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発明の名称 CDMA受信装置におけるパス検出方法及びその装置並びに制御プログラムを記録した記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−78448(P2003−78448A)
公開日 平成15年3月14日(2003.3.14)
出願番号 特願2001−262516(P2001−262516)
出願日 平成13年8月30日(2001.8.30)
代理人 【識別番号】100099830
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 征生
【テーマコード(参考)】
5K022
【Fターム(参考)】
5K022 EE02 EE32 
発明者 荒谷 泰輝 / 丸山 勇一
要約 課題
CDMA受信装置における有効なパスの誤認識の低減を図る。

解決手段
アンテナ11で受信した信号を回路13でダウンコンバートし、その信号を回路15でA/D変換する。A/D変換された受信信号及び拡散符号レプリカに基づいて手段12で遅延プロファイルを作成して手段16に記憶する。上記遅延プロファイルに基づいて手段22で最大受信レベルを検出し、手段18で平均値を算出する。上記平均値に基づいて手段20、32でパス検出閾値、無条件マスク閾値を算出する。上記最大受信レベルに基づいて手段24、26で1/4チップずれ隣接パス検出閾値、1/2チップずれ隣接パス検出閾値を算出する。上記最大受信レベル及び上記3つの閾値に基づいて有効なパスを検出する。
特許請求の範囲
【請求項1】 パス毎に受信信号を逆拡散してレイク合成するに際して、受信信号を用いて発生された遅延プロファイルに基づいてレイク合成を行う際にパスを検出するCDMA受信装置におけるパス検出方法であって、前記遅延プロファイルに基づいて有効なパスを検出するための基準パスを検出し、検出された前記基準パスの検出時刻からCDMA受信装置の受信特性を良くするのに有意なパス検出時間内に存在するパスを、レイク合成を行う際に有効なパスとして検出することを特徴とするCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項2】 前記基準パスは、前記遅延プロファイル内の順次に大きい受信レベルを有するパスを順次基準パスとして検出したときまでに検出された有効なパスの総数が所定の有効なパスの数に至っていないとき、最新に検出された基準パスの検出時刻から前後にずれた時刻において最新に検出された該基準パスの前記受信レベルに次ぐ受信レベルを有するパスとして検出されることを特徴とする請求項1記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項3】 前記パス検出時間は、前記受信信号を逆拡散する基本単位時間より所定の値だけ短い時間であることを特徴とする請求項1又は2記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項4】 前記レイク合成を行う際に有効なパスは、前記基準パスの前記受信レベルが、前記遅延プロファイルの平均値にパス検出閾値係数を乗算して得たパス検出閾値を超えていることを条件に検出されることを特徴とする請求項1、2又は3記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項5】 前記レイク合成を行う際に有効なパスは、前記基準パスの前記検出時刻よりも所定時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの前記受信レベルが、検出された前記基準パスの前記受信レベルに前記所定時間だけずれた時刻での第1のパス検出閾値係数を乗算して得た第1のパス検出閾値を超えていることを条件に検出されることを特徴とする請求項1、2又は3記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項6】 前記レイク合成を行う際に有効なパスは、前記基準パスの前記受信レベルが前記遅延プロファイルの平均値に無条件マスク閾値係数を乗算して得た無条件マスク閾値を超えていることを条件に検出されることを特徴とする請求項1、2又は3記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項7】 前記レイク合成を行う際に有効なパスは、前記基準パスの前記検出時刻から前記所定時間よりも長く、かつ、前記パス検出時間よりも短い時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの前記受信レベルが、検出された前記基準パスの前記受信レベルに前記所定時間だけずれた時刻での第1のパス検出閾値係数を乗算して得た第1のパス検出閾値を超えていることを条件に検出されることを特徴とする請求項1、2又は3記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項8】 前記レイク合成を行う際に有効なパスは、前記基準パスの受信レベルが、前記パス検出閾値を超えているときに検出される有効なパスと、前記無条件マスク閾値を超えているときに検出される有効なパスと、前記所定時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの前記受信レベルが、前記第1のパス検出閾値を超えているときに検出される有効なパスと、前記所定時間よりも長く、かつ、前記パス検出時間よりも短い時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの受信レベルが、前記第1のパス検出閾値を超えているとき検出される有効なパスとの一部又は全部の組み合わせとして検出されることを特徴とする請求項1、2又は3記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項9】 前記所定時間は、前記基本単位時間の1/4の時間であることを特徴とする請求項5、6、7又は8記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項10】 前記所定時間は、前記基本単位時間の1/2の時間であることを特徴とする請求項5、6、7又は8記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項11】 前記パス検出閾値係数は、3.75であることを特徴とする請求項4、8、9又は10記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項12】 前記第1のパス検出閾値係数は、0.9375であることを特徴とする請求項5、7、8、9又は10記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項13】 前記第1のパス検出閾値係数は、0.625であることを特徴とする請求項5、7、8、9又は10記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項14】 前記無条件マスク閾値係数は、8であることを特徴とする請求項6又は8記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項15】 前記所定時間よりも長く、かつ、前記パス検出時間よりも短い時間は、前記基本単位時間の3/4の時間であることを特徴とする請求項7、8、9又は10記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法。
【請求項16】 遅延プロファイルを記憶する記憶手段と、該記憶手段から前記遅延プロファイルを読み出し、読み出した前記遅延プロファイルに基づいてレイク合成を行う際にパスを検出するパス検出手段を有するCDMA受信装置におけるパス検出装置であって、前記パス検出手段を、前記記憶手段から読み出された前記遅延プロファイルに基づいて有効なパスを検出するための基準パスを検出する基準パス検出手段と、該基準パス検出手段によって検出された前記基準パスの検出時刻から前記CDMA受信装置の受信特性を良くするのに有意なパス検出時間内に存在するパスを、レイク合成を行う際に有効なパスとして検出する検出手段とで構成したことを特徴とするCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項17】 前記基準パス検出手段は、前記遅延プロファイル内の順次に大きい受信レベルを有するパスを順次基準パスとして検出したときまでに検出されている有効なパスの総数が所定の有効なパスの数に至っていないとき、最新に検出された基準パスの検出時刻から前後にずれた時刻において最新に検出された該基準パスの前記受信レベルに次ぐ受信レベルを有するパスを基準パスとして検出することを特徴とする請求項16記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項18】 前記パス検出時間は、前記受信信号を逆拡散する基本単位時間より所定の値だけ短い時間であることを特徴とする請求項16又は17記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項19】 前記検出手段は、前記基準パスの前記受信レベルが、前記遅延プロファイルの平均値にパス検出閾値係数を乗算して得たパス検出閾値を超えていることを条件に有効なパスを検出することを特徴とする請求項16、17又は18記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項20】 前記検出手段は、前記基準パスの前記検出時刻よりも所定時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの前記受信レベルが、検出された前記基準パスの前記受信レベルに前記所定時間だけずれた時刻での第1のパス検出閾値係数を乗算して得た第1のパス検出閾値を超えていることを条件に有効なパスを検出することを特徴とする請求項16、17又は18記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項21】 前記検出手段は、前記基準パスの前記受信レベルが前記遅延プロファイルの平均値に無条件マスク閾値係数を乗算して得た無条件マスク閾値を超えていることを条件に有効なパスを検出することを特徴とする請求項16、17又は18記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項22】 前記検出手段は、前記基準パスの前記検出時刻から前記所定時間よりも長く、かつ、前記パス検出時間よりも短い時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの前記受信レベルが、検出された前記基準パスの前記受信レベルに前記所定時間だけずれた時刻での第1のパス検出閾値係数を乗算して得た第1のパス検出閾値を超えていることを条件に有効なパスを検出することを特徴とする請求項16、17又は18記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項23】 前記検出手段は、前記基準パスの受信レベルが、前記パス検出閾値を超えているとき有効なパスを検出する第1の検出手段と、前記無条件マスク閾値を超えているとき有効なパスを検出する第2の検出手段と、前記所定時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの前記受信レベルが、前記第1のパス検出閾値を超えているとき有効なパスを検出する第3の検出手段と、前記所定時間よりも長く、かつ、前記パス検出時間よりも短い時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの前記受信レベルが、前記第1のパス検出閾値を超えているとき有効なパスを検出する第4の検出手段との一部又は全部の組み合わせとして構成されることを特徴とする請求項16、17又は18記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項24】 前記所定時間は、前記基本単位時間の1/4の時間であることを特徴とする請求項20、21、22又は23記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項25】 前記所定時間は、前記基本単位時間の1/2の時間であることを特徴とする請求項20、21、22又は23記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項26】 前記パス検出閾値係数は、3.75であることを特徴とする請求項19、23、24又は25記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項27】 前記第1のパス検出閾値係数は、0.9375であることを特徴とする請求項20、23、24又は25記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項28】 前記第1のパス検出閾値係数は、0.625であることを特徴とする請求項20、23、24又は25記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項29】 前記無条件マスク閾値係数は、8であることを特徴とする請求項21又は23記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項30】 前記所定時間よりも長く、かつ、前記パス検出時間よりも短い時間は、前記基本単位時間の3/4の時間であることを特徴とする請求項22、23、24又は25記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置。
【請求項31】 コンピュータに、請求項1乃至15のうちのいずれか一に記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法を実現させるための制御プログラムを記載した記録媒体。
【請求項32】 コンピュータに、請求項16乃至30のうちのいずれか一に記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置の機能を実現させるための制御プログラムを記載した記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CDMA受信装置におけるパス検出方法及びその装置並びに制御プログラムを記録した記録媒体に関し、詳しくはパスの誤認識を可及的に除き得るCDMA受信装置におけるパス検出方法及びその装置並びに制御プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】CDMA受信装置を構成する公知のパス検出方法は、遅延プロファイルを作成し、その遅延プロファイル内の受信レベルの大きいN(Nはフィンガ数により決定される自然数)個のパスをレイク合成すべきパスとして検出するものである。その遅延プロファイルは、図12に示すように、受信レベルの時間推移を表すものである。この遅延プロファイルの作成は、次の通りである。なお、図12の横軸は時間で、その1目盛は1/4チップである。縦軸は受信レベル(コード相関値)である。1チップは、受信信号を逆拡散する基本単位時間をいう。
【0003】受信信号をある1つのタイミングE1で拡散符号レプリカを用いて逆拡散を行ってタイミングE1における受信レベルを測定する。タイミングE1は、1チップに対する分解能、例えば、1/4分解能のタイミングに設定される。タイミングE1での測定後、1分解能のタイミングだけずらせつつ、ずらせたタイミング毎に同様の受信レベルを測定する。すなわち、図12のタイミングE2、E3、E4、…での受信レベルを順次測定する。その測定個数Lは、マルチパスサーチ範囲内の、遅延プロファイルを作成する際のサーチウィンドウサイズにより決定される値である。このようにして測定されたL個の受信レベルと拡散符号レプリカとから、遅延プロファイルは作成される。
【0004】図13は、上述した従来のパス検出方法の装置構成を示す図である。パス検出装置は、図13に示すように、逆拡散手段12、拡散符号レプリカ生成手段14、記憶部16、最大受信レベル検出手段22、パス検出手段4−28及びパスマスク手段30から構成されている。なお、逆拡散手段12の入力には、アンテナ11で受信した高周波信号を高周波受信回路13でダウンコンバートし、ダウンコンバートされた信号をA/D変換回路15でA/D変換した受信信号が供給される。また、受信信号は、フィンガ17に供給され、後述するレイク合成すべきパスに基づいて逆拡散した信号(復調信号)がフィンガ17から出力される。その復調信号は、レイク受信回路19へ供給されてレイク合成され、レイク合成された信号は、図示しない受信データを再生する回路に供給される。
【0005】受信信号を受信する逆拡散手段12において、拡散符号レプリカ生成手段14から与えられる拡散符号レプリカを用いて遅延プロファイルの受信レベルが順次作成される。順次に作成される遅延プロファイルの受信レベルは、記憶部16に記憶される。
【0006】最大受信レベル手段22が、記憶部16に記憶された遅延プロファイルを読み出し、その遅延プロファイルを用いて最大受信レベルを有するパスを基準パスとして検出する(図14のSC1)。パスマスク手段30は、レイク合成すべきパスとされたパスの±3/4チップ以内の範囲に存在するパスに対するマスク処理を行う(図14のSC2)。パス検出手段4−28は、最大受信レベル手段18で検出した基準パスをレイク合成すべきパスとする(図14のSC3)。
【0007】この処理までにおいて、フィンガ本数分のレイク合成すべきパスが検出されていないならば(図14のSC4のN)、パス検出手段22において、基準パスの受信レベルよりも小さい受信レベルのうちの最大受信レベルを示しているパスを基準パスとしてステップSC2の処理に戻る(図14のSC5)。上述のステップSC2乃至ステップSC5の処理をフィンガ本数分のレイク合成すべきパスが検出されるまで繰り返す。フィンガ本数分のレイク合成すべきパスが検出されたとき(図14のSC4のY)、パスの検出処理は終了する。検出されたフィンガ本数分のパスについてのレイク合成は、その検出後にレイク受信回路19において行われる。
【0008】上述した従来のパス検出方法は、作成した遅延プロファイルから受信レベルの最大受信レベルから順次小さい受信レベルまでのN(Nはフィンガの数)個のパスをレイク合成すべきパスとして検出している。
【0009】したがって、遅延プロファイルが、例えば、図15に示すようなものであったとするとすると(但し、図15の横軸は時間で、その1目盛は5チップであり、1チップ内に1/4チップ分解能で測定される24個分の受信レベルのドットがる。縦軸は受信レベル(コード相関値)である)、レイク合成すべき本来のパスの受信レベルのピークがF1、F2及びF3である場合であって、ノイズやフェージングによる干渉若しくはコード相関によるピークがF4、F5として現れているほか、ピークF1のパスとピークF2のパスとの干渉によるピークがF6として現れて来るときに、フィンガの数Nが6であるならば、ピークF1乃至F6がすべてレイク合成すべきパスとして検出されてしまうことになり、本来レイク合成すべきパスとされるべきでないピークF4乃至F6のパスまでもレイク合成すべきパスと誤認識してしまうので、受信特性が劣化するという不都合が生ずる。また、レイク合成すべきパスとして検出したパスの±n(nは遅延プロファイルを作成する際の分解能で決定される自然数)個のパスをマスクしている。したがって、たとえレイク合成に有効なパスであったとしても、それらのパスは、除外されてしまう。
【0010】上述した従来のパス検出方法を用いて得られるパスタイミングが頻繁に入れ替わるのを防止して受信特性の劣化を抑えるCDMA受信装置が、特開2000−115030号公報(第1の公知例)に記載されている。すなわち、図16に示すように、アンテナ11で受信した高周波信号を高周波受信回路13でダウンコンバートし、高周波受信回路13から出力された信号をA/D変換回路15でA/D変換し、A/D変換された受信信号をスライディング相関器60に供給する。
【0011】スライディング相関器60は、遅延プロファイルを作成する。作成された遅延プロファイルに対するフェージング等によるパス変動の平均化処理を遅延プロファイル電力加算部62において行い、その平均化処理後の遅延プロファイルに、演算部64において状態重み付け部66からの重み付け関数が乗ぜられる。重み付けられた遅延プロファイルを受け取る相関ピーク位置検出部68は、パスタイミングを検出する。検出されたパスタイミングは、レイクパス割り当て部70に供給され、レイクパス割り当て部70は、フィンガ17にパス位置を割り当てると共に、重み付け関数を設定する。レイクパス割り当て部70における重み付け関数の設定の仕方は、現在のパス割り当て位置でのピーク値を大きくするような設定の仕方である。
【0012】なお、演算部64、状態重み付け部66、相関ピーク位置検出部68及びレイクパス割り当て部70は、DSP74内にあって、制御メモリ72に記憶されているプログラムが、DSP74のプログラム実行部(図示せず)によって読み出され、そこで実行されることによってその機能を遂行するようにして構成されている。
【0013】上述のような重み付け関数の設定は、フィンガ部に既に割り当てられているパスを優位なレベルにするように作用する。したがって、パスタイミングが頻繁に入れ替わる状況が発生したとしても、その入れ替わりを防止することができる。上記第1の公知例に記載されるパスタイミングの検出方法は、図22のステップSD1〜SD4に示されるように、作成された遅延プロファイルから受信レベルの大きい順にフィンガ本数分のレイク合成すべきパスを検出する方法である。したがって、上記第1の公知例に記載されるパスタイミングの検出方法は、上述した従来のパス検出方法と同じであり、上述の技術的課題を残している。
【0014】このような不都合を解決する技術手段が、特開平10−336072号公報(第2の公知例)に記載されている。この第2の公知例に記載されるレイク受信機は、図18に示すように構成されており、逆拡散手段12、拡散符号レプリカ生成手段14、記憶部16、最大受信レベル検出手段22、最小受信レベル検出手段52、第1の乗算手段54、第2の乗算手段56、パスマスク手段30及びパス検出手段5−28から構成されている。なお、逆拡散手段12の入力には、図13について説明したように、図13に示すA/D変換回路15でA/D変換された受信信号が供給される。
【0015】受信信号を受信する逆拡散手段12において、拡散符号レプリカ生成手段14から与えられる拡散符号レプリカを用いて遅延プロファイルの受信レベルが順次作成される。順次に作成される遅延プロファイルの受信レベルは、記憶部16に記憶される。
【0016】最大受信レベル手段22が、記憶部16に記憶された遅延プロファイルを読み出し、その遅延プロファイルを用いて最大受信レベルを検出し、最小受信レベル検出手段52が、記憶部16に記憶された遅延プロファイルを読み出し、その遅延プロファイルを用いて最小受信レベルを検出する。第1の乗算手段54が、最大受信レベル検出手段22で検出された最大受信レベルに第1の閾値係数を乗算して第1の閾値G1を算出し、第2の乗算手段56が、最小受信レベル検出手段52で検出された最小受信レベルに第2の閾値係数を乗算して第2の閾値G2を算出する(図19のSE1)。
【0017】また、最大受信レベル手段22は、記憶部16に記憶された遅延プロファイルを用いて最大受信レベルを検出する処理のほか、検出した最大受信レベルを有するパスを基準パスとして検出する処理も行う(図19のSE2)。パス検出手段5−28は、最大受信レベル手段22で検出した基準パスの受信レベルが、第1の乗算手段54から出力された第1の閾値G1及び第2の乗算手段56から出力された第2の閾値G2より大きいか否かを判定して大きいときそのパスをレイク合成すべきパスとして検出とする(図19のSE3のY)。
【0018】パスマスク手段30は、レイク合成すべきパスとされたパスの±3/4チップ以内にあるパスのマスク処理を行う(図19のSE4)。上記基準パスをレイク合成すべきパスとして検出する(図19のSE5)。
【0019】この処理までにおいて、フィンガ本数分のレイク合成すべきパスが検出されていないならば(図19のSE6のN)、パス検出手段5−28において、基準パスの受信レベルよりも小さい受信レベルのうちの最っとも大きい受信レベルを有するパスを基準パスとしてステップSE2の処理に戻る(図19のSE7)。上述のステップSE3乃至ステップSE7の処理をフィンガ本数分のレイク合成すべきパスが検出されるまで繰り返す。フィンガ本数分のレイク合成すべきパスが検出されたとき(図19のSE6のY)、パスの検出処理は終了する。検出されたフィンガ本数分のパスについてのレイク合成は、その検出後に、パス検出手段5−28に接続されるレイク受信回路(図13の19を参照されたい)において行われる。
【0020】上記第2の公知例に記載されるパス検出方法は、基準パス毎に基準パスから±3/4チップ以内にあるパスを除外するマスク処理を行うので、図20に示すように、第1の閾値G1及び第2の閾値G2を超える受信レベルを有するパスだけをレイク合成すべきパスとして検出する。なお、図20の横軸は時間で、その表示内容は、図15と同様である。縦軸は受信レベル(コード相関値)である。したがって、受信レベルのピークのうちピークF1、F2、F3のパスをレイク合成すべきパスとして検出するが、受信レベルのピークのうちピークF4、F5、F6のパスは、レイク合成すべきパスではないと判断することが可能になる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図21に示すようなレイク合成すべきパスが、受信レベルH1、H2の中間にあるような遅延プロファイルである場合においては、受信レベルH1、H2の双方もレイク合成すべきパスとしてレイク合成した方が受信特性の向上を図ることができる筈である。なお、図21の横軸は時間で、その1目盛は、1/4チップである。縦軸は、受信レベル(コード相関値)である。
【0022】しかしながら、上記第2の公知例に記載されるパス検出方法は、上述したように、最大受信レベル及び最小受信レベルを検出し、これら両受信レベルから第1の閾値G1及び第2の閾値G2を算出して最大受信レベル、上記例では受信レベルH1が第1の閾値G1及び第2の閾値G2のいずれよりも大きいか否かを判定して当該受信レベルH1のパスをレイク合成すべきパスとするが、受信レベルH1のパスの±3/4チップ以内のパスに対するマスク処理をしてしまうために(図21の網掛け部分がマスク範囲)、受信レベルH1の次に大きい受信レベルH2がレイク合成すべきパスの対象から外されてしまい、結果として意図する受信特性の向上が図れない、すなわち、受信レベルH1及び受信レベルH2の双方をレイク合成すべきパスとする場合に比して受信特性が劣化するという問題がある。
【0023】また、遅延プロファイルが図22に示すような、すなわち、レイク合成すべきパス(受信レベルI1)に非常に近いタイミング位置に、レイク合成すべきパス(受信レベルI2、受信レベルI3又は受信レベルI2と受信レベルI3との中間にある受信レベルのうちのいずれかの受信レベル)が存在し、干渉しているようなものであるとき、第2の公知例に記載されるパス検出方法では、受信レベルI1のパスはレイク合成すべきパスとして検出されるが、受信レベルI2、受信レベルI3又は受信レベルI2と受信レベルI3との中間にある受信レベルのうちのいずれかの受信レベルのパス(図22の網掛け部分がマスク範囲)も、上述したマスク処理により、レイク合成すべきパスから除外されてしまうので、受信特性の劣化が避けられないという不都合も生ずる。なお、図22の横軸は時間で、その1目盛は1/4チップである。縦軸は受信レベル(コード相関値)である。
【0024】この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、遅延プロファイルに基づいて有効なパスを検出する場合の有効なパスの誤認識を可及的に少なくし得るCDMA受信装置におけるパス候補検出方法及びその装置並びに制御プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、パス毎に受信信号を逆拡散してレイク合成するに際して、受信信号を用いて発生された遅延プロファイルに基づいてレイク合成を行う際にパスを検出するCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記遅延プロファイルに基づいて有効なパスを検出するための基準パスを検出し、検出された上記基準パスの検出時刻からCDMA受信装置の受信特性を良くするのに有意なパス検出時間内に存在するパスを、レイク合成を行う際に有効なパスとして検出することを特徴としている。
【0026】請求項2記載の発明は、請求項1記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記基準パスは、上記遅延プロファイル内の順次に大きい受信レベルを有するパスを順次基準パスとして検出したときまでに検出された有効なパスの総数が所定の有効なパスの数に至っていないとき、最新に検出された基準パスの検出時刻から前後にずれた時刻において最新に検出された該基準パスの上記受信レベルに次ぐ受信レベルを有するパスとして検出されることを特徴としている。
【0027】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記パス検出時間は、上記受信信号を逆拡散する基本単位時間より所定の値だけ短い時間であることを特徴としている。
【0028】請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記レイク合成を行う際に有効なパスは、上記基準パスの上記受信レベルが、上記遅延プロファイルの平均値にパス検出閾値係数を乗算して得たパス検出閾値を超えていることを条件に検出されることを特徴としている。
【0029】請求項5記載の発明は、請求項1、2又は3記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記レイク合成を行う際に有効なパスは、上記基準パスの上記検出時刻よりも所定時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの上記受信レベルが、検出された上記基準パスの上記受信レベルに上記所定時間だけずれた時刻での第1のパス検出閾値係数を乗算して得た第1のパス検出閾値を超えていることを条件に検出されることを特徴としている。
【0030】請求項6記載の発明は、請求項1、2又は3記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記レイク合成を行う際に有効なパスは、上記基準パスの上記受信レベルが上記遅延プロファイルの平均値に無条件マスク閾値係数を乗算して得た無条件マスク閾値を超えていることを条件に検出されることを特徴としている。
【0031】請求項7記載の発明は、請求項1、2又は3記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記レイク合成を行う際に有効なパスは、上記基準パスの上記検出時刻から上記所定時間よりも長く、かつ、上記パス検出時間よりも短い時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの上記受信レベルが、検出された上記基準パスの上記受信レベルに上記所定時間だけずれた時刻での第1のパス検出閾値係数を乗算して得た第1のパス検出閾値を超えていることを条件に検出されることを特徴としている。
【0032】請求項8記載の発明は、請求項1、2又は3記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記レイク合成を行う際に有効なパスは、上記基準パスの受信レベルが、上記パス検出閾値を超えているときに検出される有効なパスと、上記無条件マスク閾値を超えているときに検出される有効なパスと、上記所定時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの上記受信レベルが、上記第1のパス検出閾値を超えているときに検出される有効なパスと、上記所定時間よりも長く、かつ、上記パス検出時間よりも短い時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの受信レベルが、上記第1のパス検出閾値を超えているとき検出される有効なパスとの一部又は全部の組み合わせとして検出されることを特徴としている。
【0033】請求項9記載の発明は、請求項5、6、7又は8記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記所定時間は、上記基本単位時間の1/4の時間であることを特徴としている。
【0034】請求項10記載の発明は、請求項5、6、7又は8記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記所定時間は、上記基本単位時間の1/2の時間であることを特徴としている。
【0035】請求項11記載の発明は、請求項4、8、9又は10記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記パス検出閾値係数は、3.75であることを特徴としている。
【0036】請求項12記載の発明は、請求項5、7、8、9又は10記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記第1のパス検出閾値係数は、0.9375であることを特徴としている。
【0037】請求項13記載の発明は、請求項5、7、8、9又は10記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記第1のパス検出閾値係数は、0.625であることを特徴としている。
【0038】請求項14記載の発明は、請求項6又は8記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記無条件マスク閾値係数は、8であることを特徴としている。
【0039】請求項15記載の発明は、請求項7、8、9又は10記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法に係り、上記所定時間よりも長く、かつ、上記パス検出時間よりも短い時間は、上記基本単位時間の3/4の時間であることを特徴としている。
【0040】請求項16記載の発明は、遅延プロファイルを記憶する記憶手段と、該記憶手段から上記遅延プロファイルを読み出し、読み出した上記遅延プロファイルに基づいてレイク合成を行う際にパスを検出するパス検出手段を有するCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記パス検出手段を、上記記憶手段から読み出された上記遅延プロファイルに基づいて有効なパスを検出するための基準パスを検出する基準パス検出手段と、該基準パス検出手段によって検出された上記基準パスの検出時刻から上記CDMA受信装置の受信特性を良くするのに有意なパス検出時間内に存在するパスを、レイク合成を行う際に有効なパスとして検出する検出手段とで構成したことを特徴としている。
【0041】請求項17記載の発明は、請求項16記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記基準パス検出手段は、上記遅延プロファイル内の順次に大きい受信レベルを有するパスを順次基準パスとして検出したときまでに検出されている有効なパスの総数が所定の有効なパスの数に至っていないとき、最新に検出された基準パスの検出時刻から前後にずれた時刻において最新に検出された該基準パスの上記受信レベルに次ぐ受信レベルを有するパスを基準パスとして検出することを特徴としている。
【0042】請求項18記載の発明は、請求項16又は17記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記パス検出時間は、上記受信信号を逆拡散する基本単位時間より所定の値だけ短い時間であることを特徴としている。
【0043】請求項19記載の発明は、請求項16、17又は18記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記検出手段は、上記基準パスの上記受信レベルが、上記遅延プロファイルの平均値にパス検出閾値係数を乗算して得たパス検出閾値を超えていることを条件に有効なパスを検出することを特徴としている。
【0044】請求項20記載の発明は、請求項16、17又は18記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記検出手段は、上記基準パスの上記検出時刻よりも所定時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの上記受信レベルが、検出された上記基準パスの上記受信レベルに上記所定時間だけずれた時刻での第1のパス検出閾値係数を乗算して得た第1のパス検出閾値を超えていることを条件に有効なパスを検出することを特徴としている。
【0045】請求項21記載の発明は、請求項16、17又は18記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記検出手段は、上記基準パスの上記受信レベルが上記遅延プロファイルの平均値に無条件マスク閾値係数を乗算して得た無条件マスク閾値を超えていることを条件に有効なパスを検出することを特徴としている。
【0046】請求項22記載の発明は、請求項16、17又は18記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記検出手段は、上記基準パスの上記検出時刻から上記所定時間よりも長く、かつ、上記パス検出時間よりも短い時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの上記受信レベルが、検出された上記基準パスの上記受信レベルに上記所定時間だけずれた時刻での第1のパス検出閾値係数を乗算して得た第1のパス検出閾値を超えていることを条件に有効なパスを検出することを特徴としている。
【0047】請求項23記載の発明は、請求項16、17又は18記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記検出手段は、上記基準パスの受信レベルが、上記パス検出閾値を超えているとき有効なパスを検出する第1の検出手段と、上記無条件マスク閾値を超えているとき有効なパスを検出する第2の検出手段と、上記所定時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの上記受信レベルが、上記第1のパス検出閾値を超えているとき有効なパスを検出する第3の検出手段と、上記所定時間よりも長く、かつ、上記パス検出時間よりも短い時間だけずれた時刻までのパスであって、該パスの上記受信レベルが、上記第1のパス検出閾値を超えているとき有効なパスを検出する第4の検出手段との一部又は全部の組み合わせとして構成されることを特徴としている。
【0048】請求項24記載の発明は、請求項20、21、22又は23記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記所定時間は、上記基本単位時間の1/4の時間であることを特徴としている。
【0049】請求項25記載の発明は、請求項20、21、22又は23記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記所定時間は、上記基本単位時間の1/2の時間であることを特徴としている。
【0050】請求項26記載の発明は、請求項19、23、24又は25記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記パス検出閾値係数は、3.75であることを特徴としている。
【0051】請求項27記載の発明は、請求項20、23、24又は25記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記第1のパス検出閾値係数は、0.9375であることを特徴としている。
【0052】請求項28記載の発明は、請求項20、23、24又は25記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記第1のパス検出閾値係数は、0.625であることを特徴としている。
【0053】請求項29記載の発明は、請求項21又は23記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記無条件マスク閾値係数は、8であることを特徴としている。
【0054】請求項30記載の発明は、請求項22、23、24又は25記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置に係り、上記所定時間よりも長く、かつ、上記パス検出時間よりも短い時間は、上記基本単位時間の3/4の時間であることを特徴としている。
【0055】請求項31記載の発明は、制御プログラムを記載した記録媒体に係り、コンピュータに、請求項1乃至15のうちのいずれか一に記載のCDMA受信装置におけるパス検出方法を実現させるための制御プログラムを記載したことを特徴としている。
【0056】請求項32記載の発明は、制御プログラムを記載した記録媒体に係り、コンピュータに、請求項16乃至30のうちのいずれか一に記載のCDMA受信装置におけるパス検出装置の機能を実現させるための制御プログラムを記載したことを特徴としている。
【0057】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に説明する。
◇第1実施例図1は、この発明の第1実施例であるCDMA受信装置におけるパス検出装置の電気的構成を示す図、図2は、同パス検出装置の処理手順の一部を示すフローチャート、図3は、同パス検出装置の処理手順の残部を示すフローチャート、図4は、同パス検出装置で作成された遅延プロファイルの第1の例を示す図、図5は、同パス検出装置で作成された遅延プロファイルの第2の例を示す図、また、図6は、同パス検出装置で作成された遅延プロファイルの第3の例を示す図である。
【0058】この実施例のパス検出装置は、有効なパスを検出する場合の有効なパスの誤認識を可及的に少なくし得る装置に係り、図1に示すように、逆拡散手段12、拡散符号レプリカ生成手段14、記憶部16、平均値算出手段18、第1の乗算手段20、最大受信レベル検出手段22、第2の乗算手段24、第3の乗算手段26、パス検出手段28及びパスマスク手段30から構成されている。なお、逆拡散手段12の入力には、アンテナ11で受信した高周波信号を高周波受信回路13でダウンコンバートし、ダウンコンバートされた信号をA/D変換回路15でA/D変換した受信信号が供給される。また、受信信号は、フィンガ17に供給され、後述する有効なパスに基づいて逆拡散した信号(復調信号)がフィンガ17から出力される。その復調信号は、レイク受信回路19へ供給されてレイク合成され、レイク合成された信号は、図示しない受信データを再生する回路に供給される。
【0059】逆拡散手段12は、受信される受信信号と拡散符号レプリカ生成手段14から与えられる拡散符号レプリカとタイミング信号とを用いて受信信号を逆拡散して遅延プロファイルの受信レベルを順次作成するものである。この実施例において、受信信号を逆拡散するタイミングは、1/4チップ分解能に設定されている。タイミング信号は、図示しないタイミング生成手段から供給される。記憶部16は、逆拡散手段12で順次に作成される遅延プロファイルの受信レベルを記憶するものである。
【0060】平均値算出手段18は、記憶部16に記憶されている遅延プロファイルを読み出してその平均値を算出するものである。第1の乗算手段20は、平均値算出手段18で算出された遅延プロファイルの平均値と、パラメータとして外部から供給されるパス検出閾値係数とを乗算してパス検出閾値を算出するものである。パス検出閾値係数は、CDMA受信装置において、以下に述べる基準パスをレイク合成すべきパス(以下、有効なパスという)とするか否かを判断し、有効なパスとの判断となったときに後述する各処理を行うようにしてCDMA受信装置の受信特性を如何様な受信特性にするかによって決められる係数であり、このパス検出閾値係数の算定例を、CDMA受信装置の回路規模に重点を置いて受信特性のシュミレーションから決め得る値を示せば、上記パス検出閾値係数は、3.75である。
【0061】最大受信レベル手段22は、記憶部16に記憶されている遅延プロファイルを読み出し、その遅延プロファイルを用いて最大受信レベルを有するパスを基準パスとして検出するものである。第2の乗算手段24は、最大受信レベル手段22で検出された基準パスの受信レベルとパラメータとして外部から供給される1/4チップずれ隣接パス閾値係数とを乗算して1/4チップずれ隣接パス閾値を算出するものである。第3の乗算手段26は、最大受信レベル手段22で検出された基準パスの受信レベルとパラメータとして外部から供給される1/2チップずれ隣接パス閾値係数とを乗算して1/2チップずれ隣接パス閾値を算出するものである。
【0062】上記1/4チップずれ隣接パス検出閾値係数も、また、上記1/2チップずれ隣接パス検出閾値係数も、CDMA受信装置において、有効なパスとそうでないパスとを区別して受信特性を如何様な受信特性にするかによって決められるパス検出閾値係数である。これら両パス検出閾値係数の算定例を、CDMA受信装置の回路規模に重点を置いて受信特性のシュミレーションから決め得る値を示せば、上記1/4チップずれ隣接パス検出閾値係数は、0.9375であり、上記1/2チップずれ隣接パス検出閾値係数は、0.625である。
【0063】パス検出手段28は、最大受信レベル手段22で検出した基準パス及び該基準パスから±3/4チップ以内に存在するパスを有効なパスとされるべきか否かを、第1の乗算手段20で算出したパス検出閾値と第2の乗算手段24で算出した1/4チップずれ隣接パス閾値と第3の乗算手段26で算出した1/2チップずれ隣接パス閾値とにより決定するものである。パスマスク手段30は、最大受信レベル手段18で検出された基準パス及びパス検出手段28で検出される基準パスから±3/4チップ以内に存在するパスに対するマスク処理を行うものである。
【0064】次に、図1乃至図6を参照して、この実施例の動作について説明する。CDMA受信装置のアンテナ11において受信された高周波信号は、高周波受信回路13でダウンコンバートされ、ダウンコンバートされた信号は、A/D変換回路15でA/D変換される。そのA/D変換された受信信号は、複数のフィンガ17に供給される。フィンガ17は、そのフィンガ毎にパス検出手段28から供給される有効なパスに基づいて逆拡散を行って逆拡散した信号をレイク受信回路19に供給する。フィンガ17における有効なパスに基づく逆拡散は、1つのフィンガにおいてその有効なパスを受け取って逆拡散した信号の受信レベルを見て逆拡散した信号をレイク合成すべきパスの信号としてレイク受信回路19に供給するようにしてもよいし、有効なパスを1又は複数のフィンガでの逆拡散に使用するようにしてもよい。
【0065】また、上述の受信信号とタイミング信号とが逆拡散手段12に供給されると共に、拡散符号レプリカ生成手段14から拡散符号レプリカが逆拡散手段12に供給されると、逆拡散手段12は、受信信号をタイミング信号の時刻毎に逆拡散して遅延プロファイルを構成する受信レベルを順次生成する。この順次生成される受信レベルは、記憶部16に順次記憶される。拡散符号レプリカは、二進信号列で表され、その“1”及び“0”のいずれをも表す時間期間の最小の基本単位時間がチップと呼ばれる。上記タイミング信号は、図示しないタイミング生成手段から供給されるもので、この実施例においては、1/4チップ分解能である。
【0066】平均値算出手段18が、記憶部16に記憶されている遅延プロファイルを読み出してその平均値を算出する(図2のSA1)。第1の乗算手段20は、平均値算出手段18から出力された平均値にパス検出閾値係数を乗算してパス検出閾値を出力する(図2のSA2)。また、最大受信レベル検出手段22は、記憶部16から遅延プロファイルを読み出してその最大受信レベルのパスを算出し、そのパスを基準パスとする(図2のSA3)。
【0067】基準パスを受け取ったパス検出手段28は、その基準パスの受信レベルが上記第1の乗算手段20から出力されているパス検出閾値を超えているか否かを判定する(図2のSA4)。上記基準パスの受信レベルが上記パス検出閾値より小さい場合には(図2のSA4のN)、パスの検出処理を終了する。
【0068】このパス検出処理の終了は、次のような理由から行われる。すなわち、遅延プロファイルの発生形態が図4のようなものであるとした場合について説明する。図4において、その横軸は時間で、その1目盛は、5チップである。縦軸は、受信レベル(コード相関値)である。その遅延プロファイル内に存在するピークA4、A6は、ノイズやフェージングによる干渉で生ずるピーク、若しくはコード相関で生ずるピークであり、本来有効なパスではないし、また、ピークA5は、有効なパスのピークA1と有効なパスのピークA2との中間に存在するピークで、ピークA1とピークA2との干渉で生ずるピークであって、このピークを有するパスも、本来有効なパスではない。それにも拘わらず、遅延プロファイルの受信レベルの大きい順に有効なパスを検出する従来のパス検出方法に従うと、ピークA4、A5、A6をも有効なパスとして検出してしまう。結果として、受信特性を劣化させてしまう。
【0069】しかし、上述したステップSA4での判定、すなわち、基準パスの受信レベルが、パス検出閾値(図3のA7)を超えているか否かの判定において、図3のピークA4、A5、A6のいずれも、パス検出閾値A7以下にあるから、ピークA4、A5、A6を有効なパスとして検出してしまうことはなくなる。つまり、受信特性の劣化の防止に役立つ。なお、上述のようにステップSA4での判定が否定になるから、図4の網掛け部分がパス検出においてマスクされることになる。
【0070】そして、図2のステップSA4での判定における基準パスの受信レベルが上述のパス検出閾値を超えている場合には(図2のSA4のY)、第2の乗算手段24が、最大受信レベル検出手段24から出力される基準パスの受信レベルに1/4チップずれ隣接パス検出閾値係数を乗算して1/4チップずれ隣接パス検出閾値を算出し、第2の乗算手段26が、最大受信レベル検出手段24から出力される基準パスの受信レベルに1/2チップずれ隣接パス検出閾値係数を乗算して1/2チップずれ隣接パス検出閾値を算出する(図2のSA5)。
【0071】これら両パス検出閾値が算出された後に、パス検出手段28は、基準パスから±1/4チップにあるパスで、かつ、受信レベルが1/4チップずれ隣接パス検出閾値を超えているか否かを判定する(図2のSA6)。この判定が肯定であるならば(図2のSA6のY)、基準パスから±1/4チップにあるパスを有効なパスとして検出し、有効なパスの数を1だけカウントアップする(図2のSA7)。そして、検出された有効なパス数がフィンガ本数分検出されているか否かを判定する(図2のSA8)。この判定が肯定であるならば(図2のSA8のY)、この時刻に記憶部16に記憶されている遅延プロファイルについてのパス検出処理を終了する。
【0072】図2のステップSA6での判定が否定となるとき(図2のSA6のN)、又は、スステップSA8での判定が否定となるとき(図2のSA8のN)、パス検出手段28は、基準パスから±1/2チップにあるパスで、かつ、受信レベルが1/2チップずれ隣接パス検出閾値を超えているか否かを判定する(図3のSA9)。この判定が肯定であるならば(図3のSA9のY)、基準パスから±1/2チップにあるパスを有効なパスとして検出し、有効なパスの数を1だけカウントアップする(図3のSA10)。そして、検出された有効なパス数がフィンガ本数分検出されているか否かを判定する(図3のSA11)。この判定が肯定であるならば(図3のSA11のY)、この場合に記憶部16に記憶されている遅延プロファイルについてのパス検出処理を終了する。
【0073】図3のステップSA9での判定が否定となるとき(図3のSA9のN)、又は、図3のステップSA11での判定が否定となるとき(図3のSA11のN)、パス検出手段28は、基準パスから±3/4チップにあるパスで、かつ、受信レベルが1/2チップずれ隣接パス検出閾値を超えているか否かを判定する(図3のSA12)。この判定が肯定であるならば(図3のSA12のY)、基準パスから±3/4チップにあるパスを有効なパスとして検出し、有効なパス数を1だけカウントアップする(図3のSA13)。そして、検出された有効なパス数がフィンガ本数分検出されているか否かを判定する(図3のSA14)。この判定が肯定であるならば(図3のSA14のY)、この場合に記憶部16に記憶されている遅延プロファイルについてのパス検出処理を終了する。
【0074】図3のステップSA12での判定が否定となるとき(図3のSA12のN)、又は、図3のステップSA14での判定が否定となるとき(図3のSA14のN)、パスマスク手段30は、基準パスの±3/4チップ以内にあるパスに対するマスク処理を行う(図3のSA15)。このマスク処理が行われた場合の上記基準パスを有効なパスとして検出し、有効なパスの数を1だけカウントアップする(図3のSA16)。
【0075】上述したパス検出手段28において、基準パスから±1/4チップにあるパスで、かつ、受信レベルが1/4チップずれ隣接パス検出閾値B3を超えているか否かを判定し(図2のSA6)、上記基準パスから±1/4チップにあるパスを有効なパスとして検出しているから、遅延プロファイルの発生形態が、例えば、図5(図5の横軸は時間で、その1目盛は、1/4チップである。縦軸は、受信レベル(コード相関値)である)に示すものであるとしたとき、その最大受信レベルのパスから±1/4チップに存在するパスB1、B2は、上述したステップSA6及びステップSA7の処理により有効なパスとして検出されるが、ステップSA9及びステップSA10の処理においても、また、ステップSA12及びステップSA13の処理においても、有効なパスは検出されない。
【0076】このように、パスB1、B2が、有効なパスとして検出され得るから、受信特性の向上となる。なお、ステップSA9での判定は否定となり、また、ステップSA11での判定も否定となってステップSA15でのマスク処理が行われるから、図5中の網掛け部分がパス検出においてマスクされることになる。
【0077】また、遅延プロファイルが、例えば、図6(図6の横軸は時間で、その1目盛は、1/4チップである。縦軸は、受信レベル(コード相関値)である)に示すものであるとしたとき、その最大受信レベルのパス(C1)から±1/2チップにあって上記判定条件を満たすパスC2が、上述したステップSA9及びステップSA10の処理により有効なパスとして検出され、また、上記最大受信レベルのパス(C1)から±3/4チップにあって上記判定条件を満たすパスC3が、上述したステップSA12及びステップSA13の処理により有効なパスとして検出される。したがって、受信特性の向上となる。
【0078】なお、ステップSA6の判定は否定となり、ステップSA9の判定は肯定でステップSA10での検出が行われ、また、ステップSA12の判定は肯定でステップSA13での検出が行われるから、図6中の網掛け部分がパス検出においてマスクされることになる。
【0079】このようにして検出された有効なパスの数が、フィンガ本数分となっているか否かを判定する(図3のSA17)。この判定が肯定となるときは(図3のSA17のY)、パス検出処理は終了となるが、通常、何回目までのステップSA17での判定は否定となる。
【0080】このようなステップSA17での判定が否定となるときは(図3のSA17のN)、最大受信レベル検出手段22は、基準パスの受信レベルよりも小さい受信レベルであって、最大受信レベルとなっているパスを検出し、このパスを基準パスとする(図3のSA18)。このようにして決められた基準パスについて、ステップSA4〜ステップSA18までのパス検出処理が開始される。
【0081】上述のステップSA8、ステップSA11及びステップSA14での判定、又は上述のステップSA4〜ステップSA18までのパス検出処理が何回か繰り返されてステップSA17での判定が肯定となったとき、パス検出処理は処理し、検出されたパス、すなわち、有効なパスがフィンガ17に供給される。有効なパスは、フィンガ17での逆拡散に用いられ、逆拡散された信号は、レイク受信回路19へ供給されてレイク合成される。そのレイク合成された信号は、従来と同様にして受信データの復調に供せられる。
【0082】ここで、【従来の技術】の項で説明した第2の公知例のパス検出装置とこの発明のパス検出装置との性能比較を表1に示しておく。
【0083】
【表1】

【0084】表1は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)TS 25.101 V3.5.0, “UE Radio Transmission and Reception(FDD)(Release1999)”(2000年12月発行)(以下3GPPと略称する)のP.27〜P.30において規定されている環境の下においてテストした第2の公知例のパス検出装置及びこの発明のパス検出装置のBLER(Block Error Ratio)と第2の公知例のパス検出装置に対するこの発明のパス検出装置のBLERの特性向上の程度とを示す。
【0085】表1の中の「環境@12.2kbps DCH」は、3GPPで定義されているDCHというチャネルの通信速度が12.2 kbpsであるテスト環境条件を表している。また、STATICは、3GPP 8.2.3.1章(P.27)におけるTest1であり、CASE1は、3GPP 8.3.1.1章(P.28)におけるTest1であり、CASE2は、3GPP 8.3.1.1章(P.28)におけるTest5であり、CASE3は、3GPP 8.3.1.1章(P.28)におけるTest9であり、MOVINGは、3GPP 8.4.1.1章(P.29)におけるTest1であり、BIRTH/DEATHは、3GPP8.5.1.1章(P.30)におけるTest1である。
【0086】このように、この実施例の構成によれば、遅延プロファイルの最大受信レベルのパスを基準パスとしてパス検出処理に入ったとき、遅延プロファイルの平均値にパス検出閾値係数を乗算し、乗算して得られたパス検出閾値を超える受信レベルを有するパスを有効なパスとするようにしたので、ノイズやフェージングによる干渉若しくはコード相関により受信レベルが大きくなったとしても、その受信レベルを有するパスを有効なパスとして誤認識しまうことはなくなり、受信特性の向上が図れる。
【0087】また、遅延プロファイルの順次の最大受信レベルを有するパスを基準パスとし、該基準パスの受信レベルに1/4チップずれ隣接パス閾値係数を乗算して1/4チップずれ隣接パス閾値を算出し、上記基準パスから±1/4チップにあるパスであって、かつ、当該パスの受信レベルが1/4チップずれ隣接パス閾値を超える受信レベルを有するパスを有効なパスとするようにしたので、2つの受信レベル算出時刻(サンプリング時刻)の間に有効なパスが存在する場合、上記2つのサンプリング時刻における受信レベルが上記1/4チップずれ隣接パス閾値を超えており、この受信レベルを有するパスも有効なパスとすることが可能となる。遅延プロファイルが、図5に示す遅延プロファイルとなっている場合の受信特性の向上が図れる。
【0088】また、遅延プロファイルの順次の最大受信レベルを有するパスを基準パスとし、該基準パスの受信レベルに1/2チップずれ隣接パス閾値係数を乗算し、上記基準パスから±1/2チップ又は±3/4チップにあるパスであって、かつ、当該パスの受信レベルが1/2チップずれ隣接パス閾値を超える受信レベルを有するパスを有効なパスとするようにしたので、有効なパスとして検出した受信レベル算出時刻から1チップ以内で、かつ、2以上のチップ分解能だけずれている時間領域に存在するパスであって、上記1/2チップずれ隣接パス閾値係数を超えるパスを有効なパスとすることが可能になる。遅延プロファイルが、図6に示す遅延プロファイルとなっている場合の受信特性の向上が図れる。
【0089】◇第2実施例図7は、この発明の第2実施例であるCDMA受信装置におけるパス検出装置の電気的構成を示す図、図8は、同パス検出装置の処理手順の一部を示すフローチャート、図9は、同パス検出装置の処理手順の残部を示すフローチャート、また、図10は、同パス検出装置で作成された遅延プロファイルの例を示す図である。この実施例の構成が、第1実施例のそれと大きく異なるところは、遅延プロファイルの平均値から無条件マスク閾値を算出してこの無条件マスク閾値をパス検出に供するようにした点にある。
【0090】すなわち、第1実施例の平均値算出手段18から出力された平均値に無条件マスク閾値係数を乗算して無条件マスク閾値を算出する第4の乗算手段32を設けたことにある。無条件マスク閾値係数は、外部からパラメータとして与えられる係数で、CDMA受信装置を第1実施例に従って構成するときそのパス検出方法の下では誤認識してしまうパスを排除してCDMA受信装置の受信特性を如何様な受信特性にするかによって決められる係数であり、この無条件マスク閾値係数の算定例を、CDMA受信装置の回路規模に重点を置いて受信特性のシュミレーションから決め得る値を示せば、上記パス検出閾値係数は8である。
【0091】したがって、この実施例におけるパス検出手段2−28は、第1実施例でのパス検出条件に無条件マスク閾値を考慮に入れてパスの検出を行って有効なパスをフィンガ17に供給する。すなわち、パス検出手段2−28は、第1実施例と同様に、基準パスの受信レベルがパス検出閾値を超えているか否かの判定を行った後に、その基準パスの±3/4チップ以内にあるパスであって、その受信レベルが無条件マスク閾値を超えているならば、第1実施例と同じパス検出処理を行うが、超えていないときには、直ちに基準パスの±3/4チップ以内にあるパスに対するマスク処理を行い、基準パスを有効なパスとして検出するというパス検出処理を行う。この構成を除くこの実施例の各部の構成は、第1実施例と同一構成であるので、それらの各部には第1実施例と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0092】次に、図7乃至図10を参照して、この実施例の動作について説明する。この実施例の動作は、次の2つの相違点を除いて、第1実施例の動作と同じである。その第1の相違点は、平均値算出手段18で遅延プロファイルの平均値を算出した後に、第4の乗算手段32において上記平均値から無条件マスク閾値を算出する(図8のステップSB1)点である。なお、ステップSB1において、第1の実施例と同様に、パス検出閾値の算出も行う。第2の相違点は、第2の乗算手段24で1/4チップずれ隣接パス検出閾値を算出し、第3の乗算手段26で1/2チップずれ隣接パス検出閾値を算出した後に、基準パスの±3/4チップ以内に存在するパスであって、そのパスの受信レベルが無条件マスク閾値を超えている否かの判定を行う(図8のSB2)点である。
【0093】これらの相違点を除くこの実施例のパス検出処理は、第1実施例において説明しているので、第1実施例との相違点となっているステップSB1において、無条件マスク閾値を算出し、ステップSB2において、基準パスの±3/4チップ以内に存在するパスの受信レベルが無条件マスク閾値を超えている否かの判定について以下に説明する。平均値算出手段18において算出された平均値に無条件マスク閾値係数が第4の乗算手段32において乗算され、無条件マスク閾値が第4の乗算手段32から出力される(図8のSB1)。出力された無条件マスク閾値は、パス検出手段2−28に供給される。
【0094】基準パスの受信レベルがパス検出閾値を超えており(図8のSA4のY)、1/4チップずれ隣接パス検出閾値及び1/2チップずれ隣接パス検出閾値が算出された後(図8のSA5)、基準パスから±3/4チップ以内のパスの受信レベルが無条件マスク閾値を超えているか否かの判定が行われる(図8のSB2)。ステップSB2での判定が否定であるときは(図8のSB2のN)、直ちにステップSA15の処理、すなわち、基準パスから±3/4チップ以内に存在するパスに対するマスク処理をし(図8のSA15)、基準パスを有効なパスとして検出する(図8のSA16)。
【0095】しかし、ステップSB2での判定が肯定であるときは(図8のSB2のY)、第1実施例でのパス検出処理に入る、すなわち、ステップSA6での処理に入って行く。図8のステップSA6からステップSA18までの処理は、第1実施例と同じであるので、第1実施例の対応する説明個所を参照されたい。
【0096】無条件マスク閾値を用いることにより得られる有利性を、図10を参照して以下に説明する。記憶部16に記憶される遅延プロファイルが、例えば、図10に示すようなものであったとする。なお、図10の横軸は時間で、その1目盛は、1/4チップ分解能であり、また、縦軸は、受信レベル(コード相関値)を示す。
【0097】図10の横軸に記されている1/4チップ分解能のタイミング160におけるパスD1の受信レベルが、有効なパスとして検出されたとする。そうすると、第1実施例によるパス検出処理だけでは、ノイズやフェージング等が比較的に小さい受信レベルのパスD1に干渉してパスD1に近い位置にパスD2、D3のピークが現れて来ている場合には、これらのピークは、1/4チップずれ隣接パス検出閾値B3及び1/2チップずれ隣接パス検出閾値C4を超えているとの判定が、ステップSA6及びステップSA9で得られることになり、したがって、パスD2、D3は、有効なパスとして検出される(図8のSA7、図9のSA10)。このような受信レベルの比較的小さいパスを幾つも有効なパスとして検出してしまうことは、受信特性の劣化となる。
【0098】たとえ、パス検出処理に供される遅延プロファイルが、受信レベルの比較的小さい基準パス近傍に存在する1又は複数のパスを有効なパスとして検出させてしまうような遅延プロファイルであったとしても、基準パスから±3/4チップ以内に存在するパスの受信レベルが無条件マスク閾値(図10のD4)以下であるときは(図8のSB2のN)、直ちに基準パスから±3/4チップ以内に存在するパスに対するマスク処理を行い(図9のSA15)、基準パスを有効なパスとして検出する(図9のSA16)ことにより、パスD2、D3が、有効なパスとして検出されるのを回避し得る。したがって、受信特性の向上が図れる。なお、基準パスD1についてのステップSB2における判定が否定となり、この否定判定となった基準パスについてマスク処理を行って(図9のSA15)基準パスD1を有効なパスとして検出する(図9のSA16)から、図10中の網掛け部分がパス検出においてマスクされることになる。
【0099】このように、この実施例の構成によれば、基準パスの受信レベルがパス検出閾値を超えていたとしても、さらに、その基準パスが無条件マスク閾値を超えているか否かの判定(以下、無条件マスク判定という)を行い、この無条件マスク判定も、また、肯定であるときは、第1実施例と同様のパス検出処理に入って行くが、上記無条件マスク判定が否定となるならば基準パスから±3/4チップ以内のパスに対するマスク処理をして基準パスを有効なパスとして検出するようにしたので、たとえ、パス検出処理に供される遅延プロファイルが、受信レベルの比較的小さい基準パス近傍に存在する1又は複数のパス(以下、近傍のパス)を有効なパスとして検出させてしまうような遅延プロファイルとなっていたとしても、近傍のパスは、有効なパスから除外され、基準パスだけが有効なパスとして検出することが可能になる。したがって、電波伝播の変動状況によっては、第1実施例よりも、受信特性の向上が一層期待し得る。
【0100】◇第3実施例図11は、この発明の第3実施例であるCDMA受信装置におけるパス検出装置の電気的構成を示す図である。この実施例の構成が、第1実施例及び第2実施例のそれと大きく異なるところは、第1実施例における平均値算出手段18、第1の乗算手段20、最大受信レベル検出手段22、第1の乗算手段24、第2の乗算手段26、パス検出手段28及びパスマスク手段30、又は第2実施例における平均値算出手段18、第1の乗算手段20、最大受信レベル検出手段22、第1の乗算手段24、第2の乗算手段26、パス検出手段2−28、パスマスク手段30及び第4の乗算手段32で行う処理手順をプログラムで構成し、そのプログラムを実行可能なハードウェアで実行させて上記処理手順の各々を実現させるようにした点にある。
【0101】すなわち、上記処理手順を記述したプログラムは、制御メモリ34に記憶される。この制御メモリ34が、揮発性メモリであるときは、予め、上記プログラムは、磁気ディスク装置等の不揮発性記憶装置に記憶されており、CDMA受信装置が稼動されるとき不揮発性記憶装置から揮発性のメモリに読み出されて汎用DSP36での実行に供せられる。
【0102】この汎用DSP36が、CDMA受信装置が稼動されるとき、制御メモリ34からプログラムを読み出してその実行部、すなわち、パス検出部3−28で実行することにより、第1実施例について説明した図2及び図3に示す処理手順に従うパス検出処理が、パス検出部3−28で遂行される。パス検出部3−28からは、第1実施例及び第2実施例と同様の有効なパスが出力され、その有効なパスは、フィンガ17(図11には図示せず)に供給される。これらの構成を除くこの実施例の各部の構成は、第1実施例又は第2実施例の構成と同一であるので、それらの各部には第1実施例又は第2実施例と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0103】次に、図11を参照して、この実施例の動作について説明する。上述の第1実施例で説明したように、受信信号とタイミング信号とが逆拡散手段12に供給されると共に、拡散符号レプリカ生成手段14から拡散符号レプリカが逆拡散手段12に供給されると、逆拡散手段12は、受信信号をタイミング信号の時刻毎に逆拡散して遅延プロファイルを構成する受信レベルを順次生成する。この順次生成される受信レベルは、記憶部16に順次記憶される。
【0104】受信レベルを記憶部16に記憶した後に、第1実施例で説明した処理手順(図2及び図3)又は第2実施例で説明した処理手順(図8及び図9)を汎用DSP36で実行させるためのプログラムが、DSP16のパス検出部3−28によって制御メモリ34から読み出されてパス検出部3−28で実行されるとき、記憶部16に記憶された遅延プロファイルの受信レベルが、DSP36のパス検出部3−28へ記憶部16から読み出されてパス検出部3−28でのパス検出に供せられる。
【0105】パス検出部3−28で処理されて得られたパス検出結果である有効なパスは、パス検出部3−28から第1実施例又は第2実施例で説明したフィンガ17に供給されて受信信号を逆拡散した信号(復調信号)をレイク受信回路19へ供給する。
【0106】このように、この実施例の構成によっても、第1実施例又は第2実施例で得られる作用効果と同等の作用効果が得られる。
【0107】以上、この発明の実施例を、図面を参照して詳述してきたが、この発明の具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもそれらはこの発明に含まれる。例えば、第1実施例及び第2実施例の構成各部は、ハードウェア構成であると、ソフトウェア構成であるとを問わない。例えば、平均値算出手段18は、平均値算出回路であると、平均値算出プログラムであるとを問わない。同様に、最大受信レベル検出手段以下も、また、同じである。
【0108】また、第1実施例においては、図2に示すステップSA6及びステップSA7の処理と、図3に示すステップSA9及びステップSA10の処理と、図3に示すステップSA12及びステップSA13の処理とをすべて備えた構成でこの発明を実施する例について説明したが、これら3つの処理のいずれか1つ単独で、又はそれらのいずれかの組み合わせでこの発明を実施してもよい。このことは、第2実施例についても同様である。第1実施例においても、また、第2実施例においても、検出される有効なパスの数は、フィンガ本数よりも多くてもよい。
【0109】さらには、チップ分解能をさらに高くして上記3つの処理に相当する処理数を多くしてこの発明を実施するようにしてもよい。その場合の基準パスからのずれは、受信特性の向上に有意なパス検出時間となる基本単位時間又はこの基本単位時間を超える時間内の所定時間の各々とされる。所定時間の値は、チップ分解能に乗ぜられる自然数倍であって、基本単位時間内又は基本単位時間を超える時間内の値である。
【0110】また、1/4チップずれ隣接パス検出閾値係数及び1/2チップずれ隣接パス検出閾値係数は、チップ内であって、その他のチップ分解能によって決まる時間だけずれた時刻におけるパス検出閾値係数をその代わりに用いるようにしてもよい。また、パスマスク手段においても、チップ内のその他のマスク範囲又はチップを超える他のマスク範囲とすることも可能である。
【0111】上記いずれの実施例においても、上述の有効なパスをフィンガ17で受けて上記復調信号を発生させてレイク受信回路へ供給する構成の中でこの発明を実施する例について説明したが、フィンガ17で既に発生されている上記復調信号を上述の有効なパスを受けてレイク受信回路19へ供給するようにしてもよい。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成によれば、遅延プロファイルの平均値にパス検出閾値係数を乗算し、乗算して得られたパス検出閾値を超える受信レベルを有するパスを有効なパスとするようにしたので、ノイズやフェージングによる干渉若しくはコード相関により受信レベルが大きくなったとしても、その受信レベルを有するパスを有効なパスとして誤認識しまうことはなくなり、受信特性の向上が図れる。
【0113】また、基準パスの検出時刻から受信特性の向上に有意なパス検出時間よりも短い所定時間だけずれたパス検出時刻までのパスであって、かつ、当該パスの受信レベルが上記所定時間だけずれたパス検出時刻でのパス検出閾値を超える受信レベルを有するパスを有効なパスとするようにしたので、上記パス検出時間内のパスをマスクしてしまう場合に比して、より多くの有効なパスの検出が可能になる。例えば、2つのパス検出時刻(サンプリング時刻)の間にピークが存在する場合であっても、上記2つのパス検出時刻における受信レベルが上記パス検出閾値を超えているならば、上記有効なパスとして検出されたパスの前後±1個のパスは、有効なパスとすることが可能となる。
【0114】さらには、有効なパスを検出したパス検出時刻(サンプリング時刻)から±m個(mは遅延プロファイルを作成する際の分解能により決定される自然数、m>1)のサンプリング時刻を数えた時刻であって、パス検出時間内のパスを有効なパスとして検出することが可能になる。したがって、受信特性の向上が図れる。
【0115】また、遅延プロファイルの平均値に無条件マスク閾値係数を乗算し、乗算して得られた無条件マスク閾値を超える受信レベルを有するパスを有効なパスとするようにしたので、受信レベルが比較的小さい基準パス近傍に存在する1又は複数のパスは、有効なパスから除外され、基準パスだけが有効なパスとして検出することが可能になる。したがって、電波伝播の変動状況によっては、受信特性の向上が一層期待し得る。




 

 


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