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発明の名称 光モジュールおよび光通信システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−332986(P2003−332986A)
公開日 平成15年11月21日(2003.11.21)
出願番号 特願2002−143035(P2002−143035)
出願日 平成14年5月17日(2002.5.17)
代理人 【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102 AA01 AA52 AB10 AD12 AL07 KA40 MB14 MB15 MC29 MD02 MD03 PH49 RD01 RD02 RD05 
発明者 北 雅人 / 石橋 正和 / 福地 覚 / 岡崎 孝男 / 阿部 義孝
要約 課題
バースト信号が入力される光モジュールにおいて、フィードフォワード方式により波形歪みを補正することができる光モジュール、およびそれを用いた光通信システムを提供する。

解決手段
光モジュールに適用される光受信器であって、受光素子1、プリアンプ2、識別器3、レベル検出回路4、デューティ調整回路5などから構成され、プリアンプ2がトランスインピーダンス型アンプで構成されている場合、このプリアンプ2の出力信号は振幅レベルの大きな信号の入力時に歪みが生じるが、レベル検出回路4の信号振幅のモニタ結果によって、デューティ調整回路5で波形歪みを補正することで、フィードフォワード方式により波形歪みのない出力信号を得ることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】 バースト信号の光信号を電流信号に変換する受光素子と、前記受光素子により変換された電流信号を電圧信号に変換するプリアンプと、前記プリアンプの後段に接続され、前記プリアンプにより変換された電圧信号の波形歪みをフィードフォワード方式により補正する補正回路を有することを特徴とする光モジュール。
【請求項2】 請求項1記載の光モジュールにおいて、前記補正回路は、前記プリアンプの出力信号を入力信号として信号振幅レベルを検出するレベル検出回路と、前記レベル検出回路による信号振幅レベルの検出結果に基づいて前記プリアンプから出力された出力信号のデューティ比を調整するデューティ調整回路とを有することを特徴とする光モジュール。
【請求項3】 請求項1記載の光モジュールにおいて、前記光モジュールの外部には、前記光モジュールに接続されたスターカプラと、前記スターカプラから分岐して接続された複数の送信装置とを有し、前記複数の送信装置のそれぞれと前記光モジュールとの間の距離に応じて前記光モジュールが受光する光信号のレベルが異なることを特徴とする光モジュール。
【請求項4】 光モジュールを含み、光信号を送受信するOLTと、前記OLTに光ファイバを通じて接続されたスターカプラと、前記スターカプラから分岐して光ファイバを通じて接続され、光信号を送受信する複数のONUとを有し、前記光モジュールは、バースト信号の光信号を電流信号に変換する受光素子と、前記受光素子により変換された電流信号を電圧信号に変換するプリアンプと、前記プリアンプの後段に接続され、前記プリアンプにより変換された電圧信号の波形歪みをフィードフォワード方式により補正する補正回路とを有することを特徴とする光通信システム。
【請求項5】 請求項4記載の光通信システムにおいて、前記複数のONUのそれぞれと前記OLTとの間の距離に応じて前記光モジュールが受光する光信号のレベルが異なることを特徴とする光通信システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光モジュールに関し、特にバースト信号が入力される光モジュールにおいて、フィードフォワード方式により波形歪みを補正する光モジュール、およびそれを用いた光通信システムに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者が検討したところによれば、光モジュールに関しては、以下のような技術が考えられる。
【0003】たとえば、光モジュールを用いた光通信システムの一例として、一般的にPON(Passive Optical Network)と呼ばれる光加入者系システムがある。このシステムは、局から延びる光ファイバを、途中にスターカプラを設けて分岐し、各加入者宅と接続している。
【0004】このようなシステムでは、各加入者宅から伝送される上りの信号はスターカプラを用いて時分割多重されるために、信号と信号との間に信号なし区間があるバースト信号となる。このバースト信号は、局と各加入者宅との距離の違いにより、局で受信される信号レベルは各加入者宅から伝送される信号毎に異なる。そのために、局の光モジュールには、信号レベルの違いに起因するデューティ劣化を抑える技術が採用されている。
【0005】このようなデューティ劣化を抑えるための技術としては、たとえば特開平10−126349号公報に記載される技術などが挙げられる。この公報には、フォトダイオード、プリアンプ、しきい値電圧調整回路を含むATC(Auto Threshold Control)回路、このATC回路の出力に接続されたデューティ監視回路(AC/DC変換回路、比較器)などから構成され、デューティ監視回路による結果をATC回路内のしきい値電圧調整回路にフィードバックすることにより、デューティの劣化を抑制する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のような光モジュールについて、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
【0007】たとえば、前記特開平10−126349号公報に記載の技術は、ATC回路の出力に接続されたデューティ監視回路による監視結果をATC回路内のしきい値電圧調整回路にフィードバックする方式であり、本発明の特徴の1つであるフィードフォワード方式とは異なるものである。
【0008】また、光モジュールにおいては、プリアンプにトランスインピーダンス型アンプが一般的に使用される。このトランスインピーダンス型アンプは、局と各加入者宅との距離の違いが要因となり、特に加入者宅との距離が短い場合には入力信号のレベルが大きくなる。このように、入力信号が大きい場合には出力信号に歪みが発生するという課題が生じる。
【0009】そこで、本発明者は、プリアンプへの入力信号が大きい場合であっても、出力信号に歪みが発生しないようにするために、プリアンプの後段にデューティ調整回路を設け、フィードバック方式ではなく、フィードフォワード方式を採用してプリアンプから出力された出力信号の波形歪みを補正することを考え付いた。
【0010】そこで、本発明の目的は、バースト信号が入力される光モジュールにおいて、フィードフォワード方式により波形歪みを補正することができる光モジュール、およびそれを用いた光通信システムを提供することにある。
【0011】本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0013】すなわち、本発明による光モジュールは、バースト信号の光信号を電流信号に変換する受光素子と、この受光素子により変換された電流信号を電圧信号に変換するプリアンプと、このプリアンプの後段に接続され、プリアンプにより変換された電圧信号の波形歪みをフィードフォワード方式により補正する補正回路とを有するものである。これにより、バースト信号が入力される光モジュールにおいて、補正回路によりフィードフォワード方式でプリアンプから出力された出力信号の波形歪みを補正することができるようになる。
【0014】具体的に、この光モジュールにおいて、補正回路は、プリアンプの出力信号を入力信号として信号振幅レベルを検出するレベル検出回路と、このレベル検出回路による信号振幅レベルの検出結果に基づいてプリアンプから出力された出力信号のデューティ比を調整するデューティ調整回路とを有することで、プリアンプの出力信号の信号振幅レベルを検出し、この検出結果に基づいてプリアンプから出力された出力信号のデューティ比を調整することができるようになる。
【0015】特に、光モジュールの外部に、この光モジュールに接続されたスターカプラと、このスターカプラから分岐して接続された複数の送信装置とを有し、複数の送信装置のそれぞれと光モジュールとの間の距離に応じて光モジュールが受光する光信号のレベルが異なる場合でも、この光信号のレベルの大/小にも対応して波形歪みを補正することができるようになる。たとえば、大きな振幅レベルの信号入力時に波形歪みが発生するが、この場合にも振幅レベルが小さい場合と同様に波形歪みのない信号波形を得ることができるようになる。
【0016】また、本発明による光通信システムは、光モジュールを含み、光信号を送受信するOLTと、このOLTに光ファイバを通じて接続されたスターカプラと、このスターカプラから分岐して光ファイバを通じて接続され、光信号を送受信する複数のONUとを有する構成において、OLT内の光モジュールが前記のような、受光素子、プリアンプ、補正回路を有するものである。これにより、OLT内の光モジュールにおいて、前記光モジュールと同様に、フィードフォワード方式で波形歪みを補正することができ、特に複数のONUのそれぞれとOLTとの間の距離に応じて光モジュールが受光する光信号のレベルが異なる場合でも、光信号のレベルの大/小にも対応して波形歪みを補正することができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】図1により、本発明の一実施の形態の光受信器の構成の一例を説明する。併せて、図2により、歪みあり/なしの波形の一例を説明する。図1は本実施の形態の光受信器の構成図、図2は歪みあり/なしの波形の説明図をそれぞれ示す。
【0019】本実施の形態の光受信器は、たとえば光モジュールに適用され、図1に一例を示すように、受光素子1、プリアンプ2、識別器3、レベル検出回路4、デューティ調整回路5などから構成される。特に、識別器3、レベル検出回路4およびデューティ調整回路5はATC回路6に含まれる。
【0020】受光素子1は、バースト信号の光信号を電流信号に変換する素子であり、たとえばフォトダイオードからなり、カソード側が電源電圧VCCに、アノード側がプリアンプ2にそれぞれ接続されている。この受光素子1では、光信号を受光し、この光信号が電流信号(電気信号)に変換されてプリアンプ2に出力される。
【0021】プリアンプ2は、受光素子1により変換された電流信号を電圧信号に変換するアンプであり、たとえばトランスインピーダンス型アンプからなり、入力側が受光素子1のアノード側に、出力側がATC回路6内の識別器3およびレベル検出回路4にそれぞれ接続されている。このプリアンプ2では、受光素子1により変換された電流信号を入力とし、この電流信号が電圧信号に変換されて識別器3およびレベル検出回路4に出力される。
【0022】識別器3は、プリアンプ2からの電圧信号をデジタル信号に変換する回路であり、入力側がプリアンプ2に、出力側がデューティ調整回路5にそれぞれ接続されている。この識別器3では、プリアンプ2からの電圧信号を入力とし、この電圧信号がしきい値電圧で区分けされ、Highレベル/Lowレベルのデジタル信号に変換されてデューティ調整回路5に出力される。
【0023】レベル検出回路4は、プリアンプ2の出力信号を入力信号として信号振幅レベルを検出する回路であり、入力側がプリアンプ2に、出力側がデューティ調整回路5にそれぞれ接続されている。このレベル検出回路4では、プリアンプ2から出力された電圧信号を入力とし、この電圧信号の信号振幅レベルを検出し、この検出結果がデューティ調整回路5に出力される。
【0024】デューティ調整回路5は、レベル検出回路4による信号振幅レベルの検出結果に基づいてプリアンプ2から出力された出力信号のデューティ比を調整する回路であり、入力側が識別器3に、補正用入力側がレベル検出回路4に、出力側がATC回路6の外部にそれぞれ接続されている。このデューティ調整回路5では、識別器3から出力されたデジタル信号、レベル検出回路4から出力された検出結果を入力とし、デジタル信号を検出結果に基づいてデューティ比を調整し、この調整により補正された波形歪みのない信号がATC回路6の外部に出力される。
【0025】このような光受信器の構成において、特に、レベル検出回路4およびデューティ調整回路5は、プリアンプ2の後段に接続され、このプリアンプ2により変換された電圧信号の波形歪みをフィードフォワード方式により補正する補正回路として動作するような構成となっている。
【0026】この光受信器の動作は、光信号を、受光素子1で電流信号に、プリアンプ2で電圧信号にそれぞれ変換し、さらに後段の識別器3でHighレベル/Lowレベルに区分けされたデジタル信号とする。そして、このデジタル信号をデューティ調整回路5に出力する。
【0027】一方、レベル検出回路4は、プリアンプ2の出力を入力信号として、この入力信号の信号振幅レベルをモニタしてデューティ調整回路5に出力する。このデューティ調整回路5では、レベル検出回路4の信号振幅レベルのモニタ結果によって波形歪みを補正する量を決定し、識別器3でHigh/Lowレベルに区分けされたデジタル信号のパルスのデューティ比を調整する。
【0028】これにより、プリアンプ2がトランスインピーダンス型アンプで構成されている場合、このプリアンプ2の出力信号は振幅レベルの大きな信号の入力時に歪みが生じるが、レベル検出回路4の信号振幅のモニタ結果によって、デューティ調整回路5で波形歪みを補正することで、フィードフォワード方式により波形歪みのない出力信号を得ることができる。
【0029】このように、信号振幅が大きくなると出力の歪みが大きくなる理由は、以下のように考えることができる。たとえば、光信号の入力が大きくなると、受光素子1で変換される電流も増え、トランスインピーダンスが大きい状態であると、信号振幅が大きくなりすぎて波形にリミットがかかってしまうので、歪みが発生すると考えられる。
【0030】たとえば、図2に一例を示すように、Lowレベル側を基準にして、Highレベル側に振幅が大きくなる場合、振幅にリミットがかかると、Highレベル側の区間が伸びたように歪みが発生する。よって、前記のように信号振幅をモニタすることにより、プリアンプ2の出力での歪みの大きさを把握し、その歪みの大きさに合わせた量をデューティ調整回路5で補正することにより、波形歪みのない出力信号が得られる。
【0031】具体的には、たとえばHighレベル/Lowレベルが50%ずつの信号が入力されたとして、トランスインピーダンスが大きいために、プリアンプ2の出力の大信号時の信号振幅が不足する場合を考える。この場合、Highレベル区間が長くなり、Lowレベル区間が短くなるように歪んだとすると、デューティ調整回路5で、Highレベル区間が短くなるように補正をかける。つまり、デューティ調整回路5を用いて、トランスインピーダンス型アンプで発生する歪みと逆方向に補正をかけることで歪みを打ち消すことができる。
【0032】次に、図3〜図5により、本実施の形態の光受信器において、デューティ調整回路の構成および動作、しきい値生成回路の構成の一例を説明する。図3はデューティ調整回路の構成図、図4はデューティ調整回路の各部動作の波形図、図5はしきい値生成回路の回路図をそれぞれ示す。
【0033】デューティ調整回路5は、たとえば図3に一例を示すように、レベル検出回路4からの出力を入力信号とするしきい値生成回路11、識別器3からの出力を入力信号とするLPF(Low Pass Filter)12、しきい値生成回路11およびLPF12からの出力を入力信号とするコンパレータ13などから構成され、コンパレータ13の出力は光受信器の出力信号となる。
【0034】このように構成されるデューティ調整回路5では、たとえば図4に一例を示すように、識別器3の出力信号(High/Low矩形波)14bをLPF12を通すことによって立ち上がり、立ち下がりを鈍らせた波形の信号14cとする。そして、次段のコンパレータ13において、この鈍らせた信号14cに対するしきい値のリファレンス・レベル14cの設定値をしきい値生成回路11において変えることにより、出力信号14eのデューティ比を調整することができる。
【0035】すなわち、識別器3から出力される信号14bの波形はHighレベルの区間がLowレベルの区間に比べて長くなっているが、LPF12、コンパレータ13を通した出力信号14eの波形は、Highレベルの区間とLowレベルの区間とが同じ長さ(デューティ比=50%)になっている。なお、この際のコンパレータ13へのリファレンス・レベル14cは、レベル検出回路4の出力14aをもとにしきい値生成回路11で作られる。
【0036】しきい値生成回路11は、詳細には、たとえば図5に一例を示すように、抵抗R1,R2、NPN型バイポーラトランジスタQ1,Q2、電流源I1,I2、補正用基準電圧回路21などから構成される。
【0037】抵抗R1は、一端が電源電位VCCに接続され、他端が電流源I1を通じて接地電位に接続されている。抵抗R2は、一端が電源電位VCCに接続され、他端がNPN型バイポーラトランジスタQ2のコレクタに接続され、さらにエミッタが共通の電流源I2を通じて接地電位に接続されている。抵抗R1の他端にはNPN型バイポーラトランジスタQ1のコレクタが接続され、さらにエミッタが共通の電流源I2を通じて接地電位に接続されている。また、NPN型バイポーラトランジスタQ1のベースには補正用基準電圧回路21の出力信号22aが入力され、NPN型バイポーラトランジスタQ2のベースには外部のレベル検出回路4からの出力信号14aが入力されてそれぞれ制御される。なお、しきい値生成回路11の出力信号14cは抵抗R1の他端から取り出される。
【0038】このように構成されるしきい値生成回路11では、レベル検出回路4からの出力信号14aが補正用基準電圧回路21からの出力信号22aと比べて十分に低い電圧の場合(信号振幅小)、NPN型バイポーラトランジスタQ1がON、NPN型バイポーラトランジスタQ2がOFFとなり、しきい値生成回路11の出力信号14cの電圧はVCC−R1×(I1+I2)になる。
【0039】なお、このVCC−R1×(I1+I2)の式において、VCCは電源電位VCCの電圧値、R1は抵抗R1の抵抗値、I1は電流源I1の電流値、I2は電流源I2の電流値をそれぞれ示すものである。
【0040】逆に、レベル検出回路4からの出力信号14aが補正用基準電圧回路21からの出力信号22aと比べて十分に高い電圧の場合(信号振幅大)、NPN型バイポーラトランジスタQ1がOFF、NPN型バイポーラトランジスタQ2がONとなり、しきい値生成回路11の出力信号14cの電圧はVCC−R1×I1になる。
【0041】また、レベル検出回路4からの出力信号14aが、上記2つの状態の間の電圧の場合、しきい値生成回路11の出力信号14cの電圧は、NPN型バイポーラトランジスタQ1,Q2に流れる電流比から決まる電圧を出力する。
【0042】従って、プリアンプ2で発生する歪みが、信号レベルが大きくなるにつれて増大するような場合、前記のようなしきい値生成回路11であれば、信号レベルに応じてしきい値を調整することができるため、十分な補正効果を得ることができる。以上のことから、レベル検出回路4とデューティ調整回路5を備えることによって、プリアンプ2で発生した波形歪みを補正することができる。
【0043】次に、図6により、本実施の形態において、別の光受信器の構成の一例を説明する。図6は別の光受信器の構成図を示す。
【0044】図6に一例を示す光受信器は、前記図1の光受信器と以下の点で異なる。すなわち、図1ではレベル検出回路4を識別器3の外部に配置しているが、図6のようにレベル検出回路4は識別器3の内部に配置しても良い。また、レベル検出回路4は、識別器3の内部において、既に別機能として使用している回路との兼用であっても良い。
【0045】このように構成される光受信器においても、プリアンプ2の出力点における信号振幅レベルを検出することがレベル検出回路4の目的であり、従って図1の構成と同様の効果を得ることができる。
【0046】次に、図7,図8により、本実施の形態の光受信器を用いたバースト光通信システムの構成の一例を説明する。図7はバースト光通信システムの構成図、図8は映像配信を付加したバースト光通信システムの構成図をそれぞれ示す。
【0047】バースト光通信システムは、たとえば図7に一例を示すように、局内に配置されているOLT(Optical Line Terminal)31、このOLT31に光ファイバ32を通じて接続されたスターカプラ33、このスターカプラ33から分岐して光ファイバ32を通じて接続され、複数の加入者宅に設置されているONU(Optical Network Unit)34などから構成される。ここでは、ONU34a〜34cを有する3箇所の加入者宅を考えた場合であり、各加入者宅はPC(Personal Computer)35a〜35cを所有している。
【0048】このように構成されるバースト光通信システムにおいて、信号は、上り(OLTへの方向)、下り(ONUへの方向)で異なる波長を使用する波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)技術を適用している。このため、OLT31内にはWDM36を備え、また各ONU34a〜34cにも、WDM37a〜37cを備えて、上り信号と下り信号とを分けている。
【0049】OLT31から送信された光信号は、光ファイバ32、スターカプラ33を介して、各ONU34a〜34cによって受信される。逆に、各ONU34a〜34cから送信された光信号は、光ファイバ32、スターカプラ33を介して、OLT31によって受信される。これにより、OLT31と各ONU34a〜34cとの間で双方向通信が実現される。
【0050】映像配信を付加したバースト光通信システムは、たとえば図8に一例を示すように、前記図7に示す上り/下りの信号に加え、映像配信用の波長(下りのみ)が増えるため、局内への前段にWDM41、各加入者宅への前段にWDM42a〜42cがそれぞれ追加され、さらに映像配信用のV−OLT(Video−OLT)43、映像受信用のV−ONU(Video−ONU)44a〜44c、STB(Set Top Box)45a〜45c、TV(TeleVision)46a〜46cなども追加されて構成される。
【0051】このような映像配信システムがある場合、光ファイバ32による光伝送経路上にWDM41,42a〜42cが追加となっているため、各ONU34a〜34cから送出された光信号の減衰量が大きくなり、OLT31の内部の光受信器には、より高感度な特性が要求される。このOLT31の内部については、以下において説明する。
【0052】次に、図9により、本実施の形態のバースト光通信システムにおいて、OLTの構成の一例を説明する。図9はOLTの構成図を示す。
【0053】OLT31は、たとえば図9に一例を示すように、光モジュール51と、SerDes(Serializer/Deserializer)&CPU(Central Processing Unit)&MAC(Media Access Controller)52とに大別され、光モジュール51の内部には前述した本発明の特徴となる光受信器が設けられている。
【0054】光モジュール51は、受光素子1、プリアンプ2、識別器3、レベル検出回路4およびデューティ調整回路5からなる光受信器と、LD53およびLDドライバ54からなる光送信器と、光信号の波長分割多重を行うWDM36などから構成される。光受信器は前述の通りである。光送信器のLD53は、レーザダイオードであり、LDドライバ54によって駆動される。
【0055】SerDes&CPU&MAC52において、SerDesはシリアル/パラレル変換、CPUは動作制御、MACは上位装置とのインターフェイスをそれぞれ担当する機能ブロックである。
【0056】次に、図10〜図13により、本実施の形態のバースト光通信システムにおいて、OLTにおける光信号の再生の一例を説明する。図10はOLTに入力される光信号の波形図、図11は大レベルに対応したバースト信号の波形図、図12は中レベルに対応したバースト信号の波形図、図13は小レベルに対応したバースト信号の波形図をそれぞれ示す。
【0057】バースト光通信システムにおいては、局内に設置されるOLT31と、各加入者宅に設置される各ONU34との距離は様々で、OLT31で受信する上りの信号レベルが大きく異なる場合でも、精度良く信号を再生する必要がある。
【0058】たとえば、OLT31で受信する上りの信号は、図10に一例を示すように、バースト毎に、ガードタイムと呼ばれる信号なし区間で区切られたバースト信号が、大、中、小の様々なレベルでOLT31に入力される。そして、OLT31の内部の光モジュール51で再生される。この大、中、小の各レベルに対応した波形の様子は図11〜図13のようになる。
【0059】図11は、大レベルに対応した波形の一例を示し、この場合だけ、プリアンプ2の振幅上限リミット値を越える信号を想定しており、プリアンプ2の出力波形に歪みが見られる。よって、識別器3の出力では、そのまま歪みを持って再生され、その後段でデューティ調整回路5が働き、内部のLPF12により立ち上がり/立ち下がりを鈍らせた波形14dを生成し、さらにしきい値生成回路11のしきい値に基づいて判別され、そしてデューティ調整回路5の出力信号では歪みが補正された波形が得られている。
【0060】すなわち、プリアンプ2の出力波形に歪みが発生することにより、識別器3の出力波形はHighレベル区間がLowレベル区間より長くなるが、デューティ調整回路5の働きによって、このデューティ調整回路5の出力波形はHighレベル区間とLowレベル区間とが同じ長さとなり、この結果、波形歪みが補正されている。
【0061】図12は中レベル、図13は小レベルにそれぞれ対応した波形の一例を示し、これらの場合は、プリアンプ2では歪みを発生していないことを想定しており、よってデューティ調整回路5では歪み補正をかけていない。
【0062】すなわち、プリアンプ2の出力波形に歪みが発生していないので、識別器3の出力波形はHighレベル区間とLowレベル区間とが同じ長さとなり、よってデューティ調整回路5の出力波形もHighレベル区間とLowレベル区間とが同じ長さとなっている。
【0063】次に、図14〜図16により、バースト基本セル内の信号の一例を説明する。図14はバースト基本セル内の信号の波形図、図15は同期用信号の波形図、図16はデータ信号リタイミングの説明図をそれぞれ示す。
【0064】バースト基本セルは、たとえば図14に一例を示すように、各バースト基本セル毎の信号の区分は信号なし区間であるガードタイムで分けられている。各バースト基本セル内のガードタイムの直後には、同期タイミング抽出用のHigh/Lowレベルの連続信号(=同期用信号)があり、その後に、データ信号が存在している。
【0065】各バースト基本セル毎にOLT31で、この同期用信号を利用して同期タイミング抽出(リタイミング抽出)を行い、その後のデータ信号を打ち抜くタイミングを決定し、正確にデータ信号をOLT31のタイミングに同期させている。これらの機能は、光モジュール51の後段回路であるSerDes&CPU&MAC52で実現されている。
【0066】同期用信号は、たとえば図15に一例を示すように、High/Lowレベルの連続信号であり、ここでは便宜上、最初のHighレベルを■、次のLowレベルを■、その次のHighレベルを■、・・・となるように、波形に番号を付けて説明する。
【0067】この同期用信号のビット数は、本来のデータと無関係の領域であることから、効率良くデータ通信を行う上では少ない方が望ましい。よって、同期用信号の再生は、光モジュール51の出力において、各バースト信号毎に最短時間で行うことが求められる。
【0068】たとえば、最短では、■から歪みなしで出力することが理想であるが、■は識別器3のしきい値レベルを割り出すために使用されるため、識別器3の出力波形は■以降でなければ正確ではない。よって、本発明のように、フィードフォワード方式で歪みを補正する機能を搭載することによって、■以降において、波形歪みを補正し、安定した出力を得ることが可能となる。
【0069】また、データ信号リタイミングの様子は、たとえば図16に一例を示すように行われる。すなわち、データ信号は、データ打ち抜き箇所(リタイミング)に従って、データ信号打ち抜き後の信号は図16のようになる。
【0070】以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0071】たとえば、本発明は、特に広いダイナミックレンジを必要とするバースト光通信システムに用いる光受信器に好適であるが、さらに前段回路で発生する信号の歪みを後段回路で補正する回路全般に広く応用することができる。
【0072】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0073】(1)バースト信号が入力される光モジュールにおいて、受光素子により変換された電流信号を電圧信号に変換するプリアンプの後段に、このプリアンプにより変換された電圧信号の波形歪みをフィードフォワード方式により補正する補正回路を有することで、フィードフォワード方式でプリアンプから出力された出力信号の波形歪みを補正することができる。
【0074】(2)補正回路として、プリアンプの出力信号のレベル検出回路と、このレベル検出回路による検出結果に基づいたプリアンプの出力信号のデューティ調整回路とを有することで、プリアンプの出力信号の信号振幅レベルを検出し、この検出結果に基づいてプリアンプから出力された出力信号のデューティ比を調整することができる。
【0075】(3)光モジュールの外部に、この光モジュールに接続されたスターカプラと、このスターカプラから分岐して接続された複数の送信装置とを有し、複数の送信装置のそれぞれと光モジュールとの間の距離に応じて光モジュールが受光する光信号のレベルが異なる場合でも、この光信号のレベルの大/小にも対応して波形歪みを補正することができる。
【0076】(4)光モジュールを含むOLTと、このOLTに光ファイバを通じて接続されたスターカプラと、このスターカプラから分岐して光ファイバを通じて接続された複数のONUとを有する光通信システムにおいても、前記(1)〜(3)と同様に、フィードフォワード方式で波形歪みを補正することができ、特に光信号のレベルの大/小にも対応することができる。




 

 


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