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通信チャネル割当装置及び無線基地局 - 三洋電機株式会社
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発明の名称 通信チャネル割当装置及び無線基地局
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−179965(P2003−179965A)
公開日 平成15年6月27日(2003.6.27)
出願番号 特願2001−377678(P2001−377678)
出願日 平成13年12月11日(2001.12.11)
代理人 【識別番号】100090446
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 司朗
【テーマコード(参考)】
5K022
5K028
5K067
【Fターム(参考)】
5K022 FF00 
5K028 AA02 AA11 BB06 CC05 DD01 DD02 LL02 RR01
5K067 AA23 BB04 BB21 CC01 CC04 DD11 DD42 EE02 EE10 GG03 HH11 HH22 JJ02 JJ12 JJ17 JJ21 JJ74
発明者 岩見 昌志 / 宮田 健雄 / 中尾 正悟 / 伊藤 忠芳
要約 課題
将来的に通信不可能状態に陥る移動局の増加をある程度抑制するように、移動局への通信チャネル割当を行う無線基地局を提供する。

解決手段
時分割多重方式により複数の時分割スロットを用い、各時分割スロットに複数の移動局の通信信号を多重する空間多重方式も併用する無線基地局は、移動局の新規接続時或いは通信チャネル切替必要時に、各時分割スロットについて、その時分割スロットに関して測定に基づき算定される通信品質を示す各種パラメータと閾値とを比較してその移動局にその時分割スロットを割り当てることができるかという割当可否判定を行う。この割当可否判定は、多重度(割当移動局数)の大きい時分割スロットについては高度品質を要求する制限閾値を用い(S16)、他の時分割スロットについては低度品質で足りるデフォルト閾値を用い(S17)、低度品質で高多重度の時分割スロットへの割当を抑止する。
特許請求の範囲
【請求項1】 移動局に複数のタイムスロットのいずれかを割り当てる時分割多重方式、及び空間多重方式により、複数の移動局と無線通信する無線基地局に備えられ、移動局に割り当てるべきタイムスロットを決定するために、1以上の各タイムスロットについて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てたと仮定した場合における当該タイムスロットに係る通信品質を示す評価値に基づいて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てることが可能か否かの判定を行い、タイムスロットについての前記判定を、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てたならば全タイムスロットそれぞれに割り当てられた移動局数のタイムスロット間における不均一度合が増大することになるときに、増大しないときよりも、割当可能との判定を抑制するように行うことを特徴とする通信チャネル割当装置。
【請求項2】 移動局に複数のタイムスロットのいずれかを割り当てる時分割多重方式、及び空間多重方式により、複数の移動局と無線通信する無線基地局であって、1以上の各タイムスロットについて、割当を要する一の移動局に対して当該タイムスロットを割り当てたと仮定した場合における当該タイムスロットに係る通信品質を示す評価値に基づいて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てることが可能か否かの割当可否判定を行う判定手段と、前記判定手段により割当可能と判定された1つのタイムスロットを、前記割当を要する一の移動局に対して割り当てる割当手段とを備え、前記判定手段は、タイムスロットについての前記割当可否判定を、当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が、所定基準数より大きいときに、所定基準数以下のときよりも、割当可能と判定することを抑制するように行うことを特徴とする無線基地局。
【請求項3】 前記割当を要する一の移動局は、新規に無線基地局と通信を開始する移動局であり、前記判定手段は、全タイムスロットそれぞれのうち当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が最低であるタイムスロットに係る当該総数を前記所定基準数として定めた後に、前記割当可否判定を行うことを特徴とする請求項2記載の無線基地局。
【請求項4】 前記無線基地局は、測定により、あるタイムスロットにおける移動局との通信の通信品質を示す前記評価値の算出の基礎となるデータを取得するデータ取得手段と、前記評価値との比較対象としての、第1の通信品質を表す第1閾値と、第1の通信品質より高い第2の通信品質を表す第2閾値とを予め記憶する記憶手段とを備え、前記判定手段は、前記データ取得手段により取得されたデータから前記評価値を算出し、前記評価値に基づき、タイムスロットについての前記割当可否判定を行い、当該割当可否判定において、当該タイムスロットに係る移動局の総数が所定基準数より大きいときに、前記割当可能と判定することの前記抑制を、当該タイムスロットに係る評価値と前記第2閾値とを比較して、第2の通信品質を満たす場合に限り割当可能と判定することにより行い、当該割当可否判定を、当該タイムスロットに係る移動局の総数が所定基準数以下のときには、当該タイムスロットに係る評価値と前記第1閾値を比較して、第1の通信品質を満たす場合に限り割当可能と判定することにより行うことを特徴とする請求項3記載の無線基地局。
【請求項5】 移動局に複数のタイムスロットのいずれかを割り当てる時分割多重方式、及び空間多重方式により、複数の移動局と無線通信する無線基地局であって、1以上の各タイムスロットについて、通信チャネル切替を要する一の移動局に対して当該タイムスロットを割り当てたと仮定した場合における当該タイムスロットに係る通信品質を示す評価値に基づいて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てることが可能か否かの割当可否判定を行う判定手段と、前記判定手段により割当可能と判定された1つのタイムスロットを、前記通信チャネル切替を要する一の移動局に対して割り当てる割当手段とを備え、前記判定手段は、タイムスロットについての前記割当可否判定を、前記仮定した場合における当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が、当該通信チャネル切替を要する一の移動局が元に割り当てられていたタイムスロットにおける割り当てられていた移動局の総数より大きいときには、当該元のタイムスロットに係る移動局の総数より小さいときよりも、割当可能と判定することを抑制するように行うことを特徴とする無線基地局。
【請求項6】 前記判定手段は更に、タイムスロットについての前記割当可否判定を、前記仮定した場合における当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が、当該通信チャネル切替を要する一の移動局が元に割り当てられていたタイムスロットにおける割り当てられていた移動局の総数と等しいときには、前記仮定した場合に割り当てられるタイムスロットにおける移動局間の受信電力レベルの格差の最大値である第1の最悪DDR値が、前記元のタイムスロットにおける第2の最悪DDR値より大きければ、前記抑制と同等の抑制を行うことを特徴とする請求項5記載の無線基地局。
【請求項7】 前記無線基地局は、測定により、あるタイムスロットにおける移動局との通信の通信品質を示す前記評価値の算出の基礎となるデータを取得するデータ取得手段と、前記評価値との比較対象としての、第1の通信品質を表す第1閾値と、第1の通信品質より高い第2の通信品質を表す第2閾値とを予め記憶する記憶手段とを備え、前記判定手段は、前記データ取得手段により取得されたデータから前記評価値を算出し、前記評価値に基づき、タイムスロットについての前記割当可否判定を行い、当該割当可否判定において、前記仮定した場合における当該タイムスロットに係る移動局の総数が前記元のタイムスロットに係る移動局の総数より大きいときに、前記割当可能と判定することの前記抑制を、前記仮定した場合における当該タイムスロットに係る評価値と前記第2閾値とを比較して、第2の通信品質を満たす場合に限り割当可能と判定することにより行い、当該割当可否判定を、前記仮定した場合における当該タイムスロットに係る移動局の総数が前記元のタイムスロットに係る移動局の総数より小さいときには、前記仮定した場合における当該タイムスロットに係る評価値と前記第1閾値を比較して、第1の通信品質を満たす場合に限り割当可能と判定することにより行うことを特徴とする請求項5記載の無線基地局。
【請求項8】 前記判定手段は更に、タイムスロットについての前記割当可否判定において、前記仮定した場合における当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が所定数より高い場合には当該タイムスロットは割当不可能と判定することを特徴とする請求項7記載の無線基地局。
【請求項9】 タイムスロットに係る前記評価値は、当該タイムスロットに割り当てられた移動局間の受信電力レベルの格差の最大値である最悪DDR値であることを特徴とする請求項2又は5記載の無線基地局。
【請求項10】 前記判定手段は、タイムスロットについての前記割当可否判定において、前記割当可能と判定することの抑制を、割当可能と判定せず割当不可能と判定することにより行うことを特徴とする請求項2又は5記載の無線基地局。
【請求項11】 移動局に複数のタイムスロットのいずれかを割り当てる時分割多重方式、及び空間多重方式により、複数の移動局と無線通信する無線基地局内のCPUに、通信チャネル割当制御処理を行わせるためのコンピュータプログラムであって、前記通信チャネル割当制御処理は、移動局に割り当てるべきタイムスロットを決定するために、1以上の各タイムスロットについて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てたと仮定した場合における当該タイムスロットに係る通信品質を示す評価値に基づいて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てることが可能か否かの判定をする割当可否判定処理を含み、タイムスロットについての前記割当可否判定処理は、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てたならば全タイムスロットそれぞれに割り当てられた移動局数のタイムスロット間における不均一度合が増大することになるときに、増大しないときよりも、割当可能との判定を抑制する制御を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】 タイムスロットについての前記割当可否判定処理は、当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が、所定基準数より大きいときに、全タイムスロットそれぞれに割り当てられた移動局の総数の不均一度合が増大することと扱い、このときに、所定基準数以下のときよりも、割当可能と判定することを抑制する制御を含むことを特徴とする請求項11記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】 前記通信チャネル割当制御処理は、通信チャネル切替を要する一の移動局に割り当てるべきタイムスロットを決定するための処理であり、1以上の各タイムスロットについて、当該タイムスロットを、前記通信チャネル切替を要する一の移動局に割り当てることが可能か否かの判定をする割当可否判定処理を含み、タイムスロットについての前記割当可否判定処理は、前記仮定した場合における当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が、前記通信チャネル切替を要する一の移動局が元に割り当てられていたタイムスロットにおける割り当てられていた移動局の総数より大きいときには、当該元のタイムスロットに係る移動局の総数より小さいときよりも、割当可能と判定することを抑制する制御を含むことを特徴とする請求項11記載のコンピュータプログラム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空間多重方式(Path Division MultipleAccess:PDMA方式)により複数のPHS(パーソナル・ハンディホン・システム)携帯端末、携帯電話機等の無線電話装置(以下、「移動局」という。)と無線接続する無線基地局に関し、特に、移動局に対して割り当てる通信用チャネルの選定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の移動局と無線通信する無線基地局では、周波数資源を有効利用して各移動局に通信用チャネルを割り当てるために時分割多重方式(TDMA/TDD、Time Division Multiple Access/Time Division Duplex)が用いられており、更なる周波数資源の有効利用のため空間多重方式が用いられる。
【0003】ここで、空間多重方式は、無線基地局が、異なる方向に存在する複数の移動局に対し、アダプティブアレイ装置等を用いた指向性パターンの形成により、同一周波数で同時刻に通信を行う方式である。なお、アダプティブアレイ装置は、固定的に設置された複数のアンテナを備え、個々のアンテナに対する送受信信号の振幅と位相とを動的に調整することにより、アンテナ全体として、送信、受信のための指向性パターンを動的に形成するものであり、所望の移動局の方向へ送信強度及び受信感度を高めつつ、多重している他の移動局の方向に対する送信強度及び受信感度を低下させるような信号の相互干渉除去のための制御を行う。
【0004】例えば、空間多重方式により同一周波数で同時刻に最大4つの移動局からの信号を多重する無線基地局であって、時分割多重方式により周期的な一定時間を、送信タイムスロット4つと受信タイムスロット4つとの合計8つに区分し、送信タイムスロットと受信タイムスロットとの組である送受信タイムスロット4組のうちの3組を、それぞれ最大4つまでの移動局に双方向の通信チャネル(Traffic Channel:TCH)として割り当てるような無線基地局が研究開発されている。
【0005】ところで、従来、無線基地局における移動局の新規接続時の通信チャネル割当、或いは通信チャネル割当済みのある移動局の通信品質低下等に基づくTCH切替必要時の通信チャネル割当は、各送受信タイムスロットを、何らかの基準により定めた優先順に、割当候補として割当可否判定を行い、最初に割当可能であると判定したときに割当候補としていた送受信タイムスロットを、新規の移動局、或いはTCH切替が必要であった移動局に割り当てるといった手順で行われる。
【0006】従来の割当可否判定は、割当候補である送受信タイムスロットにおいて、ある程度の品質での通信が可能か否かという判定であり、通信品質に影響を与える複数のパラメータそれぞれについて、予め固定的に定めた閾値との比較によりなされ、高品質とは言えないまでも、一応ある程度の通信品質での通信が可能であれば、割当可能と判定される。
【0007】なお、割当可否判定において用いる上述のパラメータとして、例えば、同一の送受信タイムスロットに空間多重している移動局間のDDR値のうちの最大値(以下、「最悪DDR値」という。)がある。ここで、DDR(Desired to Desired Ratio)は、移動局間の受信電力レベルの比を示す数であり、2つの移動局についての受信応答ベクトルの大きさの比(1以上の数となるように除数と被除数を入れ替え調整したもの)により算出される。なお、受信応答ベクトルは移動局から無線基地局までの信号の伝播路を示す数である。このDDRは、通信品質に大きく影響する1つの指標であり、最悪DDR値が大きい状況下では、無線基地局は各移動局からの信号の分離が困難となり、通信品質は低下するので、割当可否判定においては最悪DDR値が所定の閾値より大きければ割当不可と判定されることになる。
【0008】即ち、従来の無線基地局による新規接続時、或いはTCH切替必要時における移動局への通信チャネル割当では、上述の割当可否判定により、一応、ある程度の通信品質での通信が可能であると判定された送受信タイムスロットが、その移動局に割り当てられることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の無線基地局による新規接続時の通信チャネル割当では、新規の移動局に、無線基地局が既に他の1以上の移動局との通信に用いている送受信タイムスロットを割り当てた場合に生じる以下の問題を解決することができない。
【0010】即ち、この場合には、新規の移動局が割り当てられた送受信タイムスロットで、既に無線基地局と通信中であった1以上の移動局についてその通信品質が低下する事態が生じ、特に、その送受信タイムスロットにおいて空間多重対象とされている移動局の数が多い場合、つまり多重度が高い場合には、移動局相互間の干渉除去は技術的に難しいため、一応ある程度の通信品質での通信が可能であっても通信品質が低下してしまい、将来的な移動局の移動その他の要因により、その多くの移動局の通信品質が将来において通信不可能状態にまで下がるおそれが高まるという問題が生じる。
【0011】また、従来の無線基地局によるTCH切替必要時の通信チャネル割当では、TCH切替対象の移動局に、無線基地局が既に他の1以上の移動局との通信に用いている送受信タイムスロットを割り当てた場合に、無線基地局が通信している移動局全体として見た場合には通信品質が低下する移動局が増加する事態が当然生じ得る。この結果、多くの移動局の通信品質が将来的に通信不可能状態にまで下がるおそれが高まるという問題が生じる。
【0012】そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、新規接続時或いはTCH切替必要時に、将来的に通信不可能状態に陥る移動局の増加をある程度抑制するように、移動局への通信チャネル割当を行う無線基地局、通信チャネル割当装置等を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係る通信チャネル割当装置は、移動局に複数のタイムスロットのいずれかを割り当てる時分割多重方式、及び空間多重方式により、複数の移動局と無線通信する無線基地局に備えられ、移動局に割り当てるべきタイムスロットを決定するために、1以上の各タイムスロットについて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てたと仮定した場合における当該タイムスロットに係る通信品質を示す評価値に基づいて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てることが可能か否かの判定を行い、タイムスロットについての前記判定を、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てたならば全タイムスロットそれぞれに割り当てられた移動局数のタイムスロット間における不均一度合が増大することになるときに、増大しないときよりも、割当可能との判定を抑制するように行うことを特徴とする。
【0014】ここで、「割当可能との判定を抑制するように行う」とは、例えば多重度4等、ある特定の多重度に係るタイムスロットについて移動局に割当可能か否かという判定を、多重度の不均一度に係る場合分けに従って、普通に判定するときと厳しく判定するときとの2つの判定レベルを使い分けることを前提として、その厳しく判定するときのことをいう。この判定方式では、同じある移動局に特定の多重度に係るタイムスロットを割り当てることができるか否かという判定を、その移動局とそのタイムスロットの状況は全く同じであっても、普通に判定すれば割当可能となるが、厳しく判定すれば割当不可能との結果が出ることがあるというように、通信品質に係る判定基準を普通と厳しいとの2基準もって切り替える得ることを前提としている。
【0015】上記構成により、送受信タイムスロット等のタイムスロットについて割り当てられた移動局の数つまり多重度のタイムスロット間でのばらつきが増大することになる場合における割当可否判定において、その他の場合よりも高度の通信品質に相当する厳しい閾値を用いた比較等の抑制的な判定方法によって割当可否判定を行うことになるので、割当可否判定の結果に従った割当を行った場合に、各タイムスロット間での多重度の不均一の程度が割当前より増大することをある程度抑制できるようになる。これは、各タイムスロットにおける多重度を低く抑えることに繋がり、本発明によれば、多重度が高くて各移動局の信号を分離不能になり通信不可能状態に陥る移動局の増加を、ある程度抑制することが可能となる。
【0016】また、本発明に係る無線基地局は、移動局に複数のタイムスロットのいずれかを割り当てる時分割多重方式、及び空間多重方式により、複数の移動局と無線通信する無線基地局であって、1以上の各タイムスロットについて、割当を要する一の移動局に対して当該タイムスロットを割り当てたと仮定した場合における当該タイムスロットに係る通信品質を示す評価値に基づいて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てることが可能か否かの割当可否判定を行う判定手段と、前記判定手段により割当可能と判定された1つのタイムスロットを、前記割当を要する一の移動局に対して割り当てる割当手段とを備え、前記判定手段は、タイムスロットについての前記割当可否判定を、当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が、所定基準数より大きいときに、所定基準数以下のときよりも、割当可能と判定することを抑制するように行うことを特徴とする。
【0017】これにより、多重度が高いタイムスロットについての割当可否判定は、多重度が低いタイムスロットについての割当可否判定より高度の通信品質に相当する厳しい閾値を用いた比較等の抑制的な判定方法によりなされることとなり、結果的に、各タイムスロットにおける多重度を低く抑えることに繋がり、新規接続時或いはTCH切替必要時において、将来的に通信不可能状態に陥る移動局の増加をある程度抑制することが可能になる。
【0018】また、本発明に係る無線基地局は、移動局に複数のタイムスロットのいずれかを割り当てる時分割多重方式、及び空間多重方式により、複数の移動局と無線通信する無線基地局であって、1以上の各タイムスロットについて、通信チャネル切替を要する一の移動局に対して当該タイムスロットを割り当てたと仮定した場合における当該タイムスロットに係る通信品質を示す評価値に基づいて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てることが可能か否かの割当可否判定を行う判定手段と、前記判定手段により割当可能と判定された1つのタイムスロットを、前記通信チャネル切替を要する一の移動局に対して割り当てる割当手段とを備え、前記判定手段は、タイムスロットについての前記割当可否判定を、前記仮定した場合における当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が、当該通信チャネル切替を要する一の移動局が元に割り当てられていたタイムスロットにおける割り当てられていた移動局の総数より大きいときには、当該元のタイムスロットに係る移動局の総数より小さいときよりも、割当可能と判定することを抑制するように行うことを特徴とする。
【0019】これにより、TCH切替必要時において、TCH切替後にTCH切替前と比べて多重度の不均一度が高まることをある程度抑制でき、結果的に将来的に通信不可能状態に陥る移動局が増加してしまう事態をある程度抑制することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る無線基地局について、図を用いて説明する。
<構成>図1は、本発明の実施の形態に係る無線基地局100の構成を示すブロック図である。
【0021】無線基地局100は、PHS規格で定められた複数の送受信タイムスロットを用いる時分割多重方式(TDMA/TDD、Time Division Multiple Access/Time Division Duplex)方式に加え、更にアダプティブアレイ技術に基づく空間多重方式をも用いて、同一周波数で最大4つの移動局の信号を空間多重して、移動局と無線接続する無線基地局である。
【0022】即ち、無線基地局100は、時分割多重方式により5ms周期の期間であるTDMAフレームを8等分して4つの送信タイムスロットと4つの受信タイムスロットに分割して、送信タイムスロットと受信タイムスロットとの組である送受信タイムスロット4組のうちの3組を、それぞれ最大4つまでの移動局に双方向の通信チャネル(Traffic Channel:TCH)として割り当てて、即ち最大4つの移動局の信号を空間多重して通信を行う機能を有し、同図に示すように、アダプティブアレイ・アンテナ1a1〜1an、無線部2a1〜2an、信号処理部3、モデム部4、ベースバンド部5及び制御部6を備える。
【0023】なお、空間多重方式は、無線基地局100が、異なる方向に存在する複数の移動局に対し異なる指向性パターンを形成することにより同一周波数で同時刻に通信を行う方式であり、アダプティブアレイ・アンテナ1a1〜1an、無線部2a1〜2an、信号処理部3及び制御部6が、個々のアンテナに対する送受信信号の振幅と位相とを動的に調整し、アンテナ全体として、送信、受信のための指向性パターンを動的に形成することにより実現される。この空間多重方式におけるアダプティブアレイ技術については、「空間領域における適応信号処理とその応用技術論文特集」(電子情報通信学会論文誌VOL.J75−B−2 No.11)に詳細に記載されている。
【0024】ベースバンド部5は、電話交換網を介して接続される複数の電話回線とモデム部4との間で複数の信号即ち音声又はデータのベースバンド信号を、授受する。モデム部4は、信号処理部3とベースバンド部5との間で、デジタル化されたベースバンド信号に対してπ/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)により変調及び復調を行う機能を有する。この変調及び復調は、1つの送信用又は受信タイムスロットにおいて空間多重される最大4つのベースバンド信号に対して並列に行われる。
【0025】信号処理部3は、特定の移動局の信号を分離抽出するためのユーザ別信号処理部b1〜bnと、DDR算出部14とを有し、制御部6の制御下で、指向性パターンの形成に関する制御、即ち、各無線部2a1〜2anから入力される空間多重された各信号(以下、「多重信号」という。)に基づき、ユーザ別信号処理部b1〜bnにより、振幅と位相を調整するための係数であるウェイトベクトルを算出して各多重信号に重み付けし、各移動局からの受信信号を分離抽出しモデム部4に出力し、また、モデム部4から入力された送信信号を所望の移動局へ送信できるように空間多重用に重み付けした信号を生成して各無線部2a1〜2anに出力する制御を行う部分であり、具体的には、プログラマブルなDSP(Digital Signal Processor)により実現される。ここで、ウェイトベクトルは、最小2乗平均誤差方式(Minimum Mean Square Error:MMSE)により算出される。具体的には、各アンテナに入力される各多重信号にそのアンテナ用のウェイトベクトルを乗じた値と既知の参照信号即ちPHS規格に基づくプリアンブルやユニークワード等との誤差の総和が最小になるようにウェイトベクトルが算出される。
【0026】なお、空間多重方式で指向性パターンを形成して送受信を行うのは、通信チャネル(TCH)での通信のみであり、その他の制御チャネルでの通信については基本的に空間多重方式は用いず、一般的なPHSの無線基地局と同様の制御処理を行う。ユーザ別信号処理部b1〜bnそれぞれは、特定の移動局から無線基地局までの信号の伝播路を示す係数である受信応答ベクトルH1〜HnをDDR算出部14に送出し、またDDR算出部14は、この受信応答ベクトルH1〜Hnに基づいて各移動局からの信号を適切に分離するための制御等に用いる指標として用いられるDDR(Desired to Desired Ratio)を算出し、これを制御部6に伝える。
【0027】このDDRは、空間多重されている1つの移動局からの電波の受信電力レベルと空間多重されている他の移動局の1つからの電波の受信電力レベルとの比を示すことになる。なお、DDRについては後に詳しく説明する。無線部2a1は、ハイパワーアンプ等を含む送信部11とローノイズアンプ等を含む受信部12とから構成される。送信部11は、信号処理部3から入力された信号を低周波から高周波に変換し、送信出力レベルにまで増幅してアンテナ1a1〜1anに出力するもので、制御部6からの指示に応じて、ハイパワーアンプのゲインを制御する等して送信出力を調整する機能を有する。受信部12は、アンテナ1a1〜1anで受信された信号を高周波から低周波に変換し、増幅して信号処理部3に出力する機能を有する。なお、無線部2a2〜2anは、無線部2a1と同等である。
【0028】制御部6は、ハードウェアとしてはCPU(Central Processing Unit)及びメモリ16等で構成され、CPUがメモリ中のプログラムを実行することにより無線基地局100の各部を制御する機能を有し、移動局に1組の送受信タイムスロットを割り当てる機能を担う通信チャネル割当部15を含む。
【0029】通信チャネル割当部15は、例えば移動局の新規接続要求に対応してその移動局に1組の送受信タイムスロットを割り当てるよう試み、また、既に通信中の移動局について、通信品質の低下が生じた場合等、通信チャネル(TCH)切替が必要となった場合に、その移動局に元の送受信タイムスロットとは別の1組の送受信タイムスロットを割り当てようと試みる機能を有し、その新規又はTCH切替が必要な移動局に、ある送受信タイムスロットを割り当てることができるか否かを、メモリ16内部の、通信品質に関する閾値を規定した閾値テーブル20を参照して判定する新規チャネル割当処理又は切替チャネル割当処理を行う。
【0030】この新規チャネル割当処理及び切替チャネル割当処理は、全ての送受信タイムスロットそれぞれに割り当てられた移動局数の送受信タイムスロット間における不均一度合の増大をある程度抑制するように、割り当てるべき送受信タイムスロットを定める処理であり、これらの処理については後に詳しく説明する。なお、通信チャネル割当部15による割当結果はメモリ16に記録され、この割当結果に基づき制御部6は、同じ送受信タイムスロットを割り当てている複数の移動局と空間多重方式により通信するための制御を実行する。また、制御部6は、信号処理部3からDDRを受け取り、このDDRに応じて送信電力制御等を行う。
【0031】以下、ユーザ別信号処理部b1について詳しく説明する。図2は、ユーザ別信号処理部b1の構成を示すブロック図である。ユーザ別信号部b1は、特定の移動局からの信号を抽出してモデム部4に伝え、また、その特定の移動局から無線基地局までの信号の伝播路を示す係数である受信応答ベクトルH1をDDR算出部14に伝える機能を有し、同図に示すように、入力ポート20a1〜20an、スイッチ回路21a1〜21an、乗算器22a1〜22an、乗算器23a1〜23an、加算器24、メモリ25、判定部26、ウェイトベクトル制御部27を有する。
【0032】ここで、入力ポート20a1〜20anは、各無線部から入力された多重信号X1(t)〜Xn(t)を受けとるものであり、スイッチ回路21a1〜21anは、制御部6の制御下で送信時と受信時とで切り替えられるスイッチである。乗算器22a1〜22anは、入力ポート20a1〜20anから入力された各多重信号と、ウェイトベクトル制御部27によって与えられたウェイトベクトルW11〜Wn1とをそれぞれ乗算し、加算器24に伝えるものであり、加算器24は、乗算器22a1〜22anから伝えられた信号を加算し、仮受信信号Y1(t)を判定部26に伝えるものである。
【0033】判定部26は、加算器から入力されたY1(t)の位相値を、その値に最も近い、π/4の整数倍である値となるように補正することにより、抽出信号Sr1(t)を得て、Sr1(t)をモデム部4に出力するとともにウェイトベクトル制御部27に伝える機能を有する。なお、抽出信号Sr1(t)が特定の移動局からの受信信号に相当する。
【0034】メモリ25は、PHS規格により規定されている例えばスタートシンボル、プリアンブル、ユニークワード等を参照信号として予め記憶しており、また、ウェイトベクトル制御部27によって算出された各ウエイトベクトルW11〜Wn1を記憶する。ウェイトベクトル制御部27は、メモリ25に予め記憶されている参照信号を参照し、参照信号d(t)と判定部26から入力される信号Sr1(t)とを用いて、スイッチ回路21a1〜21anを通じて入力ポート20a1〜20anからある時刻tに伝えられた各多重信号X1(t)〜Xn(t)に対して次の時刻(t+1)において、乗算すべき各ウエイトベクトルW11〜Wn1を算出するものである。従ってウェイトベクトル制御部27は、前回モデム部4に出力された信号Sr1(t−1)に基づいて、現時点(t)において乗算器22a1〜22anに与えるべき各ウエイトベクトルW11〜Wn1を定めることになる。
【0035】また、ウェイトベクトル制御部27は、入力ポート20a1〜20anから伝えられる各多重信号X1(t)〜Xn(t)と、判定部26から入力される信号Sr1(t)とから、受信応答ベクトルH1を算出し、DDR算出部14に伝える機能を有する。乗算器23a1〜23anは、抽出信号Sr1(t)に係る移動局に対しての送信信号St1(t)をモデム部4から入力されると、St1(t)に対してSr1(t)を用いてウェイトベクトル制御部27により算出された各ウェイトベクトルW11〜Wn1を乗算し、乗算して得られた各送信信号を、スイッチ回路21a1〜21anを介して、各無線部に送出するものである。
【0036】<ウェイトベクトル算出方式>以下、各抽出信号Sri(t)(i=1,2,3,・・・,m)を抽出するためのユーザ別信号処理部b1〜bnによりなされるウェイトベクトルWji(j=1,2,3,・・・,n)の算出について説明する。なお、説明を簡単にするために、多重度m=2、アンテナ数n=2として、ユーザ別信号処理部b1におけるウェイトベクトルWj1の算出を例として説明する。
【0037】[数1] Y1(t)=W11(t)X1(t)+W21(t)X2(t)
数1に示すように、ユーザ別信号処理部b1は、各無線部から出力される各多重信号X1(t) 、X2(t)のそれぞれに対してウェイトベクトルW11(t)、W21(t)をそれぞれ乗算した値の総和である仮受信信号Y1(t)を求め、判定部26により位相を補正した結果である抽出信号Sr1(t)を出力する。
【0038】なお、tは信号が到達する時間を示し、PHS規格における1シンボルを受信する時間を単位とした受信タイムスロット内での経過時間を示す。従って、多重信号X1(t)、X2(t)、ウェイトベクトルW11(t)、W21(t)等はtの値が1、2、・・・という信号列である。また、多重信号X1(t) 、X2(t)、ウェイトベクトルW11(t)、W21(t)、仮受信信号Y1(t)、抽出信号Sr1(t)は、振幅、位相を有するもので、複素数で表すことができる。
【0039】ウェイトベクトルW11(t)、W21(t)には、適当な値の初期値が定められており、ウェイトベクトル制御部27は最小2乗平均誤差方式により、参照信号d(t)と、抽出信号Sr1(t)との誤差を最小とするように、予め定められた範囲内でW11(t)、W21(t)の値をそれぞれ変動させて調整することにより、単位時間毎にW11(t+1)、W21(t+1)を算定する。
【0040】[数2] e(t)=d(t)−Sr1(t)≒d(t)−Y1(t)=d(t)−(W11(t)X1(t)+W21(t)X2(t))
1(t+1)、W2(t+1)は、抽出信号Sr1(t)と参照信号d(t)との誤差e(t)を小さくするようにそれぞれW11(t)、W21(t)を修正した値をとる。時間経過と共にウェイトベクトルの値は一定値に収束し、プリアンブル、ユニークワード等に続いて送られるところの通信内容である本体的なデータの受信段階では、抽出信号Sr1(t)は正確なものとなる。なお、通信が開始された後は、前回の受信タイムスロットにおいて最終的に得られたウェイトベクトルの値がその次の回の受信タイムスロットに関してのウェイトベクトルの初期値として用いられることもある。
【0041】<受信応答ベクトル算出方式>次にウェイトベクトル制御部27による受信応答ベクトルの算出処理について、上記例を用いて説明する。2つの各移動局が送信した信号Sr1'(t)、Sr2'(t)と各多重信号X1(t)、X2(t)との間には次の数3及び数4の関係が成立する。
【0042】[数3] X1(t)=h11r1'(t)+h21r2'(t)+n1(t)
[数4] X2(t)=h12r1'(t)+h22r2'(t)+n2(t)
なお、hijは、第i番目の移動局から第j番目のアンテナまでの伝播路を表す複素数であり、n本のアダプティブアレイ・アンテナを用いる場合に第i番目の移動局に対応する受信応答ベクトルは一般的にはhi1、hi2、・・・、hinを成分とするベクトルHiである。また、n1(t)及びn2(t)は雑音である。
【0043】無線基地局100のユーザ別信号処理部b1が分離抽出した抽出信号Sr1(t)と、第1番目の移動局が送信する信号であるSr1'(t)とは、送信された信号が正常に受信でき分離抽出が適切に行えたとすれば等しいものとなる。ウェイトベクトル制御部27は、抽出信号Sr1(t)の複素共役であるSr1*(t)と受信信号X1(t)及びX2(t)とを用いて、次の数5及び数6に示すように受信応答ベクトルH1の成分であるh11及びh12を算出する。
【0044】
[数5] h11=E[X1(t)Sr1*(t)]
[数6] h12=E[X2(t)Sr1*(t)]
ここでEはアンサンブル平均を表しており、ある程度の期間、t=1、2、・・・、nにおける平均値を意味する。例えばnを100とし、100シンボル期間における平均値を算出する。
【0045】抽出信号Sr1(t)、Sr2(t)が正常に得られ、2つの移動局からの移動局信号Sr1'(t)、r2'(t)と同等とみなせる状態においては、数3及び数4について、Sr1'(t)、Sr2'(t)をそれぞれSr1(t)、Sr2(t)と置き換え、両辺にSr1*(t)を乗じてアンサンブル平均をとると、次の数7及び数8が得られる。
【0046】[数7] E[X1(t)Sr1*(t)]=E[h11r1(t)Sr1*(t)]+E[h12r2(t)Sr1*(t)]+E[n1(t)Sr1*(t)]
[数8] E[X2(t)Sr1*(t)]=E[h21r1(t)Sr1*(t)]+E[h22r2(t)Sr1*(t)]+E[n2(t)Sr1*(t)]
ここで、E[Sr1(t)Sr1*(t)]=1であり、また、基本的に各移動局から送信された信号Sr1'(t)とSr2'(t)には相関関係がなく、信号Sr1'(t)と雑音成分にも相関関係がないため、E(Sr2(t)Sr1*(t))=0、E[n1(t)Sr1*(t)]=0、E[n2(t)Sr1*(t)]=0である。
【0047】従って、数7及び数8から、数5及び数6が導出できることになる。なお、これにより雑音成分の影響を数式上除去している。ユーザ別信号処理部b1におけるウェイトベクトル制御部27は、数5及び数6に示したような計算を行いh11及びh12を求め、h11及びh12を成分とした受信応答ベクトルH1を算出してDDR算出部14に出力する。同様に他のユーザ別信号処理部b2〜bnそれぞれも受信応答ベクトルH2〜Hnを算出してDDR算出部14に出力する。
【0048】<DDR算出方式>DDR算出部14は、2つの受信応答ベクトルに基づいて、次の数9に示すように、例えば第1番目の移動局の、第2番目の移動局に対する受信電力レベル比であるD1/D2を算出する。
[数9] D1/D2=|H12/|H22=(|h112+|h122)/(|h212+|h222
このような2つの移動局間における受信電力レベル比がDDRである。
【0049】なお、ここでは説明の便宜上2つの成分について示したが、実際上は、多重度mに対応するm個のユーザ別信号処理部bi(i=1、2、・・・、m)は、hi1、hi2、hi3、hi4を成分とする受信応答ベクトルHiを算出してDDR算出部14に出力し、DDR算出部14は、受信タイムスロット別に、その受信タイムスロットにおいて多重化されている各移動局相互間についてのDDRを求める。例えば、DDR値が1以上となるように、上述のD1とD2とを定めてDDRを求め、DDR算出部14は、受信タイムスロット別に、その求めたDDRの値のうち最大なものである最悪DDR値を特定して、最悪DDR値を制御部6に送出する。また、DDR算出部は各移動局についての受信電力レベルD1、D2等や受信応答ベクトルH1、H2等を制御部6に送出する。
【0050】<閾値テーブル>以下、通信チャネル割当部15による新規チャネル割当処理及び切替チャネル割当処理に用いられる閾値テーブル20について説明する。図3は、閾値テーブル20の構成及び内容例を示す図である。閾値テーブル20は、2以上の多重度について、多重度510と最悪DDR閾値520と最悪相関閾値530とを対応付けたテーブルであり、最悪DDR閾値520及び最悪相関閾値530のそれぞれには、デフォルト値と制限値とが含まれる。
【0051】最悪DDR閾値520は、受信タイムスロットについての最悪DDR値と比較するための閾値であり、最悪DDR値が最悪DDR閾値より大きい場合にはその受信タイムスロットにおいては、あるレベルの通信品質を維持できないと推定されることになる。最悪相関閾値530は、受信タイムスロットについての最悪相関値と比較するための閾値であり、最悪相関値が最悪相関閾値より大きい場合にはその受信タイムスロットにおいては、あるレベルの通信品質を維持できないと推定されることになる。ここで、最悪相関値は、受信タイムスロットにおいて多重されている移動局のうち2つを組み合わせた場合の全ての組み合わせにおける相関値のうち最大値をいい、相関値Sは、一組の各移動局の受信応答ベクトル間の相関関係を示し、次の数10により求められる値をいう。
【0052】[数10] 相関値S=(|H1・H2|)/(|H1||H2|)
この数10により、第1番目の移動局と第2番目の移動局との間の相関値Sが求まる。ここで、分数の分子は受信応答ベクトルH1とH2との内積であり、分母は受信応答ベクトルH1及びH2それぞれの大きさの積である。この最悪DDR閾値520及び最悪相関閾値530は、ある送受信タイムスロットをある移動局に割り当てることができるか否かの割当可否判定に用いられるものであり、測定により算定された最悪DDR値が最悪DDR閾値より大きいと割当不可能と判定され、また、測定により算定された最悪相関値が最悪相関閾値より大きいと割当不可能と判定される。なお、後に説明する新規チャネル割当処理及び切替チャネル割当処理において割当可否判定は、デフォルト値或いは制限値の一方を用いて行われる。
【0053】上述した、あるレベルの通信品質には、デフォルト値で定まる低レベルと、制限値で定まる高レベルとの2つがある。低レベルは、一応通信が可能といった程度を示すレベルであり、高レベルは、低レベルより相対的に高い通信品質での通信が可能といった程度を示すレベルである。なお、デフォルト値及び制限値は、それぞれ低レベル及び高レベルを表す閾値として、実験を行った結果として得られた数値であり、予め定められている。
【0054】図3に示す例では、例えば多重度が2の場合において、最悪DDR値については、デフォルト値により、最悪DDR値が15dB以下であれば低レベル以上の通信品質であることを示しており、制限値により、最悪DDR値が11.25dB以下であれば、より高レベルの通信品質であることを示している。なお、制限値が0であることは、制限値を用いて割当可否判定を行った場合に必ず割当不可能と判定されるように定めていることを表している。従って、図3の例では、多重度4の場合には制限値を用いて割当可否判定を行うと必ず割当不可能と判定されることを示している。
【0055】<動作>以下、通信チャネル割当部15による新規チャネル割当処理及び切替チャネル割当処理を説明する。無線基地局100の制御部6は、移動局の新規接続要求に対応してその移動局に1組の送受信タイムスロットを割り当てるよう試みる新規チャネル割当処理を通信チャネル割当部15に行わせ、また、既に通信中の移動局について、通信品質の低下が生じた場合等、通信チャネル(TCH)切替が必要となった場合に、その移動局に元の送受信タイムスロットとは別の1組の送受信タイムスロットを割り当てようと試みる切替チャネル割当処理を行わせ、その割当結果に従って、その移動局を特定の送受信タイムスロットにおける他の移動局とともに空間多重対象として通信を行うよう信号処理部3等を制御する。
【0056】図4は、通信チャネル割当部15による新規チャネル割当処理を示すフローチャートである。通信チャネル以外の1つの送受信タイムスロットその他の制御チャネルを利用して新規移動局からの接続要求を受けた場合に、ソフトウェアの実行によりこの新規チャネル割当処理はなされる。但し、移動局が全く割り当てられていない送受信タイムスロット、つまり空いている送受信タイムスロットが存在する場合には、新規移動局にはその空いている送受信タイムスロットが割り当てられ、以下に示す処理はなされない。
【0057】まず、通信チャネル割当部15は、割当試行回数を制御するための変数である割当トライ数Nを0に初期化し(ステップS11)、各送受信タイムスロットについての多重度及び最悪DDR値を求め、また最小である多重度Mを求める(ステップS12)。なお、各送受信タイムスロットについての多重度は、制御部6が送受信タイムスロット毎にメモリ16内に記録し、割当の変更がある都度、その記録内容を更新している。また、各受信タイムスロットにおける最悪DDR値や、各移動局についての受信応答ベクトル、受信電力レベルは、制御部6がDDR算出部14から受けてメモリ16内に記録している。従って、ステップS12は、メモリ16内から必要な多重度及び最悪DDR値を取得し、多重度のうち最小値を特定することにより実現される。
【0058】ステップS12に続いて、通信チャネル割当部15は、各送受信タイムスロットについて、新規割当可否判定を行う順序を、多重度の高いものを優先して決め、このとき多重度が同一の送受信タイムスロットについては、対応する最悪DDR値の小さいものを優先して決める(ステップS13)。通信チャネル割当部15は、送受信タイムスロット毎に、決定した優先順位を示す情報をメモリ16に格納する。
【0059】続いて、通信チャネル割当部15は、最初の順位の送受信タイムスロットに着目し(ステップS14)、着目した送受信タイムスロットの多重度が最小の多重度Mより大きいか判定し、大きい場合には、新規移動局に、着目した送受信タイムスロットを割当可能であるか否かを、閾値テーブル20内の最悪DDR閾値及び最悪相関閾値についての制限値を用いて判定し(ステップS16)、大きくない場合には、新規移動局に、着目した送受信タイムスロットを割当可能であるか否かを、閾値テーブル20内の最悪DDR閾値及び最悪相関閾値についてのデフォルト値を用いて判定する(ステップS17)。
【0060】なお、ステップS16又はS17では、通信チャネル割当部15は、通信チャネル以外の1つの送受信タイムスロット等においてDDR算出部14により算出されている新規移動局の受信電力レベルや受信応答ベクトルを用いて、新規移動局に、着目している送受信タイムスロットを割り当てたと仮定した場合におけるその送受信タイムスロットに係る最悪DDR値及び最悪相関値を求めて、それぞれをその仮定した場合における多重度に応じた閾値テーブル20内の制限値又はデフォルト値である各閾値と比較することにより割当可否判定を行う。
【0061】ステップS16又はステップS17による割当可否判定の結果、割当可能と判定した場合には(ステップS18)、通信チャネル割当部15は、新規移動局にその着目している送受信タイムスロットを割り当て(ステップS23)、新規チャネル割当処理を終了する。この結果として、制御部6はその割り当てられた送受信タイムスロットを用いて新規移動局と通信するように、新規移動局に対してその割当結果を示す情報を制御チャネルを通じて伝達する。
【0062】また、ステップS16又はステップS17による割当可否判定の結果、割当不可能と判定した場合には、通信チャネル割当部15は、割当トライ数Nが、通信チャネルとして用いることのできる送受信タイムスロット数或いはそれ以下の数であり予め定められているトライ閾値より、小さいか否かを判定し(ステップS19)、小さくない場合には、割当ができない旨を制御部6に伝えるエラー処理を行い(ステップS22)、新規チャネル割当処理を終了する。この結果として、制御部6は、新規移動局に対し接続不可能を示す情報を制御チャネルを通じて伝達する。
【0063】また、ステップS19において、割当トライ数Nがトライ閾値より小さい場合には、通信チャネル割当部15は、割当トライ数Nを1増加し(ステップS20)、メモリ16に格納済みの優先順位を示す情報に基づき、次順位の送受信タイムスロットに着目して(ステップS21)、ステップS15の処理に戻る。このような新規チャネル割当処理により、新規移動局を最低多重度の送受信タイムスロットに割り当てることができるか否かの割当可否判定では低いレベルの通信品質を満たせば割当可能と判定されるが、最低より高い多重度の送受信タイムスロットに割り当てることができるか否かの割当可否判定では高いレベルの通信品質を満たさない限り割当可能と判定されないので、結果的には、割当後の送受信タイムスロット間での多重度のばらつきをある程度抑制することができ、多重度が高い場合に各移動局の信号の分離抽出が技術的に困難な点等に鑑みると、これは結局、将来的に通信不可能状態に陥る移動局の増加をある程度抑制することができることに通じる。
【0064】図5は、通信チャネル割当部15による切替チャネル割当処理を示すフローチャートである。通信品質の低下等によりTCH切替が必要となった移動局(以下、「切替対象移動局」という。)がある場合に、ソフトウェアの実行によりこの切替チャネル割当処理はなされる。但し、移動局が全く割り当てられていない送受信タイムスロット、つまり空いている送受信タイムスロットが存在する場合には、切替対象移動局にはその空いている送受信タイムスロットが割り当てられ、以下に示す処理はなされない。
【0065】まず、通信チャネル割当部15は、割当試行回数を制御するための変数である割当トライ数Nを0に初期化し(ステップS31)、各送受信タイムスロットについての多重度及び最悪DDR値を求める(ステップS32)。但し、切替対象移動局が元に割り当てられていた送受信タイムスロット(以下、「元スロット」という。)の最悪DDR値については、その切替対象移動局を除いて求める。このステップS32は、メモリ16内から必要な多重度及び最悪DDR値を取得し、またメモリ16内から元スロットにおける切替対象移動局以外の各移動局の受信電力レベルを取得してこれに基づいて元スロットに係る最悪DDR値を算出することにより実現される。
【0066】ステップS32に続いて、通信チャネル割当部15は、元タイムスロットを除く各送受信タイムスロットについて、割当可否判定を行う順序を、多重度の高いものを優先して決め、このとき多重度が同一の送受信タイムスロットについては、対応する最悪DDR値の小さいものを優先して決める(ステップS33)。通信チャネル割当部15は、送受信タイムスロット毎に、決定した優先順位を示す情報をメモリ16に格納する。
【0067】続いて、通信チャネル割当部15は、最初の順位の送受信タイムスロットに着目し(ステップS34)、着目した送受信タイムスロットの多重度+1即ち切替後を想定した場合におけるその着目した送受信タイムスロットの多重度と、元スロットの多重度とを比較し(ステップS35)、切替後を想定した場合におけるその着目した送受信タイムスロットの多重度の方が元スロットの多重度より大きい場合には、切替対象移動局に、着目した送受信タイムスロットを割当可能であるか否かを、閾値テーブル20内の最悪DDR閾値及び最悪相関閾値についての制限値を用いて判定し(ステップS38)、逆に切替後を想定した場合におけるその着目した送受信タイムスロットの多重度の方が元スロットの多重度より小さい場合には、切替対象移動局に着目した送受信タイムスロットを割当可能であるか否かを、閾値テーブル20内の最悪DDR閾値及び最悪相関閾値についてのデフォルト値を用いて判定する(ステップS39)。
【0068】また、ステップS35において、切替後を想定した場合におけるその着目した送受信タイムスロットの多重度と元スロットの多重度とが等しい場合には、通信チャネル割当部15は、切替対象移動局にその着目した送受信タイムスロットを割り当てたと仮定した場合におけるその送受信タイムスロットに係る最悪DDR値を求め(ステップS36)、ステップS32において求めた元スロットの最悪DDR値の方がステップS36で求めたその送受信タイムスロットに係る最悪DDR値より小さいか否かを判断し(ステップS37)、小さい場合にはステップS38の制限値を閾値として用いた割当可否判定の処理を行い、小さくない場合にはステップS39のデフォルト値を閾値として用いた割当可否判定の処理を行う。
【0069】なお、ステップS36では、通信チャネル割当部15は、元スロットにおいてDDR算出部14により算出されている切替対象移動局の受信電力レベルを用いて、切替対象移動局に、着目している送受信タイムスロットを割り当てたと仮定した場合におけるその送受信タイムスロットに係る最悪DDR値を求める。ステップS38又はステップS39による割当可否判定の結果、割当可能と判定した場合には(ステップS40)、通信チャネル割当部15は、切替対象移動局にその着目している送受信タイムスロットを割り当て(ステップS45)、切替チャネル割当処理を終了する。この結果として、制御部6はその割り当てられた送受信タイムスロットを用いて通信を行うように、切替対象移動局に対してその割当結果を示す情報を制御チャネルを通じて伝達する。
【0070】また、ステップS38又はステップS39による割当可否判定の結果、割当不可能と判定した場合には、通信チャネル割当部15は、割当トライ数Nが、通信チャネルとして用いることのできる送受信タイムスロット数−1、或いはそれ以下の数であり予め定められているトライ閾値より、小さいか否かを判定し(ステップS41)、小さくない場合には、割当ができない旨を制御部6に伝えるエラー処理を行い(ステップS44)、切替チャネル割当処理を終了する。この場合は、切替対象移動局に割り当てる送受信タイムスロットを切り替えるより現状のままにしておく方が通信切断という事態を招くおそれが少ないため、制御部6は、切替対象移動局に対するTCH切替の制御を行わない。
【0071】また、ステップS41において、割当トライ数Nがトライ閾値より小さい場合には、通信チャネル割当部15は、割当トライ数Nを1増加し(ステップS42)、メモリ16に格納済みの優先順位を示す情報に基づき、次順位の送受信タイムスロットに着目して(ステップS43)、ステップS35の処理に戻る。このような切替チャネル割当処理により、切替対象移動局を、元スロットより低い多重度の送受信タイムスロットに割り当てることができるか否かの割当可否判定では低いレベルの通信品質を満たせば割当可能と判定されるが、元スロットより高い多重度の送受信タイムスロットに割り当てることができるか否かの割当可否判定では高いレベルの通信品質を満たさない限り割当可能と判定されないので、結果的には、割当後の送受信タイムスロット間での多重度のばらつきをある程度抑制することができるようになり、結局、将来的に通信不可能状態に陥る移動局の増加をある程度抑制することができることになる。
【0072】<補足>以上、本発明に係る無線基地局について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態に限られないことは勿論である。即ち、(1)本実施形態では、PHSシステムにおける無線基地局及び移動局を例として説明したが、PHSシステムに限定されることはなく、空間多重方式を採る通信システムであれば、上述したような通信チャネルの割当に係る制御方式を用いることができる。
【0073】(2)本実施の形態では、送受信タイムスロットの移動局への割当可否判定のために、最悪DDR値及び最悪相関値なる指標を測定値に基づき算出して、閾値と比較することとしたが、割当可否判定に用いる指標がこれらに限定されることはなく、例えば、フェージング速度、受信電力レベル、送信タイミング差、瞬時エラー等の指標を用い、予め閾値を定めておき、測定値に基づき各指標値を算出して各指標値と各閾値とを比較して割当可否判定を行うこととしてもよい。ここで、フェージング速度は、移動局の過去の受信応答ベクトルと現在の受信応答ベクトルとの相関を示す指標であり、送信タイミング差は、無線基地局が各移動局に対して微小に送信タイミングをずらして通信を行うところの送信タイミングの差であり、瞬時エラーは、近い過去における所定単位時間内のデータ誤りの検出回数である。
【0074】(3)本実施の形態で示した切替チャネル割当処理においては、元スロットより割当可否判定対象の送受信タイムスロットの割当後を想定した場合における多重度の方が大きいときに、デフォルト値より厳しい判定条件である制限値を閾値として用いることにより、元スロットよりその割当可否判定対象の送受信タイムスロットの割当後を想定した場合における多重度の方が小さいときと比べて、より高いレベルの通信品質を満たす場合にのみ割当可能と判定することとしているが、この他に、新規チャネル割当処理のステップS15と同様に割当可否判定対象の送受信タイムスロットの多重度が、元スロットを除く送受信タイムスロットのうち最低の多重度より大きい場合に制限値を閾値として用いて割当可否判定を行うこととし、割当可否判定対象の送受信タイムスロットの多重度が最低の多重度である場合にはデフォルト値を閾値として用いて割当可否判定を行うこととしてもよい。
【0075】また、切替チャネル割当処理及び新規チャネル割当処理において、割当可否判定対象の送受信タイムスロットの多重度が、3等と予め固定的に定めた所定値より大きい場合に制限値を閾値として用いて割当可否判定を行うこととし、その所定値より小さい場合にはデフォルト値を閾値として用いて割当可否判定を行うこととしてもよい。
【0076】(4)本実施の形態において図3で例示した閾値テーブル20では、多重度が4であれば制限値が0であって、制限値を閾値として割当可否判定を行う場合に必ず割当不可能となるようにし、実質的に制限値を適用するような場合における割当を禁止していたが、図3の内容例は単なる例示であり、例えば、多重度が3の場合にも制限値を0としてもよいし、多重度が4の場合にも0より大きな値を閾値としてもよい。
【0077】(5)本実施の形態で示した新規チャネル割当処理及び切替チャネル割当処理において、割当可否判定の順位を決定するに際して、効率的であるという見地から、多重度の高い送受信タイムスロットを優先し、多重度の等しい送受信タイムスロットについては最悪DDR値が小さい方を優先することとしたが、例えば、多重度が等しい送受信タイムスロット間では予め送受信タイムスロットについて定められた通番の若い方を優先することとしてもよいし、また、多重度や最悪DDR値に関わらず、その通番のみによって順序を決定することとしてもよい。
【0078】(6)本実施の形態で示した切替チャネル割当処理におけるステップS36及びS37を省略し、着目した送受信スロットの多重度+1と元スロットの多重度とが等しい場合にはステップS38の処理を行うこととしてもよいし、またステップS39の処理を行うこととしてもよい。
(7)本実施の形態に示した通信チャネル割当部15による新規チャネル割当処理又は切替チャネル割当処理を、無線基地局内のCPUに実行させるためのコンピュータプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM等がある。流通、頒布されたコンピュータプログラムは無線基地局のメモリ等に記録されることにより利用に供され、無線基地局のCPUは前記コンピュータプログラムを実行して本実施の形態で示したような新規チャネル割当処理又は切替チャネル割当処理を実現する。
【0079】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係る通信チャネル割当装置は、移動局に複数のタイムスロットのいずれかを割り当てる時分割多重方式、及び空間多重方式により、複数の移動局と無線通信する無線基地局に備えられ、移動局に割り当てるべきタイムスロットを決定するために、1以上の各タイムスロットについて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てたと仮定した場合における当該タイムスロットに係る通信品質を示す評価値に基づいて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てることが可能か否かの判定を行い、タイムスロットについての前記判定を、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てたならば全タイムスロットそれぞれに割り当てられた移動局数のタイムスロット間における不均一度合が増大することになるときに、増大しないときよりも、割当可能との判定を抑制するように行うことを特徴とする。
【0080】これにより、送受信タイムスロット等のタイムスロットについて割り当てられた移動局の数つまり多重度のタイムスロット間でのばらつきが増大することになる場合における割当可否判定において、その他の場合よりも高度の通信品質に相当する厳しい閾値を用いた比較等の抑制的な判定方法によって割当可否判定を行うことになるので、割当可否判定の結果に従った割当を行った場合に、各タイムスロット間での多重度の不均一の程度が割当前より増大することをある程度抑制できるようになる。
【0081】なお、各タイムスロット間での多重度の不均一の程度を抑えることは、各タイムスロットにおける多重度を低く抑えることに繋がる。ところで、多重度は、通信チャネル割当の変更等を行わなければ、時間が経過しても変動しない点で、最悪DDR値その他の通信品質に係る指標とは異なる。なお、例えば、最悪DDR値は、移動局の移動により変動したり無線基地局の送信電力制御等によって改善され得る。また、多重度が高い程、各移動局の信号の分離抽出が技術的に困難になる。
【0082】これらの点から総合的、長期的な視点で見れば、多重度は通信品質について特別に大きな影響を与える要素であると考えられ、新規接続時或いはTCH切替必要時において、通信チャネル割当結果として各タイムスロットにおける多重度を低く抑える本発明により、将来的に通信不可能状態に陥る移動局の増加をある程度抑制する効果が得られる。
【0083】また、本発明に係る無線基地局は、移動局に複数のタイムスロットのいずれかを割り当てる時分割多重方式、及び空間多重方式により、複数の移動局と無線通信する無線基地局であって、1以上の各タイムスロットについて、割当を要する一の移動局に対して当該タイムスロットを割り当てたと仮定した場合における当該タイムスロットに係る通信品質を示す評価値に基づいて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てることが可能か否かの割当可否判定を行う判定手段と、前記判定手段により割当可能と判定された1つのタイムスロットを、前記割当を要する一の移動局に対して割り当てる割当手段とを備え、前記判定手段は、タイムスロットについての前記割当可否判定を、当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が、所定基準数より大きいときに、所定基準数以下のときよりも、割当可能と判定することを抑制するように行うことを特徴とする。
【0084】これにより、多重度が高いタイムスロットについての割当可否判定は、多重度が低いタイムスロットについての割当可否判定より高度の通信品質に相当する厳しい閾値を用いた比較等の抑制的な判定方法によりなされることとなり、結果的に、各タイムスロットにおける多重度を低く抑えることに繋がり、新規接続時或いはTCH切替必要時において、将来的に通信不可能状態に陥る移動局の増加をある程度抑制する効果が得られる。
【0085】また、前記割当を要する一の移動局は、新規に無線基地局と通信を開始する移動局であり、前記判定手段は、全タイムスロットそれぞれのうち当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が最低であるタイムスロットに係る当該総数を前記所定基準数として定めた後に、前記割当可否判定を行うこととしてもよい。
【0086】これにより、新規接続時において、最低多重度のタイムスロットが新規移動局に割り当てられる傾向が高まり、新規移動局の追加によって将来的に通信不可能状態に陥る移動局の増加をある程度抑制する効果が得られる。また、前記無線基地局は、測定により、あるタイムスロットにおける移動局との通信の通信品質を示す前記評価値の算出の基礎となるデータを取得するデータ取得手段と、前記評価値との比較対象としての、第1の通信品質を表す第1閾値と、第1の通信品質より高い第2の通信品質を表す第2閾値とを予め記憶する記憶手段とを備え、前記判定手段は、前記データ取得手段により取得されたデータから前記評価値を算出し、前記評価値に基づき、タイムスロットについての前記割当可否判定を行い、当該割当可否判定において、当該タイムスロットに係る移動局の総数が所定基準数より大きいときに、前記割当可能と判定することの前記抑制を、当該タイムスロットに係る評価値と前記第2閾値とを比較して、第2の通信品質を満たす場合に限り割当可能と判定することにより行い、当該割当可否判定を、当該タイムスロットに係る移動局の総数が所定基準数以下のときには、当該タイムスロットに係る評価値と前記第1閾値を比較して、第1の通信品質を満たす場合に限り割当可能と判定することにより行うこととしてもよい。
【0087】これにより、新規接続時の割当可否判定において通信品質を示す指標と比較するために用いる閾値として、高い通信品質を要求する閾値と低い通信品質を要求する閾値との2種類を、予め実験結果に基づき定めておけば、容易に多重度を重視したタイムスロット割当の制御を行うことが可能になる。また、本発明に係る無線基地局は、移動局に複数のタイムスロットのいずれかを割り当てる時分割多重方式、及び空間多重方式により、複数の移動局と無線通信する無線基地局であって、1以上の各タイムスロットについて、通信チャネル切替を要する一の移動局に対して当該タイムスロットを割り当てたと仮定した場合における当該タイムスロットに係る通信品質を示す評価値に基づいて、当該タイムスロットを当該移動局に割り当てることが可能か否かの割当可否判定を行う判定手段と、前記判定手段により割当可能と判定された1つのタイムスロットを、前記通信チャネル切替を要する一の移動局に対して割り当てる割当手段とを備え、前記判定手段は、タイムスロットについての前記割当可否判定を、前記仮定した場合における当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が、当該通信チャネル切替を要する一の移動局が元に割り当てられていたタイムスロットにおける割り当てられていた移動局の総数より大きいときには、当該元のタイムスロットに係る移動局の総数より小さいときよりも、割当可能と判定することを抑制するように行うことを特徴とする。
【0088】これにより、TCH切替必要時において、TCH切替後にTCH切替前と比べて多重度の不均一度が高まることをある程度抑制でき、結果的に将来的に通信不可能状態に陥る移動局が増加してしまう事態をある程度抑制する効果が得られる。また、前記判定手段は更に、タイムスロットについての前記割当可否判定を、前記仮定した場合における当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が、当該通信チャネル切替を要する一の移動局が元に割り当てられていたタイムスロットにおける割り当てられていた移動局の総数と等しいときには、前記仮定した場合に割り当てられるタイムスロットにおける移動局間の受信電力レベルの格差の最大値である第1の最悪DDR値が、前記元のタイムスロットにおける第2の最悪DDR値より大きければ、前記抑制と同等の抑制を行うこととしてもよい。
【0089】これにより、TCH切替によって、切替前より通信条件が悪く方向への切替をある程度抑止することができ、この結果、将来的に通信不可能状態に陥る移動局が増加してしまう事態をある程度抑制する効果が得られる。また、前記無線基地局は、測定により、あるタイムスロットにおける移動局との通信の通信品質を示す前記評価値の算出の基礎となるデータを取得するデータ取得手段と、前記評価値との比較対象としての、第1の通信品質を表す第1閾値と、第1の通信品質より高い第2の通信品質を表す第2閾値とを予め記憶する記憶手段とを備え、前記判定手段は、前記データ取得手段により取得されたデータから前記評価値を算出し、前記評価値に基づき、タイムスロットについての前記割当可否判定を行い、当該割当可否判定において、前記仮定した場合における当該タイムスロットに係る移動局の総数が前記元のタイムスロットに係る移動局の総数より大きいときに、前記割当可能と判定することの前記抑制を、前記仮定した場合における当該タイムスロットに係る評価値と前記第2閾値とを比較して、第2の通信品質を満たす場合に限り割当可能と判定することにより行い、当該割当可否判定を、前記仮定した場合における当該タイムスロットに係る移動局の総数が前記元のタイムスロットに係る移動局の総数より小さいときには、前記仮定した場合における当該タイムスロットに係る評価値と前記第1閾値を比較して、第1の通信品質を満たす場合に限り割当可能と判定することにより行うこととしてもよい。
【0090】これにより、TCH切替必要時の割当可否判定において通信品質を示す指標と比較するために用いる閾値として、高い通信品質を要求する閾値と低い通信品質を要求する閾値との2種類を、予め実験結果に基づき定めておけば、多重度等に応じてその2種類の閾値の切替によって割当可否判定がなされるため、容易に多重度を重視したタイムスロット割当の制御を行うことが可能になる。
【0091】また、前記判定手段は更に、タイムスロットについての前記割当可否判定において、前記仮定した場合における当該タイムスロットに割り当てられた移動局の総数が所定数より高い場合には当該タイムスロットは割当不可能と判定することとしてもよい。これにより、TCH切替時にある程度高い多重度に切り替えるができなくなるため、TCH切替によって、既に通信中の移動局を通信不可能状態にしてしまうことをある程度防止できる。
【0092】また、タイムスロットに係る前記評価値は、当該タイムスロットに割り当てられた移動局間の受信電力レベルの格差の最大値である最悪DDR値であることとしてもよい。これにより、通信品質に影響する指標である最悪DDR値を所定閾値と比較することにより、通信品質の面において好適な結果をもたらすように割当可否判定を行うことができるようになる。
【0093】また、前記判定手段は、タイムスロットについての前記割当可否判定において、前記割当可能と判定することの抑制を、割当可能と判定せず割当不可能と判定することにより行うこととしてもよい。これにより、ある程度高い多重度には割当を行えなくなるため、既に通信中の移動局を通信不可能状態にしてしまうことをある程度防止できるようになる。




 

 


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