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発明の名称 放射化黒鉛の処分方法及びその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−14890(P2003−14890A)
公開日 平成15年1月15日(2003.1.15)
出願番号 特願2001−196395(P2001−196395)
出願日 平成13年6月28日(2001.6.28)
代理人 【識別番号】100087332
【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3B201
4D004
【Fターム(参考)】
3B201 AA46 AA48 AB32 BB02 BB83 BB87 BB96 BC01 CB01 
4D004 AA16 AB09 CA27 CA34 CA36 CA37 CA40 CB33 CC03
発明者 高橋 陵太 / 三倉 通孝 / 村田 栄一 / 豊原 尚美 / 佐藤 龍明 / 夏井 和司
要約 課題
放射化黒鉛に付着している放射性核種を除去し、埋設する放射化黒鉛からの放射性核種の放出を低減させる。

解決手段
放射化黒鉛を超音波あるいは化学除染剤により洗浄し、洗浄液中のC-14を無機化およびCl-36を吸着回収する。洗浄後の放射化黒鉛を加熱し、含有されているCl-36を蒸発除去する。加熱処理された放射化黒鉛を固型化する。放射化黒鉛の洗浄条件として、超音波を照射しながら、酸化処理条件は溶液のpH4以下かつ温度が80℃近傍の条件が適切である。放射化黒鉛の加熱処理は不活性ガス存在下、下方から900oCに加熱することが最適であり、Cl-36は冷却装置を装着したトラップに回収する。
特許請求の範囲
【請求項1】 放射性核種を含む黒鉛を埋設処分前に、予め前記放射性核種を含む放射化黒鉛を洗浄処理して放射性核種を放出させることを特徴とする放射化黒鉛の処分方法。
【請求項2】 放射性核種を含む黒鉛を埋設処分前に、予め前記放射性核種を含む放射化黒鉛を洗浄処理して溶解性放射性核種を放出させ、次に不活性ガス中で加熱処理して揮発性放射性核種を低減させることを特徴とする放射化黒鉛の処分方法。
【請求項3】 前記洗浄処理は酸を含有した化学除染剤による前記放射化黒鉛の洗浄であることを特徴とする請求項1記載の放射化黒鉛の処分方法。
【請求項4】 前記化学除洗剤は前記放射化黒鉛の洗浄液に含まれる放射性核種を化学形態に変化させる酸化剤または還元剤あるいはその両者であることを特徴とする請求項2記載の放射化黒鉛の処分方法。
【請求項5】 前記酸化剤に紫外線照射を併用することを特徴とする請求項4記載の放射化黒鉛の処分方法。
【請求項6】 前記酸化剤はオゾンまたは過酸化水素あるいはオゾンと過酸化水素との併用であることを特徴とする請求項4記載の放射化黒鉛の処分方法。
【請求項7】 前記洗浄処理に超音波照射を付与することを特徴とする請求項3ないし6の何れかに記載の放射化黒鉛の処分方法。
【請求項8】 前記加熱処理は不活性ガス中で、900℃から1300℃の温度で前記放射化黒鉛を加熱することを特徴とする請求項2記載の放射化黒鉛の処分方法。
【請求項9】 洗浄槽と、この洗浄槽内に設けられ放射化黒鉛を収納する内槽と、この内槽と前記洗浄槽との間に設けられた超音波振動子と、前記洗浄槽に設けられ洗浄液が下方から流出して上方から流入する循環配管と、この循環配管に設けられたイオン交換樹脂塔とを具備したことを特徴とする放射化黒鉛の処分装置。
【請求項10】 洗浄槽と、この洗浄槽内に設けられ放射化黒鉛を収納する内槽と、この内槽と前記洗浄槽との間に設けられた超音波振動子と、前記洗浄槽に配管接続されたオゾン発生装置とを具備したことを特徴とする放射化黒鉛の処分装置。
【請求項11】 洗浄槽と、この洗浄槽に設けられた出口配管と、この出口配管に接続された循環ポンプと、この循環ポンプの吐出側配管と前記洗浄槽に設けられた入口配管に接続された循環配管と、この循環配管に下流側に沿って順次設けられた加熱ヒータ、過酸化水素供給装置及び紫外線分解装置と、前記加熱ヒータの出口側循環配管と前記紫外線分解装置の出口側循環配管から分岐してバイパス接続された水質測定装置とを具備したことを特徴とする放射化黒鉛の処分装置。
【請求項12】 前記洗浄槽の出口配管と前記加熱ヒータの出口側循環配管から分岐してバイパス接続されたイオン交換樹脂カラムを備えたことを特徴とする請求項11記載の放射化黒鉛の処分装置。
【請求項13】 立型加熱炉と、この加熱炉に設けられた可動式高周波加熱器と、前記加熱炉の下部に設けられた取り出し口と、この取り出し口に配管接続された不活性ガス発生装置と、前記取り出し口と前記加熱炉の上部との間に配管接続された循環配管と、この循環配管に設けられた循環ポンプ及び放射性核種塩化物トラップとを具備したことを特徴とする放射化黒鉛の処分装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射化黒鉛の処分方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高温ガス炉の廃止措置にともなって、放射化された黒鉛が大量に発生する。これらの放射化黒鉛を安全に処分するためには、処分後に放射化黒鉛から放射性核種がほとんど浸出しないようにする必要性がある。廃棄物処分後の被ばく評価上、C-14とCl-36が重要な核種とされている。高温ガス炉に使用されている黒鉛は結晶性が高く、熱力学的に安定であるために、黒鉛のバルク中に存在する放射性核種、特にC-14は系外に放出されないことが知られている。
【0003】例えば特開平3−179299号公報に、放射化された黒鉛を、水素添加または燃焼によりガス化し、そのガスを同位体分離によりC-14を分離する方法が開示されている。また、例えば特開2000−121795号公報には放射性黒鉛廃棄物中に含まれるC-14を優先的に酸化した後、固定化する方法が開示されている。
【0004】一般に、放射化黒鉛の処分方法においては、焼却処分と埋設処分に大別される。焼却処分は廃棄物として発生する放射化黒鉛を触媒存在下において気相中で焼却する。埋設処分は放射化黒鉛を焼却して発生したCO2は捕集し、C-14のみを分離回収し、再度固定化した後に埋設処分する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の埋設処分方法では、発生するC-14を含むCO2を100%回収できず、自然界に放出される可能性がある。また、現在の高温ガス炉に使用されている黒鉛中には不純物として金属が数10ppm含有されているため、焼却により大量の焼却倍が発生し、新たに焼却灰の処理処分法を追加する必要がある。
【0006】放射化黒鉛中にはC-14のほかに長半減期(3×105年)のCl-36が100〜300Bq g-1含まれており、処分評価上重要な放射性核種に数えられており、C-14に関する処分方法はいくつか提案されているが、焼却に伴うCl-36の放出をトラップする技術は現在のところ検討されていない。
【0007】一方、埋設処分では埋設後に地下水等が接液すると放射化黒鉛は瞬時に放出し、1ヵ月ほどで総インベントリーの1割程度放出されることがわかっている。C-14は接液時に接液した表面に付着したもののみが放出され、放出率が10-4/yearを維持できているが、放出されるC-14の化学形態はほとんど有機化合物の形を取っており、固型化材に吸着させることが困難である。
【0008】また、放射化黒鉛中には塩化物の形態でCl-36が取込まれており、接液することにより外部に放出される。洗浄後あるいは洗浄前に放射化黒鉛を焼却せずに加熱することにより、放射化黒鉛中に含まれる塩化物を蒸発させ、Cl-36を除去する。
【0009】洗浄液に含まれる被ばく評価上重要なC-14とCl-36を固型化することにより、黒鉛廃棄物からの放射性核種をほとんど埋設封じ込めが可能になる。この時、C-14は有機化合物と無機化合物の形態を持つものがあり、無機化合物の形態をC-14は固型化が可能であるが、有機化合物の形態を持つC-14は固型化が困難である。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされたもので、放射化黒鉛をまず洗浄して瞬時に放出される放射性核種を除去し、その後に埋設処分することにより、埋設後の放射化黒鉛からの核種浸出率を大幅に減少できる放射化黒鉛の処分方法及びその装置を提供することにある。
【0011】また、本発明は放射化黒鉛から瞬時に放出される有機化合物の形態を有するC-14を化学変化させて無機化合物にすることにより固型化できる放射化黒鉛の処分方法及びその装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、放射性核種を含む黒鉛を埋設処分前に、予め前記放射性核種を含む放射化黒鉛を洗浄処理して放射性核種を放出させることを特徴とする。
【0013】請求項2に係る発明は、放射性核種を含む黒鉛を埋設処分前に、予め前記放射性核種を含む放射化黒鉛を洗浄処理して放射性核種を放出させ、次に不活性ガス中で加熱処理して前記放射性核種を低減させることを特徴とする。
【0014】この発明によれば、例えば高温ガス炉の解体に伴い発生する放射化黒鉛を洗浄処理することにより、埋設処分前に付着している放射性核種を除去し、埋設処分後に放出する放射性核種を低減する。これにより放射化黒鉛から被ばく評価上重要な放射性核種の浸出率を低く抑えて、安全評価上問題のない領域にできる。
【0015】すなわち、放射化黒鉛を酸化剤で洗浄することにより、C-14の有機成分をCO2の無機成分にまで酸化することにより、予め放出される有機成分であるC-14をすべて無機化し、固型化材に固型化できる。また、放射化黒鉛を不活性ガス中で加熱することにより、黒鉛を燃焼することなく、放射化黒鉛中に含まれているCl-36を蒸発除去できる。
【0016】請求項3に係る発明は、前記洗浄処理は酸を含有した化学除染剤による前記放射化黒鉛の洗浄であることを特徴とする。この発明によれば、放射化黒鉛に付着している放射性核種を化学除洗剤により溶解剥離できる。とくに、金属の放射性核種は酸化物の形態となっているため、化学除洗剤に含まれている還元性を有する有機酸により溶解除去することができる。
【0017】請求項4に係る発明は、前記化学除洗剤は前記放射化黒鉛の洗浄液に含まれる放射性核種を化学形態に変化させる酸化剤または還元剤あるいはその両者であることを特徴とする。
【0018】この発明によれば、洗浄液に含まれている放射性核種を化学除染剤に含まれる還元剤及び酸化剤と化学反応させて化学形態を変化させる。とくに、有機化合物の化学形態を取るC-14はセメント等の固型化剤への吸着性が低く、被ばく評価の最重要核種の一つになっている。
【0019】したがって、有機化合物の化学形態を有するC-14を化学除染剤に含まれる酸化還元剤と化学反応させて無機化合物の化学形態にすることにより固型化への吸着性の向上を図ることができる。また、化学除染剤として酸化剤を用いることにより有機化合物の化学形態を有するC-14を二酸化炭素(CO2)の化学形態に変化させることにより固型化剤への吸着性の向上を図ることができる。
【0020】請求項5に係る発明は、前記酸化剤に紫外線(UV)照射を併用することを特徴とする。この発明によれば、酸化剤と紫外線(UV)を併用することにより、固型化剤への吸着性向上を図ることができる。C-14を含む有機化合物は炭素数が1から2の低分子化合物であり、酸化剤を共存させ、紫外線を照射することにより、CO2にまで分解できる。このようにして得られたC-14を含むCO2を固型化剤に吸着させることができる。
【0021】請求項6に係る発明は、前記酸化剤はオゾンまたは過酸化水素あるいはオゾンと過酸化水素との併用であることを特徴とする。この発明によれば、酸化剤としてオゾンガス、または過酸化水素を使用することにより、低分子化合物である有機化合物の形態を有するC-14をCO2にまで分解することができる。
【0022】請求項7に係る発明は、前記洗浄処理に超音波照射を付与することを特徴とする。この発明によれば、放射化黒鉛に付着している放射性核種を超音波により物理的に剥離することができる。
【0023】請求項8の発明は、前記加熱処理は不活性ガス中で、900℃から1300℃の温度で前記放射化黒鉛を加熱することを特徴とする。この発明によれば、発生した放射化黒鉛廃棄体を焼却することなく、高温に加熱することにより、黒鉛中に含まれる放射性核種及び塩化物を蒸発除去できる。
【0024】また、不活性ガス中において、放射化黒鉛を高温誘導加熱炉で、瞬間的に900℃から1300℃に昇温し、放射化黒鉛を焼却することなく、放射化黒鉛に含まれる塩化物を蒸発除去する。これにより、放射化黒鉛に含まれる揮発性Cl-36を除去できる。
【0025】なお、900℃未満では塩化物が気化し難く、1300℃を超えると沸点以上となり、温度調整等、操作上の問題や熱容量の増大を伴い、加熱装置が複雑化するので好ましくない。
【0026】請求項9に係る発明は、洗浄槽と、この洗浄槽内に設けられ放射化黒鉛を収納する内槽と、この内槽と前記洗浄槽との間に設けられた超音波振動子と、前記洗浄槽に設けられ洗浄液が下方から流出して上方から流入する循環配管と、この循環配管に設けられたイオン交換樹脂塔とを具備したことを特徴とする。
【0027】この発明によれば、洗浄槽内の洗浄水を超音波振動子からの超音波照射により攪拌して黒鉛ブロックを洗浄することができる。また、イオン交換樹脂塔により、洗浄水中に含まれる放射性核種を除去することができる。
【0028】請求項10に係る発明は、洗浄槽と、この洗浄槽内に設けられ放射化黒鉛を収納する内槽と、この内槽と前記洗浄槽との間に設けられた超音波振動子と、前記洗浄槽に配管接続されたオゾン発生装置とを具備したことを特徴とする。
【0029】この発明によれば、洗浄液中に超音波振動子により超音波を照射しながらオゾン発生装置からオゾンを吹き込む。超音波を照射させることにより洗浄液中に黒鉛ブロックの表層部分に存在するC-14を溶出させ、吹き込んだオゾンによりCO2までに無機化でき、これにより、固型化剤に固定し易くできる。
【0030】請求項11に係る発明は、洗浄槽と、この洗浄槽に設けられた出口配管と、この出口配管に接続された循環ポンプと、この循環ポンプの吐出側配管と前記洗浄槽に設けられた入口配管に接続された循環配管と、この循環配管に下流側に沿って順次設けられた加熱ヒータ、過酸化水素供給装置及び紫外線分解装置と、前記加熱ヒータの出口側循環配管と前記紫外線分解装置の出口側循環配管から分岐してバイパス接続された水質測定装置とを具備したことを特徴とする。
【0031】この発明によれば、除染剤と水溶液の洗浄液を循環して再利用することができる。洗浄槽に放射化黒鉛を洗浄した後の洗浄液を充填した後、酸化還元剤を洗浄槽に添加し洗浄液を循環ポンプにより循環させる。この時、洗浄液を加熱ヒータで昇温して80℃以上にして、放射化黒鉛中に含まれる酸化物の不純物を溶解させる。
【0032】溶液中に酸化剤が溶存した状態で、紫外線分解装置から紫外線を照射すると、オゾンまたは水分子の化学結合が切れて不対電子を有する活性なラジカルが生成し、溶液中に溶存している有機化合物をCO2まで分解することができる。この分解は水質測定装置により確認できる。
【0033】請求項12に係る発明は、前記洗浄槽の出口配管と前記加熱ヒータの出口側循環配管から分岐してバイパス接続されたイオン交換樹脂カラムを備えたことを特徴とする。
【0034】この発明によれば、請求項11の発明において、洗浄により循環系内を循環する加熱された洗浄液中に含まれる放射化黒鉛から溶出したCo-60などの金属イオンをイオン交換樹脂カラムで回収することができる。
【0035】請求項13に係る発明は、立型加熱炉と、この加熱炉に設けられた可動式高周波加熱器と、前記加熱炉の下部に設けられた取り出し口と、この取り出し口に配管接続された不活性ガス発生装置と、前記取り出し口と前記加熱炉の上部との間に設けられた循環配管と、この循環配管に設けられた循環ポンプ及び放射性核種塩化物トラップとを具備したことを特徴とする。
【0036】この発明によれば、不活性ガスを加熱炉全体に通気循環させ、可動式高周波加熱器により放射化黒鉛を下方から瞬時に加熱する。不活性ガス中での加熱により、放射化黒鉛を焼却することなく、含有されたCl-36を蒸発除去できる。また、Cl-36は例えばCsClを捕集する放射性核種塩化物トラップで捕集できる。
【0037】
【発明の実施の形態】図1を参照しながら本発明に係る放射化黒鉛の処分方法の第1の実施の形態を説明する。図1は本実施の形態に係る放射化黒鉛処分フローである。まず、廃止措置される高温ガス炉1の炉停止後、Co-60などの短半減期の放射性核種を減衰させる。解体処理2時に発生した放射化黒鉛3は、処分場に廃棄体として処分するために、ドラム缶に充填できるサイズに切断・細断4する。
【0038】切断・細断4された放射化黒鉛ブロック5と切断に伴って発生する切り屑と黒鉛粉体6について洗浄処理7により、超音波照射および酸をベースとした化学除染を行う。この洗浄処理7は洗浄槽8内に除染剤水溶液9と黒鉛ブロック5および黒鉛粉体6を収納した後、攪拌機10で攪拌しながら除染剤水溶液9による洗浄を行う。
【0039】洗浄した放射化黒鉛ブロック5および切り屑と黒鉛粉体6は必要に応じてさらに不活性ガス中において加熱処理することにより放射性核種を低減させた後に、黒鉛廃棄物13として固型化処理14した後、埋設処理15により埋設処分する。
【0040】このとき、洗浄処理7で発生した放射性核種を含む洗浄廃液12および黒鉛廃棄物13は逐次固型化材に固型化処理14し、つぎに埋設処理15で放射化黒鉛と同様に埋設材17とともに廃棄体として充填固化し埋設ピット16内に埋設処分される。必要に応じて洗浄した後の洗浄廃液12は濃縮して固型化材で固型化処理14される。
【0041】また、放射化黒鉛中のCl-36濃度が検出限界値以下である場合においては、洗浄を省略して、放射化黒鉛ブロック5および切り屑と黒鉛粉体6を不活性ガス中において加熱し、放射性核種を低減させることができる。
【0042】本実施の形態によれば、埋設処分後に放射化黒鉛が接液する表面部分から瞬時に放出される放射性核種を除去することができる。すなわち、黒鉛廃棄物の埋設後の被ばく評価では、C-14とCl-36が重要な核種とされている。放射化黒鉛中に含まれるC-14は、不純物として含まれる窒素が中性子と核反応して生成する。
14N(n,p)14C (1)【0043】生成したC-14は放射化黒鉛中のバルクに存在するため、埋設後の接液により溶液系に浸出せず、放射化黒鉛の表面に局在化するC-14のみが溶液系に浸出する。一方、Cl-36は黒鉛中の不純物であるCl-35が中性子と核反応して生成する。
35Cl(n,γ)36Cl (2)【0044】黒鉛からの塩化物イオンは極めて早く、浸出率で約10-1/yearの数値であることが知られている。温度などの浸出を加速させる因子には無関係に接液すれば瞬時に放出する。黒鉛中に含まれるCl-36の形態が塩化物イオンであるために、接液すると同時に溶液中に放出される。
【0045】したがって、放射化黒鉛の埋設後、瞬時に放出する放射性核種を減少させるため、埋設前に洗浄、加熱などの処理を施しておくことによって、埋設前に放射性核種を低減させることにより放射能レベルに応じた処分方法を設定することができる。
【0046】つぎに図2により本発明に係る放射化黒鉛の処分装置の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態は放射化黒鉛の処分装置の一環として図1で説明した洗浄処理7で使用する放射化黒鉛洗浄装置の第1の例である。図2中、符号18は立型洗浄槽で、洗浄槽18内には黒鉛ブロック5を収納する内槽19が設置され、内槽19と洗浄槽18との間に超音波振動子20が設置されている。洗浄槽18の上下両端部にイオン交換樹脂塔21に接続する循環配管22〜24が設けられている。符号25は洗浄槽18の下部に接続されたドレン管である。
【0047】超音波振動子20を装着した洗浄槽18の内槽19に解体処理2で切断した放射化黒鉛ブロック5と黒鉛粉体6を収納する。洗浄槽18に洗浄液を注入し、内槽19が完全に水没するまで、洗浄液を加える。洗浄液を攪拌させる手段として、超音波振動子20から超音波を照射し、洗浄液を80oC以上に加熱、洗浄水を回転させて、洗浄水を攪拌することにより、内槽19に充填した黒鉛ブロック5を洗浄する。
【0048】このとき、洗浄槽18にイオン交換樹脂搭21または電解装置を装着した循環配管22〜24を取り付けて、洗浄液中に含まれる放射性核種を除去していく。洗浄後、黒鉛ブロック5と黒鉛粉体6を収納した内槽19を取り出し、洗浄された黒鉛ブロック5と黒鉛粉体6をドラム缶に充填する。ドラム缶充填後に、普通ポルトランドセメントまたは1/9セメント(普通ポルトランドセメント:高炉スラグ=1:9の割合で混練したもの)のような固型化材を充填し、廃棄体を作成する。
【0049】本実施の形態によれば、放射化した黒鉛ブロック5と黒鉛粉体6を速やかに洗浄することができ、イオン交換樹脂塔21により洗浄水中に溶解する放射性核種を除去することができる。
【0050】つぎに図3により本発明に係る放射化黒鉛の処分装置の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態を示す図3は図2で説明した放射化黒鉛洗浄装置の第2の例に対応するもので、図3中、図2と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0051】本実施の形態が図2と異なる点は、洗浄槽18に通気管27を介してオゾン発生装置26を設け、オゾン発生装置26からオゾンガス29を通気管27を通して内槽19内に噴出させるように構成したことにある。内槽19の底部には通気管27に接続する中空多孔板28が設置され、中空多孔板28からオゾンガス29が気泡となって内槽19内を上昇する。
【0052】すなわち、内槽19に放射化黒鉛の黒鉛ブロック5または黒鉛粉体6を収納し、内槽19を洗浄槽18に挿着する。洗浄槽18に水またはシュウ酸のようなカルボン酸を含む洗浄液を黒鉛ブロック5または黒鉛粉体6が水没するまで注入する。
【0053】超音波振動子20により超音波を照射しながら、オゾン発生装置26からオゾン29を吹き込む。超音波を照射させることにより、黒鉛ブロック5または黒鉛粉体6の表層部分に存在する比較的洗浄液に溶出しやすいC-14を溶出させ、吹き込んだオゾンによりCO2までに無機化し、固型化材に固定しやすくさせる。
【0054】放射化黒鉛中には放射性の金属元素も多く含まれており、その大部分は酸化物の化学形態をとっている。放射化黒鉛ブロック5を入れた洗浄槽18にシュウ酸のようなカルボン酸を主体とする有機酸を化学除染剤として入れて、800C近傍に加熱することにより酸化物の形態を取っている不純物を溶解除去する。金属である放射性核種の化学形態は金属酸化物であることが多く、シュウ酸水溶液に80oC以上でよく溶解する。
【0055】化学除染剤と接液した部分に存在する金属酸化物は酸溶解あるいは還元溶解し、接液している金属の放射性元素が有機酸を主体とする除染剤水溶液の洗浄液に溶解を始める。
【0056】また、特に除染剤と過マンガン酸あるいはオゾンのような酸化剤を用いることにより、洗浄液中に浸出してくるC-14をすべてCO2の化学形態に変換することができる。洗浄により洗浄液に浸出してくるC-14の半分は有機化合物の化学形態をとっており、固型化材への固定化が困難である。
【0057】これは無機であるCO2が固型化材中のCa2+とイオン性化合物を生成するため、無機のC-14は容易であるが、有機の形態のC-14は固型化材中のCa2+とイオン性化合物を生成しないために有機C-14の固定化は困難である。したがって、化合物として浸出してくるC-14をCO2にまで酸化させることによりC-14の固定化が容易になる。
【0058】酸化剤としてオゾンを用いることは最終的にO2にまで分解されるため、2次廃棄物を低減する観点から有効と考えられる。オゾンは酸化力を持つ気体であり、また水中に溶解したオゾンは下式(3)〜(7)のような反応により分解し、各種の活性酸素種が生成する。
【0059】
O3 +OH- →HO2 +O2 - …(3)O3 +HO2 →2O2 +OH …(4)O3 +OH→O2 +HO2 …(5)2HO2 →O3 +H2 O …(6)HO2 +OH→O2 +H2 O …(7)オゾンおよびこれら活性酸素種は強い酸化力を持っている。
【0060】つぎに図4により本発明に係る放射化黒鉛の処分装置の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は図1に示した洗浄処理7において除染剤水溶液の洗浄液9を循環して再利用する洗浄ループを構成して、除染剤水溶液の洗浄液9中の有機物を紫外線照射して無機化する放射化黒鉛洗浄装置である。
【0061】すなわち、図4において、洗浄槽18の底部に接続した出口管30と上部に接続した入口管31との間に循環ポンプ32、流量計33、加熱ヒータ34、ヘッダループ配管35、紫外線分解装置36を設ける。また、加熱ヒータ34の出口側と紫外線分解装置36の出口側との間に下流側から上流側に沿って水質測定装置37と流量計38をバイパス管39により接続する。
【0062】さらに、ヘッダループ配管35の下流側に過酸化水素供給装置40とポンプ41を接続するとともに、ポンプ41の吐出側と出口管30との間にイオン交換樹脂カラム42、流量計43および循環ポンプ44をバイパス管45、46により接続する。
【0063】上記構成において、洗浄槽18に放射化黒鉛を洗浄した廃液(洗浄液)を充填した後、酸化還元剤を洗浄槽に添加し、洗浄槽18内の洗浄液9を循環ポンプ32により循環させる。この時、洗浄液は加熱ヒーター34により昇温し、循環系内を循環する洗浄液9を80oC以上にして、黒鉛中に含まれる酸化物の不純物を溶解させる。洗浄により放射化黒鉛から溶出したCo-60などの金属イオンはイオン交換樹脂カラム42で回収する。
【0064】溶液中にオゾンなどの酸化剤が溶存した状態で、UV分解装置36により紫外線を照射するとオゾンまたは水分子の化学結合が切れて不対電子をもつ活性な 主としてラジカルが生成し、洗浄液9中に溶存している有機化合物をCO2にまで分解できる。主な有機化合物とオゾンとの反応式を以下に示す。
【0065】
CH3OH + 3O3 → CO2 + 3O2 + 2H2O …(8)HCHO + 2O3 → CO2 + 2O2 + H2O …(9)HCOOH + O3 → CO2 + O2 + H2O …(10)C2H5OH + 4O3 → 2CO2 + 3O2 + 3H2O …(11)CH3CHO + 3O3 → 2CO2 + 2O2 +2H2O …(12)CH3COOH + 2O3 → 2CO2 + O2 + 2H2O …(13)【0066】放射性廃棄物から溶出してくる有機化合物はメタノール(CH3OH)、ホルムアルデヒド(HCHO)、ギ酸(HCOOH)、エタノール(C2H5OH)、アセトアルデヒド(CH3CHO)、酢酸(CH3COOH)などの炭素数1から2個の低分子であることがわかっている。この時、除染剤として使用したシュウ酸などのカルボン酸も含めて、有機化合物の形態で溶存しているC-14をCO2の無機の形態までに酸化し、固型化材中に存在するカルシウムと炭酸塩を形成することによりC-14の固型化を可能にする。
【0067】つぎに図4により黒鉛廃棄物の洗浄液の洗浄方法を説明する。洗浄槽18に黒鉛廃棄物を収納して、洗浄液9を黒鉛ブロックが水没するまで注入する。洗浄液9は循環ポンプ32を用いて系統内を循環させ、加熱ヒータ34により80oC以上に加熱する。洗浄液9は除染終了後にイオン交換樹脂カラム42を通して洗浄液9中に溶存している金属イオンを除去する。
【0068】また、洗浄液9に溶存しているシュウ酸の除染剤および溶出してきた有機化合物はオゾンにより酸化分解する。このとき、過酸化水素供給装置40から過酸化水素水を当量以上導入して、シュウ酸の洗浄液を紫外線分解装置36に通すことにより洗浄液中のシュウ酸を容易に分解することが出来る。洗浄液のシュウ酸分解の確認は水質確認において行う。pHおよび導電率が十分に下がった段階で分解が終了したと判断する。
【0069】つぎに図5により本発明に係る放射化黒鉛の処分装置の第4の実施の形態を説明する。本実施の形態は図1において黒鉛ブロック5と黒鉛粉体6を不活性ガス中で加熱して放射性核種を低減させるための放射化黒鉛加熱式Cl-36蒸発除去装置である。
【0070】図5中、符号47は加熱炉、48は可動式高周波加熱器、49は取り出し口、50は気体発生装置、55は放射性核種塩化物としてのCsClトラップ、56は冷却装置、57は入口管をそれぞれ示している。
【0071】すなわち、黒鉛ブロック5及び黒鉛粉体の放射化黒鉛を不活性ガス中で加熱して、放射化黒鉛に含まれている放射性核種を蒸発除去する。図1において、高温ガス炉1の解体2後に発生してくる放射化黒鉛3をドラム缶に充填できるサイズに切断4し、加熱炉47に充填する。
【0072】ガス発生装置50および循環ポンプ53により不活性ガス(希ガスあるいは窒素)を不活性ガス供給管51を介して加熱炉47内に供給し、さらに出口管52、循環配管54、入口管57を順次介して加熱炉47全体に通気循環させる。可動式高周波加熱器48により、放射化黒鉛が充填されている加熱炉47を下方から瞬時に1000oC近傍に加熱する。
【0073】可動式高周波加熱器48は徐々に加熱炉47の上方へと移動させ、充填した放射化黒鉛ブロック5全体を1000oCに加熱する。不活性ガス中での加熱により、放射化黒鉛ブロック5を焼却することなく、含有されたCl-36を蒸発除去できる。
【0074】放射化黒鉛中には被ばく評価上重要な核種の1つであるCl-36が多く含有されており、塩化セシウム(CsCl)の化学形態で含まれている。CsClの沸点は1306oCであり、900oC以上では気化する。本実施の形態によれば、不活性ガス中で放射化黒鉛を1000oCに加熱することにより、放射化黒鉛中のCl-36を蒸発除去できる。
【0075】不活性ガス循環系の上流である加熱炉47の出口にCsClトラップ55を装着しておき、冷却装置56により常温に保っておく。加熱炉47から放出してくるCsClガスをCsClトラップ55に捕集する。
【0076】つぎに図6により本発明に係る放射化黒鉛の処分方法の第2の実施の形態を説明する。なお、図6中、図5と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0077】本実施の形態は図5に示した処分装置によりCsClをトラップしたCsClトラップ55を固型化処理14で固化材58中に埋め込みCsCl廃棄体59とし、また塩素除去した黒鉛ブロック5aと黒鉛粉体6aを固型化処理14して固化材58中に埋め込み一体に固型化した黒鉛廃棄体60とする方法である。
【0078】本実施の形態によれば、Cl-36を蒸発除去した放射化黒鉛58は適当に切断し、廃棄体60とした固型化処分することができる。また、CsClトラップに捕集したCl-36も同様にして、廃棄体59として固型化処分することができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、放射化黒鉛に付着している放射性核種を化学的及び物理的作用により剥離除去し、埋設する放射化黒鉛からの放射性核種の放出を低減させることができる。




 

 


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