し、
前記中継装置は、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継し、
前記通信管理装置は、通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信を特定する通信識別子を前記中継装置に送信し、
前記中継装置は、前記通信識別子を受信し、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録する、
通信中継方法。
【0070】
この通信中継方法を用いれば、優先テーブルに登録された通信が優先的に中継される。どの通信を優先するかは、どの通信を優先テーブルに登録するかにより決まる。優先テーブルへの通信の登録は、通信管理装置の要求に応じて行われる。例えば、通信管理装置がVoIP電話の通信を管理するSIPサーバである場合を考える。この場合、無線端末が行う通信のうちVoIP通信だけが、SIPサーバにより優先テーブルに登録される。その結果、無線端末が複数の通信を行っていたとしても、そのうちのVoIP通信だけが優先的に中継されるようになる。つまり、どの通信を優先するかという優先制御は、中継装置と無線端末とを含む無線システム内ではなく、外部にある通信管理装置により実質的に行う。そのため、優先制御の方法を状況に応じて柔軟に変更しやすい利点がある。
【0071】
なお、優先テーブルが一杯で登録されなかったVoIP通信のデータについては、中継を行わない、非優先で中継する、などの処理が可能である。VoIP通信以外の通信データについては、SIPサーバの管理対象ではないので優先テーブルに登録されようがなく、従って優先的に中継されない。
(付記2)
前記中継装置は、前記優先テーブルに登録された通信識別子により特定される通信の数が所定の接続数以下となる範囲で、前記優先テーブルに通信識別子を登録する、付記1に記載の通信中継方法。
【0072】
例えば、IEEE802.11bに準拠する無線通信システムでVoIP通信を優先的に中継する場合を考える。無線端末が共有する無線ネットワークの利用可能帯域は11Mbpsである。このうち、VoIP通信のための通信帯域を6.5M確保し、VoIP通信の単位時間当たりの伝送データ量を128kbpsに設定したとする。すると、優先通信として許容できる最大接続数は50となる。従って、優先テーブルには50の通信を登録することができる。
(付記3)
前記中継装置は、前記優先テーブルに登録された通信識別子により特定される通信の消費帯域の総和が前記無線ネットワークの利用可能帯域以下となる範囲で、前記優先テーブルに通信識別子を登録する、付記1に記載の通信中継方法。
【0073】
例えば、IEEE802.11bに準拠する無線通信システムでVoIP通信を優先的に中継する場合を考える。無線端末が共有する無線ネットワークの利用可能帯域は11Mbpsである。このうち、VoIP通信のための通信帯域を6.5Mbps確保し、各無線端末の消費帯域を優先テーブルに登録する。中継装置は、各無線端末の消費帯域の総和が6.5Mbpsを超えない範囲で、優先テーブルへの登録を制御する。
(付記4)
前記中継装置は、他の中継装置により中継されていた優先通信データの中継を引き継ぐためのゲスト用エントリを、前記優先テーブルに確保している、付記1に記載の通信中継方法。
【0074】
無線通信システムは、通常複数の中継装置を含んでいる。そうすると、無線端末の移動により、無線端末が無線接続している中継装置が変わる場合がある。そこで、各中継装置は、予備の通信帯域をゲスト用リソースとして確保しておく。これにより、ある中継装置の優先テーブルのうち既存端末用の優先通信帯域が既に一杯でも、移動してきた無線端末の通信を引き続き優先的に中継することができる。
(付記5)
前記中継装置は、優先的に中継する通信データを特定する通信識別子を、他の中継装置との間で送受信し、その送受信の結果に基づいて前記優先テーブルを更新する、付記4に記載の通信中継方法。
【0075】
無線端末の移動により、移動元の中継装置の優先テーブルに記載されていた通信識別子は、移動先の中継装置の優先テーブルに送信される。移動先の優先テーブルのゲスト用エントリには新たに通信識別子が登録される。移動元の優先テーブルの既存端末用エントリからは、その通信識別子が削除される。無線端末の移動に伴い優先テーブルを更新するので、各中継装置において優先通信用の帯域を有効に使用することができる。
(付記6)
複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置と、
前記中継装置と有線ネットワークで接続される通信管理装置と、を含み、
前記中継装置は、
複数の無線端末の通信のうち優先的に中継する通信の識別子を記憶する優先テーブルと、
前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する中継手段と、
通信識別子を前記通信管理装置から受信し、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録するテーブル管理手段と、を有し、
前記通信管理装置は、通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信を特定する通信識別子を前記中継装置に送信する、
通信中継システム。
【0076】
このシステムは、発明1の通信中継方法を実行する。
(付記7)
複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置に、有線ネットワークで接続される通信管理装置であって、
通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信の識別子及び前記通信の優先的な中継に対する要求を、前記中継装置に送信する要求手段と、
前記要求に対する応答を前記中継装置から受信する受信手段と、
前記応答内容に応じた通知を、前記無線端末に送信する通知手段と、
を有する通信管理装置。
【0077】
この装置は、前記第1発明の無線システムにおける通信管理装置として機能する。
(付記8)
複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置であって、
前記無線端末の通信を管理する通信管理装置に有線ネットワークを介して接続する接続手段と、
優先的に中継する通信の識別子を登録した優先テーブルを記憶する記憶手段と、
前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信データを、他の通信データよりも優先的に中継する優先中継手段と、
前記優先テーブルへの通信識別子の登録要求を、前記通信管理装置から受信する要求受信手段と、
前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録する優先テーブル更新手段と、
を有する中継装置。
【0078】
この装置は、前記第1発明の無線システムにおける中継装置として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】第1実施形態に係る無線通信システムの全体構成図
【図2】図1に示す無線通信システムを無線LANに適用した場合の機能構成図
【図3】図2に示す優先テーブルの概念説明図
【図4】図2に示す無線LANシステムが行う処理の流れを示す説明図
【図5】第2実施形態に係る無線LANシステムの機能構成
【図6】図5に示すシグナル管理テーブルの概念説明図
【図7】図5に示す優先テーブルの概念説明図
【図8】第2実施形態における優先テーブルとシグナル管理テーブルとをまとめた管理テーブル
【図9】第4実施形態に係る無線通信システムの全体構成図
【図10】図9に示す無線通信システムを無線LANに適用した場合の機能構成図
【図11】図9に示す優先テーブルの概念説明図
【図12】図9に示す接続管理テーブルの概念説明図
【図13】図10で示す無線LANシステムにおける処理の流れを示す説明図
【図14】第5実施形態の無線LANシステムにおける処理の流れを示す説明図
【図15】その他の実施形態の無線LANシステムにおける処理の流れを示す説明図。
【符号の説明】
【0080】
1:無線中継局
2:ストリームサーバ
3:無線端末
4:有線ネットワーク
5:APマネージャ




 

 


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