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発明の名称 原子炉格納容器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−177191(P2003−177191A)
公開日 平成15年6月27日(2003.6.27)
出願番号 特願2001−378175(P2001−378175)
出願日 平成13年12月12日(2001.12.12)
代理人 【識別番号】100087332
【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外2名)
発明者 肱岡 康雄 / 藤井 誠
要約 課題
上部構造物を立設する炭素鋼製ベースプレート部の耐食性を向上させて、サプレッションチャンバ内のメンテナンス作業を低減させる。

解決手段
原子炉格納容器1内の基礎部2に設置した炭素鋼製ベースプレート15の上面をステンレス鋼製薄板17で覆い、ステンレス鋼薄板17をペデスタル5の根元部とステンレス鋼製底部ライナ層14に溶接する。ステンレス鋼薄板17で炭素鋼製ベースプレート15の上面をライニングすることにより水密構造となり、炭素鋼製ベースプレート15に対する防食効果を得ることができ、塗装等のメンテナンス作業が不要となる。
特許請求の範囲
【請求項1】 原子炉格納容器内の基礎部に設置された炭素鋼製ベースプレートと、この炭素鋼製ベースプレートの外周面に隣接して設けられたステンレス鋼製底部ライナと、前記炭素鋼製ベースプレート上に設置された上部構造物と、前記炭素鋼製ベースプレートの上面を覆い前記上部構造物の根元部と前記ステンレス鋼製底部ライナとの間に水密に取り付けられたステンレス鋼製薄板とを具備したことを特徴とする原子炉格納容器。
【請求項2】 前記ステンレス鋼製薄板は複数個に分割された薄板が接続されたものからなることを特徴とする請求項1記載の原子炉格納容器。
【請求項3】 前記ステンレス鋼製薄板と前記炭素鋼製ベースプレートとの接合部及び前記炭素鋼製ベースプレートと前記ステンレス鋼製底部ライナとの接合部は溶接構造からなることを特徴とする請求項1記載の原子炉格納容器。
【請求項4】 原子炉格納容器内の基礎部に設置された炭素鋼製ベースプレートと、この炭素鋼製ベースプレートの外周面に隣接して設けられたステンレス鋼製底部ライナと、前記炭素鋼製ベースプレート上に設置された上部構造物と、前記炭素鋼製ベースプレートの上面を覆い前記上部構造物の根元部と前記ステンレス鋼製底部ライナとの間に水密に形成されたステンレス鋼の肉盛り溶接層とを具備したことを特徴とする原子炉格納容器。
【請求項5】 原子炉格納容器内の基礎部に設置された炭素鋼製ベースプレートと、この炭素鋼製ベースプレートの外周面に隣接して設けられたステンレス鋼製底部ライナと、前記炭素鋼製ベースプレート上に設置された上部構造物と、前記炭素鋼製ベースプレートの上面を覆い前記上部構造物の根元部と前記ステンレス鋼製底部ライナとの間に水密に取り付けられた耐水性樹脂ライニング層とを具備したことを特徴とする原子炉格納容器。
【請求項6】 原子炉格納容器内の基礎部に設置された炭素鋼製ベースプレートと、この炭素鋼製ベースプレートの外周面に隣接して設けられたステンレス鋼製底部ライナと、前記炭素鋼製ベースプレート上に設置された上部構造物と、前記炭素鋼製ベースプレートの上面を覆い前記上部構造物の根元部と前記ステンレス鋼製底部ライナとの間に水密に取り付けられたゴムライニング層とを具備したことを特徴とする原子炉格納容器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軽水型沸騰水型原子炉における鉄筋コンクリート製原子炉格納容器の底部ライナ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉一次系の万一の破損事故に際し、炉心から漏出した放射性物質を系内に封じ込め、外部に放射性物質を放出させないようにするため、原子炉建屋内に原子炉格納容器を設けている。
【0003】図7に示したように原子炉格納容器1は基礎部2に立設した鉄筋コンクリート製円筒体3の内面にライニング板4が内張りされている。原子炉格納容器1内の中央部の基礎部2上に上部構造物として立設された筒状のペデスタル5に原子炉圧力容器6が支持されている。
【0004】また、ペデスタル5の頂部と原子炉格納容器1の内壁間には平面ドーナツ円板状のダイヤフラムフロア7が設けられている。ダイヤフラムフロア7によって、原子炉格納容器1内は上部ドライウエル8とプール水9が貯留されるサプレッションチャンバ(圧力抑制室)10及び下部ドライウエル11とに区画されている。ペデスタル5の頂部には生体しゃへい壁12が設けられている。サプレッションチャンバ10のプール水9中にはクエンチャ24が設定され、クエンチャ24は基礎部2上に設定されたクエンチャサポート25によって支持されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】鉄筋コンクリート製原子炉格納容器1はサプレッションチャンバ10内のメンテナンスフリー化を目的として、プール水9との接水部にはステンレス鋼製接水部ライナ13とステンレス鋼製底部ライナ14が内張りされている。また、上部構造物としてのペデスタル5及びクエンチャ24を支持するためのクエンチャサポート25は基礎部2に設置されたベースプレート15上に載置して固定されている。ベースプレート15には強度を確保するために炭素鋼が使用されている。クエンチャサポート25はクエンチャ24を支持するもので、クエンチャ24は主蒸気系配管の過圧を防止するために設置された逃し安全弁からの蒸気をサプレッションチャンバ10内のプール水9に吐出する装置である。
【0006】しかしながら、ペデスタル5及びクエンチャサポートを設置するベースプレート15は炭素鋼を使用しているため、耐食性が悪く、サプレッションチャンバ10内のプール水9と反応してさびを生じる。したがって、ベースプレート15にさび止め用の塗装やめっき等を施す必要があり、サプレッションチャンバのメンテナンス作業が増加する課題がある。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされたもので、上部構造物を立設するベースプレートの耐食性を向上させ、サプレッションチャンバ内のメンテナンス作業を低減することができる原子炉格納容器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、原子炉格納容器内の基礎部に設置された炭素鋼製ベースプレートと、この炭素鋼製ベースプレートの外周面に隣接して設けられたステンレス鋼製底部ライナと、前記炭素鋼製ベースプレート上に設置された上部構造物と、前記炭素鋼製ベースプレートの上面を覆い前記上部構造物の根元部と前記ステンレス鋼製底部ライナとの間に水密に取り付けられたステンレス鋼製薄板とを具備したことを特徴とする。
【0009】この発明によれば、サプレッションプール水には炭素鋼製ベースプレートが接することなく、ステンレス鋼製薄板とステンレス鋼製底部ライナが接する。したがって、サプレッションチャンバ内の炭素に対する防食対策が不要となるため、サプレッションチャンバのメンテナンス作業を低減することができる。
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記ステンレス鋼製薄板は複数個に分割された薄板が接続されたものからなることを特徴とする。この発明によれば、ステンレス鋼製薄板を複数に分割することにより、上部構造物に対する近接と、ベースプレートへの設置作業が容易となる。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項1の発明において、前記ステンレス鋼製薄板と前記炭素鋼製ベースプレートとの接合部及び前記炭素鋼製ベースプレートと前記ステンレス鋼製底部ライナとの接合部は溶接構造からなることを特徴とする。この発明によれば、各構造部材の接合部を溶接構造とすることにより、接合部の強度は確保できる。
【0012】請求項4に係る発明は、原子炉格納容器内の基礎部に設置された炭素鋼製ベースプレートと、この炭素鋼製ベースプレートの外周面に隣接して設けられたステンレス鋼製底部ライナと、前記炭素鋼製ベースプレート上に設置された上部構造物と、前記炭素鋼製ベースプレートの上面を覆い前記上部構造物の根元部と前記ステンレス鋼製底部ライナとの間に水密に形成されたステンレス鋼の肉盛り溶接層とを具備したことを特徴とする。
【0013】この発明によれば、炭素鋼製ベースプレートの上面にステンレス鋼を肉盛り溶接しかつステンレス鋼製底部ライナプレートを肉盛り溶接で接合することにより、サプレッションプール水は肉盛り溶接個所に接することになり、高い耐食性を得ることができる。また、炭素鋼製ベースプレートの強度は従来どおり確保される。
【0014】請求項5に係る発明は、原子炉格納容器内の基礎部に設置された炭素鋼製ベースプレートと、この炭素鋼製ベースプレートの外周面に隣接して設けられたステンレス鋼製底部ライナと、前記炭素鋼製ベースプレート上に設置された上部構造物と、前記炭素鋼製ベースプレートの上面を覆い前記上部構造物の根元部と前記ステンレス鋼製底部ライナとの間に水密に取り付けられた耐水性樹脂ライニング層とを具備したことを特徴とする。
【0015】この発明によれば、ベースプレートの上面に耐水性樹脂をライニングすることにより、サプレッションプール水が樹脂に接することになり、高い耐食性を得ることができる。また、炭素鋼製ベースプレートは従来どおり構造材としての強度は確保できる。
【0016】請求項6に係る発明は、原子炉格納容器内の基礎部に設置された炭素鋼製ベースプレートと、この炭素鋼製ベースプレートの外周面に隣接して設けられたステンレス鋼製底部ライナと、前記炭素鋼製ベースプレート上に設置された上部構造物と、前記炭素鋼製ベースプレートの上面を覆い前記上部構造物の根元部と前記ステンレス鋼製底部ライナとの間に水密に取り付けられたゴムライニング層とを具備したことを特徴とする。
【0017】この発明によれば、ベースプレートの上面にゴムをライニングすることにより、サプレッションプール水がゴムライニング層に接することになり、高い耐食性を得ることができる。また、炭素鋼製ベースプレートは従来どおり構造材としての強度は確保できる。さらに、サプレッションチャンバ内の炭素鋼の防食対策が不要となり、メンテナンス作業が低減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1及び図2(a),(b)により本発明に係る原子炉格納容器の第1の実施の形態を説明する。図1は本実施の形態の要部を概略的に斜視図で示しており、本実施の形態は原子炉格納容器の底部ライナ構造を改良したものなので、原子炉格納容器自体の基本的な構成は図7で説明した従来例と基本的に変わるものではなく、その説明は省略する。
【0019】図1はベースプレート15を覆う環状ステンレス鋼薄板17に斜線を施して半円で部分的に示している。図2(a)は図1の斜視図を直立して一部側面で示す縦断面図であり、図2(b)は図2(a)の状態から環状ステンレス鋼薄板17をベースプレート15上に載置してペデスタル5の根元部とステンレス鋼製底部ライナ層14に内側溶接部18と外側溶接部19で溶接した状態を示している。
【0020】すなわち、本実施の形態は、図7で示した鉄筋コンクリート製原子炉格納容器1内の基礎部2に円板状炭素鋼製ベースプレート15が設置されている。炭素鋼製ベースプレート15の外周面に隣接してサプレッションチャンバ10の底部にライニングされる大径環状のステンレス鋼製底部ライナ層14が溶接部16を有して接続されている。
【0021】炭素鋼製ベースプレート15の上面には上部構造物としてペデスタル5が立設しており、図2(b)に示したようにペデスタル5の根元部外側とステンレス鋼製底部ライナ層14の溶接部16の近傍上面を覆うようにして環状ステンレス鋼薄板17が載置され、内側溶接部18と外側溶接部19が溶接され固定されている。
【0022】すなわち、本実施の形態は環状ステンレス鋼薄板17の内側はペデスタル5の根元部外周面と炭素鋼製ベースプレート15の上面との接触個所が溶接されて内側溶接部18となっており、環状ステンレス鋼薄板17の外側面はステンレス鋼製底部ライナ層14の上面との接触端部が溶接されて外側溶接部19となっている。したがって、炭素鋼製ベースプレート15の上面は図2(b)に示したように環状ステンレス鋼薄板17で覆われ、ステンレス鋼で溶接された水密構造となり、サプレッションチャンバ10内のプール水9により接触して腐食することはない。
【0023】本実施の形態によれば、原子炉格納容器の底部ライナ構造において、サプレッションチャンバ10内のプール水9が炭素鋼製ベースプレート15に接触することはなく、環状ステンレス鋼薄板17のみがプール水9に接することになり、サプレッションチャンバ10内における炭素鋼による防食対策が不要となるため、メンテナンス作業を低減することができる。なお、炭素鋼製ベースプレート15は炭素鋼材であるので強度が確保され、従来どおり構造材としての役割を果たす。
【0024】なお、本実施の形態では上部構造物としてペデスタル5の例で説明したが、ペデスタル5の代りにクエンチャサポート25を炭素鋼製ベースプレート15上に設置した場合でも上記と同様の効果が得られる。
【0025】つぎに図3により本発明に係る第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は第1の実施の形態における環状ステンレス鋼薄板17の代りに、図3に示したように半円状に二分割した分割型ステンレス鋼薄板20,20を設けたことにある。なお、他の部分は第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0026】本実施の形態によれば、ステンレス鋼薄板を半径方向に二分割した分割型ステンレス鋼薄板20,20を設けることにより、軽量となり、運搬,取扱い,組立作業が容易となる。その他の効果は第1の実施の形態と同様である。なお、二分割に限ることなく、複数に分割することもできる。
【0027】つぎに図4により本発明に係る第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は第1の実施の形態における環状ステンレス鋼薄板17の代りに、この環状ステンレス鋼薄板17の部分全体にステンレス鋼肉盛溶接層21を施したことにある。その他の部分は第1の実施の形態と同様である。
【0028】本実施の形態によれば、サプレッションチャンバ10内のプール水9にはステンレス鋼で肉盛り溶接されたステンレス鋼肉盛溶接層21のみが接することになり、サプレッションチャンバ10内の炭素鋼の防食対策が不要となり、メンテナンス作業を低減することができる。
【0029】つぎに図5により本発明に係る第4の実施の形態を説明する。本実施の形態は第1の実施の形態における環状ステンレス鋼薄板17の代りに、樹脂ライナ層22を設けたことにある。樹脂としては例えば高張度と耐熱耐水性を有する繊維複合樹脂、例えばカーボンファイバまたはガラスファイバをエポキシ樹脂で硬化した複合強化樹脂等を適用する。
【0030】本実施の形態によれば、サプレッションチャンバ10内のプール水9には樹脂ライナ層22のみが接することになり、高い耐食性が得られる。また、炭素鋼は従来どおり構造材として設置されるため、強度は確保される。
【0031】つぎに、図6により本発明に係る第5の実施の形態を説明する。本実施の形態は第1の実施の形態における環状ステンレス鋼薄板17の代りに、ゴムライナ層23を設けたことにある。ゴムライナ層23としてはゴム材に添加物として硫黄を混ぜ、ある程度圧着した状態で、例えば100℃で加熱し、鉄とゴムが硫黄分子結合する手法、加硫接着等の接着方法によりライナ層を構成する。その他の部分は第1の実施の形態と同様である。
【0032】本実施の形態によれば、サプレッションチャンバ10内のプール水9にゴムライナ層23のみが接することになり、高い耐食性が得られる。また、従来の炭素鋼は従来どおり構造材として設置されているため、強度は確保される。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、原子炉格納容器内の炭素鋼製ベースプレートにはサプレッションチャンバ内のプール水が接触することがなく、ステンレス鋼、樹脂またはゴムのみが接することになり、高い耐食性が得られ、サプレッションチャンバ内のメンテナンス作業を低減することができる。




 

 


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