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発明の名称 原子力発電装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−130989(P2003−130989A)
公開日 平成15年5月8日(2003.5.8)
出願番号 特願2001−330691(P2001−330691)
出願日 平成13年10月29日(2001.10.29)
代理人 【識別番号】100087332
【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外2名)
発明者 奈良林 直
要約 課題
従来の沸騰水型原子炉よりも大幅に高い熱効率を有する原子力発電装置を提供する。

解決手段
核分裂連鎖反応を生じる物質からなるペレットを備えた燃料棒(3)と前記燃料棒の発熱を冷却する冷却材7とを圧力容器1内に備え前記冷却材7によって生成する蒸気によって発電用蒸気タービンを回転させるようにした原子力発電装置において、前記燃料棒(3)は、前記ペレットを高温源とし前記冷却材7を低温源として直接発電する直接発電素子を備えている構成とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 核分裂連鎖反応を生じる物質からなるペレットを備えた燃料棒と前記燃料棒の発熱を冷却する冷却材とを圧力容器内に備え前記冷却材によって生成する蒸気によって発電用蒸気タービンを回転させるようにした原子力発電装置において、前記燃料棒は、前記ペレットを高温源とし前記冷却材を低温源として直接発電する直接発電素子を備えていることを特徴とする原子力発電装置。
【請求項2】 前記直接発電素子はペレット内に設けられ、ペレットの中心寄りに高温端を有しペレットの外周寄りに低温端を有することを特徴とする請求項1記載の原子力発電装置。
【請求項3】 前記直接発電素子は耐熱絶縁セラミックからなるディスク内に設けられ、前記ディスクは隣り合うペレットの間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の原子力発電装置。
【請求項4】 前記直接発電素子は、直列接続された複数のものが放射状に設けられていることを特徴とする請求項2または3記載の原子力発電装置。
【請求項5】 前記燃料棒の上端および下端を直列に電気接続する接続線と、前記燃料棒の下端に設けられ前記接続線の正負端子間に接続されて直流を交流に変換するインバータと、このインバータの出力の交流電力を圧力容器下部から取り出す電力ケーブルとを備えたことを特徴とする請求項1記載の原子力発電装置。
【請求項6】 前記圧力容器の下側部に高温水浸漬型再循環ポンプを備え、このポンプを駆動する電動機の外側に取付けられた直接発電素子と、前記直接発電素子の外側をおおう冷却ジャケットとを備えたことを特徴とする請求項1記載の原子力発電装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来の沸騰水型原子炉に炉心で直接発電する機能を付加し、熱効率を飛躍的に向上させた原子力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】改良型沸騰水型原子炉と呼ばれる従来の原子力発電装置は図9のようになっている。すなわち、原子炉圧力容器1内にはシュラウド2に囲まれた炉心3が設けられており、炉心3には多数の燃料集合体が設けられている。
【0003】シュラウド2の上部には気水分離器4が設置され、気水分離器4の上方には蒸気乾燥器5が設置されている。原子炉圧力容器1の下部には、炉心3内に挿入される制御棒を駆動する制御棒駆動機構6および、原子炉冷却水7を循環するインターナルポンプ8が設けられている。また、原子炉圧力容器1の側部には冷却水7を供給する給水配管9および、図示されていない発電用タービンへ炉心3で発生した蒸気を導く主蒸気管10が取り付けられている。
【0004】このような構成の沸騰水型原子炉において、炉上部の冷却水7は、シュラウド2と原子炉圧力容器1の内壁に囲まれた空間からインターナルポンプ8に吸い込まれ、炉底部を経て炉心3で蒸気となり、気水分離器4と蒸気乾燥器5を通過し、主蒸気管10で蒸気タービンに向かい、蒸気タービンを回した蒸気は復水器で凝縮されて復水となり給水加熱器で加熱され、復水ポンプと給水ポンプで昇圧されて給水となって給水配管9から炉上部に戻る。このような沸騰水型原子炉は社会の電力需要をまかなうために多数設置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、地球温暖化の防止の観点から限られた敷地でより多くの電気出力が得られ、かつ最新鋭の火力発電所よりも経済性の高い原子力発電所の出現が強く望まれている。これを実現するには小型の原子炉圧力容器に多数の燃料集合体を収納し、原子炉圧力容器の下部を簡素化するとともに、直接発電等を併用してプラントの熱効率を向上させ、原子炉格納容器および原子炉格納容器を収める原子炉建屋の電気出力当りの容積を小さくすることが必要である。なぜなら原子炉格納容器の容積は原子炉圧力容器内の冷却材の総容積にほぼ比例するからである。
【0006】一方、従来の直接発電システム単独では熱効率は高々数%と低く電気出力が小さいため、熱効率34.5%で3926MWthの炉心熱出力に対して1356Mweの電気出力が得られる改良型沸騰水型原子炉には経済性で遠く及ばない。また、改良型沸騰水型原子炉でも原子炉圧力容器の下部に懸下された多数の制御棒駆動機構とインターナルポンプ、およびそれらの引き抜きスペースの削減が必要とされる。
【0007】本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、従来の沸騰水型原子炉よりも大幅に高い熱効率を有する原子力発電装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明は、核分裂連鎖反応を生じる物質からなるペレットを備えた燃料棒と前記燃料棒の発熱を冷却する冷却材とを圧力容器内に備え前記冷却材によって生成する蒸気によって発電用蒸気タービンを回転させるようにした原子力発電装置において、前記燃料棒は、前記ペレットを高温源とし前記冷却材を低温源として直接発電する直接発電素子を備えている構成とする。
【0009】本発明の原子力発電装置は、燃料棒を高温源とし冷却材を低温源とする直接発電電力サイクルと、炉心で沸騰させて発生した蒸気によって蒸気タービンを回転させて発電するランキンサイクルによって動作する。すなわち、炉内で直接発電し、低温源である冷却材への排熱はそのまま従来の沸騰水型原子炉と同様に燃料棒被覆管表面で冷却材を沸騰させ、発生した蒸気は気水分離されて蒸気タービンへ送られ発電機を回して発電する。そのため、直接発電に伴う熱損失が無く、直接発電電力サイクルによって発生した電力と蒸気タービンで発生した電力とが加算され、高い熱効率が得られる。
【0010】請求項2の発明は、前記直接発電素子はペレット内に設けられ、ペレットの中心寄りに高温端を有しペレットの外周寄りに低温端を有する構成とする。この発明によれば、ペレットの発熱を効率よく利用した直接発電をおこなうことができる。
【0011】請求項3の発明は、前記直接発電素子は耐熱絶縁セラミックからなるディスク内に設けられ、前記ディスクは隣り合うペレットの間に設けられている構成とする。この発明によれば、ペレットが発熱や経時変化によって変形しても直接発電素子が損壊することなく直接発電をおこなうことができる。
【0012】請求項4の発明は、前記直接発電素子は、直列接続された複数のものが放射状に設けられている構成とする。この発明によれば、ペレットやディスク内の体積を効果的に利用して多数の直接発電素子を設けることができる。
【0013】請求項5の発明は、前記燃料棒の上端および下端を直列に電気接続する接続線と、前記燃料棒の下端に設けられ前記接続線の正負端子間に接続されて直流を交流に変換するインバータと、このインバータの出力の交流電力を圧力容器下部から取り出す電力ケーブルとを備えた構成とする。この発明によれば、燃料棒内で直接発電された電力を効率よく圧力容器外に取り出すことができる。
【0014】請求項6の発明は、前記圧力容器の下側部に高温水浸漬型再循環ポンプを備え、このポンプを駆動する電動機の外側に取付けられた直接発電素子と、前記直接発電素子の外側をおおう冷却ジャケットとを備えた構成とする。この発明によれば、通常では廃棄されるだけの電動機発熱を利用して熱効率の一層高い原子力発電装置を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の原子力発電装置の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態の原子力発電装置は図1に示すように、炉心3に装填される燃料集合体20を直接発電素子埋め込み型の燃料棒によって構成し、その発生電力を取り出すケーブル用の電力取出し管21を原子炉圧力容器下鏡11を貫通して設ける。
【0016】また、制御棒14は上部挿入型の制御棒とし、炉心上部の制御棒案内チムニー管13を制御棒14の引き抜きスペースとする。さらに、高温水浸漬型の高温インターナルポンプ23を設ける。
【0017】燃料集合体20の構成は図2のようになっている。すなわち、長い箱の形をした燃料集合体容器20aの中に複数の直接発電素子埋め込み型燃料棒24が納められ、側面に炉心入口オリフィス25が設けられ、下端には分割型DC/ACインバータ26が設けられている。
【0018】このような構成によって、燃料集合体20内の直接発電素子埋め込み型燃料棒24に発生する直流電力を分割型DC/ACインバータ26によって交流電力に変換する。分割型DC/ACインバータ26の2次出力側には電力取出し管21内を通るケーブルが接続されており、原子炉圧力容器下鏡11の下部に交流電力を取り出す。直接発電素子は、熱電気発電素子と熱電子発電素子のいずれを用いてもよい。
【0019】直接発電素子埋め込み型燃料棒24の構成は図3のようになっている。沸騰水型原子炉の燃料集合体のペレット中心温度は約800〜1700℃で高温源をなし、冷却水は286℃の二相流であり低温源をなす。この高温源と低温源のあいだの約500〜1400℃の大きな温度差を利用して直接発電素子の効率を上げる。このため、酸化ウラン焼結体内に中心高温金属棒31と外周低温金属リング32を配置し、この間にP型発電素子33とN型発電素子34を接続して、直接発電素子埋め込み型ペレット30を構成している。直接発電素子の高温端はペレット30の中心に設けた中心高温金属棒31に密着させ、低温端は燃料被覆管24aにセラミック絶縁シートを介して密着させる。
【0020】ペレット30どうしの電気接続は、ペレット30の上下端に配置した端子35を燃料棒24の組み立て時に接触させることにより直列接続する。ペレット1個当り3W〜31.5W直接発電し、燃料集合体1体でペレット24000個=計76kW〜756kWの電力を発生する。P型およびN型の発電素子33,34は安価で現実的な効率3%から16%のものを用いる。発電素子の寿命は酸化ウラン燃料の寿命と同じ4年程度でよく、酸化ウラン燃料と共に交換する。
【0021】図4は直接発電素子埋め込み型燃料棒24の他の構成例を示す。すなわち、直接発電素子ディスク36を燃料の二酸化ウランペレット37の相互の間に設け、これを耐熱絶縁セラミックでコーティングされた接続線38を用いて直列に接続する。直接発電素子ディスク36は、薄い円盤状の高温絶縁セラミックス39内に埋め込まれ中心高温金属棒31と外周低温金属リング32との間に設けられたP型発電素子33とN型発電素子34を備えている。
【0022】図5は直接発電素子ディスク36の内部構造を示す水平断面図である。すなわち、中心高温金属棒33と外周低温金属リング32が高温絶縁セラミックス39内に同軸で配置され、この間にP型発電素子33とN型発電素子34を放射状に配置して直列接続している。
【0023】この直接発電素子埋め込み型燃料棒24においては、燃料の燃焼度の増加と共に二酸化ウランペレット37が変形して直接発電素子が破損することを防止することができる。
【0024】燃料集合体20内における直接発電素子埋め込み型燃料棒24の結線、および分割型DC/ACインバータ26の構成を図6に示す。分割型DC/ACインバータ26には高温セラミックからなる高温半導体46を備える。高温セラミックとしては高温で電気伝導度が増加するアルミナ、ダイヤモンド、タングステンカーバイド、シリコンカーバイド、ステッグルダイトなどに微量の不純物を混ぜてP型、N型の半導体としたものを用いる。
【0025】分割型DC/ACインバータ26の1次側回路44は下部タイプレートボックス41b内に収納され、2次側回路45は電磁トランス収納ボックス42内に収納している。更に、燃料集合体20の上部には上部タイプレートボックス41aを設け、その中に、燃料棒24の上端を直列に電気接続する燃料棒間接続線43を設けてある。
【0026】燃料集合体20における分割型DC/ACインバータ26の他の構成例を図7に示す。すなわち、インバータ回路44にメカニカルスイッチとスプリングで構成される電磁吸引式機械スイッチ47を設ける。同図(b)に示すように、2個の電磁吸引式機械スイッチ47a,47bを設けて、交互に開閉するようにしてもよい。これにより、燃料棒24に生起した直流を交流に変換する。DC/ACインバータ2次側回路45はこの交流電力を電磁トランスとして受け取る。
【0027】電磁吸引式機械スイッチ47,47a,47bはスプリング48で復元力を与える往復運動であるが、このスイッチを回転式にすることにより、より堅牢なものにすることも可能である。この場合、軸受けなどは磁気軸受けを採用する。いずれの場合にも、スイッチおよび電磁トランスを構成する電気部品の設計寿命を約6年程度とする。これは燃料が4サイクル(定検毎に4回、燃料をシャッフルして燃焼を効率化する)程度の寿命で交換されるため、この期間よりもインバータ26の寿命が長ければ十分であるからである。
【0028】本発明の実施の形態の原子力発電装置の追加的な構成を図8に示す。すなわち、高温水浸漬型再循環ポンプである高温インターナルポンプ23を駆動する電動機22の表面に直接発電素子50を取り付け、その外側を冷却水パイプ等で構成された水冷ジャケット51で覆った構成とする。この構成によれば、電動機22を高温源とし水冷ジャケット51を低温源とする直接発電をおこない、沸騰水型原子炉の熱効率を更に向上することができる。
【0029】本実施の形態の原子力発電装置は、炉内で直接発電し、低温源である原子炉冷却材への排熱はそのまま従来の沸騰水型原子炉と同様に燃料集合体被覆管表面で冷却材である水を沸騰させ、発生した蒸気は気水分離されて蒸気タービンへ送られ発電機を回して発電するため、直接発電に伴う熱損失が無く、直接発電電力サイクルによって発生した電力と蒸気タービンで発生した電力とが加算される。したがって、熱効率は直接発電の熱効率とランキンサイクルの熱効率が加算されるので、原子力発電所の熱効率を飛躍的に向上することができる。
【0030】このように本実施の形態の原子力発電装置は、燃料棒を高温源とし、冷却材を低温源とする直接発電電力サイクルと炉心で沸騰させて発生した蒸気によって蒸気タービンを回転させて発電するランキンサイクルの併用を可能にする。本実施の形態においては、熱電気直接発電素子を組み込んだ燃料棒を備えることにより、従来の沸騰水型原子炉の基本構成と特徴を活かして熱効率50%を超える原子力発電装置が得られる。
【0031】熱電気発電素子の効率が多少悪くても、従来の沸騰水型原子炉と同様にタービンへ行く蒸気として発電に利用されるので、従来の沸騰水型原子炉よりも熱効率が低下することはない。圧力容器外への電力の取り出しは、直流を交流に変換し、分割型電磁トランスを用いて圧力バウンダリを介して非接触で取り出す。このため、定検時の燃料交換はコネクタの着脱が不要で、現行燃料と同様に上に吊り上げるのみでよい。
【0032】本実施の形態の原子力発電装置の実施にあたっての新規開発要素は熱電気発電素子を組み込んだ燃料ペレットと燃料棒内の配線、直流・交流変換器、電磁カップリングのみで、他の炉内機器や主蒸気系・タービン系などの設計変更を必要としない。従って、開発要素を限定でき、開発コストも他の炉型に比べると大幅に削減される。また次世型代炉のみならず旧来のプラントへの適用も可能で、原子炉圧力容器交換時にプラントとしての増出力を達成することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、従来の沸騰水型原子炉よりも大幅に高い熱効率を有する原子力発電装置を提供することができる。




 

 


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