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発明の名称 耐曲折性を有するICメディア
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−196631(P2003−196631A)
公開日 平成15年7月11日(2003.7.11)
出願番号 特願2001−396906(P2001−396906)
出願日 平成13年12月27日(2001.12.27)
代理人 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【テーマコード(参考)】
2C005
5B035
【Fターム(参考)】
2C005 MA09 MA10 MA11 MB01 NA08 NA09 NB03 NB06 NB36 NB37 PA03 PA14 PA17 PA21 RA12 
5B035 AA07 AA08 BA05 BB09 CA02 CA03
発明者 丸山 徹
要約 課題
ポリマー部材によるICチップの強力な封止ができるICチップ封止部およびICチップ封止部を有する耐曲折性が高くかつ上方からの押圧に対する耐性にも優れるICチップ実装メディアの提供。

解決手段
ICチップを囲うようにポリマー部材からなる凸部が凸部が形成されるとともに前記ICチップの少なくとも側壁に密着してポリマー部材層が形成されており、前記凸部の高さが前記ICチップの高さの0.4〜2倍であるICメディアにより課題を解決できる。前記ICチップが実装されてなる基材面に、さらに少なくとも1枚のシートがラミネートされていることが好ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】 基材面にICチップが実装されてなり、前記ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部が形成されるとともに前記ICチップの少なくとも側壁に密着してポリマー部材層が形成されたICメデイアであって、前記凸部の高さが前記ICチップの高さの0.4〜2倍であることを特徴とする耐曲折性を有するICメディア。
【請求項2】 前記ICチップが実装されてなる基材面に、さらに少なくとも1枚のシートがラミネートされていることを特徴とする請求項1記載のICメディア。
【請求項3】 前記基材面にさらにアンテナ部が、その反対面に接着剤層が設けられてなり、非接触データ送受信機能を有するインレットシートであることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のICメディア。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規の形態にて保護されたICチップを実装した耐曲折性を有するICメディア、例えば、接触型・非接触あるいはハイブリッド型のICカード・ラベル・タグ・フォームなどの情報記録媒体やインターポーザ、インレットシートなどの情報記録部材、さらには機器類に組み込まれるIC基板などを含めた全般的な耐曲折性を有するICメディアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ICチップを保護する形態としては、ポリマー部材(封止剤)をもってICチップ全体を内包させるものであり、したがって、このように保護されたICチップを有した構成のICメディアが一般的であった。例えば、ここで、ICメディアが非接触型ICカード、タグ、ラベルなどのように非接触状態でデータの送受信を行ってデータの記録、消去などが行える情報記録媒体の用途に用いられる非接触型ICメディアの構成について述べる。このICメディアは、基材上に導電材よりなるアンテナ部を配置し、そのアンテナ部にICチップを実装した構成を有している。この非接触型データ送受信体のアンテナ部にあっては、例えば、導電ペーストにより印刷形成し、ICチップにあっては、例えば、基材のチップ実装部位に位置しているアンテナ部の端子部に突き刺さって導通を図る接続端子を備えたものが採用されている。
【0003】図7を用いて非接触型ICメディアを製造する工程を説明する。図8は、図7で製造された非接触型ICメディアの断面を模式的に説明する説明図である。(A)工程で、基材1を用意する。(B)工程で、基材1面の所定部に、導電ペーストを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法により図に示すパターンを有するアンテナ部2を形成する。(C)工程で、アンテナ部2の所定部に絶縁ペーストを用いて印刷後、硬化乾燥するなどの方法により図に示す絶縁部3を形成する。(D)工程で、絶縁部3を形成後、この絶縁部3の上に導電ペーストを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法によりジャンパ部4を形成して、図中の2つのアンテナ部2間を導通して接続する。(E)工程で、基材1の図に示すチップ実装部位に位置しているアンテナ部2間にICチップ5の接続端子7を突き刺さして導通するなどの方法によりICチップ5を実装する。(F)工程で、実装したICチップ5にフェノール樹脂、ポリエステル樹脂などのポリマー部材6からなる熱硬化型絶縁ペーストを、ポッティング方式にて被覆した後、硬化させてICチップ5を封止して非接触ICメディアを形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにして形成されたICメディアでは、ポッティング方式にてICチップ5がポリマー部材(封止剤)6によりICチップ全体が内包されるように保護されているため、曲げ耐性があり信頼性に優れているが、図8に示したようにICチップ全体を内包するため、ポリマー部材の盛り上がりがICチップの高さに比べて非常に大きく、その結果、この盛り上がり部が他のものと接触し易くなり、これに伴うICチップの剥離の危険性もあった。また、このICメディア上にシートをラミネートする場合、例えば、非接触型ICカードを製造する場合、無理にラミネートしたシートが、盛り上がったポリマー部材6により部分破壊されてしまう問題などもあった。なお、仮にポリマー部材6を使用しないと、カード化する際にラミネートしたシートがポリマー部材6により破壊されてしまうことはなくなるが、曲げ耐性に劣る上、上方からの押圧に対する耐性にも劣る問題がある。
【0005】本発明の目的は、ICチップを保護するポリマー部材を盛り上げず、他のものと接触し難くし、これに伴うICチップの剥離もなく、また、シートがラミネートされた場合でも、シートの部分破壊などが生じておらず、さらに、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性にも優れるなど、信頼性の高い耐曲折性を有するICメディアを提供することであり、そして、さらに本発明の最も好適なICメディアとして、基材面にアンテナ部が設けられてなる非接触データ送受信機能を有する信頼性の高い耐曲折性を有するインレットシートを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の請求項1の耐曲折性を有するICメディアは、基材面にICチップが実装されてなり、前記ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部が形成されるとともに前記ICチップの少なくとも側壁に密着してポリマー部材層が形成されたICメデイアであって、前記凸部の高さが前記ICチップの高さの0.4〜2倍であることを特徴とする。
【0007】本発明の請求項2の耐曲折性を有するICメディアは、請求項1記載のICメディアにおいて、前記ICチップが実装されてなる基材面に、さらに少なくとも1枚のシートがラミネートされていることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3の耐曲折性を有するICメディアは、請求項1あるいは請求項2記載のICメディアにおいて、前記基材面にさらにアンテナ部が、その反対面に接着剤層が設けられてなり、非接触データ送受信機能を有するインレットシートであることを特徴とする。
【0009】このように、本発明の耐曲折性を有するICメディアは、ICチップの周囲に、その高さを前記ICチップの高さの0.4〜2倍としたポリマー部材からなる凸部を設けるとともに前記ICチップの表面や側壁などに密着してポリマー部材層を形成したことにより、ICチップを十分保護できるのと同時にICチップがポリマー部材層を介して基材に密着するので剥離することがなく、また従来のICチップ全体を内包するものと比べてポリマー部材の高さを低く設定でき、その結果、ポリマー部材が他のものと接触し難くなり、また、シートがラミネートされた場合でも、シートの部分破壊などが生じておらず、ラミネートされたシートとICチップとの接着性に優れ、さらに、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性にも優れるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明ICメディアの実施形態を、インレットシートを例示して詳細に説明する。図1を用いて本発明の実施形態である非接触型ICメディア(インレットシート)の製造工程を説明する。図2(a)は、図1で製造された非接触型ICメディア(インレットシート)の断面を模式的に説明する説明図であり、(b)は、その平面説明図である。図3(a)〜(d)は、凸部およびポリマー部材層を印刷・形成する工程を模式的に説明する説明図である。
【0011】図1に示したように先ず、(A)工程で、基材1を用意する。(B)工程で、基材1面の所定部に、導電ペーストを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法により図に示すパターンを有するアンテナ部2を形成する。(C)工程で、アンテナ部2の所定部にフェノール樹脂、ポリエステル樹脂などのポリマー部材6からなる熱硬化型絶縁ペーストを用いて図に示す絶縁部3を印刷する後、硬化乾燥するなどの方法により図に示す絶縁部3を形成する。(D)工程で、絶縁部3を形成後、この絶縁部3の上に導電ペーストを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法によりジャンパ部4を形成して、図中の2つのアンテナ部2間を導通して接続する。
【0012】(E)工程でチップ実装部位に位置しているアンテナ部2間にICチップ5の接続端子7を突き刺さして導通するなどの方法によりICチップ5を実装する。
【0013】そして、ICチップ5を実装後、図3(a)に示すようにICチップ5よりやや大きい開口部30を有するメタルマスク(あるいはプラスチックマスク)31の前記開口部30内のほぼ中央にICチップ5が収まるようにメタルマスク31を重ね合わせる。そして図3(b)に示すようにゴム製スキージ32を用いてフェノール樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化型絶縁ペースト33を塗布する。このようにして熱硬化型絶縁ペースト33を塗布すると、図3(c)に示すように柔軟性のあるゴム製スキージ32の先端部の一部が塗布中に先ずICチップ5と開口部30の隙間に入り込み、ゴム製スキージ32が移動するとゴム製スキージ32の先端部の一部がICチップ5と開口部30の隙間からでるために、図3(d)、(e)に示すようにICチップ5の周囲に凸部6Aが印刷・形成されるとともに、同時にICチップの少なくとも側壁に密着してポリマー部材層6Bが印刷・形成される。凸部6Aおよびポリマー部材層6Bを印刷・形成後、硬化乾燥するなどの方法により凸部6Aおよびポリマー部材層6Bを硬化させて図1(E)に示す非接触ICメデイアaを形成する。
【0014】(F)工程で、このようにして形成した非接触ICメディアaの基材1の裏面に接着剤を塗布して接着剤層8を設け、インレットシートb(すなわち基材1面にさらにアンテナ部2が、その反対面に接着剤層8が設けられている非接触ICメディア)を形成する。
【0015】このようにして形成された非接触ICメディア(インレットシート)は、ICチップ5の周囲にポリマー部材からなる凸部6Aが形成されおり、図2(a)に示すように、凸部6Aの高さhはICチップ5の高さtの1.3倍程度である。その程度では、その上にさらに少なくとも1枚のシートをラミネートする際に、そのシートが凸部6Aにより部分破壊されてしまうことがなく、ICチップ5が凸部6Aにより保護されるので、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性に優れ、ICチップ5が破壊されたりなどせず、信頼性に優れる。しかもICチップ5の表面や側壁に密着してポリマー部材層6Bが形成されているのでICチップ5が基材1によく接着されて剥離したりせず、その上にさらに他のシートをラミネートするとICチップ5と強く接着するので、信頼性に優れる。
【0016】本発明では、凸部6Aの高さhをICチップ5の高さtの0.4〜2倍とするものであるが、これは、凸部6Aの高さhがICチップ5の高さtの0.4倍未満であると、ICチップ5が凸部6Aにより充分に保護されないため、曲げ耐性および上方からの押圧に対する耐性に劣り、信頼性が低下する。なお、ICチップ5の表面や側壁に密着してポリマー部材層6Bが形成されていない場合は、凸部6Aの高さhがICチップ5の高さtの0.7倍以上でないと同様の効果が得られない。逆に、凸部6Aの高さhがICチップ5の高さtの2倍を超えて高くすると、ラミネートしない場合は、ポリマー部材が他のものと接触し易くなり、これに伴うICチップの剥離の危険性が高まり、シートをさらにラミネートする場合は、シートが凸部6Aにより部分破壊される虞がある。好ましくは、凸部6Aの高さhは、ICチップ5の高さtより20〜60%高くするの程度が良い。
【0017】上記の例では、図2(b)に示すように凸部6AはICチップ5の周囲に四角状に連続して形成した例を示したが、形状は四角状に限定されず、丸形状、三角形状、多角形状、あるいは形状不定の点の集合体などであってもよい。
【0018】また凸部6AはICチップ5の周囲に形成されていれば連続して形成されていなくてもよく、等間隔あるいは不等間隔あるいはこれらの組み合わせで形成するなど不連続で形成してもよい。不連続で形成すれば凸部6Aを形成するポリマー部材は絶縁ペーストなど絶縁性のものを用いることが好ましいが、導電ペーストなど導電性のものを用いることもできる。
【0019】図4(a)〜(c)は、凸部の形状などを説明する説明図である。(a)はICチップ5の周囲に丸形状に連続して形成した例を示し、(b)はICチップ5の周囲に四角状に不連続して形成した例を示し、(c)はICチップ5の周囲に丸形状に不連続して形成した例を示す。
【0020】上記の例では、凸部6Aおよびポリマー部材層6Bは(E)工程で、ICチップ5を実装した後に形成する例を示したが、これに特に限定されるものではなく、例えば、(F)工程で形成してもよい。
【0021】上記の例では、凸部6Aおよびポリマー部材層6Bの形成はゴム製スキージを用いるメタル(あるいはプラスチック)マスク法で形成する例を示したが、形成方法も特に限定されるものではなく、公知の印刷法(例えば、スクリーン印刷法など)、デイスペンス法、スプレー法など既知の方法を用いることができる。凸部6Aとポリマー部材層6Bは別々に形成してもよいが、上記の例のように凸部6Aとポリマー部材層6Bを同時に形成する方が手間が省け、コストダウンとなるので好ましい。また、凸部6Aの形成後、その上部に、さらにトッピングフォイルを積載したり、シールなどを貼付しても構わない。
【0022】図5は図1(E)に示したインレットシートbを用いて形成された非接触型ICカードの断面を説明する説明図であり、図6は非接触型ICカードの平面説明図である。図5に示すように、非接触式ICカード20は、インレットシートbの下面に接着剤層8を介してオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)9がラミネートされており、インレットシートbの上面に接着剤層10を介してオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11がラミネートされており、図6に示すように、オーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11の上面の所定箇所に社章25、必要な印字26が形成されている。
【0023】凸部6Aおよびポリマー部材層6Bを形成するポリマー部材は絶縁ペーストなど絶縁性のものを用いても導電ペーストなど導電性のものを用いることもできる。しかし絶縁ペーストなど絶縁性のものを用いることが好ましい。具体的なポリマー部材としては、例えば、アクリレート化合物、メタクリレート化合物、プロペニル化合物、アリル化合物、ビニル化合物、アセチレン化合物、不飽和ポリエステル類、エポキシポリ(メタ)アクリレート類、ポリ(メタ)アクリレートポリウレタン類、ポリエステルポリオールポリ(メタ)アクリレート類、ポリエーテルポリオールポリ(メタ)アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、スチレン、α−アルキルスチレン、その他のエポキシ化合物などの熱硬化性あるいは放射線硬化性の硬化性樹脂を挙げることができる。これらは2種以上を混合して用いてもよい。
【0024】必要に応じて、液状ポリブテン、鉱油、液状ポリイソブチレン、液状ポリアクリル酸エステル、粘着付与剤、ロジンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂などを添加することができる。また必要に応じて有機溶剤で希釈することもできる。
【0025】また必要に応じて充填剤を配合することができる。充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラックなどを挙げることができる。これらは2種以上を混合して用いてもよい。充填剤の配合量は特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して30〜85質量%に設定することが好ましい。
【0026】本発明で用いるエポキシ化合物は1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、硬化して樹脂状になるエポキシ化合物であればよく特に限定されず、公知のエポキシ化合物を用いることができる。
【0027】本発明で用いるエポキシ化合物の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、ヒダントイン型エポキシ化合物など、これらの2種以上の混合物などを挙げることができる。
【0028】本発明においては、エポキシ化合物に反応性希釈剤を添加してもよい。反応性希釈剤としては1分子中に1個または2個以上のエポキシ基を有する常温で比較的低粘度のエポキシ化合物が好ましく使用でき、目的に応じて、エポキシ基以外に、他の重合性官能基、例えばビニル基、アリル基などのアルケニル基、(メタ)クリロイル基などの不飽和カルボン酸基などを有していてもよい。
【0029】本発明で用いる硬化剤としては、フェノール樹脂、酸無水物、アミン系化合物などを用いることができる。フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾーロノボラック樹脂、ナフトール変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0030】エポキシ化合物と硬化剤のフェノール樹脂の配合割合は、エポキシ化合物中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中のOH当量が0.3〜1.5当量となることが好ましく、0.5〜1.2当量がさらに好ましい。
【0031】酸無水物としては、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、アルキル化テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水メチルハイミック酸、無水ドデセニルコハク酸などが例示される。
【0032】エポキシ化合物と酸無水物の配合割合は、エポキシ化合物中のエポキシ基1当量あたり、酸無水物当量が0.6〜1.0となることが好ましい。
【0033】アミン化合物としては、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、ポリアミノアミド、ポリアミノイミド、ポリアミノエステル、ポリアミノ尿素などの変性ポリアミンが例示されるが、これらに限定されるものではない。第三級アミン系、イミダゾール系、ヒドラジド系、ジシアンジアミド系、メラミン系の化合物も用いることができる。
【0034】エポキシ化合物とアミン化合物の配合割合は、エポキシ化合物中のエポキシ基1当量あたり、アミン当量が0.6〜1.0となる量が好ましい。
【0035】本発明で用いるポリマー部材に、必要に応じて可撓性付与剤を配合することができる。可撓性付与剤としては、具体的には、例えば、ポリエステル系可撓性付与剤、アクリル系可撓性付与剤、ウレタン系可撓性付与剤、ポリ酢酸ビニル系可撓性付与剤、熱可塑性エラストマー系可撓性付与剤、天然ゴム系可撓性付与剤、合成ゴム系可撓性付与剤およびこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。これらはいずれも使用できるが、これらの中でもポリエステルポリオール、ポリビニルアルキルエーテルおよびこれらの2種以上の混合物は効果が大きいので好ましく使用できる。
【0036】可撓性付与剤のポリマー部材中への配合量は、可撓性付与剤の種類にもよるが、接着強度を向上したり、可撓性、柔軟性を付与できる範囲であれば、特に限定されるものではないが、ポリマー部材全体に対して30〜70質量%の範囲に設定することが好ましい。30質量%未満では可撓性、柔軟性を付与できない恐れがあり、70質量%を越えると接着強度が低下する恐れがある。
【0037】本発明においては硬化を促進するために、さらに硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては、特に限定されないが具体的には、例えばイミダゾール系、第三級アミン系、リン化合物など、エポキシ化合物の硬化促進剤として用いられているものを例示でき、使用目的や必要とする硬化条件によって選択して使用できる。これらは単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。硬化促進剤の配合量はポリマー部材全体に対して0.5〜2.0質量%に設定することが好ましい。
【0038】本発明においてはポリマー部材にさらに充填剤を配合することができる。充填剤としては無機系微粒子でも、有機系微粒子でも、あるいは両者の混合物を挙げることができる。
【0039】無機系微粒子の具体例としては、例えば、シリカ微粒子では、ミズカシルP−526、P−801、P−527、P−603、P832、P−73、P−78A、P−78F、P−87、P−705、P−707、P−707D(水沢化学社製)、Nipsil E200、E220、SS−10F、SS−15、SS−50(日本シリカ工業社製)、SYLYSIA730、310(富士シリシア化学社製)など、炭酸カルシウム微粒子では、Brilliant−15、Brilliant−S15、Unibur−70、PZ、PX、ツネックスE、Vigot−10、Vigoto−15、Unifant−15FR、Brilliant−1500、ホモカルD、ゲルトン50(白石工業社製)などを、スルホ・アルミン酸カルシウム微粒子では、サチンホワイトSW、SW−B、SW−BL((白石工業社製)などを、アルミナ微粒子では、AL−41G、AL−41、AL−42、AL−43、AL−44、AL−41E、AL−42E、AL−M41、AL−M42、AL−M43、AL−M44、AL−S43、AM−21、AM−22、AM−25、AM−27(住友化学社製)、酸化アルミニウムC(日本アエロジル社製)などを、二酸化チタン微粒子では二酸化チタンT805、P25(日本アエロジル社製)などを挙げることができる。
【0040】有機系微粒子の具体例としては、例えば、四フッ化エチレン樹脂(三井デュポンフルオロケミカル社 テフロン(登録商標)30J)、六フッ化ビニリデン樹脂(ダイキン工業 ネオフロンCTFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(ダイキン工業 ネオフロンVDF)、六フッ化プロピレン樹脂(ダイキン工業 ネオフロンFEP)、フッ化エチレン−プロピレン共重合体樹脂(三井デュポンフルオロケミカル社 テフロン(登録商標)120J)、各種デンプン系微粒子、微粒状アクリル樹脂、微粒状メタクリル樹脂などが挙げられる。これらの微粒子は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0041】充填剤の配合量は特に限定されるものではないが、好ましくはポリマー部材全体に対して30〜85質量%の範囲が望ましい。
【0042】本発明においてはポリマー部材にさらに必要に応じて、溶媒、臭素化合物やリン化合物などの難燃剤、シリコーン系ポリマーやそれを含む消泡剤、カーボンブラック、有機顔料などの着色剤、カップリング剤、増粘剤、チキソトロピー剤、沈殿防止剤、酸化防止剤、分散剤などを加えてもよい。これらの添加量はポリマー部材全体の35質量%以下が好ましい。
【0043】本発明で用いるポリマー部材は、例えば、上記の成分をホモジナイザーなどの攪拌機で均一に混合した後、3本ロールあるいはニーダーなどの混練機でさらに均一に分散することにより製造されるが、製法はこの方法に限定されるものではない。
【0044】本発明で用いる基材としては、セラミックス、ガラスをはじめガラス繊維、アルミナ繊維、などの無機繊維あるいはポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維の織物あるいは不織布、マット、紙、それらと熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂との複合材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、シリコーンなどに代表されるプラスチックスなどの基材の他、ポリアミド系樹脂基材、エチレン・ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理、あるいは各種易接着処理などの表面処理を施したもの、などの公知のものから選択して用いることができる。
【0045】本発明に使用するICチップ5は公知の任意のものを用いることができる。
【0046】また、本発明が非接触ICメディアの場合は、それに対応してアンテナ部2のパターンを任意に設計することができる。ICチップ5とアンテナ部2を確実に接続、固定するに当たってはワイヤーボンデイングや公知の熱硬化性接着剤が用いられ、熱硬化性接着剤としては具体的には、ACF(Anisotropic ConductiveFilm(異方導電性フィルム))、ACP(AnisotropicConductivePaste(異方導電性ペースト))などの異方導電性接着物質を用いたり、NCF(Non−Conductive Film(絶縁性フィルム))、近年にあってはNCP(Non−Conductive Paste(絶縁性ペースト))などの絶縁接着物質(導電物質を含まない接着物質)や両面テープなどを用いることができ、塗布するにはデイスペンス法、印刷法、スプレー法などを用いることができる。これらの中でもACPあるいはNCPを用いてデイスペンス法あるいは印刷法で行うことが好ましい。
【0047】本発明に使用するICチップ5の接続端子には、必要に応じて、金属電解メッキ、スタッド、無電解金属メッキ、導電性樹脂の固定化などによるバンプ7を形成しておいてもよい。
【0048】ICチップ5の実装の際、必要に応じて圧力、および接着剤に応じて熱、光、高周波などの電磁波、超音波などのエネルギーを与えてもよい。さらにICチップ5の実装の後、固定化を十分にするために、後硬化を行ってもよい。
【0049】なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0050】
【実施例】以下実施例および比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0051】(実施例1)ポリマー部材としてオームコートXR1012−168B(ナミックス(株)社製)を用いて(加熱条件:150℃、30分硬化)図1(A)〜(F)に示した工程に従ってインレットシートbを作成した。ICチップ5の高さt=200μmであり、凸部6Aの高さh=250μm、そしてICチップ5の側壁にポリマー部材層6Bが形成されるとともに表面上にポリマー部材層6Bが20μm厚さで形成された。次いでこのインレットシートbを用いて図5に示した断面構造を有する非接触型ICカード20を作成した。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。
耐曲折性の試験:インレットシートbを各種直径のステンレス棒に巻き付けた後、リード/ライト試験により耐曲折性を評価した。通信が途切れなかった一番小さなステンレス棒の直径を測定し、この直径で耐曲折性を表した。
耐圧試験:非接触型ICカードを水平なテーブル上に置き、凸部よりやや大きな直径を有する加圧棒で圧力を加え、通信が途切れるまでの力(N:ニュートン)を測定した。試験の結果、耐曲折性20mm、耐圧性50Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れている。
【0052】(実施例2)ICチップ5の表面上にポリマー部材層6Bを200μm厚さで形成した以外は実施例1と同様にしてインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性25mm、耐圧性50Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れていた。非接触型ICカード20のインレットシートbの上面に貼着したオーバーシート材11のICチップ5との接着力は7Nであり、接着性が良好であった。
【0053】(実施例3)凸部6Aの形状を丸形状とし、ICチップ5の表面上にポリマー部材層6Bを200μm厚さで形成した以外は実施例1と同様にしてインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性25mm、耐圧性45Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れていた。
【0054】(実施例4)ポリマー部材としてCRP−X432(住友ベークライト(株)社製)を用い、ICチップ5の表面上にポリマー部材層6Bを200μm厚さで形成した以外は実施例1と同様にしてインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性25mm、耐圧性45Nであり、耐曲折性および耐圧性に優れていた。
【0055】(比較例1)凸部6Aおよびポリマー部材層6Bを作成しなかった以外は実施例1と同様にして比較のためのインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性30mm、耐圧性25Nであり、耐曲折性および耐圧性に劣る。非接触型ICカード20のインレットシートbの上面に貼着したオーバーシート材11のICチップ5との接着力は4Nであり、接着性に劣る。
【0056】(比較例2)実施例1と同じポリマー部材を用いて凸部6Aを形成(h=250μm)し、ICチップ5の側壁や表面上にポリマー部材層6Bを形成しなかった以外は実施例1と同様にして比較のためのインレットシートbおよび非接触型ICカード20を作成し、耐曲折性試験および耐圧試験を行った。インレットシートbの上面に容易にオーバーシート材(塩化ビニル樹脂)11をラミネートすることができた。試験の結果、耐曲折性25mm、耐圧性40Nであり、耐曲折性および耐圧性がやや劣る。非接触型ICカード20のインレットシートbの上面に貼着したオーバーシート材11のICチップ5との接着力は6Nであり、接着性にやや劣る。
【0057】
【発明の効果】本発明の請求項1の耐曲折性を有するICメディアは、基材面にICチップが実装されてなり、前記ICチップの周囲にポリマー部材からなる凸部が形成されるとともに前記ICチップの少なくとも側壁に密着してポリマー部材層が形成されたICメデイアであって、前記凸部の高さが前記ICチップの高さの0.4〜2倍であるので、耐曲折性が高くICチップを十分保護できるのと同時にICチップがポリマー部材層を介して基材に密着するので剥離することがなく、また従来のICチップ全体を内包するものと比べてポリマー部材の高さを低く設定でき、その結果、ポリマー部材が他のものと接触し難くなり、また、シートがラミネートされた場合でも、シートの部分破壊などが生じておらず、ラミネートされたシートとICチップとの接着性に優れ、さらに、上方からの押圧に対する耐性にも優れるという顕著な効果を奏する。
【0058】本発明の請求項2の耐曲折性を有するICメディアは、請求項1記載のICメディアにおいて、前記ICチップが実装されてなる基材面に、さらに少なくとも1枚のシートがラミネートされているため、請求項1記載のICメディアと同じ効果を奏する上、シートの部分破壊などが生じておらず、特に、接触型・非接触あるいはハイブリッド型のICカードやICラベルなどとして有用であるというさらなる効果を奏する。
【0059】本発明の請求項3の耐曲折性を有するICメディアは、請求項1あるいは請求項2記載のICメディアにおいて、前記基材面にさらにアンテナ部が、その反対面に接着剤層が設けられてなり、非接触データ送受信機能を有するインレットシートであるため、請求項1あるいは請求項2記載のICメディアと同じ効果を奏する上、接着剤層を介して他の物品に積層、接着、貼着などして容易に非接触データ送受信に利用できるというさらなる効果を奏する。




 

 


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