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発明の名称 両軸受リール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2004−49115(P2004−49115A)
公開日 平成16年2月19日(2004.2.19)
出願番号 特願2002−211202(P2002−211202)
出願日 平成14年7月19日(2002.7.19)
代理人
発明者 川崎 憲一
要約 課題
2種の操作部が一体形成されたクラッチ操作部材を有する両軸受リールにおいて、クラッチ操作部材をスムーズに移動できるようにする。

解決手段
両軸受リールは、リール本体2と、スプール15と、ハンドル2と、回転伝達機構と、クラッチ機構と、クラッチ操作部材17と、クラッチ制御機構とを有している。クラッチ操作部材は、第1及び第2側板8,9にそれぞれ摺動自在に装着された第1及び第2操作部17a,17b、並びにスプール後方に第1及び第2側板と隙間をあけて配置され第1及び第2操作部が両端に一体形成された第3操作部17cを有し、スプールの回転軸芯回りに回動自在に設けられ、クラッチ機構を伝達及び遮断操作するための部材である。クラッチ制御機構は、クラッチ操作部材に連結され、3つの操作部のいずれかの操作により、クラッチ機構を伝達及び遮断動作させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
釣り竿に装着され、前記釣り竿の長手方向と食い違う軸回りに釣り糸が巻き付けられる両軸受リールであって、
前記釣り竿に装着可能であり、所定の間隔をあけて対向するように配置された第1及び第2側板を有するリール本体と、
前記両側板間に回転自在に配置されたスプールと、
前記リール本体に対して回転自在であり、前記スプールを回転させるためのハンドルと、
前記ハンドルからの回転力を前記スプールに伝達する回転伝達機構と、
前記ハンドルとスプールとの間で回転力の伝達及び遮断を行うためのクラッチ機構と、
前記第1及び第2側板にそれぞれ摺動自在に装着された第1及び第2操作部、並びに前記スプール後方に前記第1及び第2側板と隙間をあけて配置され前記第1及び第2操作部が両端に一体形成された第3操作部を有し、前記スプールの回転軸芯回りに移動自在に設けられ、前記クラッチ機構を伝達及び遮断操作するためのクラッチ操作部材と、
前記クラッチ操作部材に連結され、前記3つの操作部のいずれかの操作により、前記クラッチ機構を伝達及び遮断動作させるクラッチ制御機構と、
を備えた両軸受リール。
【請求項2】
前記第1及び第2側板は、側板本体と、前記側板本体に着脱自在に設けられ、前記第1及び第2操作部を摺動自在に支持するための移動支持部とをそれぞれ有する、請求項1に記載の両軸受リール。
【請求項3】
前記クラッチ機構は、
前記スプールの回転軸芯に軸方向移動自在に設けられ、前記ハンドルの回転軸に装着されたメインギアに噛み合うピニオンギアを有し、
前記クラッチ制御機構は、
前記3つの操作部のいずれかの移動により前記回転軸芯回りに回動するクラッチカムと、
前記クラッチカムの回動により前記ピニオンギアを前記軸方向の一方に移動させるクラッチヨークと、
前記クラッチヨークを前記軸方向の他方に付勢する付勢部材とを備え、
前記第3操作部が前記クラッチカムに固定されている、請求項1又は2に記載の両軸受リール。
【請求項4】
前記クラッチカムは、
前記クラッチヨークを前記軸方向の一方に押圧するカム面を有し、前記リール本体に前記回転軸回りに回動自在に装着されたカム部と、
前記カム部と連動して回転するように前記リール本体に回動自在に自在に装着された装着部及び前記装着部から径方向に延びた後に前記回転軸芯に実質的に平行に配置されるように折り曲げられた取付部を有するクラッチプレートとを有し、
前記第3操作部は、前記取付部に前記回転軸に沿う方向に位置決めされた状態でねじ止め固定されている、請求項3に記載の両軸受リール。
【請求項5】
前記第1及び第2操作部は、リール本体の前方に向けた回動操作を行いやすくするために互いに向けて内向きに突出して形成された押圧操作部をそれぞれ有している、請求項1から4のいずれかに記載の両軸受リール。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣り用リール、特に、釣り竿に装着され、釣り竿の長手方向と食い違う軸回りに釣り糸が巻き付けられる両軸受リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
両軸受リールは、一般に、左右1対の側板を有するリール本体と、両側板間に回転自在に配置されたスプールと、スプールを回転させるためのハンドルとを備えている。側板は所定の間隔をあけて対向して配置されており、1対の側板の両外方はカバー部材により覆われている。ハンドルは、リール本体の一側に配置されたクランクとクランクに回転自在に装着された把手部とを有している。回転伝達機構は、ハンドルの回転軸(ハンドル軸)に設けられたマスターギアと、マスターギアに噛み合うピニオンギアとを備えており、マスターギアはドラグ機構を介してハンドル軸に連結されている。ピニオンギアはスプール軸に軸方向移動自在に装着されており、クラッチ機構は、ピニオンギアに設けられた係合部と、スプール軸に設けられ係合部に係合して両者を回転不能に連結する被係合部とを有している。クラッチ操作部材は、ベイトキャスティングリールの場合、スプールの後方に上下に移動自在に装着されている。クラッチ制御機構は、クラッチ操作部材の動作によりクラッチ機構を伝達及び遮断動作させる。
【0003】
このような、両軸受リール、特にベイトキャスティングリールでは、クラッチオフ(遮断状態)してキャスティング後に素早くクラッチオン(伝達状態)できるようにすることが重要である。たとえば、ルアーの着水直後に当たりを感じてフッキングを行う場合、クラッチ機構を迅速にオンする必要がある。また、ルアー着水後に所定水深にルアーを沈めたいときにもクラッチ機構を迅速にオンする必要がある。そこで、従来、リール本体の側板とスプール後方の側板間とにクラッチ操作を行える2種の操作部を設けたものが、特開平7−39285号公報に開示されている。前記公報に開示された両軸受リールは、両側板にそれぞれ装着された第1及び第2操作部、並びにスプール後方に配置された第3操作部とを有している。第3操作部は、第1及び第2操作部と一体に形成されており、両側板に両端が接触して案内される。クラッチ操作部材は、スプール軸芯回りに回動するクラッチカムに固定されている。
【0004】
このような構成の両軸受リールでは、側板側に設けられた第1及び第2操作部によりキャスティング時にサミングをしている手を僅かにずらすだけでクラッチ機構をオン操作でき、クラッチ機構を迅速にオン操作できる。しかも、側板の両側に第1及び第2操作部が設けられているので、左右いずれのハンドルの両軸受リールの場合にも、左右いずれの手でキャスティングしてもサミングする親指で迅速にクラッチ機構をオンできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の両軸受リールでは、第3操作部が両側板に接触して案内されている。このため、第1又は第2操作部を操作したときや第3操作部を操作したときに、第3操作部が傾くとクラッチ操作部材がこじるおそれがある。クラッチ操作部材がこじると、第1操作部含むクラッチ操作部材全体がスムーズに移動しなくなり、クラッチ操作部材で瞬時にクラッチオン操作を行いにくくなる。
【0006】
本発明の課題は、2種の操作部が一体形成されたクラッチ操作部材を有する両軸受リールにおいて、クラッチ操作部材をスムーズに移動できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る両軸受リールは、釣り竿に装着され、釣り竿の長手方向と食い違う軸回りに釣り糸が巻き付けられるリールであって、リール本体と、スプールと、ハンドルと、回転伝達機構と、クラッチ機構と、クラッチ操作部材と、クラッチ制御機構とを有している。リール本体は、釣り竿に装着可能であり、所定の間隔をあけて対向するように配置された第1及び第2側板を有している。スプールは、両側板間に回転自在に配置されている。ハンドルは、リール本体に回転自在に支持され、スプールを回転させるためのものである。回転伝達機構は、ハンドルからの回転力をスプールに伝達する機構である。クラッチ機構は、ハンドルとスプールとの間で回転力の伝達及び遮断を行うための機構である。クラッチ操作部材は、第1及び第2側板にそれぞれ摺動自在に装着された第1及び第2操作部、並びにスプール後方に第1及び第2側板と隙間をあけて配置され第1及び第2操作部が両端に一体形成された第3操作部を有し、スプールの回転軸芯回りに回動自在に設けられ、クラッチ機構を伝達及び遮断操作するための部材である。クラッチ制御機構は、クラッチ操作部材に連結され、3つの操作部のいずれかの操作により、クラッチ機構を伝達及び遮断動作させるものである。
【0008】
この両軸受リールでは、側板に配置された第1及び操作部とスプール後方に配置された第3操作部とが一体形成されているため、クラッチ操作部材がC字状に形成される。この3つの操作部のいずれを操作してもクラッチ操作部材がスプールの回転軸芯回りに回動してクラッチ制御機構によりクラッチ機構が伝達及び遮断動作する。このため、左右いずれの手でキャスティングしてもサミングする親指でクラッチ機構を伝達操作(クラッチオン操作)できる。このクラッチ操作部材の第3操作部は、両側板と隙間をあけて配置されている。そして、第1及び第2操作部が両側板に摺動自在に装着されている。ここでは、第3操作部を側板と隙間をあけて配置して側板に案内されないようにし、両端に配置される第1及び第2操作部を側板に摺動自在に装着してその部分でクラッチ操作部材が側板に案内されている。このため、クラッチ操作部材が両端の2箇所で側板に案内されることになり、クラッチ操作部材が傾きにくくなる。また、傾いても第3操作部と側板との間に隙間があるのでこじることはない。このため、どの操作部で操作してもクラッチ操作部材をスムーズに移動させることができる。
【0009】
発明2に係る両軸受リールは、発明1に記載のリールにおいて、第1及び第2側板は、側板本体と、側板本体に着脱自在に設けられ、第1及び第2操作部を摺動自在に支持するための移動支持部とをそれぞれ有する。この場合には、側板の支持部分が別体になるので、たとえば移動支持部の材質を摺動性が良好な材質に変えることができる。また、クラッチ操作部材の取付構造の自由度が増加する。
【0010】
発明3に係る両軸受リールは、発明1又は2に記載のリールにおいて、クラッチ機構は、スプールの回転軸芯に軸方向移動自在に設けられ、ハンドルの回転軸に装着されたメインギアに噛み合うピニオンギアを有し、クラッチ制御機構は、3つの操作部のいずれかの移動により回転軸芯回りに回動するクラッチカムと、クラッチカムの一方向の回動によりピニオンギアを軸方向の一方に移動させるクラッチヨークと、クラッチヨークを軸方向の他方に付勢する付勢部材とを備え、第3操作部がクラッチカムに固定されている。この場合には、いずれかの操作部を一方向に操作すると第3操作部が固定されたクラッチカムが一方向に回動してクラッチヨークによりピニオンギアが軸方向の一方に移動しクラッチ機構がオン又はオフする。また、他方向に操作するとクラッチカムが他方向に移動し付勢部材により押圧されたクラッチヨークによりピニオンギアが他方向に移動しクラッチオフ又はオンする。ここでは、クラッチカムに近い位置に配置されやすい第3操作部をクラッチカムに固定しているので、クラッチ操作部材とクラッチカムとの固定が容易である。
【0011】
発明4に係る両軸受リールは、発明3に記載のリールにおいて、クラッチカムは、クラッチヨークを軸方向の一方に押圧するカム面を有し、リール本体に回転軸回りに回動自在に装着されたカム部と、カム部と連動して回転するようにリール本体に回動自在に自在に装着された装着部及び装着部から径方向に延びた後に回転軸芯に実質的に平行に配置されるように折り曲げられた取付部を有するクラッチプレートとを有し、第3操作部は、取付部に回転軸に沿う方向に位置決めされた状態でねじ止め固定されている。この場合には、回転軸芯に平行に配置された取付部に第3操作部をねじ止め固定しているので、第3操作部をクラッチカムに固定しやすくなる。
【0012】
発明5に係る両軸受リールは、発明1から4のいずれかに記載のリールにおいて、第1及び第2操作部は、リール本体の前方に向けた回動操作を行いやすくするために互いに向けて内向きに突出して形成された押圧操作部をそれぞれ有している。この場合には、第1及び第2操作部を押圧操作しやすくなり、クラッチ操作をさらに行いやすくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例による両軸受リールの平面図、図2は背面図である。図に示す両軸受リールは、釣り竿に宇装着可能なリール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。リール本体1の後部には、クラッチ操作部材17がスプール軸(後述)回りに回動自在に装着されている。
【0014】
図3に示すように、リール本体1は、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1及び第2側カバー6a,6bと、前カバー7とを有している。フレーム5は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された第1及び第2側板8,9と、これらの側板8,9を連結する複数の連結部10とを有している。第1及び第2側板8,9は、図4に示すように、第1及び第2側板本体11,12と、第1及び第2側板本体11,12に着脱自在に設けられ、クラッチ操作部材17を摺動自在に支持するための第1及び第2移動支持部13,14とをそれぞれ有している。第1側板本体11は、後部にスプール取り出し用の雌ねじ付きの円形開口11aが形成された概ね板状の部材である。この雌ねじ部分にリール本体1を構成するブレーキケース65が着脱自在にねじ込まれている。第1及び第2側板本体11,12の後部には、図3〜図6に示すように、少なくとも一部に円弧状面11b,12bが形成された切欠き部11c,12cが設けられており、切欠き部11c,12cに第1及び第2移動支持部13,14がねじ止め固定されている。
【0015】
第1及び第2移動支持部13,14は、たとえば合成樹脂製の部材であり、第1及び第2側板本体11,12の円弧状面11b,12bに密着するように少なくとも一部に円弧状面が形成された装着部13a,14aと、側板本体11,12の板状部分と面一に配置される板状部13b,14bとを有している。装着部13a,14aにクラッチ操作部材17が摺動する。
【0016】
第1移動支持部13の先端には、第1側板本体11の外側面に係止される係止部13cが、基端には、第1側板本体11の外側面にねじ止め固定されるねじ止め部13dがそれぞれ突出して形成されている。また、先端部には、クラッチ操作部材17の一部が出入りする開口13eが形成され、板状部13bの基端側にはクラッチカム(後述)の一部が係合する円弧状のスリット13fが形成されている。
【0017】
第2移動支持部14の先端には、第2側板本体12の外側面に形成されたボス部12dに回転不能に係止される係止孔14cが形成されている。また、先端部には、クラッチ操作部材17の一部が出入りする開口14eが形成され、板状部14bの基端側にはクラッチカムの一部が係合する円弧状のスリット14fが形成されている。
【0018】
1対のフレーム5内には、図3及び図4に示すように、両側板8,9間に回転自在に配置されたスプール15と、スプール15に均一に糸を巻くためのレベルワインド機構24と、サミングを行う場合の親指の当てとなるサムレストを兼ねたクラッチ操作部材17と、ハンドル2とスプール15との間で回転力の伝達及び遮断を行うためのクラッチ機構19とが設けられている。またフレーム5と第2側カバー7との間には、ハンドル2からの回転力をスプール15及びレベルワインド機構24に伝えるための回転伝達機構18と、クラッチ操作部材17の操作に応じてクラッチ機構19を制御するためのクラッチ制御機構20と、ドラグ機構21と、スプール15の回転時の抵抗力を調整するためのキャスティングコントロール機構22とが設けられている。また、フレーム5と第1側カバー6aとの間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための遠心ブレーキ機構23が設けられている。
【0019】
スプール15は両側部にフランジ部15aを有しており、両フランジ部15aの間に糸巻胴部15bを有している。スプール15はその中心を貫通するスプール軸16に固定されている。スプール軸16は1対の軸受33a,33bによってフレーム5に両端部が回転自在に支持されており、スプール軸16の第2側カバー6b側の端部は第2側カバー6bを貫通して側方に突出するように延びている。
【0020】
レベルワインド機構24は、第1及び第2側板8,9間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒25内に回転自在に支持されたウォームシャフト26と、ラインガイド27とを有している。ウォームシャフト26の端部には、回転伝達機構18を構成するギア28が固定されている。また、ウォームシャフト26には螺旋状の溝26aが形成されており、ラインガイド27の一部がこの螺旋状の溝26aに噛み合っている。このため、回転伝達機構18を介してウォームシャフト26が回転させられることにより、ラインガイド27はガイド筒25に沿って往復動する。
【0021】
回転伝達機構18は、ハンドル軸30に回転自在に装着されたマスターギア31と、マスターギア31に噛み合うピニオンギア32と、前述のウォームシャフト26端部に固定されたギヤ28とを有している。ピニオンギア32は、一端側外周部に形成された歯部32aと、他端面に形成された噛み合い部32bと、歯部32aと噛み合い部32bとの間に形成された小径部32cとを有している。噛み合い部32bは、他端面の直径上に形成された係合溝32dを有しており、スプール軸16に装着された係合ピン16aと係合あるいは離脱が可能である。また噛み合い部32bの外周面は軸受35により第2側板9に回転自在に支持されている。このような構成により、ピニオンギア32の噛み合い部32bの係合溝32dとスプール軸16の係合ピン16aとによりハンドル2とスプール15との間で回転力の伝達及び遮断を行うためのクラッチ機構19が構成されている。ここでは、ピニオンギア32が外方に移動してその噛み合い部32bの係合溝32dとスプール軸16の係合ピン16aとが離脱するとクラッチオフ状態になり、ハンドル軸30からの回転力が遮断されスプール軸16に伝達されない。
【0022】
次に、クラッチ操作部材17とクラッチ制御機構20とを図4を参照して詳細に説明する。
クラッチ操作部材17は、図6に示す係合位置と図7に示す離脱位置との間で揺動自在にクラッチ制御機構20に連結されている。クラッチ操作部材17は、図4に示すように、第1及び第2移動支持部13,14の装着部13a,14aに摺動自在に装着された第1及び第2操作部17a,17bと、第1及び第2移動支持部13,14の板状部13b,14bの内側面と隙間をあけてスプール15の後方に配置された第3操作部17cとを備えている。第1及び第2操作部17a,17bは、第3操作部17cの両端に一体形成されており、全体としてクラッチ操作部材17は略C字状に形成されている。
【0023】
第1及び第2操作部17a,17bの先端部には、開口13e,14eを貫通して第1及び第2側板本体11,12の外側面に配置される棒状の装飾部17d,17eが円弧状に湾曲して形成されている。この装飾部17d,17eは、クラッチ操作部材17をクラッチオフ方向に回動させたときに第1及び第2移動支持部13,14の装着部13a,14a上に段差が生じないようにするための装飾用のものである。また、第1及び第2操作部17a,17bの先端には、リール本体1の前方に向けた回動操作を行いやすくするために互いに向けて内向きに突出して形成された押圧操作部17f,17gがそれぞれ設けられている。
【0024】
クラッチ制御機構20は、クラッチ操作部材17の回動によりスプール軸芯X回りに回動するクラッチカム40と、クラッチカム40によりスプール軸16方向外方に押圧される。クラッチヨーク41と、クラッチヨークをスプール軸16方向内方に付勢するコイルばね42と、クラッチオフ状態のクラッチ機構19をハンドル2の糸巻取方向の回転に連動してクラッチオン状態に戻すクラッチリターン機構43とを有している。
【0025】
クラッチカム40は、クラッチヨーク41をスプール軸方向の外方に押圧するカム面を有し、第2側板本体12にスプール軸回りに回動自在に装着された、たとえば合成樹脂製のカム部45と、カム部45と連動して回転するように第2側板本体12に回動自在に自在に装着された、たとえば金属製のクラッチプレート46とを有している。
【0026】
カム部45は、スプール軸16を中心に回動自在かつ軸方向移動不能に装着された筒状のカム本体部45aと、カム本体部45aから径方向外方に突出しクラッチリターン機構43が装着される突出部45bと、カム本体部45aの一面にスプール軸16と同心に配置されカム面45cとを有している。図4に示すように、カム本体部45aの裏面には係合凸部45dが形成されており、クラッチプレート46に形成された係合孔46cがこの係合凸部45dに係合し、クラッチ操作部材17の回動をカム部45に伝えている。また、クラッチヨーク41には、図示しない係合部が形成され、カム面45cが係合部に係合することにより、クラッチヨーク41がスプール軸方向外方に押圧される。
【0027】
クラッチプレート46は、第2側板本体12に回転自在に装着される装着部46a及び装着部46aから径方向に延びた後にスプール軸芯Xに実質的に平行に配置されるように折り曲げられた取付部46bとを有している。この取付部46bは、第1及び第2移動支持部13,14の板状部13b,14bに形成されたスリット13f,14fを貫通しており、両貫通部分の間でクラッチ操作部材17の第3操作部17cが取付部46bにビス止めされている。
【0028】
クラッチヨーク41は、図4に示すように、スプール軸16の外周側に配置されており、2本のピン44によってスプール軸16の軸芯Xと平行に移動可能に支持されている。なお、スプール軸16はクラッチヨーク41に対して相対回転が可能である。すなわち、スプール軸16が回転しても、クラッチヨーク41は回転しないようになっている。また、クラッチヨーク41はその中央部にピニオンギア32の小径部32cに係合する係合部41aを有している。またクラッチヨーク41を支持する各ピン44の外周で、クラッチヨーク41と第2側カバー6bとの間にコイルばね42が配置されクラッチヨーク41がスプール軸内方に付勢されている。
【0029】
このような構成では、通常状態ではピニオンギア32は内方のクラッチオン位置に位置しており、その噛み合い部32bの係合溝32dとスプール軸16の係合ピン16aとが係合してクラッチオン状態となっている。一方、クラッチヨーク41によってピニオンギア32が外方に押圧移動した場合は、係合溝32dと係合ピン16aとの係合が外れ、クラッチオフ状態となる。
【0030】
図4及び図6に示すように、クラッチリターン機構43は、解除部材47と、ラチェットホイール48とを有している。解除部材47はカム部45の突出部45bに揺動自在に装着されている。解除部材47の先端には、ラチェットホイール48の外周部に当接可能な爪部47aが形成されている。解除部材47は、トグルばね49により揺動方向の両方向に振り分けて付勢されている。
【0031】
ラチェットホイール48はハンドル軸30に回転不能に装着されており、外周部には多数の歯部48aが回転方向に間隔を隔てて形成されている。この歯部48aが解除部材47の爪部47aを押圧してクラッチカム40をクラッチオフ位置からクラッチオン位置に戻す。
次に、ドラグ機構21等の他の機構について説明する。
【0032】
ドラグ機構21は図3に示すように、マスターギア31に押圧される摩擦プレート60と、スタードラグ3の回転操作によって摩擦プレート60をマスターギア31に所定の力で押圧するための押圧プレート61とを有している。またキャスティングコントロール機構22は、スプール軸16を挟むように配置された複数のプレート62,63と、プレート62,63によるスプール軸16の挟持力を調節するためのキャップ64とを有している。キャップ64の内周部には雌ねじが形成されており、第2側カバー7側に形成された雄ねじと噛み合っている。
【0033】
遠心ブレーキ機構23は、ブレーキケース65内に配置されている。遠心ブレーキ機構23は、ブレーキケース65内に設けられた円筒状のブレーキドラム66と、ブレーキドラム66の内周側に対向して配置された複数のブレーキシュー67とを有している。ブレーキシュー67は、スプール軸16に回転不能に装着されスプール15とともに回転する回転部材68に放射状に配置され、径方向に移動自在となっている。
【0034】
次に両軸受リールの動作について説明する。
通常の状態では、図3のスプール軸芯Xより上側に示すように、クラッチヨーク41はコイルばね42によってスプールしく方向内方に押されており、これによりピニオンギア32は係合位置に移動させられている。この状態では、ピニオンギア32の係合溝32dとスプール軸16の係合ピン16aとが噛み合ってクラッチオン状態となっており、ハンドル2からの回転力は、ハンドル軸30、マスターギア31及びピニオンギア32を介してスプール軸16及びスプール15に伝達される。このとき、キャスティングコントロール機構22のキャップ64の締め付け量を調整することにより、スプール15の回転時の抵抗力を調整することが可能である。
【0035】
キャスティングを行う場合には、クラッチ操作部材17を下方に押圧する。具体的には、サミングする指の腹で第3操作部17cを押圧する。この押圧操作により、クラッチ操作部材17はスプール軸芯X回りに下方に回動して離脱位置に移動する。クラッチ操作部材17とクラッチプレート46とは連結されているので、クラッチ操作部材17を下方に回動させることによって、クラッチプレート46はスプール軸芯Xを中心に図6において反時計回りに回動する。クラッチプレート46とカム部45とは係合しているので、クラッチプレート46が反時計回りに回動すると、カム部45もトグルばね49の付勢力に抗してスプール軸16を中心に反時計回りに回動する。カム部45が反時計回りに回動するとカム部45のカム面45cにクラッチヨーク41の係合部が当接しているので、クラッチヨーク41はカム面45cに沿ってスプール軸方向外方(図3右方)に移動させられる。クラッチヨーク41はピニオンギア32の小径部32cに係合しているので、クラッチヨーク41が外方に移動することによってピニオンギア32も同方向に移動させられる。この状態を図3のスプール軸芯Xより下側に示す。この状態では、ピニオンギア32の係合溝32dとスプール軸16の係合ピン16aとの噛み合いが外れ、クラッチオフ状態となる。この状態では、ハンドル軸30からの回転はスプール軸16及びスプール15に伝達されない。
【0036】
クラッチオフ時の様子を図7に示す。ここで、クラッチ操作部材17が下方の離脱位置に移動することによってクラッチプレート46及びカム部45が回転させられると、解除部材47の前方側の先端は、ラチェットホイール48側へ移動している。
次に、キャスティング後に素早くクラッチオフ状態から再びクラッチオン状態にする場合には、サミングした指の先端でクラッチ操作部材17の第1又は第2操作部17a,17bのいずれかの押圧操作部17f,17gを押圧してクラッチ操作部材17を離脱位置から係合位置に回動させる。これによりクラッチカム40は図7の時計回りに回動し、図6に示す係合位置に戻る。この結果、コイルばね42によりクラッチヨーク41が付勢されたピニオンギア32が係合位置に移動する。これにより係合ピン16aがピニオンギア32の係合溝32dに係合し、クラッチ機構19がクラッチオン状態になる。また、図7に示すクラッチオフ状態において、ハンドル2によりハンドル軸30及びラチェット49を時計回り(糸を巻き込む方向)に回転させれば、ラチェットホイール48の歯部48aによって解除部材47の爪部47aが押される。すると、カム部45は係合位置に戻ってクラッチ機構19はクラッチオン状態となる。
【0037】
このような実施形態では、クラッチ操作部材17のみを操作することによってクラッチ機構19をオン状態又はオフ状態とすることができる。したがって、キャスティング時に親指をクラッチ操作部材17上に載せてサミングを行いながらクラッチ機構19のオンオフ制御を行うことができる。このため、キャスティング時に当たりがあったとき瞬時にクラッチオン状態にして魚を取り込むことができる。また、クラッチ機構19のオンオフを別々の部材で行うものに比べて構造が簡単になる。
【0038】
しかも、第3操作部17cを第1及び側板8,9の第1及び第2移動支持部13,14と隙間をあけて配置して側板8,9に案内されないようにし、両端に配置される第1及び第2操作部17a,17bを第1及び側板8,9の第1及び第2移動支持部13,14に摺動自在に装着してその部分でクラッチ操作部材17が第1及び側板8,9に案内されている。このため、クラッチ操作部材17が両端の2箇所で側板8,9に案内されることになり、クラッチ操作部材17が傾きにくくなる。また、傾いても第3操作部17cと側板8,9との間に隙間があるのでこじることはない。このため、どの操作部で操作してもクラッチ操作部材17をスムーズに移動させることができる。
【0039】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、リール本体が非円形の両軸受リールを例に説明したが、リール本体が円形の両軸受リールにも本発明を適用できる。
(b)前記実施形態では、側板8,9を側板本体11,12と移動支持部13,14に分割して側板のクラッチ操作部材の支持部分を別体にし、第1及び第2操作部を摺動自在に装着しやすくしたが、一体にしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明では、第3操作部を側板と隙間をあけて配置して側板に案内されないようにし、両端に配置される第1及び第2操作部を側板に摺動自在に装着してその部分でクラッチ操作部材が側板に案内されている。このため、クラッチ操作部材が両端の2箇所で側板に案内されることになり、クラッチ操作部材が傾きにくくなる。また、傾いても第3操作部と側板との間に隙間があるのでこじることはない。このため、どの操作部で操作してもクラッチ操作部材をスムーズに移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による両軸受リールの平面図。
【図2】その背面図。
【図3】その平面断面図。
【図4】クラッチ関連部分の分解斜視図。
【図5】クラッチオン状態における第1側カバーを外した状態の側面図。
【図6】クラッチオン状態における第2側カバーを外した状態の側面図。
【図7】クラッチオフ状態における第2側カバーを外した状態の側面図。
【符号の説明】
1 リール本体
2 ハンドル
8,9 第1及び第2側板
11,12 第1及び第2側板本体
13,14 第1及び第2移動支持部
15 スプール
16 スプール軸
17 クラッチ操作部材
17a,17b 第1及び第2操作部
17f,17g 押圧操作部
17c 対3操作部
18 回転伝達機構
19 クラッチ機構
20 クラッチ制御機構
32 ピニオンギア
40 クラッチカム
41 クラッチヨーク
42 コイルばね
45 カム部
46 クラッチプレート




 

 


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