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発明の名称 新型車両の企画、設計及び検証を支援するプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−108606(P2003−108606A)
公開日 平成15年4月11日(2003.4.11)
出願番号 特願2001−297001(P2001−297001)
出願日 平成13年9月27日(2001.9.27)
代理人 【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳 (外3名)
【テーマコード(参考)】
3D114
5B046
【Fターム(参考)】
3D114 AA03 BA40 CA20 
5B046 AA04 JA04
発明者 米田 不仁男 / 滝口 哲郎 / 田神 章一
要約 課題
試作車を用いた実車試験の重複実施を防止して試作車の効率的な利用を図る。

解決手段
企画が承認されて試作車が完成した段階において、実験研究部門には仮想試験結果や過去の実車試験結果などに基づいて試作車を用いた実車試験項目が提示される。
特許請求の範囲
【請求項1】 新型車両の企画、設計及び検証を支援するプログラムであって、コンピュータを、設計部門において作成された設計データに基づいて仮想試験を実行する仮想シミュレーション手段と、前記仮想試験結果と過去の実績データに基づいて、実験部門に対して実車試験項目を提示する提示手段として機能させるためのプログラム。
【請求項2】 前記提示手段は、前記実車試験項目に加えて、所定条件に応じて前記実車試験の実行手順を提示する請求項1のプログラム。
【請求項3】 前記提示手段は、前記所定条件のうち重要度が高い項目を優先して提示する請求項2のプログラム。
【請求項4】 前記提示手段は、前記所定条件として試作車両が減少する条件を優先する請求項3のプログラム。
【請求項5】 前記提示手段は、前記所定条件として仮想試験結果や過去の実績データの信頼性に影響を与える条件を優先する請求項3のプログラム。
【請求項6】 前記提示手段は、前記仮想試験や他の試験では補完できない他の試験項目を提示する請求項1乃至5のいずれか1項のプログラム。
【請求項7】 前記提示手段は、前記実車試験結果を受けて前記設計部門において実行される設計変更が試験結果に与える影響を提示する請求項1のプログラム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新型車両の企画、設計及び検証を支援するプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、量産工業製品を製造する製造業においては、新製品を量産・販売するに際して、一般に、予め調査された市場動向等に基づいて新製品の仕様を企画する企画部門(企画工程)、企画された新製品の設計を行なう設計部門(設計工程)、設計された新製品を実際に量産すべく組み立てラインの設計・編成等を行なう生産技術部門(量産化工程)、設計・編成された組み立てラインにおいて実際に新製品を量産する生産部門(生産工程)等の複数の部門において、複数の作業者が協業して時系列に業務が進められてきた。
【0003】このような量産工業製品の分野のうち、自動車の分野においては、作業者の作業環境の改善と効率的な生産とを両立すべく、まず、生産部門では、生産設備への工業用ロボットや各種の組み立て支援装置等の導入が早くから進められ、現在に至っている。
【0004】更に、近年のコンピュータ技術の発達に伴う演算処理能力の飛躍的な進歩に応じて、生産技術部門の前工程を担う設計部門においては、CAD(Computer aided Design)/CAE(Computer aided Engineering)/CAM(Computer aided Manufacturing)ソフトウエアを利用した設計支援システムを活用することにより、車両設計、構造解析、性能評価、生産設備の仮想シュミレーション等をコンピュータ上で仮想的に行ない、従来は実際に(物理的に存在する)モックアップや試作車両を複数回作成して行なっていた各種の業務の効率化が図られるようになった。
【0005】そして、係る設計支援システムを活用した設計部門の業務の効率化に伴って、生産技術部門の担当者も、新型車両の設計の思案段階から製品の設計に関与することが容易となったことにより、後工程である量産化工程において、生産技術部門の担当者は、設計支援システムを利用して推考された確度の高い設計情報(3次元CAD情報等)を利用して、効率的な生産設備の編成・構築を行なえるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、自動車の分野においては、上述したように設計部門(設計工程)と生産技術部門(量産化工程)とによる所謂コンカレント・エンジニアリングが比較的高いレベルで実現されており、効率的な業務が遂行されている。
【0007】このような現在の状況に対して、前工程を担う企画部門(企画工程)にて立案される新型車両の企画書(仕様書)は、一般に、その新型車両が目標とする各種の性能や諸元、コスト、並びにベンチマーク車両(比較対象車両)との性能比較等の膨大な項目が大量の書面に記載されたものである。このため、企画部門の担当者は、想定した新型車両の商品コンセプトを企画書に表現すべく、多くの時間を費やす必要がある。
【0008】また、自動車を開発・販売する企業の経営陣(所謂、部課長職を含む)は、従来、企画部門より提案された新型車両の企画書に基づいて、その新型車両の開発・販売を事業として実際に行なうか否かを判断しているが、係る大量の書面から新型車両の企画の本質を読み取ることは、ベテランの管理者にとっても容易なことではない。
【0009】また、設計部門は、一般に、企画部門において新型車両の企画書(仕様書)が上記の如く経営陣によって正式に承認されるまでは、原則として、その新型車両の量産設計に関与することが正式にはできない場合が多い。このため、設計部門は、承認がなされた新型車両の企画書を企画部門から受け取った段階から、その企画書を「 絶対的な業務指示書(マスター) 」として位置付け、具体的な設計を開始することになる。
【0010】しかしながら、設計部門が企画部門から受け取る企画書には、新型車両の市場における商品性を高めるべく、予想されるコストと目標性能とのアンバランス、車両レイアウトの成立性、或いは目標性能とは矛盾する仕様が含まれる場合がある。
【0011】或いは、設計部門における各部位の設計は辛うじて完了した場合であっても、試作部門も関与した試作車の製作段階において、例えば、思わぬところに干渉が発見される等の事情により、企画部門と設計部門とは、干渉箇所周辺のレイアウトについて現実的且つ大がかりな見直しを迫られる場合もあり、最終的な試作車が製作できるようになるまでにはかなりの時間を費やしてしまうという問題がある。
【0012】そして、これらの場合には、新型車両を市場に出すタイミングが遅れるだけでなく、新型車両の商品性が企画部門が本来目標としていたコンセプト(即ち、新型車両全体としての商品性)から外れてしまう、という切実な問題に至る。
【0013】ここで、上述した問題を招かないためには、企画部門と設計部門とによるコンカレント・エンジニアリングが可能な環境を整備することにより、既に行われている設計部門と生産技術部門とによるコンカレント・エンジニアリングと共に、新型車両の開発に携わる全部門間における総合的なコンカレント・エンジニアリング環境を実現することが考えられるが、コストパフォーマンスに優れた現実的な車両設計を行なわなければならない設計部門が、新型車両の商品性の構築を委ねられている企画部門の業務に関与することは、自動車という商品の性格上必ずしも好ましいことではない。
【0014】従って、上述した現在の状況を鑑みると、企画部門(企画工程)では、新型車両の企画に際して、商品性の高さは言うまでもなく、後工程の各部門が実現可能で、且つ完成度の高い企画書(企画情報)を、できるだけ短期間でまとめることが切望される。
【0015】また、企画部門の各担当者が後工程の各部門における十分な実務知識を有していれば、実現が困難な仕様、矛盾する仕様等が含まれる企画書が立案されることは回避されるが、企画部門の各担当者が全ての部門における実務知識を駆使できるべきであると考えるのは現実的ではない。但し、車両メーカには、既存車両の設計・量産に際して生成された膨大な情報が既に存在しており、それらの情報には、各部門の車両作りのためのノウハウが含まれるので、新型車両の企画や設計等にも有効に活用されるべきである。
【0016】そして、企画の完成度を高めることによって試作車の低減にも貢献し、更には、試作車を用いた実車試験の重複実施を防止して試作車の効率的な利用を図り、結果として新型車両の開発期間の大幅な短縮、試作車の削減(解消)、開発コスト低減などを実現できることが望まれている。
【0017】本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、試作車を用いた実車試験の重複実施を防止して試作車の効率的な利用を図り、結果として新型車両の開発期間の大幅な短縮、試作車の削減(解消)、開発コスト低減などを実現できる新型車両の企画、設計及び検証を支援するプログラムを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明の新型車両の企画、設計及び検証を支援するプログラムは、コンピュータを、設計部門において作成された設計データに基づいて仮想試験を実行する仮想シミュレーション手段と、前記仮想試験結果と過去の実績データに基づいて、実験部門に対して実車試験項目を提示する提示手段として機能させる。
【0019】また、好ましくは、前記提示手段は、前記実車試験項目に加えて、所定条件に応じて前記実車試験の実行手順を提示する。
【0020】また、好ましくは、前記提示手段は、前記所定条件のうち重要度が高い項目を優先して提示する。
【0021】また、好ましくは、前記提示手段は、前記所定条件として試作車両が減少する条件を優先する。
【0022】また、好ましくは、前記提示手段は、前記所定条件として仮想試験結果や過去の実績データの信頼性に影響を与える条件を優先する。
【0023】また、好ましくは、前記提示手段は、前記仮想試験や他の試験では補完できない他の試験項目を提示する。
【0024】また、好ましくは、前記提示手段は、前記実車試験結果を受けて前記設計部門において実行される設計変更が試験結果に与える影響を提示する。
【0025】
【発明の効果】以上説明のように、請求項1の発明によれば、新型車両の企画、設計及び検証を支援するプログラムが、コンピュータを、設計部門において作成された設計データに基づいて仮想試験を実行する仮想シミュレーション手段と、前記仮想試験結果と過去の実績データに基づいて、実験部門に対して実車試験項目を提示する提示手段として機能させることにより、試作車を用いた実車試験の重複実施を防止して試作車の効率的な利用を図り、結果として新型車両の開発期間の大幅な短縮、試作車の削減(解消)、開発コスト低減などを実現できる。
【0026】請求項2の発明によれば、前記提示手段は、前記実車試験項目に加えて、所定条件に応じて前記実車試験の実行手順を提示することにより、試作車を用いた実車試験の重複実施を防止して試作車の効率的な利用を図ることができる。
【0027】請求項3の発明によれば、前記提示手段は、前記所定条件のうち重要度が高い項目を優先して提示することにより、試作車を用いた実車試験の精度を高めることができる。
【0028】請求項4の発明によれば、前記提示手段は、前記所定条件として試作車両が減少する条件を優先することにより、試作車を削減し開発コストの低減を図ることができる。
【0029】請求項5の発明によれば、前記提示手段は、前記所定条件として仮想試験結果や過去の実績データの信頼性に影響を与える条件を優先することにより、新型車両の重要度に応じた実車試験を実施できる。
【0030】請求項6の発明によれば、前記提示手段は、前記仮想試験や他の試験では補完できない試験項目を提示することにより、試作車を効率的に利用することができる。
【0031】請求項7の発明によれば、前記提示手段は、前記実車試験結果を受けて前記設計部門において実行される設計変更が試験結果に与える影響を提示することにより、他部門との連携をとりつつ、新型車両の開発を効率よく進めることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0033】尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0034】はじめに、本発明を適用可能なコンピュータ・ネットワークの全体構成について説明する。
[ システム構成 ]図1は、本実施形態における新型車両の企画、設計及び検証を支援するシステムを適用可能なコンピュータ・ネットワークの構成を例示する図である。
【0035】同図において、車両メーカは、一例として、企画部門、デザイン部門、設計・解析部門、生産技術部門、並びに実験研究部門に大別される(尚、実際に車両を組み立てる生産部門は、本実施形態において特徴的なものではないので省略している)。
【0036】ここで、本実施形態における各部門の主な業務について概説する。
・企画部門:企画部門の担当者は、予め調査された市場動向等に基づいて新型車両の詳細仕様を企画し、企画の妥当性(実現性)を検討した後、企画案を車両メーカの経営陣に提案する。
・デザイン部門:デザイン部門の担当者は、企画部門によって企画された新型車両のコンセプト、性能、レイアウトが略決定された時点で、そのコンセプトの相応しい当該新型車両の形状デザインを行なう。
・設計部門:設計部門の担当者は、経営陣によって承認された新型車両の企画書(本実施形態ではデジタル化された企画情報)に基づいて、CAD/CAE/CAM等の作業支援ソフトウエア・プログラムを利用して、新型車両の具体的な設計(量産設計)を行なう。
・解析部門:解析部門の担当者は、設計部門にて設計された新型車両の設計情報を、各種のシュミレーション・ソフトウエア・プログラムを利用して仮想的に解析することにより、対象となる新型車両の性能や構造等についての検証を行なう。
・試作部門:試作部門の担当者は、設計部門において設計された設計情報に従って、試作車両を製作する。
・実験研究部門:実験部門の担当者は、試作部門によって製作された試作車に関する各種の実験を、実験装置4等を利用して行なう。
・生産技術部門:設計部門によって設計された新型車両を実際に量産できるように、組み立てラインの編成や生産設備の設計・構築等を行なう。
【0037】尚、サプライヤは、各種部品やモジュール(ユニット)を車両メーカに納入する。
【0038】上述した各部門には、パーソナル・コンピュータ等のユーザ端末2が配備されている。個々のユーザ端末2は、通信ネットワーク5によって情報の送受信が可能に接続されており、通信ネットワーク5には、更に、外部のサプライヤ(部品等の納入業者)に配備されているユーザ端末2が接続されている。
【0039】また、データベース3には、既存車両に関する各種の情報が格納されており、通信ネットワーク5を介して、各部門のユーザ端末2がアクセス可能である(詳細は後述する)。
【0040】そして、サーバ・コンピュータ1は、例えば企画部門の管理下に置かれており、当該企画部門のユーザ端末2による操作に応じて、データベース3に記憶されている各種情報を参照しならが、オペレータ(企画部門の担当者)による新型車両の企画立案を支援する(詳細は後述する)。
【0041】尚、図1に例示したシステム構成を実現する個々の装置の構成及びその通信手順自体は、現在では一般的であるため、本実施形態における詳細な説明は省略する。
[ 業務フロー ]次に、上述したシステム構成を利用して、本実施形態において実現する特徴的な業務の流れについて説明する。
【0042】図2は、本実施形態における新型車両の企画業務から生産技術業務に至る業務フローを概念的に示す図であり、本実施形態において、新型車両の企画が開始されてから、試作車両の製作及び車両評価試験を経て、量産が開始されるまでの各部門による業務は、同図に示すように、大別して、「第1ステップ」と「第2ステップ」とからなる。
【0043】<第1ステップ>まず、第1ステップにおいて、企画部門の担当者は、予め調査された市場動向等に基づいて構築した新型車両の商品コンセプトに従って、サーバ・コンピュータ1による企画立案支援処理を利用することにより、データベース3に格納されている複数種類の既存車両に関する情報を参照しながら、企画対象の新型車両の詳細仕様を企画し、企画の妥当性(実現性)を検証する。妥当性の検証業務は、サーバ・コンピュータ1による検証結果において実現可能であると判断されるまで、設定事項を調整しながら、企画部門において、再帰的に、繰り返し行なわれる(詳細は後述する)。
【0044】デザイン部門の担当者は、企画部門によって企画された新型車両のコンセプト、性能、レイアウトが概ねまとまった時点で、ユーザ端末2を利用して、そのコンセプトの相応しい当該新型車両の3次元形状デザインを開始する。
【0045】企画部門による検証によって実現性が確認された新型車両の企画情報(デジタル情報のデータファイル群)は、車両メーカの経営陣に提案される。
【0046】車両メーカの経営陣(所謂、部課長職を含む)は、企画部門から提案された新型車両の企画情報を参照すると共に、必要に応じて、データベース3に格納されている各種情報を参照しながら、当該新型車両の生産・販売を実際に行なうか否かを、商品性、スケジュール、予算、設備等の観点から総合的に判断する。判断に際しては、必要に応じて、企画部門に対する改善要求がなされ、その場合、企画部門では、その改善要求に基づく企画情報の改訂が行われ、改訂された企画情報が改めて経営陣に提案される。
【0047】このような承認業務を経て承認決定がなされた新型車両の企画情報は、「 絶対的な業務指示書(マスター) 」として位置付けられ、企画部門の後工程を担う設計部門、解析部門等の各部門に正式に配布される。
【0048】設計部門の担当者は、設計指示として受け取った企画情報に基づいて、CAD/CAE/CAM等の作業支援ソフトウエア・プログラムを利用して、新型車両の具体的な設計(量産設計)を開始する。企画情報には、データベースに既に格納されている既存車両に関する情報が含まれる、或いは関連付けされているので、設計部門では、最小限の工数で、新型車両の3次元形状を表わすソリッドモデル等の詳細設計を行なうことができる。
【0049】そして、解析部門の担当者は、設計部門における量産設計がある程度進んだ時点で、各種のシュミレーション・ソフトウエア・プログラムを利用して、対象となる新型車両の性能や構造等について仮想的な解析を行なうと共に、量産設計情報の精度の向上を図る。
【0050】また、デザイン部門にて生成された当該新型車両の形状デザインは、新型車両の企画情報とは別途、車両メーカの経営陣による承認業務を経て、承認決定がなされた新型車両の形状デザインを表わす形状情報は、デザイン部門の後工程を担う試作部門等の各部門に正式に配布される。
【0051】<第2ステップ>第2ステップにおいて、試作部門の担当者は、設計部門における量産設計が略まとまった時点で、設計部門によって設計された新型車両の設計情報(3次元CAD情報等)を利用して、試作車両を製作する。製作された試作車両には、実験研究部門の担当者により、各種の評価試験及びその試験結果の収集が行われる。試作車両の評価試験における試験結果は、設計部門によって量産車両の設計情報に反映される。
【0052】また、生産技術部門の担当者は、設計部門における量産設計が略まとまった時点で、設計部門によって設計された新型車両の設計情報(3次元CAD情報)に従って、CAD/CAE/CAM等の作業支援ソフトウエア・プログラムを利用して、組み立てラインにおける生産の作業性、作業能力、作業編成のシュミレーション等を開始する。
【0053】このとき、設計・解析部門、生産技術部門、並びに試作・実験研究部門では、各種の作業支援ソフトウエア・プログラム及びシュミレーション・ソフトウエア・プログラムを利用して業務が行われるので、設計部門から後工程(生産技術部門)に当初渡される設計情報は、細部の寸法設計等の作り込み(コンフィグレーション)が行われていない暫定的な情報であったとしても、係る後工程の部門は、担当業務の検討を開始することができ、必要に応じて、設計部門に対する改善を要求することもできる。改善要求がなされた場合、設計部門では、その改善要求に基づく設計情報の改訂が行われ、改訂された設計情報が改めて後工程の各部門に渡される。
【0054】本実施形態において、企画部門から提供された企画情報は、データベース3に格納されている既存車両に関する各種の情報に基づく確度の高い情報である(詳細は後述する)。このため、第2ステップにおいては、図2に概念的に示すように、設計・解析部門、生産技術部門、並びに試作・実験研究部門の協業(コラボレーション)により、量産設計の最適化が行なわれるが、この間、企画部門(第1ステップ)にて先に生成された企画情報が実質的に変更されることは無い。
【0055】そして、第2ステップにおいて最適化された新型車両の設計情報(ソリッドモデル等の3次元CAD情報)は、量産用のプロダクト・モデルとして扱われ、図2には不図示の後工程(生産工程)では、この最終的な設計情報に従って、実際の量産が開始される。
【0056】尚、第2ステップにおけるコラボレーションを実現する具体的な手段については、一般的な設計技術手法やシュミレーション技術を採用するものとし、本実施形態における詳細な説明は省略する。
【0057】また、第2ステップにおいては、新型車両の量産設計情報、各種の解析結果、車両評価試験の結果等の各種情報が、設計部門、解析部門、試作・実験研究部門、並びに生産技術部門によってデータベース3に登録され、これにより、データベース3は、現実の最新情報によって更新される。更に、データベース3には、外部のサプライヤに配置されたユーザ端末2により、車両メーカに納入すべき部品またはモジュールの納期、生産ロット、コスト(金額)等の情報が登録される。
[ データベース3 ]次に、データベース3に格納される複数の既存車両に関する情報について具体的に説明する。
【0058】図3は、本実施形態においてデータベース3に格納される各種の情報を概念的に例示した図である。
【0059】同図に示すように、データベース3の内部には、・複数種類の既存車両に関して、車両レベルの諸元情報及び性能情報、・個々の既存車両を構成する複数種類のモジュールレベル(例えば、パワートレーンモジュール、シャシー等)の諸元情報及び性能情報、・個々の既存モジュールを構成する複数種類の部品レベルの諸元情報及び性能情報、・既存車両、既存モジュール、並びに既存部品のコスト情報、・既存車両、既存モジュール、並びに既存部品の3次元設計情報(3次元形状及びその寸法情報、並びに各種の属性情報等が含まれるソリッドモデル等の3次元CAD情報)、・既存車両を購入した顧客に関する情報、・既存車両を購入した顧客からの意見や苦情等の評価情報、・同業他社メーカが販売している既存車両としてのベンチマーク車両(比較対象車両)に関する車両レベルの諸元情報及び性能情報、等の各種項目の情報(レコード)が互いに関連付けされた状態で格納されている。これらの各種情報は、参照(再利用)を効率良く且つ容易にすべく、車両レベル、モジュールレベル、部品レベルなる3階層の分類によって体系立てられた状態で管理される。ここで、諸元とは、寸法や性能を表わす数値情報である。
【0060】上述した各種項目の情報が格納されているデータベース3には、SQL(Structured Query Language)等で記述された一般的なリレーショナル・データベース(RDB)を採用することができる。
【0061】本実施形態において、データベース3に格納された車両に関する各種の情報は、図2を参照して説明したように、その車両の開発時に、設計部門、解析部門、試作・実験研究部門、並びに生産技術部門によって登録された情報、外部のサプライヤによって登録された情報であり、顧客に関する情報、並びに顧客からの評価情報は、販売店やユーザによって登録されたものである。より具体的には、各部門やサプライヤに配置されたユーザ端末2において設定された情報は、通信ネットワーク5を介して、データベース3に格納される。データベース3は、例えばサーバ・コンピュータ1の管理下にあり、その場合、外部より受信した情報の格納動作は、サーバ・コンピュータ1によって制御される。
【0062】図4は、本実施形態においてデータベース3に格納される個々のレコードのデータフォーマットを例示する図であり、車両レベル、モジュールレベル、部品レベルの3階層の分類のうち、最小単位である部品レベルの情報を例示している。
【0063】即ち、同図には、既存部品に関する複数のレコードのうち、複数種類の既存車両に既に採用されている、或いは採用可能な複数種類のタイヤのレコードとして、そのタイヤが採用される車両の「ジャンル」及び「セグメント」、「シャーシ系」、「配置規制条件」、「生産・納期情報」、並びに諸元情報として「サイズ」及び「規格」、性能情報として「乗り心地」及び「操縦安定性(操安性)」の評価点が示されている。
【0064】ここで、「ジャンル」は、車両の用途や運動性能を表し、本実施形態では、セダン、ワゴン、クーペ等の分類がある。「セグメント」は、車両の大きさと、エンジンの排気量(電動機を使用する車両における当該電動機の出力を含む)とを含む車格を表し、本実施形態では、A,B,C等の記号で表される。
【0065】また、「配置規制条件」は、後述するレイアウトの検討段階において既存部品を配置する際の配置場所の規制条件を示す情報である。「生産・納期情報」は、既存部品の生産ロットや納入期日等の情報である。
【0066】図4に示す各タイヤについての上記の各情報項目のうち、「ジャンル」及び「セグメント」は、対象であるタイヤが採用されている既存車両との車両レベルの関連付けを表わす情報である。「シャーシ系」は、対象であるタイヤが採用されている既存モジュールとのモジュールレベルの関連付けを表わす情報であり、型式XX、型式YY、・・・は、その識別情報である。尚、車両レベルの関連付けを表わす情報には、個々の既存車両を特定する車両型式を利用または併用しても良い。
【0067】従って、データベース3をモジュールレベルで参照する際には、ある既存モジュールを特定する識別情報(型式等)を検索キーとして、その既存モジュールを構成する複数種類の既存部品のレコードが抽出される。また、データベース3を車両レベルで参照する際には、ある既存車両を特定する識別情報(ジャンル及びセグメント、或いは車両型式)を検索キーとして、その既存車両を構成する複数種類の既存モジュール、及びそれら既存モジュールに関連付けされている複数種類の既存部品のレコードが抽出される。
【0068】本実施形態において、性能情報の評価単位は、データベース3の3階層の管理体系に対応して、車両レベル(車両全体)、その車両を構成するモジュールレベル、並びに1つのモジュールを構成する部品の3つの階層に分類されている。それらレベルに属する各種項目の性能情報には、共通の尺度である標準化された評価点(評価値)が予め格納されており、本実施形態では、一例として、最も一般的な10点満点(0点〜10点)で表されている。本実施形態では、複数種類の既存車両の設計・解析・車両評価試験・生産に際して生成された膨大な情報を、このような体系でデータベース3に格納しておき、それらの情報に有形無形に含まれる各部門の車両作りのためのノウハウを、新型車両の企画立案作業に有効に活用する。
【0069】サーバ・コンピュータ1は、新型車両の企画支援を実行するに際して、予めメモリに格納されているソフトウエア・プログラムに従って、データベース3にアクセス可能である。また、各部門(サプライヤを含む)に配置されたユーザ端末2のオペレータ(ユーザ)は、予め設定されている許容範囲内で、データベース3に格納されている情報の追加、更新、或いは削除等のメンテナンスを行なうことができる。
[ 新型車両の企画立案支援処理 ]次に、図5乃至図11を参照して、企画部門の担当者が新型車両の企画立案に際して利用する企画立案支援処理について具体的に説明する。この支援処理は、ユーザ端末2におけるオペレータの操作に応じて、サーバ・コンピュータ1のCPU(不図示)が記憶媒体(ハードディスク装置等)に予め記憶されているプログラムを実行することにより、上述したデータベース3を参照しながら実現される。
【0070】本支援処理は、所定の識別情報(ID)を有する企画部門の担当者がユーザ端末2にログインすることによって開始される。
【0071】尚、以下の説明においては、サーバ・コンピュータ1により、ユーザ端末2のディスプレイに所定の入力項目を有する各種の画面を表示する機能、表示された画面の入力項目に設定された情報をユーザ端末2から取得する機能、並びに所定の検索キーによってデータベース3を検索し、必要な情報を取得する機能等は、一般的な手順を採用するものとし、本実施形態における詳細な説明は省略する。
【0072】処理が開始されると、図5に示すメニュー画面がユーザ端末2のディスプレイに表示される。このメニュー画面には、「新規に企画」ボタン51、「企画車両のファイル」ボタン52、「各種データ参照」ボタン53、「閉じる」ボタン54が表示される。図5に示すメニュー画面において、「新規に企画」ボタン51は新型車両を新規に企画する場合に選択され、「企画車両のファイル」ボタン52は既にサーバ・コンピュータ1に記憶されている新型車両の企画情報を読み出す場合に選択され、「各種データ参照」ボタン53はデータベース3に格納されている各種の情報を、ログイン中のユーザ端末2において参照する場合に選択され、「閉じる」ボタン54はユーザ端末2へのログインを解除する場合に選択される。
【0073】図5において「新規に企画」ボタン51が選択されると、図6に示すメニュー画面が表示される。図6のメニュー画面において、「企画開始」ボタン55が選択されると新型車両を新規に企画する処理が開始され、「企画車検索」ボタン56が選択されると既にサーバ・コンピュータ1に記憶されている新型車両の企画情報を検索する処理が開始され、「各種データ参照」ボタン57が選択されるとデータベース3に格納されている各種の情報を、ユーザ端末2において参照する処理が開始され、「戻る」ボタン58が選択されると図5の初期画面に戻される。
【0074】図6の「企画開始」ボタン58が選択されると、図7の新型車諸元入力画面が表示される。図7のメニュー画面の入力領域59には、新型車両において車両レベルで実現したいと考えている各種の目標諸元がオペレータによって入力される。この入力領域59に入力するべき目標諸元としては、同図に例示されている駆動方式、ジャンル、セグメント、サイズ(全長、全幅、全高)、重量等の他に、室内長、室内幅、室内高、最低地上高、乗車人員、最小回転半径、ホイールベース、トレッド等の項目がある。
【0075】個々の項目に目標諸元を入力する際には、目標値及びその許容値(許容範囲)を、目標評価点(10点満点)にて設定する必要がある。本実施形態において、オペレータによって許容値が設定されない、或いは0(ゼロ)が設定された場合、サーバ・コンピュータ1は、対応する項目の目標値がオペレータにとって絶対的な位置付けがあると判断し、その目標値には許容範囲を与えることなく、その目標値のままで演算を行なう。このように、ユーザ自身が任意に許容範囲を設定することができるので、サーバ・コンピュータ1の画一的な自動計算による支援処理に融通をきかせることができるので、利便性が向上する。
【0076】また、図7の入力領域59において、オペレータは、目標値に対する所望の許容値を具体的に設定する代わりに、プライオリティランクを設定することができる。プライオリティランクには、数種類(A、B、C等)が予め用意されており、オペレータは、各項目について何れかを選択することができる。サーバ・コンピュータ1の内部において、個々のプライオリティランクには、対応する許容範囲が予め設定されており、例えば、ある目標値を中心とする+方向及び−方向の許容範囲の幅は、A<B<C<・・・なる関係に設定されている。
【0077】図7の入力領域59に必要なデータが入力されると、図8の目標性能入力画面が表示される。図8のメニュー画面の入力領域60には、新型車両において車両レベルで実現したいと考える複数項目の目標性能がオペレータによって入力される。この入力領域60に入力されるべき目標性能の項目としては、同図に例示されている操安性、乗り心地、動力性能、燃費等がある。個々の項目に目標性能を入力する際には、上述したデータベース3に評価点にて格納されている各種の性能項目に合わせて、新型車両において実現しようとする目標性能を表わす値として、目標点数及びその許容値(許容範囲)を、上述した図7の場合と同様に、目標評価点(10点満点)にて設定する必要がある。また、ターゲット欄には、各目標性能を複数の既存車両(比較対象車両を含む)の集団の中でもトップクラスに位置付ける「リーダ」、または複数の既存車両集団の中で平均的なクラスに位置付ける「アマング」を設定することができる。例えば「リーダ」は、概ね8点以上の評価点であり、「アマング」は、6点乃至7点程度の評価点に相当する。
【0078】図8のメニュー画面において、「詳細入力(モジュールレベル)」ボタン61を選択すると、図9に示すモジュールレベルの目標性能入力画面が表示される。この画面では、企画対象の新型車両を構成する複数種類のモジュールのうち、「シャシー関連」のモジュールに目標性能を設定する際の状態が例示されており、フロント&リアサスペンションとして、オペレータの入力操作により、データベース3に格納されている評価点6.5点の既存部品が、キャリオーバ部品として設定され、その6.5点の評価点に対する改善目標として、入力領域62には、操安性に+1点、乗り心地に+0.5点が入力されいる。
【0079】このとき、その変更後の評価値の妥当性が、データベース3に記憶されているところの、対応する項目の過去の評価値の改善度合いに基づいて判断され、妥当でないと判断された場合には、その旨がオペレータに報知される。例えば、過去の複数回の設計更新が行われる度に、平均して+0.5点の評価点の改善がなされていた事実に対して、企画対象の新型車両では、現在の評価点に対して、+1.5点という改善目標が設定された場合は、一般的には実現が困難であると予想されるので、係る場合には、その旨がオペレータに報知される。
【0080】このように、本実施形態では、後工程を担う設計部門の担当者が実現することが困難な評価値をユーザ(企画部門の担当者)が設定した場合には、その旨が報知されるので、非現実的な新型車両の企画が立案されることを未然に防止することができるので、既存車両の諸元情報及び性能情報を利用することによる企画検証の精度の高さと、企画対象の新型車両を設計部門が実際に設計開発する際に予想される技術的な進歩の度合いとを、バランス良く両立できる。
【0081】ここで、キャリオーバ(carry-over)部品とは、企画対象である新型車両においても採用を希望する既存部品であって、3次元形状及びその寸法情報、並びに各種の属性情報等が含まれるソリッドモデル等の3次元CAD情報が既にデータベース3に格納されている。複数のキャリオーバ部品(既存部品)によって構成される一機能単位は、キャリオーバ・モジュールと称する。
【0082】また、図9に示すモジュールレベルの目標性能入力画面では、オペレータの入力操作により、上記のフロント&リアサスペンションと共に使用されるタイヤが設定されている。更にこの画面では、4WS、パワーステアリング、ABS等の設定の要否も設定することができる。
【0083】また、図10に示すメニュー画面において、複数種類のモジュールに関する目標項目の中でも新型車両の運動性能を決定付ける重要なモジュールとして、パワートレーンに対する目標性能の設定が可能である。このメニュー画面において、オペレータは、既存部品(既存モジュール)としてデータベース3に登録されている複数種類のエンジン及び変速機等の中から所望のものを選択することができる。
【0084】データベース3に記憶されている既存部品(既存モジュール)のレコードには、現時点における能力(実力)を示す情報として、性能項目の評価点或いは諸元項目の実力値が関連付けされている。そこで、オペレータは、選択したエンジン及び変速機等の所望の既存部品(既存モジュール)に対して、設計部門による新型車両の設計において達成を希望する評価値の改善目標(既存部品等の現在の能力から改善を希望する程度)を、図10に示すメニュー画面の入力領域63において設定することができる。但し、このとき、その変更後の評価値の妥当性が、データベース3に記憶されているところの、対応する項目の過去の評価値の改善度合いに基づいて判断され、妥当でないと判断された場合には、その旨がオペレータに報知される。これにより、既存車両の諸元情報及び性能情報を利用することによる企画検証の精度の高さと、企画対象の新型車両を設計部門が実際に設計開発する際に予想される技術的な進歩の度合いとを、バランス良く両立できる。
【0085】上記モジュールレベルでの目標性能を入力する際には、図11に示すキャリオーバ設定画面の入力領域64において、企画対象の新型車両に採用を希望する既存部品または既存モジュールを選択することができる。即ち、この画面において、「既存車両の選択」ボタンの操作によってデータベース3に登録されている何れかの既存車両がオペレータによって選択されると、対応する既存車両の設計情報であるソリッドモデル等を利用して、その既存車両の3次元形状のモデルがユーザ端末2のディスプレイに表示される。オペレータは、ディスプレイに表示された3次元形状のモデルの中から、その既存車両を構成する既存部品または既存モジュールを、図15及び図16に例示するように、例えばマウス等のポインティングデバイスを用いた選択操作により、新型車両にて採用するキャリオーバ部品またはキャリオーバモジュールとして選択することができる。
【0086】図15及び図16は、オペレータによってキャリオーバ設定がなされた状態の既存車両の3次元形状のモデルを例示する図であり、同図では、キャリオーバ設定がなされなかった部分がハッチングで、同設定がなされた部分が白抜きで表示されている。
【0087】図11のキャリオーバ設定画面において選択された既存部品または既存モジュールは、企画対象の新型車両に採用された場合にも、そのままの状態(設計)で流用されることが前提となるので、本システムにおいても、図9に例示したように少々の改善目標のマニュアル設定は許容されるものの、原則として、キャリオーバ設定された既存部品または既存モジュールの性能情報や諸元情報が、オペレータによる操作または企画検証のための演算に際して大きく更新されることは制限される。
【0088】新型車両についての車両レベル及びモジュールレベルの目標性能及び目標諸元が上述した手順で設定された段階で、オペレータは、図12に示す表示画面を利用して、新型車両の企画検証を行なうことができる。設定された目標性能及び目標諸元に基づいて算出された検証結果は、ユーザ端末2のオペレータに提示される。
【0089】図12に示す表示画面において、「企画車両イメージ」のボタン71が選択されたならば、上述した各手順にて設定された目標性能及び目標諸元に基づいて、企画対象の新型車両を表わすグラフィックが、ユーザ端末2のディスプレイに表示される。
【0090】但し、このとき表示される車両の形状には、その車両特有の意匠(形状デザイン)が施されている訳ではなく、図8の入力画面において入力された当該新型車両のジャンル及びセグメントによって概ね決定される占有空間の形状に対して、同設定画面において設定されたサイズ情報が反映された車両形状がベースとなり、そのベースとなる車両形状(簡易ボディ)に対して、選択された既存モジュール(キャリオーバモジュールを含む)や既存部品等が配置された程度のグラフィックである。ベースとなる車両形状に対する既存モジュールや既存部品の配置に際しては、図4に例示する如くデータベース3に記憶されているところの、個々の既存部品及び既存モジュールで関連付けされている配置規制条件が参照される。
【0091】より具体的には、先に設定された車両のジャンル、セグメント、並びにサイズに基づいて決定される簡易ボディに対して、各種の既存モジュールの3次元設計情報を利用して、同一の座標空間上に、車両を構成する主なコンポーネントが、データベース3に関連付けされた状態で記憶されている配置規制条件に従って自動的に配置される。このとき、各種の既存モジュールの3次元設計情報は、そのまま利用されるのではなく、例えば個々のコンポーネントを立方体や円筒等の3次元の箱レベルで配置・移動すべく、係る設計情報に含まれる外形寸法(縦、横、高さ)、並びに重心位置の情報が利用される程度であり、例えばソリッドモデル等として表現された各部位の詳細な設計形状、属性情報等は使用されることはない。
【0092】但し、既存モジュールがキャリオーバモジュールとして利用される場合には、企画対象の新型車両においても現在の設計のままで流用されることが前提なので、その既存モジュールの3次元設計情報をそのまま利用し、配置変更を規制することにより、経済性の高い新型車両の企画を容易に行なうことができるように構成すると良い。
【0093】簡易ボディに自動的に配置されるコンポーネントは、タイヤ、サスペンションモジュール、エンジンモジュール、ステアリングホイール、シート、計器パネル、燃料タンク等の主要なコンポーネントであり、それらに関連付けされている配置規制条件に従って、簡易ボディに対して自動的に配置される。
【0094】例えば、簡易ボディに対する自動的な配置に際して、タイヤであれば、タイヤハウスの中心位置に、そのタイヤの重心が位置することが配置規制条件となり、エンジンモジュールであれば、第nフロントメンバから**mm後方の位置に配置すること等が配置規制条件となる。この場合に表示されるグラフィックは、企画部門の担当者であるオペレータが、企画の妥当性を判断するためのものなので、係る配置規制条件を満足することができる場合には、個々の既存モジュールや既存部品が少々干渉することは許容して、配置が行われる。
【0095】これにより、必要最小限のレイアウトの成立性をユーザが検証するための表示画面が、個々の既存モジュール及び/または既存部品は、干渉することは許容して配置が行われるので、各コンポーネントのレイアウトに要する処理を迅速にすることができる。また、オペレータは、新型車両の物理的なレイアウトの成立性を容易に検証することができる。
【0096】図17は、図13に示す領域81において「レイアウト」の項目が選択された場合における企画対象の新型車両についてのレイアウト検証結果を例示する図であり、図12に示す表示画面において、「企画車両イメージ」ボタン71が操作された場合にユーザ端末2のディスプレイに表示されるグラフィックのうち、一例として、エンジンルームを上から見た状態を示す。
【0097】レイアウト検証では、サーバ・コンピュータ1によって上述した如く簡易ボディに自動的に設定された各コンポーネントを、例えばマウス等のポインティングデバイスを用いた選択操作により、オペレータが適宜移動させながら、レイアウトを検討することが可能である。
【0098】また、図12に示す表示画面において、「企画車両の妥当性確認」ボタン72が操作された場合には、図13に示すメニュー画面が表示される。このメニュー画面には、企画対象の新型車両について妥当性の評価が可能な複数の項目が表示されて、これらの項目のうち、上述した各ステップにおいてオペレータが所定の必要項目について目標性能及び目標諸元を全て設定しているものは白抜きで表示され、何等かの情報の設定が不足しているものはハッチングで表示されることにより、その旨がオペレータに報知される。
【0099】情報の設定が不足している項目については、「データ入力画面へ」ボタン82がオペレータによって操作された場合、オペレータは、上述した各ステップにて説明した各設定画面に戻って、所望の値を個別に入力することができる。
【0100】また、情報の設定が不足している項目については、図13の「サンプル入力による検証へ」ボタン83がオペレータによって操作された場合に、図14に示す選択画面において、データベース3に記憶されている既存車両に関する性能情報及び諸元情報をサンプルとして選択することにより、係る項目の妥当性評価について必要な目標性能及び目標諸元を、サーバ・コンピュータ1の内部に一括して設定することができ、ユーザによる入力操作を簡略化することができる。
【0101】次に、図12に示す表示画面において、「企画車両の性能比較」ボタン73が操作された場合には、上述した各手順にて設定された目標性能及び目標諸元に基づいて、上記の如く企画対象の新型車両の予想評価値が算出され、データベース3に登録されている既存車両のうち、比較対象車両の実力を示す評価値との比較が、車両単位、性能項目単位、或いはモジュール単位で、ユーザ端末2のディスプレイに表示される。
【0102】また、図12の「仮想試験」ボタン74が操作された場合には、後述するように上記各手順にて設定された目標性能及び目標諸元やデータベース3に登録されている既存車両の仮想試験結果や実車試験結果に基づいて仮想試験が実施され、その仮想試験結果がユーザ端末2のディスプレイに表示される。
【0103】以上説明した本実施形態の如く、企画部門においてサーバ・コンピュータ1を利用して作成された新型車両の企画情報は、設計・解析・車両評価試験等の各工程にて従来車両において既に実現された現実の情報に基づいて作成された情報である。このため、従来の企画書に記載された仕様と比較して確度の高い情報であり、その企画情報を受け取った設計部門では、その企画情報を本来の位置付け通り「 絶対的な業務指示書 」として、具体的な量産設計を、直ちに開始することができる。
【0104】また、新型車両を開発・販売するか否かを判断しなければならない企業の経営陣にとっても、設計部門による量産設計に先立って、企画部門から提案された新型車両の企画を判断するに際して、上述した本実施形態の如くまとめられた企画情報を参照することができれば、その企画情報は、従来車両において既に実現された現実の情報に基づく体系付けられた情報であり、且つ必要に応じてグラフィカルに表示可能であるため、判断対象の新型車両の商品性や妥当性等の検討項目を、従来のように書面を参照する場合と比較して具体的且つ容易に想像することができ、より的確な判断を迅速に下すことができる。
【0105】このように、上述した新型車両の企画処理によれば、ユーザは、企画立案すべき新型車両の目標諸元と目標性能とが図7及び図8に示す設定画面を利用してサーバ・コンピュータ1に設定すれば、その新型車両が実際に成立する可能性を表わす情報が既存車両に関する情報を参照して自動的に算出されるので、現実的で確度が高い新型車両の企画を迅速且つ容易に行なうことができる。これにより、新型車両の企画から量産開始までの全体の期間も短縮することができる。
【0106】また、新型車両を企画する際にはよく行われるキャリオーバ部品及び/またはキャリオーバモジュールを、オペレータは、図11に例示するような設定画面を利用して、サーバ・コンピュータ1に容易に設定することができ、設定したキャリオーバ部品及び/またはキャリオーバモジュールが考慮された状態で新型車両が成立する可能性を表わす情報が算出されるので、経済性の高い新型車両の企画を容易に行なうことができる。
[企画段階における仮想試験結果の利用]企画部門では、上述した企画処理にて予め設定した目標諸元や目標性能、或いは過去の企画により解析部門で作成された仮想試験結果や実験研究部門により作成された既存の実車試験結果などからなるデータベースに基づいてサーバ・コンピュータ1を利用して図20〜図24に示す手順により新型車両に関して仮想試験を実施できる。
【0107】一方、解析部門では、上記既存の仮想試験結果のデータベース化に際し、上述のように、設計部門にて設計された新型車両の設計情報を、各種のシュミレーション・ソフトウエア・プログラムを利用して仮想的に解析(仮想試験)することにより、対象となる新型車両の性能や構造等についての検証を行なう。
【0108】図19は仮想試験の概念図を示し、車両レベル、モジュールレベル、及び部品レベルについて、実車試験結果とシミュレーションモデルによる試験結果との相関性をとり、シミュレーションモデルによるパラメータスタディを行い、その結果をデータベース化する。これにより、シミュレーションモデルの検証(実車評価とシミュレーション評価との相関性と、シミュレーションモデルのデータベース化)や目標性能の方向性/実現性の検証(試作車が無い段階でのシミュレーションモデル評価)、及びシミュレーションモデルを用いての実車試験項目などの決定が可能となり、次の企画において企画部門において実行される仮想試験の原資としてデータベース化される。
【0109】図20は、企画部門において実施された仮想試験結果を示す画面例であり、図12の表示画面において「仮想試験」ボタン74を選択することにより仮想試験が実施される。
【0110】仮想試験結果は、図20に示すように、仮想試験状況と信頼度として5段階に細分化された各レベル毎に該当する試験項目数が表示され、特にレベル0〜2までの信頼性の低い試験項目については詳細な項目及び識別番号(かっこ書)などが表示される。また、レベル0〜2までの信頼性の低い試験項目については、解決策として試作車を用いた実車試験が必須である旨が表示される。
【0111】上記レベル0〜4において、レベル0は仮想試験による解析不能、レベル1は試作車を用いた実車試験が必要(仮想試験結果の信頼度が低い)、レベル2は試作車を用いた実車試験が必要(仮想試験結果の信頼度が低い)であるが、補助的に仮想試験結果も利用できる、レベル3は仮想試験を用いた解析で概ね可、レベル4は仮想試験による解析のみで可(仮想試験結果の信頼度が最も高い)という信頼性を夫々表している。
【0112】上記仮想試験結果の信頼度は、例えば、過去(既存)のシミュレーションデータと実車試験データとの偏差や、既存の実車試験データ量、企画車両と既存車両との目標諸元や目標性能の近似度などにより決定される。
【0113】尚、図中の詳細リストボタン107を選択することにより、仮想試験項目及びその仮想試験結果の信頼度を詳細に表示される。図21は、企画された新型車両の主要構造(諸元データ)や主要変更構造(既存データに対する変更データ)に対してシミュレーションモデルを用いて検証した仮想試験項目及びその仮想試験結果の信頼度を例示したリスト表示例であり、各仮想試験毎に仮想試験結果の信頼度がレベル0〜4まで5段階に細分化された詳細リストが表示され、レベル0の結果にはオペレータが識別可能に色彩や音声を付して出力してもよい。
【0114】また、図21に示したように、仮想試験結果である詳細リストは、車両レベル(例えば、動力性能/燃費に関する試験)、モジュールレベル(制動性能やパワートレインに関する試験)、部品レベル(ワイパーウォッシャーに関する試験)の夫々に対して階層的に設定されるが、現時点での企画段階で実行可能な仮想試験項目(例えば、部品レベルとモジュールレベル)のみが表示されて他の項目(車両レベル)は伏せられて表示される。
【0115】更に、上記リスト中に示された「×」表示は、新型車両の主要構造や主要変更構造に対する当該試験項目はデータ不足により実施できないことを表している。
【0116】更に説明を加えると、本実施形態の支援システムは、新型車両の企画から量産までの過程における試作車の低減、望ましくは試作車の全廃を目的としている。このため、図21に示す仮想試験結果に基づいて、試作車が減少若しくは不要となる条件を設定できるように構成されている。
【0117】図22は、上記試作車が減少若しくは不要となる条件を設定するための試作車調整画面を例示しており、優先順位の最も高い「試作車低減を伴う試験調整」項目101(優先順位1)から順番に上位から下位に、「内容の大幅変更を伴う試験調整」項目102(優先順位2)、「資材供給先の変更を伴う試験調整」項目103(優先順位3)、「開発期間短縮を伴う試験調整」項目104(優先順位4)、「試作車の効率的な利用を伴う試験調整」項目105(優先順位5)などの各項目が選択可能となっている。
【0118】そして、図22の各項目ごとに詳細入力ボタン101a〜105aのいずれかを選択することによって「試作車低減を伴う試験調整」項目101では、例えば試作車の台数入力、「内容の大幅変更を伴う試験調整」項目102では、例えばサスペンション形式やドア数の変更入力、「資材供給先の変更を伴う試験調整」項目103では、例えばトランスミッションやABSなどの資材供給先の変更入力、「開発期間短縮を伴う試験調整」項目104では、例えば開発期間入力、「試作車の効率的な利用を伴う試験調整」項目105では、例えば試作車の劣化度合(%)の数値入力が可能となっている。
【0119】更に、上記入力した各項目の相対的な重要度を任意に設定できるように、重み付けボタン101b〜105bを選択することにより各項目毎に重み付けが設定可能となっている。
【0120】図23は、優先順位の最も高い「試作車低減を伴う試験調整」項目101での調整結果としての実車試験項目を例示した画面例であり、図21の仮想試験結果及び/又は図22の試作車調整画面への入力情報に基づいて実験研究部門に対して試作車による実車試験項目を提示すべく表示可能となっている。
【0121】図23の画面例の実車試験項目では、新型車両の実車試験必要項目として、例えば、耐久路試験、リヤドア横開き強度試験、リヤドア横開き耐久試験、リヤドア横開き振動試験などを提示すべく表示する。
【0122】そして、上記表示された実車試験に関して、仮想試験結果と既存の実車試験結果に基づいて想定可能な範囲で目標性能に対する達成度としての予想評価点やこれら試験結果から推測される課題(スイングアーム亀裂可能性やサスペンションタワー変形可能性など)が具体的に数値などとして表示される。尚、上記予想評価点や課題が想定不可能な場合には図示のリヤドア横開き試験項目のように「不明」と表示される。
【0123】また、詳細リストボタン108を選択することによって、目標性能に近づけるための改善策や実車試験項目に基づいて試作車が持つと想定される車両性能が表示される。
【0124】また、図23の画面においては、仮想試験結果と既存の実車試験結果に基づいて、実験研究部門に対して試作車とそれを用いた実車試験項目を提示すべく表示する。具体的には、図中の試作車1号にはフルスペックでの衝突実研、試作車2号には振動実研、試作車3号にはボディー実研などとして表示される。
【0125】また、上記試作車とそれを用いた実車試験項目に加えて、例えば、図22の試作車調整画面における「試作車の効率的な利用を伴う試験調整」項目で設定された条件に応じて効率的な試験過程(手順)を表示する。具体的には、図示のように、試作車2号に対して試作車を効率的に利用するために振動実研→強度実研→信頼性実研(フルスペック)という順序で試験を行うように表示される。更に、詳細リストボタン109を選択することによって、各試作車に対応する実研や手順の詳細内容が表示される。
【0126】尚、上記試作車とそれを用いた実車試験項目の表示では、図22で設定される条件のうち最も優先順位の高い「試作車低減を伴う試験調整」項目に入力された情報を最優先として、この最優先の条件から順番に下位の条件が優先される。また、推測課題の大きい実車試験が優先され、例えば、図23のように、試作車3号にはボディー実研(リヤドア強度試験)→リアドア振動試験などが表示される。更に、仮想試験結果や既存の実車試験結果の信頼度に影響を与えるような、「内容の大幅変更を伴う試験調整」項目や「資材供給先の変更を伴う試験調整」項目などの条件が優先される。
【0127】以上説明した本実施形態の如く、企画部門においてサーバ・コンピュータ1を利用して作成された新型車両の企画情報は、設計・解析・車両評価試験等の各工程にて従来車両において既に実現された現実の情報に基づいて作成された情報である。このため、従来の企画書に記載された仕様と比較して確度の高い情報であり、その企画情報を受け取った設計部門では、その企画情報を本来の位置付け通り「 絶対的な業務指示書 」として、具体的な量産設計を、直ちに開始することができる。
【0128】また、新型車両を開発・販売するか否かを判断しなければならない企業の経営陣にとっても、設計部門による量産設計に先立って、企画部門から提案された新型車両の企画を判断するに際して、上述した本実施形態の如くまとめられた企画情報を参照することができれば、その企画情報は、従来車両において既に実現された現実の情報に基づく体系付けられた情報であり、且つ必要に応じてグラフィカルに表示可能であるため、判断対象の新型車両の商品性や妥当性等の検討項目を、従来のように書面を参照する場合と比較して具体的且つ容易に想像することができ、より的確な判断を迅速に下すことができる。
【0129】また、本実施形態によれば、サーバ・コンピュータ1を利用した支援システムにより完成度の高い新型車両の企画が行えるので、新型車両の開発期間の大幅な短縮、試作車の削減(解消)、開発コスト低減などを実現できる。
[3次元CADデータの自動生成]本実施形態に係るシステムでは、図17に例示するように企画車両に対して仮想部品をレイアウトした仮想レイアウトによる検証が可能である。
【0130】仮想レイアウトによる検証では、サーバ・コンピュータ1によって上述した如く簡易ボディに自動的に設定された各コンポーネントを、例えばマウス等のポインティングデバイスを用いた選択操作により、オペレータが適宜移動させながら、レイアウトを検討することができる。
【0131】そして、設計部門では、新型車両の企画書(本実施形態ではデジタル化された企画情報)に基づいて、CAD/CAE/CAM等の作業支援ソフトウエア・プログラムを利用して、新型車両の具体的な設計(量産設計)を行なうが、その設計作業の1つとしてサーバ・コンピュータ1を用いて上記仮想レイアウトに用いられたデータから、3次元CADデータが自動生成可能となっており、従来より格段に設計に要する工数を低減することができる。
【0132】図18は、仮想レイアウトデータから自動生成された3次元CADデータの一例を示している。仮想レイアウトデータは、既存の車両、モジュール及び部品のCADデータと夫々リンクしており、自動生成実行時に当該既存のCADデータをリンク先から読み込んで3次元CADデータを作成する。
【0133】また、図17の仮想レイアウトの一例のように、既存の実車試験結果などに基づいて、仮想レイアウト上の不具合(干渉や熱害など)や構造的に強度が不足している部位を推測し、3次元CADデータを自動生成する前に当該箇所を色別や音声などにより警告表示すると共に、当該不具合の解決策として代替部品などの提示をすべく表示する(図17の表示画面92)。また、設計部門では、企画車両の完成まで各部門を統括する統括部門において解決策が承認された後に、自動生成ボタン91を選択することで3次元CADデータが自動生成可能となっている。
【0134】そして、設計部門では上記自動生成された3次元CADデータに対して予め設定された目標諸元や目標性能、既存データなどに基づいて適宜手直をかける。
【0135】更に、上記不具合などを解消するために設計部門において設計変更が必要な場合、当該設計変更により試験内容などが変わるために他部門に及ぼす影響、即ち、設計部門における干渉箇所や改善箇所の再検討、或いは解析部門や実験部門での再試験の必要性などを各部門に警告、承認を促すべく提示可能となっており(図17の表示画面93)、設計変更などによる影響を事前に理解した上で検証が可能となる。
【0136】上記自動生成された3次元CADデータは、設計部門における各設計段階において車両別、モジュール別(或いは部品組付領域別)、部品別に作成されるが、各々のCADデータには、企画車両に課されるべき規制データに適合しない不適合情報が設計図面上で部位別に表示可能に付加でき、当該不適合情報を設定した関連部門に対して警告及び承認がなされる。
【0137】そして、設計図面上に上記不適合情報が付加されているならば、当該不適合情報に関連する部門(例えば、企画部門、設計部門、知財部門、マーケティング部門など)が要望を出し、当該不適合情報に対して改善策などを承認してからでないと、実験研究部門における実車実験や設計部門において次の設計段階に進むことができないようになっている。
【0138】上記規制データは、国内及び外国法規制、社内基準、特許権(出願中も含む)などの知的財産権の存在や当該権利の将来の取得可能性、顧客要望、設計ノウハウに関する情報の少なくとも1つであり、その重要度から複数にレベル分けされて関連部門において設定可能となっている。
【0139】具体的には、国内及び外国法規制を最重要レベルとしてレベル0、社内基準を次に重要なレベルとしてレベル1、特許権などの知的財産権の存在や当該権利の将来の取得可能性をレベル2、顧客要望をレベル3、設計ノウハウをレベル4としてその重要度に応じて設定される。
【0140】上記規制データは設計段階に応じて設定でき、各設計段階毎に規制データが変更される。
【0141】このように、各設計段階であらゆる規制データの入手が容易となり、その検証も効率よく行うことが出来るため、予め規制データに対して対策を講じながら設計を進めることができる。
[実車試験項目の提示]図24は、実験研究部門に提示される実車試験項目の表示画面例を示し、企画が承認されて試作車が完成した段階において、実験研究部門には仮想試験結果や過去の実車試験結果などに基づいて試作車を用いた実車試験項目が提示される。
【0142】図24に示すように、実験研究部門に対して、例えば、制動試験として、60km/hの急制動、100km/hの急制動、ABSでの急制動の各試験項目と、これら項目の実車試験の要否(仮想試験結果の信頼性の可否)を表示すると共に、追加試験として仮想試験結果や他の実車試験では補完できない試験項目が提示される。
【0143】上記追加試験の例としては、図中の振動試験を制動試験に使用するテストコース以外の場所で行うこと、及び試験方法としてサスペンションにGセンサを取り付けて行うこと、試験項目番号などが表示される。尚、上記実車試験結果を受けて設計部門で行われる設計変更が試験結果に与える影響として、再試験項目の有無や、試験結果の信頼性の影響度などを他部門にも提示できるようにデータベース化される。
【0144】本実施形態によれば、サーバ・コンピュータ1を利用した支援システムにより企画段階で試作車を低減しつつ、試作車を用いた実車試験の重複実施を防止して試作車の効率的な利用を図り、結果として新型車両の開発期間の大幅な短縮、試作車の削減(解消)、開発コスト低減などを実現できる。
【0145】尚、上述のサーバ・コンピュータの処理手順を実行するコンピュータプログラムが格納された記憶媒体を、上記コンピュータに供給して、当該コンピュータが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して、上記処理を実行するようにしてもよい。




 

 


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