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発明の名称 スライドファスナー用開離嵌挿具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2004−248809(P2004−248809A)
公開日 平成16年9月9日(2004.9.9)
出願番号 特願2003−41185(P2003−41185)
出願日 平成15年2月19日(2003.2.19)
代理人
発明者 米丘 守正
要約 課題
サイドオープンタイプの開離嵌挿具において、磁石を装着して左右の嵌挿具を的確に吸引させ容易に閉鎖操作ができる。

解決手段
開離嵌挿具は一方のストリンガー2の端部に保持部材10を取り付けてスライダーを保持できる保持部31を設け、先端に摺接板12を一体に設け、摺接板12の重合面14に凸部25、その周辺に磁性体17を配し、他方のストリンガー2′の端部に差込部材11を取り付けて保持部材10に嵌入できる差込板38を設け、先端に摺接板13を一体に設け、摺接板13の重合面に凹部を設け、その周辺に磁性体を配し、摺接板12,13を重合して凹凸部を係合させ、ストリンガー2,2′を回動させてスライダーを摺動させファスナーチエンを閉鎖させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
水平に係脱可能な保持部材10と差込部材11とを合成樹脂から成形し、両部材10,11の下端を互いに重合し、かつ摺接回動できる摺接板12,13を一体に設け、該摺接板12,13の重合面14,15に互いに吸引できる磁性体17、17′を配設したことを特徴とするスライドファスナー用開離嵌挿具。
【請求項2】
摺接板12,13の重合面14,15に配置する磁性体17,17′は、磁石18,18′から形成し、該磁石18,18′を摺接板12,13に配設してなる請求項1記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
【請求項3】
摺接板12,13の重合面14,15に配設する磁性体17、17′は、円形状の磁石18,18′から形成し、摺接板12,13の重合面14,15に凹陥部28,28′を設け、該凹陥部28,28′の入口に小突条29,29′を内方へ突設し、凹陥部28,28′内へ磁石18,18′を圧入してなる請求項1記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
【請求項4】
摺接板12,13の重合面14,15に配設する磁性体17,17′は、磁石18,18′または磁性シート19などから形成し、該磁石18,18′または磁性シート19などを摺接板12,13に貼着してなる請求項1記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
【請求項5】
摺接板12,13の重合面14,15に配設する磁性体17,17′は、磁性粉末を混入した磁性塗料20から形成し、該磁性塗料20を摺接板12,13に塗着してなる請求項1記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
【請求項6】
摺接板12,13の重合面14,15に配設する磁性体17,17′は、磁石18,18′、磁性シート19、磁性粉末を混入した磁性塗料20などから形成し、該磁性体17,17′を適宜組み合わせて配設してなる請求項2,3または4記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
【請求項7】
一方の摺接板12の重合面14に磁石18を凸出状に配し、他方の摺接板13の重合面15に磁石18′を凹陥状に配し、磁石18,18′が係合かつ吸引可能に形成してなる請求項1記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
【請求項8】
一方の摺接板12の中央に凸部25を設け、他方の摺接板13の中央に凹部26を設けて凸部25を収容し、該凹凸部25,26の周辺に磁性体17,17′を配設してなる請求項1記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
【請求項9】
一方の摺接板12の周縁に、他方の摺接板13を収容できる周壁27を突設し、該周壁27は他方の摺接板13が回動できる形に一部を切り欠いて切欠部32を設け、摺接板12,13の重合面14,15に磁性体17,17′を配設してなる請求項1記載のスライドファスナー用開離嵌挿具。
【請求項10】
保持部材10と差込部材11との摺接板12,13に近い個所の保持部材10と差込部材の対向面に磁石18,18′を埋装してなる請求項1記載のスライドファスナー用開離嵌挿具
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スライドファスナーの開離嵌挿具に関するもので、ファスナーストリンガーの下端に取り付けた開離嵌挿具は、一方がスライダーを保持できる保持部材、他方が保持部材に差し込むことができる差込部材から形成され、保持部材と差込部材はファスナー面に対して表裏から重合し、かつ回動させて、ファスナーの横方向から保持部材と差込部材とを衝合させることによって、スライダー内へファスナーストリンガーを嵌入装備できる、サイドオープンタイプのスライドファスナーの開離嵌挿具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファスナーチエンのサイドから開離嵌挿操作ができるサイドオープンタイプの開離嵌挿具は、図25に示すように左右のファスナーストリンガーの下端にピンを突設した保持部材と、ソケットを設けた差込部材とをピンとソケットを係合させることによって、スライダーの側方からファスナーストリンガーを嵌入し閉鎖させるサイドオープンタイプの開離嵌挿具が知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
また図26に示すように、ファスナーチエンの一方のファスナーストリンガーの下端に側面に差込凹溝を設けた結合片(保持部材)を設け、先端に円板状の基部の中央にスナップタイプの突起を突設した雄係合部を設け、他方のファスナーストリンガーの下端に差込凹溝に差し込むことができる差込部を有する係止片(差込部材)を設け、係止片の先端に円板状の基部の中央にスナップタイプの凹孔の雌係合部を設け、雌係合部と雄係合部とを係合させた後、係止片を回動させて差込部をスライダーのフランジ間および差込凹部に差し込みスライダーを引き上げると、ファスナーチエンを閉鎖できる開離嵌挿具が知られている。(例えば、特許文献2参照)
【0004】
【特許文献1】
アメリカ特許第4139927号明細書(4欄、図1〜4)
【特許文献2】
特開2000−232908号公報
(段落番号0022〜0028、図1〜6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前項で述べた特許文献1および特許文献2に開示されたスライドファスナーの開離嵌挿具は、共に左右のファスナーストリンガーの下端に設けたファスナー面に直角状に配したピンとソケット、あるいは突起と凹孔とを整合させた後に、ピンとソケット、あるいは突起と凹孔を係合させねばならないため、開離嵌挿具における整合操作および係合操作がきわめて面倒であり、特に子供、老人にとっては難儀な操作であるなど問題点がある。
【0006】
この発明は、上述の問題点を考慮して発明されたものであり、請求項1記載の発明は、ファスナーチエンの端部に取り付けた開離嵌挿具が、一方のファスナーストリンガーの下端に取り付けたスライダーを保持できる保持部材と、他方のファスナーストリンガーの下端に取り付け、保持部材に対向側面から差し込むことができる差込部材とを、それぞれ保持部材と差込部材の一部に設けた摺接板を重合し、かつ回動させることによって、保持部材と差込部材とを組み合わせてスライダーを摺動させるサイドオープンタイプの開離嵌挿具において、保持部材と差込部材の摺接板に磁性体を配して、簡単に摺接板を吸引させ、所定位置に確実に重合させ、スライドファスナーの開離嵌挿具をサイドオープンタイプで容易に操作できるスライドファスナーの開離嵌挿具を提供することが主たる目的である。
【0007】
請求項2,3,4,5および6記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の目的に加え、サイドオープンタイプの開離嵌挿具の保持部材、差込部材に設けた摺接板に磁性を帯びさせるため、摺接板に磁石、磁性シート、磁性ゴム、磁性粉末を混入した塗料などを用いて磁化させ、対向する摺接板を吸引し、摺接板同士を簡易に重合させ、開離嵌挿操作を行うことができるスライドファスナーの開離嵌挿具を提供することが目的である。
【0008】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、スライドファスナーにおけるサイドオープンタイプの開離嵌挿具において、開離嵌挿具の保持部材と差込部材とを開離嵌挿時に円滑に回動させるため、一方の部材の摺接板の重合面に磁石を凸出状に設け、他方の摺接板の重合面に磁石を凹陥状に設けて、的確かつ簡易に保持部材と差込部材を重合させ回動できるスライドファスナーの開離嵌挿具を提供することが目的である。
【0009】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、スライドファスナーにおけるサイドオープンタイプの開離嵌挿具において、開離嵌挿具の保持部材と差込部材とを開離嵌挿時に円滑に回動させるため、一方の部材の摺接板の重合面に凸部を設け、他方の摺接板の重合面に凹部を設けて、的確かつ簡易に保持部材と差込部材を重合させ回動できるスライドファスナーの開離嵌挿具を提供することが目的である。
【0010】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、スライドファスナーにおけるサイドオープンタイプの開離嵌挿具において、開離嵌挿具の保持部材と差込部材とを開離嵌挿時に円滑に回動させるため、一方の部材の摺接板の周囲に周壁を突設して、他方の摺接板を収容できる形態に形成し、的確かつ簡易に保持部材と差込部材を重合させ回動できるスライドファスナーの開離嵌挿具を提供することが目的である。
【0011】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、スライドファスナーにおけるサイドオープンタイプの開離嵌挿具において、ファスナーチエンを閉鎖させるとき、保持部材と差込部材とを確実に当接保持し、スライダーの閉鎖始動を助勢し、円滑な操作が行えるスライドファスナーの開離嵌挿具を提供することが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の発明は、スライドファスナーにおけるサイドオープンタイプの開離嵌挿具3において、ファスナー面と同様に水平に係脱できる保持部材10と差込部材11とを合成樹脂から一体成形し、保持部材10と差込部材11の下端に互いに重合し、かつ摺接して回動できる摺接板12,13を保持部材10、差込部材11と一体に設け、この摺接板12,13が重合して対向する面に互いに吸引できる磁性体17,17′を配し、摺接板12,13を吸引し、回動させて保持部材10と差込部材11を嵌装するスライドファスナー用開離嵌挿具を主な構成とするものである。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具3の保持部材10および差込部材11に一体に設けた摺接板12,13の対向する重合面14,15に配する磁性体17,17′は、磁石18,18′から形成し、この磁石18,18′を摺接板12,13に配設したスライドファスナー用開離嵌挿具である。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具3の保持部材10および差込部材11に一体に設けた摺接板12,13の対向する重合面14,15に配する磁性体17,17′は、円形状の磁石18,18′から形成し、摺接板12,13の重合面14,15に磁石18,18′を嵌入できる凹陥部28,28′を設け、この凹陥部28,28′の入口に小突条29,29′を内方へ突出する形にアンダーカット手段で設け、この凹陥部28,28′内へ円形状の磁石18,18′を圧入したスライドファスナー用開離嵌挿具である。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具3の保持部材10および差込部材11に一体に設けた摺接板12,13の対向する重合面14,15に配する磁性体17,17′は、磁石18,18′または磁性シート19あるいは磁性ゴムなどから形成し、この磁石18,18′または磁性シート19あるいは磁性ゴムなどを摺接板12,13の対向する重合面14,15に接着剤21で貼着したスライドファスナー用開離嵌挿具である。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具3の保持部材10および差込部材11に一体に設けた摺接板12,13の対向する重合面14,15に配する磁性体17,17′は、合成樹脂内に磁性粉末を混入した磁性塗料20から形成し、この磁性塗料20を摺接板12,13の対向する重合面14,15に塗着したスライドファスナー用開離嵌挿具である。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項2,3または4記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具3の保持部材10および差込部材11に一体に設けた摺接板12,13の対向する重合面14,15に配する磁性体17,17′は、磁石18,18′、磁性シート19、磁性ゴム、樹脂内に磁性粉末を混入した磁性塗料20などから形成し、これらの磁性体17,17′を保持部材10の摺接板12と差込部材11の摺接板13とは異種の磁性体17,17′を用いて組み合わせ、各種の固定手段によって配設したスライドファスナー用開離嵌挿具である。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具3における保持部材10または差込部材11に一体に設けた摺接板12,13において、いずれか一方の摺接板12,13の重合し対向する面に磁石18,18′を凸出状に配し、他方の摺接板12,13の重合し対向する面に磁石18,18′を凹陥状に配して、磁石18,18′自体が係合し、かつ吸引できるように形成したスライドファスナー用開離嵌挿具である。
【0019】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具3における保持部材10または差込部材11に一体に設けた摺接板12,13において、いずれか一方の摺接板12,13の重合し対向する面の中央に凸部25を設け、他方の摺接板12,13の重合し対向する面の中央に凸部25を収容できる凹部26を設け、この凹凸部25,26の周辺に各種の磁性体17,17′を配設したスライドファスナー用開離嵌挿具である。
【0020】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具3における保持部材10または差込部材11に一体に設けた摺接板12,13において、いずれか一方の摺接板12,13の重合し対向する面の外周に対向方向へ突出する周壁27を設けて他方の摺接板12,13を収容し、かつ周壁27は他方の摺接板12,13が回動できる形に周壁27の一部を切り欠いて切欠部32を設け、双方の摺接板12,13の対向面に各種の磁性体17,17′を配設したスライドファスナー用開離嵌挿具である。
【0021】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、開離嵌挿具3における保持部材10と差込部材11とが、ファスナーチエン1を閉鎖するときに当接する摺接板12,13に近い個所の対向面に、それぞれ磁石18,18′を埋装し、吸引できるように形成したスライドファスナー用開離嵌挿具である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のスライドファスナー用開離嵌挿具の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0023】
この発明のスライドファスナーの開離嵌挿具は、図1に示すようにファスナーチエン1の下端に開離嵌挿具3を取り付け、開離嵌挿具3は図2に示すように一方がファスナーチエン1を左右に分離したとき、スライダー6をファスナーストリンガー2に保持することができる保持部材10をファスナーストリンガー2の下端に取り付け、他方が保持部材10の側面へ嵌入することができる差込部材11を他のファスナーストリンガー2′の下端に取り付け、保持部材10と差込部材11との先端に表裏方向において重合できる円板状の摺接板12,13をそれぞれ一体に設け、かつ摺接板12,13が重合する重合面14,15に磁気を有する磁性体17、17′を配設して摺接板12,13を磁気作用によって吸引し、かつ左右に所定の角度回動させることができるように形成する。
【0024】
ファスナーチエン1は、ファスナーテープ4,4′の一側縁に各種タイプのファスナーエレメント5,5′を取り付け、左右のファスナーストリンガー2、2′の下端に熱可塑性樹脂フィルムの補強テープ7,7′を貼着して補強し、この補強テープ7,7′部分に図2に示すように開離嵌挿具3として、一方のファスナーストリンガー2にスライダー6を保持できる保持部材10、他方のファスナーストリンガー2′に保持部材10の側面へ嵌入できる差込部材11をポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂、またはユリア樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いて射出成形加工によって一体に成形する。
【0025】
保持部材10は図3に示すように、保持部材10の下端先端に円板状の摺接板12を一体に設け、摺接板12の重合面14には磁性体17として磁石18を配設している。摺接板12は図3,5に示すように、中央に凸部25を突設し、凸部25の周辺には凹陥部28を凹設し、この凹陥部28に磁石18を圧入して保持する。磁石18を保持するため凹陥部28の入口周縁に磁石18を保持することができる小突起状の小突条29を内方へ突出する形で設ける。この小突条29を設置するため、射出成形の際アンダカット手段によって、小量内側へ突出する形に設ける。また重合面14において凹陥部28の周縁近くに浅めの凹溝30を刻設し、小突条29の成形の際のコアの抜脱を容易にする。
【0026】
一方凹陥部28に圧入する磁石18は、図5に示すように円板状で中央に凸部25が挿通できる透孔23を穿設し、下面の周縁は小突条29に対面する部分を小突条29の周縁よりも小径とし、磁石18の側面はテーパーを付け、上面周縁が小突条29の内周よりもやや大きく断面鋭角状を呈する係止縁24を形成し、磁石18を摺接板12の凹陥部28に重合面14側から圧入し、係止縁24を凹陥部28内へ係止して保持する。
【0027】
なお、保持部材10は、図3に示すようにスライダー6を挿入し保持できる分厚い保持部31を一側に形成し、この保持部31の側面に差込部材11の差込板38が嵌入できる差込凹溝34を設ける。保持部31の外側には、スライダー6のフランジが挿通できるガイド面36を設け、この外側にスライダー6の側面外形と同じ形状をした分厚い外郭部35を設け、外郭部35の下端に、スライダー6を停止させることができる外郭部35と同厚の停止部37を設置する。
【0028】
差込部材11は、図4に示すように差込部材11の下端に円板状の摺接板13を一体に設け、摺接板13の重合面15に磁性体17′として磁石18′を配設している。摺接板13は図4,6に示すように、中央に保持部材10の凸部25が当接できる凹部26を頂面に設けた突出柱33を設け、突出柱33は凹部26の周囲に面取り部39を設けて凸部25のガイドを容易にする。この突出柱33の周囲には凹溝状の凹陥部28′を設け、この凹陥部28′の入口周縁に保持部材10と同様に磁石18′を保持することができる小突起状の小突条29′と凹溝30′を設ける。
【0029】
凹陥部28′に圧入する磁石18′は、図6に示すように保持部材10の磁石18と同様に円板状で中央に突出柱33が挿通できる透孔23′を穿設し、上面の周縁は小突条29′に対面し挿入し易い形の小径に形成し、磁石18′の周面はテーパーを付けて下面周縁が小突条29′の内周よりも大きく断面鋭角状を呈する係止縁24′を形成し、凹陥部28′に磁石18′を圧入したとき、凹陥部28′に係止縁24′を係止して保持できる。
【0030】
なお差込部材11は、図4に示すように、保持部材10の差込凹溝34に嵌入でき、かつスライダー6のフランジ間に挿入できる厚さを有する差込板38を設け、この差込板38の外側にスライダー6の側面外形と同形の分厚い外郭部35′を設け、外郭部35′の下端にスライダー6を停止させる外郭部35′と同厚の停止部37′を設置する。
【0031】
保持部材10と差込部材11の使用態様について説明すると、分離されている左右のファスナーストリンガー2、2′の一方のファスナーストリンガー2の保持部材10の保持部31にスライダー6を保持した状態で、保持部材10と差込部材11の摺接板12,13を表裏方向から重合する形で近付けると、双方に配した磁石18、18′によって摺接板12,13が自動的に吸引し重合すると同時に、摺接板12,13の中央に設けた凸部25と凹部26とが嵌合し、図7に示すように正しい位置で重合する。重合した後、図8に示すように、差込部材11の差込板38を保持部材10に挿通されているスライダー6のフランジ間に嵌入し、さらに保持部31の差込凹溝34へ嵌入するように差込部材11を回動させて、スライダー6内へ差込部材11を備えたファスナーストリンガー2′を挿入した後、スライダー6を引き上げると図1に示すようにファスナーエレメント5,5′が噛合して左右のファスナーストリンガー2,2′は閉鎖される。
【0032】
ファスナーチエン1を分離開放するには、スライダー6を開離嵌挿具3へ向けて引き下げスライダー6を停止部37,37′に当接させた後、差込部材11を保持部材10から引き離す形で回動させ、差込板38をスライダー6から脱出させたところで、磁石18、18′の吸引力に抗して摺接板13を摺接板12から引き離して分離するとファスナーストリンガー2,2′は分離する。
【0033】
上記の使用態様からして保持部材10の摺接板12と差込部材11の摺接板13とを磁石18、18′によって正確に吸引させるため、保持部材10と差込部材11とを近接させた位置において、磁石18,18′が強力に吸引できるように磁石18,18′をそれぞれの摺接板12,13に配することが必要であり、場合によっては、摺接板12、摺接板13とを離脱させたい位置へ回動したとき配設した磁石18,18′が離反する作用が生ずるように形成し、自動的に摺接板12,13を離脱させてもよい。
【0034】
次に図9〜13に示す第2実施例の開離嵌挿具について説明すると、第1実施例と異なる構成は、ファスナーストリンガー2,2′の下端に取り付けた保持部材10と差込部材11において、その端部に一体に成形した摺接板12,13の形態が異なる以外は第1実施例と同一構成である。
【0035】
保持部材10は図9,10に示すように、保持部材10の下端に一体に設けた摺接板12は、摺接板12の周辺に差込部材11の摺接板13を収容できる周壁27を重合方向へ突設し、かつ差込部材11が接触した状態で所定角度回動できるように周壁27の一部を切り欠いて切欠部32を設け、保持部材10と差込部材11の分離、係合操作のための回動を容易にしている。摺接板12は図10,12に示すように重合面14に磁性体17としての磁石18を配するため、摺接板12に凹状の凹陥部28を凹設し、この凹陥部28の入口に前例と同様に内方へ突出する小突条29をアンダーカット手段によって設け、かつその外側に浅い凹溝30を周設する。凹陥部28内へ圧入する磁石18は、円板状で周縁に段部41を設け、この段部41の外周縁に鋭角状を呈する係止縁24を設け、係止縁24から先端の側面はテーパーを付けて凹陥部28の入口の小突条29から嵌入を容易にし、かつ凹陥部28内での係止を有効に働かせ、また段部41から上面の小径部分は、小突条29間に安定した形で保持できるように形成する。
【0036】
差込部材11の下端に一体に設けた摺接板13は、保持部材10の摺接板12に設けた周壁27内に収容できる形状で、図11,13に示すように摺接板12の円板状と合致する形に形成し、摺接板13の下側の重合面15には凹陥部28′が凹設され、入口に小突条29′および小突条29′の外側に凹溝30′が刻設され、磁石18′の嵌入を容易に行うことができるように形成する。また磁石18′は保持部材10に用いる磁石18と同一形状で共通性を持たせる。保持部材10と差込部材11の使用態様は前例と同一態様である。
【0037】
図14,15に示す摺接板12,13は磁石18,18′の配設の変形例を示したものであり、摺接板12,13の重合面14,15に凸部25と凹部26を備えたタイプの摺接板12,13を射出成形する際、磁性体17、17′としての磁石18,18′を混入した実施例である。保持部材10は摺接板12の重合面14の中央に凸部25を突設し、この凸部25の周囲に環状の磁石18を埋め込み磁石18の上面周囲には封止縁22が形成され磁石18を安定した状態で保持している。
【0038】
差込部材11は摺接板13の重合面15の中央に、保持部材10の凸部25が当接できるように、突出柱33を設けて頂面に凹部26を形成し、この凹部26の周囲に面取り部39を設けて凸部25の当接をガイドする形に形成し、この凹部26の周囲に環状の磁石18′を埋め込み、磁石18′の表面周囲に封止縁22′が形成されて磁石18′を安定した状態で保持する。
【0039】
図16,17に示す摺接板12,13は、保持部材10の摺接板12に周壁27を設けたタイプの摺接板12を射出成形する際、磁性体17,17′としての平坦な凸状の磁石18,18′を埋入した実施例であり、保持部材10は図16に示すように摺接板12の周縁に一部を切り欠いた周壁27を備えた摺接板12に対し、周縁に突部40のある凸状の磁石18を埋め込み、この際突部40を摺接板12内に埋め込み、重合面14には磁石18の頂面が現出する形で磁石18の周縁は封止縁22によって安定した状態で保持する。
【0040】
一方差込部材11は、保持部材10の摺接板12の周壁27内へ収容できる摺接板13は、図17に示すように円板状から形成され、摺接板13には平坦で凸状の磁石18′の頂面が重合面15に現出する形で埋め込み、磁石18′の表面周縁に封止縁22′が形成され磁石18′を安定した状態で保持する。
【0041】
図18,19に示す摺接板12,13は、磁石18,18′の変形例を示すものであり、磁性体17,17′としての磁石18,18′を平坦状の重合面14,15の中央に凹設した凹陥部28,28′に収容する。保持部材10の凹陥部28には、摺接板12の重合面14の表面へ全体が突出するように磁石18を接着剤21によって接着し、かつ磁石18の周縁の隅角を円弧状に面取りする。
【0042】
差込部材11の凹陥部28′には、摺接板13における重合面15の表面から全体に陥没する形で磁石18′を接着剤21′で接着するとともに、凹陥部28′の入口周縁は斜面状に面取りする。この形態であると、摺接板12,13の重合面14,15における中心に改めて凸部、凹部を設けることなく、磁石18,18′自体が凸部、凹部を形成するので、簡単に摺接板12,13の重合動作を行うことができる。
【0043】
図20は摺接板12に配設する磁性体17の変形例を示すもので、摺接板12の重合面14に円形の凹陥部28を凹設し、この凹陥部28に円板状の磁石18を樹脂系またはゴム系の合成接着剤で接着した摺接板12である。
【0044】
図21は、摺接板12に配設する磁性体17の変形例を示すもので、摺接板12の重合面14に凹陥部28を凹設し、中央に凸部25を重合面14上へ突出する形で設け、この凹陥部28に磁性体17として磁性シート19または磁性ゴムシートなどを円板状に截断し中央に透孔23を設け、この磁性シート19を凹陥部28に合成接着剤で接着したものである。
【0045】
図22は、摺接板12に配設する磁性体17の変形例を示すもので、摺接板12の重合面14に凹陥部28を凹設し、中央に凸部25を重合面14上へ突出する形で設け、この凹陥部28に磁性体17として例えばシリコン樹脂ワニスまたはエポキシ樹脂ワニスに磁性粉末を混入した磁性塗料20を塗着して磁性体17を形成する。
【0046】
図23,24に示す開離嵌挿具3は、保持部材10と差込部材11における摺接板12,13の重合面14,15には前述の各種タイプの磁性体17,17′を装着して表裏方向へ吸引可能に形成する。そして摺接板12,13に近い個所の保持部材10と差込部材11における対向面、すなわち保持部材10の保持部31に形成された差込凹溝34と、差込部材11の差込凹溝34に挿入できる差込板38の対向面に、それぞれ凹窩部41,41′を設け、この凹窩部41,41′に磁性体17,17′としての磁石18,18′を嵌入して接着剤21,21′で接着することによって磁石18,18′を吸引可能に形成する。
【0047】
開離嵌挿具3の操作は、開放状態のファスナーチエン1を閉鎖するため、左右のファスナーストリンガー2,2′の摺接板12,13を表裏から重合させると、摺接板12,13に装着した磁石18,18′の吸引作用によって容易に摺接板12,13を吸着させ、その後左右のファスナーストリンガー2,2′を回動させながら引き寄せ、一方のファスナーストリンガー2の保持部材10の保持部31に保持されているスライダー6のフランジ間に差込部材11の差込板38を挿入すると、対向面に設置した凹窩部41,41′の磁石18,18′の吸引作用によって、保持部材10と差込部材11とを容易に密着させることができるので、スライダー6の閉鎖始動が容易にでき、ファスナーチエン1を閉鎖することができる。
【0048】
閉鎖状態のファスナーチエン1を分離開放するには、スライダー6を開離嵌挿具3の保持部材10と差込部材11とに設けたスライダー6の停止部37,37′にまで引き下げて、保持部材10と差込部材11とを磁石18,18′の吸引力に抗して左右に引き離して回動させた後、摺接板12,13を表裏に分離させればファスナーチエン1を分離開放させることができる。
【0049】
この発明における磁性体は、同一の磁性体の組み合わせのみでなく、磁石と磁性シート、磁石と磁性塗料、または磁性シートと磁性塗料、あるいは磁性体と鉄板などを組み合わせて使用することができる。
【0050】
【発明の効果】
この発明のスライドファスナー用開離嵌挿具は、以上説明したとおりの構成であり、この構成によって下記の効果を奏するものである。
【0051】
この発明のうち請求項1記載の発明は、水平に係脱可能な保持部材と差込部材とを合成樹脂から成形し、両部材の下端を互いに重合し、かつ摺接回動できる摺接板を一体に設け、摺接板の重合面に互いに吸引できる磁性体を配設することによって、左右のファスナーストリンガーに分離開放できるサイドオープンタイプのスライドファスナーにおいて、左右のファスナーストリンガーの端部に設けた保持部材と差込部材とを、磁性体を用いて自動的に吸引し、両部材の整合操作および閉鎖操作をきわめて簡易に行うことができ、片手でも操作ができ、子供、老人も容易に使うことができる効果がある。
【0052】
請求項2,3,4,5および6記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の効果に加え、摺接板に配設する磁性体に磁石を用いて摺接板に埋設し、または摺接板の凹陥部に圧入し、また磁性シートを貼着し、あるいは磁性塗料を塗着し、さらに各種の磁性体を適宜組み合わせることによって、各種の磁性体を用いて簡単な形態で開離嵌挿具を作製でき、利用範囲の拡張が図れる効果がある。
【0053】
請求項7、8および9記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の効果に加え、摺接板の重合面に一方は磁石を凸出状、他方は凹陥状、または一方は凸部、他方に凹部、あるいは一方の摺接板の周縁に周壁、他方の摺接板は周壁内へ収容できる形に形成したことによって、いずれも摺接板を的確かつ簡単に重合させることができ、かつ円滑に保持部材と差込部材を回動させることができ、開離嵌挿具の整合機能、閉鎖機能を容易に果たす効果がある。
【0054】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、保持部材と差込部材との摺接板に近い個所の保持部材と差込部材との対向面に磁性体を埋装したことによって、保持部材と差込部材とを確実に密着保持することができ、スライダーの閉鎖始動を助勢し円滑かつ容易に操作することができ、子供および老人でも容易に使用することができる効果があるなど、この発明が奏する効果はきわめて顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】サイドオープンタイプの開離嵌挿具を備えたスライドファスナーの正面図である。
【図2】左右のファスナーストリンガーを分離した状態の保持部材、差込部材の斜視図である。
【図3】保持部材の正面図である。
【図4】差込部材の背面図である。
【図5】図3におけるA−A断面図である。
【図6】図4におけるB−B断面図である。
【図7】ファスナーチエンの拡開状態を示す正面図である。
【図8】ファスナーチエンにおける閉鎖直前の状態を示す正面図である。
【図9】第2実施例の左右のファスナーストリンガーを分離した状態の保持部材、差込部材の斜視図である。
【図10】同上の保持部材の正面図である。
【図11】同上の差込部材の正面図である。
【図12】図10におけるC−C断面図である。
【図13】図11におけるD−D断面図である。
【図14】保持部材の摺接板に磁石を埋設した断面図である。
【図15】差込部材の摺接板に磁石を埋設した断面図である。
【図16】保持部材の摺接板に磁石を埋設した断面図である。
【図17】差込部材の摺接板に磁石を接着した断面図である。
【図18】保持部材の摺接板に磁石を埋設した断面図である。
【図19】差込部材の摺接板に磁石を埋設した断面図である。
【図20】保持部材の摺接板に磁石を接着した断面図である。
【図21】保持部材の摺接板に磁性シートを貼着した断面図である。
【図22】保持部材の摺接板に磁性塗料を塗着した断面図である。
【図23】保持部材と差込部材との対向面に磁石を埋設し、一部を切欠した開離嵌挿具の正面図である。
【図24】図23におけるE−E断面図である。
【図25】公知のサイドオープンタイプのファスナーチエンの正面図である。
【図26】他の公知のサイドオープンタイプのファスナーチエンの分離斜視図である。
【符号の説明】
10 保持部材
11 差込部材
12 摺接板(保持部材)
13 摺接板(差込部材)
14 重合面(保持部材)
15 重合面(差込部材)
17,17′ 磁性体
18,18′ 磁石
19 磁性シート
20 磁性塗料
25 凸部
26 凹部
27 周壁
28,28′ 凹陥部
29,29′ 小突条
32 切欠部




 

 


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