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発明の名称 製品の損害度判定装置、その方法、及び製品の損害度判定プログラムを記録した記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−228634(P2003−228634A)
公開日 平成15年8月15日(2003.8.15)
出願番号 特願2002−27621(P2002−27621)
出願日 平成14年2月5日(2002.2.5)
代理人 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外7名)
【テーマコード(参考)】
5B057
5L096
【Fターム(参考)】
5B057 AA01 BA02 CA12 CA16 DA03 DB02 DC01 DC33 DC36 
5L096 BA04 CA02 JA11
発明者 川井 信彦
要約 課題
自動車が損傷したときの損害度を精度良く判定する。

解決手段
損傷した自動車の画像データに基づいて該自動車に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求め、該自動車の構成に基づいて設定された力学モデルにより、当該外力による当該自動車の損害度を判定する。
特許請求の範囲
【請求項1】 コンピュータを用いた製品の損害度判定装置であって、製品の損傷部位の画像データを入力する入力手段と、上記画像データに基づいて損害度を判定する判定手段とを備え、上記判定手段は、上記画像データに基づいて上記製品に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求め、上記製品の構成に基づいて設定された力学モデルにより、当該外力による当該製品の損害度を判定することを特徴とする製品の損害度判定装置。
【請求項2】 請求項1に記載されている製品の損害度判定装置において、上記製品は自動車であり、上記力学モデルは、車体フレームと、該フレームに支持されたエンジンとを構成要素として備えていることを特徴とする製品の損害度判定装置。
【請求項3】 請求項2に記載されている製品の損害度判定装置において、上記力学モデルは、上記車体フレームとエンジンとの関係を表した設計図に基づいて設定されていることを特徴とする製品の損害度判定装置。
【請求項4】 コンピュータを用いた製品の損害度判定方法であって、製品の損傷部位の画像データを入力する入力ステップと、上記画像データに基づいて上記製品に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求める外力判定ステップと、上記製品の構成に基づいて設定された力学モデルにより、当該外力による当該製品の損害度を判定する損害度判定ステップとを備えていることを特徴とする製品の損害度判定方法。
【請求項5】 請求項4に記載されている製品の損害度判定方法において、上記力学モデルを保存したデータベースを備え、上記入力ステップでは、第1コンピュータから通信回線を介して送信される画像データを損害度判定用の第2コンピュータに入力し、上記損害度判定ステップでは、上記データベースから上記第2コンピュータに力学モデルを取り込んで損害度を判定することを特徴する製品の損害度判定方法。
【請求項6】 請求項5に記載されている製品の損害度判定方法において、さらに、上記第2コンピュータによる損害度判定結果を上記第1コンピュータに通信回線を介して送信するステップを備えていることを特徴とする製品の損害度判定方法。
【請求項7】 コンピュータを用いて製品の損害度を判定するプログラムを記録した記録媒体であって、製品の損傷部位の画像データに基づいて該製品に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求め、上記製品の構成に基づいて予め設定された力学モデルにより、当該外力による当該製品の損害度を判定することを特徴とする製品の損害度判定用プログラムを記録した記録媒体。
【請求項8】 コンピュータを用いた自動車の損害度判定装置であって、損傷した自動車のエンジンルームを撮影して得られた画像データを入力する入力手段と、上記画像データと、損傷のない自動車のエンジンを含むエンジンルームの画像データとを対比して上記エンジンの当該損傷による変位量を求める画像処理手段と、上記エンジンの変位量に基づいて当該自動車の損害度を判定する判定手段とを備えていることを特徴とする製品の損害度判定装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品の損害度判定装置、その方法、及び製品の損害度判定プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】事故車を修理する場合、事前に修理費用を見積もることが行なわれている。その見積もりは、目視によって事故車の損傷部位及び程度を判断し、それに基づいて修理方法を検討することによって行なわれている。しかし、この方法では、見積者の知識や経験の程度によって修理方法の判断、修理費用の見積額が異なり、適切な修理が行なわれない場合も生ずる。
【0003】これに対して、事故車を撮影した画像に基づいてコンピュータを用いてその事故車の修理費用を見積もるようにしたシステムが知られている(特開平11−66147号公報参照)。それは、端的に言えば、事故車の画像と損傷のない同一車種の画像とを比較し、その比較に基づいて事故車に対する外力の入力パターンを求め、その入力パターンに基づいて修理費用を見積もるというものである。その見積には、予め外力の入力パターンと車体フレーム及び車体パネルの変形パターンとの関係を考察して、それら車体構成要素の損害度、修理内容、修理費用等に関連付けて記憶させたデータベースが利用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、製品に対する外力の入力位置、入力方向及び大きさは様々であり、外力の入力をパターン化しただけでは、製品の損害度を精度良く判定することはできない。
【0005】そこで、本発明は、製品の損害情報に基づいてその損害度を精度良く判定することができるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課題に対して、損害度の判定に力学モデルを用いるようにした。
【0007】また、本発明は、このような課題に対して、自動車の損害度をエンジンの変位量に基づいて判定するようにした。
【0008】すなわち、請求項1に係る発明は、コンピュータを用いた製品の損害度判定装置であって、製品の損傷部位の画像データを入力する入力手段と、上記画像データに基づいて損害度を判定する判定手段とを備え、上記判定手段は、上記画像データに基づいて上記製品に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求め、上記製品の構成に基づいて設定された力学モデルにより、当該外力による当該製品の損害度を判定することを特徴とする。
【0009】従って、製品に対する外力の入力位置、入力方向及び大きさは様々であっても、画像データに基づいて該外力の入力位置、入力方向及び大きさを求め、当該製品の力学モデルにより損害度を個々に判定するから、得られる損害度情報の信頼性が高まる。
【0010】ここに、力学モデルとは、上記製品の構成に基づいて設定され、外力(ベクトル)によって該製品の各部が変化する態様をモデル(数学モデル)化してなるものであり、力学モデルによる解析には、例えば製品を多数の微小な要素に分割し、それぞれについて力と変位のつり合うマトリックス方程式を立て、コンピュータで解く有限要素法がある。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1に記載されている製品の損害度判定装置において、上記製品は自動車であり、上記力学モデルは、車体フレームと、該フレームに支持されたエンジンとを構成要素として備えていることを特徴とする。
【0012】すなわち、エンジンを支持した車体フレームは外力による変形が該エンジンによって規制(拘束)されるが、本発明によれば、自動車衝突時にエンジンを支持した車体フレームがどのように変形するかを判定する上で有利になる。また、その車体フレームの変形に起因してエンジンがどのように変位するか、それによってその周辺部品にどのような損害が発生するかを判定することができる。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項2に記載されている製品の損害度判定装置において、上記力学モデルは、上記車体フレームとエンジンとの関係を表した設計図に基づいて設定されていることを特徴とする。
【0014】従って、力学モデルの精度が高いものになり、損害度の判定精度が高くなる。
【0015】請求項4に係る発明は、コンピュータを用いた製品の損害度判定方法であって、製品の損傷部位の画像データを入力する入力ステップと、上記画像データに基づいて上記製品に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求める外力判定ステップと、上記製品の構成に基づいて設定された力学モデルにより、当該外力による当該製品の損害度を判定する損害度判定ステップとを備えていることを特徴とする。
【0016】従って、製品に対する外力の入力位置、入力方向及び大きさは様々であっても、画像データに基づいてその入力位置、入力方向及び大きさを求め、製品の力学モデルにより損害度を個々に判定することができ、得られる損害度情報の信頼性が高まる。
【0017】請求項5に係る発明は、請求項4に記載されている製品の損害度判定方法において、上記力学モデルを保存したデータベースを備え、上記入力ステップでは、第1コンピュータから通信回線を介して送信される画像データを損害度判定用の第2コンピュータに入力し、上記損害度判定ステップでは、上記データベースから上記第2コンピュータに力学モデルを取り込んで損害度を判定することを特徴する。
【0018】従って、力学モデルによる損害度の判定を第2コンピュータで行なうようにし、この第2コンピュータに対して別の第1コンピュータから損傷情報を入力するようにしたから、第1コンピュータの能力を高める必要がなく、また、力学モデル及び判定ソフトの第1コンピュータ側への漏洩防止に有利になる。
【0019】請求項6に係る発明は、請求項5に記載されている製品の損害度判定方法において、さらに、上記第2コンピュータによる損害度判定結果を上記第1コンピュータに通信回線を介して送信するステップを備えていることを特徴とする。
【0020】従って、第1コンピュータから第2コンピュータにアクセスして損傷情報を送信すれば、損害度の判定結果を得ることができ、利便性を高める上で有利になる。
【0021】請求項7に係る発明は、コンピュータを用いて製品の損害度を判定するプログラムを記録した記録媒体であって、製品の損傷部位の画像データに基づいて該製品に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求め、上記製品の構成に基づいて予め設定された力学モデルにより、当該外力による当該製品の損害度を判定することを特徴とする。
【0022】従って、当該記録媒体によってコンピュータを作動させて製品の損害度を判定することができるとともに、製品に対する外力の入力位置、入力方向及び大きさは様々であっても、画像データから得られる外力の入力位置、入力方向及び大きさに基づいて製品の力学モデルにより損害度を個々に判定するから、得られる損害度情報の信頼性が高まる。
【0023】請求項8に係る発明は、コンピュータを用いた自動車の損害度判定装置であって、損傷した自動車のエンジンルームを撮影して得られた画像データを入力する入力手段と、上記画像データと、損傷のない自動車のエンジンを含むエンジンルームの画像データとを対比して上記エンジンの当該損傷による変位量を求める画像処理手段と、上記エンジンの変位量に基づいて当該自動車の損害度を判定する判定手段とを備えていることを特徴とする。
【0024】すなわち、自動車のエンジンや該エンジンを支持するメンバーに外力が加わった場合、エンジン自体の位置が変化することがある。そのときはそのエンジン周辺の部品もエンジンの変位に伴って損傷する。これに対して、車体パネルや車体フレームの損傷情報だけでは、エンジン周辺部品の損害度を知ることが難しい。
【0025】そこで、本発明は、自動車が損傷したときのエンジンの変位量を求め、その変位量から自動車の損害度を判定するようにしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0027】図1には本発明に係るコンピュータを用いた製品の損害度判定・修理支援システムの全体構成が示されている。この実施形態は、自動車が損傷したときの損害度判定・修理支援に使用するものである。図1において、1はユーザー(自動車損害保険会社等)側端末装置である第1コンピュータ、2は本システムを用いてサービスを提供する側の第2コンピュータである。この両コンピュータ1,2は通信回線(例えばインターネット)3を介して結ばれるようになっている。なお、図1では第1コンピュータ1が1つだけ描かれているが、本システムは複数のユーザーに対してサービスを提供することができる。
【0028】このシステムでは、自動車4の損傷情報をユーザー側の第1コンピュータ1から通信回線3によってサービス提供者側の第2コンピュータ2に入力し、この第2コンピュータ2によって損害度の判定及び修理に関する情報の生成を行なって第1コンピュータ1に送信するようになっている。
【0029】自動車4の損傷情報としては、損傷した自動車4の車台番号、車両番号及び所有者、損傷した自動車をデジタルカメラ5によって撮影して得られる3次元画像データ、車速センサによって得られる損傷時の車速、全方位型重力加速度センサによって得られる損傷時に自動車に働いた重力加速度の大きさと方向、並びに損傷時の自動車周囲の環境(周囲の車両、障害物等)変化をモニタカメラ6によって撮影して得られた3次元画像データがある。デジタルカメラ5では、自動車の外観の画像データの他、自動車前部の損傷の場合はエンジンルーム内の画像データをも得る。自動車周囲の環境変化はレーダーによって捉えるようにすることもできる。
【0030】デジタルカメラ5による画像データは、デジタルカメラ5を第1コンピュータ1に接続して(又はデジタルカメラ附属のメモリカードから第1コンピュータ1にインストールして)送信される。車速、重力加速度の大きさと方向、並びにモニタカメラ6による3次元画像データは、車載コンピュータ附属のメモリカード7に記録され、該メモリカード7から第1コンピュータ1にインストールして送信される。
【0031】なお、デジタルカメラ5による画像データに代えて損傷した自動車をデジタルムービーカメラによって撮影して得られる画像データを採用するようにしてもよい。
【0032】コンピュータ1,2にはキーボード1a,2a及び表示装置1b,2bが接続されている。第2コンピュータ2にはさらに損害度判定及び修理支援に必要な各種のデータやプログラムを記憶・保存したハードディスクドライブ8(以下、HDD8という。)が接続されている。
【0033】図2は第2コンピュータ2の構成を示す。図中、11はブートプログラム等を記憶しているROM、12は各種処理結果を一時記憶するRAM、13は外部装置と通信回線3を介して通信するための通信インタフェース、14はマウス等のポインティング・デバイス、15はCPU(中央演算処理装置)である。これらの各構成は、内部バス29を介して接続されており、CPU15はHDD8に記憶したプログラムに従って装置全体を制御する。本実施形態において、表示装置2b、キーボード2a、並びにポインティング・デバイス14は、後述する各表示画面において、ユーザに対して所謂マン・マシンインタフェースを提供する。
【0034】HDD8には、自動車の設計図データベース8a、力学モデルデータベース8b、損傷関連情報データベース8c、及び部品・工賃データベース8dが作成して保存されているとともに、損害度判定・修理支援のためのプログラムが保存されている。
【0035】設計図データベース8aには、自動車の3次元での設計図が車種別に保存されている。力学モデルデータベース8bには、自動車の損傷時(衝突時)における変形を有限要素法によって解析するためのモデル(力学モデル)が車種別に作成して保存されている。
【0036】損傷関連情報データベース8cには、自動車の各部品の損害度と該損害度に対応する修理情報(修理又は交換の必要性の有無、修理方法)とが車種別に保存されている。例えば、車体フレームの損傷による曲がりの場合は、その曲がりを修正するためにそのフレームに加えるべき力の入力位置、入力方向及び大きさが保存されている。また、同一車種について過去の損傷時に得られた損傷情報、そのときの外力判定結果、そのときの修理の結果判明した実際の損害度、及びそのときの修理方法がこのデータベース8cに車種別に保存されている。
【0037】部品・工賃データベース8dには、自動車の各部品の価格、各部品の交換費用、及び各部品の修理費用が車種別に保存されている。
【0038】図3は自動車のエンジンルーム部分の設計図を簡略化して示すものである。同図において、16はサスペンションタワー、17は車体前部のサイドフレーム、18はサイドフレーム17に結合されたペリメータフレームであり、このペリメータフレーム18にパワープラント(エンジン本体及び自動変速機)19が支持されている。21はエアクリーナ、22は吸気管、23はバッテリ、24はラジエータ、25は冷却水タンク、26はブレーキのブースタ、27はブレーキのマスタシリンダである。
【0039】図4は上記CPU15による処理ロジックをブロック化して表したものである。すなわち、CPU15では、ユーザー確認、損傷情報の入力、画像データ処理、静的損害度判定、損傷時の外力判定、損傷時の動的解析、動的損害度判定、修理情報生成、並びに情報出力の各処理が行なわれる。これら各処理は、そのためのプログラムを記録した記録媒体(フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク等)から、そのプログラムをHDD8(又は第2コンピュータ2のハードディスク)に組み込んで(インストールして)実行される。以下、その内容を図5に示すフローを参照しながら具体的に説明する。
【0040】<ユーザー確認処理>スタート後のステップA1で第1コンピュータ1から第2コンピュータ2に通信回線3によってアクセスされているか(サービス提供依頼があるか)をみて、アクセスされていれば、ステップA2に進んでユーザー確認処理を行なう。すなわち、データ交換が可能になったときに、ユーザーIDとパスワードの入力を求め、その確認ができたときは(ログイン)、さらにステップA3に進んで、サービス料金の支払い方法の確認も行なう。
【0041】<損傷情報入力>続くステップA4では、損傷情報として、自動車の損傷部位を含むエンジンルーム等の3次元画像データ(デジタルカメラ5による画像データ)、損傷時の車速、損傷時に自動車に働いた重力加速度の大きさ及び方向、並びにモニタカメラ6によって撮影された当該自動車と障害物との衝突状況を示す3次元画像データを入力する。
【0042】<画像データ処理>続くステップA5において設計図データベース8aから同一車種の損傷のない自動車の対応する画像データ(設計図)を検索して読出す。続くステップA6で、損傷情報としてのデジタルカメラ5による画像データと設計図の画像データとを対比させて論理演算を行なうことにより、変形を生じている部分の画像データ(変形前後の画像データ)を残す。
【0043】<静的損害度判定>続くステップA7において、上記画像データ処理によって得られた変形前後の画像データに基づいて、変形を生じている部品及びその損害度(損傷の種類、変形の大きさ、金属疲労度)を判定する。パワープラントが変位している場合は、その変位に伴って損傷するエンジン周辺部品の損害度を当該変位量に基づいて判定する。
【0044】<損傷時の外力判定>続くステップA8において、上記画像データ処理によって得られた変形前後の画像データに基づいて、損傷時に自動車に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを判定する(第1の外力判定)。また、損傷時の車速、損傷時に自動車に働いた重力加速度の大きさ及び方向、並びにモニタカメラ6によって撮影された当該自動車と障害物との衝突状況を示す3次元画像データに基づいて、損傷時に自動車に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを判定する(第2の外力判定)。
【0045】上記第1の外力判定について説明すると、変形前後の画像データから外力によって変形した部分がわかる。その変形した部分の各部位の外力に対する抵抗力(強度)はその外力の入力方向によって異なるから、各部位の変形量を変形前後の画像データから取得することによって、外力の入力位置、入力方向及び大きさがわかることになる。
【0046】上記第2の外力判定について説明すると、損傷時に自動車に働いた重力加速度の大きさ及び方向は、外力の入力方向とその大きさに対応する。また、当該自動車と障害物との衝突状況を示す3次元画像データから外力の入力位置がわかる。従って、重力加速度の大きさ及び方向、並びに衝突状況の3次元画像データから、外力の入力位置、入力方向及び大きさがわかることになる。車速は外力の入力位置、入力方向及び大きさの補正に利用することができる。
【0047】<損傷時の動的解析>続くステップA9において、力学モデルデータベース8bに保存された解析モデル(力学モデル)により、上記外力判定によって得られた外力による自動車の変形モードを解析するシミュレーションを実行する。この場合、解析モデルの形状モデリングは、車体フレーム及び該車体フレームに支持されたパワープラントを含む当該自動車の設計図に基づいてコンピュータデータを定義することにより行なわれる。従って、当該外力によってパワープラントが変位している場合はその変位量も求められることになる。
【0048】<動的損害度の判定>続くステップA10において、上記動的解析の結果(変形モード)に基づいて、変形を生じている部品及びその損害度(損傷の種類、変形の大きさ、金属疲労度)を判定する。この場合、上記力学モデルの構成要素としては、車体の強度メンバー(車体パネル及び車体フレーム)とエンジンとが含まれていれば、該強度メンバーやエンジンの変位量からエンジン周辺部品、その他の自動車構成部品の損害度を求めることができる。
【0049】また、動的損害度の判定にあたっては、損傷情報データベース8cから過去の同一車種についての同種の損傷情報を検索し、そのような損傷情報がある場合には、そのときの実損害度に基づいて上記力学モデルによる判定結果を補正する(ステップA11)。その補正は、今回の判定結果(損害度)と過去の実損害度との誤差の所定割合を今回の判定結果に反映させることによって行なうことができる。また、今回の損傷情報と過去の損傷情報とが一致しないときは、過去の近似する複数の損傷関連情報に基づいて補間により今回の損傷情報に対応する損害度を求め、この損害度に基づいて今回の判定結果の補正を行なうことができる。
【0050】<修理情報の生成>続くステップA12において、上記静的損害度判定及び動的損害度判定の結果に基づいて、その損害を生じた部品の当該損害度に対応する修理情報(修理又は交換の必要性、修理方法)を損傷関連情報データベース8cから取得する。例えば、車体フレームの損傷による曲がりが損害度として判定されたときは、その曲がりを修正するために該フレームに加えるべき力の入力位置、入力方向及び大きさが損傷関連情報データベース8cから求められる。
【0051】また、上記静的損害度判定及び動的損害度判定の結果に基づいて、その損害を生じた部品を交換する場合はその部品の価格及び交換費用を、また、その損害を生じた部品を修理する場合はその修理費用を、部品・工賃データベース8dから取得する。
【0052】<情報出力処理>続くステップA13において、上記損傷情報、上記画像データ処理の結果、上記動的解析結果、静的損害度の判定結果、動的損害度の判定結果、並びに上記修理情報を表計算ソフトにより処理して見積書(表)を作成し、表示装置2dに表示させるとともに、通信インターフェイス13を介して第1コンピュータ1に送信する(ステップA14)。
【0053】図6は見積書の一例を示す。車台番号等の書誌的事項の他、部品名、部品数、損傷状況、修理方法及び損害度判定・修理支援のサービス料金のみを表示し、工賃、部品単価等の修理に関する費用欄はユーザー側で書き込むようにしてもよい。また、事故車画像、損傷情報及び修理スケジュールはメニュー方式で表示させるようにしている。修理スケジュールに関しては、必要に応じて修理工場から情報を得て表示できるようにすればよい。
【0054】また、上記損傷情報、上記画像データ処理の結果、上記動的解析結果、静的損害度の判定結果、動的損害度の判定結果、並びに上記修理情報は、損傷関連情報データベース8cに保存する。さらに、実際に修理が行なわれたときに、その修理の結果判明した実際の損害度及び修理方法に関する情報を修理工場から入手して、損傷関連情報データベース8cに保存する。
【0055】図7は第1コンピュータ1側の処理フローを示す。すなわち、スタート後のステップB1において損傷情報としての、デジタルカメラ5による画像データ)、損傷時の車速、損傷時に自動車に働いた重力加速度の大きさ及び方向、並びにモニタカメラ6によって撮影された当該自動車と障害物との衝突状況を示す3次元画像データを入力する。
【0056】続くステップB2において、第2コンピュータ2にアクセスし、ユーザーID、パスワード及び料金支払い方法を入力する。第2コンピュータ2によるユーザー確認及び料金支払い方法の確認が終了した後、損傷情報を出力する(ステップB3〜B5)。続くステップB6において第2コンピュータ2から修理情報を受信すると、続くステップB7において修理情報を表形式で表示する。
【0057】なお、上記実施形態は、自動車の損害度判定・修理支援に関するが、本発明が他の製品の損害度判定・修理支援にも適用できることはもちろんである。
【0058】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、製品の損傷部位の画像データに基づいて該製品に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求め、該製品の構成に基づいて設定された力学モデルにより、当該外力による当該製品の損害度を判定する判定手段を備えているから、得られる損害度情報の信頼性が高まる。
【0059】請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載されている製品の損害度判定装置において、上記製品は自動車であり、上記力学モデルは、車体フレームと、該フレームに支持されたエンジンとを構成要素として備え、エンジンを考慮して損害度の判定を行なうようにしたから、損害度判定の精度が高くなる。
【0060】請求項3に係る発明によれば、請求項2に記載されている製品の損害度判定装置において、上記力学モデルは、上記車体フレームとエンジンとの関係を表した設計図に基づいて設定されているから、力学モデルの精度が高いものになり、損害度の判定精度が高くなる。
【0061】請求項4に係る発明によれば、製品の損傷部位の画像データを入力する入力ステップと、上記画像データに基づいて上記製品に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求めるステップと、上記製品の構成に基づいて設定された力学モデルにより、当該外力による当該製品の損害度を判定する判定ステップとを備えているから、得られる損害度情報の信頼性が高まる。
【0062】請求項5に係る発明によれば、請求項4に記載されている製品の損害度判定方法において、第1コンピュータから通信回線を介して損害度判定用の第2コンピュータに画像データを入力し、データベースから上記第2コンピュータに力学モデルを取り込んで損害度を判定するようにしたから、第1コンピュータの能力を高める必要がなく、また、力学モデル及び判定ソフトの第1コンピュータ側への漏洩防止に有利になる。
【0063】請求項6に係る発明によれば、請求項5に記載されている製品の損害度判定方法において、上記第2コンピュータによる損害度判定結果を上記第1コンピュータに通信回線を介して送信するステップを備えているから、第1コンピュータから第2コンピュータにアクセスして損害度の判定結果を得ることができ、利便性を高める上で有利になる。
【0064】請求項7に係る発明によれば、コンピュータを用いて製品の損害度を判定するプログラムを記録した記録媒体であって、製品の損傷部位の画像データに基づいて該製品に加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求め、上記製品の構成に基づいて予め設定された力学モデルにより、当該外力による当該製品の損害度を判定するから、当該記録媒体によってコンピュータを作動させて製品の損害度を判定することができるとともに、得られる損害度情報の信頼性が高まる。
【0065】請求項8に係る発明によれば、損傷した自動車のエンジンルームを撮影して得られた画像データを入力する入力手段と、この画像データと、損傷のない自動車のエンジンを含むエンジンルームの画像データとを対比して上記エンジンの当該損傷による変位量を求める画像処理手段と、このエンジンの変位量に基づいて当該自動車の損害度を判定する判定手段とを備えているから、自動車の損害度を精度良く判定することができる。




 

 


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