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VCM制御システムおよび磁気ディスク記憶装置 - 株式会社日立製作所
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発明の名称 VCM制御システムおよび磁気ディスク記憶装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−173640(P2003−173640A)
公開日 平成15年6月20日(2003.6.20)
出願番号 特願2001−373766(P2001−373766)
出願日 平成13年12月7日(2001.12.7)
代理人 【識別番号】100085811
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 富雄
【テーマコード(参考)】
5D096
【Fターム(参考)】
5D096 RR01 RR18 TT03 UU03 
発明者 佐藤 浩 / 鴻上 康彦 / 西村 健二
要約 課題
VCMによる磁気ヘッドのシーク動作およびフォロイング動作を最適化することができるようにする。

解決手段
磁気ヘッドの位置と目標の記録トラック位置との差に基づいて生成されたデジタル制御値をD/A変換器28でアナログ制御電圧に変換し、この制御電圧で、磁気ヘッドを移動駆動するボイスコイルモータ(VCM)16の駆動電流を制御するとともに、磁気ヘッドをトラック間移動させるシーク時には、D/A変換器28の変換利得を高利得に設定して駆動電流の振幅レンジを拡大し、磁気ヘッドを目標の記録トラックに追従させるフォロイング時には、変換利得を低利得に設定して駆動電流の制御分解能を高めるようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】 ヘッド位置と目標の記録トラック位置との差に基づいて生成されたデジタル制御値をD/A変換器でアナログ制御電圧に変換し、この制御電圧で、ヘッドを移動駆動するボイスコイルモータの駆動電流を制御し、上記ヘッドをトラック間移動させるシーク時には、上記D/A変換器の変換利得を第1の利得に設定して上記駆動電流の振幅レンジを拡大し、上記ヘッドを目標の記録トラックに追従させるフォロイング時には、上記変換利得を第2の利得に設定して上記駆動電流の制御分解能を高めるようにしたVCM制御システムであって、フォロイング時における上記D/A変換器のオフセット値を検出する手段と、上記D/A変換器のオフセットを補正する手段とを、外部から制御操作可能な状態で設けたことを特徴とするVCM制御システム。
【請求項2】 請求項1の発明において、前記デジタル制御値をアナログ制御電圧に変換する主D/A変換器と、この主D/A変換器の出力値に加算または減算されるアナログ変換出力を有する副D/A変換器と、上記副D/A変換器のデジタル入力値をステップアップまたはステップダウンするカウンタと、上記主D/A変換器の変換出力値が所定の値になったか否かを検出するコンパレータとを、外部から制御操作可能な状態で設けたことを特徴とするVCM制御システム。
【請求項3】 請求項2の発明において、フォロイング時に前記副D/A変換器に入力される補正値を保持するレジスタと、シーク時に前記副D/A変換器に入力される補正値を保持するレジスタとを備えるとともに、各レジスタの保持内容を外部から制御操作できるようにしたことを特徴とするVCM制御システム。
【請求項4】 請求項2または3の発明において、前記主D/A変換器と前記副D/A変換器のアナログ変換出力形式を電流にするとともに、その電流出力を電圧出力に変換するI/V変換器を設け、このI/V変換器の利得を外部からの制御操作によって切替設定させるようにしたことを特徴とするVCM制御システム。
【請求項5】 請求項4の発明において、負帰還動作させられる差動アンプを用いて前記I/V変換器を構成するとともに、その差動アンプの負帰還抵抗の接続を外部からの制御によって切替設定させることにより、高第1の利得のI/V変換、低第2の利得のI/V変換、および開放利得によるコンパレータの各動作モードを切替設定可能に構成したことを特徴とするVCM制御システム。
【請求項6】 ヘッド位置と目標の記録トラック位置との差に基づいて生成されたデジタル制御値をD/A変換器でアナログ制御電圧に変換し、この制御電圧で、ヘッドを移動駆動するボイスコイルモータの駆動電流を制御するとともにし、上記ヘッドをトラック間で移動させるシーク時には、上記D/A変換器の変換利得を高第1の利得に設定して上記駆動電流の振幅レンジを拡大し、上記ヘッドを目標の記録トラックに追従させるフォロイング時には、上記変換利得を低第2の利得に設定して上記駆動電流の制御分解能を高めるようにしたVCM制御システムであって、前記デジタル制御値をアナログ制御電圧に変換する主D/A変換器と、この主D/A変換器の出力値に加算または減算されるアナログ変換出力を有する副D/A変換器と、フォロイング時に前記副D/A変換器に入力される補正値を保持する第1レジスタと、シーク時に前記副D/A変換器に入力される補正値を保持する第2レジスタとを備えたことを特徴とするVCM制御システム。
【請求項7】 請求項1〜6に記載のVCM制御システムと、該VCM制御システムによって制御され回転駆動される磁気記憶ディスク上の記憶トラックに対して情報のリードを行なうヘッドとを備えてなることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイスコイルモータを制御するVCM制御システムに関し、とくに、VCM(ボイスコイルモータ)で移動駆動される磁気ヘッドを、高速回転駆動されるプラッタ(磁気記録ディスク)表面の記録トラックにトレースさせることにより、情報のリード/ライトを行うHDD(ハードディスクドライバ)において、上記VCMによる磁気ヘッドのシーク動作およびフォロイング動作を最適化させるのに適した技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクドライバは、高速回転駆動されるプラッタ表面の記録トラックに磁気ヘッドをトレースさせて情報のリード/ライトを行う。磁気ヘッドはプラッタ表面に沿ってスイング動作する可動ヘッドアームの先端に設けられている。可動ヘッドアームはVCMによって駆動される。VCMはハードディスクドライバ内に組み込まれたVCM制御ユニットにフレキシブルケーブルで接続されている。VCMの駆動制御およびリード/ライト信号の伝送は、そのフレキシブルケーブルを介して行われる。VCM制御ユニットは、磁気ヘッドを目標の記録トラック位置へ移動させるとともに、その目標の記録トラック位置に磁気ヘッドを追従させるように、上記VCMに供給する電流を制御する。このVCM駆動制御は、磁気ヘッドのリード信号から解析されるデジタル位置情報に基づいて行う。
【0003】すなわち、磁気ヘッドの位置と目標の記録トラックの位置との差(誤差)をデジタル検出し、この検出に基づいてVCM駆動電流の制御値を生成する。この制御値はデジタル値で生成されるので、D/Aコンバータ(D/A変換器)でアナログ制御電圧に変換する。D/Aコンバータのアナログ変換出力が電流の場合はI/V(電流/電圧)変換器で電圧に変換する。この制御電圧を使ってVCM駆動電流をフィードバック制御する。VCM駆動電流は、その駆動電流の供給ラインに直列に挿入されたセンス抵抗によって検出する。このセンス抵抗の電流検出電圧(分圧電圧)と上記アナログ制御電圧との差がゼロとなるように、上記VCM駆動電流をフィードバック制御する。上述したVCM駆動制御では、磁気ヘッドを目標の記録トラック位置に移動させるシーク動作をできるだけ高速で行わせる一方、磁気ヘッドを目標の記録トラック位置に追従させるフォロイング動作をできるだけ高精度に行わせることが望まれる。このためには、図4の(a)に示すように、シーク時とフォロイング時とでD/A変換利得を高利得(Hi)と低利得(Lo)に切り換えるようする。
【0004】シーク動作を高速で行わせるには、上記D/Aコンバータのデジタル入力値に対するアナログ出力振幅を大きくする。つまり、D/A変換利得を高くすればよい。これにより、VCM駆動電流値の振幅レンジが大きくなって、磁気ヘッドを高速移動させるための大電流をVCMに供給することができる。一方、フォロイング動作を高精度に行わせるには、上記D/A変換利得を低くする。この場合、VCM駆動電流値の振幅レンジは小さくなるが、その分、駆動電流の制御分解能が高くなって、磁気ヘッドの移動を細かく制御するための高い電流制御精度を得ることができる。
【0005】したがって、D/A変換利得をシーク動作時とフォロイング動作時とで切り換えるように構成すれば、シーク動作の高速化と、フォロイング動作の高精度化とを両立させることができる。シーク動作とフォロイング動作は、磁気ヘッドのリード信号を解析して得られるデジタル位置情報等に基づいて判別できる。この判別に基づいて上記利得の切り換えを行う。磁気ヘッドが目標のトラック位置から離れているときは、D/A変換利得を高く設定することにより、磁気ヘッドを目標のトラック位置付近へ最短時間で移動させる粗い制御を行う一方、磁気ヘッドが目標の記録トラック付近に達したときは、D/A変換利得を低く設定することにより、磁気ヘッドの移動を細かく精密制御する。
【0006】D/A変換利得は、D/Aコンバータのアナログ変換出力を伝達するアンプの利得を切り換えることで可変設定できる。アンプの利得は負帰還回路の抵抗値を切り換えることで可変操作ができる。D/Aコンバータの変換出力が電流の場合は、その電流を電圧に変換するI/V変換器の利得設定抵抗値を切り換えればよい。上述したVCM制御ユニットの機能は、その大部分を半導体集積回路(LSI)化することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した技術には、次のような問題のあることが本発明者らによってあきらかとされた。すなわち、上述したシステムでは、VCMの駆動電流がシーク時とフォロイング時とで大きく異なり、シーク時のVCMには非常に大きな駆動電流(たとえば1A以上)が供給されるが、フォロイング時のVCMには非常に小さな電流(たとえば数μ〜数十mA)しか供給されない。ヘッドが目標のトラック位置に正確に追従している状態では、VCM電流がほとんどゼロになる。VCM電流はヘッドとトラック間で位置ずれが生じたときに、その位置ずれを補正するために流れる電流なので、ヘッドが目標の記録トラック位置に静止する完全なフォロイング状態では、図4の(a)に示すように、理論的にゼロになるはずである。
【0008】しかし、実際は、完全なフォロイング状態でも、図4の(b)に示すように、VCM電流がゼロになることはなく、少ないながらも有意のオフセット電流が流れる。このオフセット電流は、ヘッドに接続しているフレキシブルケーブルの応力をフィードバック補正するために流れる。フレキシブルケーブルは十分に柔軟なものが使用されてはいるが、ヘッドに作用する応力を完全になくすことはできない。このため、完全なフォロイング状態でも、その応力によるヘッドの位置ずれを補正するために、上記オフセット電流を流し続ける必要がある。このため、フォロイング状態のときは、上記オフセット電流に対応する制御値がデジタル生成される。この制御値はD/Aコンバータでアナログ電圧に変換されて最終的にVCM駆動電流値(オフセット電流値)となるが、このとき、次のような問題を生じることが、本発明者によってあきらかにされた。
【0009】(1)フォロイング動作からシーク動作に移行する際は、D/Aコンバータの変換利得が低利得から高利得に切り替えられる。このとき、低利得時に設定されていたオフセット電流値が、高利得に切り替わった瞬間にスケール拡大され、これがVCMに駆動電流として供給されてしまう。つまり、高利得に切り替わった直後の制御が、D/Aコンバータの変換レンジ(ダイナミックレンジ)の中心(ゼロ点)ではなく、そこから外れた位置を中心として開始されてしまう。このため、フォロイング動作からシーク動作への移行に際してVCM駆動電流が不連続に変化し、その変化直後の動作が不安定になってしまうという問題が生じる。この不安定な動作はその後の制御によって収束するが、余計な制御動作なので、シーク動作の遅延原因となる。シーク動作の遅延はハードディスクドライバのアクセス速度低下の原因となる。
(2)ハードディスクドライバの記録を高密度に行わせるためには磁気ヘッドの位置決め精度を高める必要がある。磁気ヘッドの位置決め精度はD/AコンバータによるVCM駆動電流の制御分解能に依存する。フォロイングを高精度に行わせるためには高分解能のD/Aコンバータが必要であるが、D/Aコンバータの分解能には限度がある。
【0010】この限られた分解能(ビットレンジ)を最大限に活かして高い制御精度を得るためには、上述したように、シーク時とフォロイング時とでD/A変換利得を切り替えるとともに、シーク時およびフォロイング時共に、D/Aコンバータの変換レンジ(ダイナミックレンジ)の中心がヘッドの位置決め中心となるようにすることが望ましい。こうすれば、ヘッドがどちらの方向にずれても、両方向共に同じダイナミックレンジで最適化された対称な制御条件で、位置決め制御を行わせることができる。ところが、上述したオフセット電流があると、ヘッドの位置決め中心が上記ダイナミックレンジの中心から外れて、最適化された対称な制御条件が得られなくなってしまう。対称な制御条件を得ようとすると、図4の(c)に示すように、制御レンジ(Lo)が狭くなってしまう。
【0011】上述したオフセットの影響を回避する手段として、本発明者は、補正用D/Aコンバータを使ってオフセット電流をキャンセルさせることを検討した。すなわち、上述した制御用D/Aコンバータとは別に補正用D/Aコンバータを用意し、これに所定の補正値を入力させる。この補正用D/Aコンバータのアナログ変換出力を制御用D/Aコンバータのアナログ変換出力に加算(または減算)することにより、制御用D/Aコンバータのダイナミックレンジの中心をヘッド位置決め中心に合わせることができる。つまり、制御用D/Aコンバータのダイナミックレンジの中心点にて、上記オフセット電流が流れるようにすることができる。この技術は上記オフセット電流があらかじめ一定値に定まっている場合には有効である。しかし、フレキシブルケーブルの応力等によって生じるオフセット電流は一定ではなく、装置ごとにバラツキがある。また、経時等によっても変化する。したがって、上記手段では、オフセットの影響を確実に回避することはできない。
【0012】(3)シーク動作はハードディスクドライバのアクセス速度を高めためにも、できるだけ高速化することが望まれる。シーク動作を高速化するにはVCM駆動電流値を大きくすればよく、このためには、VCMの電流供給路に直列に介在する電流測定用センス抵抗の値を小さくした方がよい。しかし、センス抵抗値を小さくするとオフセット電流も流れやすくなって、上記(1)と(2)の問題が一層顕著に現れるようになってしまう。本発明は以上のような問題を鑑みてなされたものであって、その目的は、ハードディスクドライバの記録密度、アクセス速度、および信頼性の向上に有効な技術を提供することにある。また、これを達成するために、VCMによる磁気ヘッドのシーク動作およびフォロイング動作を最適化するのに適した技術を提供する。
【0013】さらに具体的には、磁気ヘッドを目標の記録トラック位置にフォロイングさせるときに生じるオフセットを確実にキャンセルできるようにし、D/AコンバータによるVCM駆動電流の制御分解能を最大限に高めることができるようにした技術を提供することを目的とする。本発明の前記ならびにそのほかの目的と特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のとおりである。すなわち、ヘッド位置と目標の記録トラック位置との差に基づいて生成されたデジタル制御値をD/A変換器でアナログ制御電圧に変換し、この制御電圧で、上記ヘッドを移動駆動するボイスコイルモータの駆動電流を制御するとともに、上記ヘッドをトラック間移動させるシーク時には、上記D/A変換器の変換利得を高利得に設定して上記駆動電流の振幅レンジを拡大し、上記ヘッドを目標の記録トラックに追従させるフォロイング時には、上記変換利得を低利得に設定して上記駆動電流の制御分解能を高めるようにしたVCM制御システムであって、フォロイング時における上記D/A変換器のオフセット値を検出する手段と、上記D/A変換器のオフセットを補正する手段とを、外部から制御操作可能な状態で設けたものである。
【0015】上記した手段によれば、磁気ヘッドを目標の記録トラック位置にフォロイングさせるときに生じるオフセットを外部からの制御操作下で確実にキャンセルさせることができる。これにより、D/AコンバータによるVCM駆動電流の制御分解能を最大限に高めることが可能になる。また、VCMによる磁気ヘッドのシーク動作およびフォロイング動作を最適化することができるようになり、ハードディスクドライバの記録密度、アクセス速度、および信頼性の向上等をはかることができる。
【0016】また、上記デジタル制御値をアナログ制御電圧に変換する主D/A変換器と、この主D/A変換器の出力値に加算または減算されるアナログ変換出力を有する副D/A変換器と、上記副D/A変換器のデジタル入力値をステップアップまたはステップダウンするカウンタと、上記主D/A変換器の変換出力値が所定の中心値をなったか否かを検出するコンパレータとを、外部から制御操作可能な状態で設ける。これにより、カウンタやレジスタなどの小規模な回路要素でもって、上記オフセット値の検出手段およびオフセットの補正手段を外部から制御操作可能に構成することができる。
【0017】さらに、望ましくは、フォロイング時に上記副D/A変換器に入力される補正値を保持するレジスタと、シーク時に上記副D/A変換器に入力される補正値を保持するレジスタとを備えるとともに、各レジスタの保持内容を外部から制御操作できるようにする。これにより、フォロイング時とシーク時とでそれぞれに上記オフセットの補正を適切に行うことができる手段を比較的簡単に構成することができる。
【0018】さらに、上記主D/A変換器と上記副D/A変換器のアナログ変換出力形式を電流にするとともに、その電流出力を電圧出力に変換するI/V変換器を設け、このI/V変換器の利得を外部からの制御操作によって切替設定させるようにする。これにより、各D/A変換器の出力を加算または減算する操作は、電流の加算または減算によって比較的簡単かつ高精度に行わせることができる。一般に、アナログ出力の加算または減算は、電圧で行うよりも、簡単で高精度を得やすい。
【0019】また、負帰還動作させられる差動アンプを用いて上記I/V変換器を構成するとともに、その差動アンプの負帰還抵抗の接続を外部からの制御によって切替設定させることにより、高利得のI/V変換、低利得のI/V変換、および開放利得によるコンパレータの各動作モードを切替設定できるようにする。これにより、上記3種類の動作モードを単一の回路で実現できるため、構成を大幅に簡略化させることができる。さらに、各動作モード間にて動作基準電圧などを共用できるので、動作の精度も高められる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の技術が適用されたVCM制御システムの構成をブロック図で示す。同図に示すシステムはLSI化されたVCM制御ユニット20を有する。この制御ユニット20は、デジタル制御回路22、制御レジスタ24、DAC電流生成部26、I/V変換部32、VCM駆動回路34、電流センスアンプ36、オフセット補正設定部38などを有する。
【0021】デジタル制御回路22はVCM制御ユニット20内の各機能を集中的に制御する。このデジタル制御回路22は、外部制御ユニット(コントローラ)50から入力されるクロック(CLK)およびイネーブル信号(ENABLE)によって動作させられ、その外部制御ユニット50との間でデータ(DATA)の双方向シリアル通信を行う。外部制御ユニット50は、磁気ヘッドのリード信号から解析されるデジタル位置情報に基づいて、VCM駆動電流の制御値を生成する。この制御値はデジタルデータであって、VCM制御ユニット20内のデジタル制御回路22を介して制御レジスタ24に転送され、さらにその制御レジスタ24からDAC電流生成部26に入力される。
【0022】DAC電流生成部26は、VCM制御用の主D/Aコンバータ28とオフセット補正用の副D/Aコンバータ30により構成される。主D/Aコンバータ26は、上記制御レジスタ24から入力されるデジタル制御値をアナログ電流値に変換する。副D/Aコンバータ30はオフセットの測定および補正用であって、その変換出力値は主D/Aコンバータ26の変換出力値に加算(または減算)されるようになっている。
【0023】D/Aコンバータ28と30は共に電流出力形式のものが使用されている。これは、アナログ出力の加算または減算が、電圧で行うよりも、電流で行った方が回路的に簡単で高精度を得やすいことによる。また、両D/Aコンバータ28,30のD/A変換出力を加算または減算する操作も、電流の加算または減算によって行う方が簡単で高精度に行わせることができる。
【0024】I/V変換器32は、差動アンプ33、利得設定用の負還抵抗R1,R2、およびスイッチ回路s1,s2などによって構成され、DAC電流生成部26から出力されるアナログ電流値を電圧変換する。この場合、差動アンプ33は、アンプ入力レンジの中心レベルを基準にして動作するように、一定の基準電圧が与えられている。負還抵抗R1とR2は一方が相対的に高抵抗値(4R)で、他方が相対的に低抵抗値(R)にそれぞれ設定されている。スイッチ回路s1,s2のオン/オフ状態はデジタル制御回路22によって制御される。デジタル制御回路22は外部制御ユニット50の制御下で動作する。
【0025】上記I/V変換器32は、次の(1)〜(3)の動作モードを有する。
(1)高利得モード:スイッチ回路s1をオン、スイッチ回路s2をオフにそれぞれ設定すると、高抵抗値の負還抵抗R1(=4R)により、高利得のI/V変換器として動作する。
(2)低利得モード:スイッチ回路s1をオフ、s2をオンにそれぞれ設定すると、低抵抗値の負還抵抗R2(=R)により、低利得のI/V変換器として動作する。
(3)コンパレータ(比較器)モード:スイッチ回路s1とs2を共にオフに設定すると、差動アンプ33が開放利得状態となり、差動アンプ33の入力レンジの中心レベルを比較基準とするコンパレータとして動作する。
【0026】I/V変換器32から出力された制御電圧は、抵抗R3を直列に介してVCM駆動回路34の制御入力に与えられる。VCM駆動回路34はVCM16に駆動電流を供給する。この駆動電流の供給は電流検出用センス抵抗Rsを直列に介して行われる。センス抵抗Rsの両端にはVCM駆動電流に応じた電流検出電圧が分圧される。この電流検出電圧はセンスアンプ36で増幅された後、抵抗R4を直列に介してVCM駆動回路34の制御入力側に帰還される。VCM駆動回路34の制御入力には、上記制御電圧が入力されていて、この制御電圧と上記電流検出電圧の差がゼロとなるように、そのVCM駆動制御回路34の出力電流がフィードバック制御される。これにより、VCM駆動回路34は、上記制御電圧に対応する大きさの駆動電流をVCM16に供給する。
【0027】シーク動作時には、上記I/V変換器32を高利得モードで動作させることにより、VCM駆動電流値の振幅レンジを拡大する。これにより、磁気ヘッドを目標のトラック位置付近へ最短時間で移動させる粗い制御を行わせることができる。また、フォロイング動作時には、上記I/V変換器32を低利得モードで動作させることにより、VCM駆動電流値の振幅レンジを縮小する。これにより、駆動電流の制御分解能が高められ、磁気ヘッドの移動を細かく精密制御することができる。
【0028】オフセット補正設定部38は、オフセット測定用のカウンタ40とレジスタ42、低利得時補正用レジスタ44、高利得時補正用レジスタ46などによって構成される。このオフセット補正設定部38は、主D/Aコンバータ28のオフセット値を測定し、この測定の結果に基づいて算出されたオフセット補正値を使って、主D/Aコンバータ28の変換レンジの中心をヘッド位置決めの中心に合致させるような補正を行う。オフセット値の測定と、この測定結果に基づく補正は、図2に示すような手順で行うことができる。
【0029】図2は、本発明によるシステムの使用手順をフローチャートで示したものである。この場合、上述したVCM制御ユニット20内の機能は、デジタル制御回路22を介して外部(ユーザ)から制御操作できるように開放されている。外部制御ユニット50は、その開放された機能を操作することにより、次のような手順を実行することができる。
【0030】まず、手順S1〜S4により、主D/Aコンバータ28のオフセット値(OF11)を検出する。
S1:VCM駆動回路34を非動作状態に設定する。この状態ではVCM駆動回路34の出力がハイ・インピーダンス状態となって、ヘッド駆動を行わない。ヘッドはアンローディング状態にある。
S2:主D/Aコンバータ28にデジタル入力レンジの中心値を入力する。
S3:I/V変換器32の動作をコンパレータモードにして、副D/Aコンバータ30とカウンタ40による主D/Aコンバータ28のオフセット校正(キャリブレーション)を行う。校正は、副D/Aコンバータ30にカウンタ40のカウント値を入力させ、そのカウント値を1ずつカウントアップ(またはダウン)させて行う。カウントアップ(ダウン)は、I/V変換器32のコンパレータ出力が反転するところまで行う。コンパレータ出力が反転したら、そのときのカウント値をレジスタ42に書き込む。コンパレータ出力はI/V変換器32の動作中心で反転する。これにより、レジスタ42には、主D/Aコンバータ28のオフセット値(OF11)が書き込まれる。
S4:レジスタ42のオフセット値(OF11)を外部制御ユニット50が読み込む。
【0031】次に、手順S5〜S8により、フォロイング時のオフセット値(OF12)を検出する。
S5:副D/Aコンバータ30にデジタル入力レンジの中心値を入力する。
S6:VCM駆動回路34を動作状態にしてヘッドローディングを行う。
S7:ヘッドをフォロイング状態にする。このフォロイング状態では、I/V変換器32が低利得モードに設定される。
S8:ヘッドがフォロイング状態にあるときの主D/Aコンバータ28のデジタル入力値を低利得時補正用レジスタ44にセットする。このレジスタ44にセットされた入力値は、フォロイング時のオフセット値(OF12)として外部制御ユニット50に読み取られる。このときにレジスタ44にセットされたオフセット値(OF12)は、フォロイング時すなわちI/V変換器32が低利得モードのときのオフセット補正値として使用される。この補正値(OF12)は、副D/Aコンバータ30のデジタル入力レンジ中心値に加算(減算)される。この加算(減算)により、副D/Aコンバータ30の出力は、フォロイング時における主D/Aコンバータ28の出力値がD/A変換レンジ(ダイナミックレンジ)の中心値となるように修正される。これにより、ヘッドがどちらの方向にずれても、両方向共に同じダイナミックレンジで最適化された対称な制御条件で位置決め制御を行わせることができるようになる。
【0032】高利得時補正用レジスタ46への補正値のセットは、このあとの手順S9〜S11にて行う。
S9:高利得時補正用レジスタ46へ高利得をセットする。
S10:補正値(OF13)を計算する。この補正値(OF13)は、上記2つのオフセット値(OF11とOF12)によって生じるオフセット電流をキャンセルできるような値とすればよい。このような補正値(OF13)は、I/V変換器32の高利得モードと低利得モードの利得差が4倍(4R/R)であるとすれば、OF13=(1/4)×OF12+(3/4)×OF11の計算式によって得ることができる。
S11:このようにして得られた補正値(OF13)を高利得時補正用レジスタ46にセットする。I/V変換器32が高利得モードのときに、その補正値(OF13)を副D/Aコンバータ30のデジタル入力レンジ中心値に加算(減算)させるようにすれば、フォロイング状態からシーク状態へ移行するときのVCM駆動電流の変化を抑えることができるようになる。これにより、シーク移行直後の動作安定性を確保して、シーク動作の高速化および高安定化をはかることができる。
【0033】図3は、本発明によるVCM制御システムが適用されるハードディスクドライバの概略構成例を示す。同図に示すハードディスクドライバ10は、高速回転駆動されるプラッタ12表面の記録トラックに磁気ヘッド14をトレースさせて情報のリード/ライトを行う。磁気ヘッド14はプラッタ12表面に沿ってスイング動作する可動ヘッドアーム15の先端に設けられている。可動ヘッドアーム15はVCM16によって駆動される。VCM16は、ハードディスクドライバ10内に組み込まれたVCM制御ユニット20にフレキシブルケーブル18で接続されている。VCM16の駆動制御およびリード/ライト信号の伝送は、そのフレキシブルケーブル18を介して行われる。
【0034】フレキシブルケーブル18はオフセット発生の原因となるが、上述のVCM制御ユニット20を用いた本発明のシステムでは、磁気ヘッドを目標の記録トラック位置にフォロイングさせるときに生じるオフセットを外部からの制御操作下で確実にキャンセルさせることができ、これにより、D/AコンバータによるVCM駆動電流の制御分解能を最大限に高めることができる。したがって、VCMによる磁気ヘッドのシーク動作およびフォロイング動作を最適化して、ハードディスクドライバの記録密度、アクセス速度、および信頼性の向上を図ること可能になる。
【0035】以上、本発明者によってなされた発明を実施態様にもとづき具体的に説明したが、本発明は上記実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、主D/Aコンバータ28のオフセット値(OF11)を検出するために使用するコンパレータは、I/V変換器32とは別の独立したコンパレータであってもよい。また、主D/Aコンバータ28のオフセット値(OF11)を検出するための手段はVCM制御ユニット(LSI)の外部にあっても良い。
【0036】以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるハードディスクを記憶媒体とする磁気ディスク記憶装置に適用した場合について説明したが、本発明にそれに限定されるものでなく、フレキシブルディスクを記憶媒体とする磁気ディスク記憶装置にも利用することができる。
【0037】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。すなわち、磁気ヘッドを目標の記録トラック位置にフォロイングさせるときに生じるオフセットを確実にキャンセルできるようになり、D/AコンバータによるVCM駆動電流の制御分解能を最大限に高めることができる。これにより、VCMによる磁気ヘッドのシーク動作およびフォロイング動作を最適化することができ、磁気ディスク記憶装置の記録密度、アクセス速度、および信頼性を向上させることができる。




 

 


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