米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 核技術 -> 株式会社東芝

発明の名称 イオン源装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−28992(P2003−28992A)
公開日 平成15年1月29日(2003.1.29)
出願番号 特願2001−215378(P2001−215378)
出願日 平成13年7月16日(2001.7.16)
代理人 【識別番号】100087332
【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外2名)
【テーマコード(参考)】
2G085
5C030
【Fターム(参考)】
2G085 AA01 BA02 BA06 BC01 BE02 EA09 
5C030 DD10 DE04 DE07 DG01
発明者 奥山 利久 / 市橋 公嗣
要約 課題
上流の電極における2次電子の発生による下流の電極への影響が少なく、上流の電極への電子流による入熱の除去能力の高いイオン源装置を提供する。

解決手段
プラズマ源13で生成した負イオンを引き出して加速する電極2を備え、前記電極2は冷却媒体流路5を内設され、この冷却媒体流路5内に前記負イオンの流れ8の中から電子を分離する磁石6が埋設されている構成とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 プラズマ源で生成した負イオンを引き出して加速する電極を備え、前記電極は冷却媒体流路を内設され、この冷却媒体流路内に前記負イオンの流れの中から電子を分離する磁石が埋設されていることを特徴とするイオン源装置。
【請求項2】 磁石は表面に保護被膜を有することを特徴とする請求項1記載のイオン源装置。
【請求項3】 磁石は保護容器内に収められていることを特徴とする請求項1記載のイオン源装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、核融合プラズマ加熱用中性粒子入射装置や各種のビーム生成装置において負イオンビームの引き出しに用いられるイオン源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4,図5,図6を参照して従来のイオン源装置の構造と動作を説明する。図4は従来用いられているイオン源装置を一部概略的に示す断面図、図5および図6は、図4において加速部のビーム引き出しにかかわる電極を部分的に示す平面図と断面図である。
【0003】図4において符号13はプラズマ源、符号14はプラズマ源13で発生したソースプラズマであり、符号15はソースプラズマを閉じ込めるための磁石である。符号1,2,3はプラズマ源13から負イオンビームを引き出すために3段階に設けられた第1,第2,第3の電極である。また、符号16,17,18はこの第1から第3までの電極を支持するフランジであり、符号19,20,21はこれら電極間の絶縁を保持するための絶縁部材である。
【0004】第1から第3までの電極1,2,3は、大電流の負イオンビームを引き出すイオン源装置では、例えば図5に示すように多数の電極孔4を有する。この電極孔4を通過して負イオンビーム8が引き出され加速される。イオン源装置でイオンを引き出すためには、第1から第3の電極1,2,3の電極孔4はある程度大きさが決まってくるため、引き出す電流量を増大するためには孔数を増やす。
【0005】電流量が増えると電極1,2,3に加わる熱負荷も増加するため、図4に示すように電極孔4の間に冷却水路5を設けて、電極全体を冷却する構造にしている。また、第2の電極2には図6に示すように電極孔4の間に電極2自体を冷却する冷却水路5の他に電子を抑制するための永久磁石6が埋め込まれている。
【0006】図4において、第1の電極1の上部に設置されるプラズマ源13内にアーク放電やRF放電によりソースプラズマ14が生成し、ソースプラズマ14はプラズマ閉じ込め用磁石15により閉じ込められる。例えば、水素を動作ガスとするプラズマ源では水素プラズマが生成される。
【0007】負イオン源ではソースプラズマ14中に含まれる負イオンが引き出される。この場合、負イオンは、図6において模擬的に示すように、第1の電極1と第2の電極2の間に接続されている電源(図示せず)によってプラズマ源13(図6では図示せず)および第1の電極1側に印加される負極性の電位により、ソースプラズマ14中から第2の電極2側に引き出される。
【0008】引き出された負イオンは、第2の電極2と第3の電極3の間に接続されている電源(図示せず)によって電位を与えることにより、さらに加速されて負イオンビーム8が形成される。なお、図6では負イオンビーム8を模式的に矢印で示しているが、実際には粒子の束となって、電極孔4を通過していく。
【0009】ソースプラズマ14中には引き出そうとする負イオンのほかに正イオン、電子等も混在しており、このうち電子は負イオンと同じマイナスの極性を有しているために、第1の電極1と第2の電極2で電位差により負イオンを引き出すときに、電子も引き出される。この電子は次のような方法により除去される。
【0010】すなわち、第2の電極2に永久磁石6を埋め込んで電極孔4を横切る磁場を電極孔部に形成させる。図6において永久磁石6に磁石の極性を記載しているが、図からわかるように1列おきに電極孔4には逆向きの磁場が形成される。
【0011】引き出された電子は、この磁場と電子自体との相互作用によって発生するローレンツ力によりビームの進行方向に垂直な力を受け、偏向させられて負イオンビーム8から分離される。そして、偏向した電子流9は第2の電極2に衝突させることにより、このエネルギーは熱的に除去される。
【0012】なお、図6では便宜上、磁場の方向と電子の偏向方向が同じ方向のように示してあるが、実際には紙面に垂直な方向に偏向される。また、実際の負イオン源では、その他の磁場が電極部にも加わるため、それらと複合した磁場で電子は偏向を受ける。なお、負イオンも磁場により偏向されるが、電子に比べてその質量が大きいために偏向量が小さく、電極孔4を通過することができる。
【0013】第1の電極1と第2の電極2の間に電位を与えている電源にはこの引き出された電子電流が流れ込む。第2の電極2に流れ込む電子流9は、第1の電極1と第2の電極2の間に印加した電圧と引き出された電子電流の積のエネルギーを有している。したがって、この電子が第2の電極2に衝突するとその有しているエネルギーに相当する熱負荷を電極2に与える。このため、この熱負荷を除去するために第2の電極2には冷却水路5が設けられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来のイオン源装置においては、図6に示したように、第2の電極2において、冷却水路5と電子偏向用の永久磁石6は分離されている。この場合、磁石と冷却水路配置の構造は2通り考えられる。
【0015】第1の配置構造は図6に示した、磁石6を上すなわち第1の電極1側におき、冷却水路5を下に配置する構造である。この構造では、磁石6の磁場が第2の電極2の表面上すなわち第1の電極1との間にも広がるため、磁場によって電子流は第2の電極2の手前で曲げられ、第2の電極2の上表面に衝突させることができる。ただし、冷却水路5は永久磁石6よりも下にあるため、電子のあたる面より離れてしまい、熱伝導距離が長くなるため、第2の電極2の表面の温度上昇を招く。
【0016】第2の配置構造は上記第1の配置構造とは逆に冷却水路5を上に配置し、永久磁石6を下に配置する構造である(図示せず)。この構造では永久磁石6の作る磁場は主として電極孔4の中であり、第2の電極2の表面では磁界が小さい。このために、大部分の電子が電極孔4の内面に衝突する。
【0017】電子が金属にあたると2次電子が発生する。負イオン源では電子は余分なものであり、第3の電極3側に極力電子を出さない構造が望ましい。第2の配置構造では電極孔4内面に衝突した電子が発生させた2次電子が第3の電極3側に引き出される可能性が高い。これに対して、第1の配置構造では第2の電極2表面に電子があたるため、2次電子が第3の電極側に引き出される可能性が低い。
【0018】このため、従来のイオン源装置においては、第2の電極2で電子を除去する際に発生する2次電子が第3の電極3側に行くことを抑えるために、電子抑制用の磁石6を第2の電極2の表面側に配置する第1の構造が主として採用されている。この場合前記のように、冷却能力が低く電極の表面部分の温度上昇を招くという問題がある。
【0019】特に、高強度のイオンビームを引き出す場合、同時に引き出される電子のエネルギーも高く、冷却水路5が電子の衝突面から遠いために、第2の電極2の表面温度が高くなり、電極表面が溶損することもありうる。また、温度上昇により、磁石強度が低下する可能性もある。永久磁石6は100℃〜150℃でその強度が低下し始めるため、できれば磁石自体を冷却することが望ましい。
【0020】このように従来のイオン源装置においては、上流の電極における2次電子の発生による下流の電極への影響を低く抑えようとすると、上流の電極への電子流流入による加熱を十分に冷却することができないという問題がある。
【0021】そこで本発明は、上流の電極における2次電子の発生による下流の電極への影響が少なく、上流の電極への電子流による入熱の除去能力の高いイオン源装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、プラズマ源で生成した負イオンを引き出して加速する電極を備え、前記電極は冷却媒体流路を内設され、この冷却媒体流路内に前記負イオンの流れの中から電子を分離する磁石が埋設されている構成とする。本発明によれば、冷却媒体流路を第2電極の表面近くに配置することが可能になり、冷却効率を向上させることができる。また、磁石自体も冷却しており、磁石自体の温度上昇を防ぐこともできる。
【0023】請求項2の発明は、請求項1の発明において、磁石は表面に保護被膜を有する構成とする。磁石を長期間冷却媒体中に置くと、磁石が腐食する恐れがあるが、本発明によれば、磁石の腐食をを防ぐことができる。
【0024】請求項3の発明は、請求項1の発明において、磁石は保護容器内に収められている構成とする。本発明によれば、磁石の腐食を防ぐことができる。また、磁石を一体構造にすることにより電極製作上の作業性を向上することも可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態のイオン源装置を図1を参照してを説明する。図1は第1の電極1から第3の電極3まで3枚電極構成で加速部を構成する場合を例としている。また、第2の電極2に複数の電極孔4と、この電極孔4を挟むように冷却水路5が設けられている場合を示している。
【0026】すなわち、冷却水路5の中に、第2の電極2への電子流入を抑制する永久磁石6が設けてある。また、冷却水路5内において永久磁石6の位置保持と適正な流路の確保のため、スペーサー7を永久磁石6のまわりに配置している。冷却水路5は電極2内に直接溝を加工する方法あるいは角管を埋める等の方法で製作する。なお、図1では矩形の冷却水路で示してあるが、スペースが許せば、円管の中に磁石を収めて埋め込んだ構成としてもよい。
【0027】このような構成の第1の実施の形態のイオン源装置において、引き出された負イオンビーム(図示せず)は電極孔4を通過して第3の電極3に向かう。一方、負イオンとともに引き出される電子流(図示せず)は、永久磁石6によって形成される磁場により第2の電極2に流入する。この場合、永久磁石6の配置が電極2の表面側(第1の電極側)に近いため、電子は第2の電極2の上側に主として当たる。
【0028】本実施の形態では、電子流のあたる位置に近い部分に冷却水路5が設けられているために、熱伝導距離が短く、冷却効率が良い。また、永久磁石6自体が冷却されているため、電極2の温度上昇による磁石6の温度上昇が少なく、温度上昇による磁石劣化が少ない。
【0029】次に本発明の第2の実施の形態のイオン源装置を図2を参照して説明する。図2は図1と同様に第2の電極2に複数の電極孔4が開けられ、冷却水路5と永久磁石6が設けられている場合を示している。この実施の形態においては、冷却水路5の中に配置された永久磁石6は、その表面にメッキあるいは樹脂による保護被膜10を形成された構成とする。
【0030】冷却水路5中に永久磁石6を置いた状態で長期間にわたって冷却水に磁石6が晒された場合、磁石6の腐食が問題となる。この第2の実施の形態では、磁石6の表面にメッキあるいは樹脂による保護被膜が形成されているので、磁石6と冷却水が直接接触せず、磁石6の腐食を防ぐことができる。
【0031】次に本発明の第3の実施の形態のイオン源装置を図3を参照して説明する。図3(a)は第2の電極2の断面図であり、図1,図2と同様に複数の電極孔4が開けられている場合を示している。また、図3(b)は磁石アセンブリ6aを組み立てた状態の図である。この第3の実施の形態は、冷却水路5の中に配置された永久磁石6を金属あるいは樹脂製の保護容器11内に収めた構成とする。
【0032】すなわち、永久磁石6は図3(b)に示すように保護容器11内に複数収められ、保護容器11の両端を封止部材12によって封止することにより、密封された状態を作り出している。これにより、磁石6は細長い一本の棒状にすることができ、組立て上、電極2の中に差し込むことができる。なお、図には示していないが、熱収縮チューブのような樹脂のチューブ内に磁石を入れて端部を樹脂で封止した構成としてもよい。なお、上記3つの実施の形態において、冷却水路5にフロン、絶縁油等、水以外の冷却媒体を流すようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、上流の電極における2次電子の発生による下流の電極への影響が少なく、上流の電極への電子流による入熱の除去能力の高いイオン源装置を提供することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013