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発明の名称 シリコーン変性エポキシ樹脂
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2004−250604(P2004−250604A)
公開日 平成16年9月9日(2004.9.9)
出願番号 特願2003−43341(P2003−43341)
出願日 平成15年2月20日(2003.2.20)
代理人
発明者 岡崎 明
要約 課題
耐熱性および吸湿性の改良されたオキシシクロヘキサン骨格を有する多官能の脂環式エポキシ樹脂を提供すること。

解決手段
下記式(1)で表される4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド(A)のエポキシ基と下記平均組成式(2)で表されるシラノール基含有オルガノポリシロキサン(B)のシラノール水酸基とを反応させて得られる下記(3)の構造式単位を有するビニル基含有ポリエーテル化合物(C)のビニル基を酸化剤でエポキシ化してなる下記(4)の構造式単位を有するシリコーン変性エポキシ樹脂(D)。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)で表される4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド(A)のエポキシ基と下記平均組成式(2)で表されるシラノール基含有オルガノポリシロキサン(B)のシラノール水酸基とを反応させて得られる下記(3)の構造式単位を有するビニル基含有ポリエーテル化合物(C)のビニル基を酸化剤でエポキシ化してなる下記(4)の構造式単位を有するシリコーン変性エポキシ樹脂(D)。
【化1】


[但し、式(2)において、aは0.5〜1.5、bは0.01〜1、Rは炭素数1〜9の1価有機化合物残基である。また、式(3)におけるビニル基及び式(4)におけるエポキシ基は、それぞれ式中のα位又はβ位に結合する。]
【請求項2】
酸化剤が有機過カルボン酸である請求項1に記載のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)。
【請求項3】
シラノール基含有オルガノポリシロキサン(B)がモノメチルシリコーンレジンである請求項1又は2に記載のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)。
【請求項4】
4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド(A)のエポキシ基の開環反応にルイス酸を触媒として用いる請求項1〜3のいずれかに記載のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)。
【請求項5】
ルイス酸がBF錯体である請求項4記載のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)。
【請求項6】
有機過カルボン酸が対応するアルデヒドの空気または酸素による酸化により得られたものである請求項2記載の新規シリコーン変性エポキシ樹脂(D)。
【請求項7】
有機過カルボン酸中の水分が0.8重量%以下である請求6に記載の新規シリコーン変性エポキシ樹脂(D)。
【請求項8】
有機過カルボン酸が過酢酸である請求項2、6または7に記載のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)。
【請求項9】
過酢酸が酢酸エチル溶液である請求項8に記載のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)。
【請求項10】
オキシラン酸素が1.0〜10重量%である請求項1〜9のいずれかに記載のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、耐湿性に優れ、内部応力の発生が少なく、無色透明なシリコーン変性エポキシ樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に最も広く使用されているエポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、重合度によって液体から固体までの幅広い製品が得られ、常温でポリアミンを用いて硬化できるほど反応性が高い。
しかし、この硬化物は耐水性に優れ,強じんであるにもかかわらず、耐候性、電気的性質が悪いこと、熱変形温度が低いという欠点がある。
IC、LSIまたは超LSIなどの封止用樹脂としては、ノボラックフェノールやノボラッククレゾール型のエポキシ樹脂が使用されているが、樹脂中に含まれる塩素がIC、LSIまたは超LSI等の電気特性を低下させることなどが問題となっている。
一方、脂環式エポキシ樹脂は、塩素を含まず、電気特性、耐熱性に優れたエポキシ樹脂である。
市販の脂環式エポキシ樹脂として、エポキシ基の反応性や硬化物のTg及び透明性が高くエレクトロニクス用絶縁封止剤や粉体塗料等の硬化剤やガラス繊維の集束剤として広く使用されている側鎖としてエポキシ基を有し、開環したオキシシクロヘキサン骨格を有するダイセル化学工業(株)のEHPEシリーズ(特公昭63−31493号公報、特公平4−10471号公報、特公平6−25194号公報等に開示)がある。EHPEシリーズの中でも、EHPE3150は固形のエポキシ樹脂であり、取扱いが容易である。しかしながら、その硬化物は吸水性がビスフェノールA型エポキシ樹脂やノボラック型のエポキシ樹脂等の硬化物と比べ高いという欠点を有している。
従って、EHPE3150の硬化物は電気特性に改善の必要性があり、半導体封止材などのエレクトロニクス用絶縁封止剤分野用としては必ずしも十分なものとは言えなかった。そこで、前記EHPEシリーズの脂環式エポキシ樹脂のオキシシクロヘキサン骨格中にビニル基を多目に残す(すなわち、相対的にエポキシ化度を下げる)ことにより吸水性が改良されることが見出された(特公平7−25864号公報)が、このエポキシ樹脂の軟化点が下がり常温で非常にブロッキングし易いことやこの硬化物のTgも大きく下がるという新たな欠点が生起した。また、特開平2−28211号公報においては、前記EHPEシリーズの脂環式エポキシ樹脂中のビニルシクロヘキサン骨格に残存しているビニル基にオルガノポリシロキサン化合物を付加して吸水性を改良する試みがなされている。この方法では、吸水率はある程度改善されるが、未だ充分な耐熱性を有するものは得られていない。さらに、特開平3−123775号公報においては、前記EHPEシリーズの脂環式エポキシ樹脂中のビニルシクロヘキサン骨格を与える4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドに加えて2個のエポキシ基を有する化合物を少量共存させ、分子中に架橋構造を形成させて軟化点を高めることにより耐ブロッキング性の改良がなされているが、この方法では硬化物の吸水性はあまり改善されない。
【0003】
【特許文献1】
特公昭63−31493号公報
【特許文献2】
特公平4−10471号公報
【特許文献3】
特公平6−25194号公報
【特許文献4】
特公平7−25864号公報
【特許文献5】
特開平2−28211号公報
【特許文献6】
特開平3−123775号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者は、鋭意検討した結果、常温で固体のシラノール基を有するシリコーンレジンを開始剤として、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド単独及び必要に応じて使用される他のエポキシ基を1個以上有するエポキシ化合物も含めてエポキシ基を開環して重合させた後に、ビニル基を酸化剤を用いてエポキシ化させることで、常温でのエポキシ樹脂の改良された吸水率を低下させることなくブロッキングの問題を解決し、同エポキシ樹脂の硬化物の著しいTg低下の問題も解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1は、下記式(1)で表される4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド(A)のエポキシ基と下記平均組成式(2)で表されるシラノール基含有オルガノポリシロキサン(B)のシラノール水酸基とを反応させて得られる下記(3)の構造式単位を有するビニル基含有ポリエーテル化合物(C)のビニル基を酸化剤でエポキシ化してなる下記(4)の構造式単位を有するシリコーン変性エポキシ樹脂(D)である。
【化2】


[但し、式(2)において、aは0.5〜1.5、bは0.01〜1、Rは炭素数1〜9の1価有機化合物残基である。また、式(3)におけるビニル基及び式(4)におけるエポキシ基は、それぞれ式中のα位又はβ位に結合する。]
本発明の第2は、酸化剤が有機過カルボン酸である本発明の第1のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)である。
本発明の第3は、シラノール基含有オルガノポリシロキサン(B)がモノメチルシリコーンレジンである本発明の第1又は2に記載のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)である。
本発明の第4は、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド(A)のエポキシ基の開環反応にルイス酸を触媒として用いる本発明の第1〜3いずれかのシリコーン変性エポキシ樹脂(D)である。
本発明の第5は、ルイス酸がBF錯体である本発明の第4のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)である。
本発明の第6は、有機過カルボン酸が対応するアルデヒドの空気または酸素による酸化により得られたものである本発明の第2のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)である。
本発明の第7は、有機過カルボン酸中の水分が0.8重量%以下である本発明の第6のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)である。
本発明の第8は、有機過カルボン酸が過酢酸である本発明の第2、6または7のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)である。
本発明の第9は、過酢酸が酢酸エチル溶液である本発明の第8のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)である。
本発明の第10は、オキシラン酸素が1.0〜10重量%である本発明の第1〜9のいずれかのシリコーン変性エポキシ樹脂(D)である。
【0006】
【発明の実施の形態】
式(2)で表されるシラノール基含有オルガノポリシロキサン(B)は分子中にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンであって、ポリスチレン換算重量平均分子量が500〜100,000であるシリコーンレジンである。
本発明のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)を製造する第一段目の反応において、下記式(3)で表される構造式単位を有するビニル基含有ポリエーテル化合物(C)が得られる。
【化3】


(但し、ビニル基は、α位又はβ位に結合する。)
上記式(3)で表わされる構造式単位を有するビニル基含有ポリエーテル化合物(C)は開環開始剤であるシラノール基を有する前記のオルガノポリシロキサン(B)の水酸基と(A)成分である4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドおよび必要に応じて使用される他のエポキシ基を1個以上有する化合物のエポキシ基とを触媒存在下で反応させることにより得ることができる。
【0007】
この第一段目の反応において、(B)成分であるオルガノポリシロキサンのシラノール水酸基数に対する(A)成分である4−ビニルシクロへキセン−1−オキシドおよび必要に応じて使用されるエポキシ基を1個以上有する化合物のエポキシ基数の反応比率を変えることにより分子量を種々調節することができる。
具体的には、シラノール水酸基1個当たり(A)成分である4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドおよび必要に応じて使用される他のエポキシ基を1個以上有する化合物を合わせてエポキシ基2〜30個の割合で反応させることが望ましい。
その和が30を超えると融点の高い固体となり、実際上は使用できるものとはならない。なお、他のエポキシ基を1個以上有する化合物を用いない場合で説明すると、式(3)の構造式単位連鎖の末端の構造は、式(3)の結合端の酸素原子に水素が結合し水酸基になっている。
(A)成分である4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドと必要に応じて使用されるエポキシ基を1個以上有する化合物は(A)成分である4−ビニルシクロへキセン−1−オキシドを1〜100モル%、好ましくは、20〜100モル%、必要に応じて使用される他のエポキシ基を1個以上有する化合物を99〜0モル%、好ましくは、80〜0モル%の割合で反応させる。(A)成分である4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドが1モル%未満ではシクロヘキサン骨格に基づく特徴が出ない。
必要に応じて使用されるエポキシ基を1個以上有するエポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレート、α−オレフィンオキサイドのような脂肪族のエポキシ化合物、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキセンオキサイド、ジペンテンジエポキシのような脂環式のエポキシ化合物や、スチレンオキサイドのような芳香族エポキシ化合物等があるが、脂肪族のエポキシ化合物が好ましい。
【0008】
エポキシ基の開環反応の開始剤となる(B)成分であるオルガノシロキサンは、平均組成式RSi(OH)(4−a−b)/2(ただし、aは0.5〜1.5、bは0.01〜1、Rは炭素数1〜9の1価有機基。)で表され、分子中にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンであって、ポリスチレン換算重量平均分子量が500〜100,000であるシリコーンレジンである。
上記平均組成式におけるRとしては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのフルオロアルキル基、フェニル基などのアリール基、その他、γ−クロロプロピル基、ビニル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−メルカプトプロピル基などが挙げられる。
このシリコーンレジンは、シリコーンメーカーなどから塗料用、電気用のワニス、またはシラノール基含有変性用中間体として市販されているものも使用できる。具体的には、TSR127B、TSR160(東芝シリコーン)、KR212、KR216、KR311(信越化学工業)、SH6018(東レダウコーニングシリコーン)などが例示できる。これらのシリコーンレジンは、トルエン、キシレンのような有機溶媒に溶解された形態またはフレーク状の固体として供給される。
反応時に用いられる触媒としてはメチルアミン、エチルアミン、フロピルアミン、ピベラジン等のアミン類、ピリジン類、イミダゾール類等の有機塩基、テトラブチルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウム塩、ギ酸、酢酸、フロピオン酸等の有機酸類、硫酸、塩酸等の無機酸、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属類のアルコラート類、KOH、NaOH等のアルカリ類、BF、ZnCl、AlCl、SnCl等のルイス酸又はそのコンプレックス類、トリエチルアルミニウム、ジエチル亜鉛等の有機金属化合物を挙げることができる。これらの触媒の内ではルイス酸が好ましく、中でも、BFエーテラートが好ましい。
触媒の量はその種類によって異なるが、出発原料に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用することができる。
反応温度は−20〜200℃好ましくは0〜120℃である。反応は溶媒を用いて行うこともできる。溶媒はアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素、酢酸エチルのようなエステル系溶媒等活性水素を有していないものが好ましい。
このようにして第一段目の反応において得られた上記式(3)の構造式単位を有するビニル基側鎖を有するポリエーテル化合物(C)を第二段目の反応において過酸類またはハイドロパーオキサイド類のような酸化剤でエポキシ化することにより本発明のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)を得ることができる。得られる本発明のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)は下記式(4)で表される構造式単位を有する化合物である。なお、他のエポキシ基を1個以上有する化合物を用いない場合で説明すると、式(4)の構造式単位連鎖の末端の構造は、式(4)の結合端の酸素原子に水素が結合し水酸基になっている。
【化4】


(但し、エポキシ基は、α位又はβ位に結合する。)
【0009】
過酸類としては有機過カルボン酸、具体的には、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸等を用いることができる。有機過カルボン酸の中でも対応するアルデヒドの空気または酸素による酸化で得られるものは水分含有率が低く、具体的には、0.8重量%以下であり、本発明のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)におけるエポキシ化率が高くなるので好ましい。
なお、上記式(4)におけるエポキシ基はエポキシ化反応の条件によっては、一部が出発原料の(A)成分である4−ビニルシクロへキセン−1−オキシドに由来するビニル基のまま残存している場合がある。さらに、エポキシ化剤として過酢酸のような有機過カルボン酸を使用した場合、それから生じた酢酸のような有機カルボン酸と生成したエポキシ基との反応により生じたエステル基に変化している場合もある。
有機過カルボン酸のうち特に過酢酸は工業的に安価に入手可能で、かつ安定度も高く、好ましいエポキシ化剤である。
【0010】
ハイドロパーオキサイド類としては、過酸化水素、ターシャリブチルハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド等を用いることができる。
エポキシ化の際には必要に応じて触媒を用いることができる。
例えば過酸の場合、炭酸ソーダなどのアルカリや硫酸などの酸を触媒として用い得る。
また、ハイドロパーオキサイドの場合、タングステン酸と苛性ソーダの混合物を過酸化水素とあるいは有機酸を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチルハイドロパーオキサイドと使用して触媒効果を得ることができる。エポキシ化反応は、装置や原料物性に応じて溶媒使用の有無や反応温度を調整して行なう。
【0011】
用いるエポキシ化剤の反応性によって使用できる反応温度域は定まる。
好ましいエポキシ化剤である過酢酸についていえば0〜70℃が好ましい。
0℃以下では反応が遅く、70℃では過酢酸の分解が起きる。
又、ハイドロパーオキサイドの1例であるターシャルブチルハイドロパーオキサイド/モリブデン二酸化物ジアセチルアセトナート系では、同じ理由で20℃〜150℃が好ましい。溶媒は原料粘度の低下、エポキシ化剤の希釈による安定化などの目的で使用することができる。
過酢酸の場合であれば芳香族化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物などを溶媒として用いることができる。
【0012】
本発明のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)を製造するためには、上記式(3)の構造式単位を有するポリエーテル化合物(C)におけるビニル基に対するエポキシ化剤の仕込みモル比を0.9倍以上にする。過酢酸の場合、仕込みモル比を0.95〜1.2にするのが好ましい。目的化合物は濃縮等の通常の化学工学的手段によって反応粗液から取り出すことができる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0014】
[合成実施例1]
(B)成分として、市販シリコーンレジンSH6018(東レダウコーニングシリコーン社製、外観はフレーク状固体で、ヒドロキシル基含有量6.4%、融点85℃)187g、(A)成分として、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド620gを混合し、BF−エーテラートの10%酢酸エチル溶液200gを50℃で4時間かけて滴下した。
得られた反応粗液に酢酸エチルを加えて水洗し、次に酢酸エチル層を濃縮して(C)成分であるビニル基含有ポリエーテル化合物[前記式(3)の構造式単位を有する化合物]790gを得た。この化合物の分子量は2740であった。同式(3)の構造式単位を有する化合物660gを酢酸エチル350gに溶解して反応器に仕込み、過酢酸320g(ビニル基に対するモル比1.0)を酢酸エチル1067g溶液(過酢酸の濃度は30重量%)として50℃で4時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに50℃で2時間熟成した。酢酸、酢酸エチル、および過酢酸を除去後、再び酢酸エチルに溶解し、蒸留水で洗浄した後、酢酸エチル層を濃縮し、前記式(4)の構造式単位を有する化合物、すなわち、本発明のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)を得た。
化学分析により、目的物のオキシラン酸素濃度は7.60%であることが確認された。また、軟化点は73.7℃であった。図面に各化合物のH−NMRチャートおよび各チャートにおけるピークのキャラクタリゼーションを示す。
【0015】
図1は(B)成分である式(2)の相当化合物(シリコーンレジン SH−6018)のH−NMRチャートである。
SH−6018のH−NMRチャートにおいて4.8ppmにシラノール基のプロトンによる吸収が認められる。
【0016】
図2は(C)成分である式(3)の構造式単位を有する化合物のH−NMRチャートである。
【0017】
<式(3)の構造式単位を有する化合物のH−NMRチャートにおけるピークのキャラクタリゼーション>
式(3)の構造式単位を有する化合物のH−NMRチャートにおいて、5.7及び4.9ppm前後のピークは式(1)の4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド由来のビニルプロトンによるもので、3.5〜3.4ppmのピークは4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド由来の開環したエポキシプロトンによるもので、SH−6018のH−NMRチャートに見られたシラノールプロトンが反応でなくなっていることが確認できる。
図3は(D)成分である式(4)の構造式単位を有する相当化合物のH−NMRチャートである。
【0018】
<式(4)の構造式単位を有する相当化合物のH−NMRチャートにおけるピークのキャラクタリゼーション>
式(4)の構造式単位を有する相当化合物のH−NMRチャートにおいて、式(3)の構造式単位を有する化合物で強く見られた5.7及び4.9ppm前後のビニルプロトンによるピークはほとんど無くなり、新たに2.7及び2.5ppm前後にビニル基のエポキシ化によるエポキシプロトンを確認することができる。
【0019】
[比較合成例1]
(特公平7−25864号公報の合成例1に準ずる)
トリメチロールプロパン134g(1モル)、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイド1860g(15モル)を混合し、BF−エーテラートの10%酢酸エチル溶液400gを50℃で4時間かけて滴下した.
得られた反応粗液に酢酸エチルを加えて水洗し、次に酢酸エチル層を濃縮してビニル基含有ポリエーテル化合物1990gを得た。
次いで、この化合物500gを酢酸エチル250gに溶解して反応器に仕込み、過酢酸286g(ビニル基に対するモル比1.0)を酢酸エチル953g溶液(過酢酸の濃度は30重量%)として50℃で4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに50℃で2時間熟成した。
酢酸、酢酸エチル、および過酢酸を除去後、再び酢酸エチルに溶解し、蒸留水で洗浄した後、酢酸エチル層を濃縮し、エポキシ化合物を得た。化学分析により、このエポキシ化合物におけるオキシラン酸素濃度は9.05%であることが確認された。また、軟化点は68.4℃であった。
【0020】
[比較合成例2]
過酢酸の仕込量を172g(ビニル基に対するモル比0.6)に変えた他は実施例と同様に行ない、エポキシ化合物を得た。
化学分析により、このエポキシ化合物におけるオキシラン酸素濃度は6.25%であることが確認された。また、軟化点は58.6℃であった。
【0021】
<エポキシ化合物及びその硬化物評価>
(エポキシ化合物での評価):
耐ブロッキング性
[テスト条件]
250mlスクリュー蓋付きポリプロピレン製容器(円筒状、直径6cm)に合成例および比較合成例で得られたエポキシ化合物を80g(高さ約5cm)迄充填し、所定温度の乾燥器内で放置した後、取り出し粉体の状態を観察評価した(乾燥器内温度は30℃)。
評価は、下記のような基準で5段階評価で行った。
5:斜めにすればサラサラ落ちてくる状態。
4:逆さにすれば落ちてくる状態。
3:逆さにして振れば再分散し落ちてくる状態。
2:逆さにして叩けば落ちてくる状態で一部溶融し固まり有り。
1:固まっていて、叩いても完全に落ちてこない状態。
【0022】
【表1】


【0023】
(硬化物での評価)
[エポキシ化合物の溶液化]
合成実施例及び比較合成例で合成したエポキシ化合物を固形分が75%になるように硬化剤及び硬化促進剤と共にアセトンに溶解させた。化合物:アセトンが3:1(重量比)になるように混合してそれぞれ必要量を下記の容器に注型した。
離型紙でL300×W200×H50(cm)の箱を作り、ネット60gになるように注型する(離型紙は、壁を少し高めにしないと脱泡時に泡がオーバーフローする)。
(吸水率試験の従来からの方法)
脱アセトンを別の容器で行うと注型後の脱泡が必要になるため離型紙、アルミカップで脱泡する。アルミカップで脱アセトンを行う場合は、1000mlくらいのビーカーに入れて行う。
硬化条件:110℃×1hr+150℃×2hr
(硬化剤および硬化促進剤として下記表2に示すものを表中の部数用いた)
[Tgの測定]
JIS K 7121に従いDSC測定を行った。
昇温速度:5℃/min 30℃〜380℃
[吸水率の測定]
120℃、95%RHという環境下で96時間後の吸水量を測定して下記式により吸水率を算出した(試験数3の平均値)。
(テスト後の重量増加分/テスト前の重量)×100(%)
【0024】
【表2】


【0025】
表2中の各物質の配合量の単位は重量部であり、略号で示された物質は下記のものである。
MH−700:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製リカシッドMH−700)(硬化剤)
DBU:1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(硬化促進剤)
【0026】
【発明の効果】
上記のように、本発明のシリコーン変性エポキシ樹脂の硬化物は高いTgを有し、耐熱性に優れ、かつ吸水性が低いため優れたLSI封止材料として用いることができる。
又コイル含浸などのエポキシ樹脂の従来の用途代替としても、重合度などを化合物(A)の仕込み割合により自由に調整することにより性能を適合させることができる長所を有している。
更にLEDや半導体の封止材料、塗料などの幅広い用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成実施例1で用いた(B)成分である式(2)相当化合物のH−NMRチャートである。
【図2】合成実施例1で得られた式(3)の構造式単位を有する相当化合物のH−NMRチャートである。
【図3】合成実施例1で得られた本発明のシリコーン変性エポキシ樹脂(D)である式(4)の構造式単位を有する相当化合物のH−NMRチャートである。




 

 


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