米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 発電 -> 矢崎総業株式会社

発明の名称 モータ正転・逆転駆動回路
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2004−274817(P2004−274817A)
公開日 平成16年9月30日(2004.9.30)
出願番号 特願2003−58773(P2003−58773)
出願日 平成15年3月5日(2003.3.5)
代理人
発明者 長沢 一美 / 尾崎 敏明 / 清水 宜人
要約 課題
モータ駆動用のHブリッジ回路を構成する半導体素子や電線を、モータの地絡、直流電源の逆接等の種々の異常電流から保護する。

解決手段
モータMを正転・逆転駆動するためのHブリッジ回路とアースとの間に、ドレイン接地でゲートにHブリッジ回路に供給しているバッテリ等の直流電源をバイアスとして接続した電界効果トランジスタMOS5を設けることにより、バッテリ等の直流電源が逆接続された場合、通常ONしている電界効果トランジスタMOS5がOFFする。また、制御手段10が電界効果トランジスタMOS5のソース電位を監視し、過電流を検知した場合、ハイサイドドライバ40に制御信号を出力して、モータMへの電源供給を阻止する。
特許請求の範囲
【請求項1】
正転・逆転可能なモータと、
直流電源に接続され、前記モータへ正転用電流と逆転用電流とをスイッチングして供給する二つのハイサイド半導体スイッチング素子と、
前記モータに流れる正転用電流と逆転用電流とをスイッチングしてアースする二つのローサイド半導体スイッチング素子と、
前記二つのハイサイド半導体スイッチング素子および前記二つのローサイド半導体スイッチング素子により構成されるHブリッジ回路とアースとの間に設けられ、ドレイン接地でゲートに前記直流電源を接続した電界効果トランジスタと、
を有することを特徴とするモータ正転・逆転駆動回路。
【請求項2】
前記二つのハイサイド半導体スイッチング素子にON/OFF信号を印加してON/OFF駆動するハイサイドドライバと、
前記二つのローサイド半導体スイッチング素子にON/OFF信号を印加してON/OFF駆動するローサイドドライバと、
前記ハイサイドドライバおよびローサイドドライバに、前記モータの正転、逆転、およびブレーキ等を指示する制御信号を出力する制御手段と、をさらに有し、
前記制御手段は、さらに前記電界効果トランジスタのソース電位を監視し、過電流を検知した場合、前記ハイサイドドライバに前記ブレーキを指示する制御信号を出力し、
前記ハイサイドドライバは、該制御信号が入力されると、前記二つのハイサイド半導体スイッチング素子の両方にOFF信号を印加することを特徴とする請求項1記載のモータ正転・逆転駆動回路。
【請求項3】
前記制御手段は、前記電界効果トランジスタのソース電位を監視し、前記モータのロックを示すロック電流を検知した場合、予め設定されたロック電流検知後の後処理を実行する制御信号を、前記ハイサイドドライバおよび/または前記ローサイドドライバに出力することを特徴とする請求項2記載のモータ正転・逆転駆動回路。
【請求項4】
前記ハイサイドドライバの出力電位をベース入力とし、前記ローサイドドライバの出力電位をコレクタ入力とするトランジスタをさらに有することを特徴とする請求項2または3記載のモータ正転・逆転駆動回路。
【請求項5】
前記ハイサイドドライバは、前記モータMを正転または逆転させる場合、前記ローサイドドライバが前記ローサイドスイッチング素子をOFFさせた後、一定時間経過後に該ローサイドスイッチング素子と直列に接続される前記ハイサイド半導体スイッチング素子をONすることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のモータ正転・逆転駆動回路。
【請求項6】
前記ローサイドドライバは、前記モータMの回転を停止させる場合、前記ハイサイドドライバが前記ハイサイドスイッチング素子をOFFさせた後、一定時間経過後に該ハイサイドスイッチング素子と直列に接続される前記ローサイド半導体スイッチング素子をONすることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のモータ正転・逆転駆動回路。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーウインドウ等に使用されるモータの正転・逆転制御が可能なモータ正転・逆転駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来技術におけるモータ正転・逆転駆動回路を示す回路図である。図3に示す駆動回路は、モータMを正転・逆転させるために、二つのメカリレーRLY1、RLY2を用いている。当該モータ正転・逆転駆動回路は、例えば5Vのロジック電源VDDの供給を受けて動作し、モータMの制御を行うCPU10、スイッチSWからのON/OFF信号及び正転/逆転信号等をCPU10に入力するための入力I/F20、LAN(Local Area Network)等を経由して他の電子ユニットから送信されるON/OFF信号及び正転/逆転信号等をCPU10に入力するための多重I/F30を備える。
【0003】
また、上記モータ正転・逆転駆動回路は、正転用のトランジスタTr3、メカリレーRLY1、逆転用のトランジスタTr4、及びメカリレーRLY2を備える。ダイオードD6、D7は、メカリレーRLY1、RLY2のコイルへの逆電流を防止する。ダイオードD8、D9は、フリーホイールダイオードであり、トランジスタTr3、Tr4のOFF時に、コレクタに流れようとする電流をバイパスする。
【0004】
このような回路において、入力I/F20、または多重I/F30からの信号により、CPU10は、モータMを正転させる場合は、トランジスタTr3のベースをONし、トランジスタTr4のベースをOFFする。すると、メカリレーRLY1がONし、メカリレーRLY2がOFFして、モータMに正電流が流れる。また、CPU10は、モータMを逆転させる場合は、トランジスタTr3のベースをOFFし、トランジスタTr4のベースをONする。すると、メカリレーRLY1がOFFし、メカリレーRLY2がONして、モータMに正電流が流れる。さらに、モータMを停止させる場合は、トランジスタTr3、Tr4をOFFして、メカリレーRLY1、RLY2をOFFさせる。
【0005】
また、シャント抵抗R1、及びロック電流検出回路50は、車両のパワーウインドウ等のようにロックする負荷の場合に必要となる。ロック電流検出回路50は、モータMのロックを示すロック電流を検出すると、CPU10に通知し、CPU10は、モータMの回転を停止させる等の制御を行う。
【0006】
また、特許文献1は、Hブリッジ回路によりモータを駆動する回路においてモータの地絡異常や、モータ駆動手段の異常を検出するモータ電圧検出回路を開示している。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−251749号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示したメカリレーを用いたモータ正転・逆転駆動回路には、以下のような問題点があった。(1)メカーリレーを使用しているため、モータ正転・逆転駆動回路を小型・軽量化することが困難な点である。(2)メカリレーの接点の開閉音が発生する点である。(3)メカリレーオフ時(接点が開く時)に、アークによるノイズが発生し、CPU等に悪影響を与える可能性がある点である。(4)メカリレー接点の耐久回数には限界がある点である。(5)電線や負荷の短絡時、メカリレーに大電流が流れ続けるため、接点溶着が発生する可能性がある点である。
【0009】
これらの問題は、特許文献1のようにスイッチング駆動手段を半導体素子にすることにより解決することができる。しかしながら、FET等の半導体素子は、過電流による素子の破壊が起こりやすく、過電流から保護する手段が必要となる。この点、上記特許文献1は、モータの地絡異常等から保護する回路を設けているが、バッテリ等の直流電源を逆に接続した場合についての半導体素子等の保護について何ら開示するものではない。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、モータ駆動用のHブリッジ回路を構成する半導体素子や電線を、モータの地絡、直流電源の逆接等の種々の異常電流から保護することが可能なモータ正転・逆転駆動回路を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、図1に示すように、正転・逆転可能なモータMと、直流電源に接続され、前記モータMへ正転用電流と逆転用電流とをスイッチングして供給する二つのハイサイド半導体スイッチング素子MOS1・MOS3と、前記モータMに流れる正転用電流と逆転用電流とをスイッチングしてアースする二つのローサイド半導体スイッチング素子MOS2・MOS4と、前記二つのハイサイド半導体スイッチング素子MOS1・MOS3および前記二つのローサイド半導体スイッチング素子MOS2・MOS4により構成されるHブリッジ回路とアースとの間に設けられ、ドレイン接地でゲートに前記直流電源を接続した電界効果トランジスタMOS5と、を有することを特徴としている。
【0012】
したがって、請求項1記載の発明によれば、モータMを正転・逆転駆動するためのHブリッジ回路とアースとの間に、ドレイン接地でゲートにHブリッジ回路に供給しているバッテリ等の直流電源をバイアスとして接続した電界効果トランジスタMOS5を設けることにより、バッテリ等の直流電源が逆接続された場合、通常ONしている電界効果トランジスタMOS5がOFFすることになり、Hブリッジ回路への電流流入を阻止することができ、Hブリッジ回路を保護することができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記二つのハイサイド半導体スイッチング素子MOS1・MOS3にON/OFF信号を印加してON/OFF駆動するハイサイドドライバ40と、前記二つのローサイド半導体スイッチング素子MOS2・MOS4にON/OFF信号を印加してON/OFF駆動するローサイドドライバ40と、前記ハイサイドドライバ40およびローサイドドライバ40に、前記モータMの正転、逆転、およびブレーキ等を指示する制御信号を出力する制御手段10と、をさらに有し、前記制御手段10は、さらに前記電界効果トランジスタMOS5のソース電位を監視し、過電流を検知した場合、前記ハイサイドドライバ40に前記ブレーキを指示する制御信号を出力し、前記ハイサイドドライバ40は、該制御信号が入力されると、前記二つのハイサイド半導体スイッチング素子MOS1、MOS3の両方にOFF信号を印加することを特徴としている。
【0014】
したがって、請求項2記載の発明によれば、制御手段10が電界効果トランジスタMOS5のソース電位を監視し、過電流を検知した場合、ハイサイドドライバ40に制御信号を出力して、モータMへの電源供給を阻止することにより、過電流からHブリッジ回路を保護することができる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記制御手段10は、前記電界効果トランジスタMOS5のソース電位を監視し、前記モータMのロックを示すロック電流を検知した場合、予め設定されたロック電流検知後の後処理を実行する制御信号を、前記ハイサイドドライバ40および/または前記ローサイドドライバ40に出力することを特徴としている。
【0016】
したがって、請求項3記載の発明によれば、制御手段10が電界効果トランジスタMOS5のソース電位を監視し、モータMのロックを示すロック電流を検知した場合、予め設定されたロック電流検知後の後処理(モータMが用いられる負荷により、例えばブレーキ、逆転、PWM制御による速度変換等)を実行する制御信号を、ハイサイドドライバ40および/またはローサイドドライバ40に出力することにより、モータMがロックする負荷に対しても対応することができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、前記ハイサイドドライバ40の出力電位をベース入力とし、前記ローサイドドライバ40の出力電位をコレクタ入力とするトランジスタTr1、Tr2をさらに有することを特徴としている。
【0018】
したがって、請求項4記載の発明によれば、ハイサイド半導体スイッチング素子MOS1/MOS3とハイサイドドライバ40とを接続する電線の電位をベース入力とし、ハイサイド半導体スイッチング素子MOS1/MOS3と直列に接続されるローサイド半導体スイッチング素子MOS2/MOS4とローサイドドライバ40を接続する電線の電位をコレクタ入力とするトランジスタTr1、Tr2を設けたことにより、ハイサイド半導体スイッチング素子MOS1/MOS3にON信号が印加されている場合には、トランジスタTr1、Tr2がONすることになり、ローサイド半導体スイッチング素子MOS2/MOS4にON信号が同時に印加されることがなくなり、直列接続しているハイサイド半導体スイッチング素子MOS1/MOS3とローサイド半導体スイッチング素子MOS2/MOS4とを貫通してモータMに供給されない貫通電流の発生を防止することができる。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項2から4のいずれか1項に記載の発明において、前記ハイサイドドライバ40は、前記モータMを正転または逆転させる場合、前記ローサイドドライバ40が前記ローサイドスイッチング素子MOS2/MOS4をOFFさせた後、一定時間経過後に該ローサイドスイッチング素子MOS2/MOS4と直列に接続される前記ハイサイド半導体スイッチング素子MOS1/MOS3をONすることを特徴としている。
【0020】
したがって、請求項5記載の発明によれば、ハイサイドドライバ40が、ローサイドスイッチング素子MOS2/MOS4がOFFした後、一定時間経過後にローサイドスイッチング素子MOS2/MOS4と直列に接続されるハイサイド半導体スイッチング素子MOS1/MOS3をONすることにより、直列接続しているハイサイド半導体スイッチング素子MOS1/MOS3とローサイド半導体スイッチング素子MOS2/MOS4とが同時にONすることがなくなり、それらを貫通してモータMに供給されない貫通電流の発生を防止することができる。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項2から5のいずれか1項に記載の発明において、前記ローサイドドライバ40は、前記モータMの回転を停止させる場合、前記ハイサイドドライバ40が前記ハイサイドスイッチング素子MOS1/MOS3をOFFさせた後、一定時間経過後に該ハイサイドスイッチング素子MOS1/MOS3と直列に接続される前記ローサイド半導体スイッチング素子MOS2/MOS4をONすることを特徴としている。
【0022】
したがって、請求項6記載の発明によれば、ローサイドドライバ40が、ハイサイドスイッチング素子MOS1/MOS3をOFFさせた後、一定時間経過後にハイサイドスイッチング素子MOS1/MOS3と直列に接続されるローサイド半導体スイッチング素子MOS2/MOS4をONすることにより、直列接続しているハイサイド半導体スイッチング素子MOS1/MOS3とローサイド半導体スイッチング素子MOS2/MOS4とが同時にONすることがなくなり、それらを貫通してモータMに供給されない貫通電流の発生を防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるモータ正転・逆転駆動回路を示す回路図である。当該モータ正転・逆転駆動回路は、CPU10、入力I/F20、多重I/F30、ドライバIC40、モータM、Hブリッジ回路用MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field−effect Transistor)1〜4、直流電源逆接時逆流防止用MOSFET5、および貫通電流防止用トランジスタTr1、Tr2を備える。
【0024】
入力I/F20は、ユーザによるスイッチSW操作により発生するON/OFF信号及び正転/逆転信号等をCPU10に入力するためのインタフェースである。また、入力I/F20は、図示しないセンサ等により所定の状態が検知された場合に発生する信号もCPU10に入力する。例えば、緊急停止を示すウォーニング信号の入力等である。
【0025】
多重I/F30は、LAN等のネットワークを経由して他の電子ユニットから送信されるON/OFF信号及び正転/逆転信号等をCPU10に入力するためのインタフェースである。本実施形態におけるモータ正転・逆転駆動回路をパワーウインドウ等の車両部品を駆動するために使用する場合、CAN(Controller Area Network)またはBEAN(Body Electronics Area Network)等のプロコトルで通信される信号をCPU10に入力する。
【0026】
CPU10は、例えば5Vのロジック電源VDDの供給を受けて動作する。ロジック電源VDDは、例えばバッテリ電源をレギュレータにより調整されて入力される。CPU10は、モータMを制御するために、入力I/F20または多重I/F30から入力されるON/OFF信号及び正転/逆転信号等の信号を基に生成した制御信号をドライバIC40に出力する。
【0027】
ドライバIC40は、Hブリッジ回路を構成するMOS1〜4の駆動用に設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のカスタムICである。ドライバIC40は、MOS1、3を駆動するチャージポンプ付ハイサイドドライバと、MOS2、4を駆動するローサイドドライバを備える。MOS1、3をPチャネルMOSFETで構成する場合は、チャージポンプは必要ない。
【0028】
ハイサイドドライバは、モータMを正転させる場合、MOS1のゲートをON、MOS3のゲートをOFFする。モータMを逆転させる場合、MOS1のゲートをOFF、MOS3のゲートをONする。ローサイドドライバは、モータMを正転させる場合、MOS2のゲートをOFF、MOS4のゲートをONする。モータMを逆転させる場合、MOS2のゲートをON、MOS4のゲートをOFFする。また、ドライバIC40は、スタンバイ端子を備えており、CPU10からスタンバイ信号が入力されると、MOS1〜4をOFFして停止モードに移行し、消費電流を抑える構成となっている。
【0029】
モータMは、車両のドアロック、パワーウインドウ、ミラー格納等に使用されるモータである。ただし、これに限定されるものではない。
【0030】
MOS1〜4は、例えばバッテリ電源等の直流電源が入力されるHブリッジ回路を構成し、ドライバIC40にON/OFF制御されることにより、モータMを回転・停止、及び正転・逆転させる。Hブリッジ回路を構成するMOS1〜4は、NチャネルMOSFETを用いるとよい。MOS2、MOS4は、ソース接地型スイッチ回路でソースをGNDにつなげているので、ゲートの電位を+数VにすればONする。MOS1、MOS3は、ソース・フォロワ型スイッチ回路でソースを電源側につなげているので、電源+数VをゲートにかけなければONしない。よって、ドライバIC40のハイサイドドライバには、コンバータ等のチャージポンプ回路を設ける。
【0031】
ただし、Hブリッジ回路の構成は、これに限定されるものではなく、MOS1、MOS3をPチャネルMOSFETを用いてもよい。この場合、ハイサイドドライバで昇圧する必要はないが、スイッチングスピードは、Nチャネルより劣る。
【0032】
また、モータMからの逆起電力によってMOSFET素子が破壊されないようにHブリッジを構成するMOS1〜4に形成されている寄生ダイオードD1〜4が使用される。モータの速度制御は、CPU10からの信号でPWM(Pulse Width Modulation)制御で行う。
【0033】
MOS1、MOS3のゲート−ソース間、MOS2、MOS4のゲート−ソース間には、過電圧からMOSFET素子を保護するためのツェナーダイオードZD1〜4を設けるとよい。ツェナーダイオードZD1〜4は、所定の電圧でブレークダウンするため、ハイ・ローサイドドライバから一定の電圧をゲートに印加することが可能となる。ただし、保護回路はこれに限定されるものではなく、他の保護回路でもよい。
【0034】
MOS5は、バッテリ等の直流電源逆接時の逆流電流防止用のNチャネルMOSFETであり、通常とは逆のドレイン接地型である。また、ゲートがバッテリ等の直流電源に接続されており、常時バイアスがかかってON状態となっている。しかしながら、バッテリ等の直流電源が逆接された場合、ゲートに電圧が印加されなくなるため、MOS5はOFFする。したがって、Hブリッジ回路を構成するMOS1〜4や回路の破壊を防止することができる。
【0035】
また、MOS5のソースは、CPU10のA/D入力ポートまたはコンパレータと接続される。CPU10は、MOS5のソース電位を監視することにより、パワーウインドウに使用する場合のモータMのロック電流や、モータM負荷ショート時の過電流を検知する。CPU10は、これらの状態を検知した場合、当該状態に応じた後処理を行う。例えば、過電流を検知した場合、ドライバIC40にMOS1、3の両方をOFFさせるための制御信号を出力する。また、コンパレータを使用する場合、入力されるソース電位と所定の閾値とを比較し、上述したロック電流や過電流を検知する。検知結果はCPU10に出力され、CPU10は、当該検知結果に基づき後処理を行う。このように、MOSFETをドレイン接地し、当該MOSFETのソース電位を監視する構成により、従来のシャント抵抗を廃止することができる。
【0036】
MOS5のゲート−ソース間には、ツェナーダイオードZD5が接続されるとよい。また、そのドレイン−ソース間には、寄生ダイオードD5が接続されている。夫々の役割は、上記MOS1〜4の説明で記載した事項が当てはまる。
【0037】
トランジスタTr1、Tr2は、貫通電流防止用のトランジスタである。MOS1、MOS2の両方がONしてしまうと、電流がモータMに流れず、電流が電源からGNDに貫通してしまう。トランジスタTr1は、これを防止するために設置される。トランジスタTr2も同様であり、MOS3、MOS4の両方がONしてしまい、電流が貫通することを防止する。
【0038】
トランジスタTr1のコレクタは、ローサイドドライバからMOS2のゲートに印加されるゲート駆動用信号線と接続され、ベースは、ハイサイドドライバからMOS1のゲートに印加されるゲート駆動用信号線と接続される。ハイサイドドライバが、MOS1をONするためにゲートにハイレベル信号を印加すると、Tr1のベースがONする。この状態でノイズその他の何らからの事由によりMOS2にハイレベル信号が印加されようとしても、トランジスタTr1がONしているため、電圧がアースされ、MOS2がONすることはない。トランジスタTr2についても同様であり、ハイサイドドライバがMOS3のゲートにハイレベル信号を印加すると、トランジスタTr2がONするため、MOS4にハイレベル信号が印加されようとしても、電圧がアースされMOS4がONすることはない。
【0039】
次に、本実施形態におけるモータ正転・逆転駆動回路の動作について説明する。図2は、本実施形態におけるモータ正転・逆転駆動回路の典型動作について説明するためのタイミングチャートである。図2の(1)は、モータMのブレーキモードを示すチャートである。CPU10は、モータM回転状態からブレーキをかける場合、ドライバIC40にMOS1、MOS3をOFF、MOS2、MOS4をONするように制御信号を出力する。ドライバIC40のハイサイドドライバは、MOS1、MOS3の両方のゲートにローレベル信号を印加してMOS1、MOS3をOFFする。ローサイドドライバは、MOS2、MOS4の両方のゲートにハイレベル信号を印加してMOS2、MOS4をONする。この状態がブレーキモードである。
【0040】
ブレーキモードは、直流電源からの電流をモータMに流さないために、MOS1、MOS3の両方をOFFし、一方、モータMおよびHブリッジ回路の残留電荷をアースさせるためにMOS2、MOS4の両方をONする。また、CPU10からドライバIC40へのスタンバイ信号は、ハイレベルである。
【0041】
次に、図2の(2)は、モータMを正転させる場合のチャートである。CPU10は、ブレーキモードからモータMを正転させる場合、MOS2をOFFさせる制御信号を出力し、MOS2のOFF後、オン遅延時間td経過後にMOS1をONさせる制御信号を出力する。モータMの正転を停止させる場合、MOS1をOFFさせる制御信号を出力し、MOS1のOFF後、オン遅延時間td経過後にMOS2をONさせる制御信号を出力する。
【0042】
ドライバIC40のローサイドドライバは、MOS4がONの状態で、MOS2のゲートにローレベル信号を印加してOFFする。ハイサイドドライバは、MOS3がOFFの状態で、MOS2がOFFした後、オン遅延時間td経過後にMOS1のゲートにハイレベル信号を印加してONする。
【0043】
また、正転を停止する場合、ハイサイドドライバは、MOS3がOFFの状態で、MOS1のゲートにローレベル信号を印加してOFFする。ローサイドドライバは、MOS4がONの状態で、MOS1がOFFした後、オン遅延時間td経過後にMOS2のゲートにハイレベル信号を印加してONする。
【0044】
このように、MOS2をOFFすると同時にMOS1をONせず、オン遅延時間td経過後にMOS1をONするのは、MOS1、MOS2を貫通する電流の発生を防止するためのである。MOS1をOFFすると同時にMOS2をONせず、オン遅延時間td経過後にMOS2をONするのも同様の趣旨である。また、CPU10からドライバIC40へのスタンバイ信号は、ハイレベルである。
【0045】
次に、図2の(3)は、モータMを逆転させる場合のチャートである。CPU10は、ブレーキモードからモータMを逆転させる場合、MOS4をOFFさせる制御信号を出力し、MOS4のOFF後、オン遅延時間td経過後にMOS3をONさせる制御信号を出力する。モータMの正転を停止させる場合、MOS3をOFFさせる制御信号を出力し、MOS3のOFF後、オン遅延時間td経過後にMOS4をONさせる制御信号を出力する。
【0046】
逆転を開始する場合、ドライバIC40のローサイドドライバは、MOS2がONの状態で、MOS4のゲートにローレベル信号を印加してOFFする。ハイサイドドライバは、MOS1がOFFの状態で、MOS4がOFFした後、オン遅延時間td経過後にMOS3のゲートにハイレベル信号を印加してONする。
【0047】
また、逆転を停止する場合、ハイサイドドライバは、MOS1がOFFの状態で、MOS3のゲートにローレベル信号を印加してOFFする。ローサイドドライバは、MOS2がONの状態で、MOS3がOFFした後、オン遅延時間td経過後にMOS4のゲートにハイレベル信号を印加してONする。
【0048】
このように、MOS4をOFFすると同時にMOS3をONせず、オン遅延時間td経過後にMOS3をONするのは、MOS3、MOS4を貫通する電流の発生を防止するためのである。MOS3をOFFすると同時にMOS4をONせず、オン遅延時間td経過後にMOS4をONするのも同様の趣旨である。また、CPU10からドライバIC40へのスタンバイ信号は、ハイレベルである。
【0049】
次に、図2の(4)は、モータMのスタンバイモードを示すチャートである。CPU10は、モータMをスタンバイモードに移行したい場合、ドライバIC40に出力するスタンバイ信号をローレベルにする。スタンバイモードは、ブレーキモードと異なり、MOS1、MOS3をOFFするだけでなく、MOS2、MOS4もOFFする。これにより、ドライバICからMOS1〜4のゲートにハイレベル信号を印加する必要がなくなるため、消費電力を低減することができる。
【0050】
また、ドライバIC40にスタンバイ信号の入力のための専用のスタンバイ端子を設けるとよい。この場合、ドライバIC40は、CPU10からのスタンバイ端子にローレベル信号が入力されると、他のMOS1〜4への端子にどのような信号が入力されていても、スタンバイモードに移行する処理をする。
【0051】
なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態の一例を示したものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、モータを正転・逆転駆動するためのHブリッジ回路とアースとの間に、ドレイン接地でゲートにHブリッジ回路に供給しているバッテリ等の直流電源をバイアスとして接続した電界効果トランジスタを設けることにより、バッテリ等の直流電源が逆接続された場合、通常ONしている電界効果トランジスタがOFFすることになり、Hブリッジ回路への電流流入を阻止することができ、Hブリッジ回路を保護することができる。
【0053】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、制御手段が電界効果トランジスタのソース電位を監視し、過電流を検知した場合、ハイサイドドライバに制御信号を出力して、モータへの電源供給を阻止することにより、過電流からHブリッジ回路を保護することができる。
【0054】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、制御手段が電界効果トランジスタのソース電位を監視し、モータのロックを示すロック電流を検知した場合、予め設定されたロック電流検知後の後処理(モータが用いられる負荷により、例えばブレーキ、逆転、PWM制御による速度変換等)を実行する制御信号を、ハイサイドドライバおよび/またはローサイドドライバに出力することにより、モータがロックする負荷に対しても対応することができる。
【0055】
請求項記4載の発明によれば、請求項2または3記載の発明の効果に加えて、ハイサイド半導体スイッチング素子とハイサイドドライバとを接続する電線の電位をベース入力とし、ハイサイド半導体スイッチング素子と直列に接続されるローサイド半導体スイッチング素子とローサイドドライバを接続する電線の電位をコレクタ入力とするトランジスタTr1、Tr2を設けたことにより、ハイサイド半導体スイッチング素子にON信号が印加されている場合には、トランジスタがONすることになり、ローサイド半導体スイッチング素子にON信号が同時に印加されることがなくなり、直列接続しているハイサイド半導体スイッチング素子とローサイド半導体スイッチング素子とを貫通してモータMに供給されない貫通電流の発生を防止することができる。
【0056】
請求項5記載の発明によれば、請求項2から4のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、ハイサイドドライバが、ローサイドスイッチング素子がOFFした後、一定時間経過後にローサイドスイッチング素子と直列に接続されるハイサイド半導体スイッチング素子をONすることにより、直列接続しているハイサイド半導体スイッチング素子とローサイド半導体スイッチング素子とが同時にONすることがなくなり、それらを貫通してモータに供給されない貫通電流の発生を防止することができる。
【0057】
請求項6記載の発明によれば、請求項2から5のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、ローサイドドライバが、ハイサイドスイッチング素子がOFFした後、一定時間経過後にハイサイドスイッチング素子と直列に接続されるローサイド半導体スイッチング素子をONすることにより、直列接続しているハイサイド半導体スイッチング素子とローサイド半導体スイッチング素子とが同時にONすることがなくなり、それらを貫通してモータに供給されない貫通電流の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるモータ正転・逆転駆動回路を示す回路図である。
【図2】本発明の実施形態におけるモータ正転・逆転駆動回路の典型動作について説明するためのタイミングチャートである。
【図3】従来技術におけるモータ正転・逆転駆動回路を示す回路図である。
【符号の説明】
10 CPU
20 入力I/F
30 多重I/F
40 ドライバIC
MOS1〜4 Hブリッジ回路用MOSFET
MOS5 直流電源逆接時逆流保護用MOSFET
Tr1、2 貫通電流防止用トランジスタ
D1〜5 寄生ダイオード
ZD1〜5 ツェナーダイオード




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013