Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
スライドファスナー - YKK株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 衣類 -> YKK株式会社

発明の名称 スライドファスナー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2004−254835(P2004−254835A)
公開日 平成16年9月16日(2004.9.16)
出願番号 特願2003−47658(P2003−47658)
出願日 平成15年2月25日(2003.2.25)
代理人
発明者 近藤 直希 / 吉田 米雄 / 外石 義行 / 前田 英二
要約 課題
スライドファスナーの上止部、特に合成樹脂モノフィラメントを素材として、これをU字形に屈曲させてファスナーテープの側縁に加熱押圧して溶着と同時に成形する上止部の脆化を防ぐと同時に、その固着強度を確保し、更にはその上止部形状に基づくチクチク感や違和感を排除する止部形態を提供する。

解決手段
前記止部(4) の内面とファスナーテープ(2) の表面との当接面が、熱溶着された溶着部(A,B) と熱溶着されていない非溶着部とを有している。また、前記止部(4) の裏面側の下端面とファスナーテープ(2) の裏面とを押圧加熱成形により略面一としている。
特許請求の範囲
【請求項1】
ファスナーテープ(2) の一側縁部に沿って固着されたファスナーエレメント列の端部にあって、ファスナーテープ(2) の前記一側縁部を表裏から挟むようにして熱溶着され、スライダーの摺動を規制する熱可塑性樹脂からなる止部(4) を有するスライドファスナー(1) において、
前記止部(4) の内面とファスナーテープ(2) の表面との当接面が、熱溶着されている溶着部(A,B) と熱溶着されていない非溶着部とを有してなることを特徴とするスライドファスナー。
【請求項2】
前記止部(4) のテープ本体側端部の一面が、前記ファスナーテープ本体(2a)と少なくとも同一面又は同テープ本体(2a)の一面よりも僅かに凹んだ位置にある請求項1記載のスライドファスナー。
【請求項3】
前記溶着部(A,B) は、前記止部(4) のテープ本体側端部の第1溶着部(A) と、前記端部以外の部分に存在する第2溶着部(B) とを有してなる請求項1又は2記載のスライドファスナー。
【請求項4】
前記第1溶着部(A) と第2溶着部(B) とが離間して配されてなる請求項3記載のスライドファスナー。
【請求項5】
前記第1溶着部(A) と第2溶着部(B) とが連続して配されてなる請求項3記載のスライドファスナー。
【請求項6】
前記第2溶着部(B) が非連続である請求項3記載のスライドファスナー。
【請求項7】
前記ファスナーテープ(2) の前記一側縁部に膨大状断面をもつ芯部(6) を有してなり、前記第2溶着部(B) が前記止部(4) と芯部(6) との対向面に形成されてなる請求項3記載のスライドファスナー。
【請求項8】
前記芯部(6) はファスナーテープ(2) の上面に配された芯紐(6a)を有し、前記第2溶着部(B) は前記止部(4) と前記芯紐(6a)との対向面に形成されてなる請求項7記載のスライドファスナー。
【請求項9】
前記芯部(6) はファスナーテープ(2) の上面に配された芯紐(6a)を有し、前記第2溶着部(B) は前記止部(4) と前記ファスナーテープ(2) との対向面に形成されてなる請求項7記載のスライドファスナー。
【請求項10】
前記芯部(6) はファスナーテープ(2) の上面に配された芯紐(6a)を有し、前記第2溶着部(B) は前記止部(4) と前記芯紐(6a)との対向面及び前記止部(4) と前記ファスナーテープ(2) との対向面にそれぞれ形成されてなる請求項7記載のスライドファスナー。
【請求項11】
前記ファスナーテープ(2) の一側縁部はエレメント固定用糸(7) 有してなり、前記第2溶着部(B) は前記止部(4) と前記エレメント固定用糸(7) との対向面に形成されてなる請求項3記載のスライドファスナー。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファスナーテープの一側縁に取り付けたファスナーエレメントの端部に連接して、断面U字形の熱可塑性合成樹脂製の上止め素材を超音波加熱、高周波加熱、又はヒーター加熱によって溶融加圧してファスナーテープに止部を成形して取り付けたスライドファスナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱可塑性合成樹脂材を溶着により取り付けられる上止具は、一般にフイルム状あるいはモノフィラメント状の素材をフアスナーテープ、またはファスナーエレメントの上面に溶着手段によって取り付けられる。例えば、特公昭48−37421号公報に記載されたスライドファスナーの上止具は、コイル状ファスナーエレメントの反転部または脚部に、例えばポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂からなる熱可塑性合成樹脂製のモノフィラメントを所要の長さに切断してU字状に屈曲し、これを前記ファスナーエレメントの反転部又は上脚部に圧接させ、溶着して成形すると同時に取り付けている。また、例えば特公昭49−36975号公報に記載されたスライドファスナーの上止具は、ファスナーテープの一側縁に形成した玉縁に同程度の大きさのコイル状ファスナーエレメントを取付け、このファスナーエレメント、玉縁およびファスナーテープの一部の上面に短小フィラメント材を載置して、これらを溶融固化して止部を成形と同時に固着させている。
【0003】
しかるに、こうした公知のスライドファスナーの上止部は、ファスナーテープの上面のみに溶着成形しているため、ファスナーテープに対する取付強度が弱く、スライダーのフランジが衝接して衝撃力が最もかかる止部の部分がファスナーテープから容易に剥離し、長期の使用に耐えられないという問題があった。ここで、本明細書におけるスライドファスナーとその構成部材における上面とは、スライドファスナーの取付製品にあって、その外側表面を言い、同下面とはその内側表面を言う。
【0004】
従来もこのような課題を解決すべく、例えば実開昭62−148116号公報や実公平5−31932号公報では、上止め自体の剥離現象が生じず、溶着強度の大きい合成樹脂製の上止具を備えたスライドファスナーを提案している。これらの公報によれば、上止めはファスナーテープの側縁部の上下両面を挟み込むと共に、その上下両面上のテープ本体側の上止め端部を相互にファスナーテープの織編物の構成糸間の間隙又は開口を通じてブリッヂ状に連結して一体に溶着している。このとき、実開昭62−148116号公報では、止具の内周面の全体が同時にテープ側縁部に溶着されるが、一方の実公平5−31932号公報では、上止めの内周面は前記テープ内側寄りの上止め端部を除いてテープに溶着されない。
【0005】
その結果、実開昭62−148116号公報はスライダーの強い摺動による衝突に対しても充分に耐えることのできる溶着部積の広い強固な固定状態が得られ、スライダーの強い摺動力による衝接に対しても充分に耐えることのできる極めて信頼性の高い止部を提供できるというものである。実公平5−31932号公報では、逆にそのテープ本体側の上止め端部だけが強固に溶着されるため、そのテープ本体側の上止め端部を除く内周面が溶着されていないため、スライダーの衝接時に、端部を中心として揺動するため、一種の緩衝効果が生じ上止めの損傷が防止されるというものである。
【0006】
【特許文献1】
特公昭48−37421号公報
【特許文献2】
特公昭49−36975号公報
【特許文献3】
実開昭62−148116号公報
【特許文献4】
実公平5−31932号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献3及び4に開示されたスライドファスナーの上止めにあっては、その表面が滑らかな平坦面で構成されているため、スライダーの内面との接触面積が大きく、スライドファスナーを開くときの摺動操作の始動時に、その摺動抵抗が大きく、いわゆる重い感じが拭えない。更に、上止めの前述の平坦形状は、単にスライダーの摺動抵抗を大きくするだけでなく、摺動始動時におけるスライダーとの食いつきによる切り離し抵抗にも依存するところが大きい。
【0008】
一般に、スライダーの摺動操作によるスライドファスナーの閉塞は、スライダーを摺動させて前記左右の上止めの対向する端面とスライダーの連結柱部との接触と、上止めのテープ本体側端部とスライダーのフランジ部の前面との当接による。この上止めとスライダーとの接触時、上止めにスライダーの摺動操作による相当に大きな衝接力が作用するため、スライダーの一部が上止めに食いつくことがある。そのため、上述のような不具合が発生する。
【0009】
また、一般的にスライドファスナーが被服類に装着される場合、同ファスナーの下面は直接身体側に向けられ、場合によっては肌に直接接触する。そのため、例えば微小な上止めであるがために、それがファスナーテープの下面よりも膨出している場合には、肌に対するチクチク感を与える。また、スライダーの始動時には、スライドファスナーの上止め部分を片方の手の指先で摘んで、もう一方の手の指先で引手を摘んで摺動操作させる。このとき、前記上止めの硬い感じが指先に伝わり違和感を感じる人も多い。
【0010】
これらのチクチク感や硬い感じは、特に上止めのテープ本体側端縁で肌に当たる部分がファスナーテープ本体の表面よりも外側に突き出ていることによる。上記特許文献1〜4について見ても、そのいずれの上止めのテープ本体側端縁もファスナーテープ本体の表面よりも外側に突き出ていることが理解できる。
【0011】
更に、従来の止部とファスナーテープとの当接面は全面において溶着一体化されることにより、全体を溶融させるために必要な熱量を増加せずを得ず、その結果、止部に限らずファスナーテープにも必要以上の加熱がなされるようになり、過熱による脆化が生じて割落しやすくなるばかりでなく、止部の取付部分が硬直化してしまいやすい。
【0012】
本発明はこうした従来の課題を解決するためなされたものであり、その具体的な目的は、スライドファスナーの上止め、特に合成樹脂モノフィラメントを素材として、これをU字形に屈曲させてファスナーテープの側縁に加熱押圧して溶着と同時に成形する上止めにあって、溶着による脆化したり硬直化したりすることがなく、また上止めによるスライダー始動時の摺動抵抗を低減させるとともに、その上止め形状に基づくチクチク感や違和感を排除する形態を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
前記目的の一部は、本発明の基本的な構成である、ファスナーテープの一側縁部に沿って固着されたファスナーエレメント列の端部にあって、ファスナーテープの前記一側縁部を表裏から挟むようにして熱溶着され、スライダーの摺動を規制する熱可塑性樹脂からなる止部を有するスライドファスナーにおいて、前記止部の内面とファスナーテープの表面との当接面が、熱溶着されている溶着部と熱溶着されていない非溶着部とを有してなることを特徴とするスライドファスナーにより達成される。
【0014】
これらの熱溶着部と非熱溶着部とを形成するには、前記止部用の超音波ホーンや高周波電極の押圧面や対向するアンビル又は電極の止具載置面に、またヒータ加熱の場合には、その加熱押圧面に局部的にファスナーテープに接触しない部分をそれぞれ形成することにより成形することができる。
【0015】
上述のごとく、止部とファスナーテープとの当接面に溶着部と非溶着部とを形成することにより、止部とファスナーテープとの取付強度が確保されるとともに、全体を溶着する場合に較べて止部とファスナーテープとが必要以上に加熱されることがなく、高温による脆化が生じず且つ不要に硬直化しない、ファスナーテープに馴染んだ止部を形成することができる。なお、前記溶着部と非溶着部との形成割合と形成部位とは、止部用の超音波ホーンや高周波電極の押圧面とか、対向するアンビル又は電極の載置面、又はヒータ加熱による加熱押圧面のファスナーテープと接触しない部分と接触する部分との面積比や位置を適宜選択することにより容易に決めることができる。これらを選択により、脆化割合や取付強度を調整することも可能となる。
【0016】
本発明にあっては、更に前記止部のテープ本体側端部の一面が、前記ファスナーテープ本体と少なくとも同一面又は同テープ本体の一面よりも僅かに凹んだ位置にあることが好ましい。スライドファスナーは、通常、その裏面側が身体に接近して配されることが多い。いま、微小な部材である止具のテープ側端部が、ファスナーテープの裏面から突出していると、その先端が肌にあたり、チクチク感や違和感を感じる。本発明のように、前記止具のテープ本体側の端部、特にその裏面側端部をファスナーテープの裏面と同一平面内とするか、或いはファスナーテープの裏面よりも凹んだ位置にあるようにすれば、前記チクチク感や違和感を感じることがなくなる。かかる構成は、例えば上記超音波ホーンや高周波電極のアンビル又は電極の止具載置面と同一平面上にテープ載置面を設けるようにすればよい。
【0017】
また本発明における上記溶着部は、前記止部のテープ本体(内側)側端部の第1溶着部と、前記端部以外の部分に存在する第2溶着部とを有していることが望ましく、更には前記第1溶着部と第2溶着部とを離間して配し、或いは前記第1溶着部と第2溶着部とを連続して配すことができ、更には前記第2溶着部を非連続とすることもできる。
【0018】
このように、止部における溶着部をテープ本体(内側)寄り端部の第1溶着部と前記端部以外の部分に存在する第2溶着部とを形成し、これらを連続又は非連続に形成し、或いは第2溶着部を更に非連続に形成するなど多様な態様で形成することにより、止部のファスナーテープに対する取付強度を制御でき、特にテープ本体(内側)寄り端部には必ず溶着部を形成するため、同端部における剥離などの懸念が生じない。
【0019】
また本発明にあって、前記ファスナーテープの前記一側縁部(エレメント取付部)に膨大状断面をもつ芯部を有している場合には、前記第2溶着部が前記止部と芯部との対向面に形成されることが望ましい。すなわち、芯部には止部のテープ本体(内側)寄り端部が位置することを避けて、同端部は必ずファスナーテープに直接溶着させるようにする。こうすることにより、止部のテープ本体寄り端部がファスナーテープにしっかりと固着し剥離することがない。仮に芯部に前記端部を溶着させる場合には、止部がファスナーテープ上で浮き上がってしまい、スライダーの停止位置が確定されなくなることが多い。
【0020】
前記芯部はファスナーテープの上面に配された芯紐を有しており、前記第2溶着部を前記止部と前記芯紐との対向面に形成して、ファスナーテープとの対向面では非溶着部とする場合と、前記第2溶着部を前記止部と前記ファスナーテープとの全ての対向面に形成する場合とがある。更には、前記第2溶着部を前記止部と前記芯紐との対向面及び前記止部と前記ファスナーテープとの対向面にそれぞれ形成する場合もある。
【0021】
更には、前記ファスナーテープの一側縁部、すなわちエレメント取付部にエレメント固定用糸を有しており、前記第2溶着部を前記止部と前記エレメント固定用糸との対向面に形成することが望ましい。このエレメント固定用糸には、エレメントをファスナーテープに縫工により取り付ける場合の縫糸と、モノフィラメントを成形して得られる連続状のファスナーエレメント列を、ファスナーテープの織編成時に同時に織込み又は編み込む場合に、各エレメントをファスナーテープに固定するための経糸類がある。これらのエレメント固定糸に止部を溶着固定すると、固定糸自体がファスナーテープと一体化され、止部の取付強度を向上させるばかりでなく止部の取付形態の安定性が確保される。
【0022】
【発明の実施形態】
以下、本発明の代表的な実施形態を図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明に係るスライドファスナーの上止部側端部を示している。図2は本発明の代表的な実施形態であるスライドファスナーの上止部の取付状態を示す断面図である。
【0023】
ここでスライドファスナーの上止部4は、図1に示すように、ファスナーテープ2の一側縁に連続状のファスナーエレメント列3を取り付け、左右のファスナーストリンガー5の閉鎖側上端部にそれぞれ装着され、開放側の端部には図示せぬ下止部が装着される。なお、2個以上のスライダー10が取り付けられているスライドファスナー1にあっては、上下ともに前記上止部4と同様の止部が取り付けられるが、以降の説明では全て上止部と呼ぶことにする。
【0024】
前記上止部4は、例えば上記特許文献3及び4に記載された上止部と同様に、熱可塑性合成樹脂製のモノフィラメント、または同材質の異形線材から成形した断面U字形に屈曲した図示せぬ上止素材を、ファスナーエレメント3が取付けられたファスナーテープ2の側縁に超音波加熱や高周波加熱により、或いは図示せぬヒータによる直接的に加熱することにより、前記上止素材を加熱溶融しながらファスナーテープ2の表裏(上下)両面側から押圧して成形し、上止部4を固着成形している。
【0025】
上止素材は、例えばポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂から形成された扁平なモノフィラメントを所要の長さに切断し、断面U字形に屈曲したものであり、モノフィラメントの隅角は丸く形成されている。また同材質の断面U字形に形成された異形線を所要の巾で切断するようにしてもよい。
【0026】
上記上止素材をもって、ファスナーテープ2に上止部4を成形一体化するには、U字形に形成した上止素材を、ファスナーテープ2の側縁に取り付けられているファスナーエレメント列3の端部エレメントに隣接させ、或いは同エレメントの切断端部をも含めて、上止素材の上下脚部の先端をファスナーエレメント3の連結部よりもファスナーテープ2の本体2a側に飛び出すように、かつ前記上下脚部をもってファスナーテープ2の側縁部2bに存在する芯部6を挟持した状態に配置して、加熱押圧してファスナーテープ2の所定位置に上止部4を成形一体化させる。
【0027】
前記配置は、通常、超音波加工の場合には、そのホーンの押圧面をテープ裏面側に対向させ、アンビルの載置面にテープ表面側を載置する。また、高周波加工の場合には、電極の一方にテープ表裏面の何れかを対向させ、他の電極面にファスナーテープ2の反対面を載置する。また、ヒータによる場合には、下部加熱面にファスナーテープ2の裏面側を載置し、上部加熱面を同テープ2の表面側に対向させる。こうして配置された上止部4の上脚部4aを下脚部4cと共に、図示せぬ上部の超音波ホーン、高周波電極又はヒータの且つ押圧面をもって押圧加熱して、ファスナーテープ2に溶着させると同時に所望の形状に成形一体化する。
【0028】
本実施形態にあっても、上記特許文献1及び2と同様に、上止部4のテープ本体2a側の端部の押圧を強くして、図2にも示すように、溶融樹脂の一部をファスナーテープ2の構成糸間に生じる空隙に浸入させて上下からブリッジ状に連結一体化している。従って、ファスナーテープ2に対する上止部4の取付強度が確保される。この上止部4のテープ本体2a側の端部の溶着部が本発明における第1溶着部Aとなる。
【0029】
また図示実施形態にあっては、コイル状のファスナーエレメント列3には芯紐6aが挿通されており、図2に示すように、ファスナーエレメント列3の各エレメントごとに前記芯紐6aと一緒に縫糸7をもってファスナーテープ2に縫工固定している。そして、ファスナーテープの上端部に配されたエレメントEの一部が切断除去され、その最も端部に位置するエレメントEの下脚部Elをも含むようにして上止部4を芯紐6aを介してファスナーテープ2に溶着により取り付けている。その溶着部が本発明における第2溶着部Bとなる。
【0030】
このとき、前記溶着は上止部4の上脚部4aの内面と同内面に対向し、上記テープ本体2a側の端部と離間する芯紐6aの部分でなされており、上記テープ本体2a側の端部を除くその他の上止部4と対向するファスナーテープ2の部分は溶着されていない。この溶着されていない部分が、本発明における非溶着部となる。上止部4の上脚部4aの内面と同内面に対向する芯紐6aの部分で溶着されているため、上止部4の屈曲側も徒らに移動せず、スライダーの停止を確実にする。更に、上止部4のテープ本体2a側端部では、裏面側に配された下脚部4bの下面はファスナーテープ2の裏面と略同一平面上にされている。その結果、上止部4の下脚部4b先端の下面部分がテープ面から突出せず、チクチク感や不快感を与えることもなくなる。
【0031】
図3は、上記実施形態の変形例を示しており、図2に示す実施形態と異なるところは、上止部4とファスナーテープ2との溶着が、上止部4の下脚部4bの内面とファスナーテープ2の対向する下面との間でなされている点である。この変形例によれば、上止部4とファスナーテープ2との溶着が、上止部4のテープ本体側端部の上下脚部4a,4bと下脚部4bの内面にてなされているため、上止部4がファスナーテープ2にしっかりと固着され、スライダーの衝接にもファスナーテープ2上で位置ずれなどが生じない。また、上述の実施形態と同様に上止部4によるチクチク感や不快感もない。
【0032】
図4は、上記実施形態の更なる変形例を示しており,この変形例ではテープ本体側の端部は、上記実施形態と同様に、ファスナーテープ2に上下からブリッジ上に溶着一体化され、第1溶着部Aを形成し上止部4の上下脚部4a,4bの内面と対向する芯紐6a及びファスナーテープ2の部分で溶着されて第2溶着部Bを形成している。従って、この変形例が最も溶着部積が大きく、上止部4の取付強度も最も大きくなる。
【0033】
図5は図2に示した変形例の更なる変形例を示している。すなわち、図2に示した変形例では、上止部4のテープ本体側端部の溶着部分と上止部4の上脚部4aの溶着部分とが離間して形成されているが、本変形例では上止部4のテープ本体側端部の第1溶着部Aと上止部4の上脚部4aの第2溶着部Bとが連続して形成されている点で異なっている。従って、この変形例では図2に示した変形例よりも上止部4がテープ上面側で溶着部積が増加し且つ連続するため、上止部4に対する所要の取付強度が得やすい。
【0034】
図6は図3に示した変形例の更なる変形例を示している。すなわち、図3に示した変形例では、上止部4のテープ本体側端部の溶着部分と上止部4の下脚部4bの溶着部分とが離間して形成されているが、本変形例では上止部4のテープ本体側端部の溶着部分と上止部4の下脚部4bの溶着部分とが連続して形成されている点で異なっている。従って、この変形例でも図3に示した変形例よりも上止部4がテープ上面側で溶着部積が増加し且つ連続するため、上止部4に対する所要の取付強度が得やすい。
【0035】
図7は本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態によれば、上止部4のテープ本体側端部の第1溶着部Aでは、上記第1実施形態と異なり、ファスナーテープ2の構成糸条間の空隙まで浸透させず、ファスナーテープの上下面において挟着状に溶着させている。また、上止部4の上下脚部4a,4bの溶着部を、同脚部4a,4bの基端部である屈曲部分にてそれぞれを独立して第2溶着部Bを形成している。勿論、前記上止部4のテープ本体側端部の溶着部とも離間している。そのため、この実施形態では溶着による脆化部分が少なくなり、耐久性には富むものの、上止部4の取付強度が上記第1実施形態よりも多少低下するが、実用には十分に耐え得るものである。
【0036】
図8は本発明の第3実施形態を示している。この第3実施形態によるスライドファスナー1は、ファスナーエレメントEが個々に独立してファスナーテープ2の位置側縁部であるエレメント取付部にファスナーテープ2の上下面を上下から挟着するように所定のピッチで取り付けられる。このファスナーエレメントEには金属又は熱可塑性樹脂材料が使われ、射出成形によりファスナーテープに成形一体化してもよく、金属製であれば先端内側に互い違いに係止爪を形成したV字状のファスナーエレメントEを加締めることにより取り付ける。このときの取付強度を増加させるため、前記エレメント取付部にはファスナーテープ2の上下面から外方に向けて膨出する芯部6が形成されている。
【0037】
本実施形態による上止部4の素材も熱可塑性合成樹脂材料からなるU字片から構成されており、同素材を上下から加熱押圧することによりファスナーストリンガーのテープ部分に溶着一体化させるため上下対称形状を呈している。本実施形態にあっても、上止部4のテープ本体側端部は上下から強く押圧されて、その一部がテープ構成糸条間の空隙に浸透してブリッジ状に溶着されて第1溶着部Aを形成する。一方、上止部4の上下脚部4a,4bの内面にも、それぞれ複数の第2溶着部Bを有している。本実施形態では、上止部4の上下脚部4a,4bの内面にあって、前記テープ本体側の端部寄りと上下脚部4a,4bの屈曲基端部側の4箇所である。これらの溶着部分により脆化を防ぐとともに所要の取付強度を得ている。
【0038】
図9は本発明の第4実施形態を示している。この実施形態によるスライドファスナー1は、ファスナーテープ2の織成又は編成時にモノフィラメントから成形されたコイル状のファスナーエレメント列3を同時に織り込み又は編み込んでファスナーエレメントEを取り付けるタイプである。通常、この種のタイプのスライドファスナー1にあっては、芯紐が存在せず、エレメント固定用の経糸7がファスナーエレメントEの上下面を交差しながら走行している。図示例では、編成によるファスナーテープ2を示しており、ファスナーテープ2の裏面側に並列しながら長さ方向に直線的に延びる複数のウェールW1〜Wnが形成されている。
【0039】
本実施形態にあっても、図1に示した第1実施形態と同様に、ファスナーエレメント列3の端部が切除され、その最も端部に残されたファスナーエレメントEを含ませて上止部4のU字状素材がファスナーテープ2のエレメント取付部に押圧加熱されて溶着一体化して溶着部を形成する。上止部4のテープ本体体部側端部は、図1に示した第1実施形態と同様に、上止部4の一部が溶融により構成糸条間の空隙に上下から浸透してブリッジ状に連結して溶着され第1溶着部Aを形成する。また、上止部4の上下脚部4a,4bの内面は、図4に示した変形例と同様に、上脚部4aの内面及び固定用経糸8の上面、並びに下脚部4bの内面及びファスナーテープ2の下面にて溶着させて第2溶着部Bを形成している。かかる構成により、上述の作用効果に加えて、固定用経糸7の一部が上止部4と溶着一体化するため、その糸ほつれが生ぜず耐久性を増す。
【0040】
図10は本発明の第5実施形態を示しており、この実施形態ではスライドファスナー1としてファスナーテープ2の一側縁部のエレメント取付部にコイル状のファスナーエレメント列3を縫工により取り付けたのちに、ファスナーエレメント列3に隣接するファスナーテープ2の部位において、長さ方向に沿ってほぼ180°折り曲げ、熱セットにより形態を固定して得られる隠しスライドファスナー1を対象としている。このファスナーテープ2の折り曲げセットにより、前記ファスナーエレメント列3の噛合頭部3aはその折曲げ線に沿って外方に露呈した状態となり、この隠しスライドファスナー1を被着製品に被着させると、前記ファスナーエレメント列3は被着製品の裏面に配されるようになり、スライドファスナー1の閉鎖時にはファスナーエレメント列を外部から見えないようにして、スライドファスナー1の存在を隠すようにする。
【0041】
この隠しスライドファスナー1にあっても、ファスナーエレメント列3の上端部に隣接させ、或いは上端部のエレメントEを含んで上止部4が、上述の実施形態と同様に取り付けられる。図10は、その取付状態の一例を示している。同図によれば、コイル状のファスナーエレメント列3には芯紐6aが挿通され、このエレメント列3がファスナーテープ2のエレメント取付部に縫糸8により固定されている。従って、前記上止部4はファスナーテープ2の裏面側と、そのテープ表面、芯紐6a及び縫糸のそれぞれの一部とを挟持するようにして溶着一体化させている。
【0042】
本実施形態による上止部4とファスナーテープ2のエレメント取付部との溶着は、図10に示すように、上止部4のテープ本体側の端部を強く押圧変形させて溶融させ、ファスナーテープ2の構成糸条間に形成される空隙部を表裏から浸透させて、ブリッジ状に溶着一体化して第1溶着部Aを形成するとともに、上脚部4aの内面を芯紐6aと縫糸7の表面の一部に溶着させると同時に、下脚部4bの内面をファスナーテープの裏面の一部に溶着させて第2溶着部Bを形成している。この実施形態にあっても、図4に示した変形例と同様に、溶着強度は最も大きく、上止部4の脆化を伴わずに、上止部4をしっかりと取り付けることができる。
【0043】
なお以上の実施形態にあって、図1〜図8、図9及び図10に示す上止部4には、全ての上下脚部4a,4bを連結する屈曲端部の裏面側に止部幅方向に延びるリブ状の突部9が示されているが、この突部9はU字状の止部素材を押圧して溶着成形時に、ヒータ、ダイ又は電極に形成されたキャビティにより成形する。この突部9の存在より、図示せぬスライダーの摺動操作によりスライドファスナーを開閉するにあたって、止部における衝接面積を増加させ、止部に確実な停止機能を付与することができるようになる。
【0044】
また、この突部9の形成位置は任意であり、例えば図8に示すように上止部4の屈曲部頂点部に形成することができる。更に、これらの突部9は、いずれもリブ状に形成しているが、これらもポイント状に複数形成することもできるし、或いは全体的に湾曲する膨出部として形成することもできる。
このように、本発明におけるスライドファスナーのファスナーテープ2に対する上止部4の溶着部位は任意に選定することができ、またその溶着部積も取付(溶着)強度を勘案しつつ脆弱化を回避できれば任意に決めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスライドファスナーの一例を示す要部の平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態であるスライドファスナーの上止取付端部の構造例を示す部分断面図である。
【図3】前記上止取付部における構造の変形例を示す部分断面図である。
【図4】同じく他の変形例を示す部分断面図である。
【図5】同じく他の変形例を示す部分断面図である。
【図6】更に他の変形例を示す部分断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態であるスライドファスナーの上止取付端部の構造例を示す部分断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態であるスライドファスナーの上止取付端部の構造例を示す部分断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態であるスライドファスナーの上止取付端部の構造例を示す部分断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態である隠しスライドファスナーの上止取付端部の構造例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 スライドファスナー
2 ファスナーテープ
3 ファスナーエレメント列
3a 噛合頭部
4 上止部
4a 上脚部
4b 下脚部
5 スライダー
6 芯部
6a 芯紐
7 固定用経糸
8 縫糸
9 突部
10 スライダー
E ファスナーエレメント
A 第1溶着部
B 第2溶着部




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013