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発明の名称 中性子発生装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−130997(P2003−130997A)
公開日 平成15年5月8日(2003.5.8)
出願番号 特願2001−258232(P2001−258232)
出願日 平成13年8月28日(2001.8.28)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
発明者 池上 栄胤 / 荒木 義雄 / 木村 博信
要約 課題
中性子を効率的に発生させ、中性子の発生・停止、その発生量を容易に制御でき、利用上の制限が少なく取り扱い易い中性子発生装置を提供する。

解決手段
液体状のリチウム、又は核融合反応の触媒作用を持つ金属との合金の表面に重水素イオンビームを照射することにより非熱核融合反応を誘発し、その際に発生する中性子を中性子源として利用可能としたことを特徴とする核融合反応装置。
特許請求の範囲
【請求項1】 液体状のリチウム、又は核融合反応の触媒作用を持つ金属との合金の表面に重水素イオンビームを照射することにより非熱核融合反応を誘発し、その際に発生する中性子を中性子源として利用可能としたことを特徴とする核融合反応装置。
【請求項2】 単位時間に照射する重水素イオンビームの量を調節することにより発生する中性子ビームの発生量を制御可能としたことを特徴とする請求項1に記載の中性子発生装置。
【請求項3】 照射する重水素イオンビームの空間的な密度分布を調節することにより発生する中性子の放射分布等を制御可能としたことを特徴とする請求項1に記載の中性子発生装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中性子の高い透過性を利用した各種物質の非破壊検査、原子核との反応性の高さを利用した中性子誘起核反応等種々の分野で使用されている中性子発生装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】現在使用されている中性子源には原子炉、加速器利用、そして中性子放出核種の3種類がある。第1の原子炉は原子炉内での核分裂によって発生する中性子を利用するものであり、第2の加速器利用は加速器によって加速された陽子線をタングステン,ウラン等のターゲットに衝突させ、原子核のスパレーション(破砕)過程により中性子を発生させるものである。最後の中性子放射核種は崩壊過程で中性子を放出するCf-252等の核種から放射される中性子線を利用するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の中性子源の課題としては、原子炉の場合は大型であり、利用上の制限が大きい。加速器利用の場合は大型の加速器が必要であり、簡単に利用できるものではない。第3の中性子放出核種は移動線源として扱う場合は小型で扱いやすいが、放射される中性子線量が比較的小さいため、利用目的が制限される欠点がある。
【0004】そこで、本発明では利用上の制限が少なく、取り扱いやすい中性子発生装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明では、中性子発生過程として、下記(式1)の非熱核融合反応を利用する。
【0006】
7Li + d → 24He + n (式1)
7Li中に重水素イオンビームを照射することにより、中性子が放出される。
【0007】(式1)は、左辺のリチウムの同位体の一種7Liの1原子と重水素dの1原子の非熱核融合反応により、右辺のヘリウム原子(4He)が2原子と中性子nが生成することを示している。
【0008】この反応は重水素イオンビームの照射の停止で即座に終了するので、容易に中性子発生の制御が可能であり、使用しないときには放射線の放出が無いため、利用上の制限が少なく取り扱い易い中性子源を提供することが可能である。
【0009】前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、液体状のリチウム、又は核融合反応の触媒作用を持つ金属との合金の表面に重水素イオンビームを照射することにより非熱核融合反応を誘発し、その際に発生する中性子を中性子源として利用可能としたことを特徴とする核融合反応装置である。
【0010】請求項1に対応する発明によれば、液体状のリチウム、又は核融合反応の触媒作用を持つ金属との合金の表面に重水素イオンビームを照射することにより非熱核融合反応を誘発する。その際に(式1)に従い中性子が発生するが、これを中性子源として利用する。
【0011】前記目的を達成するため、請求項2に対応する発明は、単位時間に照射する重水素イオンビームの量を調節することにより発生する中性子ビームの発生量を制御可能としたことを特徴とする請求項1に記載の中性子発生装置である。
【0012】請求項2に対応する発明によれば、請求項1に対応する発明において、照射する重水素イオンビームの照射量に従い発生する中性子線量が変化することになるため、単位時間に照射する重水素イオンビームの量を調節することにより発生する中性子ビームの発生量を制御できるようにするものである。
【0013】前記目的を達成するため、請求項3に対応する発明は、照射する重水素イオンビームの空間的な密度分布を調節することにより発生する中性子の放射分布等を制御可能としたことを特徴とする請求項1に記載の中性子発生装置である。
【0014】請求項3に対応する発明によれば、請求項1に対応する発明の構成において、照射する重水素イオンビームの照射量の空間分布に従い発生する中性子線量の分布も変化することになるため、照射する重水素イオンビームの分布を必要に応じて制御することにより発生する中性子ビームの発生量分布を制御できるようにするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る中性子発生装置の実施の形態を図に基づき説明する。
【0016】図1は本発明の第1実施形態の中性子発生装置の概念図である。 図1において、中性子発生装置は反応容器4内に、液体リチウム1、電極2、重水素ガス6等を収容しており、電極2と液体リチウム1の間に接続された電源5と、電源5のオンオフを行うスイッチ12から構成される。図中で7の矢印は重水素イオンの流れを示しており、矢印3は発生した中性子の流れを示している。
【0017】次に、第1実施形態の作用について説明する。
【0018】図1において、反応容器4内の液体リチウム1と、その上方に配置した電極2の間に接続した電源5により発生した電圧をスイッチ12を閉じることで液体リチウム1と電極2の間に電圧を印加し、反応容器4内に封入した重水素ガス6中で放電を発生させる。放電により重水素ガス6の一部又はほとんどが電離し重水素イオンとなる。重水素イオンは電極2と液体リチウム1の間の電界により加速されて、重水素イオンの流れ7を形成する。重水素イオンの流れ7は液体リチウム1の表面に達して、(式1)の非熱核融合反応が誘起される。この反応により発生する中性子nは上方に放出され、発生中性子の流れ3を形成する。このときスイッチ12を開けば放電は停止し重水素イオンの流れ7は消失するので発生中性子の流れ3も消失し、中性子の発生を容易に制御可能となる。
【0019】図2は本発明の第2実施形態の中性子発生装置の概念図である。 図2において、中性子発生装置は反応容器4内に、液体リチウム1、電極2、重水素ガス6等を収容しており、電極2と液体リチウム1の間に接続され、電圧又は電流を自由に変更可能な可変型電源8から構成される。図中で7の矢印は重水素イオンの流れを示しており、矢印3は発生した中性子の流れを示している。
【0020】次に、本発明の第2実施形態の作用について説明する。
【0021】図2において、反応容器4内の液体リチウム1と、その上方に配置した電極2の間に接続した可変型電源8により、液体リチウム1と電極2の間に電圧を印加し、反応容器4内に封入した重水素ガス6中で放電を発生させることにより、放電により重水素ガス6の一部又はほとんどが電離し重水素イオンとなる。
【0022】重水素イオンは電極2と液体リチウム1の間の電界により加速されて、重水素イオンの流れ7を形成する。重水素イオンの流れ7は液体リチウム1の表面に達して、(式1)の非熱核融合反応が誘起される。
【0023】この反応により発生する中性子nは上方に放出され、発生中性子の流れ3を形成する。このとき電圧又は電流可変型電源8の電圧又は電流を変更すると放電電流が変化し、液体リチウム1の表面への重水素イオンの流れ7の量を調節することが出来る。
【0024】(式1)から分かるように重水素1個に対して7Liの1原子が非熱核融合反応し、ヘリウム原子4He)が2原子と中性子nが生成するので、重水素イオンの流れに比例して中性子の流れ3の量、すなわち中性子発生量を制御できることを示している。
【0025】従って、本発明の第2実施形態によれば、目的に応じて最適な中性子発生量を得ることが出来、利用上の制限が少なく、取り扱いやすい中性子線源を提供することができる。
【0026】図3は本発明の第3実施形態の中性子発生装置の概念図である。 図3において、中性子発生装置は反応容器4内に、液体リチウム1、電極2、重水素ガス6等を収容しており、電極2と液体リチウム1の間に接続された電源5と、反応容器4の一部に設けた重水素ガス供給口10に接続され、重水素ガスを供給する重水素ガスボンベ11と、重水素ガス供給口10と重水素ガスボンベ11の間に接続されて反応容器4内の重水素ガスの圧力を調節する重水素ガス圧力調整用バルブ9から構成される。図中で7の矢印は重水素イオンの流れを示しており、矢印3は発生した中性子の流れを示している。
【0027】次に、第3実施形態の作用について説明する。
【0028】図3において、反応容器4内の液体リチウム1と、その上方に配置した電極2の間に接続した電源8により、液体リチウム1と電極2の間に電圧を印加し、反応容器4内に封入した重水素ガス6中で放電を発生させることにより、放電により重水素ガス6の一部又はほとんどが電離し重水素イオンとなる。重水素イオンは電極2と液体リチウム1の間の電界により加速されて、重水素イオンの流れ7を形成する。重水素イオンの流れ7は液体リチウム1の表面に達して、(式1)の非熱核融合反応が誘起される。
【0029】この反応により発生する中性子nは上方に放出され、発生中性子の流れ3を形成する。このとき重水素ガス圧力調節バルブを調節すると、反応容器4内の重水素ガス圧力が変わる。
【0030】反応容器4内の重水素ガス圧力が変わると、電極2と液体リチウム1の間の放電状態が変化し、生成される重水素イオンの密度(量)が変化し、電極2と液体リチウム1の間に形成される重水素イオンの流れ7の量が変わるとともに、重水素ガス圧力の変化に伴い重水素イオンの流れの中での重水素ガス同士の衝突頻度が変化するので、重水素イオンの運動エネルギーの放電状態が変化する。これらの影響で、液体リチウム1の表面に達した重水素イオンとリチウム原子の反応である(式1)の反応の発生量が変化し、中性子発生量を制御できる。
【0031】図4は本発明の第4実施形態の中性子発生装置の概念図である。 図4において、中性子発生装置は反応容器4内に、液体リチウム1、可動電極13、重水素ガス6等を収容しており、可動電極13と液体リチウム1の間に接続された電源5から構成される。図中で7の矢印は重水素イオンの流れを示しており、矢印3は発生した中性子の流れを示している。
【0032】次に、本発明の第4実施形態の作用について説明する。
【0033】図4において、反応容器4内の液体リチウム1と、その上方に配置した可動電極13の間に接続した電源8により、液体リチウム1と可動電極13の間に電圧を印加し、反応容器4内に封入した重水素ガス6中で放電を発生させることにより、放電により重水素ガス6の一部又はほとんどが電離し重水素イオンとなる。重水素イオンは可動電極2と液体リチウム1の間の電界により加速されて、重水素イオンの流れ7を形成する。重水素イオンの流れ7は液体リチウム1の表面に達して、(式1)の非熱核融合反応が誘起される。
【0034】この反応により発生する中性子nは上方に放出され、発生中性子の流れ3を形成する。このとき可動電極を動かすと可動電極13と液体リチウム1の間の電界が変化し、重水素イオンの流れ7の分布が変化する。重水素イオンの流れ7の分布が変化すると液体リチウム1の表面に達する重水素イオンの分布が変化することになるため、液体リチウム1の表面に達した重水素イオンとリチウム原子の反応である(式1)の反応の発生量の分布が変化し、それにより中性子発生量の分布が変わることになる。本発明の第4実施形態によればこの性質を利用して中性子の流れの分布をも制御できる。
【0035】従って、本発明の第4実施形態により、目的に応じて最適な中性子発生量の分布を得ることが出来、利用上の制限が少なく、取り扱いやすい中性子線源を提供することができる。
【0036】図5は本発明の第5実施形態の中性子発生装置の概念図である。 図5において、中性子発生装置は反応容器4内に、液体リチウム1、リチウム飛散防止膜14、電極2、重水素ガス6等を収容しており、電極2と液体リチウム1の間に接続された電源5と、電源5のオンオフを行うスイッチ12から構成される。図中で7の矢印は重水素イオンの流れを示しており、矢印3は発生した中性子の流れを示している。
【0037】次に、第5実施形態の作用について説明する。
【0038】図5において、反応容器4内の液体リチウム1と、その上方に配置した電極2の間に接続した電源5により発生した電圧をスイッチ12を閉じることで液体リチウム1と電極2の間に電圧を印加し、反応容器4内に封入した重水素ガス6中で放電を発生させる。放電により重水素ガス6の一部又はほとんどが電離し重水素イオンとなる。重水素イオンは電極2と液体リチウム1の間の電界により加速されて、重水素イオンの流れ7を形成する。
【0039】第5実施形態においては液体リチウムの上面にリチウム飛散防止膜14が配置されている。このリチウム飛散防止膜14は重水素イオンや中性子を透過し、液体リチウム1を透過しないような膜で構成する。従って重水素イオンの流れ7はリチウム飛散防止膜14を透過し、液体リチウム1の表面に達して、(式1)の非熱核融合反応が誘起される。
【0040】この反応により液体リチウム1の表面近くで発生した中性子nはリチウム飛散防止膜を透過し上方に放出され、発生中性子の流れ3を形成する。図1の実施形態の中性子発生装置においては、式(1)の非熱核融合反応により発生したエネルギーによって液体リチウムの温度が上昇し、部分的な沸騰、蒸発等の現象により液体リチウムが飛散し、安定的な中性子発生が困難となるような場合でも、第5実施形態においては、液体リチウム1の上面にリチウム飛散防止膜14が存在することによりリチウムの飛散を防止し、安定的に中性子の発生を行うことが可能となる。
【0041】図6は以上述べた本発明の中性子発生装置の具体的構成の一例を示す図であ。図6において、溶融リチウム核融合エネルギー発生装置は真空排気可能な反応容器27内に、液体リチウム29、液体リチウム29を含浸させた陰極22、水素ガス等を収容しており、陰極22と液体リチウム29が反応容器27の底で接触しているため毛細管現象で陰極内に液体リチウムがしみ込む。
【0042】陰極22と陽極21の間に接続されたパルス電源装置24と、反応容器27の上部に設けた水素注入装置25により供給された水素ガスによりパルス放電を行えば、バッファ領域核融合反応が生じ、熱交換システム30および熱利用システム31により容易にエネルギーを取り出せる。この時、リチウムの状態は、リチウム計測純化供給系35によりモニターされ安定な長時間運転を行える。
【0043】また、核融合反応の結果発生するヘリウム等は、He回収装置26で系外に排除される。水素放電状況において、放電長を長くしなければならないときに実施するもので、陽極21を反応容器27上方に配置するものである。
【0044】これ以外の構成として、中性子出射窓27a、絶縁リング23、断熱材又は中性子遮蔽材28、熱交換システム30、熱利用システム31、中性子コリメータ32、リチウム計測純化供給系35を備えている。
【0045】ここで、中性子線の用途について説明する。中性子線は、金属に対する透過性が優れているが、軽元素である水素や炭素等の透過性が悪い。そこで、金属で囲まれている物体の内部に詰まっているものの検査に応用できる。例えば、ロケット内部の火薬の充填欠陥検査や、空港における手荷物内の火薬等爆弾所持検査等である。
【0046】また、この中性子を劣化ウランに照射すれば、核変換作用により原子燃料として利用可能な、プルトニウムを生産できる。
【0047】さらに、原子炉で利用した使用済み核燃料のうち、長時間にわたって放射線を出し続ける長寿命核種に照射すれば、短時間で崩壊し、放射線を出さないで安定核種に変換することもできる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、中性子を効率的に発生させ、中性子の発生・停止、その発生量を容易に制御でき、利用上の制限が少なく取り扱い易い中性子発生装置を提供することができる。




 

 


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