米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> オンキヨー株式会社

発明の名称 低域通過フィルタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−283299(P2003−283299A)
公開日 平成15年10月3日(2003.10.3)
出願番号 特願2002−340528(P2002−340528)
出願日 平成14年11月25日(2002.11.25)
代理人 【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
【テーマコード(参考)】
5J022
5J098
【Fターム(参考)】
5J022 AB01 BA02 CA07 CA10 CB06 CF02 CF05 CF07 
5J098 AB02 AB25 AB27 AD11 CA02 CB02 CB06
発明者 関谷 守 / 工藤 洋一 / 山口 里見
要約 課題
高周波成分の減衰率の高い低域通過フィルタを提供する。

解決手段
低域通過フィルタ700は差分演算回路2と電圧電流変換回路3とコンデンサC1とを備える。電圧電流変換回路3とコンデンサC1とでフィルタ回路を構成するため、低域通過フィルタ700は高周波成分を除去できる。また、差分演算回路2はアナログ信号φAと出力信号φBの差分値として差分信号φCを出力する。よって、差分演算回路2により、必要な周波数帯域を減衰させることはない。また、差分演算回路2によりLPF700から出力される出力信号φBの位相レベルをほぼアナログ信号φAと同じにすることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】 入力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力信号として出力する低域通過フィルタであって、前記入力信号から前記出力信号を減算して差分信号を出力する差分演算手段と、前記差分演算手段から出力される電圧を電流に変換する電圧電流変換手段と、前記電圧電流変換手段から出力される電流を受けて電荷を蓄積することにより前記出力信号を生成する容量手段とを備えたことを特徴とする低域通過フィルタ。
【請求項2】 入力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力信号として出力する低域通過フィルタであって、前記入力信号から前記出力信号を減算して差分信号を出力する差分演算手段と、前記差分演算手段から出力される差分信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力する第1のフィルタ手段と、前記第1のフィルタ手段から出力される電圧を電流に変換する電圧電流変換手段と、前記電圧電流変換手段から出力される電流を受けて電荷を蓄積することにより前記出力信号を生成する容量手段とを備えたことを特徴とする低域通過フィルタ。
【請求項3】 請求項2に記載の低域通過フィルタであってさらに、前記入力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力する第2のフィルタ手段を備え、前記差分演算手段は前記第2のフィルタ手段から出力される前記入力信号の低周波成分から前記出力信号を減算して前記差分信号を出力することを特徴とする低域通過フィルタ。
【請求項4】 入力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力信号として出力する低域通過フィルタであって、前記入力信号から前記出力信号を減算して差分信号を出力する差分演算手段と、前記差分演算手段から出力される差分信号をサンプリングしかつホールドするサンプルホールド手段と、前記サンプルホールド手段から出力される電圧を電流に変換する電圧電流変換手段と、前記電圧電流変換手段から出力される電流を受けて電荷を蓄積することにより前記出力信号を生成する容量手段とを備えたことを特徴とする低域通過フィルタ。
【請求項5】 請求項4に記載の低域通過フィルタであって、前記サンプルホールド手段は、互いに異なるタイミングで前記差分信号をサンプリングしかつホールドする複数のサンプルホールド回路と、前記複数のサンプルホールド回路の出力を順に切り換える切換回路とを含むことを特徴とする低域通過フィルタ。
【請求項6】 入力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力する第1の低域通過フィルタ手段と、前記第1の低域通過フィルタ手段の出力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力する第2の低域通過フィルタ手段とを備え、前記第1の低域通過フィルタ手段は、前記入力信号から前記第1の低域通過フィルタ手段の出力信号を減算して差分信号を出力する第1の差分演算手段と、前記第1の差分演算手段から出力される差分信号をサンプリングしかつホールドするサンプルホールド手段と、前記サンプルホールド手段から出力される電圧を電流に変換する第1の電圧電流変換手段と、前記第1の電圧電流変換手段から出力される電流を受けて電荷を蓄積することにより前記第1の低域通過フィルタ手段の出力信号を生成する第1の容量手段とを含み、前記第2の低域通過フィルタ手段は、前記第1の低域通過フィルタ手段の出力信号から前記第2の低域通過フィルタ手段の出力信号を減算して差分信号を出力する第2の差分演算手段と、前記第2の差分演算手段から出力される電圧を電流に変換する第2の電圧電流変換手段と、前記第2の電圧電流変換手段から出力される電流を受けて電荷を蓄積することにより前記第2の低域通過フィルタ手段の出力信号を生成する第2の容量手段とを含むことを特徴とする低域通過フィルタ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低域通過フィルタに関し、さらに詳しくは、オーディオ装置における低域通過フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オーディオ装置に入力されたデジタル信号は、オーディオ装置内のデジタル−アナログ変換回路(Digital Analog Converter:以下DACと称する)によりアナログ信号に変換される。変換されたアナログ信号はさらに、オーディオ装置内の低域通過フィルタ(Low Pass Filter:以下、LPFと称する)により高周波成分を減衰され、その後オーディオ装置から出力される。
【0003】図17は従来のオーディオ装置におけるLPFの構成を示す回路図である。
【0004】図17を参照して、LPF200は、抵抗素子R201,R202と、コンデンサC201,C202と、オペアンプOP201とを備える。抵抗素子R201とR202とは直列に接続され、抵抗素子R202の一端はオペアンプOP201の非反転入力端子と接続される。抵抗素子R202と接続されていない抵抗素子R201の一端からはアナログ信号が入力される。コンデンサC201の一端は抵抗素子R201及びR202の間に接続され、その他端はオペアンプOP201の出力端子と接続される。コンデンサC202の一端はオペアンプOP201の非反転入力端子と接続され、その他端は接地電位ノード201に接続される。オペアンプOP201の反転入力端子はその出力端子と接続される。
【0005】オーディオ装置から出力されるアナログ信号の音質を向上させるためには、LPFがアナログ信号の高周波成分を十分に除去する必要がある。なぜなら高周波成分は音質劣化の原因となるからである。
【0006】図18はLPF200から出力されたアナログ信号の波形図である。図18に示すように、LPF200はアナログ信号から高周波成分を除去しきれない。
【0007】さらなる音質向上のため、音質劣化の原因となる高周波成分をさらに除去する必要がある。
【0008】音質向上を目的とした発明として特許文献1の発明がある。特許文献1の発明では出力信号の波形をなめらかにすることで音質の向上が図られている。
【0009】しかしながら、特許文献1の発明では、未だ高周波成分を十分に除去することができない。従って音質劣化の原因となる高周波成分をさらに除去する必要がある。
【0010】
【特許文献1】特許3134403号公報【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高周波成分の除去能力を高めたLPFを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による低域通過フィルタは、入力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力信号として出力する低域通過フィルタであって、差分演算手段と、電圧電流変換手段と、容量手段とを含む。差分演算手段は入力信号から出力信号を減算して差分信号を出力する。電圧電流変換手段は差分演算手段から出力される電圧を電流に変換する。容量手段は電圧電流変換手段から出力される電流を受けて電荷を蓄積することにより出力信号を生成する。
【0012】本発明による低域通過フィルタは電流電圧変換手段と容量手段とによりフィルタ回路を形成するため、高周波成分を大きく減衰させることができる。さらに、差分演算手段は、入力信号と出力信号との差分を演算し、それを随時出力信号に加算していくため、必要な周波数成分が除去されない。その結果、優れた音質を確保できる。
【0013】本発明による低域通過フィルタは、入力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力信号として出力する低域通過フィルタであって、差分演算手段と、第1のフィルタ手段と、電圧電流変換手段と、容量手段とを含む。差分演算手段は入力信号から出力信号を減算して差分信号を出力する。第1のフィルタ手段は差分演算手段から出力される差分信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力する。電圧電流変換手段は第1のフィルタ手段から出力される電圧を電流に変換する。容量手段は電圧電流変換手段から出力される電流を受けて電荷を蓄積することにより出力信号を生成する。
【0014】本発明の低域通過フィルタは差分演算手段の後にフィルタ手段を備えるため、さらに高周波成分の除去能力を高めることができる。さらに、必要な周波数帯域が減衰されることもない。なぜなら、クオリティファクタを上げることができ、周波数特性の通過域でのゲインの減衰を抑制できるからである。
【0015】好ましくは、低域通過フィルタはさらに第2のフィルタ手段を備える。第2のフィルタ手段は入力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力する。差分演算手段は第2のフィルタ手段から出力される入力信号の低周波成分から出力信号を減算して差分信号を出力する。
【0016】これにより低域通過フィルタはさらに高周波成分の除去能力を高めることができる。なぜならフィルタの次数を上げ、スロープ特性を急峻にすることができるからである。
【0017】本発明による低域通過フィルタは、入力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力信号として出力する低域通過フィルタであって、差分演算手段と、サンプルホールド手段と、電圧電流変換手段と、容量手段とを備える。差分演算手段は入力信号から出力信号を減算して差分信号を出力する。サンプルホールド手段は差分演算手段から出力される差分信号をサンプリングしかつホールドする。電圧電流変換手段はサンプルホールド手段から出力される電圧を電流に変換する。容量手段は電圧電流変換手段から出力される電流を受けて電荷を蓄積することにより出力信号を生成する。
【0018】この発明の低域通過フィルタはサンプルホールド手段によりノイズとなる高周波成分を十分に除去できる。その結果、高周波成分を十分に除去でき、スロープ特性をより急峻とすることができる。
【0019】好ましくは、サンプルホールド手段は複数のサンプルホールド回路と、切換回路とを含む。複数のサンプルホールド回路は互いに異なるタイミングで差分信号をサンプリングしかつホールドする。切換回路は複数のサンプルホールド回路の出力を順に切り換える。
【0020】これにより、複数のサンプルホールド回路のうちの1つのサンプルホールド回路がサンプリング指示を受けている間、他の複数のサンプルホールド回路はサンプリング指示を受けない。その結果、サンプリング指示の周期を短くしても、複数のサンプルホールド回路でサンプリングが可能となるため、サンプリングの精度が向上する。サンプリングの誤差を抑制してよりサンプリング周期を短くできるため、出力波形をなめらかにできる。
【0021】本発明による低域通過フィルタは第1の低域通過フィルタ手段と、第2の低域通過フィルタ手段とを備える。第1の低域通過フィルタ手段は入力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力する。第2の低域通過フィルタ手段は第1の低域通過フィルタ手段の出力信号の高周波成分を減衰させてその低周波成分を出力する。第1の低域通過フィルタ手段は第1の差分演算手段と、サンプルホールド手段と、第1の電圧電流変換手段と、第1の容量手段とを含む。第1の差分演算手段は入力信号から第1の低域通過フィルタ手段の出力信号を減算して差分信号を出力する。サンプルホールド手段は第1の差分演算手段から出力される差分信号をサンプリングしかつホールドする。第1の電圧電流変換手段はサンプルホールド手段から出力される電圧を電流に変換する。第1の容量手段は第1の電圧電流変換手段から出力される電流を受けて電荷を蓄積することにより前記第1の低域通過フィルタ手段の出力信号を生成する。第2の低域通過フィルタ手段は、第2の差分演算手段と、第2の電圧電流変換手段と、第2の容量手段とを含む。第2の差分演算手段は第1の低域通過フィルタ手段の出力信号から第2の低域通過フィルタ手段の出力信号を減算して差分信号を出力する。第2の電圧電流変換手段は第2の差分演算手段から出力される電圧を電流に変換する。第2の容量手段は電圧電流変換手段から出力される電流を受けて電荷を蓄積することにより第2の低域通過フィルタ手段の出力信号を生成する。
【0022】この発明の低域通過フィルタは2つの低域通過フィルタ手段を備える。よって、第1の低域通過フィルタ手段の出力信号はさらに第2の低域通過フィルタ手段で高周波成分が除去される。第1の低域通過フィルタ手段の出力信号はさらに、第2の低域通過フィルタ手段により出力信号の波形をなめらかにすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明を援用する。
【0024】図1は本発明の実施の形態におけるLPFの構成を示す機能ブロック図である。
【0025】図1を参照して、LPF700は、差分演算回路2と、電圧電流変換回路3と、コンデンサC1とを備える。
【0026】DAC7は外部から入力されるデジタル信号を受けて、アナログ信号φAを出力する。差分演算回路2はDAC7から出力されるアナログ信号φAと出力ノードN1から帰還される出力信号φBとの差分値を求める。すなわち、差分演算回路2はアナログ信号φAから出力信号φBを減算し、差分信号φCを出力する。
【0027】電圧電流変換回路3は差分演算回路2の出力信号を受け、その電圧値を電流値に変換する。
【0028】図2は電圧電流変換回路の代表的な回路図である。図2を参照して、電圧電流変換回路3は、抵抗素子R31〜R36と、オペアンプOP31とを備える。抵抗素子R31の一端はオペアンプOP31の反転入力端子に接続され、その他端は差分演算回路2の出力信号を受ける。抵抗素子R32の一端はオペアンプOP31の反転入力端子と接続され、他端は抵抗素子R33と接続される。抵抗素子R33の他端はオペアンプOP31の出力端子と接続される。抵抗素子R34の一端はオペアンプOP31の出力端子と接続され、その他端は抵抗素子R35と接続される。抵抗素子R35の他端はオペアンプOP31の非反転入力端子に入力される。抵抗素子R36の一端はオペアンプOP31の非反転入力端子に接続され、その他端は接地電位ノード201に接続される。
【0029】図2に示した電圧電流変換回路3は正帰還によって等価的に出力抵抗を高くした定電流回路である。
【0030】図1に戻って、コンデンサC1の一端は電圧電流変換回路3とノードN1で接続され、その他端は接地電位ノード201に接続される。コンデンサC1は電圧電流変換回路3から出力された電流により充電又は放電される。電圧電流変換回路3とコンデンサC1とはフィルタ回路4を構成する。フィルタ回路4は出力ノードN1から出力信号φBを出力する。
【0031】以上の回路構成を有するLPF700の動作について説明する。
【0032】図3はLPF700の動作を説明するための波形図である。
【0033】図3を参照して、縦軸は電圧Vを示し、横軸は時刻tを示す。アナログ信号φAにはノイズとなる高周波成分が含まれる。一方、出力信号φBはフィルタ回路4により、高周波成分が除去されている。
【0034】差分信号φCは式(1)で表されるとおり、アナログ信号φAと出力信号φBとの差分であるため、ノイズとなる高周波成分を含む。
【0035】φC=φA−φB (1)
時刻t1において、差分演算回路2は電圧値0の差分信号φCを出力する。時刻t1〜時刻t2において式(1)により差分信号φCは時刻t1'を極小値とした負の関数となる。よって、時刻t1〜時刻t2において、コンデンサC1は放電される。その結果、出力信号φBは下降する。一方、時刻t2〜時刻t3において、式(1)により差分信号φCは時刻t2'を極大値とした正の関数となる。よって、時刻t2〜時刻t3において、コンデンサC1は充電される。その結果、出力信号φBは上昇する。時刻t3以降の差分信号φC及び出力信号φBの動作は時刻t1〜時刻t3までの動作と同じであるため、その説明は繰り返さない。
【0036】以上の動作により、差分演算回路2は、LPF700から出力される出力信号φBの位相及びレベル(振幅)をほぼアナログ信号φAと同じとすることができる。LPF700が差分演算回路2を持たない場合は、コンデンサC1の電圧が電圧電流変換回路3内のオペアンプOP31の電源電圧に飽和する。その結果、LPFは正常な回路動作を行わない。その結果、差分演算回路2を持たないLPFでは、アナログ信号とは位相及びレベルの異なる出力信号が出力されてしまう。
【0037】よって、LPF700は、差分演算回路2によりアナログ信号と出力信号との差分値を算出することで、必要な周波数帯域を減衰させることがない。
【0038】さらに、LPF700は、差分演算回路2と出力ノードN1との間にフィルタ回路4とを備える。また、電圧電流変換回路3は高抵抗であるため、フィルタ回路4の時定数は大きい。その結果、出力信号φBから高周波成分を十分に除去できる。
【0039】図4はこの発明のさらに他の実施の形態によるLPFの構成を示すブロック図である。
【0040】図4を参照して、LPF400はLPF700と比較してサンプルホールド回路8及び制御回路20をさらに備える。制御回路20はサンプルホールド回路8を制御するためのサンプリング信号φSを出力する。その他の回路構成についてはLPF700と同じであるため、その説明は繰り返さない。
【0041】図5は図4中のサンプルホールド回路8の詳細な構成を示す回路図である。
【0042】図5を参照して、サンプルホールド回路8は第1のホールド回路9と第2のホールド回路10と切換回路11とを含む。
【0043】第1のホールド回路9と第2のホールド回路10とは並列に接続され、各々の入力端子にはともに差分信号φCが入力される。第1のホールド回路9及び第2のホールド回路10の出力端子はともに切換回路11と接続される。
【0044】第1のホールド回路9はスイッチング素子SW1とコンデンサC2とを含む。スイッチング素子SW1の一端には差分信号φCが入力され、他端は切換回路11に接続される。コンデンサC2の一端はスイッチング素子SW1と切換回路11との間に接続され、他端は接地電位ノード201に接続される。サンプリング信号φSがHレベルのとき、第1のホールド回路9内のスイッチング素子SW1がオンされ、コンデンサC2に電荷が蓄積される。また、サンプリング信号φSがLレベルのとき、スイッチング素子SW1はオフされる。第1のホールド回路9から出力される信号を信号φD1とする。
【0045】第2のホールド回路10はスイッチング素子SW2とコンデンサC3とを含む。スイッチング素子SW2の一端には差分信号φCが入力され、他端は切換回路11と接続される。コンデンサC3の一端はスイッチング素子SW2と切換回路11との間に接続され、その他端は接地電位ノード201に接続される。サンプリング信号φSがLレベルのとき、第2のホールド回路10内のスイッチング素子SW2がオンされ、コンデンサC3に電荷が蓄積される。サンプリング信号φSがHレベルのとき、スイッチング素子SW2はオフされる。第2のホールド回路10から出力される信号を信号φD2とする。
【0046】切換回路11はスイッチング素子SW3を含む。スイッチング素子SW3は入力ノードNa及びNbと出力ノードN2とを備える。サンプリング信号φSがLレベルの時にスイッチング素子SW3内の入力ノードNaと出力ノードN2とが接続される。また、サンプリング信号φSがHレベルのときに入力ノードNbと出力ノードN2とが接続される。スイッチング素子SW3から出力される信号をφDとする。
【0047】以上の回路構成を有するLPF400の動作について説明する。
【0048】図6は図4に示したLPF400の動作を説明するための波形図である。
【0049】図6に示す3つの波形図はそれぞれ差分信号φC、サンプルホールド回路8から出力された信号φD、出力信号φBである。
【0050】式(1)で示す通り、差分信号φCはDAC7から出力されたアナログ信号φAと出力信号φBとの差分である。アナログ信号φAはノイズである高周波成分を含むため、差分信号φCも高周波成分を含む。
【0051】サンプルホールド回路8は制御回路20から出力されるサンプリング信号φSに基づいて、差分信号φCを所定時間ごとにサンプリングし、サンプリングした電圧を保持する。その結果、サンプルホールド回路8は図6に示すように階段状の信号φDを出力する。
【0052】ここで、サンプルホールド回路8の動作について詳細に説明する。
【0053】図7は図4中のサンプルホールド回路8の動作を説明するための波形図である。図7を参照して、第1のホールド回路9及び第2のホールド回路10にはともに差分信号φCが入力される。
【0054】期間T1では制御回路20から出力されるサンプリング信号φSはHレベルとなる。このとき、第1のホールド回路9内のスイッチング素子SW1はオンされる。よって、コンデンサC2は充電される。その結果、第1のホールド回路9から出力される信号φD1は信号φCと同等の波形となる。一方、第2のホールド回路10に注目すると、期間T1ではスイッチング素子SW2はオフされる。よって、第2のホールド回路10から出力される信号φD2は期間T1以前にコンデンサC3が蓄積した電荷に基づいた電圧となる。その結果、差分信号φCに含まれていた高周波成分は除去される。切換回路11はサンプリング信号φSがHレベルのため、入力ノードNbと出力ノードN2とが接続される。よって、切換回路11は第2のホールド回路10から出力された信号φD2を出力信号φDとして出力する。
【0055】次に、期間T2では、サンプリング信号φSはLレベルとなる。このとき、第1のホールド回路9内のスイッチング素子SW1はオフされる。よって、信号φD1はコンデンサC2が期間T2の直前まで充電された電圧となる。その結果、差分信号φCに含まれていた高周波成分は除去される。一方、第2のホールド回路10内のスイッチング素子SW2はオンされるため、コンデンサC3は差分信号φCにより充電される。切換回路11内では入力ノードNaと出力ノードN2とが接続される。その結果、信号φD1が出力信号φDとして出力される。
【0056】以上の結果、切換回路11は期間T1及びT2ともに高周波成分が除去されているホールド電圧を出力信号φDとして出力する。よって、サンプルホールド回路8から出力された信号φDは図6又は図7に示したような階段状の波形となる。
【0057】サンプルホールド回路8は、制御回路20から出力されるサンプリング信号φSの周波数により、差分信号φCから除去する高周波成分を調整できる。すなわち、たとえばサンプリング信号φSが700KHzであれば、700KHzよりも大きい周波数の信号が高周波成分として除去される。
【0058】図4に戻って、サンプルホールド回路8から出力された信号φDはフィルタ回路4に入力される。その結果、フィルタ回路4内において階段状の波形はなめらかな出力信号φBとなる。
【0059】このとき、サンプルホールド回路8でのサンプリング周波数が高いほど階段状の波形は細かくなる。その結果、図8に示すようにフィルタ回路4から出力される出力信号φBの波形図もなめらかになる。
【0060】図9は図4に示したLPF400の周波数特性を示す図である。なお、サンプリング周波数は700KHzとしている。図9を参照して、700KHzを超えた辺りからスロープ特性は急峻となる。よって、図4に示したLPF400は、ノイズとなる高周波成分を十分に除去することができる。
【0061】本実施の形態によるLPF400では、サンプルホールド回路8内に2つのホールド回路9,10を備えている。これにより、一方のホールド回路が保持した電圧を出力している間に、他方のホールド回路はサンプリングを行うことができる。よって、差分信号φCの電圧のサンプリング期間を短くしても、その電圧値を正確にサンプリングすることができる。なお、図5においては、ホールド回路を2つとしたが、サンプリング期間をより短く、かつ、サンプリングをより正確にするためにホールド回路を2よりも多く備えることもできる。この場合、切換回路11の入力ノード数はホールド回路数と同じである。
【0062】図10はこの発明のさらに他の実施の形態によるLPFの構成を示す回路図である。
【0063】図10を参照して、LPF600はLPF700と比較して、新たにフィルタ回路12が追加されている。フィルタ回路12はDAC7と差分演算回路2との間に接続される。その他の構成については図1と同じであるため、その説明は繰り返さない。
【0064】LPF600はフィルタ回路12とフィルタ回路4とを備える。よって、LPF600は2次のフィルタ回路となる。一般的にLPFはその次数を上げることで、スロープ特性を急峻とすることができる。よって、LPF600はノイズとなる高周波成分をより除去できる。
【0065】図11は本発明のさらに他の実施の形態におけるLPFの構成を示す回路図である。図11を参照して、LPF100は、差分演算回路2と、電圧電流変換回路3と、フィルタ回路15と、コンデンサC1とを備える。
【0066】フィルタ回路15は差分演算回路2と電流電圧変換回路3との間に接続される。その他の回路構成については図1と同じであるため、その説明は繰り返さない。
【0067】次に、LPF100内のフィルタ回路15の動作について説明する。
【0068】初めに、図11に示すLPF100の周波数特性と、図10に示すようにフィルタ回路12を差分演算回路2の前に挿入したLPF600の周波数特性との違いについて説明する。
【0069】図12はLPF100とLPF600の周波数特性を示した図である。
【0070】周波数特性FAはLPF100の周波数特性である。また、周波数特性FBはLPF600の周波数特性である。
【0071】図12に示すように、周波数特性FAのスロープ特性と周波数特性FBのスロープ特性とはほぼ等しくなる。なぜなら、LPF100及びLPF600ともに2次のフィルタを構成するからである。
【0072】しかしながら、周波数特性FAの通過域のゲインの減衰は周波数特性FBのゲインの減衰よりも抑えられている。この理由について以下説明する。
【0073】LPFの周波数特性を規定するファクタとして、クオリティファクタ(以下Q値と称する)がある。Q値を上げた場合、周波数特性の通過域の電気信号を増幅する効果が現れる。よって、Q値を自由に上げれれば、周波数特性の通過域のゲインの減衰を抑えることができる。
【0074】一般にLPFの伝達関数Avは以下の式で表される。
【数1】

【0075】ここで、sはラプラス変換子、ωは遮断周波数、QはQ値、Hは利得係数を示す。以下、H=1として計算する。
【0076】アナログ信号φAの電圧をViとし、出力信号φBの電圧をVとすると、LPF100の伝達関数Av100は以下の式となる。
【数2】

【0077】ここで、Rは抵抗素子Rの抵抗値を、CはコンデンサCの容量を、CはコンデンサCの容量を、Gは電圧電流変換回路3の電圧電流変換定数を示す。
【0078】式(2)と式(3)とから、LPF100のQ値(Q100)を求めると以下の式となる。
【数3】

【0079】式(4)より、抵抗値R、容量C,C、電圧電流変換定数Gの組み合わせでLPF100のQ値を上げることができる。
【0080】次に、LPF600の伝達関数Av600を求めると以下の式となる。
【数4】

【0081】式(2)と式(5)とからLPF600のQ値(Q600)は以下の式となる。
【数5】

【0082】式(6)より、LPF600のQ値は、R,C,C,Gの組み合わせによっても1/√2よりも大きい値とはならない。
【0083】以上より、差分演算回路2の後にフィルタ回路15を挿入したLPF100の方が差分演算回路2の前にフィルタ回路12を挿入したLPF600よりも、Q値を上げることができる。よって、周波数特性FAの方が周波数特性FBよりも通過域のゲインの減衰を抑えることができる。
【0084】次に、図11に示したLPF100の周波数特性と、図1に示すようにLPF100からフィルタ回路15を除いたLPF700の周波数特性との違いについて説明する。
【0085】図13はLPF100とLPF700の周波数特性を示した図である。
【0086】図13を参照して、LPF700は1次フィルタであるのに対し、LPF100は2次フィルタであるため周波数特性FAの方がLPF700の周波数特性FCよりそのスロープ特性が急峻となっている。
【0087】さらに、周波数特性FAの方が周波数特性FCよりも通過域のゲインの減衰を抑制している。これは、1次フィルタであるLPF700では周波数特性の通過域のゲインを調整することができないが、2次フィルタであるLPF100はQ値を上げることで、周波数特性の通過域のゲインを抑制するように調整ができるからである。
【0088】以上より、LPF100は差分演算回路2の後にフィルタ回路15を備えることで、周波数特性の通過域のゲインの減衰を抑制することができる。その結果、LPF100はノイズとしての高周波成分を除去できる。
【0089】図14はこの発明の他の実施の形態によるLPFの構成を示す回路図である。
【0090】図14を参照して、LPF200はLPF100と比較して、DAC7と差分演算回路2との間にフィルタ回路13が追加されている。フィルタ回路13は抵抗素子R2とコンデンサC5とを含む。抵抗素子R2はDAC7と差分演算回路2との間に接続され、コンデンサC5の一端は抵抗素子R2と差分演算回路2との間に接続され、他端は接地電位ノード201に接続される。その他の構成はLPF100と同じであるため、その説明は繰り返さない。
【0091】LPF200は3次フィルタとなっており、LPF100と比較して次数が高い。よって、LPF200の周波数特性はLPF100の周波数特性と比較して、そのスロープ特性は急峻となり、より高周波成分を除去することができる。
【0092】図15は本発明のさらに他の実施の形態によるLPFの構成を示す回路図である。
【0093】図15を参照して、LPF900はLPF200と比較して、DAC7と出力ノードN1との間にフィルタ回路14が追加されている。その他の回路構成についてはLPF200と同じである。
【0094】フィルタ回路14は抵抗素子R3とコンデンサC1とで構成される。なお、フィルタ回路14とフィルタ回路4とはコンデンサC1を共有する。
【0095】次にLPF900の動作について説明する。
【0096】差分演算回路2から出力される差分信号φCが電圧電流変換回路3で電流値に変換され、コンデンサC1が充電(又は放電)される。ここで、フィルタ回路14とフィルタ回路4とがコンデンサC1を共有していることから、出力信号φBはフィルタ回路14の出力信号とフィルタ回路14の出力信号との加算値となる。よって、この加算値が差分演算回路2に帰還される。
【0097】フィルタ回路14の時定数はフィルタ回路13の時定数よりも大きく設定されている。よって、フィルタ回路14は高周波成分の除去能力が大きい。フィルタ回路14の出力信号はフィルタ回路4の出力信号と加算され、出力信号φBとしてLPF900から出力される。よって、出力信号φBから高周波成分を除去できる。時定数を大きくすると、必要な周波数帯域まで減衰されてしまうが、差分演算回路2により、フィルタ回路13の出力信号と出力信号φBとを差分し、その差分値によりコンデンサC1が充電(又は放電)されるため、必要な周波数帯域の減衰を防止できる。
【0098】さらにLPF900はフィルタ次数が高いため、スロープ特性を急峻にできる。
【0099】図16はさらに他の実施の形態によるLPFの構成を示す図である。図16を参照して、LPF500は、図4に示したLPF400と比較して、新たに差分演算回路22と電圧電流変換回路23とコンデンサC5とを含む。
【0100】差分演算回路22はノードN1と電圧電流変換回路23との間に接続される。コンデンサC5の一端は電圧電流変換回路23の出力端子に接続され、他端は接地電位ノード201に接続される。電圧電流変換回路23とコンデンサC5とはフィルタ回路40を構成する。LPF500は電圧電流変換回路23とコンデンサC5の接続点である出力ノードN21から出力信号φEを出力する。差分演算回路22はノードN1からの出力信号φBと出力信号φEの差分値を出力する。その他の構成はLPF400と同じであるため、その説明は繰り返さない。
【0101】以上の構成を有するLPF500はサンプルホールド回路8により、高周波成分が除去された出力信号φBを生成する。さらに、フィルタ回路40によりベクトル状の出力信号φBは極めてなめらかな出力信号φEとなる。LPFはサンプルホールド回路により高周波成分を除去することが可能であるが、サンプリング信号φSのサンプリング周波数が低い場合に、出力信号φBの波形がなめらかでなくなる可能性もある。よって、出力信号φBの波形をなめらかにする必要がある。よって、LPF500は高周波成分を除去し、さらに出力信号の波形をなめらかにすることができる。
【0102】以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013