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構造体形状のモーフィング方法及びそのコンピュータ・プログラム、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - マツダ株式会社
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発明の名称 構造体形状のモーフィング方法及びそのコンピュータ・プログラム、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−108609(P2003−108609A)
公開日 平成15年4月11日(2003.4.11)
出願番号 特願2001−294932(P2001−294932)
出願日 平成13年9月26日(2001.9.26)
代理人 【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳 (外3名)
【テーマコード(参考)】
5B046
5B050
【Fターム(参考)】
5B046 FA04 FA18 JA07 
5B050 EA13 EA28
発明者 川口 克也 / 大地 正樹 / 平尾 正博 / 大塚 守 / 竹内 俊夫
要約 課題
プロトタイプ構造体のFEMモデルを利用して、解析対象構造体のFEMモデルを、迅速且つ容易に取得する。

解決手段
新型車両の外形線と、既存車両のFEMモデルとに対して、対応する複数の基準点を設定し、それら基準点の対応関係と、その既存車両のFEMモデルに含まれるメッシュモデルとに基づいて、そのメッシュモデルを当該新型車両の外形形状に変更すると共に、その移動に応じて、既存車両のFEMモデルに含まれる付属情報及びその関連付け状態を、変形後のメッシュモデルに対して再定義することにより、当該新型車両のFEMモデルを算出する。
特許請求の範囲
【請求項1】 コンピュータを利用した構造体形状のモーフィング方法であって、解析対象構造体の少なくとも外形形状情報と、有限要素法(FEM)に基づく解析用ゾルバのプリプロセッサを利用して予め生成されたところの、プロトタイプ構造体の外形形状を表わす3次元のメッシュモデル及びそのメッシュモデルに関連付けされた付属情報を含むFEMモデルとを入手すると共に、その解析対象構造体の外形形状情報及び該プロトタイプ構造体のメッシュモデルに対して、対応する複数の基準点を設定する準備工程と、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルと前記解析対象構造体の外形形状情報とに設定された複数の基準点の対応関係に基づいて、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルを構成する複数の節点を移動することにより、そのメッシュモデルを前記解析対象構造体の外形形状に変更すると共に、その移動に応じて、前記付属情報及びその関連付け状態を、変形後のメッシュモデルに対して再定義することにより、前記解析対象構造体についてのFEMモデルを算出するモーフィング工程と、を有することを特徴とする構造体形状のモーフィング方法。
【請求項2】 前記準備工程には、前記プロトタイプ構造体のFEMモデルに関連付けすべく、重み付けを決定するためのパラメータを、ユーザが設定可能なパラメータ設定工程が含まれ、前記モーフィング工程では、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルを構成する複数の節点を移動するに際して、その移動量が、前記パラメータに基づいて決定された重み付けに従って規制されることを特徴とする請求項1記載の構造体形状のモーフィング方法。
【請求項3】 前記モーフィング工程は、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルと前記解析対象構造体の外形形状情報とに設定された複数の基準点の対応関係に従って、前記プロトタイプ構造体の外形形状から前記解析対象構造体の外形形状への形状変更の態様を表わすマスターメッシュを生成するマスターメッシュ生成工程と、前記マスターメッシュを構成する複数の節点の配置状態に基づいて、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルを構成する複数の節点を移動することにより、そのメッシュモデルを前記解析対象構造体の外形形状に変更すると共に、その移動に応じて、前記付属情報及びその関連付け状態を、変形後のメッシュモデルに対して再定義することにより、前記解析対象構造体についてのFEMモデルを算出するFEMモデル演算工程と、を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の構造体形状のモーフィング方法。
【請求項4】 前記マスターメッシュ生成工程は、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルに設定された複数の基準点に従って、それら基準点を少なくとも1つ頂点として含む複数の第1六面体を設定する第1六面体設定工程と、前記解析対象構造体の外形形状情報に設定された複数の基準点に従って、前記第1六面体に対応するところの、該基準点を少なくとも1つ頂点として含む複数の第2六面体を設定する第2六面体設定工程と、前記複数の第1及び第2六面体のうち、互いに対応する第1六面体と第2六面体との形状の差異に従って、前記プロトタイプ構造体の外形形状から前記解析対象構造体の外形形状への形状変更の態様を表わすマスターメッシュを生成する生成工程と、を含むことを特徴とする請求項3記載の構造体形状のモーフィング方法。
【請求項5】 前記マスターメッシュ生成工程は、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルに設定された複数の基準点に従って、それら基準点をライン上に含む第1フィーチャーラインを設定する第1フィーチャーライン設定工程と、前記解析対象構造体の外形形状情報に設定された複数の基準点に従って、前記第1フィーチャーラインに対応するところの、該基準点をライン上に含む第2フィーチャーラインを設定する第2フィーチャーライン設定工程と、前記第1フィーチャーラインと、前記第2フィーチャーラインとの形状の差異に従って、前記プロトタイプ構造体の外形形状から前記解析対象構造体の外形形状への形状変更の態様を表わすマスターメッシュを生成する生成工程と、を含むことを特徴とする請求項3記載の構造体形状のモーフィング方法。
【請求項6】 前記モーフィング工程において、前記重み付けは、前記プロトタイプ構造体のFEMモデルに含まれる部品形状に応じて決定されることを特徴とする請求項2記載の構造体形状のモーフィング方法。
【請求項7】 前記モーフィング工程において、前記重み付けは、前記プロトタイプ構造体のFEMモデルに含まれる部品配置に応じて決定されることを特徴とする請求項2記載の構造体形状のモーフィング方法。
【請求項8】 前記モーフィング工程において、前記重み付けは、前記プロトタイプ構造体のFEMモデルに含まれる部品特性に応じて決定されることを特徴とする請求項2記載の構造体形状のモーフィング方法。
【請求項9】 前記モーフィング工程において、前記重み付けは、前記プロトタイプ構造体のFEMモデルに含まれる部品種類に応じて決定されることを特徴とする請求項2記載の構造体形状のモーフィング方法。
【請求項10】 前記モーフィング工程において、前記重み付けは、前記プロトタイプ構造体のFEMモデルを利用した過去の解析結果に応じて決定されることを特徴とする請求項2記載の構造体形状のモーフィング方法。
【請求項11】 前記付属情報は、少なくとも、境界条件、拘束条件、並びに材料を表わす属性情報であることを特徴とする請求項1記載の構造体形状のモーフィング方法。
【請求項12】 前記プロトタイプ構造体は、既存車両のボディ構造体であって、前記解析対象構造体は、前記既存車両から派生した派生車両のボディ構造体であることを特徴とする請求項1記載の構造体形状のモーフィング方法。
【請求項13】 請求項1乃至請求項12の何れかに記載の構造体形状のモーフィング方法を、コンピュータによって実現可能な動作指示をなすことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
【請求項14】 請求項1乃至請求項12の何れかに記載の構造体形状のモーフィング方法を、コンピュータによって実現可能なプログラムコードが格納されていることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CAD/CAEソフトウエアを利用したデジタル・エンジニアリングの分野に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンピュータを利用した画像処理の分野においては、元画像に表された対象物の形状を、コンピュータを利用して他の形状に変形する、所謂モーフィング( Morphing )技術が提案されている。
【0003】従来から行われているモーフィング処理では、一般に、異なる複数の画像(主に実写によるデジタル画像情報に基づく画像)において対応する領域がオペレータによって設定されると、コンピュータは、設定された個々の領域の情報に基づいて、中割り補間( interporation )処理を行なう。中割り補間処理では、設定された領域内に存在する対象物の位置、形状、並びに色等の各種情報が当該複数の画像情報間において滑らかに変化するような中間値が生成される。そして、当該複数の画像情報に基づいてコンピュータが画像を再生表示するに際して、係る中間値が参照されることにより、表示画面を構成する画素の移動、画素の表示色の変化等が実現する。これにより、形状変形に利用可能なパラメータが本来は存在しない実写による複数のデジタル画像情報を利用した画像の再生表示に際して、変形対象物の連続的な形状変化を可能としている。
【0004】また、近年においては、このようなモーフィング技術の一例として、特開平9−106453号には、格子状に複数のブロックに分割された変形対象の元画像に、コンピュータに対してオペレータが対話形式で変形範囲を指定すると、その変形範囲内にある格子点が所定の移動規則に従って移動することにより、係る複数のブロックの少なくとも一部が変形を起こし、これにより、元画像に表された対象物の形状が変形する技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術によれば、オペレータは、元画像に表された対象物の変形指示を容易に行なうことができる。しかしながら、上述した従来のモーフィング技術は、実写によるデジタル画像データに表された画像を前提としているため、上記従来技術においても、2次元座標系(X−Y)で表される平面形状の変形処理を対象としており、3次元形状への適用や応用については述べられていない。
【0006】また、所謂コンピュータ・グラフィック(CG)を利用して作成されたアニメーション画像等の変形は、その画像情報を構成するデータ構造に本来含まれるパラメータを表示に際して連続的に変更することにより、上述した実写によるデジタル画像データによるモーフィングと比較して実現が容易であることが知られている。
【0007】これに対して、CAD(Computer aided Design)/CAE(Computer aided Engineering)用の汎用ソフトウエアを利用して、車両メーカ等における設計業務において生成されたソリッドモデル、サーフェスモデル等の3次元形状情報は、膨大な座標値や各種の属性情報等を含む複雑なデータ構造であり、且つそのデータ構造はサプライヤ(ソフトウエア・ベンダー)によって大きく異なるため、上述したような対象物の元の形状から変形形状を生成・表示する試みはなされていない。
【0008】しかしながら、車両メーカ等における設計業務においては、CADソフトウエアを利用して生成された構造体の3次元形状情報を、コンピュータによって擬似的に解析するCAEソフトウエアが普及しており、その中でも、有限要素法(FEM)に基づく解析手法は広く普及している。
【0009】FEMに基づく解析手法において、ユーザは、まず、プリプロセッサを利用して、3次元形状情報によって表された解析対象の構造体をメッシュ状に分割し、次に、その構造体のメッシュに対して、拘束条件、応力等の所定項目の境界条件等の属性情報を設定する等の前準備を行なう必要がある。この前準備は、FEM用のゾルバを利用して実際に行われる解析処理の精度や処理時間に大きな影響を与える。このため、解析処理に先立って最適な設定を行なうことは、限られた開発期間を有効に利用して短期間で新型車両を開発しなければならない設計部門のユーザにとって、かなりの作業負担となっている。
【0010】しかしながら、上記のような開発状況下において、設計部門が開発すべき新型車両は、既存車両( existing vehicle )に基づく派生車両( derived vehicle )である場合も多い。この場合、その既存車両の開発時において、ゾルバを利用した解析処理の前準備として用意されたデータ群(データセット:後述する実施形態におけるFEMモデルに相当)は、企業内のデータベースに既に存在しているので、係るデータ群は、派生車両等の新型車両の開発時に、資産として有効活用されるべきである。
【0011】本願発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、プロトタイプ構造体のFEMモデルを利用して、解析対象構造体のFEMモデルを、迅速且つ容易に取得することが可能な構造体形状のモーフィング方法及びそのコンピュータ・プログラム、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明に係る構造体形状のモーフィング方法は、以下の構成を特徴とする。
【0013】即ち、コンピュータを利用した構造体形状のモーフィング方法であって、解析対象構造体(例えば、既存車両から派生した派生車両のボディ構造体)の少なくとも外形形状情報と、有限要素法(FEM)に基づく解析用ゾルバのプリプロセッサを利用して予め生成されたところの、プロトタイプ構造体(例えば、既存車両のボディ構造体)の外形形状を表わす3次元のメッシュモデル及びそのメッシュモデルに関連付けされた付属情報(例えば境界条件、拘束条件、並びに材料等を表わす属性情報)を含むFEMモデル(図12)とを入手すると共に、その解析対象構造体の外形形状情報及び該プロトタイプ構造体のメッシュモデルに対して、対応する複数の基準点を設定する準備工程と、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルと前記解析対象構造体の外形形状情報とに設定された複数の基準点の対応関係に基づいて、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルを構成する複数の節点を移動することにより、そのメッシュモデルを前記解析対象構造体の外形形状に変更すると共に、その移動に応じて、前記付属情報及びその関連付け状態を、変形後のメッシュモデルに対して再定義することにより、前記解析対象構造体についてのFEMモデル(図23)を算出するモーフィング工程と、を有することを特徴とする。
【0014】好適な実施形態において、前記準備工程には、図7乃至図9に例示するような各種設定画面を利用して、前記プロトタイプ構造体のFEMモデルに関連付けすべく、重み付けを決定するためのパラメータを、ユーザが設定可能なパラメータ設定工程が含まれ、前記モーフィング工程では、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルを構成する複数の節点を移動するに際して、その移動量が、前記パラメータに基づいて決定された重み付けに従って規制すると良い。
【0015】ここで、前記重み付けは、例えば、・前記プロトタイプ構造体のFEMモデルに含まれるところの、稜線、外形線、分岐線(分岐部分)、コーナ半径(R)等の部品形状、・前記プロトタイプ構造体のFEMモデルに含まれるところの、部品間の隙(ギャップ)、シート取り付け位置等の部品配置、・前記プロトタイプ構造体のFEMモデルに含まれるところの、板厚、スポット、重さ、諸元、サイズ、体積(ガソリンタンク等)、溶接位置等によって規定される部品特性、・前記プロトタイプ構造体のFEMモデルに含まれるところの、リブ、フランジ、共通部品、代替部品等の部品種類、に応じて決定されて好適である。
【0016】また、例えば前記モーフィング工程において、前記重み付けは、前記プロトタイプ構造体のFEMモデルを利用した過去の解析結果に応じて決定しても良い。より具体的には、例えば、・衝突やNVH等の解析結果に応じて、稜線の形状変更を規制するための重み付けを決定すると良い。
・側面衝突等の解析結果に応じて、ドアとボディとの隙間の形状変更を規制するための重み付けを決定すると良い。
【0017】また、上記何れの場合においても、好適な実施形態において、前記モーフィング工程は、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルと前記解析対象構造体の外形形状情報とに設定された複数の基準点の対応関係に従って、前記プロトタイプ構造体の外形形状から前記解析対象構造体の外形形状への形状変更の態様を表わすマスターメッシュ(図22)を生成するマスターメッシュ生成工程と、前記マスターメッシュを構成する複数の節点の配置状態に基づいて、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルを構成する複数の節点を移動することにより、そのメッシュモデルを前記解析対象構造体の外形形状に変更すると共に、その移動に応じて、前記付属情報及びその関連付け状態を、変形後のメッシュモデルに対して再定義することにより、前記解析対象構造体についてのFEMモデルを算出するFEMモデル演算工程と、を含むと良い。
【0018】この場合、上記のマスターメッシュ生成工程は、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルに設定された複数の基準点に従って、それら基準点を少なくとも1つ頂点として含む複数の第1六面体を設定する第1六面体設定工程と、前記解析対象構造体の外形形状情報に設定された複数の基準点に従って、前記第1六面体に対応するところの、該基準点を少なくとも1つ頂点として含む複数の第2六面体を設定する第2六面体設定工程と、前記複数の第1及び第2六面体のうち、互いに対応する第1六面体と第2六面体との形状の差異に従って、前記プロトタイプ構造体の外形形状から前記解析対象構造体の外形形状への形状変更の態様を表わすマスターメッシュを生成する生成工程とを含むと良い。
【0019】ここで、前記複数の基準点は、後述する実施形態(ボックスに基づくモーフィング処理)において、図14に示す第1FEM基準点、図15に示す第1CAD基準点、図16に示す第1及び第2FEM基準点、図17に示す第1及び第2CAD基準点に相当する。
【0020】或いは、前記マスターメッシュ生成工程は、前記プロトタイプ構造体のメッシュモデルに設定された複数の基準点に従って、それら基準点をライン上に含む第1フィーチャーラインを設定する第1フィーチャーライン設定工程と、前記解析対象構造体の外形形状情報に設定された複数の基準点に従って、前記第1フィーチャーラインに対応するところの、該基準点をライン上に含む第2フィーチャーラインを設定する第2フィーチャーライン設定工程と、前記第1フィーチャーラインと、前記第2フィーチャーラインとの形状の差異に従って、前記プロトタイプ構造体の外形形状から前記解析対象構造体の外形形状への形状変更の態様を表わすマスターメッシュを生成する生成工程と、を含むと良い。
【0021】ここで、前記準備工程にて設定される複数の基準点は、後述する実施形態(フィーチャーラインに基づくモーフィング処理)において、図14に示す第1FEM基準点、図15に示す第1CAD基準点、図24に示す第1及び第3FEM基準点、同じく図24に示す第1及び第3CAD基準点に相当する。
【0022】尚、同目的は、上記の各構成の構造体形状のモーフィング方法に対応する情報処理装置によっても達成される。
【0023】また、同目的は、上記の各構成の構造体形状のモーフィング方法及び情報処理装置を、コンピュータによって実現するプログラムコード、及びそのプログラムコードが格納されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体によっても達成される。
【0024】
【発明の効果】上記の本発明によれば、プロトタイプ構造体のFEMモデルを利用して、解析対象構造体のFEMモデルを、迅速且つ容易に取得することが可能な構造体形状のモーフィング方法及びそのコンピュータ・プログラム、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の提供が実現する。
【0025】即ち、請求項1の発明によれば、プロトタイプ構造体のFEMモデルと、解析対象構造体について少なくとも外形形状情報とを用意できれば、ユーザは、その解析対象構造体に対する有限要素法に基づく解析処理に先立って従来は必要であった各種条件等の設定操作を行なうことなく、境界条件、拘束条件、並びに材料を表わす属性情報等の付属情報(請求項8)が関連付けされた解析対象構造体のFEMモデルを、迅速且つ容易に入手することができる。これにより、既に存在していたプロトタイプ構造体のFEMモデルの有効活用と、解析対象構造体の解析業務全体の迅速化とを実現することができる。
【0026】また、請求項2の発明によれば、ユーザが設定するパラメータに応じて、例えば請求項4乃至請求項8に例示する如く重み付けが決定され、その重み付けに従ってプロトタイプ構造体のメッシュモデルの形状変更が規制される。これにより、ユーザの希望に応じた現実的な解析対象構造体のFEMモデルを入手することができ、プロトタイプ構造体のFEMモデル品質と比較した解析対象構造体のFEMモデルの品質低下を極小化できる。
【0027】また、請求項3の発明によれば、プロトタイプ構造体のメッシュモデルと、解析対象構造体の外形形状情報とに設定された複数の基準点を利用して設定された複数の第1及び第2六面体(請求項4)または第1及び第2フィーチャーライン(請求項5)に従って算出されたところの、プロトタイプ構造体の外形形状から解析対象構造体の外形形状への形状変更の態様を表わすマスターメッシュを利用して、その解析対象構造体についての高精度なFEMモデルを算出することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、代表的な車両( vehicle )である自動車のボディ構造体に適用した一実施形態として、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】[ システム構成 ]図1は、本実施形態に適用可能なコンピュータ・システムの構成を例示する図である。
【0030】同図において、複数のユーザ端末1とホストコンピュータ2とは、通信ネットワーク6を介して双方向通信可能に接続されることにより、一般的なサーバ・クライアント環境を構成している。本実施形態において、個々のユーザ端末1、ホストコンピュータ2、並びに通信ネットワーク6には、一般的なコンピュータ及びネットワーク・システムを採用することができるので、その詳細な装置構成についての説明は省略する。
【0031】FEMモデルデータベース3には、本実施形態において以下に説明する処理システムの運用開始に先立って、少なくとも複数種類の既存車両についてのFEMモデルが格納されており、係る処理システムの機能により、新たに生成された新型車両(既存車両から派生した派生車両を含む:以下、単に「新型車両」と総称する)のFEMモデルを格納することができる。
【0032】個々の既存車両のFEMモデルは、例えば、車両メーカの設計部門の担当者が、以前の開発・設計業務において、FEM(有限要素法)用の一般的なプリプロセッサを利用して生成したデータセット(データファイル)であるが、本実施形態において後述する新型車両のFEMモデル生成処理の機能により、新たに、重み付けを決定するためのパラメータ等が関連付けされた状態で記憶される(尚、FEMモデルの詳細については後述する)。
【0033】CADモデルデータベース4には、例えば、車両メーカの設計部門の担当者が、今回の開発・設計業務において、一般的なCADソフトウエアを利用して生成したところの、新型車両についてのソリッドモデル、サーフェスモデル等の3次元形状情報が予め格納されている。
【0034】プログラムデータベース5には、ユーザ端末1との通信機能、上記各データベースの管理プログラム、並びに本実施形態に係る新型車両のFEMモデル生成処理の機能を実現するためのソフトウエア・プログラム等が格納されている。
【0035】ホストコンピュータ2は、FEMモデルデータベース3、CADモデルデータベース4、並びにプログラムデータベース5にアクセス可能に接続されており、ユーザ端末1のログイン時に、アプリケーション・サーバコンピュータとして機能する。
【0036】尚、上述したシステム構成は、説明の便宜上のものであって、上記各データベースは、単一の大規模データベースであっても、或いは、通信ネットワーク6に個別に接続されているような構成であっても良い。また、ユーザ端末1とホストコンピュータ2とによって構成されるサーバ・クライアント環境ではなく、マンマシン・インタフェースを有する1台のコンピュータとデータベースとによって構成される環境であっても良い。
【0037】以下、本実施形態に係る新型車両のFEMモデル生成処理の機能により、既存車両のボディ構造体(プロトタイプ構造体)のFEMモデル(図12)と、新型車両のCADモデル(図13)とを利用して、FEMに基づく各種解析処理用のゾルバに設定可能な、新型車両のボディ構造体(解析対象構造体)のFEMモデル(図23)を入手する手順について説明する。
【0038】<既存車両のFEMモデル>まず、FEMモデルについて、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態における既存車両のFEMモデルを例示する図である。
【0039】本実施形態において、FEMモデルとは、強度解析、熱解析、機構解析、振動解析等のFEM解析処理のゾルバにて解析を施す準備が完了した状態の一般的なデータ群(データセット)であり、FEMモデルデータベース3に予め格納されている。
【0040】また、FEMモデルのデータセット(以下、単に「FEMモデル」と称する)には、3次元の車両形状情報としてメッシュ形状が含まれ、この情報には、境界条件、拘束条件、材料等の属性情報等の所定の付属情報が定義付け(関連付け)されている。
【0041】ここで、車両形状情報は、図12に例示するプロトタイプ(既存車両)のFEMモデルのように、3次元(例えば四面体、六面体)の複数の立体要素(ソリッドメッシュ)によって構成されるメッシュモデルを含み、そのメッシュの粗さ(メッシュサイズ)は、車両形状の部位に応じて適宜異なる。
【0042】FEMモデルにおいて、車両形状の幾何学的な精度は、3次元座標空間において、その車両形状を構成する複数の節点( node )の座標値によって決定される。ここで、節点とは、FEMモデルのメッシュ形状(車両形状)を構成する個々のソリッドメッシュの頂点をなす格子点( node )である。
【0043】<新型車両のCADモデル>図13は、本実施形態における新型車両のCADモデルを例示する図である。
【0044】本実施形態において、新型車両のCADモデルは、CADモデルデータベース4に予め格納されており、その新型車両の少なくとも3次元の外形形状情報を含めば、サーフェスモデルやサーフェスモデル等の各種の3次元CADモデルを採用することができる。
【0045】[ FEMモデル生成処理 ]次に、新型車両のFEMモデル生成処理について詳細に説明する。
【0046】図2は、本実施形態における新型車両のFEMモデル生成処理の全体概要を示すフローチャートであり、この処理は、ログイン中のユーザ端末1におけるユーザの入力操作に応じて、ホストコンピュータ2が実行するソフトウエア・プログラムの処理手順を示す。
【0047】同図において、ステップS1:ユーザは、プロトタイプとして利用する既存車両のFEMモデルと、本実施形態に係るFEMモデル生成処理によって入手を希望する新型車両のFEMモデルに対応するところの、当該新型車両のCADモデルとを選択する。また、所定の制約条件等の設定が、自動または手動(マニュアル操作)によって行われる。尚、本ステップに係る準備処理の詳細については、図3に示すフローチャートを参照して後述する。
【0048】ステップS2〜ステップS4:ユーザによる選択操作(ステップS2)に応じて、ボックスに基づくモーフィング処理(ステップS3)、フィーチャーラインに基づくモーフィング処理(ステップS4)、或いはそれら2種類のモーフィング処理が両方実行される。個々のモーフィング処理では、ステップS1にてCADモデルが選択された新型車両に関して、そのFEMモデルが算出される。
【0049】尚、ステップS3に係るボックスに基づくモーフィング処理の詳細については、図4に示すフローチャートを参照して後述する。また、ステップS4に係るフィーチャーラインに基づくモーフィング処理の詳細については、図5に示すフローチャートを参照して後述する。
【0050】ステップS5:ステップS3またはステップS4におけるモーフィング処理結果が、ユーザ端末1のディスプレイに表示される。本ステップでは、ステップS2の処理選択において当該2種類のモーフィング処理が選択されている場合、それら2種類のモーフィング処理によってそれぞれ個別に算出された新型車両のFEMモデルが、同画面上に表示される。この場合、表示された2つのFEMモデルは、ユーザにとって識別が容易でないため、両方のFEMモデルにおいて形状の異なる部分、並びに関連付けされた各種情報のうち値が異なるものは、例えば、異なる表示色で強調して表示すると良い。
【0051】また、既存車両のFEMモデルと、新型車両のFEMモデルとの形状の異なる部分も、例えば、その新型車両が当該既存車両の派生車両である場合等のように、当該新型車両の形状が当該既存車両の形状に類似している場合には、ユーザにとって識別が容易でない。そこで、ステップS5では、ユーザの選択操作に応じて、両方のFEMモデルのメッシュ形状(メッシュモデル)において、ステップS3またはステップS4におけるモーフィング処理(詳細は後述する)に伴って移動したところの、対応する節点の移動量及び移動方向に従って、図25に例示するように、3次元座標空間に配置したベクトルを表わす矢印等で表示すると良い。
【0052】ステップS6:ステップS2の処理選択において当該2種類のモーフィング処理が選択されている場合には、ユーザの選択操作に応じて、両方、或いは何れかのモーフィング処理によって算出された新型車両のFEMモデルが選択される。
【0053】ステップS7:ステップS6にて当該2種類のFEMモデルが選択された場合に、その2種類のFEMモデルのメッシュ形状及びその付属情報は、1つのFEMモデルに合成される。また、本ステップでは、合成された1つのFEMモデルのメッシュ形状、或いはステップS6にて選択された何れかのFEMモデルのメッシュ形状のメッシュ品質の妥当性、並びにそれらFEMモデルのデータセット全体としての妥当性が判断され、その判断結果のユーザに対する報知、並びに自動または手動による調整が行われる。尚、ステップS7に係る結果報知・調整処理の詳細については、図6に示すフローチャートを参照して後述する。
【0054】<準備処理>図3は、本実施形態における新型車両のFEMモデル生成処理のうち、準備処理(図2のステップS1)の詳細を示すフローチャートである。
【0055】同図において、ステップS11:FEMモデルD/B3に予め格納されているプロトタイプの既存車両のFEMモデルに対して、後述するモーフィング処理(図4または図5)に使用する重み付け係数を決定するためのパラメータが、図7乃至図9に例示する設定画面を利用して、ユーザによって設定される。パラメータが設定されると、そのパラメータは、当該既存車両のFEMモデルに対して関連付けされた状態で記憶される。
【0056】本実施形態において、重み付け係数は、ユーザによって設定されたパラメータに従って決定されるデータであって、ユーザが注目する部品の稜線やグリッド等が、モーフィング処理によって変化(例えば、形状変形、変位量の大きさ及び方向の変更)しても良いのか良くないかを表わす程度(度合い)を表わす。
【0057】図7は、重み付け係数を決定するために、所望の部品毎にユーザが設定可能なパラメータの設定画面を例示する図である。
【0058】即ち、図7(a)に示す設定画面では、ユーザによって「変形禁止部品(共通部品)」または「変形規制部品(汎用部品)」のラジオボタンが選択され、且つ「選択」の操作ボタンが操作された場合には、リスト表示(不図示)された既存車両のFEMモデルを構成する複数の部品の中から、後述するモーフィング処理において既存車両のFEMモデルから新型車両のFEMモデルを生成するに際して、変形を禁止または規制する所望の部品を選択することができる。この場合、係るパラメータがユーザによって設定されるのに応じて、ホストコンピュータ2は、モーフィングの実行に際して、対象となる部品の変形を禁止または規制すべく、後述する他の場合と比較してかなり小さな重み付け係数が自動的に設定する。
【0059】また、図7(a)に示す設定画面では、ユーザによって「変形可能部品(専用部品)」のラジオボタンが選択され、「詳細」の操作ボタンが操作された場合には、図7(b)に例示する設定画面が新たに表示される。図7(b)に示す設定画面は、ユーザによって、モーフィング時の重み付け係数を決定するためのパラメータとして、モーフィング処理の前後において板厚とスポット溶接位置とが保持(拘束)されるように設定された状態を示す。この場合、係るパラメータがユーザによって設定されるのに応じて、ホストコンピュータ2は、対象となる部品の板厚とスポット溶接位置とがモーフィングの実行に際して変化しないように、小さな重み付け係数が自動的に設定する。
【0060】そして、図7(a)に示す設定画面では、ユーザによって「変形可能部品(専用部品)」のラジオボタンが選択され、「配置」の操作ボタンが操作された場合には、図7(c)に例示する設定画面が新たに表示される。図7(c)に示す設定画面は、ユーザによって、モーフィング時の重み付け係数を決定するためのパラメータとして、当該専用部材と他の部材との配置関係が具体的な数値によって保持(拘束)されるように設定された状態を示す。この場合、係るパラメータがユーザによって設定されるのに応じて、ホストコンピュータ2は、対象となる部品と他の部品との離間距離や空隙(ギャップ長)がモーフィングの実行に際して変化しないように、小さな重み付け係数が自動的に設定する。
【0061】図8及び図9は、重み付け係数を決定するために、個々の部品単位ではなく、既存車両のFEMモデル全体に対してユーザが設定可能なパラメータの設定画面を例示する図である。
【0062】即ち、図8(a)に示す設定画面では、ユーザによって「衝突テスト」の操作ボタンが操作された場合には、図8(b)に例示する設定画面が新たに表示される。図8(b)に示す設定画面では、ユーザによって、モーフィング時の重み付け係数を決定するためのパラメータとして、衝突テストにおける適用部品が選択され、選択された部品に対して、形状及びドア隙間が保持(拘束)されるように設定された状態を示す。この場合、係るパラメータがユーザによって設定されるのに応じて、ホストコンピュータ2は、対象となるテスト結果がモーフィングによって悪化しないように、FEMモデル全体に対して、小さな重み付け係数が自動的に設定する。
【0063】同様に、図8(a)に示す設定画面では、ユーザによって「側面衝突テスト」、「耐久性テスト」の操作ボタンが操作された場合に、ユーザは、その操作に応じたモーフィング時の重み付け係数を決定するためのパラメータを、不図示の設定画面を利用して、ユーザ所望の部品に対して設定することができる。この場合も、係るパラメータがユーザによって設定されるのに応じて、ホストコンピュータ2は、対象となるテスト結果がモーフィングによって悪化しないように、FEMモデル全体に対して、小さな重み付け係数が自動的に設定する。
【0064】また、図8(a)に示す設定画面では、ユーザによって「部品特性」の操作ボタンが選択された場合には、図8(c)に例示する設定画面が新たに表示される。図8(c)に示す設定画面は、ユーザによって、モーフィング時の重み付け係数を決定するためのパラメータとして、モーフィング処理の前後において板厚及びスポット溶接位置が保持(拘束)されるように設定された状態を示す。この場合は、係るパラメータがユーザによって設定されるのに応じて、ホストコンピュータ2は、板厚とスポット溶接位置とがモーフィングの実行に際して変化しないように、FEMモデル全体に対して、小さな重み付け係数が自動的に設定する。
【0065】また、図8(a)に示す設定画面では、ユーザによって「部品種別」の操作ボタンが選択された場合には、図9(a)に例示する設定画面が新たに表示される。図9(a)に示す設定画面は、ユーザによって、モーフィング時の重み付け係数を決定するためのパラメータとして、モーフィング処理の前後においてリブ及びフランジなる種別に分類される部品の形状が保持(拘束)されるように設定された状態を示す。この場合は、係るパラメータがユーザによって設定されるのに応じて、ホストコンピュータ2は、対象となる部品種別に属する部品が、モーフィングの実行に際して変形しないように、小さな重み付け係数が自動的に設定する。
【0066】また、図8(a)に示す設定画面では、ユーザによって「部品形状」の操作ボタンが選択された場合には、図9(b)に例示する設定画面が新たに表示される。図9(b)に示す設定画面は、ユーザによって、モーフィング時の重み付け係数を決定するためのパラメータとして、モーフィング処理の前後において稜線、コーナ部分の半径(R)、並びに応力が集中する枝分かれ状の分岐部位の形状が保持(拘束)されるように設定された状態を示す。この場合は、係るパラメータがユーザによって設定されるのに応じて、ホストコンピュータ2は、対象となる部品形状を有する部品が、モーフィングの実行に際して変形しないように、小さな重み付け係数が自動的に設定する。
【0067】尚、上述した図8及び図9に示した設定画面は一例であって、この他にも、例えば、個別の部品またはFEMモデル全体に対して、モーフィング処理の前後において重量や外形線等を一定に保持(拘束)する設定や、モーフィング処理によって発生する部品の大きさに応じて板厚の変化を許容する等の各種の設定が考えられる。
【0068】ステップS12:ユーザの操作に応じて、FEMモデルD/B3に格納されている前記パラメータが関連付けされたモーフィング対象(プロトタイプの既存車両)のFEMモデルを読み出すと共に、CADモデルD/B4に格納されている新型車両のCADモデルとを読み出す。
【0069】ステップS13:ステップS12にて読み出された既存車両のFEMモデル(図12)と、新型車両のCADモデル(図13)とを、ユーザ端末1のディスプレイ上に、同一視点(第1の視点)に合わせて表示する。
【0070】ステップS14:ステップS12にて読み出された新型車両のCADモデルを構成するデータに基づいて、その新型車両の外形形状を構成する外形線を、一般的な手法によって算出し、算出した外形線を、ユーザ端末1のディスプレイ上に表示する。
【0071】ステップS15,ステップS16:算出されたCADモデルの外形線上に、複数の第1CAD基準点を自動または手動にて設定し(ステップS15)、ステップS12にて読み出された既存車両のFEMモデルに、上記第1CAD基準点に個別に対応する第1FEM基準点を、自動または手動にて設定する(ステップS16)。
【0072】ここで、第1CAD基準点と第1FEM基準点とを、図14及び図15に示すように対応する位置に設定する手順のバリエーションについて説明する。
【0073】即ち、ステップS15及びステップS16において、第1CAD基準点と第1FEM基準点とを、対応する位置に自動的に設定する場合には、まず、ステップS14にて算出した新型車両の外形形状を構成する外形線の交点上に、複数の第1CAD基準点を自動的に設定し、設定した個々の第1CAD基準点に対応するところの、既存車両のFEMモデルのメッシュモデル上に、第1FEM基準点を自動的に設定しても良い。外形線の交点は、例えば、一般的な画像処理によって自動的に設定すれば良い。
【0074】また、上記の場合において、CADモデル側の第1CAD基準点に対応するところの、FEMモデル側の第1FEM基準点は、新型車両のCADモデルと、既存車両のFEMモデルとに予め設定されている部品名称や形状情報等を利用して設定すれば良い。より具体的には、第1CAD基準点が、新型車両のフロントドアとリアドアとの間のBピラーと、それらのドアのウインドウ下辺を結ぶラインとの交点上に設定された場合には、既存車両のFEMモデルに予め設定されている部品名称や形状情報等を利用して、その第1CAD基準点に対応するところの、当該既存車両のフロントドアとリアドアとの間のBピラーと、それらのドアのウインドウの下辺を結ぶラインとの交点を検出し、検出した交点上に、第1FEM基準点を自動的に設定すれば良い。この場合、モーフィングの基準となる複数の第1CAD基準点と第1FEM基準点とが自動的に設定されるので、ユーザの利便性が向上する。
【0075】或いは、CADモデルの外形線上にユーザ自身が第1CAD基準点をマニュアル設定した場合に、ステップS15及びステップS16では、新型車両のCADモデルと、既存車両のFEMモデルとに予め設定されている部品名称等を利用して、既存車両のFEMモデルのメッシュ形状において対応する位置を検出することにより、第1FEM基準点を自動的に設定しても良い。
【0076】或いは、反対に、既存車両のFEMモデルのメッシュ形状に対して、ユーザ自身が第1FEM基準点をマニュアル設定した場合に、ステップS15及びステップS16では、新型車両のCADモデルと、既存車両のFEMモデルとに予め設定されている部品名称等を利用して、対応する位置を検出することにより、第1CAD基準点を自動的に設定しても良い。
【0077】図14は、複数の第1FEM基準点が設定された状態の、既存車両のFEMモデルのメッシュ形状を例示する図である。また、図15は、複数の第1CAD基準点が設定された状態の新型車両の外形線を例示する図である。
【0078】図14及び図15に示す如く設定された個々の「基準点」は、後述するモーフィング処理の実行前後で常に対応が保証される点であって、本実施形態に係るモーフィングによる変形精度を保証するための基準位置である。換言すれば、変形前(既存車両)に設定された第1FEM基準点は、その基準点に対応して変形後(新型車両)に設定された第1CAD基準点に必ず移動する、という前提がある。
【0079】次に、ボックスに基づくモーフィング処理(図4)と、フィーチャーラインに基づくモーフィング処理(図5)とについて詳細に説明する。
【0080】<ボックスに基づくモーフィング処理>図4は、本実施形態における新型車両のFEMモデル生成処理のうち、ボックスに基づくモーフィング処理(図2のステップS3)の詳細を示すフローチャートである。
【0081】同図において、ステップS31:ステップS12にて読み出された既存車両のFEMモデルから、複数の第2FEM基準点を抽出すると共に、抽出されたそれら第2FEM基準点と、準備処理(図3)にて設定された複数の第1FEM基準点とに基づいて、当該既存車両の外形形状を表わすところの、複数の六面体(ボックス)によって構成されるB−BOX1を生成する。
【0082】図16は、複数の第1及び第2FEM基準点に基づいて生成されたB−BOX1を示す図であり、同図において○印(白抜きの丸印)はそれぞれ第1FEM基準点を示し、■印(黒の四角形)はそれぞれ第2FEM基準点を示す。
【0083】ここで、個々の第2FEM基準点は、既存車両の外板(即ち、当該既存車両の外形形状)上、或いは、その外板から当該既存車両の外側の領域内において、それら個々の第2FEM基準点と、複数の第1FEM基準点とによって構成されるボックスが当該既存車両を内包するように、自動的に設定される。
【0084】ステップS32:ステップS14にて算出された新型車両の外形形状を構成する外形線から抽出された第2CAD基準点と、準備処理(図3)にて設定された第1CAD基準点とに基づいて、当該新型車両の外形形状を表わすところの、複数の六面体(ボックス)によって構成されるA−BOX1を生成する。
【0085】図17は、複数の第1及び第2CAD基準点に基づいて生成されたA−BOX1を示す図であり、同図において○印(白抜きの丸印)はそれぞれ第1CAD基準点を示し、■印(黒の四角形)はそれぞれ第2CAD基準点を示す。
【0086】ここで、個々の第2CAD基準点は、新型車両の外板(即ち、当該新型車両の外形形状)上、或いは、その外板から当該新型車両の外側の領域内において、それら個々の第2FEM基準点と、複数の第1FEM基準点とによって構成されるボックスが当該新型車両を内包するように、自動的に設定される。
【0087】尚、ステップS32では、第1及び第2FEM基準点を含むB−BOX1を構成する個々のボックスを、準備処理にて設定された第1CAD基準点と、本ステップにて外形線から抽出した第2CAD基準点とに応じて移動することにより、A−BOX1を設定しても良い。
【0088】ステップS33:FEMモデルに表された既存車両全体に対して、図18及び図19に示すように、一様なメッシュ(B−BOX11)を、一般的な方法によって自動的に設定する。
【0089】図18は、図12に示した既存車両のFEMモデルに対して、個々のメッシュサイズが同じB−BOX11が設定された様子を示す図である。また、図19は、設定されたB−BOX11だけを示す図である。
【0090】ステップS34:B−BOX11を、ステップS31にて生成したB−BOX1と、ステップS32にて生成したA−BOX1とに基づいて変形することにより、A−BOX11を算出する。
【0091】図20は、A−BOX11とB−BOX1とを重ねた様子を示す図である。また、図21は、B−BOX1とA−BOX1とに基づいてB−BOX11を変形することによって生成されたA−BOX11を示す図である。
【0092】B−BOX1及びA−BOX1には、図20に示すように、それぞれ対応するボックスが1つ存在するので、ステップS34では、対応する2つボックスの形状の差異に従って、一様なメッシュ(B−BOX11)を構成する複数の節点のうち、B−BOX1のある1つのボックス内に含まれるそれぞれの節点を、そのボックスに対応するA−BOX1のある1つのボックスの形状に従って移動する処理を、全てのボックスに対して行なう。これにより、図21に示すA−BOX11が算出される。
【0093】即ち、B−BOX1及びA−BOX1において、対応する2つボックスの形状の差異は、B−BOX1を構成するある1つのボックスをなす第1及び/または第2FEM基準点の座標値と、それら第1及び/または第2FEM基準点に対応するA−BOX1を構成する何れか1つのボックスをなす第1及び/または第2CAD基準点の座標値との差異によって表される。そして、それぞれ対応関係にあるとことの、第1及び第2FEM基準点から第1及び第2CAD基準点への移動ベクトル(方向と大きさ)は、一義的に求まる。
【0094】そこで、ステップS34では、B−BOX1のある1つのボックス内に含まれる複数の節点を、そのボックスを構成する第1及び第2FEM基準点と、対応する第1及び第2CAD基準点によって規定される移動ベクトルに従って移動する。この処理を全てのボックスに対して行なうことにより、A−BOX11が算出される。算出されたA−BOX11は、既存車両の外形形状から新型車両の外形形状への形状変更の態様を表わすマスターメッシュであり、既存車両と新型車両との外形形状の差異を表わす雛形に相当する。
【0095】ステップS35:まず、複数の第1及び第2FEM基準点の中に、B−BOX11を構成する節点から外れている(ズレている)基準点が存在する場合には、その基準点の近傍の節点を、当該基準点上に位置するように調整する。同様に、複数の第1及び第2CAD基準点の中に、A−BOX11を構成する節点から外れている(ズレている)基準点が存在する場合には、その基準点の近傍の節点が当該基準点上に位置するように、その節点の位置を調整する(尚、ズレ量が大きい場合は、周辺の複数の節点も適宜移動すると良い)。係る節点位置の調整は、高精度なモーフィングを実現するための準備であって、特に、第1FEM基準点及び/または第1CAD基準点をユーザが手動で設定する場合に行なって好適である。
【0096】そして、ステップS35では、既存車両(プロトタイプ)のFEMモデルに関連付けされているパラメータに従って決定される重み付け係数、並びに節点位置が調整されたA−BOX11及びB−BOX11に基づいて、そのFEMモデルのメッシュ形状を変形することにより、新型車両に関するFEMモデルのメッシュ形状を算出すると共に、算出されたメッシュ形状(即ち、新型車両のFEMモデルに含まれるべき第2のメッシュ形状)への各節点(即ち、既存車両のFEMモデルに含まれる第1のメッシュ形状を構成する複数の節点)の移動に応じて、既存車両に関するFEMモデルに関連付けされている各種の属性情報、境界条件、拘束条件等の付属情報を、その第2のメッシュ形状を構成する複数の節点に対して再定義(マージ)することにより、新型車両のFEMモデル(図23)のデータセットを算出する。算出された新型車両のFEMモデルは、上述したように、ステップS5においてユーザ端末1のディスプレイに表示される。
【0097】図22は、節点位置が調整されたA−BOX11とB−BOX11とを重ねた様子を示す図であり、基本的には、これら2つのメッシュ形状の対応関係に従って、既存車両に関するFEMモデルのメッシュ形状から、新型車両に関するFEMモデルのメッシュ形状が生成されるが、個々の節点の座標位置の移動に際して、その移動量は、上記の重み付け係数に従って規制される。
【0098】ここで、ステップS35では、FEMモデルのメッシュ形状の変形に先立って、図10に例示するような設定画面が、ユーザ端末1のディスプレイに表示される。
【0099】図10は、Aピラーのモーフィング設定をユーザが行なうための設定画面である。この設定画面は、本実施形態に係るモーフィングが実行される直前の状態(ステップ)であることが検出された場合には、自動的に表示される。また、好適な実施形態において、この設定画面は、ユーザが設定を希望する場合に、例えば、既存車両のFEMモデルのAピラーの部分を、ユーザがマウス等によって選択する操作等の所定の操作によっても表示される。
【0100】上述した準備処理(図3)のステップS13では、複数の第1CAD基準点及びそれに対応する第1FEM基準点が自動または手動にて設定されるのに先立って、ユーザが視覚によって認識し易いように、既存車両のFEMモデル(図12)と、新型車両のCADモデル(図13)とを、ユーザ端末1のディスプレイ上に、第1の視点としての同一視点に合わせて表示した。これに対して、図10に示す設定画面は、その第1の視点とは異なる第2の視点において、FEMモデルのメッシュ形状の変形の変更に際して参照される新たな制約条件をユーザが設定するための画面である。この第2の視点は、第1の視点において長手方向に延びる部材(本実施形態では、一例としてAピラー)の断面形状を、ユーザが認識することが容易な視点である。
【0101】より具体的には、ユーザがマウス等のポインティングデバイスを利用して、ソフトウエアボタン101を左右に移動すると、その移動に応じて、Aピラー(Aピラー上部のルーフとの接続部分と、下部のボンネットとの接続部分とを除く)の変形前の断面形状が領域102に表示され、変形後の断面形状が領域103に表示される。ユーザが所望の位置までソフトウエアボタン101を移動させ、その状態においてユーザが「断面形状保持」の操作ボタンの選択を行なった場合、モーフィング処理後のAピラーの断面形状は、そのAピラーの傾きが新型車両のCADモデルに従って変化した場合であっても、係る選択操作を行なったときに領域103に表示されていた形状に保持される。
【0102】また、ユーザが「断面変形不可」の操作ボタンの選択を行なった場合、モーフィング処理の前後において、Aピラーの断面形状の変形は禁止されることにより、そのAピラーの傾きが新型車両のCADモデルに従って変化した場合であっても、既存車両のFEMモデル(当該FEMモデルのメッシュモデル)に含まれていたAピラーの断面形状が、新型車両のFEMモデル(当該FEMモデルのメッシュモデル)に含まれるAピラーの断面形状として保持(拘束)される。
【0103】そして、ユーザが「マニュアル設定」の操作ボタンの選択を行なった場合には、Aピラーの断面形状に関して、不図示の設定画面を利用して、更に詳細な設定を行なうことができる。
【0104】このように、図10に例示する設定画面を利用して、第2の視点において設定されたパラメータは、第1の視点において設定された複数の第1CAD基準点及びそれに対応する第1FEM基準点の適用範囲より狭い範囲に対して反映される制約条件であるが、係る第2の視点にて設定されたパラメータは、モーフィング処理において、それら複数の基準点より優先して反映されて好適である。これにより、新型車両の一部分ではあっても、ボディ構造上重要な部位に対して、非現実的な変形形状が算出されることを未然に且つ容易に防止することができる。上述したボックスに基づくモーフィング処理では、既存車両に対して設定された複数のボックス(第1六面体)からなるB−BOX1と、新型車両に対して設定された複数のボックス(第2六面体)からなるA−BOX1とにより、対応するそれらボックス毎に、形状の違いが正確に反映されたモーフィングが行われるため、既存車両との形状の違いが忠実に反映された新型車両のFEMモデルを取得することができる。
【0105】<フィーチャーラインに基づくモーフィング処理>図5は、本実施形態における新型車両のFEMモデル生成処理のうち、フィーチャーラインに基づくモーフィング処理(図2のステップS4)の詳細を示すフローチャートである。
【0106】同図において、ステップS41:準備処理(図3)にて算出されたCADモデルの外形線上に複数の第3CAD基準点を設定し、それら第3CAD基準点と、準備処理にて設定された第1CAD基準点とに基づいて、新型車両のフィーチャーライン(A−BAR1)を設定する。
【0107】ここで、個々の第3CAD基準点は、ユーザによるマニュアル指定、或いは、複数の第1CAD基準点を結ぶことによって得られる新型車両の外形線を適宜自動的に分割することによって設定すれば良い。このとき、より高精度な演算を行なう場合には、抽出される第3CAD基準点の数を多くすれば良い。
【0108】ステップS42:準備処理(図3)にて設定された第1FEM基準点と、既存車両のFEMモデルから抽出された第3FEM基準点とに基づいて、その既存車両のフィーチャーライン(B−BAR1)を設定する。
【0109】ここで、個々の第3FEM基準点は、ユーザによるマニュアル指定、或いは、複数の複数の第1FEM基準点を結ぶことによって得られる既存車両の外形線を適宜自動的に分割することによって設定すれば良い。
【0110】図24は、第1及び第3CAD基準点が設定された新型車両のフィーチャーライン(A−BAR1)と、第1及び第3FEM基準点が設定された既存車両のフィーチャーライン(B−BAR1)とが、共通の3次元座標空間において重ねられた状態を示す図である。
【0111】ステップS43:上述した図4のステップS33における一様なメッシュ(B−BOX11:図18及び図19)と同様に、FEMモデルに表された既存車両全体に対して、一様なメッシュ(B−BAR11:不図示)を、一般的な方法によって自動的に設定する。
【0112】ステップS44:2種類のフィーチャーラインA−BAR1とB−BAR1との形状の差異に従って、一様なメッシュ(B−BAR11)を変形することにより、A−BAR11(不図示)を算出する。
【0113】即ち、フィーチャーラインA−BAR1及びB−BAR1には、対応関係のある第1CAD基準点と第1FEM基準点、並びに対応関係のある第3CAD基準点と第3FEM基準点が存在するので、上述したボックスに基づくモーフィング処理の場合と同様に、それぞれ対応関係にあるとことの、第1及び第3FEM基準点から第1及び第3CAD基準点への移動ベクトル(方向と大きさ)は一義的に求まる。
【0114】そこで、ステップS44では、まず、一様なメッシュ(B−BAR11)を構成する複数の節点のうち、第1及び第3FEM基準点に対応する節点を、第1及び第3CAD基準点まで移動する。そして、それら第1及び第3FEM基準点近傍の他の節点(以下、近傍節点)を移動するに際しては、それら第1及び第3FEM基準点についての節点からの移動量(移動距離)を利用する。
【0115】即ち、近傍節点の周辺近傍に位置するところの、移動済み(算出済み)の第1及び第3FEM基準点の移動量を加重平均することにより、当該近傍節点の移動量を算出し、算出した移動量に従って、その近傍節点を移動する。これら2つの手順を経ることにより、A−BAR11は算出することができる。ここで、本ステップにて算出されるA−BAR11は、上述した図4のステップS34で算出したA−BOX11に類似したメッシュ形状である。
【0116】ステップS45:図4のステップS35の場合と同様に、まず、複数の第1及び第3FEM基準点の中に、B−BAR11を構成する節点から外れている(ズレている)基準点が存在する場合には、その基準点の近傍の節点を、当該基準点上に位置するように調整する。同様に、複数の第1及び第3CAD基準点の中に、A−BAR11を構成する節点から外れている(ズレている)基準点が存在する場合には、その基準点の近傍の節点が当該基準点上に位置するように、その節点の位置を調整する(尚、ズレ量が大きい場合は、周辺の複数の節点も適宜移動すると良い)。係る節点位置の調整は、高精度なモーフィングを実現するための準備であって、特に、第1FEM基準点及び/または第1CAD基準点をユーザが手動で設定する場合に行なって好適である。
【0117】そして、ステップS45では、既存車両(プロトタイプ)のFEMモデルに関連付けされているパラメータに従って決定される重み付け係数、並びに節点位置が調整されたA−BAR11及びB−BAR11に基づいて、図4のステップS35の場合と同様に、そのFEMモデルのメッシュ形状を変形することにより、新型車両に関するFEMモデルのメッシュ形状を算出すると共に、算出されたメッシュ形状(即ち、新型車両のFEMモデルに含まれるべき第2のメッシュ形状)への各節点(即ち、既存車両のFEMモデルに含まれる第1のメッシュ形状を構成する複数の節点)の移動に応じて、既存車両に関するFEMモデルに関連付けされている各種の属性情報、境界条件、拘束条件等の付属情報を、その第2のメッシュ形状を構成する複数の節点に対して再定義(マージ)することにより、新型車両のFEMモデル(図23)のデータセットを算出する。算出された新型車両のFEMモデルは、上述したように、ステップS5においてユーザ端末1のディスプレイに表示される。
【0118】尚、ステップS45では、FEMモデルのメッシュ形状の変形に先立って、ボックスに基づくモーフィング処理(図4)にて説明した図10に例示するような設定画面が表示され、その設定画面を利用して、ユーザは、Aピラーについてのモーフィング設定を、第2の視点において設定可能である。
【0119】上述したフィーチャーラインに基づくモーフィング処理では、既存車両に対して設定されたフィーチャーライン(B−BAR1:第1フィーチャーライン)と、新型車両に対して設定されたフィーチャーライン(A−BAR1:第2フィーチャーライン)とにより、車両全体のデザインを特徴付ける形状を崩すことなく、それらフィーチャーラインによって表される2種類の車両の形状の違いが正確に反映されたモーフィングが行われるため、既存車両との形状の違いが忠実に反映された当該新型車両のFEMモデルを取得することができる。
【0120】<結果報知・調整処理>次に、結果報知・調整処理について詳細に説明する。
【0121】図6は、本実施形態における新型車両のFEMモデル生成処理のうち、結果報知・調整処理(図2のステップS7)の詳細を示すフローチャートである。
【0122】同図において、ステップS71:ステップS6(図2)における処理結果の選択状態に応じて、ボックス及び/またはフィーチャーラインに基づくモーフィング処理にて算出した新型車両のFEMモデルを選択・合成する。
【0123】本ステップにおいて、ボックス及びフィーチャーラインに基づくモーフィング処理にてそれぞれ算出された新型車両のFEMモデルを1つに合成する場合には、例えば、ルーフやボンネット等の面積の広い部位にはボックスを利用したモーフィング結果を利用し、新型車両の外形線近傍においてはフィーチャーラインを利用したモーフィング結果を利用して行なうと良い。この場合、合成された1つのFEMモデルにおいて2種類のモーフィング結果が隣接することになる領域では、例えば、その隣接する境界を中心とする所定幅のバンド領域において、一方のモーフィング結果の領域から他方のモーフィング結果の領域に近づくに従って相関度が次第に少なくなるようなデータ選択処理を、係るバンド領域において、当該2種類のモーフィング結果に対してそれぞれ施せば良い。この場合、後工程で行われる解析処理に利用してより好適な新型車両のFEMモデルを入手することができる。
【0124】ステップS72:選択・合成された新型車両に関するFEMモデルのメッシュ形状を構成するところの、3次元(例えば四面体、六面体)の複数の立体要素(ソリッドメッシュ)のメッシュ品質(メッシュの歪み等)が所定レベルより悪化しているかを、一般的な手法によって判断し、当該メッシュ品質が良好な場合にはステップS73に進み、当該メッシュ品質が不良の場合にはステップS77に進む。
【0125】ステップS73,ステップS74:新型車両に関するFEMモデルのデータセットの性能/特性/過去テストの再現性が所定レベルより悪化しているかを判断し(ステップS73)、当該FEMモデルが不良の場合にはステップS75に進み、当該FEMモデルが良好な場合には、その旨をユーザ端末1のディスプレイに表示すると共に、当該新型車両に関するFEMモデルのデータセットを、FEMモデルD/B3に格納し(ステップS74)、処理を終了する。
【0126】ステップS75,ステップS76:ステップS73にてFEMモデルが不良と判断されたので、その旨をユーザに報知し(ステップS75)、選択・合成された新型車両に関するFEMモデルに関連付けされているパラメータ(重み付け係数)、各種の属性情報及び拘束条件等の付属情報を、自動または手動で適宜変更することにより、そのFEMモデルを調整し(ステップS76)、ステップS72に戻る。好適な実施形態において、ステップS76において自動的に付属情報等を調整した場合には、どのような値に変更したかをユーザが認識可能に報知すると良い。
【0127】ここで、ステップS73におけるFEMモデルの品質の判断方法と、その判断結果が良好でない場合に、ステップS76にて行われるFEMモデルの調整方法としては、例えば、以下の手順が考えられる。
【0128】即ち、上述したモーフィング処理によって生成された新型車両に関するFEMモデルにおいて、その新型車両を構成する部品の特性として、例えば剛性の良否を判断する場合には、部品単位でその剛性をシュミレーションし、そのシュミレーション結果が表わす当該新型車両の個々の部品の剛性が、既存車両に関するFEMモデルにおける同一部品についての剛性のシュミレーション結果と比較して、所定レベルを超えて悪化しているか否かに基づいて判断すれば良い。
【0129】そして、その判断結果が良好でない場合には、対象となる部品(必要に応じて、その周辺の他の部品)の部位に上記の如くモーフィングを施す際に利用された重み付け係数を小さな値に変更する、或いは板厚を大きな値に変更すれば良い。
【0130】また、新型車両の特性として、例えば重量の良否を判断する場合には、部品単位の重量を、部品単位でシュミレーションし、そのシュミレーション結果が表わす当該新型車両の個々の部品の重量が、既存車両に関するFEMモデルにおける同一部品についての重量のシュミレーション結果と比較して、所定レベルを超えて増加しているか否かに基づいて判断すれば良い。
【0131】そして、その判断結果が良好でない場合には、対象となる部品(必要に応じて、その周辺の他の部品)の部位に上記の如くモーフィングを施す際に利用された重み付け係数を小さな値に変更する、或いは板厚を小さな値に変更すれば良い。
【0132】上述した2つの具体例における対応方法において、重み付け係数を調整する方法は、既存車両のFEMモデルは品質が良好であって、本実施形態に係るモーフィング処理によって生成した新型車両のFEMモデルの品質が良くない場合には、再演算に際して参照する重み付け係数を適宜小さな値に自動的に変更すれば、モーフィング時の節点の移動は規制されるので、調整後の重み付け係数を利用して算出される新型車両のFEMモデルは、品質の良好な既存車両のFEMモデルに近づく、という前提条件に基づいている。
【0133】図11は、モーフィング結果をユーザに報知する表示画面を例示する図であり、算出されたモーフィング結果が品質不良であるため、ユーザに対して、自動または手動による調整が必要なことが報知されている。
【0134】図11(a)に示す表示画面では、ユーザによって「OK」の操作ボタンが選択された場合には、ステップS76の処理の実行が開始され、「キャンセル」の操作ボタンが選択された場合には、例えば、結果報知・調整処理が終了し、上述したステップS1またはステップS2に戻ると良い。
【0135】また、図11(b)に示す表示画面では、モーフィング結果である新型車両に関するFEMモデルに対して、そのメッシュ形状や付属情報等を、ユーザ自身が一部または一括してマニュアルで修正可能である。この表示画面において、ユーザによって「表示」の操作ボタンが選択された場合には、品質の良くない部分が強調して表示され、その表示画面(不図示)において、ユーザは、所望の形状または値に変更することができ、例えば、ユーザによって「OK」の操作ボタンが選択された場合にはステップS72に戻り、「キャンセル」の操作ボタンが選択された場合には、結果報知・調整処理が終了し、上述したステップS1またはステップS2に戻ると良い。
【0136】ここで、既存車両に関する各種の性能評価テストの結果の中には、コンピュータを利用したシュミレーションではなく、例えば、各種データの計測環境が整えられた車両メーカの実験室内で行われる衝突テスト等のように、現実に行われたテストの結果が既に存在する場合があり、この場合、その既存車両に基づく新型車両(特に、派生車両の場合)を開発するに際しては、係る現実に行われるべきテストと同一種類のテストを、新規に行なう必要が無い場合もある。
【0137】これに対して、既存車両に基づいて新型車両の開発を行なう場合ではあっても、現実に行われるべき各種の評価テストの中には、異なるテスト結果となることが明らかな場合もあり、その場合には、対象となる性能評価項目について、実際の試験を、新たに確実に行なうことが必要である。
【0138】そこで、本実施形態では、上記何れのケースに当たるのかを自動的に判断し、ユーザに対して報知すべく、既存車両に対して過去実際に行われた性能評価テストの対象部位に関して、その既存車両に関するFEMモデルのメッシュ形状と、本実施形態に係る処理によって新たに生成された新型車両に関するFEMモデルのメッシュ形状とが、係る対象部位に関して一致しているか、或いは類似しているかが判断される。そして、判断結果に従って、新型車両の性能として、例えば衝突テスト、側面衝突等の実際に行われるべき複数種類の性能評価テストの要否が自動的に判断され(即ち、対象部位が類似していない場合には新たなテスト要)、例えば、上記の如くモーフィング結果をユーザに報知する際に、併せて報知されるように構成すると良い。
【0139】ステップS77,ステップS78:ステップS72にて新型車両に関するFEMモデルのメッシュ形状の品質が不良であると判断されたので、その旨をユーザに報知し(ステップS77)、そのメッシュ形状を、自動または手動でパラメータ(重み付け係数)を変更することによって適宜変更し(ステップS78)、ステップS72に戻る。
【0140】ステップS77におけるユーザへの報知は、報知の対象が新型車両に関するFEMモデルのメッシュ形状に限定されるが、上述した図11に例示するような表示画面をユーザ端末1のディスプレイに表示すれば良い。
【0141】このように、上述した本実施形態によれば、先に用意した既存車両のFEMモデルと、新型車両のCADモデルとは互いに異なるのデータ形式であるが、上記の如く算出された成果物としての新型車両のFEMモデルは、既存車両のFEMモデルと同種のデータ形式であり、強度解析、熱解析、機構解析、振動解析等の各種解析処理のゾルバにそのまま設定・利用することができる高品質なデータセットである。
【0142】即ち、ユーザ端末1のユーザは、既存車両(プロトタイプ構造体)のFEMモデルと、新型車両(解析対象構造体)について少なくとも外形形状情報とを用意できれば、その新型車両に対する有限要素法に基づく解析処理に先立って従来は必要であった各種条件等の設定操作を行なうことなく、境界条件、拘束条件、並びに材料を表わす属性情報等の付属情報が関連付けされた当該新型車両のFEMモデルを、迅速且つ容易に入手することができる。これにより、既に存在していた既存車両のFEMモデルの有効活用と、新型車両の解析業務全体の迅速化とを実現することができる。
【0143】また、本実施形態では、ユーザが図7乃至図9に例示するような設定画面を利用して設定したパラメータに従って、モーフィングの実行に際して参照される重み付け係数が決定されるので、ユーザの希望に応じた現実的な新型車両のFEMモデルを入手することができ、既存車両のFEMモデル品質と比較した新型車両のFEMモデルの品質低下を極小化できる。係る効果は、新型車両が、既存車両に類似した所謂派生車両の場合に特に顕著となる。
【0144】また、本実施形態では、算出された新型車両のFEMモデル及びそのメッシュ形状の品質が良くない場合には、その旨がユーザに対して報知され、そのFEMモデル及びメッシュ形状は、必要に応じて手動または自動にて調整可能である。これにより、係る低品質のFEMモデルを利用した当該新型車両の解析が後工程においてユーザによって行われることを未然に防止することができる。
【0145】また、本実施形態では、算出された新型車両のFEMモデルの品質(例えばメッシュモデルの歪み具合、部品性能や特性等)が所定レベルより悪化した場合には、解析処理に利用可能な高品質な当該新型車両のFEMモデルが取得できるまで自動的に再演算を行なうことも可能であるので、ユーザの利便性が図られ、係る低品質のFEMモデルを利用した当該新型車両の解析が後工程においてユーザによって行われることを未然に防止することができる。
【0146】尚、上述した実施形態では、説明の便宜上、新型車両のFEMモデル生成処理について、複数の図面を参照して説明したが、係る全ての図面に対応する表示画面を、ユーザ端末1のディスプレイに表示する必要は無い。




 

 


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