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発明の名称 照明用カバーおよびこの照明用カバーを用いた照明器具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2004−171884(P2004−171884A)
公開日 平成16年6月17日(2004.6.17)
出願番号 特願2002−335245(P2002−335245)
出願日 平成14年11月19日(2002.11.19)
代理人
発明者 田中 渉
要約 課題
消灯時において、暗所で浮かび上がらせた模様にて立体的な演出効果を得ることができる照明用カバーおよびこの照明用カバーを用いた照明器具を提供することにある。

解決手段
カバー基材(1)の片面に蓄光剤を配合した蓄光層(2)を設け、この蓄光層(2)を所定の模様(3)に形成して、ランプ(5)の消灯時において、前記模様(3)を認識可能となした照明用カバーであって、前記蓄光層(2)における蓄光剤の含有量に濃淡をつけるように形成して、ランプ(5)の消灯時において、前記模様(3)を立体的に認識可能となした。
特許請求の範囲
【請求項1】
カバー基材の片面に蓄光剤を配合した蓄光層を設け、この蓄光層を所定の模様に形成して、ランプの消灯時において、前記模様を認識可能となした照明用カバーであって、
前記蓄光層における蓄光剤の含有量に濃淡をつけるように形成して、ランプの消灯時において、前記模様を立体的に認識可能となしたことを特徴とする照明用カバー。
【請求項2】
カバー基材の片面に蓄光剤を配合した蓄光層を設け、この蓄光層を所定の模様に形成して、ランプの消灯時において、前記模様を認識可能となした照明用カバーであって、
前記蓄光層の厚さに差をつけるように形成して、ランプの消灯時において、前記模様を立体的に認識可能となしたことを特徴とする照明用カバー。
【請求項3】
カバー基材の片面に蓄光剤を配合した蓄光層を設け、この蓄光層を所定の模様に形成して、ランプの消灯時において、前記模様を認識可能となした照明用カバーであって、
前記蓄光剤の発光色が異なる蓄光層を分布させることにより、ランプの消灯時において、前記模様を立体的に認識可能となしたことを特徴とする照明用カバー。
【請求項4】
前記カバー基材と前記蓄光層との色差ΔE*が5以下となるようなカバー基材または蓄光層の構成を部分的に設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載の照明用カバー。
【請求項5】
前記カバー基材と前記蓄光層との間にプライマー層を形成することを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか記載の照明用カバー。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5いずれか記載の照明用カバーをランプを有する照明器具本体に取り付けたことを特徴とする照明器具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明用カバーおよびこの照明用カバーを用いた照明器具に関し、さらに詳しくは、消灯時において、模様が立体的に認識可能となるような照明用カバーおよびこの照明用カバーを用いた照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、グローブやセードなどの照明用カバーに、蓄光剤を含有する塗装膜やシール状のもので、絵柄などのデザインを施した照明器具が提供されていたものである。
【0003】
例えば、下記の特許文献1に示されている特開2000―11709号公報においては、取付け部材と取付け部材に取り付けられた照明灯と、照明灯を囲うように取付け部材に取り外し可能に固定された蓋材(グローブやセード)とを備え、照明灯からの光が蓋材を通して外部に照射されるように構成されている照明器具において、蓋材の外表面に蓄光体を用いて模様が形成された照明器具が開示されているものである。
【0004】
また、下記の特許文献2に示されている特開2002―170413号公報においては、器具本体の下面側に蛍光ランプを配設し、器具本体の下面側に蛍光ランプを覆うグローブを配設した照明器具において、グローブの表面に、蓄光材料と透明塗料とが特定の配合比率で配合された蓄光塗料からなる塗膜を形成した照明器具が開示されているものである。
【0005】
さらに、下記の特許文献3に示されている特開平9―245509号公報においては、セードの表面に蓄光物質を備えた、あるいは埋設した照明器具、さらには蓄光物質を含んだ接着剤を塗布した照明器具が開示されているものである。
【0006】
これらのものは、蓄光剤を蓄光体や蓄光塗料や蓄光物質といった表現を用いているものの、いずれも照明器具の消灯時に、図9および図10に示すごとく、カバー基材部(10)表面、すなわち、カバー基材部(10)の外側に構成された蓄光剤を含む蓄光層部(11)が形成されているものであった。そして、この蓄光層部(11)が模様をなしているものであり、このような模様の発光によって、暗所で同模様を浮かび上がらせて、美麗な演出効果を得ることができるものであった。
【0007】
【特許文献1】
特開2000―11709号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2002―170413号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平9―245509号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した蓄光層部(11)は、照明器具に備えられたランプからの光を、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ガラスなどに代表されるカバー基材部(10)を介して効率良く蓄光剤に到達させるために、透明樹脂に蓄光剤を配合した塗料をカバー基材部(10)に塗布して形成されることが多いものであった。そして、塗膜である蓄光層部(11)は、カバー基材部(10)表面に沿って形成されるために、模様は平面的なものになっていたものである。このような場合、消灯時に、蓄光層部(11)の発光によって、暗所で模様を浮かび上がらせることはできるものの、点灯時と同様に、模様は平面的に認識されるために、立体的な演出効果が得られないものであった。
【0011】
本発明は、上述の事実に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、消灯時において、暗所で浮かび上がらせた模様にて立体的な演出効果を得ることができる照明用カバーおよびこの照明用カバーを用いた照明器具を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る照明用カバーは、カバー基材(1)の片面に蓄光剤を配合した蓄光層(2)を設け、この蓄光層(2)を所定の模様(3)に形成して、ランプ(5)の消灯時において、前記模様(3)を認識可能となした照明用カバーであって、前記蓄光層(2)における蓄光剤の含有量に濃淡をつけるように形成して、ランプ(5)の消灯時において、前記模様(3)を立体的に認識可能となしたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項2に係る照明用カバーは、カバー基材(1)の片面に蓄光剤を配合した蓄光層(2)を設け、この蓄光層(2)を所定の模様(3)に形成して、ランプ(5)の消灯時において、前記模様(3)を認識可能となした照明用カバーであって、前記蓄光層(2)の厚さに差をつけるように形成して、ランプ(5)の消灯時において、前記模様(3)を立体的に認識可能となしたことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項3に係る照明用カバーは、カバー基材(1)の片面に蓄光剤を配合した蓄光層(2)を設け、この蓄光層(2)を所定の模様(3)に形成して、ランプ(5)の消灯時において、前記模様(3)を認識可能となした照明用カバーであって、前記蓄光剤の発光色が異なる蓄光層(2)を分布させることにより、ランプ(5)の消灯時において、前記模様(3)を立体的に認識可能となしたことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項4に係る照明用カバーは、前記カバー基材(1)と前記蓄光層(2)との色差ΔE*が5以下となるようなカバー基材(1)または蓄光層(2)の構成を部分的に設けたことを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項5に係る照明用カバーは、前記カバー基材(1)と前記蓄光層(2)との間にプライマー層を形成することを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項6に係る照明器具は、請求項1ないし請求項5いずれか記載の照明用カバー(4)をランプ(5)を有する照明器具本体(6)に取り付けたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1の(a)は、本発明の一実施形態に係る照明用カバーおよびこの照明用カバーを用いた照明器具を示し、一部破断した概略図であり、図1の(b)は、本発明の一実施形態に係る照明器具を示した概略図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した概略図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した断面図である。図4は、本発明の第2の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した概略図である。図5は、本発明の第2の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した断面図である。図6は、本発明の第3の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した断面図である。図7は、本発明の第4の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した断面図である。図8は、本発明の第5の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した断面図である。
【0020】
本発明の照明用カバーは、図1ないし図8に示すごとく、カバー基材(1)の片面に蓄光剤を配合した蓄光層(2)を設け、この蓄光層(2)を所定の模様(3)に形成して、ランプ(5)の消灯時において、前記模様(3)を認識可能となした照明用カバーであって、前記蓄光層(2)における蓄光剤の含有量に濃淡をつけるように形成して、ランプ(5)の消灯時において、前記模様(3)を立体的に認識可能となしているものである。
【0021】
本発明で用いられる照明用カバー(4)は、ランプ(5)を有する照明器具本体(6)に取り付けられるもので、例えば、同照明用カバー(4)は、図1の(b)に示すごとく、照明器具本体(6)に設けられた受け部材(7)にて取り付けられているものである。また、前記ランプ(5)としては、例えば、照明器具本体(6)に適宜間隔で設けられた複数の支持バネ(8)を介して取り付けられるようになっているものである。さらに、同ランプ(5)の周囲には、必要に応じて、ランプ(5)から照射される光を反射することができるように反射板(9)が設けられているものである。なお、図1においては、洋風シーリングライトの例を示しているが、器具形態、絵柄などはこれに限定されるものではないものである。
【0022】
前記カバー基材(1)としては、プラスチック、不織布(プラスチックベースのものも含む)、ガラス、布、紙、合成紙など、通常、照明器具や照明装置などに使用される材料を採用することができるものである。その中でも、形状優位性、生産性、軽量性、耐久性などの観点から、プラスチック基材がカバー基材(1)として多く用いられるものであり、特に、熱可塑性樹脂が多く用いられるものである。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ノルボルネン系樹脂などがあり、公知のものを特に制限されることなく使用することができるものであるが、光透過性などの観点からアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましいものである。
【0023】
これらの熱可塑性樹脂の中でも、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂のような透明性の高い非晶性樹脂には、ランプのイメージを和らげるための光拡散剤を添加されることもある。光拡散剤としては、白色系の微粒子を用いることが多く、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリコンゴム、ガラスビーズ、合成シリカ、アクリルビーズ、ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられるものであるが、所望の特性を確保できれば、特に限定されるものではなく、公知のものを制限なく使用することができるものである。
【0024】
また、和風照明器具などに用いられる場合では、上記熱可塑性樹脂の他、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などのプラスチックをベースとした不織布も多くカバー基材(1)として使用されるものである。
【0025】
上述したこれらのカバー基材(1)は、照明器具の形態によって、フィルムやシートで使用されたり、グローブやセードとして所望の形状に成形されたものが使用されるものである。このようなものの成形法としては、押出成形、真空成形、圧空成形、射出成形、プレス成形、ブロー成形、インフレーション成形などが挙げられ、特に限定されるものではなく、材質、形状、コストなどの面から任意に選択すれば良いものである。
【0026】
このようなカバー基材(1)の上に蓄光剤を配合した蓄光層(2)を形成するものである。ここでいう蓄光層(2)は、樹脂と蓄光剤とからなっているものである。蓄光剤としては、例えば、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、亜鉛、カドミウムなどの金属硫化物や、蛍光染料を縮合性合成樹脂の初期縮合物とともに溶解し、縮合を進めて樹脂中に色素を固定させるなどして得られる顔料や、下記一般式(I)のもの、すなわち、
MAl・・・(I)
で表されるアルミン酸塩化合物を母結晶にした化合物、または、このアルミン酸塩化合物にマグネシウムを添加した化合物を母結晶にしたマグネシウム添加酸化物系化合物を挙げることができるものである。
【0027】
ここで、一般式(I)において、Mはカルシウム、ストロンチウムおよびバリウムのうち少なくともいずれか一つのアルカリ土類金属である。また、これらのアルミン酸塩化合物もしくはマグネシウム添加酸化物系化合物に対して、賦活剤として、ユウロピウム(Eu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ジスプロニウム(Dy)、ネオジウム(Nd)などのランタン系金属元素を添加した賦活蛍光体化合物等を用いても良いものである。
【0028】
具体的には、SrAl:Eu,Dy(緑色発光,ルミノーバ G―300M,根本特殊化学製)、SrAl1425:Eu,Dy(青緑色発光,ルミノーバ BG―300M,根本特殊化学製)、CaAl:Eu,Nd(紫色発光,ルミノーバ V―300,根本特殊化学製)からなる蓄光性蛍光体などを挙げることができるものである。
【0029】
このようなアルミン酸塩化合物系の蓄光剤は、金属硫化物系の蓄光剤に比べて残光輝度が高く、かつ、残光時間が長いなど、優れた残光特性を有しているために好適に用いられるものである。
【0030】
ところで、本発明においては、前記蓄光剤は1種単独で用いても良いし、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもかまわないものである。
【0031】
本発明の蓄光層(2)に用いる樹脂としては、従来公知のものを制限することなく採用することができるものである。このようなものには、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、ゴムなどが包含されるものである。本発明においては、特に硬化性樹脂の使用が好ましいものである。前記硬化性樹脂としては、熱硬化性や、光硬化性を有する従来公知のものを使用することができるものである。熱硬化性樹脂には、アクリル系(熱硬化タイプ)、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系(アルキッド系)、シリコン系、酢酸ビニル・アクリル系などの各種のものが挙げられるものである。また、光硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂などの従来公知のものを挙げることができるものである。樹脂バインダーとして、このような硬化性樹脂を用いることにより、耐熱性、耐久性の優れた蓄光層を得ることができるものである。
【0032】
前記蓄光剤と前記樹脂との配合割合は、通常、重量比で10:90〜90:10の範囲である。樹脂固形分が10重量パーゼント未満の場合は、蓄光層(2)の強度が得られず、蓄光剤が10重量パーゼント未満の場合は、充分な輝度を有する発光が得られず、暗視性が確保できないものである。蓄光層(2)の塗膜強度および蓄光性能、特に暗視性の観点から、蓄光剤と樹脂との配合割合は、重量比で30:70〜70:30の範囲がより好ましく、所望の性能に応じて任意に設定すれば良いものである。
【0033】
また、蓄光層(2)の厚みは、通常、20〜150μmの範囲である。蓄光層(2)の厚みが20μm未満であると、充分な輝度を有する発光が得られず、暗視性が確保できないものである。また、逆に蓄光層(2)の厚みが150μmを超えると、コスト面や作業性の面から好ましくないものである。蓄光性能、特に、暗視性および作業性の観点から、蓄光層(2)の厚みは、30〜100μmの範囲がより好ましく、所望の性能に応じて任意に設定すればよいものである。
【0034】
本発明の蓄光層(2)は、その成膜の際に、樹脂のバインダーに溶剤を混合したものに蓄光剤を配合して使用される他、樹脂のバインダーが液状樹脂である場合には、必ずしも溶剤の使用は必要とされないものであり、その液状樹脂に蓄光剤を配合することによって使用されることもある。このような際、塗工液には従来使用されている各種添加剤、例えば、界面活性剤、消泡剤、安定剤などを添加することが可能なものである。
【0035】
本発明の照明用カバーにおいては、前記カバー基材(1)と前記蓄光層(2)との密着性を向上させるために、必要に応じて、同カバー基材(1)と同蓄光層(2)との間にプライマー層を設けても良いものである。また、他の方法としては、例えば、クロム酸処理などのケミカルエッチング処理、コロナ処理やプラズマ処理などのイオン化放射線処理、オゾン暴露、火災暴露や高圧電撃暴露などにより、カバー基材(1)表面を酸化させる化学的または物理的処理などの表面処理を施しても良いものである。
【0036】
このような蓄光層(2)を、カバー基材(1)として用いられるフィルムやシート(後に形状体に成形されるものも含む)、あるいは、所望の形状に成形されたグローブやセードなどの成形体の表面に形成する方法としては、例えば、シルクスクリーン法、スプレー法、ディッピング法、静電塗装などが挙げられるが、特に限定されるものではないものである。
【0037】
以上のような蓄光層(2)を所定の模様(3)、例えば、イルカや犬などの動物類、星や月などの天体関連、花や葉などの植物類、これらをアニメ風に表現したキャラクター類、幾何学模様などの様々な模様(3)に形成する際に、図1ないし図5に示すごとく、蓄光層(2)における蓄光剤の含有量に濃淡をつけるように形成して、同蓄光層(2)を隣接して配置することにより、ランプ(5)の消灯時において、これらの模様(3)を立体的に浮かび上がらせることが可能となるものである。濃淡分布の淡部の蓄光剤と樹脂との配合割合については、上述した通常の重量比10:90〜90:10の範囲に限らず、模様(3)の立体感が得られる配合割合に任意に設定してもかまわないものである。
【0038】
図1の(a)、図2および図3に示すごとく、前記カバー基材(1)の上で蓄光剤添加量の多い第1の蓄光層(2a)と、この第1の蓄光層(2a)よりも蓄光剤添加量の少ない第2の蓄光層(2b)とを並列的に組み合わせて、ランプ(5)の消灯時において、発光量の強弱により模様(3)の下側に影があるように見せて、これらの模様(3)を立体的に浮かび上がらせるようなものであってもかまわないし、図4および図5に示すごとく、前記カバー基材(1)の上で蓄光剤添加量の多い第1の蓄光層(2a)と、この第1の蓄光層(2a)よりも蓄光剤添加量の少ない第2の蓄光層(2b)と、さらにこの第1の蓄光層(2a)と第2の蓄光層(2b)との中間の蓄光剤添加量となる第3の蓄光層(2c)とを並列的に組み合わせて、ランプ(5)の消灯時において、発光量の強弱により模様(3)の周囲、すなわち、輪郭に影があるように見せて、これらの模様(3)を立体的に浮かび上がらせるようなものであってもかまわないものである。
【0039】
また、厚さに分布を持たせた蓄光層(2)を隣接して配置することにより、ランプ(5)の消灯時において、これらの模様(3)を立体的に浮かび上がらせることが可能となるものである。厚さ分布の薄部の厚さについては、前述した通常の厚さ20〜150μmの範囲に限られるものではなく、模様(3)の立体感が得られる厚さに任意に設定してもかまわないものである。
【0040】
具体的には、図6に示すごとく、前記カバー基材(1)の上で蓄光層(2)の厚さが厚い第1の蓄光層(2a)と、この第1の蓄光層(2a)よりも蓄光層(2)の厚さが薄い第2の蓄光層(2b)とを並列的に組み合わせて、ランプ(5)の消灯時において、発光量の強弱により模様(3)の下側に影があるように見せて、これらの模様(3)を立体的に浮かび上がらせるようなものであってもかまわないし、図7に示すごとく、前記カバー基材(1)の上で蓄光層(2)の厚さが厚い第1の蓄光層(2a)と、この第1の蓄光層(2a)よりも蓄光層(2)の厚さが薄い第2の蓄光層(2b)と、さらにこの第1の蓄光層(2a)と第2の蓄光層(2b)との中間の蓄光層(2)の厚さをもつ第3の蓄光層(2c)とを並列的に組み合わせて、ランプ(5)の消灯時において、発光量の強弱により模様(3)の周囲、すなわち、輪郭に影があるように見せて、これらの模様(3)を立体的に浮かび上がらせるようなものであってもかまわないものである。
【0041】
また、発光色が異なる蓄光層(2)を隣接して配置することにより、ランプ(5)の消灯時において、これらの模様(3)を立体的に浮かび上がらせることが可能となるものである。発光色については、前述したように公知の代表されるような蓄光剤でかまわないものであり、模様(3)の立体感が得られる発光色の組み合わせを任意に設定すれば良いものである。
【0042】
具体的には、図3に示すごとく、前記カバー基材(1)の上で発光色が互いに異なる第1の蓄光層(2a)と第2の蓄光層(2b)とを並列的に組み合わせて、ランプ(5)の消灯時において、発光量の色差により模様(3)の下側に影があるように見せて、これらの模様(3)を立体的に浮かび上がらせるようなものであってもかまわないし、図5に示すごとく、前記カバー基材(1)の上で発光色が互いに異なる第1の蓄光層(2a)と第2の蓄光層(2b)と第3の蓄光層(2c)とを並列的に組み合わせて、ランプ(5)の消灯時において、発光量の互いの色差により模様(3)の周囲、すなわち、輪郭に影があるように見せて、これらの模様(3)を立体的に浮かび上がらせるようなものであってもかまわないものである。
【0043】
さらに、デザインの制約から、点灯時のイメージとして、部分的に蓄光層(2)の色を認識しにくくしたい場合は、カバー基材(1)と同蓄光層(2)の色差ΔE*が5以下となるようにカバー基材(1)または蓄光層(2)を構成してもかまわないものである。特に、カバー基材(1)が白系の場合には、具体的な方法として、白系の蓄光剤のみを配合した蓄光層(2)を形成する、あるいは、黄緑系の蓄光剤を使用する場合に白系の蓄光剤を併用したり青系および赤系の着色剤を配合して蓄光層(2)を形成する、あるいは、カバー基材(1)に近い色度の色度層と蓄光層(2)とを重ねて配置するなどが考えられるものである。
【0044】
カバー基材(1)に近い色度の色度層と蓄光層(2)とを重ねて配置する場合、具体的には、図8に示すごとく、カバー基材(1)に近い色度の色度層を第2の蓄光層(2b)に位置している部分に第1の蓄光層(2a)と重ねるように配置しているものである。この場合、蓄光層(2)の蓄光剤添加量は単一で色度層と重ねる部分の膜厚を調整しても良いし、色度層と重ねる部分のみ蓄光剤添加量を変えても良いものである。
【0045】
ここでいう白系の蓄光剤は、例えば、CaAl:Eu,Nd(紫色発光,ルミノーバ V―300,根本特殊化学製)や、SrAl:Eu,Dyからなる蓄光性蛍光体にEuを添加したものや、蓄光剤の表面に炭酸カルシウムやシリカなどを付着させたものなどが挙げられるものである(WA―300,根本特殊化学製)。
【0046】
また、色度層は、有機染料、有機顔料、無機顔料などを含むインクやトナー系のもの、塗料として調整されたものを印刷、塗布して形成されるものである。
【0047】
有機染料、有機顔料、無機顔料などの着色剤や、バインダーは、従来から公知のものを挙げることができ、所望のデザインに応じて任意に設定すれば良いものである。また、所望の色彩が確保できて、消灯時の発光が視認できれば、色度層の膜厚は特に限定されないものである。
【0048】
また、色度層をカバー基材(1)上に直接形成する場合、カバー基材(1)と色度層との密着性を向上させるために、蓄光層(2)の場合と同様、必要に応じて、カバー基材(1)と色度層の間にプライマー層を設けても良いものである。また、他の方法としては、例えば、クロム酸処理などのケミカルエッチング処理、コロナ処理やプラズマ処理などのイオン化放射線処理、オゾン暴露、火災暴露や高圧電撃暴露などにより、カバー基材(1)表面を酸化させる化学的または物理的処理などの表面処理を施しても良いものである。
【0049】
このような色度層を、カバー基材(1)として用いられるフィルムやシート(後に形状体に成形されるものも含む)、あるいは、所望の形状に成形されたグローブやセードなどの成形体の表面に形成する方法としては、例えば、シルクスクリーン法、インクジェット法、電写真方式による転写紙を介したトナーの転写、スプレー法、ディッピング法、静電塗装などが挙げられるが、特に限定されるものではないものである。
【0050】
このようにして得られたカバー基材(1)は、様々な照明器具、例えば、天井付け型、吊り下げ型、壁付け型、行燈型、スタンド型、天井埋込型、サイン照明、ディスプレイ照明、看板などに好適に用いることができるものである。
【0051】
以上のことにより、消灯時において、模様(3)が立体的に認識可能となるような照明用カバーおよびこの照明用カバーを用いた照明器具を得ることができるものである。
【0052】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る照明用カバーによると、カバー基材(1)表面に、蓄光剤を配合した蓄光層(2)で所定の模様(3)を形成し、蓄光層(2)における蓄光剤の含有量に濃淡をつけるように形成したことで、ランプ(5)の消灯時に、蓄光層(2)の発光の強弱によって、暗所で立体的に模様(3)を浮かび上がらせることができるようになり、暗所で浮かび上がらせた模様(3)にて立体的な演出効果を得ることができるものである。
【0053】
本発明の請求項2に係る照明用カバーによると、カバー基材(1)表面に、蓄光剤を配合した蓄光層(2)で所定の模様(3)を形成し、蓄光層(2)の厚さに差をつけるように形成することで、ランプ(5)の消灯時に、蓄光層(2)の発光の強弱によって、暗所で立体的に模様(3)を浮かび上がらせることができるようになり、暗所で浮かび上がらせた模様(3)にて立体的な演出効果を得ることができるものである。
【0054】
本発明の請求項3に係る照明用カバーによると、カバー基材(1)表面に、蓄光剤を配合した蓄光層(2)で所定の模様(3)を形成し、蓄光剤の発光色が異なる蓄光層(2)を分布させることで、ランプ(5)の消灯時に、蓄光層(2)の発光色の違いによって、暗所で立体的に模様(3)を浮かび上がらせることができるようになり、暗所で浮かび上がらせた模様(3)にて立体的な演出効果を得ることができるものである。
【0055】
本発明の請求項4に係る照明用カバーによると、カバー基材(1)と蓄光層(2)との色差ΔE*が5以下となるようなカバー基材(1)または蓄光層(2)の構成を部分的に設けたことによって、例えば、デザインの制約などで、部分的に蓄光層(2)の色を認識しにくくしたい場合に対応することが可能となり、ランプ(5)の点灯時の照明用カバーとしての意匠性がより一層高められ、しかも同ランプ(5)の消灯時に、暗所で立体的に模様(3)を確実に浮かび上がらせることができるようになり、暗所で浮かび上がらせた模様(3)にて立体的な演出効果をより一層得ることができるものである。
【0056】
本発明の請求項5に係る照明用カバーによると、カバー基材(1)と蓄光層(2)との間に形成されるプライマー層にてカバー基材(1)と蓄光層(2)との密着性を確実に向上させることができるものである。
【0057】
本発明の請求項6に係る照明用カバーを用いた照明器具によると、請求項1ないし請求項5いずれか記載の照明用カバー(4)をランプ(5)を有する照明器具本体(6)に取り付けて用いることで、ランプ(5)の消灯時に、暗所で浮かび上がらせた模様(3)にて美麗な演出効果を得ることができるとともに、立体的な演出効果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態に係る照明用カバーおよびこの照明用カバーを用いた照明器具を示し、一部破断した概略図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る照明器具を示した概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した概略図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る照明用カバーの模様を示した断面図である。
【図9】一従来例に係る照明用カバーおよびこの照明用カバーを用いた照明器具を示した全体の概略図である。
【図10】一従来例に係る照明用カバーを示した断面図である。
【符号の説明】
1 カバー基材
2 蓄光層
3 模様
4 照明用カバー
5 ランプ
6 照明器具本体




 

 


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