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発明の名称 無線基地装置、伝送チャネル割当方法および伝送チャネル割当プログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−219461(P2003−219461A)
公開日 平成15年7月31日(2003.7.31)
出願番号 特願2002−13062(P2002−13062)
出願日 平成14年1月22日(2002.1.22)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎 (外3名)
【テーマコード(参考)】
5K022
5K067
【Fターム(参考)】
5K022 FF00 
5K067 AA03 CC01 EE02 EE10 EE22 EE72 GG03 HH21 HH22
発明者 宮田 健雄 / 安藤 直樹 / 土居 義晴 / 伊藤 忠芳
要約 課題
パス多重状態の変更後における通話特性の劣化を防止した無線基地装置、伝送チャネル割当方法および伝送チャネル割当プログラムを提供する。

解決手段
新規ユーザの接続または既接続ユーザの切断などのパス多重状態の変更の必要が生じた場合、基地局の送信タイミング制御方法により、変更後の多重ユーザ間の基地局受信タイミング差を予測する。予測された受信タイミング差が所定の条件を満たすときにのみパス多重状態の変更を許可する。これにより多重ユーザの基地局受信タイミングの近接または交差を事前に防止することができる。これらの処理はDSP14で実行される。
特許請求の範囲
【請求項1】 複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置であって、あるタイムスロットにおいてパス多重接続状態に変更が生じた場合、当該変更に起因して前記無線基地装置からの送信タイミングを移動すべき移動端末装置からの受信タイミングを予測するタイミング予測手段と、前記予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するタイミング判定手段と、前記判定手段により前記所定値以上離れていないと判定された場合、前記パス多重接続状態の変更を制限する状態変更制限手段とを備えた、無線基地装置。
【請求項2】 前記予測された受信タイミングが、前記無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定する受信可能判定手段をさらに備える、請求項1に記載の無線基地装置。
【請求項3】 複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置であって、あるタイムスロット内において新規にパス多重接続しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて新規接続後にパス多重接続するすべての移動端末装置からの受信タイミングが互いに離れるように前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置に対する送信タイミングを移動するための送信タイミング移動手段と、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測する受信タイミング予測手段と、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにすでにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するタイミング判定手段と、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、前記無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定する受信可能判定手段と、前記タイミング判定手段により前記所定値以上離れていないと判定された場合、または前記受信可能判定手段により前記受信可能窓内に納まらないと判定された場合、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続を禁止する接続禁止手段とを備えた、無線基地装置。
【請求項4】 前記受信タイミング予測手段は、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出する手段と、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の受信タイミングに前記時間差を加算することによって前記予測された受信タイミングを算出する手段とを含む、請求項3に記載の無線基地装置。
【請求項5】 前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、前記無線基地装置に対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である、請求項3または4に記載の無線基地装置。
【請求項6】 前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、前記無線基地装置の他のタイムスロットから当該タイムスロットに対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である、請求項3または4に記載の無線基地装置。
【請求項7】 複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置であって、あるタイムスロット内においてすでにパス多重接続している複数の移動端末装置のうち接続を切断しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて切断後にパス多重接続を続ける残りの移動端末装置のすべてからの受信タイミングが互いに離れるように前記残りの移動端末装置の少なくともいずれかに対する送信タイミングを移動するための送信タイミング移動手段と、前記少なくともいずれかの移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測する受信タイミング予測手段と、前記少なくともいずれかの移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するタイミング判定手段と、前記少なくともいずれかの移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、前記無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定する受信可能判定手段と、前記タイミング判定手段により前記所定値以上離れていないと判定された場合、または前記受信可能判定手段により前記受信可能窓内に納まらないと判定された場合、前記送信タイミング移動手段による送信タイミングの移動を禁止する移動禁止手段とを備えた、無線基地装置。
【請求項8】 前記受信タイミング予測手段は、前記少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出する手段と、前記少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の受信タイミングに前記時間差を加算することによって前記予測された受信タイミングを算出する手段とを含む、請求項7に記載の無線基地装置。
【請求項9】 複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当方法であって、あるタイムスロットにおいてパス多重接続状態に変更が生じた場合、当該変更に起因して前記無線基地装置からの送信タイミングを移動すべき移動端末装置からの受信タイミングを予測するステップと、前記予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、前記所定値以上離れていないと判定された場合、前記パス多重接続状態の変更を制限するステップとを備えた、伝送チャネル割当方法。
【請求項10】 前記予測された受信タイミングが、前記無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップをさらに備える、請求項9に記載の伝送チャネル割当方法。
【請求項11】 複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当方法であって、あるタイムスロット内において新規にパス多重接続しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて新規接続後にパス多重接続するすべての移動端末装置からの受信タイミングが互いに離れるように前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置に対する送信タイミングを移動させるステップと、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測するステップと、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにすでにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、前記無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップと、前記所定値以上離れていないと判定された場合、または前記受信可能窓内に納まらないと判定された場合、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続を禁止するステップとを備えた、伝送チャネル割当方法。
【請求項12】 前記受信タイミングを予測するステップは、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出するステップと、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の受信タイミングに前記時間差を加算することによって前記予測された受信タイミングを算出するステップとを含む、請求項11に記載の伝送チャネル割当方法。
【請求項13】 前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、前記無線基地装置に対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である、請求項11または12に記載の伝送チャネル割当方法。
【請求項14】 前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、前記無線基地装置の他のタイムスロットから当該タイムスロットに対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である、請求項11または12に記載の伝送チャネル割当方法。
【請求項15】 複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当方法であって、あるタイムスロット内においてすでにパス多重接続している複数の移動端末装置のうち接続を切断しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて切断後にパス多重接続を続ける残りの移動端末装置のすべてからの受信タイミングが互いに離れるように前記残りの移動端末装置の少なくともいずれかに対する送信タイミングを移動させるステップと、前記少なくともいずれかの移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測するステップと、前記少なくともいずれかの移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、前記少なくともいずれかの移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、前記無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップと、前記所定値以上離れていないと判定された場合、または前記受信可能窓内に納まらないと判定された場合、前記送信タイミングの移動を禁止するステップとを備えた、伝送チャネル割当方法。
【請求項16】 前記受信タイミングを予測するステップは、前記少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出するステップと、前記少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の受信タイミングに前記時間差を加算することによって前記予測された受信タイミングを算出するステップとを含む、請求項15に記載の伝送チャネル割当方法。
【請求項17】 複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当プログラムであって、コンピュータに、あるタイムスロットにおいてパス多重接続状態に変更が生じた場合、当該変更に起因して前記無線基地装置からの送信タイミングを移動すべき移動端末装置からの受信タイミングを予測するステップと、前記予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、前記所定値以上離れていないと判定された場合、前記パス多重接続状態の変更を制限するステップとを実行させる、伝送チャネル割当プログラム。
【請求項18】 コンピュータに、前記予測された受信タイミングが、前記無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップをさらに実行させる、請求項17に記載の伝送チャネル割当プログラム。
【請求項19】 複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当プログラムであって、コンピュータに、あるタイムスロット内において新規にパス多重接続しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて新規接続後にパス多重接続するすべての移動端末装置からの受信タイミングが互いに離れるように前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置に対する送信タイミングを移動させるステップと、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測するステップと、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにすでにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、前記無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップと、前記所定値以上離れていないと判定された場合、または前記受信可能窓内に納まらないと判定された場合、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続を禁止するステップとを実行させる、伝送チャネル割当プログラム。
【請求項20】 前記受信タイミングを予測するステップは、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出するステップと、前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の受信タイミングに前記時間差を加算することによって前記予測された受信タイミングを算出するステップとを含む、請求項19に記載の伝送チャネル割当プログラム。
【請求項21】 前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、前記無線基地装置に対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である、請求項19または20に記載の伝送チャネル割当プログラム。
【請求項22】 前記新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、前記無線基地装置の他のタイムスロットから当該タイムスロットに対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である、請求項19または20に記載の伝送チャネル割当プログラム。
【請求項23】 複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当プログラムであって、コンピュータに、あるタイムスロット内においてすでにパス多重接続している複数の移動端末装置のうち接続を切断しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて切断後にパス多重接続を続ける残りの移動端末装置のすべてからの受信タイミングが互いに離れるように前記残りの移動端末装置の少なくともいずれかに対する送信タイミングを移動させるステップと、前記少なくともいずれかの移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測するステップと、前記少なくともいずれかの移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、前記少なくともいずれかの移動端末装置の前記予測された受信タイミングが、前記無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップと、前記所定値以上離れていないと判定された場合、または前記受信可能窓内に納まらないと判定された場合、前記送信タイミングの移動を禁止するステップとを実行させる、伝送チャネル割当プログラム。
【請求項24】 前記受信タイミングを予測するステップは、前記少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出するステップと、前記少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の受信タイミングに前記時間差を加算することによって前記予測された受信タイミングを算出するステップとを含む、請求項23に記載の伝送チャネル割当プログラム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無線基地装置、伝送チャネル割当方法および伝送チャネル割当プログラムに関し、特に、移動体通信システムにおいて複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置、およびそのような無線基地装置において、パス多重接続状態に変更が生じた場合における伝送チャネル割当方法および伝送チャネル割当プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、急速に発達しつつある移動体通信システム(たとえば、Personal Handyphone System:以下、PHS)では、電波の周波数利用効率を高めるために、同一周波数の同一タイムスロットを空間的に分割することにより複数ユーザの移動端末装置を基地局にパス多重接続させることができるPDMA(Path DivisionMultiple Access)方式が提案されている。このPDMA方式では、各ユーザの移動端末装置からの信号は、周知のアダプティブアレイ処理により分離抽出される。
【0003】このようなPDMA方式による移動体通信システムにおいては、各移動端末装置から送信された信号が基地局に到来する受信タイミング(同期位置とも称する)は、端末装置の移動による端末装置−基地局の距離の変化や、電波の伝搬路特性の変動など、種々の要因により変動する。
【0004】PDMA方式の移動体通信システムにおいて同一タイムスロットに複数のユーザの移動端末装置がパス多重接続している場合において、それぞれの移動端末装置からの受信信号の受信タイミングが上述の理由により変動して互いに近接したり、場合によっては時間的前後関係が交差したりすることがある。
【0005】受信タイミングが近づきすぎると、複数の移動端末装置からの受信信号同士の相関値が高くなり、アダプティブアレイ処理によるユーザごとの信号抽出の精度が劣化することになる。このため、各ユーザに対する通話特性も劣化することになる。
【0006】また、PHSでは、各移動端末装置からの受信信号は、各フレームごとにすべてのユーザに共通の既知のビット列からなる参照信号区間を含んでおり、ユーザごとに固有の規定情報を含んでいないので、複数ユーザの移動端末装置からの受信信号の受信タイミングが一致するようなことになれば、受信信号の参照信号区間が重なってユーザ同士を識別分離することができなくなり、ユーザ間の混信(いわゆるSWAP)を引き起こすこととなる。
【0007】それゆえに、同一タイムスロットにパス多重接続されている複数のユーザの移動端末装置の受信タイミングが近接したり交差することがないように、これらの移動端末装置の受信タイミングを制御する必要がある。
【0008】移動端末装置からの受信タイミングを制御する方法としては、基地局から移動端末装置への送信タイミングを制御することが有効である。
【0009】ユーザごとの送信タイミングの制御により、ユーザごとの受信タイミングを制御することができる理由について説明する。
【0010】たとえばPHSのような移動体通信システムにおいて基地局と移動端末装置との間の信号の送受信のタイミングについては、移動端末装置は、基地局から信号を受信してから所定時間後に、基地局に向けて信号を送信することが規格で決められている。
【0011】すなわち、基地局において各ユーザごとに信号送信のタイミングをずらせば、対応する各移動端末装置ごとに信号受信のタイミングがずれることになる。したがって、各移動端末装置から基地局に信号を送信するタイミングも移動端末装置ごとにずれることになる。
【0012】結果として、基地局における各移動端末装置からの信号受信のタイミングは移動端末装置ごとにずれることになる。
【0013】このように、基地局において、各移動端末装置ごとに信号送信のタイミングを制御することにより、間接的に基地局における各移動端末装置からの受信タイミングを制御することができ、ひいては受信タイミング同士が離れるように受信タイミングを制御することも可能である。
【0014】より具体的には、基地局において、同一タイムスロットにパス多重接続している複数のユーザに対する送信タイミングの時間差を最大化することにより、これらのユーザからの受信タイミング同士が近接することを防止し、パス多重接続時における通信品質の安定化を図ることが提案されている。
【0015】このように基地局側で送信タイミングの時間差を最大化することにより、基地局に比べて受信性能に劣る端末側でも多重ユーザ間の識別が容易になる一方で、基地局側ではたとえユーザ同士の受信タイミングの時間差が比較的小さくなってもアダプティブアレイ処理により多重ユーザ同士の分離が可能になる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ基地局であっても、多重ユーザ同士の受信タイミングが全く同一になってしまうと、もはやアダプティブアレイ処理では原理的に多重ユーザ間の分離は不可能になってしまい、前述のSWAPが発生することになる。
【0017】すなわち、移動体通信システムにおいては、多重接続している複数の移動端末装置のそれぞれと、当該基地局との距離差が互いに大きくことなることは通常起こり得ることであり、たとえ基地局側で送信タイミングの時間差を最大化しても、このようなユーザごとの距離差に起因する遅延時間により基地局における多重ユーザ同士の受信タイミングが縮まってしまい、場合によっては完全に重なってしまうことも起こる。
【0018】このような、距離差に起因する時間遅延以外に、各移動端末装置の特性差により、送信タイミングの時間差が基地局受信時に縮められることがある。すなわち、前述のように移動端末装置は、基地局から信号を受信してから所定時間後に、基地局に向けて信号を送信することが規格で決められている。
【0019】ところが、各移動端末装置の特性差により、端末が基地局からの送信信号を受信してから上記所定時間よりも早く送信信号を基地局に送信するような端末(早だし端末)や、逆に上記所定時間よりも遅く送信信号を基地局に送信するような端末(遅だし端末)が存在する。
【0020】このような、各移動端末装置の特性差により、たとえ基地局側で送信タイミングの時間差を最大化しても、基地局における多重ユーザ同士の受信タイミングが縮まってしまい、場合によっては完全に重なってしまうことも起こる。
【0021】さらに、PHSのような移動体通信システムにおいては、基本的に時分割多重を行っているため、各タイムスロットの時間幅を大きくとることができず、したがって送信タイミングの時間差を最大化するにしても限界がある。
【0022】これらの種々の要因により、一概に基地局において多重ユーザの送信タイミングを最大化したからといって必ずしも受信時に多重ユーザ間を分離して良好な通話特性を実現できるとは限らない。
【0023】このような問題点について、図9のタイミング図を参照して説明する。図9の(A)に示すように、あるタイムスロット内において、当該タイムスロットに多重接続している2人のユーザ、ユーザ1および2に対し、基地局からの送信タイミングに一定の差(たとえば3.0シンボル相当の時間)をつけるように送信タイミング制御を基地局で行なう。
【0024】ここで、ユーザ1および2について、上述のような距離差による遅延時間、端末装置の特性差(早だし/遅だし)がなければ、図9の(B)に示すように、基地局からの送信時に形成したタイミング差((a)の3.0シンボル)がそのまま基地局における受信タイミング差に反映されることとなり、多重ユーザ同士が良好に分離され、良好な通話特性が実現される。
【0025】ところが、図9の(C)に示すように、ユーザ1の端末が遅だし特性の端末の場合、ユーザ1の基地局受信タイミングが遅れることになる。すなわち、基地局送信時の3.0シンボルのタイミング差が侵食されて基地局における受信タイミング差は3.0シンボル差以下になり、多重ユーザ1および2の受信タイミングが近接し、図9(B)の場合と比較して、アダプティブアレイ処理による多重ユーザ間の分離精度が劣化することになる。この結果、通話特性が劣化する可能性がある。
【0026】さらに、図9の(D)に示すように、ユーザ1が遠方にあって距離差が大きい場合、その遅延時間により、ユーザ1の基地局受信タイミングが著しく遅れることになる。このため、ユーザ1および2の受信タイミングが極めて近接することとなり、ユーザ間の分離精度の劣化、ひいてはユーザ間の混信(SWAP)が発生することとなる。
【0027】特に、新規ユーザの接続要求や既接続ユーザの切断など、パス多重状態の変更が必要な場合、変更後における多重ユーザの基地局受信タイミング差を考慮することなくそのような変更を実行すれば、変更後に上述のような通話特性の劣化、ユーザ間の混信が発生する可能性がある。
【0028】それゆえに、この発明の目的は、パス多重状態に変更の必要が生じた場合であっても、変更後に通話特性の劣化やユーザ間の混信が生じることを防止した、無線基地装置、伝送チャネル割当方法および伝送チャネル割当プログラムを提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】この発明の1つの局面によれば、複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置は、タイミング予測手段と、タイミング判定手段と、状態変更制限手段とを備える。タイミング予測手段は、あるタイムスロットにおいてパス多重接続状態に変更が生じた場合、当該変更に起因して無線基地装置からの送信タイミングを移動すべき移動端末装置からの受信タイミングを予測する。タイミング判定手段は、予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定する。状態変更制限手段は、判定手段により所定値以上離れていないと判定された場合、パス多重接続状態の変更を制限する。
【0030】好ましくは、無線基地装置は、予測された受信タイミングが、無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定する受信可能判定手段をさらに備える。
【0031】この発明の他の局面によれば、複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置は、送信タイミング移動手段と、受信タイミング予測手段と、タイミング判定手段と、受信可能判定手段と、接続禁止手段とを備える。送信タイミング移動手段は、あるタイムスロット内において新規にパス多重接続しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて新規接続後にパス多重接続するすべての移動端末装置からの受信タイミングが互いに離れるように新規にパス多重接続しようとする移動端末装置に対する送信タイミングを移動する。受信タイミング予測手段は、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測する。タイミング判定手段は、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにすでにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定する。受信可能判定手段は、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の予測された受信タイミングが、無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定する。接続禁止手段は、タイミング判定手段により所定値以上離れていないと判定された場合、または受信可能判定手段により受信可能窓内に納まらないと判定された場合、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続を禁止する。
【0032】好ましくは、受信タイミング予測手段は、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出する手段と、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の受信タイミングに時間差を加算することによって予測された受信タイミングを算出する手段とを含む。
【0033】好ましくは、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、無線基地装置に対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である。
【0034】好ましくは、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、無線基地装置の他のタイムスロットから当該タイムスロットに対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である。
【0035】この発明のさらに他の局面によれば、複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置は、送信タイミング移動手段と、受信タイミング予測手段と、タイミング判定手段と、受信可能判定手段と、移動禁止手段とを備える。送信タイミング移動手段は、あるタイムスロット内においてすでにパス多重接続している複数の移動端末装置のうち接続を切断しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて切断後にパス多重接続を続ける残りの移動端末装置のすべてからの受信タイミングが互いに離れるように残りの移動端末装置の少なくともいずれかに対する送信タイミングを移動する。受信タイミング予測手段は、少なくともいずれかの移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測する。タイミング判定手段は、少なくともいずれかの移動端末装置の予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定する。受信可能判定手段は、少なくともいずれかの移動端末装置の予測された受信タイミングが、無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定する。移動禁止手段は、タイミング判定手段により所定値以上離れていないと判定された場合、または受信可能判定手段により受信可能窓内に納まらないと判定された場合、送信タイミング移動手段による送信タイミングの移動を禁止する。
【0036】好ましくは、受信タイミング予測手段は、少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出する手段と、少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の受信タイミングに時間差を加算することによって予測された受信タイミングを算出する手段とを含む。
【0037】この発明のさらに他の局面によれば、複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当方法は、あるタイムスロットにおいてパス多重接続状態に変更が生じた場合、当該変更に起因して無線基地装置からの送信タイミングを移動すべき移動端末装置からの受信タイミングを予測するステップと、予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、所定値以上離れていないと判定された場合、パス多重接続状態の変更を制限するステップとを備える。
【0038】好ましくは、伝送チャネル割当方法は、予測された受信タイミングが、無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップをさらに備える。
【0039】この発明のさらに他の局面によれば、複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当方法は、あるタイムスロット内において新規にパス多重接続しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて新規接続後にパス多重接続するすべての移動端末装置からの受信タイミングが互いに離れるように新規にパス多重接続しようとする移動端末装置に対する送信タイミングを移動させるステップと、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測するステップと、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにすでにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の予測された受信タイミングが、無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップと、所定値以上離れていないと判定された場合、または受信可能窓内に納まらないと判定された場合、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続を禁止するステップとを備える。
【0040】好ましくは、受信タイミングを予測するステップは、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出するステップと、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の受信タイミングに時間差を加算することによって予測された受信タイミングを算出するステップとを含む。
【0041】好ましくは、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、無線基地装置に対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である。
【0042】好ましくは、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、無線基地装置の他のタイムスロットから当該タイムスロットに対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である。
【0043】この発明のさらに他の局面によれば、複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当方法は、あるタイムスロット内においてすでにパス多重接続している複数の移動端末装置のうち接続を切断しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて切断後にパス多重接続を続ける残りの移動端末装置のすべてからの受信タイミングが互いに離れるように残りの移動端末装置の少なくともいずれかに対する送信タイミングを移動させるステップと、少なくともいずれかの移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測するステップと、少なくともいずれかの移動端末装置の予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、少なくともいずれかの移動端末装置の予測された受信タイミングが、無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップと、所定値以上離れていないと判定された場合、または受信可能窓内に納まらないと判定された場合、送信タイミングの移動を禁止するステップとを備える。
【0044】好ましくは、受信タイミングを予測するステップは、少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出するステップと、少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の受信タイミングに時間差を加算することによって予測された受信タイミングを算出するステップとを含む。
【0045】この発明のさらに他の局面によれば、複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当プログラムは、コンピュータに、あるタイムスロットにおいてパス多重接続状態に変更が生じた場合、当該変更に起因して無線基地装置からの送信タイミングを移動すべき移動端末装置からの受信タイミングを予測するステップと、予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、所定値以上離れていないと判定された場合、パス多重接続状態の変更を制限するステップとを実行させる。
【0046】好ましくは、伝送チャネル割当プログラムは、コンピュータに、予測された受信タイミングが、無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップをさらに実行させる。
【0047】この発明のさらに他の局面によれば、複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当プログラムは、コンピュータに、あるタイムスロット内において新規にパス多重接続しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて新規接続後にパス多重接続するすべての移動端末装置からの受信タイミングが互いに離れるように新規にパス多重接続しようとする移動端末装置に対する送信タイミングを移動させるステップと、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測するステップと、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにすでにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の予測された受信タイミングが、無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップと、所定値以上離れていないと判定された場合、または受信可能窓内に納まらないと判定された場合、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続を禁止するステップとを実行させる。
【0048】好ましくは、受信タイミングを予測するステップは、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出するステップと、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置の当該タイムスロットへの接続前の受信タイミングに時間差を加算することによって前記予測された受信タイミングを算出するステップとを含む。
【0049】好ましくは、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、無線基地装置に対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である。
【0050】好ましくは、新規にパス多重接続しようとする移動端末装置は、無線基地装置の他のタイムスロットから当該タイムスロットに対して新規にパス多重接続しようとする移動端末装置である。
【0051】この発明のさらに他の局面によれば、複数の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基地装置における伝送チャネル割当プログラムは、コンピュータに、あるタイムスロット内においてすでにパス多重接続している複数の移動端末装置のうち接続を切断しようとする移動端末装置がある場合、当該タイムスロットにおいて切断後にパス多重接続を続ける残りの移動端末装置のすべてからの受信タイミングが互いに離れるように残りの移動端末装置の少なくともいずれかに対する送信タイミングを移動させるステップと、少なくともいずれかの移動端末装置の送信タイミングが移動された場合のその受信タイミングを予測するステップと、少なくともいずれかの移動端末装置の予測された受信タイミングが、当該タイムスロットにパス多重接続している他の移動端末装置からの受信タイミングの各々と所定値以上離れているか否かを判定するステップと、少なくともいずれかの移動端末装置の予測された受信タイミングが、無線基地装置の当該タイムスロットの受信可能窓内に納まるか否かを判定するステップと、所定値以上離れていないと判定された場合、または受信可能窓内に納まらないと判定された場合、送信タイミングの移動を禁止するステップとを実行させる。
【0052】好ましくは、受信タイミングを予測するステップは、少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の送信タイミングと送信タイミングが移動された場合に予測される送信タイミングとの時間差を算出するステップと、少なくともいずれかの移動端末装置の移動前の受信タイミングに時間差を加算することによって予測された受信タイミングを算出するステップとを含む。
【0053】したがって、この発明によれば、新規ユーザの接続要求や既接続ユーザの切断など、パス多重状態の変更が必要な場合、変更後における多重ユーザの基地局受信タイミング差を想定し、想定された受信タイミング差が所定の条件を満たすときにのみそのような変更を実行するようにしたので、パス多重状態に変更の必要が生じた場合であっても、変更後に通話特性の劣化やユーザ間の混信が生じることを防止することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0055】図1は、この発明による基地局の全体構成を示す機能ブロック図である。図1を参照して、基地局の複数本、たとえば4本のアンテナ1,2,3,4で受信された複数ユーザの移動端末装置からの信号は、対応する送受信回路5,6,7,8のそれぞれのRF回路5a,6a,7a,8aで受信処理が施され、さらにA/DおよびD/A変換機9,10,11,12でデジタル信号に変換される。
【0056】デジタル信号に変換されたそれぞれのアンテナからの4系統の受信信号は、サーキュレータ13を介してデジタルシグナルプロセッサ(DSP)14に与えられる。破線14で表わされたDSPの内部は、DSPによってソフトウェア的に実行される処理を機能ブロック図で示したものである。
【0057】サーキュレータ13を介してDSP14に与えられた4系統の受信信号は、受信処理部15の同期処理部15aに与えられる。同期処理部15aは、周知の同期位置推定方法により、当該基地局にパス多重接続している複数ユーザ(この例ではユーザ1およびユーザ2)からのそれぞれの受信信号の受信タイミングを高精度に推定し、推定した受信タイミングを、チャネル割当処理のための制御部17に与える。
【0058】同期窓制御部15bは、受信信号に対し、所定の同期窓制御を施す。次に、受信信号に対してアダプティブアレイ処理部15cにより周知のアダプティブアレイ処理が施され、ユーザ1および2用の算出されたウェイトを用いて、ユーザ1および2の受信信号が分離抽出される。
【0059】分離抽出されたユーザごとの信号は、検波部15dで復調され、ユーザ1および2の復調データとしてDSP14から出力される。
【0060】一方、ユーザ1および2の送信すべきデータ(音声データなど)は、DSP14の送信処理部16の変調処理部16aに与えられる。変調処理部16aで変調されたユーザ1および2のデータは、それぞれ乗算器16b,16cの一方入力に与えられる。
【0061】また、乗算器16b,16cの他方入力には、アダプティブアレイ処理部15cで算出されたユーザ1および2用のウェイトが与えられ、ユーザ1および2のデータの送信指向性が決定される。
【0062】乗算器16b,16cのそれぞれの出力は、送信タイミング制御部16dに与えられる。送信タイミング制御部16dは、制御部17から与えられるユーザ1および2用の送信タイミングの制御信号に基づいて、ユーザ1および2のデータ送信のタイミングを調整する。
【0063】送信信号合成処理部16eは、ユーザ1および2の送信信号を合成し、図中1本の矢印で示す4系統の送信信号に変換し、サーキュレータ13を介してA/DおよびD/A変換機9,10,11,12に配分する。
【0064】A/DおよびD/A変換機9,10,11,12でアナログ信号に変換された4系統の送信信号は、対応する送受信回路5,6,7,8のそれぞれのRF回路5a,6a,7a,8aで送信処理が施され、対応するアンテナ1,2,3,4を介して移動端末装置に向かって送出される。
【0065】図2は、この発明の伝送チャネル割当方法を実行するための前提となる送信タイミング制御方法の第1の例の基本的な動作原理を説明するタイミング図である。
【0066】なお、たとえばPDMA方式の移動体通信システムでは、上り(移動端末装置→基地局)回線および下り(基地局→移動端末装置)回線はそれぞれ時系列的に交互に4スロット単位でデータを送信しており、上り回線および下り回線のいずれも同じフォーマットを有している。
【0067】すなわち、先頭のスロット1には、制御チャネル(Control Channel:以下、CCH)信号が割当てられる。後続の3つのスロット2〜4には、情報チャネル(Traffic Channel:以下、TCH)信号が割当てられる。制御チャネル信号CCHは、情報チャネルTCHを起動して情報(通話)チャネルを確立するために用いられる。
【0068】以下に説明する送信タイミング制御方法の第1の例は、たとえばPDMA方式の移動体通信システムにおいて、新規ユーザへのチャネル割当のための送信タイミングの移動を、基地局が制御チャネルにおいて移動端末装置と通信している期間中に行なうことにより、情報(通話)チャネル時においては既接続のユーザへの送信タイミング間隔を最大限に広げることができるように構成したものである。
【0069】図2(A)を参照して、まず当該スロットの送信タイミング設定可能区間の先頭位置に送信タイミングが割当てられた1多重目のユーザは、通話チャネルの期間中に送信タイミング設定可能区間の最後尾へ移動させられる。
【0070】次に、図2(B)を参照して、2多重目のユーザへの送信タイミングは、通話チャネルの期間中に当該スロットの送信タイミング設定可能区間の先頭位置に割当てられる。これにより、2多重状態における送信タイミング間隔を最大限に広く取ることができる。
【0071】ここで、新規接続を希望する3多重目のユーザについては、基地局と移動端末装置とが制御チャネルで信号のやり取りをしている期間中に、送信タイミングを移動させ(図2(C)参照)、通話チャネルが確立された時点では、その送信タイミングが送信タイミング設定可能区間の真中に来るように(図2(D)参照)、送信タイミング制御が実行される。
【0072】この結果、通話チャネル時における送信タイミング間隔を最大限に拡張することができるとともに、新規ユーザの接続時にも、制御チャネル期間が終了して通話チャネルが確立された時点で最初から最適な送信タイミングを実現することができる。
【0073】図3は、図2に示す送信タイミング制御方法の第1の例の基本的な処理を示すフロー図である。図3に示す処理は、各スロットに3多重まで許容する場合を示し、基地局のDSP(図1の制御部17)により、送信信号の各フレームごとに実行される。
【0074】まず、ステップS11において、新規ユーザの接続要求が発生すれば、ステップS12において、当該スロット内の既接続ユーザ数がDSPにより計測される。
【0075】ステップS12において既接続ユーザ数が0であれば、ステップS13において、新規ユーザ(1多重目)に対し当該スロットへの接続を許可し、通話チャネル(TCH)移行後、送信タイミングをフレームごとに所定の移動幅αだけ遅らせる。この処理は、図2(A)に示すように送信タイミングが最後尾に到達するまで行なわれる。
【0076】一方、ステップS12で既接続ユーザ数が0でないと判断されると、ステップS14において既接続ユーザ数が1であるか否かが判断される。既接続ユーザ数が1であれば、ステップS15において、新規ユーザ(2多重目)に対し当該スロットへの接続を許可し、図2(B)に示すように、通話チャネル移行後、新規ユーザへの送信タイミングを先頭位置に割当てる。
【0077】一方、ステップS14で既接続ユーザ数が1でないと判断されると、ステップS16において既接続ユーザ数が2であるか否かが判断される。既接続ユーザ数が2であれば、ステップS17において、新規ユーザ(3多重目)に対し当該スロットへの接続を許可し、図2(C)に示すように、制御チャネル(CCH)においてその送信タイミングを送信タイミング設定可能区間の真中まで移動させ、移動終了後、通話チャネル(TCH)を確立させる(図2(D))。
【0078】一方、ステップS16において既接続ユーザ数が2でないと判断されると、これはすでに3多重以上存在していることを意味する。この例では3多重までしか許容していないので、ステップS18において当該スロットへの接続を不許可とする。
【0079】なお、制御チャネルの期間は短いため、フレームごとの移動幅αは比較的大きく設定する必要がある。
【0080】図2および図3は、3多重まで許容する場合を示しているが、図4は、4多重まで可能な場合における送信タイミング制御方法の手順を示すタイミング図である。
【0081】図4を参照して、4多重目まで許容する場合には、4人目のユーザ4が接続する準備のために、3多重目のユーザ3の送信タイミングは予め遅らされ、制御チャネル期間中にユーザ4の送信タイミングがユーザ2および3の間の位置まで移動させられる。そして通話チャネル確立時には最初から4多重ユーザは最適の送信タイミング間隔を有することになる。
【0082】以上のように、図2から図4に示す送信タイミング制御方法の第1の例では、通話チャネルにおいて既接続ユーザへの送信タイミング間隔を最大限に保持することにより特性劣化を防止し、さらに新規ユーザへの送信タイミング割当を制御チャネル期間中に行なうことにより通話チャネル確立時には最適の送信タイミング間隔を実現することができる。
【0083】一方、干渉起動や異常切断などの原因により、特定のスロットにパス多重接続しているユーザ数が減る場合がある。この発明の伝送チャネル割当方法を実行するための前提となる送信タイミング制御方法の第2の例では、このような事態が発生した場合に、あらためて送信タイミングの移動を行ない、送信タイミングを拡張しようとするものである。
【0084】図5は、送信タイミング制御方法の第2の例の基本的な動作原理を説明するタイミング図である。
【0085】図5(A)を参照して、ユーザ1〜4が4多重している場合において、何らかの原因によりユーザ1の接続が切断されたものとする。この場合、残りのユーザ間の送信タイミング間隔を拡張するように送信タイミングの移動を行なう。
【0086】具体的には、まず送信タイミングが送信タイミング設定可能区間の最後尾に近いユーザ、すなわちユーザ2への送信タイミングが最後尾に移動させられる(図5(B)参照)。
【0087】ユーザ4はすでに先頭位置に来ているのでこれを移動させることなく(図5(C)参照)、ユーザ3への送信タイミングを、送信タイミング設定可能区間の真中に移動させる(図5(D)参照)。これにより残ったユーザ間の送信タイミング間隔を最大限拡張することができる。
【0088】図6は、図5に示す送信タイミング制御方法の第2の例の基本的な処理を示すフロー図である。図5の処理は、基地局のDSP14により送信信号のフレームごとに実行される。
【0089】いずれかのユーザの接続が切断されたとき、ステップS21において、当該スロット内で最も送信タイミングが遅いユーザへの送信タイミングを、送信タイミング設定可能区間の最後尾まで移動させる(図5(B))。なお、以下の各ステップにおいてフレームごとの移動幅は、移動端末装置が追従できる範囲の値αに設定されるものとする。
【0090】次に、ステップS22において、当該スロット内で最も送信タイミングが早い別のユーザへの送信タイミングを、送信タイミング設定可能区間の先頭まで移動させる(図5(C))。
【0091】最後に、ステップS23において、当該スロット内に残った別のユーザへの送信タイミングを、送信タイミング設定可能区間の真中まで移動させる(図5(D))。
【0092】以上のように、送信タイミング制御方法の第2の例によれば、多重ユーザが減った場合でも送信タイミングを再調整することにより、常時送信タイミング間隔を最大限に拡張することができる。
【0093】しかしながら、上述の送信タイミング制御方法の第1および第2の例を用いて基地局側で送信タイミングの制御を行なったとしても、新規ユーザの接続後(送信タイミング制御方法の第1の例)、または既接続ユーザの切断後(送信タイミング制御方法の第2の例)における多重ユーザの基地局受信タイミングが、前述の距離差による時間遅延または端末装置の特性差により、現実には近接または交差してしまう可能性があり、そのような場合には、通話特性の劣化やユーザの混信が発生してしまうことになる。
【0094】以下に説明するこの発明の実施の形態では、新規ユーザの接続や既接続ユーザの切断など、パス多重状態に変更が生じた場合の現実の受信タイミングを想定し、多重ユーザ同士の近接が生じない場合にのみ変更を許可するように構成したものである。
【0095】[実施の形態1]以下に説明するこの発明の実施の形態1による制御は、上述の送信タイミング制御方法の第1の例を実行する基地局を前提として実行される。すなわち、この実施の形態1では、新規ユーザの当該基地局への接続、またはTCH切替処理を対象とする。ここでTCH切替とは、あるスロットに接続して通話チャネルで通話中のユーザが、通話中に何らかの原因により、別のスロットの通話チャネルTCHに接続を切替えることを意味する。
【0096】すなわち、通話チャネルを切替えるということは、切替え先のスロットから見れば、新規ユーザに対して送信タイミングを割当てる処理を行なうことに等しい。
【0097】以下に、この発明の実施の形態1による制御方法について説明する。まず、新規接続を要求しているユーザまたはTCH切替を必要としているユーザ(以下、新規ユーザと総称する)が存在する場合に、図2〜図4を参照して説明した送信タイミング制御方法の第1の例によって、新規接続後に予定される送信タイミングを求める。
【0098】一方で、新規ユーザの現行の基地局送信タイミングを求める。現行の基地局送信タイミングとは、新規接続を要求しているユーザの場合、制御チャネルCCHでの基地局からの所定の送信タイミングを意味し、TCH切替を必要としているユーザの場合、TCH切替前の別スロットにおける通話チャネルTCHでの基地局からの送信タイミングを意味する。
【0099】このような新規ユーザの現行の基地局送信タイミングと、送信タイミング制御方法によって予測された新規接続後の基地局送信タイミングとの差分、すなわち基地局送信タイミングの移動量Xを算出する。
【0100】次に、新規ユーザの現行の基地局受信タイミングZを求める。現行の基地局受信タイミングとは、新規接続を要求しているユーザの場合、制御チャネルCCHでの端末からの受信タイミングを意味し、TCH切替を必要としているユーザの場合、TCH切替前の別スロットにおける通話チャネルTCHでの端末からの受信タイミングを意味する。これらの受信タイミングは基地局内の記憶装置に保持されているものとする。
【0101】このような新規ユーザの現行の基地局受信タイミングZに、上述の算出された基地局送信タイミングの移動量Xを加算することにより、新規ユーザの接続後における実際の基地局受信タイミングYを予測することができる。
【0102】次に、新規ユーザ以外の既存ユーザの基地局受信タイミングを求める。たとえば、図4に示したような現在3多重の場合、既接続のユーザ1、2および3の現行の基地局受信タイミングb1、b2およびb3を求める(これらの受信タイミングは基地局内の記憶装置に保持されているものとする)。
【0103】そして、新たに予測された新規ユーザの接続後の基地局受信タイミングと、既存ユーザの基地局受信タイミングとの近接判定を実行する。より具体的に、新規ユーザの予測受信タイミングYと既接続ユーザ1の現行受信タイミングb1との差が所定のしきい値αより大きく、かつ新規ユーザの予測受信タイミングYと既接続ユーザ2の現行受信タイミングb2との差が所定のしきい値αより大きく、かつ新規ユーザの予測受信タイミングYと既接続ユーザ3の現行受信タイミングb3との差が所定のしきい値αより大きいと判定された場合にのみ、新規ユーザと既接続ユーザとは近接関係になく、新規ユーザの接続を認めても多重ユーザの分離に問題はないものと判定する。
【0104】上記3個の条件を1つでも満たさない場合には、新規ユーザの予測受信タイミングと既接続ユーザの現行受信タイミングとが近接関係にあると判定して、新規ユーザの接続を許可しない。
【0105】次に、各タイムスロットごとに規定されている基地局受信可能窓域に、新規ユーザの予測された基地局受信タイミングが入っているか否かが判定される。すなわち、既接続ユーザとの近接判定はクリアしても、予測受信タイミングYそのものが当該スロットの受信可能窓を逸脱していては受信すること自体が不可能となる。
【0106】具体的には、予測された基地局受信タイミングYが、基地局受信可能窓の最小位置よりも大きく、かつ予測された基地局受信タイミングYが、基地局受信可能窓の最大位置よりも小さいと判定されれば、新規ユーザの当該スロットへの接続を最終的に許可する。
【0107】図7は、上記のようなこの発明の実施の形態1による伝送チャネルの割当方法の基本的な処理を示すフロー図である。この処理は、図1のDSP14により、ソフトウェアで実行される。
【0108】まず、ステップS31において、新規ユーザに対する多重接続可否判定処理に進むことが許可されると、実施の形態1による処理がスタートする。
【0109】ステップS32において、上述の方法により、新規ユーザの現行の送信タイミングと、予測された接続後の送信タイミングとの差分を取って、送信タイミングの移動量Xを算出する。
【0110】次に、ステップS33において、新規ユーザの現行の基地局受信タイミングZに、送信タイミング移動量Xを加算して、接続後の基地局受信タイミングYを予測する。
【0111】ステップS34において、予測された受信タイミングと各既存ユーザの受信タイミングとの差分がすべてしきい値αよりも大きいか否かが判定される。差分がしきい値αよりも小さい既存ユーザが1人でも存在すればステップS37に進み、新規チャネル割当(TCH切替含む)は拒否されることになる。
【0112】一方、ステップS34において、予測された受信タイミングと各既存ユーザの受信タイミングとの差分がすべてしきい値αよりも大きいと判定されると、ステップS35に進む。
【0113】ステップS35においては、予測された新規ユーザの基地局受信タイミングが、基地局の受信可能窓内に納まっているか否かが判定される。納まっていないと判定されるとステップS37に進み、新規チャネル割当(TCH切替含む)は拒否されることになる。
【0114】一方、ステップS35において、予測された新規ユーザの基地局受信タイミングが、基地局の受信可能窓内に納まっていると判定されると、ステップS36に進み、新規チャネル割当(TCH切替含む)は許可されることになる。
【0115】以上のように、この発明の実施の形態1によれば、新規ユーザ(TCH切替を含む)が接続された場合の基地局受信タイミングを実際に予測し、他の既接続ユーザの基地局受信タイミングとの近接判定を行った上で接続を許可しているので、新規ユーザの接続後に、通話特性の劣化やユーザの混信が生じることを防止することができる。
【0116】[実施の形態2]以下に説明するこの発明の実施の形態2による制御は、上述の送信タイミング制御方法の第2の例を実行する基地局を前提として実行される。すなわち、この実施の形態2では、切断等による多重ユーザ数の減少を対象とする。
【0117】以下に、この発明の実施の形態2による制御方法について説明する。まず、接続が切断されたユーザが存在する場合に、図5および図6を参照して説明した送信タイミング制御方法の第2の例によって、切断後に移動が要求される既存ユーザ(以下、移動ユーザと総称する:図5の例では、たとえばユーザ2または3)の、移動後に予定される送信タイミングを求める。
【0118】一方で、移動ユーザの現行の(移動前の)基地局送信タイミングを求める。このような移動ユーザの現行の基地局送信タイミングと、送信タイミング制御方法によって予測された移動後の基地局送信タイミングとの差分、すなわち基地局送信タイミングの移動量Xを算出する。
【0119】次に、移動ユーザの現行の(移動前の)基地局受信タイミングZを求める。このような移動ユーザの現行の基地局受信タイミングZに、上述の算出された基地局送信タイミングの移動量Xを加算することにより、移動ユーザの移動後における実際の基地局受信タイミングYを予測することができる。
【0120】次に、移動ユーザ以外の既存ユーザの基地局受信タイミングを求める。たとえば、切断後に3多重となる場合、移動ユーザ以外の既接続の2ユーザの現行の基地局受信タイミングb1およびb2を求める(これらの受信タイミングは基地局内の記憶装置に保持されているものとする)。
【0121】そして、新たに予測された移動ユーザの移動後の基地局受信タイミングと、他の既存ユーザの基地局受信タイミングとの近接判定を実行する。より具体的に、移動ユーザの予測受信タイミングYと他の既接続ユーザの現行受信タイミングb1との差が所定のしきい値αより大きく、かつ新規ユーザの予測受信タイミングYとさらに他の既接続ユーザの現行受信タイミングb2との差が所定のしきい値αより大きいと判定された場合にのみ、移動ユーザとこれらの他の既接続ユーザとは近接関係になく、移動ユーザの移動を認めても多重ユーザの分離に問題はないものと判定する。
【0122】上記2個の条件を1つでも満たさない場合には、移動ユーザの予測受信タイミングとこれらの他の既接続ユーザの現行受信タイミングとが近接関係にあると判定して、移動ユーザの送信タイミング移動を許可しない。
【0123】次に、各タイムスロットごとに規定されている基地局受信可能窓域に、移動ユーザの予測された基地局受信タイミングが入っているか否かが判定される。すなわち、他の既接続ユーザとの近接判定はクリアしても、予測受信タイミングYそのものが当該スロットの受信可能窓を逸脱していては受信すること自体が不可能となる。
【0124】具体的には、予測された基地局受信タイミングYが、基地局受信可能窓の最小位置よりも大きく、かつ予測された基地局受信タイミングYが、基地局受信可能窓の最大位置よりも小さいと判定されれば、移動ユーザの当該スロット内での移動を最終的に許可する。
【0125】図8は、上記のようなこの発明の実施の形態2による伝送チャネルの割当方法の基本的な処理を示すフロー図である。この処理は、図1のDSP14により、ソフトウェアで実行される。
【0126】まず、ステップS41において、切断等により既接続ユーザに対する移動要求が発生すると、実施の形態2による処理がスタートする。
【0127】ステップS42において、上述の方法により、移動ユーザの現行の送信タイミングと、予測された移動後の送信タイミングとの差分を取って、送信タイミングの移動量Xを算出する。
【0128】次に、ステップS43において、移動ユーザの現行の基地局受信タイミングZに、送信タイミング移動量Xを加算して、移動後の基地局受信タイミングYを予測する。
【0129】ステップS44において、予測された受信タイミングと他の既存ユーザの受信タイミングとの差分がすべてしきい値αよりも大きいか否かが判定される。差分がしきい値αよりも小さい他の既存ユーザが1人でも存在すればステップS47に進み、送信タイミングの移動は拒否されることになる。
【0130】一方、ステップS44において、予測された受信タイミングと他の既存ユーザの受信タイミングとの差分がすべてしきい値αよりも大きいと判定されると、ステップS45に進む。
【0131】ステップS45においては、予測された移動ユーザの基地局受信タイミングが、基地局の受信可能窓内に納まっているか否かが判定される。納まっていないと判定されるとステップS47に進み、送信タイミングの移動は拒否されることになる。
【0132】一方、ステップS45において、予測された移動ユーザの基地局受信タイミングが、基地局の受信可能窓内に納まっていると判定されると、ステップS46に進み、送信タイミングの移動は許可されることになる。
【0133】以上のように、この発明の実施の形態2によれば、切断等により既接続ユーザの移動が要求された場合の移動後の基地局受信タイミングを実際に予測し、他の既接続ユーザの基地局受信タイミングとの近接判定を行った上で移動を許可しているので、移動ユーザの移動後に、通話特性の劣化やユーザの混信が生じることを防止することができる。
【0134】今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0135】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、新規ユーザの接続要求や既接続ユーザの切断など、パス多重状態の変更が必要な場合、変更後における多重ユーザの基地局受信タイミングを予測し、予測された多重ユーザ間の受信タイミング差が縮小しないような所定の条件を満たすときにのみ、そのような多重状態の変更を実行するようにしたので、パス多重状態に変更の必要が生じた場合であっても、変更後に通話特性の劣化やユーザ間の混信が生じることを防止することができる。




 

 


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