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発明の名称 高力率変換器システム及び方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2004−56997(P2004−56997A)
公開日 平成16年2月19日(2004.2.19)
出願番号 特願2003−183821(P2003−183821)
出願日 平成15年6月27日(2003.6.27)
代理人
発明者 ロバート・ルイス・ステイガーウォルド / ヴィノド・ジョン / ミラン・ジャルコ・イリッチ
要約 課題
費用を最小限に抑えつつ、高い力率をもたらすような出力電力を発生する方法及び装置を提供する。

解決手段
変換器(180)は、変換器スイッチ(261−264)、逆並列ダイオード(271−274)を備え、高力率変換器システムの出力電圧を発生する。ブースタ回路(150)は、インダクタ(250)、変換器の変換スイッチ(262)、逆並列ダイオード(271)を備える。インダクタは、入力整流器(120)と変換器との間に結合されている。ブースタ回路は、瞬時電圧レベルが変換器の直流電圧レベルの所定の割合より小さいときにはインダクタを通過するブースタ電流の供給を不連続にし、大きいときにはブースタ電流の供給を連続にする。
特許請求の範囲
【請求項1】
(i)入力交流電圧を整流するように構成された入力整流器(120)と、
(ii)複数の変換器スイッチと、複数の逆並列ダイオードとを具備し、高力率変換器システムの出力電圧を発生するように構成された変換器(180)と、
(iii)(a)前記入力整流器と前記変換器との間に結合されたインダクタと、(b)前記変換器の少なくとも1つの変換器スイッチ及び少なくとも1つの逆並列ダイオードとを具備し、入力交流電圧の瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより低いとき、前記インダクタを通過するブースタ電流の供給を不連続にするために制御し、瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより高いときにはブースタ電流の供給を連続させるために制御するように構成されたブースタ回路とを具備する高力率変換器システム。
【請求項2】
前記変換器は第1の脚部(172)と、電荷蓄積回路(176)とを具備し、前記電荷蓄積回路は前記第1の脚部と並列に結合され、前記基準電圧は前記電荷蓄積回路で測定される直流電圧レベルのある割合に等しい請求項1記載の発明。
【請求項3】
X線管を駆動する高電圧発生器において、
(i)単相低電力入力交流電圧を整流するように構成された入力整流器(120)と、
(ii)複数の変換器スイッチと、複数の逆並列ダイオードとを具備し、前記X線管に対して出力電圧を供給する変換器(180)と、
(iii)(a)前記入力整流器と前記変換器との間に結合されたインダクタと、(b)前記変換器の少なくとも1つの変換器スイッチ及び少なくとも1つの逆並列ダイオードとを具備し、入力交流電圧の瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより低いとき、前記インダクタを通過するブースタ電流の供給を不連続にするために制御し、瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより高いときにはブースタ電流の供給を連続させるために制御するように構成されたブースタ回路とを具備する高電圧発生器。
【請求項4】
前記入力整流器は前記入力交流電圧を受け取るように構成された全波ブリッジ整流器(210)と、整流器ダイオード(220)と、分路コンデンサ(215)とを具備し、前記分路コンデンサは前記全波ブリッジ整流器の出力側に並列に結合され、且つ前記整流器ダイオードは前記分路コンデンサの出力側と前記ブースタ回路の入力側との間に直列に結合されている請求項1または3に記載の発明。
【請求項5】
前記変換器は第1の脚部(172)と、バッテリとを具備し、前記バッテリは前記第1の脚部と並列に結合され、前記基準電圧は前記バッテリの直流電圧のある割合に等しい請求項3記載の発明。
【請求項6】
前記整流器ダイオードは、前記バッテリが前記分路コンデンサを介して放電するのを防止するように構成されている請求項4記載の発明。
【請求項7】
前記第1の脚部は、
(i)第1の逆並列ダイオード(271)に結合された第1の変換器スイッチ(261)と、
(ii)第2の逆並列ダイオード(272)に結合された第2の変換器スイッチ(262)とを具備し、前記第1の変換器スイッチ及び前記第2の変換器スイッチは第1の接続点(260)で互いに結合されており、前記第1の変換器スイッチ及び前記第2の変換器スイッチは、高力率を獲得し且つ前記変換器により発生される前記出力電圧を制御するように構成されている請求項2または5に記載の発明。
【請求項8】
前記変換器は第2の脚部(178)を更に具備し、前記第2の脚部は前記バッテリに並列に結合されている請求項4または7に記載の発明。
【請求項9】
前記第2の脚部は、第3の逆並列ダイオード(273)に結合された第3の変換器スイッチ(263)と、第4の逆並列ダイオード(274)に結合された第4の変換器スイッチ(264)とを具備し、前記第3の変換器スイッチ及び前記第4の変換器スイッチは第2の接続点(270)で互いに結合されている請求項8記載の発明。
【請求項10】
前記インダクタは前記第1及び第2の接続点に結合されている請求項9記載の発明。
【請求項11】
前記ブースタ回路は、(i)瞬時レベルが前記基準電圧レベルより高いとき、前記第2の変換器スイッチが非導通状態になるまで前記第2の変換器スイッチにブースタ電流を印加し、次に、(ii)前記第1の変換器スイッチ及び前記第1の逆並列ダイオードにブースタ電流を印加することにより、前記電荷蓄積回路を充電するように構成されている請求項10記載の発明。
【請求項12】
前記変換器は、前記第1の脚部及び前記第2の脚部が前記バッテリから前記出力電圧を短いバーストとして引き出した後に前記出力電圧を発生するように構成されている請求項11記載の発明。
【請求項13】
前記第1の変換器スイッチ、前記第2の変換器スイッチ、前記第3の変換器スイッチ及び前記第4の変換器スイッチは電界効果トランジスタから構成されている請求項13記載の発明。
【請求項14】
前記ブースタ回路は前記第2の変換器スイッチ及び前記第1の逆並列ダイオードを具備する請求項7記載の発明。
【請求項15】
前記基準電圧レベルは前記第1の脚部が動作されるデューティサイクルに基づいて確定される請求項11記載の発明。
【請求項16】
前記変換器は、前記第1の脚部及び前記第2の脚部が前記電荷蓄積回路から前記出力電圧を正弦曲線状に引き出した後に前記出力電圧を発生するように構成されている請求項10記載の発明。
【請求項17】
前記電荷蓄積回路は電荷コンデンサ(280)を具備する請求項16記載の発明。
【請求項18】
前記電荷蓄積回路はバッテリ(640)を具備する請求項16記載の発明。
【請求項19】
前記ブースタ回路及び前記入力整流器に結合されたバックスイッチ(230)を更に具備し、前記バックスイッチは、前記高力率変換器システムに電力が印加されたときに導通状態となるように構成されている請求項17記載の発明。
【請求項20】
前記バックスイッチは、前記ブースタ電流が所定の値を超えたときに非導通状態になるように構成されている請求項19記載の発明。
【請求項21】
前記バックスイッチは前記第2の変換器スイッチと同期して導通状態に切り替わるように構成されている請求項19記載の発明。
【請求項22】
前記バックスイッチ及び前記入力整流器に並列に結合されたバックダイオード(240)を更に具備し、前記第2の変換器スイッチ及び前記バックダイオードは、前記第2の変換器スイッチが導通状態に設定されたときに前記ブースタ電流がそれらを通過して循環するように構成されている請求項21記載の発明。
【請求項23】
前記第1の変換器スイッチ、前記第2の変換器スイッチ、前記第3の変換器スイッチ、前記第4の変換器スイッチ及び前記バックスイッチは電界効果トランジスタから構成されている請求項21記載の発明。
【請求項24】
高い力率によって出力電圧を発生する方法によって、
(i)入力交流電圧を整流することと、
(ii)前記整流された入力交流電圧を使用して、ブースタ電流を得ることと、
(iii)入力交流電圧の瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより低いとき、前記ブースタ電流の供給を不連続になるように制御し、瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより高いときには、前記ブースタ電流の供給を連続するように制御することと、
(iv)前記ブースタ電流の制御された供給を使用することにより出力電圧を発生することから成る方法。
【請求項25】
(i)は整流器を介して入力交流電圧を整流することから成り、(ii)は変換器を介して出力電圧を発生することから成り、前記変換器から前記整流器へ電流が移動するのを阻止することを更に含む請求項24記載の方法。
【請求項26】
(iii)はインダクタ(250)と、変換器スイッチと、逆並列ダイオードとを具備するブースタ回路を使用することから成る請求項25記載の方法。
【請求項27】
変換器の電荷蓄積回路を前記ブースタ電流によって充電することを更に含む請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記電荷蓄積回路から前記出力電圧を引き出すことを更に含む請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記変換器の第2の変換器スイッチを導通状態に設定するのと同期してブースタ回路に整流電圧を印加することと、前記ブースタ電流が所定の値を超えたときに前記ブースタ回路に前記整流電圧を印加しないこととを切り替えることを更に含む請求項28記載の方法。
【請求項30】
出力電圧を発生するシステムにおいて、
(i)入力交流電圧を整流する手段と、
(ii)前記整流された入力交流電圧を使用して、ブースタ電流を得る手段と、
(iii)入力交流電圧の瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより低いとき、前記ブースタ電流の供給を不連続になるように制御し、瞬時電圧レベルが前記基準電圧レベルより高いときには、前記ブースタ電流の供給を連続するように制御する手段と、
(iv)前記ブースタ電流の制御された供給を使用することにより、高力率入力を維持しつつ前記出力電圧を発生する手段とを具備するシステム。
【請求項31】
前記整流する手段は入力整流器を具備し且つ前記出力電圧を発生する手段は変換器を具備し、前記変換器から前記整流器へ電流が移動するのを阻止する手段を更に具備する請求項30記載のシステム。
【請求項32】
(iii)はインダクタ(250)と、変換器スイッチと、逆並列ダイオードとを具備するブースタ回路を具備する請求項31記載のシステム。
【請求項33】
ブースタ電流を使用して、変換器の電荷蓄積回路を充電する手段を更に具備する請求項32記載のシステム。
【請求項34】
前記電荷蓄積回路から前記出力電圧を引き出す手段を更に具備する請求項32記載のシステム。
【請求項35】
第2の変換器スイッチを導通状態に設定するのと同期してブースタ回路に整流電圧を印加することと、ブースタ電流が所定の値を超えたときに前記ブースタ回路に前記整流電圧を印加しないこととを切り替える手段を更に具備する請求項34記載のシステム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に高力率変換器システムに関し、特に、高力率入力によって出力を発生する方法及び装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
X線装置、超音波電源及び電子整流モータ(ECM)などの数多くの装置は、外部交流送電線から引き出される電力に基づいて動作する。通常、送電線から電力を引き出し、その電力をそれらの装置に供給するために、変換器システムが設計されている。通常、そのような変換器システムは真に抵抗性又は線形ではない。従って、電力の電流成分及び電圧成分は互いに遅延したり、又は先行したりし、所望の正弦波形から相当に逸脱してしまうことがある。
【0003】
力率は電力の電流成分及び電圧成分の二乗平均平方根(RMS)値の関数である。数学的には、力率は電力の電圧成分と電流成分が成す位相角の余弦として定義されている。整流器回路などの非線形負荷は変換器システムから同様に非正弦電流を引き出す。そのような電流は一般に有用な電力を生成しないので、力率を低下させる一因ともなる。多くの場合、交流送電線から電流単位当たり最大限の電力を引き出すように高い力率を維持することが望まれる。力率が低いと、望ましくない送電損失が起こり、システムの性能は低下する。
【0004】
高い力率を維持するのを補助するように設計された従来の変換器回路は、通常、入力段及び出力段を含む。変換器回路の入力段及び出力段は、通常、高電力スイッチを使用して接続される。高電力スイッチは通常は高価であり、従って、変換器回路の価格を更に上昇させる。
【0005】
更に、変換器回路は、一般に、周期的に充電される必要がある相対的に大型の電解コンデンサを含む。そのような変換器回路の充電回路は、通常、接触器、充電抵抗器、又はそれらの組み合わせのような追加の充電装置を使用して充電される。そのような追加の充電装置も変換器回路の価格を上昇させる。
【0006】
従って、望まれているのは、実現に要する費用を最小限に抑えつつ、高い力率をもたらすような出力電力を発生する方法及び装置である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
簡単に言えば、本発明の一実施例において、高力率変換器システムは入力整流器と、変換器と、ブースタ回路とを具備する。入力整流器は入力交流電圧を整流するように構成されている。変換器は高力率変換器システムの出力電圧を発生するように構成され、複数の変換器スイッチと、複数の逆並列ダイオードとを具備する。ブースタ回路はインダクタと、変換器の少なくとも1つの変換スイッチ及び少なくとも1つの逆並列ダイオードとを具備する。インダクタは入力整流器と変換器との間に結合されている。ブースタ回路は、入力交流電圧の瞬時電圧レベルが変換器の直流電圧レベルより低いとき、インダクタを通過するブースタ電流の供給を不連続にするために制御し、瞬時電圧レベルが直流電圧レベルより高いときには、ブースタ電流の供給を連続させるために制御するように構成されている。
【0008】
本発明の別の面は、高力率入力によって出力電圧を発生する方法である。方法は入力交流電圧を整流することと、整流された入力交流電圧を使用して、ブースタ電流を得ることとを含む。ブースタ電流の供給は、入力交流電圧の瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより低いときは不連続になり、瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより高いときには連続するように制御される。ブースタ電流の制御された供給は出力電圧を発生するために使用される。
【0009】
本発明の別の実施例は、入力整流器と、変換器と、ブースタ回路とを具備する、X線管を駆動する高電圧発生器を提供する。入力整流器は入力交流電圧を整流するように構成されている。変換器はX線管に対して出力電圧を供給するように構成されており、複数の変換器スイッチと、複数の逆並列ダイオードとを具備する。ブースタ回路はインダクタと、変換器の少なくとも1つの変換器スイッチ及び少なくとも1つの逆並列ダイオードとを具備する。インダクタは入力整流器と変換器との間に結合されている。ブースタ回路は、入力交流電圧の瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより低いとき、インダクタを通過するブースタ電流の供給を不連続にするために制御し、瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより高いときには、ブースタ電流の供給を連続させるために制御するように構成されている。
【0010】
本発明の別の実施例は、入力交流電圧を整流する手段と、整流された入力交流電圧を使用して、ブースタ電流を得る手段とを具備する、出力電圧を発生するシステムを提供する。システムは、入力交流電圧の瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより低いとき、ブースタ電流の供給を不連続になるように制御し、瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより高いときにはブースタ電流の供給を連続するように制御する手段を具備する。システムは、ブースタ電流の制御された供給を使用することにより、高力率入力を維持しつつ出力電圧を発生する手段を具備する。
【0011】
本発明の上記の特徴、面及び利点、並びにその他の特徴、面及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことにより更に良く理解されるであろう。尚、図面中、同じ図中符号は同じ部分を表す。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例に従った高力率変換器システムを示す回路図である。高力率変換器システム100の機能構成要素は入力整流器120、ブースタ回路150、制御回路160及び変換器180として示されている。高力率変換器システム100は、入力部で高い力率を維持しつつ、例えば、X線装置及び超音波電源などの様々な装置に電力を供給するのに特に有用である。各構成要素については以下に更に詳細に説明する。
【0013】
入力整流器120は入力交流電圧を整流して、対応する整流電圧を発生する。一実施例では、入力交流電圧は電流定格が相対的に低い(通常は約15〜20A)単相交流送電線から得られる。整流電圧はブースタ回路150に供給される。ブースタ回路150は、入力交流電圧の瞬時電圧レベルに従ってブースタ電流を発生する。制御回路160は、通常、ブースタ回路150及び変換器180に存在する様々なスイッチを制御するために使用される。制御回路160はデジタル構成要素、アナログ構成要素、又はデジタル構成要素とアナログ構成要素の組み合わせから構成されていれば良い。
【0014】
本発明の一実施例においては、変換器180は第1の脚部172と、電荷蓄積回路176と、第2の脚部178とを具備する。電荷蓄積回路176の例としては、コンデンサやバッテリがある。第1の脚部172は、ブースタ電流に電荷蓄積回路を充電させる。第2の脚部178は第1の脚部と共に、電荷蓄積回路178及びブースタ回路150に蓄積されている電荷から電流を引き出して、線路298及び299に対応する出力電圧を発生する。
【0015】
図1は、高力率変換器システム100の更に特定された実施例を更に例示している。高力率変換器システムは全波ブリッジ整流器210と、整流器ダイオード220と、分路コンデンサ215と、バックスイッチ230と、バックダイオード240と、インダクタ250と、制御回路160と、第1の変換器スイッチ261と、第2の変換器スイッチ262と、第3の変換器スイッチ263と、第4の変換器スイッチ264と、第1の逆並列ダイオード271と、第2の逆並列ダイオード272と、第3の逆並列ダイオード273と、第4の逆並列ダイオード274と、電荷コンデンサ280と、第1の変換器コンデンサ285と、第2の変換器コンデンサ286とを含む。
【0016】
図示されている実施例においては、入力整流器は全波ブリッジ整流器210と、整流器ダイオード220と、分路コンデンサ215とを具備する。全波ブリッジ整流器210はブリッジダイオード211、212、213及び214を具備するとして示されている。ブリッジダイオード211は接続点205でブリッジダイオード212に接続されている。同様に、ブリッジダイオード213は接続点206でブリッジダイオード214に接続されている。交流送電線は接続点205及び206にそれぞれ接続されている。分路コンデンサ215は全波ブリッジ整流器の出力側に並列に結合されている。整流器ダイオード220は分路コンデンサの出力側と、ブースタ回路の入力側との間に直列に結合されている。従って、整流器ダイオード220は、電荷蓄積回路150に存在する電荷が分路コンデンサ215を介して放電するのを防止するように構成されている。
【0017】
変換器180は第1の脚部172と、電荷蓄積回路176と、第2の脚部178とを具備する。電荷蓄積回路176は第1の脚部172に並列に結合されており、電荷蓄積回路の両端で直流電圧が測定される。図1においては、電荷蓄積回路は電荷コンデンサ280により表現されている。
【0018】
第1の脚部は第1の変換器スイッチ261と、第2の変換器スイッチ262とを具備する。第1の変換器スイッチは第1の逆並列ダイオード271に結合され、第2の変換器スイッチは第2の逆並列ダイオード272に結合されている。第1の変換器スイッチと第2の変換器スイッチは第1の接続点260で互いに結合されている。
【0019】
同様に、第2の脚部178は、第3の逆並列ダイオード273に結合された第3の変換器スイッチ263と、第4の逆並列ダイオード274に結合された第4の変換器スイッチ264とを具備する。更に、第3の変換器スイッチ263は第1の変換器コンデンサ285に結合され、第4の変換器スイッチ264は第2の変換器スイッチ286に結合されている。第3の変換器スイッチと第4の変換器スイッチは第2の接続点270で互いに結合されている。
【0020】
図示されている実施例においては、ブースタ回路150はインダクタ250と、第2の変換器スイッチ262と、第1の逆並列ダイオード271とを具備する。インダクタ250はバックスイッチ230を介して入力整流器120に接続されている。バックダイオード240は分路コンデンサ215に並列に結合されている。一実施例では、制御回路160はバックスイッチ230と、変換器スイッチ261、262、263及び264とを制御するために使用される。
【0021】
高力率変換器システム100の上述の構成要素が入力交流線路で高い力率を維持しつつ出力電圧を発生するためにどのように動作するかについては、以下に更に詳細に説明する。
【0022】
高力率変換器システム100が初めて動作状態に置かれたとき、すなわち、ONされたとき、電荷コンデンサ280の電荷は0に等しい。高力率変換器システム100のバックスイッチ230及び第2の変換器スイッチ262に対するゲート駆動信号を制御することにより、電荷コンデンサ280は所望の値まで充電される。バックスイッチ230は、コンデンサ280の電圧が入力交流電圧の瞬時電圧より低いときにコンデンサ280へ流れる電流を制限するために使用される。
【0023】
全波ブリッジ整流器210は、正の成分と負の成分の双方を含む入力交流電圧を整流し、正の成分のみを含む対応する整流電圧を発生するように動作する。整流電圧は整流器ダイオード220及びバックスイッチ230を介して電力線125にあるインダクタ250へ伝搬される。分路コンデンサ215は、インダクタ250の電流を制御するために、バックスイッチ230がOFF、ONされるときに発生される高周波数リプル電流の経路を規定する。
【0024】
インダクタ250は整流電圧を受け取り、線路158へ対応するブースタ電流を発生する。ブースタ電流は、瞬時電圧レベル及び基準電圧レベルに応じて不連続であるか、又は連続しているかのいずれかである。図示されている実施例においては、基準電圧レベルは電荷コンデンサの直流電圧レベルのある割合である。瞬時電圧レベルが電荷蓄積回路の直流電圧レベルのある割合より低い場合、ブースタ電流は不連続である。これに対し、瞬時電圧レベルが電荷蓄積回路の直流電圧レベルのある割合を超えた場合には、ブースタ電流は連続している。
【0025】
ここで使用される「連続している」という用語は、ブースタ電流が0でない値のみを有することを意味している。「不連続である」は、電流が0値を含む様々な値を有することを意味している。直流電圧レベルに占める割合は第1の脚部のデューティサイクルに比例する。デューティサイクルは、スイッチがONされたときのスイッチの時間周期と、スイッチの総時間周期との比として定義されている。一例では、デューティサイクルは、次の式を使用して判定される。
デューティサイクル=Ton/(Ton+Toff)                  式(1)
式中、TonはスイッチがONであるときの時間を表し、ToffはスイッチがOFFであるときの時間を表す。
【0026】
例えば、スイッチが0.5秒間ON状態であり、0.5秒間OFFしている場合、このスイッチのデューティサイクルは0.5/(0.5+0.5)、すなわち、50%である。
【0027】
所定の割合とデューティサイクルとの関係は次の式により示される。
V(dc)/V(in)<1/(1−D)                            式(2)
式中、V(dc)は電荷蓄積回路の電圧レベルを表し、V(in)は入力交流電圧の瞬時電圧レベルを表し、Dはデューティサイクルを表す。
【0028】
式(2)の配列を変えると、次の式が得られる。
V(in)<(1−D)V(dc)                                  式(3)
式(3)から、(1−D)の値はコンデンサの直流電圧レベルの所定の割合に等しい。従って、第1の脚部172のスイッチ262が80%のデューティサイクルで動作されている場合、割合は0.2に等しい。すなわち、瞬時電圧レベルがV(dc)の0.2倍を超えると、ブースタ電流は連続する。
【0029】
従って、バックスイッチは第2の変換器スイッチ262と同期して導通状態に、すなわち、バックスイッチがONである状態に切り替わり、ブースタ電流が所定の値を超えたときには非導通状態に、すなわち、バックスイッチがOFFである状態に切り替わるように構成されている。一実施例では、この所定の値は入力交流電圧に比例する基準電流に等しい。制御回路160はブースタ電流を基準電流と比較するように動作する。ブースタ電流が基準電流を超えると、バックスイッチはOFFされる。
【0030】
変換器スイッチ261及び262は相補方式で動作する。変換器スイッチ262がオンであるとき、変換器スイッチ261はオフであり、逆に、変換器スイッチ262がオフであるときには、変換器スイッチ261はオンである。制御回路160はこれらのスイッチに対してゲート駆動信号を供給し、良く理解されるように、これらのスイッチが同時に導通することが決してないように保証する。
【0031】
バックスイッチ230がOFFすると、ブースタ電流は、変換器スイッチ262がOFFするまで変換器スイッチ262及びバックダイオード240を通って循環する。変換器スイッチ262がOFFした時点で、ブースタ電流は強制的に逆並列ダイオード271を通って循環され、その結果、電荷コンデンサ280が充電されるであろう。変換器スイッチ262がオフすると、変換器スイッチ261は変換器スイッチ262との同時導通が起こらないように保証するために短い時間の後にオンする。従って、逆並列ダイオード271と変換器スイッチ261は、それぞれ、この期間中にインダクタ250における総電流の一部ずつを搬送していることになる。
【0032】
変換器スイッチ263及び264、逆並列ダイオード273及び274、並びにコンデンサ265及び286は、変換器スイッチ261及び262、並びに逆並列ダイオード271及び272と共に、電荷コンデンサ280に蓄積されている電荷から出力電力を引き出すための全波ブリッジ変換器として動作する。具体的には、変換器スイッチ261及び264が導通状態に設定されたとき、すなわち、ONされたとき、発生される出力電圧は正であり、変換器スイッチ262及び263がONされたときには、発生される出力電圧は負である。従って、第1の脚部と第2の脚部の変換器スイッチは交互に切り替わって、線路298及び299に出力電圧を発生する。
【0033】
一実施例では、第1の変換器スイッチ、第2の変換器スイッチ、第3の変換器スイッチ及び第4の変換器スイッチは電界効果トランジスタから構成されている。
【0034】
入力電流のひずみと位相角は本発明により大幅に減少される。関連技術においては良く知られているように、力率は位相角の余弦に比例し、且つひずみ電流のRMSに反比例する。従って、高力率変換器システムにより供給される電力の力率は有効に高くなる(通常は約85%を超え、実施例によっては約97%を超える)。
【0035】
上述の回路の様々に異なる動作状態に対応するブースタ電流を表す波形を図2、図3及び図4に示す。下記の例においては、脚部271は50%のデューティサイクルで動作されると仮定する。バックスイッチは図2では100%のデューティサイクルで動作され、図3及び図4では80%のデューティサイクルで動作されている。瞬時電圧レベルが電荷コンデンサの直流電圧レベルの1/2未満である場合、ブースタ電流は不連続であり、そうでない場合にはブースタ電流は連続している。
【0036】
図2は、入力交流電圧の瞬時電圧レベルが電荷コンデンサ280の電圧レベルの1/2未満であり且つバックスイッチ230が100%のデューティサイクルで動作されているときのブースタ電流を示すグラフである。電荷蓄積回路が所望のレベルまで充電される必要がない場合、バックスイッチ230は100%のデューティサイクルで動作される。また、図2は脚部172の中間点における電圧レベルも示している。図2では、ブースタ電流は不連続である。すなわち、ブースタ電流は様々な時点の間で(例えば、時点310と時点320との間で)0に等しい値を有する。
【0037】
図3は、入力交流電圧の瞬時電圧レベルが電荷コンデンサの電圧レベルの1/2未満であり且つバックスイッチ230が80%のデューティサイクルで動作されているときのブースタ電流を示すグラフである。また、図3は、バックスイッチ230と変換器スイッチ262に対するゲート駆動信号も示している。図示されるように、変換器スイッチ262がオフすると、ブースタ電流は0に等しい値を有し(時点410と時点420との間)、変換器スイッチ272がオンすると、ブースタ電流は0でない値を有する(時点420と時点430との間)。
【0038】
図4は、入力交流電圧の瞬時電圧レベルが電荷コンデンサの電圧レベルの1/2を超えており且つバックスイッチ230が80%のデューティサイクルで動作されているときのブースタ電流を示すグラフである。図4においては、ブースタ電流は連続している。
【0039】
負荷に給電するため、電荷コンデンサ280から出力電圧が引き出される。バックスイッチ230を適正に制御すれば、入力部における力率は上昇する。ブースタ回路と変換器が変換器スイッチ262及び逆並列ダイオード271を共用することにより、負荷に電力を供給しつつ、高力率変換器システムはより安価になる。
【0040】
別の実施例では、X線装置のX線管を駆動するために高電圧発生器が使用される。図5は、X線装置600のいくつかの機能構成要素を示すブロック線図である。X線装置600は、図示されるように、高電圧発生器650と、X線管660と、コリメータ670と、被写体675と、検出器680と、検出器コントローラ690とを具備する。各構成要素については、以下に更に詳細に説明する。
【0041】
高電圧発生器は入力整流器610と、ブースタ回路620と、変換器630とを具備する。入力整流器は、単相低電力入力交流電圧を対応する整流電圧に整流するように構成されている。ブースタ回路620は入力整流器に結合され、入力交流電圧の瞬時電圧レベルが基準電圧レベルより低い場合は不連続のブースタ電流を発生し、そうでない場合には連続したブースタ電流を発生するように構成されている。より特定された実施例においては、瞬時電圧レベルが基準電圧レベルと等しいときにもブースタ電流は連続している。X線管660に出力電圧を供給するために、変換器はブースタ回路に結合されている。
【0042】
一実施例では、変換器630は第1の脚部635と、バッテリ645とを具備し、バッテリは第1の脚部と並列に結合されている。高電圧発生器の入力整流器、ブースタ回路、第1の脚部及び第2の脚部は、先に高力率変換器システム100に関連して説明したように実現されることが可能である。高電圧発生器の場合、電荷蓄積回路として通常はバッテリが使用される。
【0043】
変換器の第1の脚部と第2の脚部は、バッテリから出力電圧を引き出すことにより出力電圧を発生するように構成されている。出力電圧は短いバースト(通常は数秒ごと)として起こる。第1の脚部及び第2の脚部が高電力バーストを供給していないとき、第1の脚部はどのようなデューティサイクルで動作されていても良いため、第1の脚部をバッテリを充電するための高力率変換器として制御することができる。この時点で、X線装置に電力が供給されないように、第2の脚部はオフされても良い。X線管に電力を供給することが望まれたときには、第2の脚部は通常通りに動作し、バッテリから電力バーストが送り出される。
【0044】
バッテリからの電力バーストはX線管660に供給され、それにより、X線管660はX線を放出する。コリメータ670は被写体675に到達するようにX線の流れを規定する。X線の一部は被写体675又はその周囲を通過して、検出器680に衝突する。検出器は受け取ったX線を電気信号に変換する。検出器コントローラは電気信号を収集し、処理して、被写体の特徴の画像を再構成する。
【0045】
一実施例では、継電器(図示せず)を使用することにより、高電圧発生器650から入力交流電圧を除去することができる。あるいは、バックスイッチ(図示せず)を使用する場合には、単にバックスイッチをOFFすることも可能である。このような適用形態の場合、充電電力はバースト電力よりはるかに低く、継電器又はバックスイッチは安価であり且つ出力電圧の電力よりはるかに低い電力定格を有しているため、高力率変換器システムの費用効率は向上する。
【0046】
別の実施例においては、バッテリの代わりに電荷蓄積コンデンサが使用される。この場合、第1の脚部を制御することにより、コンデンサを相対的に低い電力で充電することができる。短いハイパワーのX線パルスを供給するために、第2の脚部は第1の脚部と関連して動作し、一方、継電器又はバックスイッチはシステムに対する入力交流送電線を除去する。このように、一般に利用可能である低電力電源コンセントによってコンデンサを充電することができ、一般電源の能力を十分に超える短いハイパワーX線パルスをコンデンサから送り出すことが可能になる。
【0047】
本発明のいくつかの特徴のみを図示し且つ説明したが、当業者には数多くの変形及び変更が明白であろう。従って、特許請求の範囲は本発明の真の趣旨の範囲内にあるそのような全ての変形及び変更を含むと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に従った高力率変換器システムを示す回路図。
【図2】バックスイッチが導通状態、すなわち、ON位置にあり且つ入力交流電圧の瞬時電圧レベルが電荷コンデンサの電圧レベルの1/2未満であるような条件の下でのブースタ電流を示すグラフ。
【図3】バックスイッチが0.8デューティサイクルで動作され且つ入力交流電圧の瞬時電圧レベルが電荷コンデンサの電圧レベルの1/2未満であるときの図2の回路からのブースタ電流を示すグラフ。
【図4】バックスイッチが0.8デューティサイクルで動作され且つ入力交流電圧の瞬時電圧レベルが電荷コンデンサの電圧レベルの1/2を超えるときの図2の回路からのブースタ電流を示すグラフ。
【図5】X線装置の一実施例のいくつかの機能構成要素を示すブロック線図。
【符号の説明】
100…高力率変換器システム、120…入力整流器、150…ブースタ回路、160…制御回路、180…変換器、172…第1の脚部、176…電荷蓄積回路、178…第2の脚部、210…全波ブリッジ整流器、215…分路コンデンサ、220…整流器ダイオード、230…バックスイッチ、240…バックダイオード、250…インダクタ、261…第1の変換器スイッチ、262…第2の変換器スイッチ、263…第3の変換器スイッチ、264…第4の変換器スイッチ、271…第1の逆並列ダイオード、272…第2の逆並列ダイオード、273…第3の逆並列ダイオード、274…第4の逆並列ダイオード、280…電荷コンデンサ、285…第1の変換器コンデンサ、286…第2の変換器コンデンサ、600…X線装置、610…入力整流器、620…ブースタ回路、635…第1の脚部、636…第2の脚部、640…バッテリ、650…高電圧発生器、660…X線管




 

 


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