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発明の名称 多重制御装置、無線基地局及びタイムスロット割り当て変更方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−174664(P2003−174664A)
公開日 平成15年6月20日(2003.6.20)
出願番号 特願2001−370674(P2001−370674)
出願日 平成13年12月4日(2001.12.4)
代理人 【識別番号】100090446
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 司朗
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067 AA11 BB04 CC01 EE02 EE10 FF02 JJ02 JJ12 JJ35 JJ74 KK03 
発明者 宮田 健雄 / 土居 義晴 / 中尾 正悟 / 伊藤 忠芳
要約 課題
新規接続を容易に実施可能な無線基地局を提供する。

解決手段
時分割により区分された複数のタイムスロットに移動局を割り当て、複数の移動局と時分割多重及び空間多重により無線通信を行う無線基地局100であって、移動局の割り当てが1つも行われていない空タイムスロットを確保するように前記割り当ての変更を試みる制御部80を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】 時分割多重及び空間多重により複数の移動局と無線通信を行う無線基地局に備えられ、空間多重限界数未満である空間多重数Nの低多重タイムスロットが存在する状態を生成するか、または、当該状態を維持するように、前記空間多重を制御することを特徴とする空間多重制御装置。
【請求項2】 時分割により区分された複数のタイムスロットのいずれかに移動局を割り当て、時分割多重及び空間多重により複数の移動局と無線通信を行う無線基地局であって、空間多重限界数未満である空間多重数Nの低多重タイムスロットが存在する状態を生成するか、または、当該状態を維持するように、前記割り当ての変更を試みるタイムスロット割り当て変更手段を備えることを特徴とする無線基地局。
【請求項3】 前記Nの数は、0であることを特徴とする請求項2記載の無線基地局。
【請求項4】 前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記低多重タイムスロットを生成することにより前記状態を実現することを特徴とする請求項3記載の無線基地局。
【請求項5】 前記複数のタイムスロットは、1の移動局のみが割り当てられている第1タイムスロットと1以上の移動局が割り当てられている第2タイムスロットとを含み、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記1の移動局の割り当てを第1タイムスロットから第2タイムスロットへと変更することにより、第1タイムスロットを低多重タイムスロットにして前記生成を行うことを特徴とする請求項4記載の無線基地局。
【請求項6】 前記第2タイムスロットは、複数あり、さらに、前記1の移動局の割り当てを第1タイムスロットから第2タイムスロットへと変更すると想定した場合において、当該変更がなされた後の第2タイムスロットに割り当てられている全ての移動局についての予測通信品質をそれぞれ求める通信品質予測手段と、前記予測通信品質が所定の通信品質を上回る第2タイムスロットのうちの1つを、前記1の移動局の割り当て先に決定する割り当て先決定手段とを備えることを特徴とする請求項5記載の無線基地局。
【請求項7】 前記割り当て先決定手段は、さらに、最も良い予測通信品質が得られる第2タイムスロットを前記割り当て先に決定することを特徴とする請求項6記載の無線基地局。
【請求項8】 前記通信品質予測手段は、第2タイムスロットそれぞれに前記予測通信品質の順位付けを行い、前記割り当て先決定手段は、前記最先順位の第2タイムスロットを前記割り当て先に決定することを特徴とする請求項7記載の無線基地局。
【請求項9】 さらに、割り当て済み移動局に関する現状における現状通信品質を評価する通信品質評価手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、さらに、前記変更を実行した後、前記割り当て先の第2タイムスロットに割り当てられている移動局において、前記現状通信品質が所定の通信品質を下回る移動局が1つでも存在する場合、前記変更がなされる前の状態に復旧することを特徴とする請求項8記載の無線基地局。
【請求項10】 さらに、前記復旧に伴い、当該復旧直前において割り当て先となっていた第2タイムスロットの前記順位を最下位に訂正する訂正手段を備え、前記割り当て先決定手段は、前記訂正がなされたとき、最先順位の第2タイムスロットを前記割り当て先として新たに決定し、前記タイムスロット割り当て変更手段は、さらに、前記新たな割り当て先へと前記変更を実施することを特徴とする請求項9記載の無線基地局。
【請求項11】 前記タイムスロット割り当て変更手段は、所定回数以上前記復旧が繰り返された場合、前記変更を中止することを特徴とする請求項10記載の無線基地局。
【請求項12】 さらに、同一の第2タイムスロットへの前記変更の実施回数が所定回数以上となったとき、当該第2タイムスロットを前記割り当て先の決定の対象から除外する除外手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記除外により割り当て先の対象が無くなったとき、前記変更の中止を実施することを特徴とする請求項11記載の無線基地局。
【請求項13】 第1タイムスロットは、複数存在し、さらに、複数の第1タイムスロットのうち、現時点より最も近い時刻に移動局の割り当て状態に変更が生じたものを、前記1の移動局の割り当て元として選択する割り当て元選択手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記選択がなされた割り当て元から前記割り当て先へと前記1の移動局の割り当てを変更することを特徴とする請求項6記載の無線基地局。
【請求項14】 さらに、割り当て済み移動局に関する現状における現状通信品質を評価する通信品質評価手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、さらに、前記変更を実行した後、前記割り当て先の第2タイムスロットに割り当てられている移動局において、前記現状通信品質が所定の通信品質を下回る移動局が1つでも存在する場合、前記変更がなされる前の状態に復旧することを特徴とする請求項13記載の無線基地局。
【請求項15】 前記複数のタイムスロットそれぞれは、各タイムスロットを特定するための識別子が対応づけられており、さらに、前記各識別子に対応する順位を記憶している記憶手段と、前記復旧に伴い、当該復旧直前において割り当て元となっていた第1タイムスロットに対応付けられている識別子の前記順位を最下位に修正する順位修正手段とを備え、前記割り当て元選択手段は、前記修正がなされたとき、最上位の順位の識別子が対応付けられている第1タイムスロットを前記割り当て元として選択し、前記タイムスロット割り当て変更手段は、さらに、新たに選択された割り当て元から前記割り当て先へと前記変更を実施することを特徴とする請求項14記載の無線基地局。
【請求項16】 前記タイムスロット割り当て変更手段は、所定回数以上前記復旧が繰り返された場合、前記変更を中止することを特徴とする請求項15記載の無線基地局。
【請求項17】 さらに、各第1タイムスロット毎に、各第1タイムスロットを前記割り当て元として前記変更がなされた変更回数をカウントするカウント手段を備え、カウントされた変更回数が所定回数以上である場合、当該カウントの対象となった第1タイムスロットを前記割り当て元の選定の対象から除外する割り当て元除外手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記除外により割り当て元の対象が全て無くなったとき、前記変更の中止を実施することを特徴とする請求項16記載の無線基地局。
【請求項18】 前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記複数の移動局とは別の移動局から新たな接続の要求が到来したときに、前記変更を試みることを特徴とする請求項3記載の無線基地局。
【請求項19】 前記タイムスロット割り当て変更手段は、低多重タイムスロット以外のスロットを優先的に前記別の移動局の割り当て先にして前記変更を試みることを特徴とする請求項18記載の無線基地局。
【請求項20】 前記低多重タイムスロット以外のスロットは、1以上の移動局が割り当てられている第2タイムスロットであることを特徴とする請求項19記載の無線基地局。
【請求項21】 前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記変更を想定した場合における第2タイムスロットに割り当てられている移動局全てについての予測通信品質が所定の通信品質以上の場合、当該変更を実施し、前記各移動局のいずれかの予測通信品質が所定の通信品質未満で、かつ、低多重タイムスロットが既に存在する場合、前記第2タイムスロットに代えて、当該低多重タイムスロットを新たな前記割り当て先として前記変更を実施し、また、前記各移動局のいずれかの予測通信品質が所定の通信品質未満で、かつ、前記低多重タイムスロットが存在しない場合、当該変更を中止し、前記別の移動局の接続を拒否することを特徴とする請求項20記載の無線基地局。
【請求項22】 通信品質予測手段は、前記低多重タイムスロットが存在しない場合、前記所定の通信品質を示すしきい値の設定を第1のしきい値とし、前記低多重タイムスロットが存在する場合、前記しきい値の設定を第1のしきい値より厳しい第2のしきい値とすることを特徴とする請求項21記載の無線基地局。
【請求項23】 さらに、割り当て済み移動局に関する現状における現状通信品質を評価する通信品質評価手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、さらに、前記変更を実行した後、前記割り当て先の第2タイムスロットに割り当てられている移動局において、前記現状通信品質が所定の通信品質を下回る移動局が1つでも存在する場合、前記変更がなされる前の状態に復旧することを特徴とする請求項22記載の無線基地局。
【請求項24】 前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記割り当てがなされている移動局の数に変動が生じたとき、前記変更を試みることを特徴とする請求項3記載の無線基地局。
【請求項25】 時分割により区分された複数のタイムスロットに移動局を割り当て、複数の移動局と時分割多重及び空間多重により無線通信を行う無線基地局において、前記割り当てを変更するタイムスロット割り当て変更方法であって、移動局の割り当てが1つも行われていない低多重タイムスロットを確保するように前記割り当ての変更を試みるタイムスロット割り当てステップを含むことを特徴とするタイムスロット割り当て変更方法。
【請求項26】 時分割により区分された複数のタイムスロットに移動局を割り当て、複数の移動局と時分割多重及び空間多重により無線通信を行う無線基地局において、前記割り当てを変更するためのプログラムであって、移動局の割り当てが1つも行われていない低多重タイムスロットを確保するように前記割り当ての変更を試みるタイムスロット割り当てステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の移動局と空間多重により無線通信を行う無線基地局に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、PHS、携帯電話等の移動局の増加に伴い、周波数資源の有効利用に対する社会的要請が高まっている。この要請に応える方法の1つに、従来の時分割多重方式に空間多重方式を併用する通信がある。図14は、上述の時分割多重方式と空間多重方式との関係を示す図である。
【0003】時分割多重方式は、時分割により区切られた複数のタイムスロットそれぞれに1つの移動局を割り当てて通信する。上述のタイムスロットは、制御用のタイムスロット(以下、「制御スロット」という。)と通話用のタイムスロット(以下、「通話スロット」という。)とに分けられ、例えば、受信用としてのスロットについて見れば、制御スロット1つに対し、通話スロットが3つ用意される。
【0004】同じく、送信用としてのスロットとして、制御スロット1つに対し、通話スロットが3つ用意されており、前記4つの受信用のスロットを合わせた計8つのスロットで1フレームを構成する。空間多重方式は、無線基地局において、アンテナの指向性を制御するなどにより、異なる方向にある複数の移動局と無線基地局との間で同時刻において1つの周波数を用いて多重して通信する方式である。
【0005】つまり、空間多重方式は、1つの通話スロットに2以上の移動局を割り当てて通信を行っている。このため、空間多重される移動局どうしの電波が異なる方角から無線基地局に到来する必要があり、上述のアダプティブアレーアンテナにより形成される同じ指向性パターン内に存在する移動局どうしでは、お互いが送信する電波が干渉し、通信が困難となる。
【0006】図15は、従来の無線基地局における新規接続の状況を示す図である。なお、ここでは、受信用のスロットを例に説明するものとし、送信用のスロットも受信用のスロットと同様の移動局の割り当てがなされているものとする。通常、無線基地局は、通信品質が良好となるように、移動局の位置関係に通信品質が左右されない時分割多重を優先して実施する。
【0007】つまり、無線基地局は、新規接続を要求している移動局を、先ず移動局が1つも割り当てられていない通話通話スロット(以下、「空スロット」という。)に割り当て、その後、例えば、図15に示す時刻t0以降に示すように、空スロットがなくなった時点で、空間多重を行い、1つの通話スロットに2以上の移動局の割り当て、通信を試みる。
【0008】その際、無線基地局は、各移動局と無線基地局間における通信品質を予測し、決められたしきい値以上の通信品質が確保できるように、割り当て先となる通話スロットを選定する。より具体的には、無線基地局は、次に示すようにして、通信品質を予測する。各無線基地局は、予めそれぞれ所定の値が設定されている空間相関値しきい値Jt及び電界強度比しきい値Ktとを記憶している。
【0009】無線基地局は、既に割り当て済みの移動局については、受信用の通話スロットを用いた通信の状態をもとに、また、新規接続要求を行った移動局については、この要求の通知に用いられた受信用の制御スロットによる通信の状態をもとに、上述の通信品質の評価に必要なデータをサンプリングする。こうして得られたデータをもとに、無線基地局は、各移動局の存在する方向を示す応答ベクトルを算出し、算出した2個の応答ベクトル間の空間相関値JXを計算する。
【0010】また、前記2台の移動局の電界強度を測定し、測定した2台の電界強度間の電界強度比KX(D波レベル比)を算出する。ここで、電界強度比KXは、0より大きく、1以下の値をとるものとし、算出された電界強度比KXが1以上の場合には、その逆数とする。そして、応答ベクトルの空間相関値JXが空間相関値しきい値Jtより小さい又は等しい(条件1)とき、かつ、2個の電界強度間の電界強度比KXが電界強度比しきい値Ktより大きい又は等しい(条件2)ときに、無線基地局と移動局との間の通信品質が良いと考えられるので、無線基地局は、移動局との間で、空間多重方式により通信を行う。
【0011】一方、前記条件1を満たさないとき、又は前記条件2を満たさないとき、無線基地局と移動局との間の通信品質が良くないと考えられるので、無線基地局は、移動局との間で、他の通話スロットを用いて通信し又は新規接続を拒否する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、接続される移動局の数が増えるにつれ、空間多重の数が増加するため、新規接続の要求を行う移動局にとっては、前記条件の比較対象数が増加し、接続できる条件の成立がより困難になり、新規接続できる機会が減少するという問題がある。
【0013】また、仮に、上述の2条件を満足した場合であっても、例えば、図15の時刻t1に示すように、実際に多重を行うと通話品質が所定のレベルを確保できないこともあり、このような場合、この通話スロットへの割り当てを解除(以下、「切り戻り」という。)せざるを得ない。このような切り戻りが発生する理由の1つとして、新規接続要求を行った移動局からサンプリングされたデータの精度が低いことが挙げられる。
【0014】つまり、上述のように、新規接続の要求を行った移動局については、受信用の制御スロットによる通信の状態をもとに通信品質の評価に必要なデータを行っているが、受信用の制御スロットにおいてサンプリング可能な時間は、受信用の通話スロットに比べて極めて短い時間に限られているため、不安定な通信状態においては、通信品質の評価結果が実際よりも良くも悪しくもなり、正当な判定が行われない可能性がある。
【0015】さらに、移動局が高速で移動中の場合は、その移動方向などを把握した上で空間多重すべき通話スロットを決定することが望ましいが、受信用の制御スロットを用いて得られるデータは、サンプリングタイムが極めて短いため、移動方向の把握に必要な時系列的なデータを十分に収集できないという問題がある。そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、新規接続の際、容易に接続可能な無線基地局を提供することを目的とする。
【0016】また、上述の無線基地局に備えられ、上述の目的を達成するための処理を実行する多重制御装置を提供することを目的とする。さらに、上述の目的を達成するためのタイムスロット割り当て変更方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明に係る無線基地局は、時分割により区分された複数のタイムスロットのいずれかに移動局を割り当て、時分割多重及び空間多重により複数の移動局と無線通信を行う無線基地局であって、空間多重限界数未満である空間多重数Nの低多重タイムスロットが存在する状態を生成するか、または、当該状態を維持するように、前記割り当ての変更を試みるタイムスロット割り当て変更手段を備えることを特徴とする。
【0018】また、本発明に係る多重制御装置は、時分割多重及び空間多重により複数の移動局と無線通信を行う無線基地局に備えられ、空間多重限界数未満である空間多重数Nの低多重タイムスロットが存在する状態を生成するか、または、当該状態を維持するように、前記空間多重を制御することを特徴とする。また、本発明に係るタイムスロット割り当て変更方法は、時分割により区分された複数のタイムスロットに移動局を割り当て、複数の移動局と時分割多重及び空間多重により無線通信を行う無線基地局において、前記割り当てを変更するタイムスロット割り当て変更方法であって、移動局の割り当てが1つも行われていない低多重タイムスロットを確保するように前記割り当ての変更を試みるタイムスロット割り当てステップを含むことを特徴とする。
【0019】また、本発明に係るプログラムは、時分割により区分された複数のタイムスロットに移動局を割り当て、複数の移動局と時分割多重及び空間多重により無線通信を行う無線基地局において、前記割り当てを変更するためのプログラムであって、移動局の割り当てが1つも行われていない低多重タイムスロットを確保するように前記割り当ての変更を試みるタイムスロット割り当てステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明における第1の実施の形態としての無線基地局100について説明する。無線基地局100は、PHS規格で定められた時分割多重方式(TDMA/TDD、Time Division Multiple Access/Time Division Duplex)によりPHS移動局(以下、移動局と呼ぶ。)と無線接続し、前記時分割多重に加えて、さらに空間多重を行って移動局と通信する。
(無線基地局100の構成)図1は、本発明の第1の実施の形態における無線基地局100の機能ブロック図である。
【0021】無線基地局100は、アンテナ部11〜14、無線部21〜24、信号処理部50、モデム部60、ベースバンド部70、制御部80及び情報記憶部90から構成される。
(1)ベースバンド部70ベースバンド部70は、ISDN回線を介して、交換機と接続されている。
【0022】ベースバンド部70は、ISDN回線を介して、パケットデータを受信し、受信したパケットデータからトラフッィク情報を抜き出し、TDMA変調処理及び空間多重処理を行って、複数個のチャネルを介して、抜き出したトラフィック情報を複数個のベースバンド信号に分解し、モデム部60へ出力する。ここで、前記TDMA変調処理は、PHS規格に従って1個のTDMA/TDDフレーム内に4個のチャネルを多重する。1個のTDMA/TDDフレームは、4個の送信タイムスロットと、4個の受信タイムスロットとから構成される。送信タイムスロット及び受信タイムスロットの各々1個のタイムスロットは、時分割多重による1のチャネルを構成する。各タイムスロットは、5mS長である。さらに、前記空間多重処理は、前記各チャネルにつき最大4個の信号を多重する。従って、TDMA変調処理及び空間多重処理により、1個のTDMA/TDDフレーム内に最大16個のチャネルにより多重化される。
【0023】4個の送信タイムスロットのうち1個は、送信用の制御スロットであり、また、残りの3個は送信用の通話スロットである。また4個の受信タイムスロットのうち1個は、受信用の制御スロットであり、また、残りの3個は受信用の通話スロットである。また、ベースバンド部70は、1個のTDMA/TDDフレーム内の最大16個のチャネルを介して、モデム部60から複数のベースバンド信号を受け取り、複数の受け取ったベースバンド信号からパケットデータを生成し、生成したパケットデータを、ISDN回線を介して出力する。
(2)モデム部60モデム部60は、信号処理部50からπ/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)により変調されたベースバンド信号を受け取り、変調されたベースバンド信号を復調して、ベースバンド信号を生成し、生成したベースバンド信号をベースバンド部70へ出力する。
【0024】また、モデム部60は、ベースバンド部70からベースバンド信号を受け取り、受け取ったベースバンド信号をπ/4シフトQPSKにより変調し、変調されたベースバンド信号を信号処理部50へ出力する。なお、モデム部60は、1個の時分割チャネルにおいて空間多重される最大4つのTDMA/TDDフレームについて、前記変調及び前記復調を並列して行う。
(3)情報記憶部90情報記憶部90は、しきい値テーブル200、品質指標値テーブル300、通信品質予測テーブル400、しきい値理想値テーブル420及び切替元選出テーブル600を有している。
(しきい値テーブル200)図2は、通信品質の判定に用いるしきい値を格納するテーブルであるしきい値テーブル200の論理的な構成を示す図である。
【0025】しきい値テーブル200は、空間相関値しきい値Jt、電界強度比しきい値Kt、フェージングしきい値Ptからなる。空間相関値しきい値Jtは、通信中移動局の応答ベクトルと新規移動局の応答ベクトルとから得られる空間相関値JXに関するしきい値である。電界強度比しきい値Ktは、通信中移動局から受信した信号の電界強度と新規移動局から受信した信号の電界強度との比、即ち、電界強度比KXに関するしきい値である。
【0026】フェージングしきい値Ptは、通信中移動局及び新規移動局間の空間相関値JXの変化スピード、即ち、フェージング値PXに関するしきい値である。フェージング値PXは、空間相関値JXの単位時間あたりの変化量である。フェージング値PXが大きいほど、移動局間の相対移動速度が大きいものと推測されるため、アンテナ部11〜14のそれぞれが形成する指向性パターンの範囲から逸脱する可能性が高く、これら移動局と同時刻に、即ち、同じ通話スロット上において空間多重するのには適さない。
(品質指標値テーブル300)品質指標値テーブル300は、図3に一例として示すように、各TDMA/TDDフレーム内の各タイムスロットについて、空間多重される4個のチャネルを用いる移動局の応答ベクトル303と電界強度304との組を4個格納する領域をn個有している。
【0027】ここで、n=(TDMA/TDDフレームの数)×4(フレーム内のタイムスロットの数)である。図3に一例として示すように、タイムスロット番号301が「1」のタイムスロットについて、空間多重番号302が「1」のチャネルを用いる移動局の応答ベクトルは、「R1」であり、電界強度は、「I1」であり、空間多重番号302が「2」のチャネルを用いる移動局の応答ベクトルは、「R2」であり、電界強度は、「I2」であり、空間多重番号302が「3」及び「4」のチャネルは、まだ用いられていないので、それぞれ、応答ベクトル及び電界強度は、「空白」である。
(通信品質予測テーブル400)本第1の実施の形態においては、1つの移動局のみが割り当てられている通話スロット及びこの通話スロットに割り当てられている移動局を、割り当て済み移動局の通信品質によらずに実施するチャネル切替(以下、「強制TCH切替」という。)の切替元としており、一方、強制TCH切替の切替先は、この切替元となった移動局と切替先として想定される通話スロットに割り当てられている全ての移動局との間の通信品質の予測結果にもとづいて決定される。
【0028】ここで、上述の移動局の割り当ては、1チャネルを構成する1つの受信用通話スロットと送信用通話スロットとに対してそれぞれ実施されるものであるが、これら2つの通話スロットがペアで変更されるため、以下、通話スロットとは、受信用通話スロット及び送信用通話スロットの両者を示すものとして説明する。ここで、便宜的にn(nは、1以上の整数)台の移動局が割り当てられている通話スロットを便宜的にn多重スロットということとし、この場合の空間多重の数(以下、「空間多重数」という。)はnであるということとする。
【0029】図4(a)に示すように、3つの通話スロット全てが1多重スロットとなっている場合について考える。図4(b)は、このような場合に、制御部80により作成される強制TCH切替における切替先を決定するための通信品質予測テーブル400を示す図である。
【0030】図4(b)に一例として示すように、通信品質予測テーブル400には、2移動局間における2つの応答ベクトルにもとづいて算出される空間相関値JXと、この空間相関値JXの変化速度を示すフェージング値PXと、この2移動局間の電界強度比KXとが示されている。さらに、通信品質予測テーブル400には、上述の2移動局の組み合わせが2以上ある場合、上述の空間相関値JX、電界強度比KX及びフェージング値PXそれぞれについて、上述の各組み合わせにおける相対的な評価結果の順位を示すポイントA、ポイントB及びポイントCが合わせて示されている。
【0031】組み合わせ401は、強制TCH切替を実施する際に、通信品質の予測の評価対象となる2移動局の組を示す。空間相関値402は、2移動局間の近さを示す指標である空間相関値JXを示している。ポイント(A)403は、上述の各空間相関値JXに、この空間相関値JXの理想値に近いものから遠いものへと順番を付したものである。
【0032】電界強度比404は、2移動局の電界強度の比である電界強度比KXを示している。ポイント(B)405は、上述の各電界強度比KXに、この電界強度比の理想値(以下、「電界強度比理想値」という。)KRに近いものから遠いものへと順番を付したものである。
【0033】フェージング値406は、空間相関値JX単位時間当りの変化量であるフェージング値PXを示している。ポイント(C)407は、上述の各フェージング値PXに、このフェージング値PXの理想値に近いものから遠いものへと順番を付したものである。トータルポイント408は、上述の各組み合わせ毎にポイントA、ポイントB及びポイントCの値を合計した値を示す。
【0034】このように、空間多重数が2以下の場合、上述の通信品質の予測も、図4の組み合わせ401に示される組み合わせごとに実施すればよいこととなる。しかしながら、実際にこのように空間多重数が2以下となる頻度は、少ないと考えられ、図5(a)に示すように、強制TCH切替を行った結果、空間多重数が3以上となる場合が多い。
【0035】図5(b)は、このような場合において、制御部80により、通信品質予測テーブル400に代えて作成される通信品質予測テーブル500を示す。通信品質予測テーブル500において、組み合わせ501からトータルポイント508までの各値は、図4における組み合わせ401からトータルポイント408と同様である。
【0036】多重空間方法510は、説明上設けたものであり、実際にデータとして格納されてはおらず、1多重スロットの移動局を1多重以上の通話スロットに割り当てる組み合わせを示す。ここで、同一の通話スロットに割り当てられている移動局の組み合わせは、同じグループに属しているものと捉えることができる。
【0037】強制TCH切替の実施により、新たに空間多重されると、空間多重された通話スロットのグループに属する全ての移動局の通信品質に影響が及ぶ恐れがあるため、強制TCH切替の切替先の選定には、このグループ単位での通信品質の予測が必要である。品質評価グループ511は、このようなグループを特定する番号を示す。
(しきい値理想値テーブル420)しきい値理想値テーブル420は、空間相関値しきい値Jtと、電界強度比しきい値Ktと、フェージングしきい値Ptと、これらしきい値それぞれに対応する空間相関値理想値JRと、電界強度比理想値KRと、フェージング理想値PRとを予め記憶している。
【0038】なお、空間相関値しきい値Jt及び空間相関値理想値間JR(これら2値を含む)にある空間相関値JXと、電界強度比しきい値Kt及び電界強度比理想値間KR(これら2値を含む)にある電界強度比KXと、フェージングしきい値Pt及びフェージング理想値間PR(これら2値を含む)にあるフェージング値PXとを有する組み合わせにおいては、通信品質上の問題がないものと判定される。
【0039】理想値410は、空間相関値理想値JR、電界強度比理想値KR及びフェージング理想値PRの組を示す。しきい値411は、空間相関値しきい値Jt、電界強度比しきい値Kt及びフェージングしきい値Ptの組を示す。切替元選出テーブル600は、1多重スロットが複数存在する場合、つまり、強制TCH切替における切替元となり得る通話スロットが複数存在する場合、切替元の選出するためのテーブルであり、1多重スロットとなっている通話スロットそれぞれに優先順位とリトライ回数が対応付けられている。
(4)信号処理部50信号処理部50は、信号調整部51、応答ベクトル算出部53、RSSI検出部54及び通信不良検出部55から構成され、具体的には、プログラマブルなDSP(Digital Signal Processor)により実現される。
(信号調整部51)信号調整部51は、無線部21〜24から、それぞれ信号を受け取り、各TDMA/TDDフレーム内の4個の受信タイムスロットにおいて、受け取った信号の内容が予め分かっている部分について、受信されるべき信号との誤差を減らすように、無線部21〜24の各送受信信号の振幅と位相とを調整することにより、移動局ごとに指向性パターンを形成し、これにより、無線部21〜24から受け取った空間多重された信号から移動局ごとの信号を分離してモデム部60へ出力し、また、モデム部60から受け取った信号を所望の移動局のみへ送信されるよう空間多重して無線部21〜24へ出力する。
(RSSI検出部54)RSSI検出部54は、各TDMA/TDDフレーム内のタイムスロットごとに、当該タイムスロットにおいて無線部21〜24が受信した移動局の電界強度を検出し、リンクチャネルの確立していない移動局について、検出した電界強度を制御部80へ出力する。また、リンクチャネルの確立した移動局について、検出した電界強度を品質指標値テーブル300の、当該タイムスロット及び空間多重番号により特定される領域に書き込む。
【0040】なお、RSSI検出部54は、移動局からリンクチャネルの割当要求があったときに、前記の検出を行う。
(応答ベクトル算出部53)応答ベクトル算出部53は、各TDMA/TDDフレーム内のタイムスロットごとに、無線部21〜24から受け取った信号と信号調整部51により調整された信号とにもとづいて、当該タイムスロットにおいて通信している移動局の方向情報を含む応答ベクトルを、次に示すようにして、算出する。
【0041】移動局a、移動局b、移動局c、移動局dから空間多重されて送信され、それぞれ無線部21〜24が受信した信号X1 、X2 、X3 及びX4 並びに移動局a、移動局b、移動局c、移動局dから理想的に受信されるべき信号Aa 、Ab 、Ac 及びAd について、X1 =h1aAa +h1bAb +h1cAc +h1dAdX2 =h2aAa +h2bAb +h2cAc +h2dAdX3 =h3aAa +h3bAb +h3cAc +h3dAdX4 =h4aAa +h4bAb +h4cAc +h4dAdと表わすとき、応答ベクトル算出部53は、Ra=(h1a、h2a、h3a、h4a)を算出する。
【0042】ここで、Raは、移動局aの応答ベクトルである。論理的には、無線部21に受信された信号X1と、移動局aから理想的に受信されるべき信号Aa との相関をとることで、他局の信号の項が除かれh1aが求まるが、移動局で信号の全体にわたってAa を知ることは不可能なため、このAaの代わりに信号調整部51によって分離された移動局aの信号Uaを用いてh1aを漸近的に求めている。
【0043】h2a、h3a、h4aについても各々の無線部に受信された信号と、分離された移動局aの信号Ua との相関をとることで求まる。移動局b、移動局c、移動局dの応答ベクトルRb 、Rc 、Rd 、についても同様にして算出する。応答ベクトル算出部53は、リンクチャネルの確立した移動局について、算出した応答ベクトルを品質指標値テーブル300内の、当該タイムスロット及び当該空間多重チャネルを識別する空間多重番号により特定される領域に書き込む。
【0044】リンクチャネルの確立していない移動局について、算出した応答ベクトルを制御部80へ出力する。なお、応答ベクトル算出部53は、移動局からリンクチャネルの割当要求があったときに、前記の算出を行う。
(通信不良検出部55)通信不良検出部55は、通信中の移動局全ての無線通信状況を監視し、これら移動局の無線通信に問題が生じた場合、直ちにその旨を制御部80に通知する機能を有する。
(5)アンテナ部11〜14、無線部21〜24アンテナ部11〜14は、アダプティブアレイアンテナである。
【0045】アンテナ部11〜14は、それぞれ無線部21〜24に接続している。無線部21は、ハイパワーアンプ等を含む送信部111と、ローノイズアンプ等を含む受信部112とから構成される。送信部111は、信号処理部50から入力された低周波信号を高周波信号に変換し、送信出力レベルにまで増幅してアンテナ部11に出力する。送信部111は、制御部80からの指示に応じて、ハイパワーアンプのゲインを制御する等して送信出力を調整する。受信部112は、アンテナ部11に受信された高周波信号を低周波信号に変換し、増幅して信号処理部50に出力する。
【0046】無線部22、23、24は、無線部21と同じ構成であるので、説明を省略する。
(6)制御部80制御部80は、具体的には、マイクロプロセッサ、タイマ、コンピュータプログラム(以下、プログラム)の記録されているROM(Read Only Memory)及び作業用に用いられるRAM(Random Access Memory)などから構成され、マイクロプロセッサがROMに記録されているプログラムを実行することにより、その機能を達成する。
【0047】制御部80は、無線基地局100の全体の動作を制御する。
(空スロット確保処理)制御部80は、後述の切替元選択処理及び通信品質予測処理を実施しつつ、恒常的に空スロットを確保するように、以下に示す空スロット確保処理を実施する。
【0048】即ち、制御部80は、通話スロットへの移動局の割り当て状態が変化したとき、空スロットがなく、かつ、1つの移動局のみが割り当てられている通話スロットがないかどうかを判定し、このような通話スロットがある場合、この移動局を他の通話スロットに割り当て変更する強制TCH切替を実施し、空スロットを確保するように試みる。
【0049】これは、従来、収容中の移動局及び無線基地局100間の通信品質が低下したことにより移動局を他の通話スロットに割り当て変更する通常のチャネル切替ではなく、収容中の移動局及び無線基地局100間の通信品質とは無関係に実施する切替である。また、制御部80は、上述の強制TCH切替を試みる際、割り当て済みの移動局に関して、通信品質を予測するために必要な複数データをタイマ値t1秒の時間をかけて収集し、これらデータ、即ち、空間相関値JX、電界強度比KX及びフェージング値PXにもとづいて、設定レベル以上の通信品質が確保可能かを判定し、さらに、ベースバンド部70から外部の交換機へと向かうISDN回線の通信帯域に空があるか否かを判定した上で、強制TCH切替について実施可否判定を行う。
【0050】ところで、一般的に、空間多重数が増えるにつれ、同一通話スロット内に割り当てられている移動局の通信品質は低下する傾向にある。これは、同一周波数及び同一通話スロットにおいて電波を受信しているため、アダプティブアレイアンテナなどの指向性を有するアンテナで受信しているとしても、場合により電波干渉などの影響を受けてしまうことなどによる。
【0051】つまり、1多重スロットに割り当てられている移動局、即ち、強制TCH切替における切替元となる移動局の通信品質は、2、3及び4多重スロットに割り当てられている移動局の通信品質に比べ良好であり、このような状況下で得られる、応答ベクトル、電界強度の精度も高いものと考えられる。さらに、1多重スロットは、通話スロットであり、データは通話が終了するまで受信されるため、上述のフェージング値PXを精度よく算出するには十分な時間が確保できる。
【0052】そして、この強制TCH切替の実施した結果、空スロットが確保される頻度が増加することとなる。また、制御部80は、通話スロットへの移動局の割り当て状態が変化したとき、空スロットがなく、かつ1多重スロットが2以上存在する場合、以下に示す切替元選択処理を実施して、切替元とする通話スロットを決定する。
【0053】さらに、制御部80は、ベースバンド部70に接続するISDN回線のトラフィックについて監視する。
(切替元選択処理)図6は、上述の強制TCH切替における切替元とする通話スロットを決定するための切替元選択処理を説明する図である。
【0054】制御部80は、上述の強制TCH切替を実施しようとするとき、切替元とする通話スロットを決定するため切替元選出テーブル600を生成し、情報記憶部90内に格納する。そして、上述の強制TCH切替が不成功に終わる毎に切替元選出テーブル600の内容を更新することにより、次に切替元とする通話スロットを決定し、タイマ値t2秒の時間待機した後、再度、空スロット確保処理を試みる。
【0055】この待機は、移動局側のレスポンスアビリティの限界を超えない範囲で、無線基地局100から移動局にチャネル切替などの指示を与えることを目的として実行されるものである。空スロット確保処理が実行される契機としては、空スロットに新規接続された(以下、「ケース1」という。)、2、3または4多重スロットに割り当てされている移動局の1つが空スロットに割り当て変更された(以下、「ケース2」という。)及び全ての通話スロットが2以上の空間多重状態となっているとき、このうちの2多重スロットにおいて、通話が終了し接続が解除された結果、1多重スロットとなった(以下、「ケース3」という。)などが挙げられる。
【0056】図6は、切替元のなる通話スロット及び移動局を決定するための切替元選出テーブル600を示す図である。ここで、上述のケース1及びケース2を例に挙げ、空スロット確保処理に伴う本テーブルの更新状況について説明する。制御部80は、ケース1及びケース2においては、最終的に通話スロットへの割り当て状態が変化した移動局が割り当てられている1多重スロットに対し、又ケース3においては、接続が終了した移動局が割り当てられていた1多重スロットに対し、最優先順位である1を対応づけて切替元選出テーブル600に格納する。
【0057】制御部80は、空スロット確保処理が実行される際、最優先順位が対応づけられている1多重スロットを切替元の通話スロットとして認識する。このような優先順位付けを行う理由は、既に通信中の移動局を、強制TCH切替の際に通信品質の低下が予測される切替元の移動局に選択することを避け、通話中のユーザに出来るだけ不快感を与えないようにするためである。
【0058】ところで、最優先順位を付した通話スロット以外にも1多重スロットが存在する場合、制御部80は、各通話スロットを識別するためにそれぞれ対応づけられている固有の番号であるスロット番号の小さなものから大きなものに優先順位を対応づけて行く。また、上述の優先順位の対応づけを行った1多重スロットに対して、リトライ回数3をデフォルト値としてそれぞれ対応づけて切替元選出テーブル600に格納する。
【0059】以上が制御部80により空スロット確保処理が実行される直前の処理であり、切替元となる通話スロット及び移動局を特定するための処理である。そして、制御部80は、通信品質予測テーブル400において、切替元となっている移動局を含む組み合わせのうち、最もトータルポイント数が少ないもの、即ち、最も高い通信品質を得られると予想される組み合わせを選出し、当該組み合わせに含まれる移動局のうち切替元となっていない移動局が割り当てられている通話スロットを切替先の通話スロットとして決定する。
【0060】このように決定された切替元の移動局及び通話スロットと切替先の通話スロットにもとづいて、制御部80は、強制TCH切替を実施する。この強制TCH切替が成功した場合、制御部80は、切替元選択処理を終了する。一方、上述の強制TCH切替が通信品質不良などにより失敗した場合、切替元となった1多重スロットの優先順位の値を最低の優先順位の値に変更すると共に、切替元選出テーブル600において、この1多重スロットに対応づけられているリトライ回数を1ディクリメントし、さらに、他の1多重スロットにおける優先順位の値を繰り上げる。
【0061】なお、このような処理を繰り返した結果、1多重スロットに対応づけられているリトライ回数が0となった場合、制御部80は、この1多重スロットを切替元の1多重スロットの候補から除外する。また、この除外に伴い、制御部80は、この除外された1多重スロットの優先順位の穴を埋めるべく、優先順位の見直しを図る。
(通信品質予測処理)制御部80は、次に示すようにして、通信品質の予測を行う。
【0062】制御部80は、例えば、新たに無線通信しようとしているか、又は、既に通信中の移動局aの応答ベクトルRaを応答ベクトル算出部53から受け取り、品質指標値テーブル300の当該タイムスロットを識別するタイムスロット番号により識別される領域から、既存の移動局Xの応答ベクトルRxを読み出し、以下に示すようにして、移動局a及び移動局X間における空間相関値Jaを算出する。
【0063】
【数1】

【0064】次に、制御部80は、上述の移動局aの電界強度IaをRSSI検出部54から受け取り、品質指標値テーブル300の当該タイムスロットを識別するタイムスロット番号により識別される領域から、移動局Xの電界強度Ixを読み出し、電界強度比KaをKa = Ia / Ixにより算出する。ここで、Ka>1の場合には、Ka = Ix / Iaにより算出する。
【0065】次に、算出した空間相関値Jaと、しきい値テーブル200に記憶されている空間相関値しきい値Jtとを比較する。また、算出した電界強度比Kaとしきい値テーブル200に記憶されている電界強度比しきい値Ktとを比較する。Ja≦Jt かつ Ka≧Ktの場合に、空間多重が可能と判定され、その他の場合に、空間多重が不可能と判定される。
【0066】なお、既に複数個(2〜3個)の移動局と空間多重により通信している場合には、制御部80は、移動局毎に、前記の判定処理を行う。さらに、制御部80は、上述の空間相関値Ja時間的変化であるフェージング値PaをPa(tn)=(Ja(tn)-Ja(tp))/(tn-tp)により算出する。
【0067】ここで、Ja(tn)は、現在の時刻tnにおける応答ベクトルにより算出された空間相関値であり、Ja(tp)は、時刻tpにおける前回のフレームの応答ベクトルにより算出された空間相関値である。なお、上述のタイマ値t1と、tn及びtpとの関係は、t1≧(tn-tp)という関係にある。
【0068】以上のように、制御部80は、空間相関値Ja、電界強度比Ka及びフェージング値Paを求め、通信品質予測テーブル400又は品質予測テーブル500に格納する。また、制御部80は、上述の切替元選択処理により切替元に決定された移動局含むグループの通信品質の予測結果にもとづいて、最終的に強制TCH切替を実施するか否かの判定を実施する。
【0069】即ち、上述のグループの組み合わせにおいて、1つ組でもしきい値割れが生じている場合、制御部80は、このグループに属する組み合わせについては、強制TCH切替の実施を取りやめる。
(新規接続時の処理)制御部80は、次に示すようにして、新規接続時の処理を行う。
【0070】即ち、移動局から新規接続の要求がなされた場合、制御部80は、空スロットの有無を判定し、空スロットが有れば、この空スロットに新規接続を要求した移動局を割り当てる。一方、空スロットが無ければ、制御部80は、従来と同様の手順で接続を試みる。即ち、制御部80は、既に割り当て済みの通話スロットに新規接続を要求した移動局を割り当てるように試みる。
【0071】その際、制御部80は、割り当て済みの移動局及び当該新規接続の移動局に関して、設定レベル以上の通信品質が確保可能かを空間相関値JX及び電界強度比KXにもとづいて判定し、上述の新規接続について実施可否判定を行う。
(通信中の処理)制御部80は、次に示すようにして、通信中の処理を行う。
【0072】制御部80は、通信品質が悪いと判定する場合に、移動局に対して、通話スロットを切替るように制御する。また、ハンドオーバが発生したと判定する場合に、移行先セルの無線チャンネルに切替るように制御する。
2 無線基地局100の動作無線基地局100の動作について説明する。
(1)空スロット確保処理の動作空スロット確保処理について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0073】制御部80は、通話スロット内ユーザ数が変化する待機し(ステップS301)、通話スロット内ユーザ数が変化したとき、全通話スロット内に空きスロットがなく、かつ、1多重スロットがあるか否かを判定し(ステップS302)、これら条件を満足しない場合、処理を終了する。一方、これら条件を満足する場合、制御部80は、強制TCH切替を試みた回数を示す値Mに1を代入し(ステップS303)、タイマの値を時間t1秒に設定する(ステップS304)。
【0074】そして、制御部80は、タイマの設定時間分だけ待機し(ステップS305)、この間、通信品質を予測するために必要な各移動局の応答ベクトル及び電界強度などを収集する。。 前記タイマの設定時間が過ぎると、制御部80は、全通話スロットで状態変化があるか否かを判定し(ステップS306)、全通話スロットで状態変化がある場合、全通話スロット内に空きスロットがなく、かつ、1多重スロットがあるか否かを判定するステップS302に戻る。
【0075】一方、全通話スロットで状態変化がない場合、制御部80は、Mの値が1か否かを判定し(ステップS307)、Mの値が1の場合、上述のステップS303において、前記変化の原因となった移動局を収容する1多重スロットに最優先順位を付与し、リトライ回数Nのデフォルト値を設定し(ステップS308)、これ以外にも1多重スロットがあるか否かを判定し(ステップS309)、ある場合には、他の1多重スロットにこの通話スロットに対応づけられている識別番号であるスロット番号の小さい順から大きい順に優先順位を付与し、リトライ回数Nのデフォルト値を設定する(ステップS310)。
【0076】以上のステップが実行された後、上述のステップS307においてMの値が1でない場合、または、上述のステップS309において他の1多重スロットが存在しない場合、制御部80は、最先順位の1多重スロットの移動局を強制TCH切替元とし(ステップS311)、切替先候補の通話スロットに対して強制TCH切替を実施した場合の通信品質を予測し(ステップS312)、最高の通信品質が予想される切替先候補の通話スロット、即ち、トータルポイント数の少ない組み合わせにおける切替元の移動局以外の移動局が割り当てられている通話スロットを切替先の通話スロットとして選択する(ステップS313)。
【0077】そして、制御部80は、通信品質予測テーブル400又は500において、強制TCH切替の対象となった組み合わせが属するグループ内の全ての組み合わせについて、空間相関値、電界強度比KX及びフェージング値PXがこれらに対応する各しきい値をクリアするか否かを判定し(ステップS314)、クリアする場合、ベースバンド部70から外部の交換機へと向かうISDN回線の通信帯域に空があるか否かを判定し(ステップS315)、空がない場合、処理を終了する。
【0078】このような制御を行うのは、本制御を行っても新規呼が接続できない場合、意味がないためであり、無用な性能劣化の可能性を未然に防ぐことが目的である。一方、空がある場合、制御部80は、強制TCH切替をトライし(ステップS316)、当該強制TCH切替が成功したか否かを判定し(ステップS317)、成功すれば処理を終了する。
【0079】また、当該強制TCH切替が失敗した場合、制御部80は、この切替元となった1多重スロットに対応づけられているリトライ回数を1ディクリメントする(ステップS318)。そして、上述のディクリメントが実施された場合、または、ステップS314における判定においてクリアしなかった場合、制御部80は、この切替元となった1多重スロットに対応づけられている順位を最低順位に変更し(ステップS319)、リトライ回数0となった通話スロットの移動局を強制TCH切替元の候補から除外し(ステップS320)、0以外のリトライ回数が対応付けられている通話スロット、即ち、切替元となる候補が存在するか否かを判定し(ステップS321)、切替元となる候補が存在しない場合、制御部80は、処理を終了する。
【0080】一方、切替元となる候補が存在する場合は、制御部80は、タイマの値を時間t2秒に設定すると共に、現状のMの値に1インクリメントした値を新たなMの値とし(ステップS322)、タイマの設定時間分だけ待機するステップS305に戻る。なお、上述の通信品質予測処理に該当するステップは、S304、S305、S313及びS314である。
【0081】図8は、このような空スロット確保処理が実施された場合における、通話スロットへの移動局に割り当て状況の時系列な変化を示す図である。空スロットが確保できる場合、制御部80は、空間多重を行わずに1通話スロットに1移動局のみを割り当てる。時刻t0において、残り1の空スロットに移動局■を割り当てたことにより、全通話スロット内に空きスロットがなく、かつ、1多重スロットがある状態となったことを判定し、制御部80は、空スロット確保処理を開始し、その結果、時刻t1において、スロット3に割り当てられていた移動局■が、スロット1へと強制TCH切替しているそして、t4からt6までに示すように、新たに生成された空スロットに新規接続要求を行う移動局を収容することにより、空スロット確保処理が繰り返し実施されることとなる。
【0082】やがて、t7に示すように、スロット1及びスロット2にそれぞれ4つの移動局を割り当てた後に、残り1つの空スロットに移動局■を割り当ててしまうと、もはや空スロットが生成できない状態となる。この場合、これ以降、従来と同様の接続を試みる。なお、1通話スロットにおいて最大4つの空間多重までが可能であるが、空間多重されている移動局相互の位置関係により空間多重できる移動局の数は変わるため、t20に示すように、スロット1において3つの移動局が、スロット2において4つの移動局が、スロット3において1つの移動局がそれぞれ割り当てられている場合であっても、通常の接続が行われる場合が生じる。
【0083】以上のように、本第1の実施の形態によれば、無線基地局100において、空スロットを確保するように恒常的に強制TCH切替を実施するため、空スロットが確保される頻度が増加し、この空スロットに新規接続を要求する移動局を割り当てることにより、新規接続が容易となる。なお、本第1の実施の形態における、空スロット確保処理においては、空間多重数0の空スロットを生成するようにしたが、空間多重数がM(Mは、1以上、かつ、限界空間多重数(本第1の実施の形態では4)未満のスロット(以下、「低多重スロット」という。)を生成するとしてもよい。
【0084】Mの値をできるだけ小さくするように試みたうえで、この低多重スロットに新規接続を要求する移動局の割り当て先とすることにより、通信品質上の問題を起こさずスムーズに接続できる頻度が増加する。また、本第1の実施の形態において、無線基地局100は、PHS移動局と無線接続するとしたが、これに限らず、携帯電話などのように、時分割多重方式及び空間多重方式を併用する無線通信方式であればよい。
【0085】また、本第1の実施の形態における、アンテナの数は、4本であったが、この数に限らず何本あってもよい。その場合、アンテナの本数をL本とした場合、最大空間多重数は、Lとなる。また、図6において、ケース1及びケース2の場合を例に挙げて説明したが、ケース2のような状態の変化を強制TCH切替の実施のトリガとするか否かについては、ユーザ設定により自由に変更できるとしてもよい。
【0086】また、本第1の実施の形態においては、空間相関値JX、電界強度比KX及びフェージング値PXの3つの値にもとづいて、強制TCH切替を実施した場合における通信品質の予測を行ったが、これら以外のファクターにもとづいて品質予測を実施してもよい。その場合、本第1の実施の形態においては、例えば、図5(b)において、組み合わせ501における「■をスロット2へ」は、「■をスロット3へ」とした場合と同様の品質予測結果が得られるものとして、1つの組み合わせのみを示したが、同じ移動局の組み合わせであっても、切替対象が異なることにより、通信品質の予測値が異なって来る場合においては、切替対象の違いを考慮したよりきめ細かな場合分けを行って、通信品質を予測して行く必要がある。
【0087】例えば、空間多重されている各移動局から無線基地局100への送信タイミングは、各移動局の信号を分離する上では、微妙にずれている方が都合がよい。そこで、無線基地局100は、空間多重されている各移動局の送信タイミングが重ならないように、これら移動局に送信タイミングを指示する。ところが、この指示に対する移動局のレスポンスの速さは、各移動局毎に異なっており、レスポンスの速い移動局を他のスロットに割り当てことは問題ないが、レスポンスの遅い移動局を他のスロットに割り当てるのは問題になると思われる。
【0088】このように、例えば、通信品質予測のファクターとして、レスポンスの速さを考慮する場合、上述のように、よりきめ細かな場合分けを行って、通信品質を予測して行く必要がある。また、本第1の実施の形態では、記載していないが、空スロット確保処理起動中に他の影響でユーザ配置が変わる場合、例えば、既存ユーザが通話を終了した、既存ユーザが性能低下等で強制TCH切替を行った又は既存ユーザがハンドオーバで他基地局に移動したなどの現象が生じた場合、制御部80は、割り込みをかけて本空スロット確保処理を中断するとしてもよい。
【0089】その場合、新しい移動局の割り当てが、空スロット確保処理の実施の条件、即ち、全通話スロット内に空きスロットがなく、かつ、1多重スロットあるという条件を満たしている場合、制御部80は、再度最初から空スロット確保処理を起動する。一方、上述の条件を満たしていない場合は、制御部80は、空スロット確保処理は、実施しないこととなる。
【0090】また、新規接続を要求する移動局からが再度接続要求がなされた場合、制御部80は、空スロット確保処理を終了し、端末の要求に従って通常のチャネル切替を実施するとしてもよい。また、本第1の実施の形態における制御部80により実施される空スロット確保処理の内容については、あくまで1例に過ぎず、空スロットを確保するように恒常的に強制TCH切替を実施する処理であればよい。
【0091】図9は、このような異なる事例を挙げた空スロット確保処理のフローチャートであり、重要な部分のみの動作内容を記載している。図9と図7との相違点について、図7を基準に説明すると、図7におけるステップS308からステップS311にかけて、強制TCH切替の切替元とする通話スロット及び移動局を決定している部分が異なる。
【0092】以下、図9のフローチャートについて説明する。制御部80は、通話スロット内ユーザ数が変化する待機し(ステップS601)、通話スロット内ユーザ数が変化したとき、全通話スロット内に空きスロットがなく、かつ、1多重スロットがあるか否かを判定し(ステップS602)、これら条件を満足しない場合、処理を終了する。
【0093】一方、これら条件を満足する場合、制御部80は、タイマの設定時間分だけ待機し(ステップS603)、この間、通信品質を予測するために必要な各移動局の応答ベクトル及び電界強度などを収集する。前記タイマの設定時間が過ぎると、制御部80は、全通話スロットで状態変化があるか否かを判定し(ステップS604)、全通話スロットで状態変化がある場合、全通話スロット内に空きスロットがなく、かつ、1多重スロットがあるか否かを判定するステップS602に戻る。
【0094】一方、全通話スロットで状態変化がない場合、制御部80は、切替元移動局と切替先移動局との組の通信品質が良いもの、即ち、トータルポイント数の小さいものから順位付けを行って、各組にリトライ回数Nのデフォルト値を設定する(ステップS605)。このステップS605は、図7のステップS308からステップS311に相当するステップであり、第1の実施の形態では、最初の強制TCHの切替元は、通話スロット内のユーザ数を変化させるきっかけとなった移動局であり、他に1多重スロットが存在しても、それら通話スロットの優先順位は、スロット番号順位に付与されていたに過ぎないのに対し、第1の実施の形態では、通信品質予測テーブル400又は500のトータルポイント数の小さい順に強制TCHの切替元を決定するという通信品質に重きを置いた切替元の決定がなされている。
【0095】即ち、制御部80は、上述のトータルポイント数が最小となっている移動局の組み合わせを強制TCH切替の対象とする(ステップS606)。そして、制御部80は、強制TCH切替の対象となった組み合わせが属するグループ内の全ての組み合わせについて、空間相関値、電界強度比KX及びフェージング値PXがこれらに対応する各しきい値をクリアするか否かを判定し(ステップS607)、クリアする場合、強制TCH切替をトライし(ステップS608)、当該強制TCH切替が成功したか否かを判定し(ステップS609)、成功すれば処理を終了する。
【0096】また、当該強制TCH切替が失敗した場合、制御部80は、切替元選出テーブル600において、この切替元となった1多重スロットに対応づけられているリトライ回数を1ディクリメントし(ステップS610)する。上述のディクリメントが実施された場合、または、ステップS607における判定においてクリアしなかった場合、制御部80は、切替元となった1多重スロットに対応づけられている順位を最低順位に変更し(ステップS611)、リトライ回数0となった通話スロットの移動局を強制TCH切替の切替元の候補から除外し(ステップS612)、0以外のリトライ回数が対応付けられている通話スロット、即ち、切替元となる候補が存在するか否かを判定し(ステップS613)、切替元となる候補が存在しない場合、制御部80は、処理を終了する。
【0097】一方、切替元となる候補が存在する場合は、制御部80は、トータルポイント数が最小となっている移動局の組み合わせを強制TCH切替の対象とするステップS606に戻る。このように、図7のフローチャートに対し、強制TCH切替の切替元とする移動局の決定の仕方が異なっていても構わない。
【0098】また、図10は、図7及び図9と異なる空スロット確保処理の1例を示す図である。制御部80は、通話スロット内ユーザ数が変化する待機し(ステップS701)、通話スロット内ユーザ数が変化したとき、全通話スロット内に空きスロットがなく、かつ、1多重スロットがあるか否かを判定し(ステップS702)、これら条件を満足しない場合、処理を終了する。
【0099】一方、これら条件を満足する場合、制御部80は、タイマの設定時間分だけ待機し(ステップS703)、この間、通信品質を予測するために必要な各移動局の応答ベクトル及び電界強度などを収集する。前記タイマの設定時間が過ぎると、制御部80は、全通話スロットで状態変化があるか否かを判定し(ステップS704)、全通話スロットで状態変化がある場合、全通話スロット内に空きスロットがなく、かつ、1多重スロットがあるか否かを判定するステップS702に戻る。
【0100】一方、全通話スロットで状態変化がない場合、制御部80は、切替元移動局と切替先移動局との組の通信品質が良いもの、即ち、トータルポイント数の小さいものから順位付けを行って、各組にリトライ回数Nのデフォルト値を設定する(ステップS705)。制御部80は、上述のトータルポイント数が最小となっている移動局の組み合わせを強制TCH切替の対象とする(ステップS706)。
【0101】そして、制御部80は、強制TCH切替の対象となった組み合わせが属するグループ内の全ての組み合わせについて、空間相関値、電界強度比KX及びフェージング値PXがこれらに対応する各しきい値をクリアするか否かを判定し(ステップS707)、クリアする場合、強制TCH切替をトライし(ステップS708)、当該強制TCH切替が成功したか否かを判定し(ステップS709)、成功すれば処理を終了する。
【0102】また、当該強制TCH切替が失敗した場合、制御部80は、切替元選出テーブル600において、この通話スロットに対応づけられているリトライ回数を1ディクリメントする(ステップS710)。つまり、図9におけるフローチャートで実施していたような、切替元となった1多重スロットに対応づけられている順位を最低順位に変更する処理は実施しない。
【0103】これにより、強制TCH切替が失敗した空間多重条件により、リトライ数が0となるまで、再度、強制TCH切替がトライされるとととなる。上述のディクリメントが実施された場合、または、ステップS707における判定においてクリアしなかった場合、制御部80は、リトライ回数0となった通話スロットの移動局を強制TCH切替の切替元の候補から除外し(ステップS711)、0以外のリトライ回数が対応付けられている通話スロット、即ち、切替元となる候補が存在するか否かを判定し(ステップS712)、切替元となる候補が存在しない場合、処理を終了する。
【0104】一方、切替元となる候補が存在する場合は、制御部80は、トータルポイント数が最小となっている移動局の組み合わせを強制TCH切替の対象とするステップS706に戻る。また、第1の実施の形態では、空スロットを確保するように恒常的に強制TCH切替を実施しているが、新規接続が要求された時点で、空スロット確保処理を開始して空スロットを確保してもよい。
【0105】その場合、図6のステップS301における判定の内容が、通話スロット内のユーザ数が変化したことではなく、新規接続の要求がなされたか否かを判定することとなる。また、図6のフローチャートにおいて、リトライ回数Nの設定値を1多重スロットに対して一律に設定したが、それぞれ異なった回数を個別に設定しても構わない。
【0106】また、第1の実施の形態においては、リトライ回数Nは、切替元となる通話スロットに対応づけているが、切替先となる通話スロットに対応づけてもよい。
(第2の実施の形態)本発明における第2の実施の形態としての無線基地局100について説明する。
【0107】第2の実施の形態における、無線基地局は、第1の実施の形態と同様に、PHS規格で定められた時分割多重方式により移動局と無線接続し、前記時分割多重に加えて、さらに空間多重を行って移動局と通信する無線基地局であり、図1と同様の機能部を有し、制御部80により実施される処理の内容が異なる。ここでは、第1の実施の形態と異なる処理を実施する制御部80について説明する。
【0108】第1の実施の形態において、制御部80は、通話スロットへの移動局の割り当て状態が変化したとき、空スロットがなく、かつ、1つの移動局のみが割り当てられている通話スロットがある場合に、空スロット確保処理を実施し、新規接続を要求する移動局を優先的に空スロットに割り当てようとしていたのに対し、第2の実施の形態において、制御部80は、新規接続を要求している移動局を優先的に1多重以上の通話スロットに割り当てる、つまり、優先的に空間多重を実施する点で異なる。
【0109】より具体的には、制御部80は、移動局から新規接続が要求された場合、先ず、移動局の割り当てが可能な1多重以上の通話スロットがあるか否かを判定し、このような通話スロットがあれば、移動局の割り当てを試みる。その際、制御部80は、第1の実施の形態における通信品質予測処理に相当する処理を以下に示すように実施する。
【0110】即ち、制御部80は、空間相関値JX、電界強度比KX及びフェージング値PXにもとづいて、通信品質を予測する。ここで、フェージング値PXは、先に述べたように空間相関値JXの単位時間あたりの変化量であるため、通常、異なる通話スロットにおいて得られた空間相関値JXにもとづいて算出される。
【0111】しかしながら、新規接続を要求している移動局は、接続要求時において通話スロットを用いて通信していないため、この移動局についてのフェージング値PXは、受信用の制御スロットのみを用いて得られる空間相関値JXから算出せざるを得ない。つまり、フェージング値PXは、制御スロットの前半に得られる空間相関値JXと後半に得られる空間相関値JXとから算出される。
【0112】これは、極めて短い時間間隔でサンプリングされたデータであり、通話スロットを用いて通信した場合に比べ、フェージング値PXの算出精度が劣っている。このため、フェージング値PXが明らかに大きい場合に限り、この移動局の割り当てを取りやめるように配慮されている。したがって、フェージングしきい値Ptは、空間相関値しきい値Jt及び電界強度比しきい値Ktに比べ、より緩和された値となっている。制御部80は、接続を要求する移動局に関するフェージング値PXがフェージングしきい値Pt以下であって、上述の新規接続を要求する移動局の1以上の多重スロットに割り当てを試みるとき、空スロットがある場合、通信品質の予測のために用いる空間相関値しきい値Jt、電界強度比しきい値Ktの値を、空スロットがない場合よりも厳しいハイレベルの値のしきい値を用いて、この新規接続を要求する移動局を1以上の多重スロットに割り当てるか否かを判定する。
【0113】ハイレベルの値のしきい値を用いる理由は、第1の実施の形態に比べ、通信品質予測に用いる評価項目からフェージング値PXが除外されるために、通信品質予測精度が低下し、実際に1以上の多重スロットに新規接続を要求する移動局を割り当てたとき、通信品質の不良が生じることを回避するためである。一方、上述の新規接続を要求する移動局の1以上の多重スロットに割り当てを試みるとき、空スロットがない場合、制御部80は、通常レベルの値のしきい値を用いて、この新規接続を要求する移動局を1以上の多重スロットに割り当てるか否かを判定する。
【0114】つまり、空スロットがない場合においては、従来どおりの接続を試みる。図11は、以上のような処理が実施された場合における、通話スロットへの移動局に割り当て状況の時系列な変化を示す図である。時刻t0において、移動局■が新規接続を要求しており、制御部80は、空間多重数が増大するように、移動局■をスロット1に空間多重するように試みる。
【0115】その際、この時点において、空スロットが2つ存在し、新規接続を要求する移動局の空間多重がうまく行かなかった場合の割り当て先の余地が残っているため、制御部80は、スロット1への空間多重の可否判定に用いるしきい値は、通常よりもハイレベルに設定する。時刻t0においては、このようなしきい値を用いても、空間多重の可否判定がOKとなっている。
【0116】時刻t1においては、移動局■が新規接続を要求しており、制御部80は、これをスロット1に空間多重するように試みる。この場合も、この時点において、空スロットが2つ存在するため、制御部80は、スロット1への空間多重の可否判定に用いるしきい値は、通常よりもハイレベルに設定する。
【0117】しかし、上述の判定において、空間多重不可とされたため、時刻t2において、スロット2に割り当てている。このような処理を繰り返すことにより、スロット1及びスロット2は次第に埋まって行く。移動局■が新規接続を要求しており、制御部80は、これをスロット1、スロット2の順で空間多重を試みるが成功しない。
【0118】そこで、制御部80は、空スロットであるスロット3に移動局■を割り当てている。以降、空スロットが存在しないので、従来と同様のスロット割り当て手順に従う。即ち、制御部80は、通信品質が最も良好となることが予測される通話スロットへと移動局■を多重する。
【0119】その場合、制御部80は、空間多重の可否判定に使用するしきい値は、通常レベルの値を設定する。これは、確実に割り当てがうまく行く空スロットがもはや存在しないため、しきい値をハイレベルに設定した結果、全ての空間多重の可否判定において不可と判定されないようにするためである。
【0120】図12は、このような通常レベル及びハイレベルのしきい値の1例を示す図である。しきい値テーブル900は、空間相関値しきい値Jt、電界強度比しきい値Kt、における通常レベル、ハイレベルのしきい値及び理想値を示し、さらに、フェージングしきい値Ptを示すテーブルであり、このテーブルは、予め情報記憶部に格納されている。
【0121】しきい値(通常レベル)901は、通常レベルのしきい値を示し、しきい値(ハイレベル)902は、通常レベルのしきい値よりも厳しい値であるハイレベルのしきい値を示し、また、理想値903は、理想値を示す。ここで、空間相関値904は、空間相関値しきい値Jtを示し、電界強度比905は、電界強度比しきい値Ktを示し、フェージング値906は、フェージングしきい値Ptを示している。
【0122】第2の実施の形態における無線基地局100の動作図13は、第2の実施の形態における新規接続を要求する移動局を優先的に空間多重を実施する処理を示すフローチャートである。制御部80は、新規接続要求がなされるまで待機し(ステップS801)、新規接続要求がなされた場合、空スロットがあるか否かを判定(ステップS802)する。
【0123】空スロットがある場合、制御部80は、1以上の多重スロットであって、空間多重の余地が残っている通話スロットがあるか否かを判定し(ステップS803)する。以上の多重スロットであって、空間多重の余地が残っている通話スロットがある場合、制御部80は、ハイレベルのしきい値を通信品質の予測に用いるしきい値とし(ステップS804)、このしきい値をクリアする通信品質が予想されるか否かを判定し(ステップS805)する。
【0124】このしきい値をクリアした場合、制御部80は、新規接続の要求を行った移動局を上述の1以上の多重スロットに割り当て(ステップS806)、処理を終了する。一方、1以上の多重スロットであって、空間多重の余地が残っている通話スロットがあるか否かを判定するステップS803において、このような通話スロットが存在しない場合、ハイレベルのしきい値をクリアする通信品質が予想されるか否かを判定するステップS805において、このようなハイレベルのしきい値をクリアすることができない場合、制御部80は、新規接続を要求している移動局を空スロットに割り当てる。
【0125】また、上述の新規接続要求がなされた場合において、空スロットがあるか否かを判定するステップS802において、空スロットがない場合、制御部80は、通常レベルのしきい値を通信品質の予測に用いるしきい値とし(ステップS808)、このしきい値をクリアする通信品質が予想されるか否かを判定し(ステップS809)、クリアする場合には、空スロット以外の通話スロットに新規接続を要求している移動局を割り当てる(ステップS810)。
【0126】一方、クリアしない場合には、制御部80は、新規接続を要求している移動局に対し接続を拒否する(ステップS811)。以上のように、本第2の実施形態によれば、無線基地局100において、新規接続の際に積極的に空間多重を実施するため、空スロットが利用されずに残っている機会が増加する。
【0127】また、空間多重の可否判定に際し、空スロットがある場合には、ハイレベルなしきい値を用いて上述の判定を実施するため、より信頼性の高い空間多重を実現でき、仮に、空間多重の不可の判定がなされた場合においても、空スロットが用意されているので、この空スロットに新規接続を要求する移動局を割り当てることによりスムーズな接続がなされる。
【0128】なお、本第2の実施形態では、強制TCH切替を実行した結果、新たに空間多重されることとなった通話スロットに割り当てられている移動局の通信品質が不良となった場合について記載していないが、このような場合、第1の実施の形態と同様に、強制TCH切替を中止して、他の通話スロットを切替先として空間多重を試みるとしてもよい。
【0129】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係る多重制御装置は、時分割多重及び空間多重により複数の移動局と無線通信を行う無線基地局に備えられ、空間多重限界数未満である空間多重数Nの低多重タイムスロットが存在する状態を生成するか、または、当該状態を維持するように、前記空間多重を制御することを特徴とする。
【0130】これにより、新規接続において、前記低多重タイムスロットに対してさらに空間多重することにより、新規接続が容易に実施される。つまり、前記低多重タイムスロットでは、空間多重数が少ないため、空間多重条件が緩和され、より容易に接続され得る。また、本発明に係る無線基地局は、時分割により区分された複数のタイムスロットのいずれかに移動局を割り当て、時分割多重及び空間多重により複数の移動局と無線通信を行う無線基地局であって、空間多重限界数未満である空間多重数Nの低多重タイムスロットが存在する状態を生成するか、または、当該状態を維持するように、前記割り当ての変更を試みるタイムスロット割り当て変更手段を備えることを特徴とし、本発明に係るタイムスロット割り当て変更方法は、時分割により区分された複数のタイムスロットに移動局を割り当て、複数の移動局と時分割多重及び空間多重により無線通信を行う無線基地局において、前記割り当てを変更するタイムスロット割り当て変更方法であって、移動局の割り当てが1つも行われていない低多重タイムスロットを確保するように前記割り当ての変更を試みるタイムスロット割り当てステップを含むことを特徴とし、また、本発明に係るプログラムは、時分割により区分された複数のタイムスロットに移動局を割り当て、複数の移動局と時分割多重及び空間多重により無線通信を行う無線基地局において、前記割り当てを変更するためのプログラムであって、移動局の割り当てが1つも行われていない低多重タイムスロットを確保するように前記割り当ての変更を試みるタイムスロット割り当てステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0131】これにより、前記低多重タイムスロットを新規接続の際の割り当て先として利用することにより、新規接続が容易に実施される。つまり、上述と同様に前記低多重タイムスロットでは、空間多重数が少ないため、空間多重条件が緩和され、より容易に接続され得る。また、前記Nの数は、0であるとしてもよい。
【0132】これにより、空間多重を実施しなくても接続できるタイムスロットが確保される。また、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記低多重タイムスロットを生成することにより前記状態を実現するとしてもよい。これにより、低多重タイムスロットがない状態においても、新たに低多重タイムスロットを生成することにより低多重タイムスロットが確保される。
【0133】また、前記複数のタイムスロットは、1の移動局のみが割り当てられている第1タイムスロットと1以上の移動局が割り当てられている第2タイムスロットとを含み、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記1の移動局の割り当てを第1タイムスロットから第2タイムスロットへと変更することにより、第1タイムスロットを低多重タイムスロットにして前記生成を行うとしてもよい。
【0134】これにより、1つの移動局の前記割り当てを変更するのみで、低多重タイムスロットを生成され、低多重タイムスロットが確保される。また、前記第2タイムスロットは、複数あり、さらに、前記1の移動局の割り当てを第1タイムスロットから第2タイムスロットへと変更すると想定した場合において、当該変更がなされた後の第2タイムスロットに割り当てられている全ての移動局についての予測通信品質をそれぞれ求める通信品質予測手段と、前記予測通信品質が所定の通信品質を上回る第2タイムスロットのうちの1つを、前記1の移動局の割り当て先に決定する割り当て先決定手段とを備えるとしてもよい。
【0135】これにより、所定の通信品質を確保しつつ、低多重タイムスロットが生成される。また、前記割り当て先決定手段は、さらに、最も良い予測通信品質が得られる第2タイムスロットを前記割り当て先に決定するとしてもよい。これにより、第2タイムスロットへの前記1の移動局の割り当て変更した場合における前記通信品質がより高められる。
【0136】また、前記通信品質予測手段は、第2タイムスロットそれぞれに前記予測通信品質の順位付けを行い、前記割り当て先決定手段は、前記最先順位の第2タイムスロットを前記割り当て先に決定するとしてもよい。これにより、最も良い予測通信品質が得られると思われるタイムスロットが容易に特定される。
【0137】また、さらに、割り当て済み移動局に関する現状における現状通信品質を評価する通信品質評価手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、さらに、前記変更を実行した後、前記割り当て先の第2タイムスロットに割り当てられている移動局において、前記現状通信品質が所定の通信品質を下回る移動局が1つでも存在する場合、前記変更がなされる前の状態に復旧するとしてもよい。
【0138】これにより、現状通信品質の確保を優先しつつ、低多重タイムスロットの確保が実施される。また、さらに、前記復旧に伴い、当該復旧直前において割り当て先となっていた第2タイムスロットの前記順位を最下位に訂正する訂正手段を備え、前記割り当て先決定手段は、前記訂正がなされたとき、最先順位の第2タイムスロットを前記割り当て先として新たに決定し、前記タイムスロット割り当て変更手段は、さらに、前記新たな割り当て先へと前記変更を実施するとしてもよい。
【0139】これにより、低多重タイムスロットが確保される機会が増加する。また、前記タイムスロット割り当て変更手段は、所定回数以上前記復旧が繰り返された場合、前記変更を中止するとしてもよい。これにより、現状通信品質が所定の通信品質以上となる見込みがないスロットに対して無駄な前記変更を繰り返すことが避けられる。
【0140】また、さらに、同一の第2タイムスロットへの前記変更の実施回数が所定回数以上となったとき、当該第2タイムスロットを前記割り当て先の決定の対象から除外する除外手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記除外により割り当て先の対象が無くなったとき、前記変更の中止を実施するとしてもよい。
【0141】これにより、全ての第2タイムスロットについて所定回数以上の復旧が繰り返されるときまで前記変更がなされる。また、第1タイムスロットは、複数存在し、さらに、複数の第1タイムスロットのうち、現時点より最も近い時刻に移動局の割り当て状態に変更が生じたものを、前記1の移動局の割り当て元として選択する割り当て元選択手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記選択がなされた割り当て元から前記割り当て先へと前記1の移動局の割り当てを変更するとしてもよい。
【0142】これにより、割り当て状態に変更が生じていない通信品質が良好な移動局について、現状が維持され、割り当て変更の際に懸念される通信品質の一時的な低下が避けられる。つまり、割り当て変更がなされた移動局については、もともと通信品質の一時的な低下が生じているものと思われ、このような移動局に対し、さらに、割り当て変更を実施して、再度、通信品質が一時的に低下したとしても、これら通信品質の低下の時間間隔は、非常に短いものであり、ユーザにとっては、通信品質の低下が1回しか生じていないように感じられるためメリットがある。
【0143】また、さらに、割り当て済み移動局に関する現状における現状通信品質を評価する通信品質評価手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、さらに、前記変更を実行した後、前記割り当て先の第2タイムスロットに割り当てられている移動局において、前記現状通信品質が所定の通信品質を下回る移動局が1つでも存在する場合、前記変更がなされる前の状態に復旧するとしてもよい。
【0144】これにより、前記現状通信品質が所定の通信品質以上に保たれる。また、前記複数のタイムスロットそれぞれは、各タイムスロットを特定するための識別子が対応づけられており、さらに、前記各識別子に対応する順位を記憶している記憶手段と、前記復旧に伴い、当該復旧直前において割り当て元となっていた第1タイムスロットに対応付けられている識別子の前記順位を最下位に修正する順位修正手段とを備え、前記割り当て元選択手段は、前記修正がなされたとき、最上位の順位の識別子が対応付けられている第1タイムスロットを前記割り当て元として選択し、前記タイムスロット割り当て変更手段は、さらに、新たに選択された割り当て元から前記割り当て先へと前記変更を実施するとしてもよい。
【0145】これにより、所定の通信品質以上の前記現状通信品質が確保されるまで、前記割り当て変更が繰り返し実施される。また、前記タイムスロット割り当て変更手段は、所定回数以上前記復旧が繰り返された場合、前記変更を中止するとしてもよい。これにより、現状通信品質が所定の通信品質以上となる見込みがないスロットに対して無駄な前記変更を繰り返すことが避けられる。
【0146】また、さらに、各第1タイムスロット毎に、各第1タイムスロットを前記割り当て元として前記変更がなされた変更回数をカウントするカウント手段を備え、カウントされた変更回数が所定回数以上である場合、当該カウントの対象となった第1タイムスロットを前記割り当て元の選定の対象から除外する割り当て元除外手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記除外により割り当て元の対象が全て無くなったとき、前記変更の中止を実施するとしてもよい。
【0147】これにより、第1タイムスロット毎に前記変更を許容する上限回数の設定が可能となる。また、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記複数の移動局とは別の移動局から新たな接続の要求が到来したときに、前記変更を試みるとしてもよい。これにより、前記別の移動局を低多重タイムスロットに割り当てれば、より確実な新規接続が実現される。
【0148】また、前記タイムスロット割り当て変更手段は、低多重タイムスロット以外のスロットを優先的に前記別の移動局の割り当て先にして前記変更を試みるとしてもよい。既に、低多重タイムスロットがあるとすれば、これにより、この低多重タイムスロットがそのまま残される。
【0149】また、前記低多重タイムスロット以外のスロットは、1以上の移動局が割り当てられている第2タイムスロットであるとしてもよい。既に、低多重タイムスロットがあるとすれば、これにより、第2タイムスロットを前記別の移動局の割り当て先とすることにより、この低多重タイムスロットの状態を維持しつつ、前記別の移動局が接続される。
【0150】また、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記変更を想定した場合における第2タイムスロットに割り当てられている移動局全てについての予測通信品質が所定の通信品質以上の場合、当該変更を実施し、前記各移動局のいずれかの予測通信品質が所定の通信品質未満で、かつ、低多重タイムスロットが既に存在する場合、前記第2タイムスロットに代えて、当該低多重タイムスロットを新たな前記割り当て先として前記変更を実施し、また、前記各移動局のいずれかの予測通信品質が所定の通信品質未満で、かつ、前記低多重タイムスロットが存在しない場合、当該変更を中止し、前記別の移動局の接続を拒否するとしてもよい。
【0151】これにより、新規接続の実施よりも通信品質の確保を優先し、前記変更が行われる。また、通信品質予測手段は、通信品質予測手段は、前記低多重タイムスロットが存在しない場合、前記所定の通信品質を示すしきい値の設定を第1のしきい値とし、前記低多重タイムスロットが存在する場合、前記しきい値の設定を第1のしきい値より厳しい第2のしきい値とするとしてもよい。
【0152】これにより、低多重タイムスロットが確保されている間は、第2タイムスロットに割り当てられている移動局の予測通信品質が高められる。また、さらに、割り当て済み移動局に関する現状における現状通信品質を評価する通信品質評価手段を備え、前記タイムスロット割り当て変更手段は、さらに、前記変更を実行した後、前記割り当て先の第2タイムスロットに割り当てられている移動局において、前記現状通信品質が所定の通信品質を下回る移動局が1つでも存在する場合、前記変更がなされる前の状態に復旧するとしてもよい。
【0153】これにより、所定の通信品質以上の現状通信品質が確保される。また、前記タイムスロット割り当て変更手段は、前記割り当てがなされている移動局の数に変動が生じたとき、前記変更を試みるとしてもよい。これにより、新規接続に限らず、割り当てがなされている移動局の数に変動が生じたときを契機として、前記変更が実施されるので、より低多重タイムスロットが確保される頻度が多くなる。




 

 


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