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発明の名称 ICメディアの作成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−196632(P2003−196632A)
公開日 平成15年7月11日(2003.7.11)
出願番号 特願2001−396925(P2001−396925)
出願日 平成13年12月27日(2001.12.27)
代理人 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【テーマコード(参考)】
2C005
4M109
5B035
5F061
【Fターム(参考)】
2C005 MA09 MA10 MA11 MB01 NA08 NA09 NB03 NB06 NB36 NB37 PA03 PA14 PA17 PA21 RA12 
4M109 AA01 BA04 CA12 DB15
5B035 AA07 AA08 BA04 BA05 BB09 CA02 CA03 CA23
5F061 AA01 BA04 CA12
発明者 丸山 徹
要約 課題
ICチップを保護するポリマー部材を盛り上げず、他のものと接触し難くし、これに伴うICチップの剥離もなく、また、シートがラミネートされた場合でも、シートの部分破壊などが生じておらず、さらに、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性にも優れるなど、信頼性の高いICメディアを容易に低コストで作成する方法の提供。

解決手段
基材面にICチップが実装されてなり、前記ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部が形成されてなるICメディアの作成方法であって、基材上に、所定形状の開口部を有するマスクを重ね合わせ、その上からスキージを反転使用してポリマー部材を塗布することにより、前記基材上に前記開口部内壁面に沿ってポリマー部材からなる凸部を形成後、必要に応じて硬化・乾燥して形成した前記凸部で囲まれた前記基材面にICチップを実装する。
特許請求の範囲
【請求項1】 基材面にICチップが実装されてなり、前記ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部が形成されてなるICメディアの作成方法であって、基材上に、所定形状の開口部を有するメタルマスクあるいはプラスチックマスクを重ね合わせ、その上からスキージを反転使用してポリマー部材を塗布することにより、前記基材上に前記開口部内壁面に沿ってポリマー部材からなる凸部を形成後、必要に応じて硬化・乾燥して形成した前記凸部で囲まれた前記基材面にICチップを実装することを特徴とするICメディアの作成方法。
【請求項2】 基材面にICチップが実装されてなり、前記ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部が形成されるとともに、前記ICチップの少なくとも側壁に密着してポリマー部材層が形成されてなるICメディアの作成方法であって、基材上に、所定形状の開口部を有するメタルマスクあるいはプラスチックマスクを前記開口部内に前記基材面に実装されたICチップが位置するように重ね合わせ、その上からスキージを反転使用してポリマー部材を塗布することにより、前記ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部を形成するとともに、前記ICチップの少なくとも側壁に密着してポリマー部材層を形成後、必要に応じて硬化・乾燥することを特徴とするICメディアの作成方法。
【請求項3】 前記スキージが硬さ60°〜90°のゴム製スキージであることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のICメディアの作成方法。
【請求項4】 前記スキージのスキージブレード角度(θ1)が30°〜80°であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のICメディアの作成方法。
【請求項5】 前記スキージのスキージ角度(θ2)が60°〜90°であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のICメディアの作成方法。
【請求項6】 前記スキージの押圧力が0.03〜0.5MPaであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のICメディアの作成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規の形態にて保護されたICチップを実装したICメディアの作成方法に関するものであり、例えば、接触型・非接触あるいはハイブリッド型のICカード・ラベル・タグ・フォームなどの情報記録媒体やインターポーザ、インレットシートなどの情報記録部材、さらには機器類に組み込まれるIC基板などを含めた全般的なICメディアの作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ICチップを保護する形態としては、ポリマー部材(封止剤)をもってICチップ全体を内包させるものであり、したがって、このように保護されたICチップを有した構成のICメディアが一般的であった。例えば、ここで、ICメディアが非接触型ICカード、タグ、ラベルなどのように非接触状態でデータの送受信を行ってデータの記録、消去などが行える情報記録媒体の用途に用いられる非接触型ICメディアの構成について述べる。このICメディアは、基材上に導電材よりなるアンテナ部を配置し、そのアンテナ部にICチップを実装した構成を有している。この非接触型データ送受信体のアンテナ部にあっては、例えば、導電ペーストにより印刷形成し、ICチップにあっては、例えば、基材のチップ実装部位に位置しているアンテナ部の端子部に突き刺さって導通を図る接続端子を備えたものが採用されている。
【0003】図10を用いて非接触型ICメディアを製造する工程を説明する。図11は、図10で製造された非接触型ICメディアの断面を模式的に説明する説明図である。(A)工程で、基材1を用意する。(B)工程で、基材1面の所定部に、導電ペーストを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法により図に示すパターンを有するアンテナ部2を形成する。(C)工程で、アンテナ部2の所定部に絶縁ペーストを用いてスクリーン印刷して形成後、硬化乾燥するなどの方法により図に示す絶縁部3を形成する。(D)工程で、絶縁部3を形成後、この絶縁部3の上に導電ペーストを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法によりジャンパ部4を形成して、図中の2つのアンテナ部2間を導通して接続する。(E)工程で、基材1の図に示すチップ実装部位に位置しているアンテナ部2間にICチップ5の接続端子7を突き刺さして導通するなどの方法によりICチップ5を実装する。(F)工程で、実装したICチップ5にフェノール樹脂、ポリエステル樹脂などのポリマー部材6からなる熱硬化型絶縁ペーストを、ポッティング方式にて被覆した後、硬化させてICチップ5を封止して非接触ICメディアを形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにして形成されたICメディアでは、ポッティング方式にてICチップ5がポリマー部材(封止剤)6によりICチップ全体が内包されるように保護されているため、曲げ耐性があり信頼性に優れているが、図11に示したようにICチップ全体を内包するため、ポリマー部材の盛り上がりがICチップの高さに比べて非常に大きく、その結果、この盛り上がり部が他のものと接触し易くなり、これに伴うICチップの剥離の危険性もあった。また、このICメディア上にシートをラミネートする場合、例えば、非接触型ICカードを製造する場合、無理にラミネートしたシートが、盛り上がったポリマー部材6により部分破壊されてしまう問題などもあった。なお、仮にポリマー部材6を使用しないと、カード化する際にラミネートしたシートがポリマー部材6により破壊されてしまうことはなくなるが、曲げ耐性に劣る上、上方からの押圧に対する耐性にも劣る問題がある。
【0005】そこで、本発明者は、ICチップの周囲に樹脂部材からなる凸部を設けるか、さらに、この凸部とともにICチップの表面や側壁などに密着して樹脂部材層を形成することにより、ICチップを十分保護できるのと同時にICチップが樹脂部材層を介して基材に密着するので剥離することがなく、また従来のICチップ全体を内包するものと比べて樹脂部材の高さを低く設定でき、その結果、樹脂部材が他のものと接触し難くなり、また、シートがラミネートされた場合でも、シートの部分破壊などが生じておらず、ラミネートされたシートとICチップとの接着性に優れ、さらに、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性にも優れることを見出した。しかし、従来、基材上に凸部を形成するにはスクリーン印刷法、ディスペンス法などによっていたが、スクリーン印刷法では塗布厚さを厚くしても転写されるインク量に限度があり、基材上からの高さをあまり高くできない問題があり、ディスペンス法は基材上からの高さを高くすることは可能であるが、速度が遅く効率が悪いという問題があった。一方、型に樹脂を流し込んで凸部を作成する方法もあるが、少量多品種の型を安価に製作することは困難であった。そこで、本発明者は、従来に無い方法を模索した結果、所定形状の開口部を有するメタルマスクあるいはプラスチックマスクとスキージを利用し、この時、キージを通常の向きで使用するのではなく、スキージを反転使用することにより、生産速度下げることなく、転写されるポリマー部材の量を増やすことができ、より好適に基材上のICチップの周囲に凸部、特にすり鉢状形態の凸部を有するICメディアを作成できることを見出した。
【0006】本発明の目的は、ICチップを保護するポリマー部材を盛り上げず、他のものと接触し難くし、これに伴うICチップの剥離もなく、また、シートがラミネートされた場合でも、シートの部分破壊などが生じておらず、さらに、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性にも優れるなど、信頼性の高い耐曲折性を有するICメディアを容易に低コストで作成する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の請求項1のICメディアの作成方法は、基材面にICチップが実装されてなり、前記ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部が形成されてなるICメディアの作成方法であって、基材上に、所定形状の開口部を有するメタルマスクあるいはプラスチックマスクを重ね合わせ、その上からスキージを反転使用してポリマー部材を塗布することにより、前記基材上に前記開口部内壁面に沿ってポリマー部材からなる凸部を形成後、必要に応じて硬化・乾燥して形成した前記凸部で囲まれた前記基材面にICチップを実装することを特徴とする。
【0008】上記課題を解決するため、本発明の請求項2のICメディアの作成方法は、基材面にICチップが実装されてなり、前記ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部が形成されるとともに、前記ICチップの少なくとも側壁に密着してポリマー部材層が形成されてなるICメディアの作成方法であって、基材上に、所定形状の開口部を有するメタルマスクあるいはプラスチックマスクを前記開口部内に前記基材面に実装されたICチップが位置するように重ね合わせ、その上からスキージを反転使用してポリマー部材を塗布することにより、前記ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部を形成するとともに、前記ICチップの少なくとも側壁に密着してポリマー部材層を形成後、必要に応じて硬化・乾燥することを特徴とする。
【0009】本発明の請求項3のICメディアの作成方法は、請求項1あるいは請求項2記載のICメディアの作成方法において、前記スキージが硬さ60°〜90°のゴム製スキージであることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項4のICメディアの作成方法は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のICメディアの作成方法において、前記スキージのスキージブレード角度(θ1)が30°〜80°であることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項5のICメディアの作成方法は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のICメディアの作成方法において、前記スキージのスキージ角度(θ2)が60°〜90°であることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項6のICメディアの作成方法は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のICメディアの作成方法において、前記スキージの押圧力が0.03〜0.5MPaであることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項1のICメディアの作成方法によれば、ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部を容易に設けることができ、この凸部を設けたことによりICチップを十分保護できると同時に、従来のICチップ全体を内包するものと比べてポリマー部材の高さを低く設定(押圧耐性を考慮すると、好ましくは、ICチップの高さの0.7〜2倍)でき、その結果、ポリマー部材が他のものと接触し難くなり、これに伴うICチップの剥離もなく、また、この上にシートがラミネートされた場合でも、シートの部分破壊などが生じておらず、さらに、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性にも優れるICチップを容易に低コストで作成できる。
【0014】本発明の請求項2のICメディアの作成方法によれば、ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部を設けるとともに、前記ICチップの表面や側壁などに密着してポリマー部材層を容易に形成することができ、その結果、ICチップを十分保護できるのと同時にICチップがポリマー部材層を介して基材に密着するので剥離することがなく、また従来のICチップ全体を内包するものと比べてポリマー部材の高さを低く設定(折曲げ耐性・押圧耐性を考慮すると、好ましくは、ICチップの高さの0.4〜2倍)でき、その結果、ポリマー部材が他のものと接触し難くなり、また、シートがラミネートされた場合でも、シートの部分破壊などが生じておらず、ラミネートされたシートとICチップとの接着性に優れ、さらに、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性にも優れるICチップを容易に低コストで作成できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のICメディアの作成方法の実施形態を、非接触型ICメディア(インレットシート)の作成方法を例示して詳細に説明する。図1を用いて、本発明のICメディアの作成方法の第1の実施形態を説明する。図2(a)は、図1で製造された非接触型ICメディア(インレットシート)の断面を模式的に説明する説明図であり、(b)は、その平面説明図である。図3(a)〜(d)は、凸部およびポリマー部材層を印刷・形成する工程を模式的に説明する説明図である。
【0016】図1に示したように先ず、(A)工程で、基材1を用意する。(B)工程で、基材1面の所定部に、導電ペーストを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法により図に示すパターンを有するアンテナ部2を形成する。(C)工程で、アンテナ部2の所定部にフェノール樹脂、ポリエステル樹脂などのポリマー部材6からなる熱硬化型絶縁ペーストを用いて図に示す絶縁部3を印刷した後、硬化乾燥するなどの方法により図に示す絶縁部3を形成する。(D)工程で、絶縁部3を形成後、この絶縁部3の上に導電ペーストを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法によりジャンパ部4を形成して、図中の2つのアンテナ部2間を導通して接続する。
【0017】(E)工程で、チップ実装部位に位置しているアンテナ部2間にICチップ5の接続端子7を突き刺さして導通するなどの方法によりICチップ5を実装する。
【0018】そして、ICチップ5を実装後、図3(a)に示すようにICチップ5よりやや大きい開口部30を有するメタルマスク(あるいはプラスチックマスク)31の前記開口部30内のほぼ中央にICチップ5が収まるようにメタルマスク31を重ね合わせる。そして図3(b)に示すようにゴム製スキージ32を反転使用してフェノール樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化型絶縁ペースト33を塗布する。このようにして熱硬化型絶縁ペースト33を塗布すると、図3(c)に示すように柔軟性のあるゴム製スキージ32の先端部の一部が塗布中に先ずICチップ5と開口部30の隙間に入り込み、ゴム製スキージ32が移動するとゴム製スキージ32の先端部の一部がICチップ5と開口部30の隙間からでるために、図3(d)、(e)に示すようにICチップ5の周囲に凸部6Aが印刷・形成されるとともに、同時にICチップの少なくとも側壁に密着してポリマー部材層6Bが印刷・形成される。凸部6Aおよびポリマー部材層6Bを印刷・形成後、硬化乾燥するなどの方法により凸部6Aおよびポリマー部材層6Bを硬化させて図1(E)に示す非接触ICメデイアaを形成する。
【0019】(F)工程で、このようにして形成した非接触ICメディアaの基材1の裏面に接着剤を塗布して接着剤層8を設け、インレットシートb(すなわち基材1面にさらにアンテナ部2が、その反対面に接着剤層8が設けられている非接触ICメディア)を形成する。
【0020】このようにして形成された非接触ICメディアは、ICチップ5の周囲にポリマー部材からなる凸部6Aが形成されおり、図2(a)に示すように凸部6Aの高さhがICチップ5の高さの0.4〜2倍程度高くしてあるので、その程度では、その上にさらに少なくとも1枚のシートをラミネートする際に、そのシートが凸部6Aにより部分破壊されてしまうことがなく、ICチップ5が凸部6Aにより保護されるので、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性に優れ、ICチップ5が破壊されたりなどしない。しかもICチップ5の表面や側壁に密着してポリマー部材層6Bが形成されているのでICチップ5が基材1によく接着されて剥離したりせず、その上にさらに他のシートをラミネートするとICチップ5と強く接着するので、信頼性に優れる。
【0021】凸部6Aの高さhがICチップ5の高さより低くても加重の分散効果があり有効であるが、0.4未満であると、その上にさらに少なくとも1枚のシートをラミネートするとICチップ5が凸部6Aにより充分に保護されないため曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性に劣り、信頼性が低下する。凸部6Aの高さhがICチップ5の高さtの2倍を超えて高くなると、ラミネートしない場合は、ポリマー部材が他のものと接触し易くなり、これに伴うICチップの剥離の危険性が高まり、その上にシートをラミネートする場合は、シートが凸部6Aにより部分破壊される恐れがあるので好ましくない。
【0022】上記の例では、図2(b)に示すように凸部6AはICチップ5の周囲に四角状に連続して形成した例を示したが、形状は四角状に限定されず、丸形状、三角形状、多角形状、あるいは形状不定の点の集合体などであってもよい。
【0023】また凸部6AはICチップ5の周囲に形成されていれば連続して形成されていなくてもよく、等間隔あるいは不等間隔あるいはこれらの組み合わせで形成するなど不連続で形成してもよい。不連続で形成すれば凸部6Aを形成するポリマー部材は絶縁ペーストなど絶縁性のものを用いることが好ましいが、導電ペーストなど導電性のものを用いることもできる。
【0024】図4(a)〜(c)は、凸部の形状などを説明する説明図である。(a)はICチップ5の周囲に丸形状に連続して形成した例を示し、(b)はICチップ5の周囲に四角状に不連続して形成した例を示し、(c)はICチップ5の周囲に丸形状に不連続して形成した例を示す。
【0025】上記の例では、凸部6Aおよびポリマー部材層6Bは(E)工程で、ICチップ5を実装した後に形成する例を示したが、これに特に限定されるものではなく、例えば、(F)工程で形成してもよい。
【0026】本発明においては、スキージのタイプは特に限定されない。しかし、スキージを反転使用することが必要である。図5(a)にスキージの通常の使用方法を示し、(b)にスキージを反転使用する例を示す。スキージ32は通常は図3(a)に示すように使用される。スキージ32を図3(a)に示すように使用してポリマー部材33を塗布すると、開口部30内にポリマー部材33が一杯に詰まった状態で印刷されるので、例えばマスク31の厚さを厚くすれば厚塗りができる。それに対して、図5(b)に示すようにスキージ32を反転使用すると、スキージ32の先端部の一部が塗布中に開口部30に入り込み、先端部が基材1の表面に接するようにしながら移動した後、スキージ32は開口部30からでるので、開口部30の内壁面に沿って図に示したように凸部6A(および図示しないがポリマー部材層6B)を印刷・形成することができる。
【0027】スキージ32の材質は、ゴムでも金属などでもよいが、メタルマスクやプラスチックマスクなどを傷つけないような材質が好ましく、本発明においてゴム製スキージや金属などの板にゴムをコーテイングしたスキージなどは好ましく使用できる。
【0028】ゴムの硬さは特に限定されるものではないが、JIS K6253−1997/ISO7619(デューロメータ使用)に準じて測定した硬さが、60°〜90°、望ましくは、70°〜80°であることが好ましい。硬さが60°未満では、ポリマー部材33の粘性などにもよるが、スキージ32の先端部が開口部30内のポリマー部材33を掻きだすことができない恐れがあり、ポリマー部材33を掻きだせないと良好な凸部6Aやポリマー部材層6Bを印刷・形成できない。硬さが90°を超えるとスキージが適度に湾曲せず、所望の凸部が形成できなくなる。また、市販品の入手が困難で不経済となる。
【0029】スキージ32のスキージブレード角度(図5にθ1で示した角度)は特に限定されるものではないが、30° 〜80° のものが好ましく、望ましくは、45°前後であることが好ましい。スキージブレード角度(θ1)が30° 未満ではスキージ32の先端部が細くなって強度が低下し開口部30内のポリマー部材33を掻きだすことができない恐れがあり、スキージブレード角度(θ1)が80° を超えるとスキージ32の材質にもよるが、柔軟性がなくなりスキージ32の先端部が開口部30内に入らない恐れがある。
【0030】スキージ32のスキージ角度(図5にθ2で示した角度)は特に限定されるものではないが、60° 〜90° が好ましく、望ましくは、70°〜85°前後であることが好ましい。スキージ角度(θ2)が60° 未満ではスキージ32の先端部が開口部30内のポリマー部材33を掻きだすことができない恐れがあり、スキージ角度(θ2)が90° を超えるとやはりスキージ32の先端部が開口部33内のポリマー部材33を掻きだすことができない恐れがある。
【0031】スキージ32の押圧力は特に限定されるものではないが、0.03〜0.5MPaであることが好ましい。スキージ32の押圧力はスキージ32を用いて印刷する際に基材1の裏面の開口部30に対応する位置に圧力センサを置き電流値を測定する方法(ニッタビッグマット社製などを使用)や、押圧するとマイクロカプセルが破壊されることを利用して測定する方法(富士フィルム社製、プレスケールなど)により測定できる。押圧力が0.03MPa未満ではスキージ32の先端部が開口部30内のポリマー部材33を掻きだすことができない恐れがあり、押圧力が0.5MPaを超えるとICチップ5が破壊される恐れがある。
【0032】本発明においてマスクは、金属で作られたメタルマスクあるいはプラスチックで作られたプラスチックマスクが好ましく使用できる。マスクの大きさ、厚さ、形状などは特に限定されない。マスクの厚さの例としては、例えば約50〜1000μmを挙げることができる。マスクには予め1個あるいは2個以上の開口部30を設けておく。開口部30の大きさや形状などはICチップ5に合わせて設計、製作されるものであり特に限定されるものではない。
【0033】図6を用いて、本発明のICメディアの作成方法の第2の実施形態を説明する。図7(a)は、図6で製造された非接触型ICメディア(インレットシート)の断面を模式的に説明する説明図であり、(b)は、その平面説明図である。図6に示すように、先ず(A)工程で、基材1を用意する。(B)工程で、基材1面の所定部に、導電ペーストを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法により図に示すパターンを有するアンテナ部2を形成する。(C)工程で、アンテナ部2の所定部にフェノール樹脂、ポリエステル樹脂などのポリマー部材6からなる熱硬化型絶縁ペーストを用いて図に示す絶縁部3を印刷するとともに下記の(E)工程で実装されるICチップ5の周囲を囲うようにポリマー部材からなる凸部6Aを印刷形成後、硬化乾燥するなどの方法により図に示す絶縁部3および凸部6Aを形成する。凸部6Aは次のようにして形成する。
【0034】すなわち、例えば前記図3に示したように基材1上に、開口部30を有するメタルマスクあるいはプラスチックマスク31を重ね合わせ、その上からスキージ32を前記のように反転使用してポリマー部材33を塗布すると、基材1上に開口部30の内壁面に沿ってポリマー部材からなる凸部6Aが印刷される。凸部6Aを形成後、必要に応じて硬化・乾燥する。(D)工程で、絶縁部3および凸部6Aを形成後、この絶縁部3の上に導電ペーストを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法によりジャンパ部4を形成して、図中の2つのアンテナ部2間を導通して接続する。(E)工程で、基材1の凸部6Aで囲まれたチップ実装部位に位置しているアンテナ部2間にICチップ5の接続端子7を突き刺さして導通するなどの方法によりICチップ5を実装して非接触ICメディアaを形成する。(F)工程で、このようにして形成した非接触ICメディアaの基材1の裏面に接着剤を塗布して接着剤層8を設け、インレットシートb(すなわち基材1面にさらにアンテナ部2が、その反対面に接着剤層8が設けられている非接触ICメディア)を形成する。
【0035】このようにして形成された非接触ICメディア(インレットシート)は、ICチップ5の周囲にポリマー部材からなる凸部6Aが形成されおり、図7(a)に示すように凸部6Aの高さhがICチップ5の高さtの0.7〜2倍高くしてあるので、その程度では、その上にさらに少なくとも1枚のシートをラミネートする際に、そのシートが凸部6Aにより部分破壊されてしまうことがなく、ICチップ5が凸部6Aにより保護されるので、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性に優れ、ICチップ5が破壊されたりなどせず、信頼性に優れる。
【0036】凸部6Aの高さhがICチップ5の高さt未満であっても加重の分散効果があり有効であるが、0.7倍未満であると、その上にさらに少なくとも1枚のシートをラミネートするとICチップ5が凸部6Aにより充分に保護されないため曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性に劣り、信頼性が低下する。逆に、凸部6Aの高さhをICチップ5の高さtの2倍を超えて高くすると、ラミネートしない場合は、ポリマー部材が他のものと接触し易くなり、これに伴うICチップ5の剥離の危険性が高まり、その上にシートをラミネートする場合は、シートが凸部6Aにより部分破壊される虞がある。
【0037】上記の例では、図7(b)に示すように凸部6AはICチップ5の周囲に四角状に連続して形成した例を示したが、形状は四角状に限定されず、前記のように丸形状、三角形状、多角形状、あるいは形状不定の点の集合体などであってもよい。
【0038】また凸部6AはICチップ5の周囲に形成されていれば連続して形成されていなくてもよく、等間隔あるいは不等間隔あるいはこれらの組み合わせで形成するなど不連続で形成してもよい。不連続で形成すれば凸部6Aを形成するポリマー部材は絶縁ペーストなど絶縁性のものを用いることが好ましいが、導電ペーストなど導電性のものを用いることもできる。
【0039】上記の例では、凸部6Aは(C)工程で、絶縁ペーストなどを用いて絶縁部3とともに形成する例を示したが、凸部6Aを形成する工程はこれに限定されず、ICチップ5を実装する前の(B)工程、(D)工程、あるいは(E)工程で形成してもよく、またICチップ5を実装した後の(E)工程や、(F)工程で形成してもよい。
【0040】凸部6Aおよびポリマー部材層6Bを形成するポリマー部材は、絶縁ペーストなど絶縁性のものを用いても導電ペーストなど導電性のものを用いることもできる。しかし絶縁ペーストなど絶縁性のものを用いることが好ましい。具体的なポリマー部材としては、例えば、アクリレート化合物、メタクリレート化合物、プロペニル化合物、アリル化合物、ビニル化合物、アセチレン化合物、不飽和ポリエステル類、エポキシポリ(メタ)アクリレート類、ポリ(メタ)アクリレートポリウレタン類、ポリエステルポリオールポリ(メタ)アクリレート類、ポリエーテルポリオールポリ(メタ)アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、スチレン、α−アルキルスチレン、その他のエポキシ化合物などの熱硬化性あるいは放射線硬化性の硬化性樹脂を挙げることができる。これらは2種以上を混合して用いてもよい。
【0041】必要に応じて、液状ポリブテン、鉱油、液状ポリイソブチレン、液状ポリアクリル酸エステル、粘着付与剤、ロジンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂などを添加することができる。また必要に応じて有機溶剤で希釈することもできる。
【0042】また必要に応じて充填剤を配合することができる。充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラックなどを挙げることができる。これらは2種以上を混合して用いてもよい。充填剤の配合量は特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して30〜85質量%に設定することが好ましい。
【0043】本発明で用いるエポキシ化合物は1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、硬化して樹脂状になるエポキシ化合物であればよく特に限定されず、公知のエポキシ化合物を用いることができる。
【0044】本発明で用いるエポキシ化合物の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、ヒダントイン型エポキシ化合物など、これらの2種以上の混合物などを挙げることができる。
【0045】本発明においては、エポキシ化合物に反応性希釈剤を添加してもよい。反応性希釈剤としては1分子中に1個または2個以上のエポキシ基を有する常温で比較的低粘度のエポキシ化合物が好ましく使用でき、目的に応じて、エポキシ基以外に、他の重合性官能基、例えばビニル基、アリル基などのアルケニル基、(メタ)クリロイル基などの不飽和カルボン酸基などを有していてもよい。
【0046】本発明で用いる硬化剤としては、フェノール樹脂、酸無水物、アミン系化合物などを用いることができる。フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾーロノボラック樹脂、ナフトール変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0047】エポキシ化合物と硬化剤のフェノール樹脂の配合割合は、エポキシ化合物中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中のOH当量が0.3〜1.5当量となることが好ましく、0.5〜1.2当量がさらに好ましい。
【0048】酸無水物としては、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、アルキル化テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水メチルハイミック酸、無水ドデセニルコハク酸などが例示される。
【0049】エポキシ化合物と酸無水物の配合割合は、エポキシ化合物中のエポキシ基1当量あたり、酸無水物当量が0.6〜1.0となることが好ましい。
【0050】アミン化合物としては、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、ポリアミノアミド、ポリアミノイミド、ポリアミノエステル、ポリアミノ尿素などの変性ポリアミンが例示されるが、これらに限定されるものではない。第三級アミン系、イミダゾール系、ヒドラジド系、ジシアンジアミド系、メラミン系の化合物も用いることができる。
【0051】エポキシ化合物とアミン化合物の配合割合は、エポキシ化合物中のエポキシ基1当量あたり、アミン当量が0.6〜1.0となる量が好ましい。
【0052】本発明で用いるポリマー部材に、必要に応じて可撓性付与剤を配合することができる。可撓性付与剤としては、具体的には、例えば、ポリエステル系可撓性付与剤、アクリル系可撓性付与剤、ウレタン系可撓性付与剤、ポリ酢酸ビニル系可撓性付与剤、熱可塑性エラストマー系可撓性付与剤、天然ゴム系可撓性付与剤、合成ゴム系可撓性付与剤およびこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。これらはいずれも使用できるが、これらの中でもポリエステルポリオール、ポリビニルアルキルエーテルおよびこれらの2種以上の混合物は効果が大きいので好ましく使用できる。
【0053】可撓性付与剤のポリマー部材中への配合量は、可撓性付与剤の種類にもよるが、接着強度を向上したり、可撓性、柔軟性を付与できる範囲であれば、特に限定されるものではないが、ポリマー部材全体に対して30〜70質量%の範囲に設定することが好ましい。30質量%未満では可撓性、柔軟性を付与できない恐れがあり、70質量%を越えると接着強度が低下する恐れがある。
【0054】本発明においては硬化を促進するために、さらに硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては、特に限定されないが具体的には、例えばイミダゾール系、第三級アミン系、リン化合物など、エポキシ化合物の硬化促進剤として用いられているものを例示でき、使用目的や必要とする硬化条件によって選択して使用できる。これらは単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。硬化促進剤の配合量はポリマー部材全体に対して0.5〜2.0質量%に設定することが好ましい。
【0055】本発明においてはポリマー部材にさらに充填剤を配合することができる。充填剤としては無機系微粒子でも、有機系微粒子でも、あるいは両者の混合物を挙げることができる。
【0056】無機系微粒子の具体例としては、例えば、シリカ微粒子では、ミズカシルP−526、P−801、P−527、P−603、P832、P−73、P−78A、P−78F、P−87、P−705、P−707、P−707D(水沢化学社製)、Nipsil E200、E220、SS−10F、SS−15、SS−50(日本シリカ工業社製)、SYLYSIA730、310(富士シリシア化学社製)など、炭酸カルシウム微粒子では、Brilliant−15、Brilliant−S15、Unibur−70、PZ、PX、ツネックスE、Vigot−10、Vigoto−15、Unifant−15FR、Brilliant−1500、ホモカルD、ゲルトン50(白石工業社製)などを、スルホ・アルミン酸カルシウム微粒子では、サチンホワイトSW、SW−B、SW−BL((白石工業社製)などを、アルミナ微粒子では、AL−41G、AL−41、AL−42、AL−43、AL−44、AL−41E、AL−42E、AL−M41、AL−M42、AL−M43、AL−M44、AL−S43、AM−21、AM−22、AM−25、AM−27(住友化学社製)、酸化アルミニウムC(日本アエロジル社製)などを、二酸化チタン微粒子では二酸化チタンT805、P25(日本アエロジル社製)などを挙げることができる。
【0057】有機系微粒子の具体例としては、例えば、四フッ化エチレン樹脂(三井デュポンフルオロケミカル社 テフロン(登録商標)30J)、六フッ化ビニリデン樹脂(ダイキン工業 ネオフロンCTFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(ダイキン工業 ネオフロンVDF)、六フッ化プロピレン樹脂(ダイキン工業 ネオフロンFEP)、フッ化エチレン−プロピレン共重合体樹脂(三井デュポンフルオロケミカル社 テフロン(登録商標)120J)、各種デンプン系微粒子、微粒状アクリル樹脂、微粒状メタクリル樹脂などが挙げられる。これらの微粒子は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0058】充填剤の配合量は特に限定されるものではないが、好ましくはポリマー部材全体に対して30〜85質量%の範囲が望ましい。
【0059】本発明においてはポリマー部材にさらに必要に応じて、溶媒、臭素化合物やリン化合物などの難燃剤、シリコーン系ポリマーやそれを含む消泡剤、カーボンブラック、有機顔料などの着色剤、カップリング剤、増粘剤、チキソトロピー剤、沈殿防止剤、酸化防止剤、分散剤などを加えてもよい。これらの添加量はポリマー部材全体の35質量%以下が好ましい。
【0060】本発明で用いるポリマー部材は、例えば、上記の成分をホモジナイザーなどの攪拌機で均一に混合した後、3本ロールあるいはニーダーなどの混練機でさらに均一に分散することにより製造されるが、製法はこの方法に限定されるものではない。
【0061】本発明で用いる基材としては、セラミックス、ガラスをはじめガラス繊維、アルミナ繊維、などの無機繊維あるいはポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維の織物あるいは不織布、マット、紙、それらと熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂との複合材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、シリコーンなどに代表されるプラスチックスなどの基材の他、ポリアミド系樹脂基材、エチレン・ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理、あるいは各種易接着処理などの表面処理を施したもの、などの公知のものから選択して用いることができる。
【0062】本発明に使用するICチップ5は公知の任意のものを用いることができる。
【0063】また、本発明が非接触ICメディアの場合は、それに対応してアンテナ部2のパターンを任意に設計することができる。ICチップ5とアンテナ部2を確実に接続、固定するに当たってはワイヤーボンデイングや公知の熱硬化性接着剤が用いられ、熱硬化性接着剤としては具体的には、ACF(Anisotropic ConductiveFilm(異方導電性フィルム))、ACP(AnisotropicConductivePaste(異方導電性ペースト))などの異方導電性接着物質を用いたり、NCF(Non−Conductive Film(絶縁性フィルム))、近年にあってはNCP(Non−Conductive Paste(絶縁性ペースト))などの絶縁接着物質(導電物質を含まない接着物質)や両面テープなどを用いることができ、塗布するにはディスペンス法、印刷法、スプレー法などを用いることができる。これらの中でもACPあるいはNCPを用いてディスペンス法あるいは印刷法で行うことが好ましい。
【0064】本発明に使用するICチップ5の接続端子には、必要に応じて、金属電解メッキ、スタッド、無電解金属メッキ、導電性樹脂の固定化などによるバンプ7を形成しておいてもよい。
【0065】ICチップ5の実装の際、必要に応じて圧力、および接着剤に応じて熱、光、高周波などの電磁波、超音波などのエネルギーを与えてもよい。さらにICチップ5の実装の後、固定化を十分にするために、後硬化を行ってもよい。
【0066】本発明において用いるマスクは、金属で作られたメタルマスクあるいはプラスチックで作られたプラスチックマスクが好ましく使用できる。マスクの大きさ、厚さ、形状などは特に限定されない。マスクの厚さの例としては、例えば約50〜1000μmを挙げることができる。マスクには予め1個あるいは必要に応じて2個以上の開口部を設けておく。開口部の大きさや形状などはICチップに合わせて設計、製作されるものであり特に限定されるものではない。
【0067】図8は図1(F)あるいは図6(F)に示したインレットシートbを用いて形成された非接触型ICカードの断面を説明する説明図であり、図9は非接触型ICカードの平面説明図である。図8に示すように、非接触式ICカード20は、インレットシートbの下面に接着剤層8を介してオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)9がラミネートされており、インレットシートbの上面に接着剤層10を介してオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11がラミネートされており、図9に示すように、オーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11の上面の所定箇所に社章25、必要な印字26が形成されている。
【0068】なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0069】
【実施例】以下実施例および比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0070】(実施例1)ポリマー部材としてオームコートXR1012−168B(ナミックス(株)社製)を用いて(加熱条件:150℃、30分硬化)図1(A)〜(F)に示した工程に従ってインレットシートbを作成した。ICチップ5の高さt=200μmであり、凸部6Aの高さh=250μm、そしてICチップ5の側壁にポリマー部材層6Bが形成されるとともに表面上にポリマー部材層6Bが20μm厚さで形成された。次いでこのインレットシートbを用いて図8に示した断面構造を有する非接触型ICカード20を作成した。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。丸形状の開口部を有するメタルマスク(SUS)を用い、開口部の内径より幅の広い幅広エッジのゴム製スキージ(スキージブレード角度Θ1=45°、片側研磨、硬さ80°)を反転使用してスキージ角度Θ2=70°で移動させて前記ポリマー部材7を、スキージ6の押圧力0.1MPa、速度5cm/secで塗布した。
耐曲折性の試験:インレットシートbを各種直径のステンレス棒に巻き付けた後、リード/ライト試験により耐曲折性を評価した。通信が途切れなかった一番小さなステンレス棒の直径を測定し、この直径で耐曲折性を表した。
耐圧試験:非接触型ICカードを水平なテーブル上に置き、凸部よりやや大きな直径を有する加圧棒で圧力を加え、通信が途切れるまでの力(N:ニュートン)を測定した。試験の結果、耐曲折性20mm、耐圧性50Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れていた。
【0071】(実施例2)ICチップ5の表面上にポリマー部材層6Bを200μm厚さで形成した以外は実施例1と同様にしてインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性25mm、耐圧性50Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れていた。非接触型ICカード20のインレットシートbの上面に貼着したオーバーシート材11のICチップ5との接着力は7Nであり、接着性が良好であった。
【0072】(実施例3)凸部6Aの形状を丸形状とし、ICチップ5の表面上にポリマー部材層6Bを200μm厚さで形成した以外は実施例1と同様にしてインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性25mm、耐圧性45Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れていた。
【0073】(実施例4)ポリマー部材としてCRP−X432(住友ベークライト(株)社製)を用い、ICチップ5の表面上にポリマー部材層6Bを200μm厚さで形成した以外は実施例1と同様にしてインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性25mm、耐圧性45Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れていた。
【0074】(比較例1)凸部6Aおよびポリマー部材層6Bを作成しなかった以外は実施例1と同様にして比較のためのインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性30mm、耐圧性25Nであり、耐曲折性および耐圧性に劣る。非接触型ICカード20のインレットシートbの上面に貼着したオーバーシート材11のICチップ5との接着力は4Nであり、接着性に劣る。
【0075】(比較例2)実施例1と同じポリマー部材を用いて凸部6Aを形成(h=250μm)し、ICチップ5の側壁や表面上にポリマー部材層6Bを形成しなかった以外は実施例1と同様にして比較のためのインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性25mm、耐圧性40Nであり、耐曲折性および耐圧性がやや劣る。非接触型ICカード20のインレットシートbの上面に貼着したオーバーシート材11のICチップ5との接着力は6Nであり、接着性にやや劣る。
【0076】(実施例5)ポリマー部材としてオームコートXR1012−168B(ナミックス(株)社製)を用いて(加熱条件:150℃、30分硬化)図6(A)〜(F)に示した工程に従ってインレットシートbを作成し、次いで、このインレットシートbを用いて図7(a)に示した断面構造を有する非接触型ICカード20を作成した。ICチップ5の高さt=200μm、凸部6Aの高さh=350μmであった。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。丸形状の開口部を有するプラスチックマスク(ポリエチレンテレフタレートPET)を用い、開口部の内径より幅の広い幅広エッジのゴム製スキージ(スキージブレード角度θ1=45°、片側研磨、硬さ60°)を反転使用してスキージ角度θ2=70°で移動させて前記ポリマー部材を、スキージ6の押圧力0.2MPa、速度10cm/sec/で塗布した。試験の結果、耐曲折性20mm、耐圧性50N以上であり、耐曲折性および耐圧性に優れている。
【0077】(実施例6)凸部6Aの形状を丸形状とし、凸部6Aの高さh=200μmとした以外は実施例5と同様にしてインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性25mm、耐圧性45Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れていた。
【0078】(実施例7)凸部6Aの形状を丸形状とした以外は実施例5と同様にしてインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性20mm、耐圧性75Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れていた。
【0079】(実施例8)ポリマー部材としてCRP−X432(住友ベークライト(株)社製)を用い、凸部6Aの形状を丸形状とし、凸部6Aの高さh=200μmとした以外は実施例5と同様にしてインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性25mm、耐圧性50Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れていた。
【0080】(実施例9)ポリマー部材としてCRP−X432(住友ベークライト(株)社製)を用い、凸部6Aの形状を丸形状とし、凸部6Aの高さh=350μmとした以外は実施例5と同様にしてインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性20mm、耐圧性80Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れていた。
【0081】(比較例3)凸部6Aを作成しなかった以外は実施例5と同様にして比較のためのインレットシートbおよび非接触型ICカードを作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性30mm、耐圧性25Nであり、耐曲折性および耐圧性に劣る。
【0082】(比較例4)実施例5と同じポリマー部材を用いて図10、11に示すポリマー部材6(ポリマー部材6の高さ=500μm)を作成した以外は実施例5と同様にして比較のためのインレットシートbを作成して、耐曲折性試験を行った。インレットシートbの上面にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートしようとするとポリマー部材6によりオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11が破壊されラミネートできなかったので比較のための非接触型ICカードを作成できず、したがって耐圧試験は行えなかった。試験の結果、耐曲折性15mmであり、耐曲折性には優れる。
【0083】
【発明の効果】本発明のICメディアの作成方法によれば、ICチップの周囲に樹脂部材からなる凸部、好ましくはすり鉢状形態の凸部を設けるか、さらに、この凸部とともにICチップの表面や側壁などに密着して樹脂部材層を形成することにより、ICチップを十分保護できるのと同時にICチップが樹脂部材層を介して基材に密着するので剥離することがなく、また従来のICチップ全体を内包するものと比べて樹脂部材の高さを低く設定でき、その結果、樹脂部材が他のものと接触し難くなり、また、シートがラミネートされた場合でも、シートの部分破壊などが生じておらず、ラミネートされたシートとICチップとの接着性に優れ、さらに、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性にも優れるICメディアを作成する際、スキージを通常の向きで使用するのではなく、スキージを反転使用することにより、生産速度下げることなく、転写されるポリマー部材の量を増やすことができ、より好適に基材上のICチップの周囲に凸部、特にすり鉢状形態の凸部を有するICメディアを作成できるという顕著な効果を奏する。




 

 


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