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発明の名称 スライドファスナー止部形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2004−290449(P2004−290449A)
公開日 平成16年10月21日(2004.10.21)
出願番号 特願2003−87684(P2003−87684)
出願日 平成15年3月27日(2003.3.27)
代理人
発明者 上田 俊一 / 亀田 泰信 / 松村 悟志 / 高村 常男
要約 課題
ファスナーチェーンの移送路上で、止部形成時における潤滑油や切断屑などの廃材を自動的に排除することができ、ファスナーチェーンの汚れを防止することができ、連続してファスナーチェーンの噛合エレメント列の端部に止部を形成することを可能にし、仕上げ加工費の低減化と製品の歩留りの向上が実現化されるスライドファスナー止部形成装置を提供する。

解決手段
止部形成部(20)をチェーン移送路の下方待機位置から同チェーンへ向けて進退させることにより、噛合エレメント列の端部を一体に結合する止部が取り付けられたとき、ドライバパンチ(21)やカッティングパンチ(41)の摺動部分に潤滑される潤滑剤、止部素材に塗布された油や止部素材の切断時に生じる切断屑などの廃材が、止部形成部(20)の進退路の途中に配された切断部(40)の切断位置に向けて開口した廃材排出路(50)を介して路外へと自動的に排出される。
特許請求の範囲
【請求項1】
ファスナーチェーン(C) の噛合エレメント列(ER)の端部に止部を形成する装置であって、
前記ファスナーチェーン(C) の移送路の下方待機位置にあって、同チェーンへ向けて進退可能に配された止部形成部(20)と、
同止部形成部(20)の一側部に設けられ、前記止部の原材(1,2) を前記止部形成部(20)の進退路を横断して供給する供給部(30)と、
前記止部形成部(20)の進退路の途中に配され、前記供給部(30)から供給される前記原材を所定の長さに切断する切断部(40)と、
同切断部(40)の切断位置に向けて開口し、前記止部形成部(20)の進退路に溜まる廃材を路外に排出する廃材排出路(50)と、
を備えてなることを特徴とするスライドファスナー止部形成装置。
【請求項2】
前記止部形成部(20)は、
前記ファスナーチェーン(C) へ向けて進退可能に設けられ、同チェーンの噛合エレメント列(ER)の端部に止部を形成する止部形成部材と、
前記ファスナーチェーン(C) の移送路の上方にあって前記止部形成部材に対向して設けられ、同止部形成部材との間で噛合エレメント列(ER)を跨いで左右のファスナーテープ(T) を押圧して保持するテープ押圧保持部材と、
を有してなることを特徴とする請求項1記載のスライドファスナー止部形成装置。
【請求項3】
前記止部形成部材は、前記切断部にて原材である金属線材(1) を所定の長さに切断された止片(1a)をファスナーチェーン(C) に向けて押出し、同片(1a)を前記ファスナーテープ(T) に打ち込むドライバパンチ(21)からなり、
前記テープ押圧保持部材は、前記ファスナーチェーン(C) の移送路の上方位置に配されるカーリングダイ(22)であることを特徴とする請求項2記載のスライドファスナー止部形成装置。
【請求項4】
前記切断部(40)は、前記ドライバパンチ(21)の側部に配されるカッティングパンチ(41)と、同カッティングパンチ(41)を摺動案内するカッティングダイ(42)とを備えてなることを特徴とする請求項3記載のスライドファスナー止部形成装置。
【請求項5】
前記止部形成部材は、前記ファスナーチェーン(C) へ向けて進退可能に設けられ、同チェーン(C) の噛合エレメント列(ER)の端部に熱可塑性樹脂からなる溶着用止部(2) を成形する止部成形ダイ(61)からなり、
前記テープ押圧保持部材は、前記ファスナーチェーン(C) の移送路の上方位置に配され、前記止部成形ダイ(61)との間で前記止部(2) 及び前記噛合エレメント列(ER)の一部を加熱加圧して溶着する溶着装置(62)であることを特徴とする請求項2記載のスライドファスナー止部形成装置。
【請求項6】
前記溶着装置は加熱溶着装置又は超音波溶着装置であることを特徴とする請求項5記載のスライドファスナー止部形成装置。
【請求項7】
前記供給部(30)は、前記止部の原材(1,2) が挿通可能な挿通案内路(31)を有してなることを特徴とする請求項1記載のスライドファスナー止部形成装置。
【請求項8】
前記廃材排出路(50)は外部の吸引源に接続されてなることを特徴とする請求項1記載のスライドファスナー止部形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファスナーチェーンの噛合エレメント列の端部に止部を形成する装置に係り、特に、ファスナーチェーンの移送路上で、止部形成時における潤滑油や切断屑などの廃材を路外に自動的に排出することができるスライドファスナー止部形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来も、噛合務歯列間に務歯の取り付けられていないスペース部を間欠的に形成した連続スライドファスナーチェーン(以下、単にチェーンという。)の前記スペース部の端部に上下止具などの止部を止部形成装置により連続的に取り付けることが行われている。この止部を形成する装置の一例が、例えば本出願人が先に提案した特開2002−306212号公報に開示されている。
【0003】
同公報に開示された止部形成装置は、カッティングパンチ、ベンダー、ドライバパンチ、テープ押圧保持部材の止部形成部と支持台とから構成されている。止部を形成するにあたり、線材供給装置から供給される止具用線材を止部形成部のベンダー上に供給すると、テープ押圧保持部材がチェーンに向けて単独に下降して、噛合状態にあるエレメント列を有するチェーンを前記支持台の上面に押圧固定する。この押圧保持部材によるテープの押圧後、駆動装置にてカッティングパンチ及びドライバパンチが同時に下降を開始する。
【0004】
カッティングパンチが下降すると、同カッティングパンチの両側一対の各脚部の刃部が、ベンダー上にある前記線材を所定の長さに切断する。この切断と同時に、カッティングパンチの脚部が前記ベンダーのアンビル部を跨ぐようにして下方に向けて押圧し、前記切断された線材の両端部を、下端が開いた二つの脚部を有する略逆U字状に折り曲げる。こうして単一の逆U字状止具を形成したのちもカッティングパンチは下降を続ける。このカッティングパンチの下降時に、その脚部のカム面が前記ベンダーのカム面に摺接し、同ベンダーは前記アンビル部を伴ってチェーン下流側に向けて後退する。このとき、前記止具は、カッティングパンチの脚部の間に挟まれた状態で保持されて下降し、その脚部が前記テープ押圧保持部材の先端に形成された筒部の上面に当接すると、カッティングパンチの下降は停止する。
【0005】
一方、カッティングパンチと協働して下降するドライバパンチは、カッティングパンチの停止後も下降を続け、カッティングパンチの脚部間に挟まれた止具を押し下げながら前記筒部内に導入される。前記ドライバパンチの下降に伴って前記止具の二つの尖った脚部がファスナーテープ上に達し、前記支持台の上面において、止具の左右脚部は噛合状態にあるエレメント列を跨いで左右のファスナーテープに差し通されると同時に、前記ドライバパンチによる押圧により、互いに内方に向けて略横C字状に折り曲げられてファスナーテープに打ち込まれる。
【0006】
このように、この種の止部として、従来は例えば横C字状又は断面横H字状などの金属製止具が使用され、従来の止部形成装置は、上述のようにチェーン移送路の上方待機位置にある止部形成部の各構成部材により前記止具を前記スペース部の端部のファスナーテープに打ち込んで取り付けるのが一般的である。
【0007】
また、チェーンのエレメント列が合成樹脂製である場合は、合成樹脂製の止具用フィルムを使用し、このフィルムをチェーンのエレメント列に供給して超音波加工などにより加圧加熱して取り付ける。この種の止部形成装置の一例が、例えば本出願人により先に提案された特公昭59−51281号公報に開示されている。
【0008】
同公報に開示された上止具形成装置は、チェーン移送路の下方待機位置にあってチェーンへ向けて上下動可能に配された上止部形成部とチェーン移送路を挟んで上下に昇降可能に配された超音波ホーンとから構成されている。この上止部形成部は、熱可塑性樹脂からなる上止具用フィルムを所定の長さに切断した止片を前記超音波ホーンとの間で所定の形状に成形する上止具成形パンチ、前記超音波ホーンとの間で前記止片の溶着成形部分を左右に切断するとともに、ファスナーテープ部分を前後に切断するカッティングパンチ、それらの構成部材を独立して上昇させる駆動装置などを備えている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−306212号公報
【特許文献2】
特公昭59−51281号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、スライドファスナー仕上げ装置は、多種類の仕上げ加工部がチェーンの供給側から排出側へ向けて一連に設置されるものであり、各仕上げ加工部にわたって長尺のチェーンを水平に移送する間に止具の取付けなどの各種の仕上げ加工がなされる。チェーンに金属製止具を取り付ける場合には、上記特許文献1に開示された止部形成装置のようにチェーン移送路の上方待機位置にあるパンチによって、間欠的に移送されてくるチェーンのスペース部の端部のファスナーテープに金属製止具を打ち込んで取り付けるのが一般的である。従って、カッティングパンチ、ベンダー、ドライバパンチ、テープ押圧保持部材などの複数の構成部材がユニット化され、それらは駆動装置によって、単独に或いは協働してチェーン移送路の上方側からファスナーテープに向けて移動するように設けられる。
【0011】
このような複数の構成部材が集中して配された止部形成装置によって止部の形成を繰り返し行うと、各構成部材間の摺動部分に潤滑される潤滑剤、止部素材に塗布された油や止部素材の切断時に生じる切断屑などがファスナーテープに向けて流下したり、或いは潤滑剤や切断屑などの廃材が各構成部材の一部に付着して堆積する。その結果、各構成部材の作動を繰り返し行うと、前記廃材がファスナーテープに向けて落下してチェーンを汚したり、或いは前記構成部材が前記廃材を付着したままの状態でファスナーテープに向けて上昇すると、前記構成部材にてファスナーテープを押圧保持するときにチェーンを汚すため、製品品質を低下させ、商品価値を低下させるという問題などがあった。
【0012】
また、前記廃材が上述のように各構成部材の一部に堆積すると、各構成部材の作動不良や故障などの原因に繋がる。このため、チェーンの仕上げ加工における連続作業中において前記廃材が発生した場合は、上述のような機械の稼働、或いはチェーンの移送を一時停止し、人手により保守、点検や整備などを行わなければならなくなり、それが運転上に様々な弊害をもたらす。また、人手により前記廃材を除去する作業は、多大な時間、人力や手間などを必要とする。しかも、前記廃材の落下や堆積は、装置を高速化すればするほど発生しやすくなる。このため、製品品質を高めて多量生産するには限界があった。かかる実情に鑑みて、人手に依存することなく、生産性の向上を達成することが強く要望されている。
【0013】
一方、上記特許文献2に開示された上止部形成装置は、上記特許文献1のようにファスナーテープに金属製止具が取り付けられたチェーンを加工対象とするものではないため、チェーン移送路の下方待機位置にある止部形成部によって、間欠的に移送されてくるチェーンのエレメント列の一部に熱可塑性樹脂製の止具用フィルムを加圧加熱して取り付けるのが一般的である。
【0014】
しかし、上記特許文献2に開示された上止部形成装置にあっても、複数の構成部材がユニット化され、それらは単独に或いは協働して駆動するように設けられるため、前記超音波ホーンによる溶融時に発生したバリ、上止具成形パンチやカッティングパンチなどの構成部材間の摺動部分に潤滑される潤滑剤、前記フィルムの溶着成形部分及びファスナーテープ部分の切断時に生じる切断屑などの異物が各構成部材の一部に付着して堆積しやすい。これらの異物を残した状態で機械の稼働を続けると、溶着部内に残存する異物を巻き込んで溶着不良などを起こしやすい。従って、上記特許文献1に開示された止部形成装置と同様の様々な問題を有している。
【0015】
このように、上記特許文献1及び2に開示された技術は、チェーンの仕上げ加工における連続作業中において前記廃材が発生した場合は、上述のように機械の稼働、或いはチェーンの移送を一時停止し、人手による手作業と止具取付作業との間で作業が一時的に中断されることになり、連続的な作業を行うことができず、作業効率が悪化すると共に、装置を高速化すればするほどチェーンの仕上げ加工における連続化及び自動化を困難にしている。
【0016】
本発明は、上記従来の課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は、ファスナーチェーンの移送路上で、止部形成時における潤滑油、切断屑、溶融屑などの廃材を自動的に排除することができ、ファスナーチェーンの汚れを防止することができ、連続してファスナーチェーンの噛合エレメント列の端部に止部を形成することを可能にし、仕上げ加工費の低減化と製品の歩留りの向上が実現化されるスライドファスナー止部形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
本件請求項1に係る発明は、ファスナーチェーンの噛合エレメント列の端部に止部を形成する装置であって、前記ファスナーチェーンの移送路の下方待機位置にあって、同チェーンへ向けて進退可能に配された止部形成部と、同止部形成部の一側部に設けられ、前記止部の原材を前記止部形成部の進退路を横断して供給する供給部と、前記止部形成部の進退路の途中に配され、前記供給部から供給される前記原材を所定の長さに切断する切断部と、同切断部の切断位置に向けて開口し、前記止部形成部の進退路に溜まる廃材を路外に排出する廃材排出路とを備えてなることを特徴とするスライドファスナー止部形成装置にある。
【0018】
本発明装置は、前記止部形成部をファスナーチェーンの移送路の下方待機位置から同チェーンへ向けて進退させることにより、噛合したエレメント列の端部を一体に結合する止部を形成する。止部としては、従来の横C字状又は断面横H字状などの金属製止具や、噛合エレメント列の端部を直接に又は溶着テープ片を介して溶着させる溶着止部などが含まれる。従って、本発明における止部形成部にはパンチとダイが備えられたり、或いは加熱溶着装置、超音波溶着装置、高周波溶着装置などが設置される。
【0019】
いま、上記構成にあって、前記止部形成部においてファスナーチェーンに止部が取り付けられるとき、同止部形成部の構成部材間の摺動部分に潤滑される潤滑剤、止部素材に塗布された油や同止部素材の切断時に生じる切断屑や溶着屑などの廃材が、前記止部形成部の進退路の途中に配された切断部の切断位置に向けて開口した廃材排出路を介して路外へと自動的に排出される。
【0020】
本発明装置は、前記止部形成部がファスナーチェーンの移送路の下方待機位置に配されているため、前記止部の形成を繰り返し行っても、従来のごとく前記止部形成部の各構成部材間の摺動部分に潤滑される潤滑剤、止部素材に塗布された油や止部素材の切断時に生じる切断屑などがファスナーテープに向けて落下することはなくなり、ファスナーチェーンの汚れを防止して最終製品であるスライドファスナーの意匠性を十分に確保することができるようになる。
【0021】
また、前記止部形成部の進退路に溜まる廃材を路外に排出する廃材排出路を有しているため、前記止部素材に塗布された油や切断屑などの廃材が前記止部形成部の構成部材の一部に付着して堆積することがなくなり、従来のような機械の稼働、或いはチェーンの移送を一時停止することなく、ファスナーチェーンを連続して止部の形成作業を行うことができる。また、各種のチェーン仕上げ加工部を順次設け、例えばグリッパなどからなるファスナーチェーンの公知の移送手段を採用することにより、例えばスライドファスナー仕上げ装置の全自動化も可能となる。さらにまた、前記止部形成部の各構成部材の一部に前記廃材を付着した状態でチェーンへ向けて上昇させても、各構成部材の上昇に伴い前記廃材を前記廃材排出路を介して路外に自動的に排出することができるため、チェーンの表面に前記廃材が付着することはなくなり、チェーンの汚れを防止することができる。
【0022】
上記構成を備えることにより、止部の形成作業を連続して行うことができるようになり、例えば連続するスライドファスナーチェーンを各種の仕上げ加工部に移送する間に前記廃材が自動的に排出され、面倒な清掃作業を要することなく、ファスナーチェーンの仕上げ作業が連続してなされる。このため、作業効率が大幅に向上し、生産性を増大させ、製造費を低減させることができ、しかも作業者の負担をも軽減させることができる。また、作業費や設備費などのコストを大幅に低減することができる。
【0023】
請求項2に係る発明は、前記止部形成部が、前記ファスナーチェーンへ向けて進退可能に設けられ、同チェーンの噛合エレメント列の端部に止部を形成する止部形成部材と、前記ファスナーチェーンの移送路の上方にあって前記止部形成部材に対向して設けられ、同止部形成部材との間で噛合エレメント列を跨いで左右のファスナーテープを押圧して保持するテープ押圧保持部材とを有していることを特徴としている。
【0024】
前記止部形成部においてファスナーチェーンに止部を形成するには、同止部形成部材の一つである止部形成部材の真上には、テープ押圧保持部材が配される。前記ファスナーチェーンがチェーン移送路から前記止部形成部の真上へ移送されたとき、前記止部形成部材が、前記テープ押圧保持部材との間を前記ファスナーチェーンに向けて上昇し、前記エレメント列を跨いで、左右のファスナーテープを前記テープ押圧保持部材に押圧保持し、止部の形成がなされる。
【0025】
このように、前記止部形成部の進退路が直線的に連続して形成されるため、前記止部形成部の進退路の途中に上記切断部の切断位置に向けて開口した前記廃材排出路を簡単に設けることができるようになり、前記止部形成部の進退路に溜まっている廃材を路外に円滑に且つ確実に排出することができる。
【0026】
請求項3に係る発明は、上記請求項2に係る発明であって、前記止部形成部材が、前記切断部にて原材である金属線材を所定の長さに切断された止片をファスナーチェーンに向けて押出し、同片を前記ファスナーテープに打ち込むドライバパンチからなり、前記テープ押圧保持部材は、前記ファスナーチェーンの移送路の上方位置に配されるカーリングダイであることを特徴としている。
【0027】
いま、かかる構成にあって、前記止部が、例えば横C字状の金属製止具である場合に、止部形成部材の一つであるドライバパンチの真上には、カーリングダイが配されている。このカーリングダイの下面に向けて前記ドライバパンチを上昇させ、同ドライバパンチの上昇に伴い上記切断部にて原材である金属線材を所定の長さに切断するとともに、上端が開いた二つの脚部を有する略U字状に折り曲げた止片をドライバパンチと一緒に上昇させる。このドライバパンチの上昇により、前記折り曲げられた止片を更に押し上げ、前記カーリングダイとの間で、前記ファスナーチェーンの噛合エレメント列の端部を跨いでファスナーテープに押付け、その脚部をファスナーテープに挿通させるとともに、略横C字状に折り曲げてファスナーテープに打ち込む。
【0028】
このように、前記ドライバパンチは止片と一緒に前記止部形成部の進退路内を上昇するため、従来のごとく前記ドライバパンチの摺動部分に潤滑される潤滑剤が前記ファスナーテープに向けて落下することを防止することができるようになる。また、前記ドライバパンチは止片と一緒に前記止部形成部の進退路内を上昇するため、前記ファスナーテープに前記止具を安全に且つ確実に打ち込むことができるようになる。
【0029】
請求項4に係る発明は、上記請求項3に係る発明であって、前記切断部が、前記止部形成部材の側部に配されるカッティングパンチと、同カッティングパンチを摺動案内するカッティングダイとを備えていることを特徴としている。
いま、かかる構成にあって、止部形成部材の一つであるカッティングパンチの真上には、ベンダーが配されており、このベンダーの下面に前記止具の原材である線材を供給したのち、この止具用の線材に向けて前記カッティングパンチを上昇させ、同カッティングパンチの上昇に伴い前記線材を所定の長さの止片分だけ切断する。このとき、上記ドライバパンチもカッティングパンチと共に上昇する。線材を切断したのち、前記カッティングパンチ及びドライバパンチを更に上昇させ、カッティングパンチが前記ベンダーとの間で前記止片を上端が開いた二つの脚部を有する略U字状に折り曲げると、ベンダーが待機位置へと後退する。
【0030】
このとき、上述のようにカッティングパンチを摺動案内するカッティングダイには上記切断部の切断位置に向けて開口した廃材排出路が配されているため、前記カッティングパンチの上昇時に、同パンチの進退路に溜まっている廃材が前記廃材排出路を介して路外へと排出される。前記ベンダーが前記カッティングパンチの上昇路外に後退したのち、前記カッティングパンチとドライバパンチは引き続き上昇を継続する。
【0031】
前記ドライバパンチが前記カーリングダイに到達する以前に、前記カッティングパンチは、前記カーリングダイとの間を前記ファスナーチェーンに向けて上昇し、ファスナーチェーンの左右のファスナーテープを前記カーリングダイに押圧保持して位置決め固定する。ファスナーチェーンの左右ファスナーテープを押圧保持したのち、前記カッティングパンチが前記カーリングダイの下面に当接して上昇が停止される。一方、ドライバパンチは上昇を続け、上述のように止片をファスナーテープに打ち込む。
【0032】
このように、止部素材に塗布された油や止部素材の切断時に生じる切断屑などの前記カッティングパンチの進退路に溜まる廃材は、前記カッティングパンチの上昇に伴い、前記カッティングパンチの進退路の途中に配された廃材排出路を介して路外に確実に排出することができるようになる。従って、前記カッティングパンチの上昇とともに、常に前記廃材を自動的に排出できるようになり、上記請求項3に係る発明の作用効果に加えて経済的な効果が顕著に得られる。
【0033】
請求項5に係る発明は、上記請求項2に係る発明であって、前記止部形成部材は、前記ファスナーチェーンへ向けて進退可能に設けられ、同チェーンの噛合エレメント列の端部に熱可塑性樹脂からなる溶着用止部を成形する止部成形ダイからなり、前記テープ押圧保持部材は、前記ファスナーチェーンの移送路の上方位置に配され、前記止部成形ダイとの間で前記止部及び前記噛合エレメント列の一部を加圧加熱して溶着する溶着装置であることを特徴としている。
【0034】
前記止部形成部においてファスナーチェーンに止部を形成する他の1つには、前記止部が、例えば噛合エレメント列の端部を直接に又は熱可塑性樹脂からなる溶着テープ片を介して溶着させる溶着止部である場合に、止部成形部材の真上に溶着装置が配される。合成樹脂製の止具用フィルムテープを使用し、この止具用フィルムテープをファスナーチェーンの合成樹脂製エレメント列の端部に供給してヒーター加熱、或いは超音波加工や高周波加工等により加圧加熱して溶着固定する。この溶着装置として、請求項6の発明のように、加熱溶着装置又は超音波溶着装置を使用することが、溶着部が美麗に仕上がるため好ましい。
【0035】
いま、上記構成にあって、止部形成部材の一つである止部成形ダイは、例えば成形パンチホルダーに対して相対的に上下動可能に嵌挿支持されている。ファスナーチェーンの止片溶着成形部分が前記溶着装置の直下のファスナーチェーン移送路へ移送されたとき、前記成形パンチホルダーがファスナーチェーンのファスナーテープ部下面を支持する位置まで上昇すると同時に、前記止具の原材であるフィルムテープの先端部が前記止部成形ダイの上方部位と溶着装置の下方位置とを横切るようにして前記成形パンチホルダーの切断位置に供給される。フィルムテープの供給後、前記溶着装置をフィルムテープに向けて単独に下降させる。
【0036】
この溶着装置が所定の下降限位置に到達すると、前記止部成形ダイが前記成形パンチホルダーの間をファスナーチェーンに向けて単独に上昇し、前記切断位置に供給されているフィルムテープの先端部を、前記止部成形ダイと前記成形パンチホルダーとの間で所定の長さの止片に切断する。このとき、前記止部成形ダイの進退路の途中には、前記切断位置に向けて開口した廃材排出路が配されているため、前記止部成形ダイの上昇に伴い、同止部成形ダイの進退路に溜まっている切断屑等の廃材が、前記廃材排出路を介して路外へと円滑に排出される。
【0037】
前記止部成形ダイの上昇に伴い、前記止片が前記溶着装置と前記止部成形ダイとの間を介してファスナーチェーンのエレメント列に押し付けられ、同時に前記溶着装置が止片の溶着を開始する。前記止片は前記エレメント列及び左右ファスナーテープ上に溶着固定されると同時に、前記エレメント列及び止片は溶融圧着され、溶着止部が形成される。
【0038】
本装置にあっても、前記止部成形ダイの進退路の途中に溶着成形位置に向けて開口した廃材排出路を簡単に設けることができるようになり、例えば前記超音波加工装置による溶融時に発生したバリ、各構成部材間の摺動部分を潤滑する潤滑剤、溶着止部の切断時に生じる切断屑などの廃材を路外に円滑に且つ確実に排出することができる。
【0039】
請求項7に係る発明は、前記供給部が、前記止部の原材が挿通可能な挿通案内路を有していることを特徴としている。
前記供給部は上記止部形成部の非作動時に止部形成部材の上方位置にある。上記止部が、例えば横C字状の金属製止具である場合に、前記止部の原材である線材が前記供給部の挿通案内路内を挿通案内されながら、前記止部形成部の進退路の途中に配される切断部の切断位置にセットされる。前記線材を前記供給部の挿通案内路内に挿通するため、移送中に前記線材の姿勢が変化することなく、同線材を正しい姿勢で前記切断部の切断位置に供給でき、前記線材が切断時に位置ずれすることなく、安定した状態で止部の切断が行われる。また、上記止部が、例えば噛合エレメント列の端部を直接に又は溶着テープ片を介して溶着させる溶着止部である場合も同様に、同溶着止部を溶着成形位置に安定して供給することができる。
【0040】
請求項8に係る発明は、前記廃材排出路が外部の吸引源に接続されていることを特徴としている。
上記止部が、例えば横C字状の金属製止具である場合に、前記廃材排出路は、上記止部形成部の非作動時に上記切断部の切断位置の上方位置にある。この止部形成部の進退路に溜まる廃材は、上述のように切断部の切断位置に向けて開口した廃材排出路を介して、外部の吸引源の吸引力により路外へと向けて迅速に且つ確実に排出することができるようになる。また、上記止部が、例えば噛合エレメント列の端部を直接又は溶着テープ片を介して溶着させる溶着止部である場合も同様に、上記廃材を路外へと向けて迅速に且つ確実に排出することができる。簡単な構造の排出構造であるため、装置のコンパクト化や小型化につながる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。 本発明に適用される図示せぬスライドファスナー仕上げ加工装置は、長尺の連続ファスナーチェーン(以下、単にチェーンという。)の長手方向に向けて配された移送路に沿って、図示せぬチェーン位置決め部、カッター部、スライダー挿通部、本発明の特徴部である止具形成部、チェーン排出部などの各種の仕上げ加工部が順次直列に並設されるのが一般的である。これらの仕上げ加工部の作動部材は全て制御装置に予め設定された操作手順によって制御される。
【0042】
前記チェーンは、その長手方向の先端部を左右一対のグリッパにより水平に把持され、チェーン移送路上に沿って順次直列に並設された上記各仕上げ加工部に供給される。各仕上げ加工部に移送されてくるチェーンは、所定の長さの噛合エレメント列の間にエレメントを有しない所定の長さの図示せぬスペース部を間欠的に有している。
【0043】
ここで、上記止具形成部を除いて、チェーン位置決め部、カッター部、スライダー挿通部、チェーン排出部などは本発明により特に限定されるものではなく、あらゆる種類の装置が適用可能であり、従って既に実用化されている公知のチェーン位置決め部、カッター部、スライダー挿通部、チェーン排出部なども当然に採用されるものであるため、ここでは、これらの仕上げ加工部に関する説明は省略する。
【0044】
図1は本発明の代表的な第1の実施形態であるスライドファスナー止部形成装置の要部を概略的に示す斜視図、図2は止具取付後のファスナーチェーンの形態を示す図、図3は同装置の動作を示す説明図、図4は図3の次の動作を示す説明図、図5は図4の次の動作を示す説明図、図6は同装置に適用された廃材排出部を介して廃材を排出する直前の状態を模式的に示す拡大断面図である。
【0045】
図1、図3及び図4において、符号10は第1の実施形態であるスライドファスナー止部形成装置を概略的に示している。このスライドファスナー止部形成装置10は、図示せぬ支持フレームに、チェーン移送路の下方待機位置からチェーンCへ向けて進退可能に設けられた止部形成部20、同止部形成部20の一側部に設けられた止部の供給部30、前記止部形成部20の進退路の途中に設けられた切断部40などの構成部材を支持している。更に、本発明装置10は、前記止部形成部20の進退路に溜まる廃材を路外へと自動的に排出する本発明の主要な特徴部である廃材排出路50を前記切断部40の切断位置に向けて開口して配設している。
【0046】
前記止部が、例えば横C字状の金属製止具である場合に、図2に示すように、止部の原材である金属線材1を所定の長さに切断するとともに、上端が開いた二つの脚部を有する略U字状に折り曲げた止片1aをチェーンCに向けて押し上げ、その止片1aをチェーンCの噛合エレメント列ERの端部を跨いで左右のファスナーテープT,Tに押付け、その止片1aの脚部を各ファスナーテープTに挿通させるとともに、略横C字状に折り曲げて各ファスナーテープTに打ち込む。
【0047】
本発明は、止部形成部20がチェーン移送路の下方待機位置からチェーンCの下面へ向けて進退可能に配されること、前記止部形成部20の進退路に溜まる廃材を路外に排出する廃材排出路50を備えることを主要な特徴としている。前記止部形成部20は、図1及び図4に示すように、チェーンCの噛合エレメント列ERの端部に止部を形成する止部形成部材であるドライバパンチ21と同ドライバパンチ21に対向して設けられたテープ押圧保持部材であるカーリングダイ22とにより構成されている。前記ドライバパンチ21は、上記切断部40において止部の原材である金属線材1を所定の長さに切断した止片1aをチェーンCに向けて押出し、その止片を略横C字状に折り曲げてチェーンCの左右のファスナーテープT,Tに打ち込むように、常法に従って図示せぬ流体圧シリンダ等の作動手段により所定のタイミングで且つ所定のストロークをもってチェーンCに向けて独立して上下動するようになっている。このスペース部の上流側端部には、例えば下止具が既に取り付けられている。
【0048】
一方の前記カーリングダイ22の下面にはチェーンCの噛合エレメント列ERを横断させる凹溝部22aが形成されている。この凹溝部22a内に前記噛合エレメント列ERの一部を収容し、同エレメント列ERと干渉することなく、前記凹溝部22aの周辺において、前記ドライバパンチ21との間で前記ファスナーテープTを押圧固定するようになっている。前記カーリングダイ22は、チェーン移送路の上方位置にあって、前記ドライバパンチ21及び後述するカッティングパンチ41の上昇を規制すると共に、ファスナーテープTにU字状の金属製の止具1aを安全に且つ正確に打ち込むことができるようにしている。
【0049】
前記止部形成部20の側部に設けられた止部供給部30は、図示せぬ線材供給装置と、前記カッティングパンチ41及びドライバパンチ21の進退路を横断して供給される止具1aの原材である金属線材1を挿通可能に案内する挿通案内路31とを有している。この挿通案内路31は、図3に示すように、金属線材1の導入側に配されたカッティングダイ42の内部であって前記カッティングパンチ41及びドライバパンチ21の進退路に直交して延設され、上記切断部40の切断位置に向けて開口して配されている。かかる構成を備えることにより、移送中に前記金属線材1の姿勢が変化することなく、同金属線材1を正しい姿勢で上記切断部40の切断位置に供給できるようにしている。前記金属線材1の切断時に位置ずれすることなく、安定した状態で前記金属線材1の切断がなされる。
【0050】
前記切断部40は、前記ドライバパンチ21の側部に配されるカッティングパンチ41と、同カッティングパンチ41を摺動案内するカッティングダイ42とから構成される。この切断部40は、前記止部供給部30を介して供給される金属線材1を所定の長さの止片に切断するカッティングパンチ41と、前記金属線材1を略U字状に折り曲げるベンダー43とを有している。このカッティングパンチ41は、カッティングダイ42に案内支持されると共に、所要の高さの下方待機位置とカッティングダイ42との間を、常法に従って図示せぬ流体圧シリンダ等の作動手段により所定のタイミングで且つ所定のストロークをもって前記止部形成部20に移送されるチェーンCに向けて独立して上下動するようになっている。
【0051】
前記カッティングパンチ41は、前記ドライバパンチ21を挟むようにして、前記カッティングダイ42の上端部に垂直方向に貫通する貫通孔42aに昇降可能に支持されている。この貫通孔42aの前記カッティングパンチ41の摺動側の内壁面は、前記金属線材1の切断部分をジグザグに切断する2本の略三角柱をなす第1の刃部42b,42bを上下方向に所定の間隔をおいて配している。この刃部42bの上下方向の中間部には、前記止部供給部30の挿通案内路31と連通して開口42cが形成されている。この刃部42bの設置部分は前記切断部40の切断位置に対応している。
【0052】
前記カッティングパンチ41は、チェーン移送路を横断する方向に所定の間隔をおいて一対の第1及び第2脚部41a,41bを有している。前記カッティングパンチ41の金属線材1の導入側に配された第1脚部41aの上端部は、前記カッティングダイ42の刃部42bに噛合する所定の間隔をもって略同一外郭形状をなす2本の略三角柱の第2の刃部41c,41cを有している。
【0053】
各脚部41a,41bの対向する内壁面はチェーン移送方向に空間を形成している。この空間は、前記ドライバパンチ21を摺動させる摺動路41dを形成する。前記ドライバパンチ21は、前記摺動路41d内を前記カッティングパンチ41に対して相対的に昇降するようになっている。前記カッティングパンチ41は、前記ドライバパンチ21と一緒に昇降するが、止具取付時には、ドライバパンチ21が上昇位置に到達する以前に上昇位置に達し、カーリングダイ22との間でファスナーテープTを押圧挟持する。
【0054】
前記ベンダー43は、図1に示すように略逆L字状に屈曲した直立部43a及び水平部43bにより構成されている。このベンダー43の垂直部43aは、前記カッティングダイ42の貫通孔42aを横切る方向に進退可能に支持されている。前記ベンダー43の水平部43bは、前記カッティングパンチ41の脚部間に延出しており、この水平部43bの先端部は、略四角柱状のアンビル部としてチェーン移送路に対向して水平に突設させている。同水平部43bは、前記カッティングパンチ41と共に前記金属線材1を上方が開いた略U字状に形成するための受台を構成する。同水平部43bの先端部は、前記カッティングパンチ41の上方にあって前記ドライバパンチ21の行路内に突出する位置と行路外に退避する位置との間をカッティングパンチ41の昇降に合わせてチェーン移送路に沿って往復動する。
【0055】
本発明は、前記ベンダー43の作動手段にあっても、特に限定されるものではなく、例えば本出願人が先に提案した特開2002−306212号公報に開示された技術を採用することができ、或いは流体圧シリンダやモーターなどの作動手段を使って所要の高さの待機位置から前記カッティングパンチ41及びドライバパンチ21の上方位置に向けて独立して進退可能に配することができることは勿論である。
【0056】
前記カッティングダイ42の刃部42b側の上部は、階段状をなす段部形状をなしており、この段部を介して前記金属線材1の搬送方向に広い空間を形成している。この空間には、前記カッティングダイ42の貫通孔42aに面する吸引口50aが設けられている。 同吸引口50aは、前記刃部42bの上端面と同一平面上に沿って形成されており、前記カッティングパンチ41の進退路を横断する方向に延びる廃材排出路50と連通している。同廃材排出路50は、図3に示すように、前記カッティングダイ42の一側部に装着された図示せぬ吸引装置の吸引ノズル51と接続している。前記カッティングパンチ41が上昇すると、その刃部41cと前記刃部42bとによって金属線材1を切断し、そのカッティングパンチ41が前記貫通孔42aの上端縁を越えるとき、各刃部41c,42bに付着した切断屑が廃材排出路50へと吸引される。
【0057】
前記カッティングパンチ41及びドライバパンチ21の進退路は、前記カッティングダイ42の貫通孔42aに沿って同一方向に直線的に連続して形成されている。このため、この進退路の途中に前記廃材排出路50を簡単に設けることができるようにしており、前記止部形成部20や切断部40の進退路に溜まる廃材を路外に円滑に且つ確実に排出することができる。前記廃材排出路50を前記カッティングダイ42の一部に形成することにより簡単な構造の吸引構造が得られ、同時に本発明装置のコンパクト化や小型化につながり、前記止部形成部20の進退路に溜まる廃材を路外に円滑に且つ確実に排出することができる。勿論、本発明は図示例に限定されるものではなく、例えば廃材排出路50を有する廃材排出部材を前記カッティングダイ42と別体に形成することにより、この廃材排出部材を前記カッティングダイ42の外部に組み付けてユニット化することができる。
【0058】
次に、上記のごとく構成された第1の実施形態における止部形成部20の動作を図3〜図6に基づいて説明する。
チェーンCが上記スライダー挿通部を通り、チェーンCの止部形成部分が上記止部形成部20に到達する以前に、上記線材供給装置から供給される金属線材1を、図3に示すように、上記カッティングパンチ41及びベンダー43の水平部43bの下面を横切るようにして送り込んでいる。ここで、図示せぬ検出装置により前記カーリングダイ22の下面に形成された凹溝部22a内にチェーンCの止部形成部分が収容されたことが確認されると、前記ドライバパンチ21の上昇に先立って、図示せぬ駆動装置にて前記カッティングパンチ41が前記ベンダー43の水平部43bの下面との間をチェーンCに向けて上昇する。
【0059】
前記カッティングパンチ41が上昇すると、同カッティングパンチ41の脚部41aの刃部41cと前記カッティングダイ42の刃部42bとがベンダー43の下面にある金属線材1を所定の長さに切断する。この切断と同時に、前記脚部41a,41bがベンダー43の水平部43bを跨ぐようにして上方に向けて押圧し、前記切断された線材の両端部を、図3に示すごとく、上端が開いた二つの脚部を有する略U字状に折り曲げる。こうして単一のU字状止具1aを形成したのちも、前記カッティングパンチ41は上昇を続ける。このカッティングパンチ41の上昇時に、前記ベンダー43は図示せぬ作動手段を介してチェーン移送方向下流側に向けて後退する。ここで、前記ドライバパンチ21は、図示せぬカム機構、或いは流体圧シリンダ等の手段により、カッティングパンチ41の上昇に連動して上昇を開始しており、前記止具1aの下面に向けて接近するものの、当接する位置にまでは達していない。
【0060】
このとき、前記止具1aは、前記カッティングパンチ41の脚部41a,41bの間に挟まれた状態で保持されて上昇し、カッティングパンチ41の脚部41a,41bが前記カーリングダイ22の凹溝部22aの周辺にてファスナーテープTと当接すると、前記カッティングパンチ41の上昇は停止する。一方、同カッティングパンチ41とともに上昇するドライバパンチ21は、カッティングパンチ41の停止後も上昇を続け、止具1aの下面に当接した後にカッティングパンチ41の脚部41a,41b間に挟まれた止具1aを押し上げ、止具1aの端部をファスナーテープTに打ち込んで前記カーリングダイ22の凹溝部22aに導入する。
【0061】
ここで、上述のようにカッティングパンチ41を摺動案内するカッティングダイ42には上記切断部40の切断位置に向けて開口した廃材排出路50が配されているため、カッティングパンチ41の上面が廃材排出路50の排出路下面を越えるとき、同カッティングパンチ41の進退路に溜まっている廃材が、図6に示すように前記カッティングダイ42の貫通孔42aに面する吸引口50aから前記廃材排出路50を介して路外へと迅速に且つ確実に排出される。
【0062】
前記ベンダー43がカッティングパンチ41の上昇路外に移動したのち、同カッティングパンチ41と協働してドライバパンチ21は上昇を継続する。前記ドライバパンチ21の上昇に伴って前記止具1aの二つの尖った脚部がファスナーテープT上に達し、前記カーリングダイ22の凹溝部22aにおいて、止具1aの左右脚部は、図5及び図6に示すように、に示すように、噛合エレメント列ERを跨いで左右ファスナーテープTに差し通されると同時に、前記ドライバパンチ21による押圧によって前記凹溝部22a内で互いに内方に向けて略横C字状に折り曲げられてファスナーテープTに打ち込まれる。金属製の止具1aの取付けが完了すると、前記カッティングパンチ41及びドライバパンチ21はチェーン移送路の下方待機位置への戻り動作の開始と同時に、前記ベンダー43もチェーン移送路の下方待機位置へと戻り、全ての作動が停止する。
【0063】
このように、前記ドライバパンチ21は、前記カッティングパンチ41の脚部41a,41b間に挟まれた止具1aと一緒に前記摺動路41d内を垂直方向に上昇するため、従来のごとくドライバパンチの摺動部分に潤滑される潤滑剤がファスナーテープTに向けて落下することを防止することができるとともに、ファスナーテープTに前記止具1aを安全に且つ確実に打ち込むことができる。
【0064】
上記第1実施形態にあっては、前記止部として金属製止具1aを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばチェーンCのエレメント列ERが合成樹脂製であるならば、金属製止具1aに代えて合成樹脂製の止片2aを使用し、この止片2aをチェーンCのエレメント列ERに供給してヒーター加熱、或いは超音波加工や高周波加工等により加圧加熱して溶着固定することもできる。ここで、本発明による止部とは、従来の横C字状又は断面横H字状などの金属製止具や、エレメント噛合端部を直接に又は溶着テープ片を介して溶着させる熱可塑性合成樹脂からなる溶着止部などが含まれる。従って、本発明における止部の形成とは、前記金属製止具の取付け、或いは熱可塑性樹脂製の溶着止部などの形成を含んでいる。
【0065】
図7は本発明の止部形成装置10の第2の実施形態を概略的に示している。なお、同図において上記第1実施形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。第2の実施形態である止部形成部20の止部形成部材は、チェーン移送路の下方位置に配され、チェーンCの噛合エレメント列ERの端部に熱可塑性樹脂からなる溶着用止部を成形する止部成形ダイ61により構成され、止部形成部20のテープ押圧保持部材としては、チェーン移送路の上方位置に配され、前記止部成形ダイ61との間で熱可塑性樹脂からなる止片2a及び噛合エレメント列ERの一部を加圧加熱して溶着固定する超音波ホーン62により構成されている。
【0066】
図示例による止部形成部20には、図示せぬ支持フレーム上に成形パンチホルダー63がチェーンCに向けて上下動可能に配されており、この成形パンチホルダー63内に前記止部成形ダイ(止部成形パンチ)61が相対的に上下動可能に嵌挿されている。この止部成形ダイ61の上部には、熱可塑性樹脂製の止片2aを所定の形状に成形する型部61aが設けられている。これらの成形パンチホルダー63及び止部成形ダイ61は、常法に従って図示せぬ流体圧シリンダ等の作動手段により所定のタイミングで且つ所定のストロークをもって独立して昇降する。前記成形パンチホルダー63は、前記止部成形ダイ61と一緒に昇降するが、止片取付時に止部成形ダイ61の上昇位置に到達する以前に単独に上昇する。前記成形パンチホルダー63の上方には、図示せぬテープ押えやチェーンガイドなどが配されており、テープ押えの前方には一定の範囲で前後に往復動し、前進時にチェーンCの左右ファスナーテープTをグリップして移送する左右両側一対の図示せぬグリッパが配されている。
【0067】
前記成形パンチホルダー63の側部には止部供給部30が設けられている。この止部供給部30には、止片2aの原材である熱可塑性の合成樹脂フィルム2を前記止部成形ダイ61の型部61a上に送るための図示せぬフィルム送り装置が設けられている。同送り装置は、前記成形パンチホルダー63に支持固着されたフィルムガイド64を備えている。従って、同フィルムガイド64は、止片取付時に前記成形パンチホルダー63と共に昇降する。このフィルムガイド64は、前記止部成形ダイ61の進退路を横断して供給される合成樹脂フィルム2を挿通可能に案内する挿通案内路64aを有している。同挿通案内路64aは、合成樹脂フィルム2の導入側に配された成形パンチホルダー63の内部であって前記止部成形ダイ61の進退路に直交して延設されている。
【0068】
前記成形パンチホルダー63の上部は、前記供給部30を介して供給される合成樹脂フィルム2を所定の長さの止片2aに切断する切断部40を有している。この切断部40は、前記止部成形ダイ61の進退路を横断する方向に合成樹脂フィルム2を導入する導入孔63aを有している。この導入孔63aの一部は、前記フィルムガイド64の挿通案内路64aに直線的に連通して形成されており、同挿通案内路64aを介して送られてくる合成樹脂フィルム2の先端部を前記止部成形ダイ61の進退路内に導入することにより、前記止部成形ダイ61との間で所定の長さの止片2aに切断する。従って、合成樹脂フィルム2を正しい姿勢で上記切断部40の切断位置に供給でき、安定した状態で合成樹脂フィルム2の切断がなされる。
【0069】
合成樹脂フィルム2の導入側と反対側に配された成形パンチホルダー63には、前記フィルムガイド64の挿通案内路64aよりも上方に吸引口が形成されている。 同吸引口は、前記切断部40の切断位置に向けて開口して配されており、前記止部成形ダイ61の進退路を横断する方向に延びる廃材排出路50と連通している。同廃材排出路50は図示せぬ吸引装置の吸引ノズルと接続している。このように、前記止部成形ダイ61の進退路の途中に前記切断位置に向けて開口した廃材排出路50を設けることにより、例えば超音波加工による溶融時に発生したバリ、前記成形パンチホルダー63と止部成形ダイ61との間の摺動部分に潤滑される潤滑剤、合成樹脂フィルム2の切断時に生じる切断屑などの廃材を路外に容易に且つ確実に排出するようにしている。
【0070】
次に、上記溶着止部形成装置の止部形成部20の動作を説明する。
前記グリッパにてグリップされたチェーンCの溶着止部成形部分が、常法に従い前記止部形成部20の上方待機位置に移送されてくると、グリッパの送りは停止し、チェーンCの溶着止部成形部分を位置決め固定する。ここで、図示せぬ検出装置にてグリッパの停止が確認されると、前記成形パンチホルダー63が、前記フィルムガイド64と一緒にチェーンCの下面に向けて単独に上昇して、チェーンCを図示せぬ係止手段により前記成形パンチホルダー63の上面に位置決め固定する。
【0071】
この成形パンチホルダー63がチェーンCのファスナーテープTの下面部分を支持する位置まで上昇すると同時に、前記フィルム送り装置が作動して、前記フィルムガイド64を介して合成樹脂フィルム2の先端部を前記止部成形ダイ61の上方位置及び超音波ホーン62の下方位置の間を横切るようにして前記切断部40の導入孔40aに送り込む。前記係止手段によるチェーンCの係止後、前記超音波ホーン62がチェーンCに向けて単独に下降する。
【0072】
この超音波ホーン62が所定の下降限位置に到達すると、検出装置からの検知信号により作動手段が作動して前記止部成形ダイ61がチェーンCに向けて単独に上昇し、前記切断部40の導入孔40aに導入されている合成樹脂フィルム2の先端部が、前記成形パンチホルダー63との間で所定の長さの止片2aに切断される。このとき、前記止部成形ダイ61の進退路の途中には、上述のように切断部40の導入孔40aに向けて開口した廃材排出路50が配されているため、前記止部成形ダイ61の上昇に伴い、同止部成形ダイ61の進退路に溜まっている切断屑等の廃材が、前記吸引口50aから廃材排出路50を介して路外へと円滑に排出される。
【0073】
前記止部成形ダイ61の上昇により前記止片2aが前記止部成形ダイ61の型部61aを介してチェーンCのエレメント列ERに押し付けられ、同時に前記超音波ホーン62が発振を開始する。前記止片2aは前記エレメント列ER及び左右ファスナーテープT,T上に溶着固定されると同時に、前記エレメント列ER及び止片2aは溶融圧着され、前記型部61の形状に対応した形状の溶着止部が綺麗に形成される。
【0074】
前記溶着止部の成形が終わると、前記超音波ホーン62の発振が停止し、前記止部成形ダイ61及び成形パンチホルダー63がチェーン移送路の下方待機位置への戻り動作の開始と同時に、前記超音波ホーン62もチェーン移送路の上方待機位置へと戻り、全ての作動が停止する。なお、本発明の主要な特徴部である廃材排出路50は、上記各実施形態に特に限定されるものではなく、例えば本出願人が先に提案した特公昭59−51281号公報に開示された技術のようにあらゆる種類の装置に適用可能である。
【0075】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態による止部形成部20はチェーン移送路の下方待機位置に配されているため、前記止部の形成を繰り返し行っても、従来のごとく止部形成部20の各構成部材間の摺動部分に潤滑される潤滑剤、金属線材1に塗布された油、金属線材1の切断時に生じる切断屑や溶着屑などがファスナーテープTに向けて落下することはなくなり、チェーンCの汚れを防止することができる。
【0076】
また、前記止部形成部20をチェーン移送路の下方待機位置に配する構成に加えて、前記廃材排出路50を有しているため、前記金属線材1に塗布された油、溶着屑や切断屑などの廃材が各構成部材の一部に付着して堆積することがなくなる。また、前記止部形成部の各構成部材の一部に前記廃材を付着した状態でチェーンへ向けて上昇させても、各構成部材の上昇に伴い前記廃材を前記廃材排出路を介して路外に自動的に排出することができる。このため、チェーンの表面に前記廃材が付着することはなくなり、チェーンの汚れを防止することができる。
【0077】
こうして、機械の稼働、或いはチェーンCの移送を一時停止することなく、連続して止部の形成作業ができるようになり、上記各種仕上げ加工部を順次設け、グリッパなどからなるチェーンの公知の移送手段を採用することにより、上記各種仕上げ加工の全自動化が容易に達成できる。また、チェーンCを各種の仕上げ加工部に移送する間に廃材が自動的に排出され、面倒な清掃作業を要することなく、チェーンCの仕上げ作業が連続してなされるため、作業効率が大幅に向上し、生産性を増大させ、製造費を低減させることができ、しかも作業者の負担をも軽減させることができる。また、作業費や設備費などのコストを大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態であるスライドファスナー仕上げ装置に適用される止部形成部の要部を拡大して示す斜視図である。
【図2】止具取付後のファスナーチェーンの形態を示す図である。
【図3】同止部形成部の動作を示す説明図である。
【図4】図3の次の動作を示す説明図である。
【図5】図4の次の動作を示す説明図である。
【図6】上記装置に適用される廃材排出部を介して廃材を排出する直前の状態を模式的に示す拡大断面図である。
【図7】上記止部形成部の他の例を拡大して示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 金属線材
1a 止具
2 合成樹脂フィルム
2a 止片
3 グリッパ
10 止部形成装置
20 止部形成部
21 ドライバパンチ
22 カーリングダイ
22a 凹溝部
30 供給部
31 挿通案内路
40 切断部
41 カッティングパンチ
41a 第1脚部
41b 第2脚部
41c 第1刃部
41d 摺動路
42 カッティングダイ
42a 貫通孔
42b 第2刃部
42c 開口
43 ベンダー
43a 直立部
43b 水平部
50 廃材排出路
50a 吸引口
51 吸引ノズル
61 止部成形ダイ
61a 型部
62 超音波ホーン
63 成形パンチホルダー
63a 導入孔
64 フィルムガイド
64a 挿通案内路
C ファスナーチェーン
ER 噛合エレメント列
T ファスナーテープ




 

 


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