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発明の名称 γ線遮蔽体とその製造方法および配管構造物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−66188(P2003−66188A)
公開日 平成15年3月5日(2003.3.5)
出願番号 特願2001−261209(P2001−261209)
出願日 平成13年8月30日(2001.8.30)
代理人 【識別番号】100087332
【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外2名)
発明者 木村 静 / 新村 真人
要約 課題
特殊形状の構造体に容易に適用でき、かつ使用済処理も容易なγ線遮蔽材とそれを用いたγ線遮蔽体を提供する。

解決手段
比重8〜13の高比重樹脂材からなるγ線を遮蔽するγ線遮蔽材を有するγ線遮蔽体であるので、従来のγ線遮蔽材である鉄、鉛に比較して低放射化材である上、鉄、鉛は金属そのものの形で使用済み後処理されるのに対し、高比重樹脂は焼却処理可能であるため、廃棄物の低レベル化及び減容化が図れる。また、成形加工が鉄板、鉛板に比べ容易であり、必要な形状に加工可能であるため、製品としてのコンパクト化、複雑形状への適用が実現できる。
特許請求の範囲
【請求項1】 比重8〜13の高比重樹脂材からなりγ線を遮蔽するγ線遮蔽材を有することを特徴とするγ線遮蔽体。
【請求項2】 比重8〜13の高比重樹脂材からなりγ線を遮蔽するγ線遮蔽材と、前記γ線遮蔽材への熱の伝わりを抑制する保温材とを有することを特徴とするγ線遮蔽体。
【請求項3】 前記γ線遮蔽材が複数に分離可能なことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のγ線遮蔽体。
【請求項4】 前記γ線遮蔽材の外周を被覆する複数のカバーと、前記カバー同士を接合する接合部材とを有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のγ線遮蔽体。
【請求項5】 γ線遮蔽材を有するγ線遮蔽体の製造方法において、比重8〜13の高比重樹脂材からなるγ線遮蔽材を鋳型成形する工程を有することを特徴とするγ線遮蔽体の製造方法。
【請求項6】 γ線遮蔽材を有するγ線遮蔽体の製造方法において、γ線遮蔽体により被覆される対象物に比重8〜13の高比重樹脂材からなる繊維状のγ線遮蔽材を巻き付ける工程を有することを特徴とするγ線遮蔽体の製造方法。
【請求項7】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のγ線遮蔽体により配管の外周を被覆してなることを特徴とする配管構造物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、γ線内包流体配管や容器等のγ線遮蔽に係わり、特に高比重樹脂材を用いたγ線遮蔽体とその製造方法および配管構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現状の原子力発電所において、例えばγ線内包流体配管用のγ線遮蔽材としては、厚板の鉄板により作成された箱型の配管に直接接しないタイプのもの、または、配管保温材の周囲に鉛板を組込んで直接配管に取付けるタイプ(特開平11−82874号公報等参照)のものが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鉄板による箱型の遮蔽体は、共用期間中検査(ISI)時に、取外し作業が発生するため、作業員の被爆量が多くなるという欠点があり、また、外形寸法が大きいために、直接配管に取付けるタイプのものより制約が多く設置可能な場所が限定されるという課題があった。
【0004】鉛入り保温材は、直接配管に取付けられるため、鉄板遮蔽の課題の一部は解決しているものの、遮蔽材として組込む鉛板は、金属そのものを使用するため、成形の制限により大型化し、また重量化するため、配管・サポート設計への影響が大きく、さらに、特殊形状の部分については、加工が困難であるため、その特殊形状に合った形状の遮蔽材とすることができないという課題があった。
【0005】また、鉄板・鉛板ともに使用済み後の処理については、放射化している金属そのものが廃棄物となるため、取扱いが困難である上、容量が大きいという課題があった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その課題は特殊形状の構造体に容易に適用でき、かつ使用済処理も容易なγ線遮蔽体とその製造方法および配管構造物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために請求項1記載の発明のγ線遮蔽体は、比重8〜13の高比重樹脂材からなりγ線を遮蔽するγ線遮蔽材を有することを特徴とする。請求項1記載の発明によると、従来のγ線遮蔽材である鉄、鉛に比較して低放射化材料である上、鉄、鉛は金属そのものの形で使用済み後処理されるのに対し、高比重樹脂材は焼却処理可能であるため、廃棄物の低レベル化及び減容化が図れる。
【0008】請求項2記載の発明のγ線遮蔽体は、比重8〜13の高比重樹脂材からなりγ線を遮蔽するγ線遮蔽材と、前記γ線遮蔽材への熱の伝わりを抑制する保温材とを有することを特徴とする。請求項2記載の発明によると、高比重樹脂材は熱伝導率が大きく、耐熱性の低い樹脂や、熱伝導率が小さく、耐熱性の低い樹脂の場合にも、保温材を併用して用いることで、信頼性が向上する。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載のγ線遮蔽体において、前記γ線遮蔽材が複数に分離可能なことを特徴とする。請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のγ線遮蔽体において、前記γ線遮蔽材の外周を被覆する複数のカバーと、前記カバー同士を接合する接合部材とを有することを特徴とする。請求項3または請求項4記載の発明によると、γ線遮蔽体を取外しての検査を容易に行うことができる。
【0010】請求項5記載の発明は、γ線遮蔽材を有するγ線遮蔽体の製造方法において、比重8〜13の高比重樹脂材からなるγ線遮蔽材を鋳型成形する工程を有することを特徴とする。請求項5記載の発明によると、成形加工が鉄板、鉛板に比べ容易であり、必要な形状に加工可能であるため複雑形状のγ線遮蔽体を製造することができる。
【0011】請求項6記載の発明は、γ線遮蔽材を有するγ線遮蔽体の製造方法において、γ線遮蔽体により被覆される対象物に比重8〜13の高比重樹脂材からなる繊維状のγ線遮蔽材を巻き付ける工程を有することを特徴とする。請求項6記載の発明によると、特殊形状構造体に適したγ線遮蔽体を容易に製造することができる。
【0012】請求項7記載の発明の配管構造物は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のγ線遮蔽体により配管の外周を被覆してなることを特徴とする。請求項7の発明によると、γ線遮蔽体をコンパクト化、軽量化し、配管及びそのサポート設計を容易に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明のγ線遮蔽材について説明する。本発明のγ線遮蔽材として使用する高比重樹脂材は比重8〜13を有する樹脂材であり、例えば特開平3−215566号公報等に開示された熱可塑性高比重樹脂組成物等が挙げられる。この熱可塑性高比重樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に、アクリル酸エステル共重体、全体重量中90〜98重量%タングステン粉末、及び同じく0.01〜0.5重量%の一般式[CH5(CH2mCoO]nRで示される飽和脂肪族カルボン酸化合物を配合してなるもの(ただし式中mは20〜32の整数、nは1または2、Rはアルカリ金属,アルカリ土類金属あるいは脂肪族炭化水素基を表す)である。この高比重樹脂組成物は優れた成形性及び靭性を有することは上記公報に開示されている。
【0014】本発明者等は種々実験を行った結果、この高比重樹脂組成物は成形性及び靭性以外にもγ線の遮蔽材として優れていることを見出した。すなわち、最も比重の高い樹脂を用いた場合には、鉛を用いた場合に比較しても、それと同等以上の遮蔽能力が期待できる。また遮蔽材の材料となる高比重樹脂はタングステン粉末を熱可塑性樹脂に混合したものであるが、タングステンは鉄、鉛に比較して低放射化材料であり、使用済み後の取扱いが、鉄、鉛よりも簡単になるという特徴がある。更に、樹脂材は焼却処理可能であり、遮蔽に用いる時点での体積と比較し、廃棄時の体積を減容することが可能である。
【0015】また、主原料が熱可塑性樹脂であるため、鋳型・押出し等の成形加工が容易であり、複雑な曲り部等を持つ配管に対しても適合した形状に加工可能である。このため、鉛板を組込んだ従来品に比べて必要な厚さに木目細かく加工することが可能である。
【0016】加えて、施工時の取付け、ISI時の取外しを考慮した部品形状を製作することが可能となり、施工性の向上、ISI時の作業効率の向上・被爆低減、を実現することが可能となる。また、複雑形状部にも適合した成形加工が可能であるため、配管構造物の全ての配管部品部位に対しての適用が可能となる。
【0017】さらに、γ線遮蔽体は軽量であり、配管及びそのサポートへ取付けた時の荷重負荷の影響も小さく、また、γ線遮蔽体の取付け取外しが容易な形状とすることができ、また特殊形状であってもγ線遮蔽体を製作することができるので、γ線遮蔽体を取付けた配管、そのサポート等の配管構造物全体の設計を容易に行うことができる。
【0018】次に、本発明のγ線遮蔽材を用いた実施の形態を図を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の上半部の断面図であり、高温配管の遮蔽を行うために使用する際の形状を示すものであり、配管の外周に合わせ、2分割にて配管に施工可能な形状を有するものとしている。
【0019】図1(a)の断面図において、1は高温配管用保温材であり、遮蔽を施す配管5の状態に合わせ、高比重樹脂の温度性能を保持可能な必要厚さを確保している。この保温材1の外側に高比重樹脂材を用いたγ線遮蔽材2を必要遮蔽厚さ配置する。さらにその外側に保温材3を、高温配管用保温材1及びγ線遮蔽材2を含め必要厚さ配置する。そして、保温材3の外側に図2に示すようなステンレス製カバー4(ただし、カバーの材質はステンレス材に限定しない、その他の強度部材でも可とする。)にて全体を囲み、カバー4に付属の留め金4aにてカバー4を固定する。
【0020】保温材1とγ線遮蔽材2、及びγ線遮蔽材2と保温材3については、適用する保温材の種類により、A部分の拡大図の図1(b)に示すように接着剤による接続、または図1(c)に示すように保温材1及び保温材3に施した鉤状の凹凸によるスライド式接続、または図1(d)に示すようにハイブリッド成形による接続等を行っている。
【0021】図3は本発明の第2実施形態の上半部の断面図である。図3に示すように、本実施形態の遮蔽材2の長手方向端部である円周方向接続側端部は、一方の端部に凹部2b、他方の端部に凸部2aを形成し、図示しない下半部の一方の端部の凸部、他方の端部の凹部と組合せることで、接続部の遮蔽能力低下を防止し、遮蔽材の厚さを最小限に保てるようにしている。
【0022】図4は本発明の第3実施形態の上半部の断面図、図5は図4のカバーの傾斜図であり、図1の第1実施形態において外側の保温材が不要である場合である。図4において、1は高温配管用保温材であり、遮蔽を施す配管5に合わせて、高比重樹脂の温度性能を保持可能な必要厚さを確保するものとする。2は高比重樹脂遮蔽材であり、必要遮蔽厚さを確保するものとする。この場合、遮蔽材2の成形時にステンレス製カバー4の内側に設けた突起4bに樹脂を噛み込ませ遮蔽材2と一体化し、配管5にはカバー4の留め金4aにて固定するものとする。また、保温材1と遮蔽材2の接続については、図1の第1実施形態の場合と同様な接続とする。
【0023】図6は本発明の第4実施形態の上半部の断面図であり、低温配管のγ線遮蔽を行うために使用する際の形状を示すもので、保温材を使用しない場合である。図6(a)において、2は高比重樹脂遮蔽材であり、必要遮蔽厚さを確保するものとする。また、ステンレス製のカバーは図示していないが、図4の第3実施形態と同様、遮蔽材2と一体成形することも可能である。配管に対しては、図示しない留め金具にて留め付けるものとする。また、遮蔽材2の長手方向端部である円周方向接続端部は、図6(b)及び(c)に示すような凸部2a及び凹部2bを形成し図示しない下半部と互いに組合せることで接続部の遮蔽能力低下を防止する。あるいは図6(d)及び(e)に示すようなテーパーを持たせ、図示しない下半部と互いに組合せることで、接続部の遮蔽能力低下を防止することができる。このため、接続部の遮蔽能力を確保するため遮蔽材を厚くする必要がなく、遮蔽材の厚さを最小限に保つことができる。
【0024】図7は本発明の第5実施形態の構成図であり、図7(a)は遮蔽の対象となる構造体の斜視図、図7(b)は図7(a)の左側の鋳型、図7(c)は図7(a)の右側の鋳型である。本実施形態では、図7(a)に示すように、特異形状部の構造体6であっても、図7(b)及び(c)のようにその形状に合わせて左右の鋳型6a,6bによる成形加工を行うことで容易にγ線遮蔽体を製作することができる。またγ線遮蔽体の設定箇所の制限もない。
【0025】図8は本発明の第6実施形態の斜視図である。図に示すように、本実施形態は高比重樹脂遮蔽材を繊維状に射出成形して繊維状γ線遮蔽材7を製作する。そして、特殊形状構造体8または突起部9へこの繊維状γ線遮蔽材7を巻き付けることにより取付け、遮蔽機能を持たせている。このように、被覆される対象の形状によらず、繊維状γ線遮蔽材7により容易にγ線遮蔽体を製作できるので、特殊形状構造体に適用できる。特に遮蔽体の取外し不要部分への適用において効果がある。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のγ線遮蔽材は、成形加工が鉄板、鉛板に比べ容易であり、必要な形状に加工可能であるため、γ線遮蔽体は製品としてのコンパクト化、複雑形状への適用が実現できる。また、廃棄時に体積を減容することもできる。




 

 


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