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発明の名称 釣竿
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2004−57084(P2004−57084A)
公開日 平成16年2月26日(2004.2.26)
出願番号 特願2002−220295(P2002−220295)
出願日 平成14年7月29日(2002.7.29)
代理人
発明者 谷川 尚太郎 / 太田 昭
要約 課題
違和感のないスムーズなズーム操作を行うことができる釣竿の提供。

解決手段
この釣竿10は、元上節14が元節15に対して伸縮するズーム機構を備える。元上節14の後端面を覆うように衝撃吸収部材26が設けられている。衝撃吸収部材26は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等より構成される。元上節14は、嵌合部材24の内部に挿入される。嵌合部座24は、元上節14の嵌合を案内する傾斜面31を有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
元上節が元節に対して収納された収納位置と突出された突出位置との間で相対的に位置変化可能に設けられ、各位置において元上節が元節に対して相対的に保持されるズーム機構を備えた釣竿において、
上記元上節の後端面を覆う衝撃吸収部材が当該元上節の後端部に設けられていることを特徴とする釣竿。
【請求項2】
上記元上節の後端面外縁部に、C面が形成されている請求項1記載の釣竿。
【請求項3】
元上節が元節に対して収納された収納位置と突出された突出位置との間で相対的に位置変化可能に設けられ、各位置において元上節が元節に対して相対的に保持されるズーム機構を備えた釣竿において、
上記元上節が上記収納位置へと位置変化される際に、当該元上節の後端部が挿入嵌合される嵌合部材が上記元節の後端部に設けられ、
当該嵌合部材は、上記元上節の嵌合を案内する嵌合案内面を備え、
上記元節は、上記元上節が収納位置へと位置変化される際に、上記元上節の後端面を上記嵌合案内面に案内するスライド案内面を備えていることを特徴とする釣竿。
【請求項4】
上記スライド案内面は、上記元節の内壁面により構成されている請求項3記載の釣竿。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術の分野】
この発明は、いわゆるズーム機構を搭載する釣竿に関し、詳しくは、釣竿を構成する元節及び元上節の保持機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
釣竿は、一般に複数の棒状の釣竿構成部材から構成されている。各釣竿構成部材は、外径の小さいものから順に第1節、第2節と呼ばれる。各節は一般にテーパを有する中空パイプ状に形成される。ただし、第1節のみあるいは第1節の一部のみが中実棒状に形成されることがある。
第1節の後端部は第2節の先端部に、また、第2節の後端部は第3節の先端部に連結され、このようにして各節が隣り合う他の節と互いに継がれる。各節間の継ぎ形式は、振出式、並継式、インロー継式等、さまざまである。ここで、外径の最も大きい節を特に「元節」といい、元節の先端部に連結される節を特に「元上節」という。
【0003】
ところで、釣竿の種類によっては、その定格長さ(たとえば磯竿では5.3m)が変化される機構(「ズーム機構」と称される。)を有するものがある。このズーム機構は、元節に対して元上節が所定の係合力で相対的に係合保持されており、必要なときに、その係合が解除されて元節に対して元上節が引き出された状態となるものである。このズーム機構によって、元節の長さ分だけ釣竿全体の長さが伸縮されるようになっている。
【0004】
図10は、一般的なズーム機構を備える釣竿の後端部分の拡大断面図であって、元節に対する元上節の保持構造が詳細に図示されている。
ズーム機構は、同図が示すように、元節1と元上節3との保持機構を備えている。すなわち、ズーム機構は、環状の嵌合部材2を備えており、これが元節1の後端部の内側に嵌め込まれている。この嵌合部材2の内径は、元上節3の後端部の外径に対応している。なお、参照符号4は、嵌合部材2に嵌め込まれた栓部材を示している。
【0005】
この構造では、元上節3が元節1内に収容されたときは(すなわち、実釣時における釣竿の全長が短くされたとき)、元上節3の後端部が嵌合部材2の内部に押し込まれ、これにより、元節1に対して元上節3が所定の係合力(嵌合力)で係合保持される。そして、元節1に対して元上節3が引き出されるときは(すなわち、実釣時における釣竿の全長が長くされたとき)、元節1が軸方向(図中右側)に引っ張られて両者の嵌合が外されることにより、元節1に対して元上節3が相対的に引き出される(なお、元上節3と元節1との相対的な伸縮動作は、釣人によって行われるものであり、このような操作は「ズーム操作」と称される)。
このようなズーム機構では、元節1の内側に嵌合部材2が嵌め込まれる構造であるから、元節1と元上節3との間に、嵌合部材2の肉厚dの寸法分だけ隙間が必然的に生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図11は、元上節3が元節1内に収容されるときの両者の位置関係を図示したものである。
同図が示すように、元上節3が元節1に係合するときは、まず、嵌合部材2の先端に当接(衝突)する。通常、嵌合部材2の先端面には、図示されたような案内面5が形成されている。これにより、元上節3は、嵌合部材2の内部に案内され、元節1と係合する。
【0007】
しかしながら、嵌合部材2が製造されるうえで、その先端部が完全に尖った形状に形成されることはきわめて困難であり、通常0.5mm程度の肉厚tが設定される。
このため、元上節3が元節1内に収容される際に、元上節3の後端面6が嵌合部材2の先端面7に衝突する場合がある。特に元節1のテーパが大きい場合(すなわち、元節の先端部外径と後端部外径との差が大きく、上記寸法dが大きい場合)には、両者は非常に衝突しやすくなる。
【0008】
元上節3の後端面6と嵌合部材2の先端面7との衝突は、釣竿の機能に何ら悪影響を与えるものではないが、釣竿の使用者側からすれば、ズーム操作を行う際に衝撃が手に伝わり、違和感のある操作となる。
そこで、本発明の目的は、違和感のないスムーズなズーム操作を行うことができる釣竿を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成するため、本願に係る釣竿は、元上節が元節に対して収納された収納位置と突出された突出位置との間で相対的に位置変化可能に設けられ、各位置において元上節が元節に対して相対的に保持されるズーム機構を備えた釣竿において、上記元上節の後端面を覆う衝撃吸収部材が当該元上節の後端部に設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
この構成によれば、元上節が収納位置へと位置変化されるときに、(釣人がかかる位置変化をさせる操作は、特に「ズームイン操作」と称される。)元上節の後端部が元節の後端部の内側等一定の部位に当接(衝突)することがあったとしても、衝撃吸収部材が元上節の後端面を覆っているので、その衝突の際の衝撃が緩和される。
【0011】
上記元上節の後端面外縁部に、C面が形成されていてもよい。
この構成では、ズームイン操作がなされる際に元上節の後端部が元節の上記一定の部位に衝突したとしても、C面によって、その衝突の際の衝撃がさらに緩和される。
【0012】
(2) また、上記目的を達成するため、本願に係る釣竿は、元上節が元節に対して収納された収納位置と突出された突出位置との間で相対的に位置変化可能に設けられ、各位置において元上節が元節に対して相対的に保持されるズーム機構を備えた釣竿において、上記元上節が上記収納位置へと位置変化される際に、当該元上節の後端部が挿入嵌合される嵌合部材が上記元節の後端部に設けられ、当該嵌合部材は、上記元上節の嵌合を案内する嵌合案内面を備え、上記元節は、上記元上節が収納位置へと位置変化される際に、上記元上節の後端面を上記嵌合案内面に案内するスライド案内面を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
この構成によれば、元節がスライド案内面を備えているので、元上節が収納位置へと位置変化されるときに、元上節の後端部は、嵌合部材の嵌合案内面に案内される。この嵌合案内面に案内された元上節の後端部は、嵌合案内面によって円滑に元節に嵌合する。すなわち、ズームイン操作が行われる際に、元上節の後端部が元節の後端部の内側等一定の部位に当接(衝突)することがあったとしても、その衝突の際に大きな衝撃が生じることはない。
【0014】
上記スライド案内面は、上記元節の内壁面により構成されていてもよい。
この構成では、元節の内壁面が上記スライド案内面を兼ねるので、スライド案内面を構成する特別の部材は不要である。これにより、釣竿の構造を簡略化し、釣竿の軽量化、低廉化が実現される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0016】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る釣竿10の正面図である。釣竿10の概略構成は、次の通りである。
この釣竿10は、いわゆるインナーガイドタイプの振出式釣竿である。釣竿10は、第1節11から第5節15により構成されており、第4節14(すなわち元上節14)が第5節15(すなわち元節15)に対して伸縮するズーム機構を搭載している。各節11〜15は、カーボンファイバーを素材とした中空パイプ状に形成されており、既知の製法により構成されている。
【0017】
第1節11は第2節12の内部に引き出し自在に収容されている。また、第1節11の先端には、釣糸が導き出されるトップガイド16が設けられている。第1節11の外径はテーパ状に形成されており、先端径よりも後端径の方が大きく設定されている。そして、第1節11の後端径は、第2節12の先端径よりも大きく設定されており、第1節11を第2節12から引き出した際に、第1節11の後端部分が第2節12の先端部分とかみ合って両者が固定されるようになっている。
なお、第2節12と第3節13との関係および第3節13と元上節14との関係も同様である。また、第2節12ないし元節15の先端部には、当該部分の剛性を向上させ、隣り合う節のかみ合いを確実なものとするために、リングR1〜R4が装着されている。
【0018】
元上節14の先端部分には図示しない釣糸導入孔が設けられており、この釣糸導入孔に釣糸を導くための導入ガイド17が取り付けれている。なお、上記トップガイド16および導入ガイド17は、既知の構成であるので、その詳しい説明は省略する。
元節15には、リールシート18が一体的に形成されている。このリールシート18は、リール(図示せず)を着脱自在に保持するためのものであって、リール脚部の一方を収容保持するフード部19及びリール脚部の他方を収容保持するフード部材20を備えている。フード部材20は、リールを載置する載置面21に沿って図中左右にスライド可能となっており、フード部19との間でリール脚部を挟持した位置で固定されるようになっている。なお、かかるリールシート18についても既知の構造であるので、その詳しい説明は省略される。
【0019】
本実施形態では、リールが装着されるタイプの釣竿について開示されているが、本発明はこのタイプの釣竿に限定されるものではなく、例えば渓流用釣竿等のいわゆる延べ竿にも適用されるものであることは言うまでもない。
【0020】
次に、上記ズーム機構は、前述のように元上節14を元節15に対して相対的に伸縮させるものである。具体的には、元上節14が、元節15に対して収納位置(図1に示す位置)と、この収納位置から図中左側へ突出した突出位置との間で位置変化可能となっている。各位置において元上節14は、元節15に対して所定の保持力で相対的に保持される。これにより、釣人は、元上節14が収納位置の状態又は突出位置の状態で釣竿10を使用することができる。なお、第4節14が保持されるための保持機構22は、後述される。
【0021】
また、元上節14の中間部分には、その外周を被うようにリング部材23が嵌め込まれている。このリング部材23は、元上節14が収納位置となったときに、元上節14と元節15との間にがたつきが生じるのを防止するためのものであり、元上節14が収納位置となったときに、元節15の先端内部(リングR4の内側)に進入するようになっている。
【0022】
前述のように、上記ズーム機構は上記保持機構22を備えており、本実施形態の特徴とするところは、この保持機構22の構造にある。この保持機構22によれば、元上節14の保持及び保持解除、すなわち元節15に対する元上節14の伸縮動作(ズーム操作)が滑らかに行われるようになっている。以下、保持機構22について詳述される。
【0023】
図2は、図1における釣竿10の後端部分(元節15の後端部)の構造、すなわち、上記保持機構22の構造を詳細に示す図である。
この保持機構22は、元節15の後端部内側に嵌め込まれた嵌合部材24と、元節15の後端に設けられた尻栓25と、元上節14の後端に設けられた衝撃吸収部材26とを備えている。
嵌合部材24は、元上節14が収納位置となったときに、元上節14の後端部と嵌合し、元上節14を所定の保持力で保持する。
【0024】
図3は、嵌合部材24の斜視図である。
嵌合部材24は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)(ガラス繊維が含有しているものも含む。)等により構成されており、全体として円筒状に形成されている。嵌合部材24の外径は、元節15の後端部の内径に対応しており、元節15の後端部の内側にぴったりと嵌め込まれている。嵌合部材24の後端は、図3が示すように、元節15の後端と一致するように(いわゆる面一状態で)配置されている。なお、嵌合部材24は、例えば接着剤等により、元節15に固着されていてもよい。
【0025】
嵌合部材24の内側には、嵌合片27が設けられている。本実施形態では、嵌合片27は、嵌合部材24と一体的に形成されている。もっとも、嵌合片27は、別部材として構成され、既知の固着手段によって嵌合部材24に固着されていてもよい。嵌合片27は、同図が示すように、板状部材により構成されている。本実施形態では、嵌合片27は、6枚設けられており、嵌合部材24の内壁面の周方向に沿って均等に放射状に配置されている。なお、嵌合片27の個数は、特に限定されるものではなく、3枚〜16枚の範囲で設けられる。
【0026】
各嵌合片27は、同一の形状を呈し、嵌合部材24の径方向内側に突出するように立設されている。各嵌合片27は、図2が示すように、略台形形状に形成されている。具体的には、各嵌合片27は、嵌合部材24の先端28の内壁面に滑らかに連続し、嵌合部材24の径方向内側へ向かってその高さ寸法が漸次大きくなるように延設され、その後、一定の高さ寸法が維持されて嵌合部材24の軸方向へ延設されている。
【0027】
すなわち、各嵌合片27は、嵌合部材24の先端28に連続する縮径部29と、これに連続する定径部30とを有している。そして、縮径部29は、嵌合部材24の先端28から軸方向後方に向かって、当該嵌合部材24の内径を漸次縮径するように形成され、これにより、縮径部29の上面は傾斜面31を形成している。なお、この傾斜面31は、元上節14が元節15に嵌め込まれる際に、両者の嵌合を案内する嵌合案内面として機能する。
また、定径部30は、縮径部29に連続し、嵌合部材24の内径を一定に保つように形成されている。つまり、定径部30の上面32は、嵌合部材24の軸方向に平行となるように形成されている。定径部30の軸方向寸法は、所定寸法に設定されており、上記尻栓25が確実に嵌め込まれるようになっている。
【0028】
本実施形態では、嵌合片27の全長L1は、5mm〜30mm、嵌合部材24の最大内径Dは、10mm〜35mm、最小内径dは、3mm〜33mmに設定される。また、嵌合片27の全長L2は、5mm〜30mm、定径部30の軸方向寸法L3は、4mm〜30mmに設定される。特に、釣竿10では、L1=10.0mm、L2=10.0mm、L3=7.0mm、D=21.4mm、d=17.27mmに設定されている。
【0029】
尻栓25は、段付き円柱状に形成されており、小径部33と大径部34とを有する。尻栓25は、樹脂、金属等により構成される。小径部33の外径は、上記嵌合部材24の最大外径Dに対応しており、嵌合部材24の後端部にぴったりと嵌め込まれるようになっている。
本実施形態では、小径部33の外周面に雄ねじが形成され、嵌合部材24の後端部内側に雌ねじが形成されており、尻栓25が嵌合部材24にねじ込まれるようになっている。また、小径部33と大径部34との境界部分(段付き部分)にOリング35が配設されており、これにより、尻栓25は、確実に嵌合部材24に締め込まれると共に、外部から釣竿10の内部への水の侵入が防止されている。
なお、上記小径部33の軸方向寸法は、所定寸法に設定されている。このため、小径部33の軸方向端面36は、元節15内部で所定位置に配置され、元上節14が元節15に嵌め込まれたときに(収納位置)、元上節14の位置決めを行うようになっている。
【0030】
衝撃吸収部材26は、元上節14の後端面を覆うように、元上節14に嵌め込まれている。衝撃吸収部材26は、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等により構成されている。
図4は、衝撃吸収部材26の斜視図であり、元上節14に嵌め込まれた状態が示されている。
【0031】
衝撃吸収部材26は、同図が示すように、段付きの筒状に形成されており、嵌入部37とフランジ部38とを有している。嵌入部37は、円筒状を呈しており、その外径は元上節14の後端部の内径に対応している。このため、嵌入部37は、元上節14の内部にぴったりと嵌め込まれている。また、フランジ部38は、断面が略コ字状に形成されており、嵌入部37に連続して一体的に形成されている。フランジ部38は、図2が示すように、元上節14の後端部を取り囲むように配置されており、当該後端部に所定の係合力で係合している。
本実施形態では、衝撃吸収部材26は、肉厚寸法tが、0.5mm〜1.0mmに設定されている。このため、衝撃吸収部材26が元上節14に装着されたときは、フランジ部38の縁部は、図2が示すように、元上節14の周面から寸法tだけ径方向に突出している。
【0032】
本実施形態に係る釣竿10では、釣人がズームイン操作を行って元上節14が収納位置へと位置変化されるときに、元上節14の後端部が元節15内に配置された嵌合部材24の先端28に衝突することがあったとしても、元上節14には上記衝撃吸収部材26が設けられており、これにより、元上節14の後端面が覆われているので、当該衝突の際の衝撃が緩和される。特に元節が大きなテーパを有する形状に形成されている釣竿においては、元上節が嵌合部材と激しく衝突する傾向にあるので、かかる効果は絶大となる。
したがって、この釣竿10では、釣人は、違和感のないスムーズなズーム操作を行うことができる。
【0033】
特に本実施形態では、衝撃吸収部材26は、元上節14の周面から寸法tだけ径方向に突出している。このため、元上節14が嵌合部材24に嵌合したときに、隙間が生じることはない。したがって、元上節14が収納位置に位置変化されたときは、元節15と元上節14との間にがたつきが生じることはなく、剛性感のあるズーム機構が実現される。
一方、衝撃吸収部材26を介して元上節14と嵌合部材24とが嵌合するので、両者の固着が防止される。したがって、釣人は、ズーム操作を円滑に行うことができる。
【0034】
次に、本実施形態の変形例について説明される。
図5は、本実施形態の第1の変形例に係る釣竿10の要部拡大断面図であり、元上節14の後端部の構造が詳細に示されている。
本変形例が上記実施形態と異なるところは、上記実施形態では、元上節14の後端部に、NBRにより一体的に形成された衝撃吸収部材26が嵌め込まれていたのに対し、本変形例では、栓部材39が元上節14の後端部にねじ込まれている点である。なお、その他の構成については、上記実施形態に係る釣竿10と同様である。
【0035】
栓部材39は、図5が示すように、小径部40と大径部41とを有している。栓部材39は、例えば、NBR等により構成されている。
小径部40は、円筒状に形成されており、その外径は、元上節14の後端部の内径に対応している。小径部40の周面には、雄ねじが形成されている。また、大径部41は、小径部40に連続して形成されている。
なお、元上節14の後端部の内面に雌ねじが形成されており、この雌ねじと上記雄ねじが螺合されることによって、栓部材39が元上節14にねじ込まれている。ただし、小径部40及び元上節14に上記雄ねじ及び雌ねじが形成された構成ではなく、小径部40が元上節14の後端部に嵌め込まれるような構成であってもよいことは勿論である。
【0036】
大径部41の外周面及び端面に、衝撃吸収部材42が取り付けられている。この弾性吸収部材42は、上記実施形態に係る衝撃吸収部材26と同様の材料により構成されている。なお、衝撃吸収部材42は、弾性塗料(例えば、セノセフト(商品名))が塗布されることにより構成されていてもよい。
このように衝撃吸収部材42が取り付けられることにより、元上節14の後端面が衝撃吸収部材42によって覆われることになる。
【0037】
したがって、上記実施形態と同様に本変形例に係る釣竿10においても、釣人がズームイン操作を行って元上節14が収納位置へと位置変化されるときに、元上節14の後端部が元節15内に配置された嵌合部材24の先端28に衝突することがあったとしても、その衝突の際の衝撃が緩和される。その結果、釣人は、違和感のないスムーズなズーム操作を行うことができる。
【0038】
次に、上記実施形態の第2の変形例について説明される。
図6は、上記実施形態の第2の変形例に係る釣竿10の要部拡大断面図であり、元上節14の後端部の構造が詳細に示されている。
本変形例が上記実施形態と異なるところは、元上節14の後端面外縁部43にC面44が形成されている点、及び衝撃吸収部材45のフランジ部46は、このC面44に沿うように形成されている点である。
なお、本変形例では、衝撃吸収部材45は、弾性塗料(例えば、セノセフト(商品名))が塗布されることにより構成されるのが望ましい。
なお、その他の構成については、上記実施形態に係る釣竿10と同様である。
【0039】
本変形例においても、釣人がズームイン操作を行う際に、元上節14の後端部が元節15内に配置された嵌合部材24の先端28に衝突することがあったとしても、その衝突の際の衝撃が緩和される。しかも、元上節14には、上記C面44が形成されているから、上記衝突の際の衝撃がさらに緩和される。その結果、釣人は、一層違和感のないスムーズなズーム操作を行うことができる。
【0040】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明される。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る釣竿の要部拡大断面図であり、図8は、一部を切り欠いた状態での要部拡大斜視図である。これらの図は、釣竿のズーム機構が備える保持機構22の構造を詳細に示している。
【0041】
本実施形態の特徴とするところは、上記第1の実施形態では、元上節14に衝撃吸収部材26が設けられていたのに対し、本実施形態では、元上節14が収納位置へと位置変化される際に、元上節14の後端を傾斜面31に案内するスライド案内面47が元節15に形成されている点である。なお、その他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0042】
本実施形態では、上記スライド案内面47は、元節15の内壁面により構成されている。すなわち、本実施形態では、元節15の後端部の内側は、図7が示すように、段部48が形成されている。この段部48は、元節15の後端部の内側に大径部49と小径部50とが形成されることにより構成されている。
【0043】
図9は、図7における要部拡大図であり、段部48部分を詳細に示している。図9が示すように、嵌合部材24に嵌合片27が設けられているが、第1の実施形態と同様に、合片27には傾斜面31が形成されている。そして、この傾斜面31は、嵌合部材24に連続して形成してされており、このため、嵌合部材24の先端部24aは、傾斜面31に連続するように斜めにカットされている。
【0044】
段部48の段差寸法は、嵌合部材24の先端部24aの肉厚寸法Tと同一若しくは肉厚寸法Tよりも大きくなるように設定されている。
したがって、小径部50の内径は、上記嵌合部材24の先端部内径、すなわち、嵌合部材24の最大内径Dと同一若しくは最大内径Dよりも小さくなるように設定されている。
なお、この段部48は、元節15を成形する際に、芯金としてのマンドレルに段部を形成することにより容易に構成することができる。
【0045】
本実施形態では、釣人がズームイン操作を行って元上節14が収納位置へと位置変化されるときに、元上節14は、スライド案内面47によって案内される。このとき、上記小径部50の内径は、上記嵌合部材24の最大内径Dと同一若しくは最大内径Dよりも小さくなるように設定されているから、元上節14の後端部は、スライド案内面47によって案内されたときに、必ず、嵌合片27の傾斜面31に当接する。この傾斜面31は、前述のように、元上節14と元節15との嵌合を案内する嵌合案内面として機能するから、元上節14の後端部は、傾斜面31によって円滑に元節15側に嵌合する。
【0046】
すなわち、釣人がズームイン操作を行う際に、元上節14の後端部が嵌合部材24の先端部28に衝突することがあったとしても、その衝突の際に大きな衝撃が生じることはない。特に元節が大きなテーパを有する形状に形成されている釣竿においては、元上節が嵌合部材と激しく衝突する傾向にあるので、かかる効果は絶大となる。したがって、釣人は、違和感のないスムーズなズーム操作を行うことができる。
【0047】
特に、本実施形態では、スライド案内面47が元節15の内壁面により構成されているから、スライド面47を構成するための部材を別途元節15の内部に配置する必要はない。これにより、元節15の構造が簡略化され、釣竿全体としての製造コストが大幅に上昇することがないという利点がある。
もっとも、スライド案内面47は、例えば所要の案内部材を元節15内に取り付けることによって構成されていてもよいことは、勿論である。
また、本実施形態においても、元上節14の後端面外縁部43に上記第1の実施形態で示されたC面が形成されていてもよい。このようにC面が形成されることにより、元上節14と嵌合部材24とが衝突した際の衝撃は、一層効果的に抑えられ、釣人は、より一層違和感のないスムーズなズーム操作を行うことができるという利点がある。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、釣人がズームイン操作をする際に、元節と元上節とが衝突した場合であっても衝撃が発生しない。したがって、釣人は、違和感のないスムーズなズーム操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る釣竿の正面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係る釣竿の後端部分(元節の後端部)の構造を詳細に示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態に係る釣竿の嵌合部材の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態に係る釣竿の衝撃吸収部材の斜視図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る釣竿の要部拡大断面図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態の第2の変形例に係る釣竿の要部拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態に係る釣竿の要部拡大断面図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態に係る釣竿の一部を切り欠いた状態での要部拡大斜視図である。
【図9】図9は、図7における要部拡大図である。
【図10】図10は、一般的なズーム機構を備える釣竿の後端部分の拡大断面図である。
【図11】図11は、一般的なズーム機構を備える釣竿の、元上節が元節内に収容されるときの両者の位置関係を図示したものである。
【符号の説明】
10・・・釣竿
14・・・元上節
15・・・元節
22・・・保持機構
24・・・嵌合部材
25・・・尻栓
26・・・衝撃吸収部材
27・・・嵌合片
28・・・嵌合片の先端
29・・・縮径部
30・・・定径部
31・・・傾斜面
37・・・嵌入部
38・・・フランジ部
39・・・栓部材
40・・・小径部
41・・・大径部
42・・・衝撃吸収部材
43・・・後端面外縁部
44・・・C面
45・・・衝撃吸収部材
46・・・フランジ部
47・・・スライド案内面
48・・・段部
50・・・小径部




 

 


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