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発明の名称 スライドファスナーの止部
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2004−16689(P2004−16689A)
公開日 平成16年1月22日(2004.1.22)
出願番号 特願2002−179532(P2002−179532)
出願日 平成14年6月20日(2002.6.20)
代理人
発明者 高松 聡 / 布田 雅昭 / 多賀 行夫
要約 課題
簡易に作製でき堅牢でバリのない品質のよい、上止め、下止めを備えた合成樹脂製の線条スライドファスナーを提供する。

解決手段
合成樹脂製のコイル状またはジグザグ状の線条ファスナーエレメント列3をファスナーテープ4の一側縁に装着し、ファスナーエレメント列3の末端側の複数個のファスナーエレメント3に棒状体6を噛合頭部10の裏側の噛合空間部13に挿入して付け合わせ、または湾曲状の板状体7を噛合頭部10、脚部11、連結部12の表面を包囲し被覆する形で付け合わせた後に、超音波溶接加工によってファスナーエレメント3に溶着して、上止め15または下止め16の止部14を形成し、ファスナーエレメント3の表面にバリが生じない体裁のよい止部を形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
合成樹脂製の線条ファスナーエレメント列3をファスナーテープ4の一側縁に装着し、ファスナーエレメント列3の末端側に位置する複数個のファスナーエレメント3にわたって合成樹脂片5を付け合わせた後に溶着し、スライダー用の止部14を形成してなることを特徴とするスライドファスナーの止部。
【請求項2】
合成樹脂片5は棒状体6から形成してなる請求項1記載のスライドファスナーの止部。
【請求項3】
合成樹脂片5は湾曲状の板状体7から形成してなる請求項1記載のスライドファスナーの止部。
【請求項4】
棒状体6を線条ファスナーエレメント列3における噛合頭部10の裏側に位置する噛合空間部13に挿入し溶着してなる請求項1または2記載のスライドファスナーの止部。
【請求項5】
棒状体6を線条ファスナーエレメント列3の噛合頭部10とともに、表裏方向から圧潰して溶着してなる請求項4記載のスライドファスナーの止部。
【請求項6】
板状体7を線条ファスナーエレメント列3における噛合頭部10、脚部11、連結部12の表面を被覆し溶着してなる請求項1または3記載のスライドファスナーの止部。
【請求項7】
棒状体6を隔離状態の線条ファスナーエレメント列3の内部に配し、溶着して上止め15を形成してなる請求項1、2または4記載のスライドファスナーの止部。
【請求項8】
板状体7を隔離状態の線条ファスナーエレメント列3の表面に配し、溶着して上止め15を形成してなる請求項1、3または6記載のスライドファスナーの止部。
【請求項9】
棒状体6を噛合状態の線条ファスナーエレメント列3の内部に配し、溶着して下止め16を形成してなる請求項1、2または4記載のスライドファスナーの止部。
【請求項10】
板状体7を噛合状態の線条ファスナーエレメント列3の表面に配し、溶着して下止め16を形成してなる請求項1、3または6記載のスライドファスナーの止部。
【請求項11】
ファスナーチェン1の表面側Aのファスナーテープ4上にインクジェットによる模様20を現出し、または/および止水加工を施し、ファスナーテープ4の一側縁に合成樹脂製の線条ファスナーエレメント列3を装着し、ファスナーエレメント列3の末端側に位置する複数個のファスナーエレメント3にわたって合成樹脂片5を付け合わせた後に溶着して止部14を形成した請求項1記載の止部を具備してなるスライドファスナー。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、合成樹脂製のコイルタイプ、ジグザグタイプの線条ファスナーエレメントをファスナーテープの一側縁に取り付けたスライドファスナーおよび隠しスライドファスナーの上止めまたは下止めの止部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成樹脂製のコイルタイプまたはジグザグタイプの線条スライドファスナーおよび隠しスライドファスナーにおける上止め、下止めの止部に関し、種々タイプの止部が提案されている。たとえば図26に示すように線条ファスナーエレメント列の末端部における複数個のエレメントの頭部にわたり、それらのテープ寄りの裏面に断面円形状の合成樹脂片を溶着可能に形成し、合成樹脂片はエレメント列の末端に位置する端部を表面へ曲げて屈曲部を設け、屈曲部の端面がエレメントの表面よりも低く形成し、屈曲部をエレメント列末端のエレメント頭部の側面に形成された湾入した噛合面に溶着した止部が実公昭56−51773号公報に開示されている。
【0003】
また、図27に示すように合成樹脂製の線条ファスナーエレメント列のうち、複数個のエレメントの上側に合成樹脂製フィルム片を載置して溶着するとともに、エレメントの脚部を縫着している縫糸の上側のフィルム片を他の部分よりも肉厚に形成して凸条を設け、この凸条によって縫糸を保護し、凸条以外の部分はエレメントの裏面まで包み込んだ状態に付着させた止部が実公昭59−25221号公報に開示されている。
【0004】
さらに、図28に示すように合成樹脂製のコイルタイプまたはジグザグタイプの線条ファスナーエレメント列が噛合した状態における複数個のエレメント頭部の裏側に存在する空隙部に金属製の頭部付きピンを挿入して左右のエレメントを固定した止部が実公昭51−4823号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前項で述べた図26に示した止部は、合成樹脂片を超音波加工によって線条ファスナーエレメント列の頭部の下面に加圧して溶着するとともに、末端をエレメントの表面側へ屈曲してエレメント頭部の側面に溶着するものであり、合成樹脂片の溶着加工がきわめて面倒で安価に作製することができない。合成樹脂片はエレメントの表面に溶着させたものであるから、使用中に剥離するおそれがある。
【0006】
また、図27に示した止部は合成樹脂製フィルムを複数個の線条ファスナーエレメントの上面へ載置して止部の表面が凸字状を呈するように超音波加工するが、フィルムの端部にバリが生ずるおそれがあり、安全性に問題がある。さらに図28に示した止部は、合成樹脂製の線条ファスナーエレメント列内へ金属製の頭部付きピンを単に挿入したものであり、固定が不安定であり使用中に無理な力が働くとピンが抜脱するおそれがあるなど問題がある。
【0007】
この発明は、上述の問題点を考慮して発明されたものであり、請求項1記載の発明は、合成樹脂製の線条ファスナーエレメント列を装備した通常タイプまたは隠しタイプのスライドファスナーにおけるスライダーの抜脱防止用の上止め、下止めを線条ファスナーエレメントと合成樹脂片とを付け合わせた後に溶着し、堅牢で品質がよく安価に作製できるスライドファスナーの止部を提供することが主たる目的である。
【0008】
請求項2および3記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の目的に加え、止部を形成するための合成樹脂片の形態を特定することにより、それぞれ品質のよい上止め、下止めを簡易に作製できるスライドファスナーの止部を提供することが目的である。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明の目的に加え、止部を形成するための合成樹脂片に棒状体を用い、効果的な配置によって有効な停止機能を果たすことができるスライドファスナーの止部を提供することが目的である。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の目的に加え、棒状体を線条ファスナーエレメントに的確に装着し、堅牢な止部に仕上げることができるスライドファスナーの止部を提供することが目的である。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1または3記載の発明の目的に加え、止部を形成するための合成樹脂片に板状体を用い、効果的な配置によって有効な停止機能を果たすことができるスライドファスナーの止部を提供することが目的である。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1、2または4記載の発明の目的に加え、線条ファスナーエレメント列に棒状体を理想的な形で配置し、簡単に上止めを作製できるスライドファスナーの止部を提供することが目的である。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1、3または6記載の発明の目的に加え、線条ファスナーエレメント列に板状体を理想的な形で配置し、簡単に上止めを作製できるスライドファスナーの止部を提供することが目的である。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項1、2または4記載の発明の目的に加え、線条ファスナーエレメント列に棒状体を理想的な形で配置し、簡単に下止めを作製できるスライドファスナーの止部を提供することが目的である。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項1、3または6記載の発明の目的に加え、線条ファスナーエレメント列に板状体を理想的な形で配置し、簡単に下止めを作製できるスライドファスナーの止部を提供することが目的である。
【0016】
請求項11記載の発明は、通常タイプまたは隠しタイプのファスナーチェンにおけるファスナーテープに特殊な模様または加工を施したファスナーチェンに対し、請求項1記載の止部を具備したところのスライドファスナーを提供することが目的である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の発明は、合成樹脂製の線条ファスナーエレメント列3をファスナーテープ4の一側縁に装着して形成した通常タイプ、また隠しタイプのスライドファスナーにおいて、線条ファスナーエレメント列3の末端側に位置する複数個の線条ファスナーエレメント3にわたって合成樹脂片5を付け合わせた後に、超音波溶接加工などにより溶着し、スライダーの抜脱防止用の上止め15、下止め16の止部14を形成したスライドファスナーの止部を主な構成とするものである。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、上止め15、下止め16の止部14を形成するための合成樹脂片5は、棒状体6から形成したスライドファスナーの止部である。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、上止め15、下止め16の止部14を形成するための合成樹脂片5は、湾曲状を呈する板状体7から形成したスライドファスナーの止部である。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に加え、止部14を形成するための棒状体6を線条ファスナーエレメント3における噛合頭部10の裏側に位置する噛合空間部13に挿入して付け合わせた後に、超音波溶接加工などにより溶着したスライドファスナーの止部である。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成に加え、止部14を形成するための棒状体6を線条ファスナーエレメント列3内に配し、ファスナーエレメント3の噛合頭部10とともに、表裏方向から圧潰して付け合わせた後に、超音波溶接加工などにより溶着したスライドファスナーの止部である。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項1または3記載の発明の構成に加え、止部14を形成するための板状体7を線条ファスナーエレメント3における噛合頭部10、脚部11、連結部12の表面を被覆して付け合わせた後に、超音波溶接加工などにより溶着したスライドファスナーの止部である。
【0023】
請求項7記載の発明は、請求項1、2または4記載の発明の構成に加え、止部14を形成するための棒状体6を隔離状態にある線条ファスナーエレメント列3の内部に配して付け合わせた後に、超音波溶接加工などにより溶着してスライドファスナーの上止め15を形成したスライドファスナーの止部である。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項1、3または6記載の発明の構成に加え、止部14を形成するための板状体7を隔離状態にある線条ファスナーエレメント列3の表面に配して付け合わせた後に、超音波溶接加工などにより溶着してスライドファスナーの上止め15を形成したスライドファスナーの止部である。
【0025】
請求項9記載の発明は、請求項1、2または4記載の発明の構成に加え、止部14を形成するための棒状体6を噛合状態にある線条ファスナーエレメント列3の内部に配して付け合わせた後に、超音波溶接加工などにより溶着してスライドファスナーの下止め16を形成したスライドファスナーの止部である。
【0026】
請求項10記載の発明は、請求項1、3または6記載の発明の構成に加え、止部14を形成するための板状体7を噛合状態にある線条ファスナーエレメント列3の表面に配して付け合わせた後に、超音波溶接加工などにより溶着してスライドファスナーの下止め16を形成したスライドファスナーの止部である。
【0027】
請求項11記載の発明は、通常タイプまたは隠しタイプのファスナーチェン1の表面側Aに位置するファスナーテープ4にインクジェットによる各種の模様を現出し、または/およびファスナーテープ4に止水加工を施し、ファスナーテープ4の一側縁に合成樹脂製の線条ファスナーエレメント列3を装着し、ファスナーエレメント列3の末端側に位置する複数個のファスナーエレメント3にわたって、合成樹脂片5を付け合わせた後に溶着して止部14を形成した請求項1記載の止部を具備したスライドファスナーである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のスライドファスナーの止部について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0029】
この発明のスライドファスナーは、ポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維のモノフィラメントをコイル状に捲回し、またはジグザグ状に屈曲して線条ファスナーエレメント列3を作製し、この線条ファスナーエレメント列3をファスナーテープの一側縁に縫糸8によって縫着し、または織り込み、あるいは編み込んで装着して、通常タイプのスライドファスナーまたは隠しタイプのスライドファスナーに仕上げる。コイル状またはジグザグ状の線条ファスナーエレメント3は、噛合頭部10、上下脚部11、連結部12、噛合空間部13から形成され、線条ファスナーエレメント列3の内部には芯紐9を挿通し介在させることにより、ファスナーエレメント列3のファスナーテープ4への装着およびファスナーエレメント3の噛合動作の安定化を図っている。
【0030】
この発明は、上述のように形成された通常タイプのスライドファスナーまたは隠しタイプのスライドファスナーの双方に適用できる上止め15、下止め16の止部14である。図1〜3に示す通常タイプのスライドファスナーにおける上止め15の止部14について説明すると、ファスナーテープ4の一側縁にコイル状の線条ファスナーエレメント列3内に芯紐9を挿通した機素を噛合頭部10が側縁から突出する形で縫着してファスナーストリンガー2を作製する。このファスナーストリンガー2の末端側に存在する複数個のファスナーエレメント3の噛合頭部10の裏側に形成されている噛合空間部13に、ファスナーエレメント3と同種たとえばポリアミド、ポリエステルの熱可塑性樹脂または融点の低い樹脂を用いて、丸棒状の棒状体6に形成した合成樹脂片5を挿通し、棒状体6はファスナーエレメント3および芯紐9に囲まれた噛合空間部13内へ保持させた状態で付け合わせる。
【0031】
噛合空間部13に付け合わされた棒状体6は、超音波溶接加工によって、ファスナーエレメント3および芯紐9に溶着される。したがってファスナーエレメント3の噛合頭部10の裏側に存在する噛合空間部13は、溶着した合成樹脂片5で閉鎖させることにより、噛合相手のファスナーエレメント3の噛合頭部10が噛合空間部13に挿入して噛合することができないので、ファスナーチェン1からスライダーが抜脱を防ぐための上止め15としての止部の停止機能を果たすものである。
【0032】
なお、合成樹脂片5の棒状体6は、コイル状のファスナーエレメント3内で溶着するため、ファスナーエレメント3の表面にバリが表出することがなく品質のよい上止め15に仕上げることができる。また使用する棒状体6の大きさ形状は、適用するファスナーエレメント3の大きさ、さらに噛合空間部13の形状によって適宜選択される。
【0033】
図4〜6に示す止部14は、隠しタイプのスライドファスナーの上止め15であり、コイル状の線条ファスナーエレメント列3内に芯紐9を挿通した機素をファスナーテープ4の側縁側にファスナーエレメント3の連結部12が位置する形で縫糸8によって脚部11をファスナーテープ4に縫着し、このファスナーテープ4の内側に存在する縫糸8の近傍においてファスナーテープ4を折り返して噛合頭部10が折返部17から突出する形に形成して隠しタイプのファスナーストリンガー2を作製する。このファスナーストリンガー2における末端側に存在する複数個のファスナーエレメント3の噛合頭部10の裏側に存在する噛合空間部13に合成樹脂片5の棒状体6を挿通して付け合せる。
【0034】
噛合空間部13に付け合わされた棒状体6は、超音波溶接加工によって、ファスナーエレメント3および芯紐9に溶着される。したがって通常タイプのファスナーエレメント列3と同様に噛合頭部10の裏側に存在する噛合空間部13が合成樹脂片5によって閉鎖され、噛合相手のファスナーエレメント3の噛合頭部10が噛合させることができないので、隠しタイプのスライドファスナーの上止め15としての止部の停止機能を果たすものである。
【0035】
特に隠しタイプのスライドファスナーにおけるファスナーエレメント列3はファスナーストリンガー2の裏側に存在するため、上止め15も当然裏側に位置し、上止め15にバリがあると直接首などの肌に触れる機会が多く、バリの発生を完全に防ぐ必要がある。その点この発明の上止め15は、合成樹脂片5としての棒状体6がファスナーエレメント列3内に挿通され内部で溶着するから、ファスナーエレメント列3の表面にバリが生ずることがなく、品質のよい隠しスライドファスナーに仕上げることができる。また止部14の外形状が変化しないため、隠しスライドファスナーを衣服などに縫製する際、ミシンフットガイドに当接するという弊害が発生しない。
【0036】
図7、8に示す通常タイプのスライドファスナーにおける止部14は、左右のファスナーテープ4の側縁に装着したコイル状のファスナーエレメント列3を噛合させたファスナーチェン1の状態で、ファスナーチェン1の末端側の複数個のファスナーエレメント3における噛合頭部10の裏側に存在する噛合空間部13に合成樹脂片5から形成した丸棒状の棒状体6を挿通し、かつ保持させて付け合わせ、付け合わせた後に超音波溶接加工によって、ファスナーエレメント3および芯紐9に溶着固定することにより、通常タイプのスライドファスナーの下止め16としての止部14が完成する。
【0037】
図9に示す隠しタイプのスライドファスナーにおける止部14は、左右のファスナーテープ4の折返部17に装着したコイル状の線条ファスナーエレメント列3を噛合させたファスナーチェン1の状態で、ファスナーチェン1の末端側の複数個のファスナーエレメント3における噛合頭部10の裏側に存在する噛合空間部13に合成樹脂片5としての棒状体6を挿通し保持させて付け合わせた後に、超音波溶接加工によってファスナーエレメント3と芯紐9に溶着固定して、隠しタイプのスライドファスナーの下止め16としての止部14を完成させる。
【0038】
図10に示す隠しタイプのスライドファスナーの止部14は、ファスナーストリンガー2におけるファスナーテープ4の折返部17に装着したファスナーエレメント列3の噛合頭部10の裏側に存在する噛合空間部13に挿通し保持されて付け合わせた合成樹脂片5の棒状体6を超音波溶接加工によってファスナーエレメント列3および芯紐9に溶着させると同時に、ファスナーエレメント列3の噛合頭部10を上下すなわち表裏から押圧し、棒状体6を圧潰して固定した上止め15であり、ファスナーエレメント列3における止部14の横幅を拡大してスライダーの停止機能を的確にしたものである。なお、このタイプの止部14はファスナーチェン1の下止め16にも応用することができ、また通常タイプのスライドファスナーにも適用できる。
【0039】
以上、説明した各実施例のスライドファスナーの止部は、止部14を構成する基材である合成樹脂片5として棒状体6を用いたが、以下に説明する各実施例のスライドファスナーの止部14に用いる合成樹脂片5は、ポリアミド、ポリエステルの熱可塑性樹脂または融点の低い樹脂から成形したチューブを一辺で切り離して開拡し、湾曲状の板状体7に形成した合成樹脂片5を用いる。
【0040】
図11〜13に示す通常タイプのスライドファスナーにおける上止め15の止部14は、ファスナーテープ4の一側縁にコイル状のファスナーエレメント列3内に芯紐9を挿通した機素を噛合頭部10が側縁から突出する形で縫着してファスナーストリンガー2を作製する。このファスナーストリンガー2の末端側に存在する複数個のファスナーエレメント列3におけるファスナーテープ4上に現出している部分、すなわち噛合頭部10、脚部11、連結部12を湾曲状の合成樹脂片5で包囲し被覆させた状態で付け合わせた後に、この合成樹脂片5を超音波溶接加工によって、ファスナーエレメント列3に溶着固定して、噛合相手のファスナーエレメント3の噛合頭部10が噛合空間部13に挿入して噛合することができない形に形成してスライダーの抜脱を防ぐ上止め15に形成する。また合成樹脂片5の厚みを大きくすることにより、スライダーの案内柱に当接するようにして、スライダーの抜脱を防ぐ上止め15を形成する。
【0041】
図14〜16に示す隠しタイプのスライドファスナーにおける上止め15の止部14は、コイル状の線条ファスナーエレメント列3内に芯紐9を挿通した機素をファスナーテープ4の側縁側にファスナーエレメント3の連結部12が位置する形で縫糸8によって脚部11をファスナーテープ4に縫着し、このファスナーテープ4の内側に存在する縫糸8の近傍においてファスナーテープ4を折り返して噛合頭部10が折返部17から突出する形に形成して隠しタイプのファスナーストリンガー2を作製する。このファスナーストリンガー2における末端側に存在する複数個のファスナーエレメント列3における現出している噛合頭部10、脚部11、連結部12を湾曲状の合成樹脂片5で包囲し被覆させた状態で付け合わせた後に、合成樹脂片5を超音波溶接加工によって、ファスナーエレメント列3に溶着固定して、噛合相手のファスナーエレメント3の噛合頭部10が噛合空間部13に挿入して噛合することができない形に形成して、スライダーの抜脱を防ぐ上止め15に形成する。また合成樹脂片5の厚みを大きくすることにより、スライダーの案内柱に当接するようにして、スライダーの抜脱を防ぐ上止め15を形成する。
【0042】
図17、18に示す通常タイプのスライドファスナーにおける止部14は、左右のファスナーテープ4の側縁に装着したコイル状のファスナーエレメント列3を噛合させたファスナーチェン1の状態で、ファスナーチェン1の末端側の複数個のファスナーエレメント3における現出している噛合頭部10、脚部11、連結部12を湾曲状の合成樹脂片5で包囲し被覆させた状態で付け合わせた後に、合成樹脂片5を超音波溶接加工によって、ファスナーエレメント3に溶着固定することにより、通常タイプのスライドファスナーの下止め16としての止部14を完成する。
【0043】
図19、20に示す隠しタイプのスライドファスナーにおける止部14は、左右のファスナーテープ4の折返部17に装着したコイル状のファスナーエレメント列3を噛合させたファスナーチェン1の状態で、ファスナーチェン1の末端側の複数個のファスナーエレメント3における現出している噛合頭部10、脚部11、連結部12を湾曲状の合成樹脂片5で包囲し被覆させた状態で付け合わせた後に、合成樹脂片5を超音波溶接加工によって、ファスナーエレメント3に溶着固定して、隠しタイプのスライドファスナーの下止め16としての止部14を完成させる。
【0044】
なお、この発明では、合成樹脂片5の棒状体6を線条ファスナーエレメント列3の噛合空間部13に挿通して付け合わせ、また合成樹脂片5の板状体7を線条ファスナーエレメント列3の表面を被覆して付け合わせ、棒状体6、板状体7を併用し、しかる後に超音波溶接加工により棒状体6および板状体7を線条ファスナーエレメント列3に溶着して、堅牢な通常タイプのスライドファスナーおよび隠しタイプのスライドファスナーの上止め15、下止め16の止部14に形成することもできる。
【0045】
最後に図21〜25に示すスライドファスナーの実施例について説明すると、ここに示したスライドファスナーは通常タイプのスライドファスナーであって、ファスナーチェン1の表面側Aに位置するファスナーテープ4に特殊加工であるインクジェットにより各種の模様、文字などを現出し、またはファスナーテープ4に止水加工を施し、ファスナーチェン1の裏面側Bに位置するファスナーテープ4に合成樹脂製のコイル状またはジグザグ状の線条ファスナーエレメント列3に芯紐9を添装して縫糸8により縫着することによってテープ縁部に取り付けてファスナーチェン1を完成する。
【0046】
このファスナーチェン1は図22、23に示すように裏面側Bに配された噛合するファスナーエレメント列3における末端側に位置する複数個のファスナーエレメント3にわたって合成樹脂片5である棒状体6を双方のファスナーエレメント3の噛合頭部10の裏側に存在する噛合空間部13に挿通して付け合わせた後に、超音波溶接加工によって溶着固定して下止め16の止部14を作成する。このタイプの止部14はファスナーストリンガー2の上部末端における上止め15にも適用する。
【0047】
図24、25に示すようにファスナーチェン1の裏面側Bに配される噛合するファスナーエレメント列3における末端側に存在する複数個のファスナーエレメント3における末端側に存在する複数個のファスナーエレメント3におけるファスナーテープ4上に現出している噛合頭部10、脚部11、連結部12を湾曲する合成樹脂片5の板状体7で包囲し、被覆させた状態で付け合わせた後、この板状体7を超音波溶接加工によって、ファスナーエレメント列3に溶着固定して下止め16の止部14を作製する。このタイプの止部14はファスナーストリンガー2の上部末端における上止め15にも適用する。
【0048】
以上の止部14を備えたファスナーチェン1は表面側Aのファスナーテープ4には止部14の存在を示す形跡が現れないので、きわめて体裁のよいファスナーチェン1に仕上げることができる。なおファスナーテープ4に特殊加工を施すファスナーチェン1は、通常タイプのみでなく、隠しタイプのファスナーチェン1にも適用し、体裁のよい隠しスライドファスナーに仕上げることもできる。
【0049】
【発明の効果】
この発明のスライドファスナーの止部は、以上説明したとおりの構成であり、この構成によって下記の効果を奏するものである。
【0050】
この発明のうち請求項1記載の発明は、合成樹脂製の線条ファスナーエレメント列をファスナーテープの一側縁に装着し、ファスナーエレメント列の末端側に位置する複数個のファスナーエレメントにわたって合成樹脂片を付け合わせた後に溶着し、スライダー用の止部を形成したことによって、合成樹脂片を線条ファスナーエレメントに付け合わせた後に溶着するため、線条ファスナーエレメントに対し、合成樹脂片を所定の位置に的確に保持させることができ、しかも効率よく溶着させることができる効果がある。
【0051】
請求項2および3記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の効果に加え、合成樹脂片は棒状体、または湾曲状の板状体から形成したことによって、合成樹脂片を的確かつ簡易に付け合わせることができ、しかも合成樹脂片の作製が容易に行える効果がある。
【0052】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加え、棒状体を線条ファスナーエレメントにおける噛合頭部の裏側に位置する噛合空間部に挿入し溶着したことによって、線条ファスナーエレメントの表面にバリが発生することを抑制し、品質のよい止部に形成することができる効果がある。
【0053】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加え、棒状体を線条ファスナーエレメントの噛合頭部とともに、表裏方向から圧潰して溶着したことによって、線条ファスナーエレメント列の末端でより確実にスライダーを停止させ、抜脱することがない止部に形成することができる効果がある。
【0054】
請求項6記載の発明は、請求項1または3記載の発明の効果に加え、板状体を線条ファスナーエレメントにおける噛合頭部、脚部、連結部の表面を被覆し溶着したことによって、線条ファスナーエレメントの表面にバリが発生することを抑制でき、品質のよい止部に形成することができる効果がある。
【0055】
請求項7記載の発明は、請求項1、2または4記載の発明の効果に加え、棒状体を隔離状態の線条ファスナーエレメント列の内部に配し、溶着して上止めを形成したことによって、ファスナーエレメントが隔離した状態のファスナーストリンガーに簡単に棒状体を採択利用し、容易に上止めを作製できる効果がある。
【0056】
請求項8記載の発明は、請求項1、3または6記載の発明の効果に加え、板状体を隔離状態の線条ファスナーエレメント列の表面に配し、溶着して上止めを形成したことによって、ファスナーエレメントが隔離した状態のファスナーストリンガーに簡単に板状体を採択利用し、容易に上止めを作製できる効果がある。
【0057】
請求項9記載の発明は、請求項1、2または4記載の発明の効果に加え、棒状体を噛合状態の線条ファスナーエレメント列の内部に配し、溶着して下止めを形成したことによって、ファスナーエレメントが噛合した状態のファスナーチェンに簡単に棒状体を採択利用し、容易に下止めを作製できる効果がある。
【0058】
請求項10記載の発明は、請求項1、3または6記載の発明の効果に加え、板状体を噛合状態の線条ファスナーエレメント列の表面に配し、溶着して下止めを形成したことによって、ファスナーエレメントが噛合した状態のファスナーチェンに簡単に板状体を採択利用し、容易に下止めを作製できる効果がある。
【0059】
請求項11記載の発明は、請求項1記載の止部を備えたスライドファスナーは、ファスナーチェンにおけるファスナーテープ上に特殊加工、すなわちインクジェットによる模様付け、または止水加工を施したファスナーテープを止部の装着による損傷を防ぎ、きわめて美しい体裁のよいスライドファスナーに仕上げることができる効果があるなど、この発明が奏する効果はきわめて顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常タイプのスライドファスナーに棒状体を用いた上止めの斜視図である。
【図2】同上の上止めの正面図である。
【図3】同上の上止めのA−A線断面図である。
【図4】隠しタイプのスライドファスナーに棒状体を用いた上止めの斜視図である。
【図5】同上の上止めの正面図である。
【図6】同上の上止めのB−B線断面図である。
【図7】通常タイプのスライドファスナーに棒状体を用いた下止めの正面図である。
【図8】同上の下止のC−C線断面図である。
【図9】隠しタイプのスライドファスナーに棒状体を用いた下止めの断面図である。
【図10】隠しタイプのスライドファスナーにおける圧潰した上止めの断面図である。
【図11】通常タイプのスライドファスナーに板状体を用いた上止めの斜視図である。
【図12】同上の上止めの正面図である。
【図13】同上の上止めのD−D線断面図である。
【図14】隠しタイプのスライドファスナーに板状体を用いた上止めの斜視図である。
【図15】同上の上止めの正面図である。
【図16】同上の上止めのE− E線断面図である。
【図17】通常タイプのスライドファスナーに板状体を用いた下止めの正面図である。
【図18】同上の下止めのF− F線断面図である。
【図19】隠しタイプのスライドファスナーに板状体を用いた下止めの正面図である。
【図20】同上の下止めのG−G線断面図である。
【図21】表面にインクジェットによる模様付けをしたファスナーチェンの正面図である。
【図22】同上のファスナーチェンの裏面に棒状体から形成した止部の正面図である。
【図23】同上のファスナーチェンのH−H線断面図である。
【図24】図21に示したファスナーチェンの裏面に板状体から形成した止部の正面図である。
【図25】同上のファスナーチェンのI−I線断面図である。
【図26】公知の下止めの断面図である。
【図27】公知の上止めの断面図である。
【図28】他の公知の下止めの斜視図である。
【符号の説明】
1      ファスナーチェン
3      ファスナーエレメント(列)
4      ファスナーテープ
5      合成樹脂片
6      棒状体
7      板状体
10      噛合頭部
11      脚部
12      連結部
13      噛合空間部
14      止部
15      上止め
16      下止め
20      模様




 

 


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